2014-11-12 22:44:10 更新

概要

        ・・・
勇者が魔王退治に行った話です。


前書き

こちらに投稿するのは初めてです。いろいろと間違えているかもしれません。そういったときはご指摘ください。


神「世界が大変だからちょっと見に行く」

 一応こちらの世界観を使っております




勇者「やった!ついに魔王城まで来たぞ!」


戦士「ついにここまで来たな!」


僧侶「えぇ、しかし浮き足立ってはなりませんよ」


魔法使い「そーそー、ちゃんと気を引き締めてね」


勇者「分かってるよ……よし、行くぞ」


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ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー


勇者「やい、魔王!出てこい!」


戦士「馬鹿だなぁ、出てこいと言われて出てくる馬鹿がどこにいる?」


「ふむ、お客かな、歓迎しようではないか」


魔王「我こそは魔の国の王」


戦士「出てきちゃったよ……」


僧侶「凄く禍々しい魔力、肌がピリピリします」


魔法使い「せんてひっしょー!喰らえ、業火炎!」ゴォッ


魔王「ふむ、落ち着いたらどうだね、その年で火遊びは危ないだろう」ボシュッ


魔法使い「なっ……私の魔法が消された!?」


戦士「おらぁ!」


魔王「力任せか、そういうのはあまり得意じゃないのだよ」ガィイン!


戦士「チィ、バリアかよ」


勇者「はぁ!ぜりゃぁ!」


魔王「ふむ、やはり人か」


勇者「あぁそうだよ!お前ら魔族なんかに人は負けないんだ!」


魔王「魔族?何を言っているのだ?」


勇者「しらばっくれんな!お前ら魔族のせいで俺の村は……!」


僧侶「そうです!我が国内での狼藉、許せません!」


魔王「ほう?して勇者よ、先ほどからなぜ一人で喋っているのだ?」


勇者「…………はぁ?」


勇士「聞く耳持つな勇者!」


僧者「そうです、悪魔の言葉です」


魔勇者い「そーだよ、しっかりして!」


勇者「あぁ、俺は大丈夫だ!」


魔王「……なるほど、フィルターか」


勇者「行くぞ魔王!」


魔王「まぁまて、少し貴様の仲間を見てはどうだ?」


勇者「なんだよ?……まさかあいつらに何かしたのか!」


スライム×3「」ぐちゃ……ぐちゅ……


勇者「……なんだよあれ……魔王!あいつらに何をした!」


魔王「何って……貴様の目にかかっていたフィルターを外しただけだ」


勇者「ふざけんな!嘘つくんじゃねぇ!」


魔王「……はぁ、少し眠るがよい、理解するのはその後だ」


勇者「ぐっ…くそっ……」


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勇者「……っは!……ここは?」


魔王「起きたかね?勇者よ」


勇者「なっ……!魔王!てめぇあいつらをどこへやった!」


魔王「落ち着け、急いては何も始まらん」


勇者「ぐがっ…!てめぇ……!」


魔王「まぁ何が起こっているかは説明してやろう」


勇者「知るか!離せ!」


魔王「……あまりこの手は使いたくなかったが」


勇者「!?……」


魔王「話は聞くだろう?」


勇者「あぁ」


魔王「まずは、そうだな、貴様がこの国に入ってからの話……というよりは映像だな」


勇者「なんだ?その巨大な水晶は」


魔王「神より賜りし映写装置という物らしい、我もよく分からんのだがな」


魔王「さて、再生を始めるぞ」


勇者「ふむ」


おーおーしきすがたのーこどくーなーせーんしーよ……


魔王「すまないこれは違った、こっちだったな」


ひーきーがねーひーくことだーけがー……


魔王「これも違う、どこに置いただろうか」


何も聞こえない…何も聞かせてくれない……


魔王「あれぇ?すまない勇者よ、アダプターを付けてよいか?」


勇者「あぁ、大丈夫だ」


魔王「……よし、これで見れるはずだ」


…ザッ……ザザッ…おーい、勇者ー


勇者「あぁ、戦士の声だな」


ーーーーーーーーーーー

勇者「おい勇者、ぼーっとしてんなよ」


勇者「あぁ、ごめんごめん……ここが魔界か」


勇者「えぇ、障気が濃いですね、気を引き締めて参りましょう」


スライム「」ぐちゃ…ずるずる……


勇者「気にすることないじゃん、さっさとすすもー」


スライム「」ぐちゃ…


勇者「おい!魔法使い!一人行動禁止だっていってんだろ!」


勇者「そうだぞ、今日はもう遅い、ここで野営だな」


ーーーーーーーーーーーーー

魔王「……さて、ここまで見たが」


勇者「…あぁ」


魔王「大丈夫か?きついなら魔法を少し強めるぞ」


勇者「さっきの魔法か」


魔王「あぁ、あれは我が国の独自魔法でな、精神を落ち着かせ感情を抑制する効果があるのだよ」


勇者「……良い魔法だな、だが大丈夫だ、充分聞いてるよ」


魔王「そうか、なら続きを見よう、今度は我が国の初めの町に着いたときだな」


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勇者「気を付けろ…ここは魔族の町だ」


子供「何やってるのかな?あの人」


子供「こそこそしてるね」


子供「へんなのー」


勇者「!?ばれたか!」


町人「あ、あの、どうかされましたか?」


勇者「くっ」


スライム「」ぶわぁっ


町人「う、うわぁ!やめろ!ぎゃぁー」


スライム「」ぐちゃべきべきぼきっぐちゅぐちゅ……


勇者「あぶなかった、ありがとう僧侶」


勇者「えぇ、あの魔族は聖なる魔法に弱かったのですから私に任せてください」


スライム「」ずずずずずっ


勇者「あ、あんなところに大量にいる!」


子供「ひぃ!こっちきた!」


子供「こ、こないで!」


子供「わああああああ、あしがぁぁぁ」


スライム「」ぐちゃぐちゃべちょぼきばきぐちょ


勇者「ふう、どうやら殲滅できたようだな」


勇者「よし、今日は魔族除けを張ってこの家で寝よう」


子供「ままー、変な臭いがするー」


町人「ほんとね、生ゴミが腐ったような臭いがするわね」


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魔王「……すまない、見ていて私が耐えられなく……!」


勇者「……すまなかった、フィルターがかかっていたとはいえ、あんなことをしていたとは」


魔王「いや、いいんだ、君は何もしていないからな、すまない、続きは明日にしよう」


勇者「あぁ」




側近「……おや?こんな所でどうしたのですか?勇者殿」


勇者「…………誰だ?」


側近「申し遅れました、わたくし、国王様の側近をさせていただいております」


勇者「……すまない、放っておいてくれ」


側近「いやぁ、ほっとけませんよ……この大量殺人者」


勇者「!……何とでも言ってくれ」


側近「えぇなんとでも言いますよ、あなたのせいで壊滅的な被害を受けた町がいくつ有ると思っているんです?まさか、自分は悪くないと思ってるんですか?」


勇者「いや、すまないと思っている」


側近「すまない?そうですねすみませんよ、あなたのせいで国王様はどれほどお嘆きになったことか!なぜあなたはのほほんとできるのです!?」


勇者「……」


側近「フィルターにかかっていた!?えぇ、フィルターにかかっていたんでしょうよ、けどね、あなたがあのスライムを選んだんですよ、あなたが!自分で!」


勇者「……そうなのか?」


側近「……!自分が一番知ってるでしょうよ!自分で見たらどうですか!?」


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魔王「……おや、随分と起きるのが早いんだな」


勇者「伊達に勇者はやってないからな」


魔王「そうか、それじゃあ続きを見るとしよう」


勇者「そのことだが……俺の、旅の始まりから見てもいいか?」


魔王「いいけれど、何故だ?」


勇者「なんとなく……本当になんとなくだが……俺は……もしかしたら俺も……」


魔王「……いいよ、君の記憶からフィルターを除……いや、もっと簡単な奴があったな」


勇者「?」


ーーーーーーーーーーーーーーー

倉庫


魔王「ふむ、ここら辺だった気が……」


勇者「いったい何があるんだ?」


魔王「あれ?どこだったっけ、おーい側近!」


側近「はいなんでしょう?……!チッ」


魔王「あれってどこ置いたか分かる?」


側近「あれって、第二倉庫じゃなかったですか?」


魔王「あぁ、そうだったっけ」


側近「えぇ、ではわたくしはこれで……そちらの屑にも劣る男にこの世の総ての苦しみが降りかかりますように」


勇者「!……」


魔王「うんそれじゃあね……………あ」


勇者「どうした」


魔王「……見苦しいところを見せてしまったな、昔から捜し物をしていると素が出てしまうんだ、直さなければと思っているのだが……」


勇者「そうか?素の方が可愛らしいと思うが」


魔王「ありがとう、褒めてもらえると嬉しいよ」


勇者「……さて、第二倉庫にあるんだろ?」


魔王「あぁ、こっちだ」


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魔王「来い勇者よ、これだ」


勇者「なんだ?これ」


魔王「神より賜りしタイム映写装置だ」


勇者「たいむ?」


魔王「簡単に言うとだな、その時間まで遡ることが出来るものだ」


勇者「!てことは!」


魔王「いや、そこまで都合良くはない、こちらから干渉することは出来ない」


勇者「……そうか、そうだよな」


魔王「さぁ、これをかぶれ、頭の中で行きたい日時を強く念じろ、そうすれば起動する」


勇者「……」(俺の旅の始まり……11月25日……)


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魔王「なるほど、ここが……」


勇者「戻って…これた……」


魔王「この時間、君は何をしていたんだ?」


勇者「確か謁見の間にいたぞ」


側近「あいたたた……ここは、昔大使に来たとき見たことが……」


魔王「側近君?どうしてここへ」


側近「その質問には答えかねますね、わたくしも現在の状況を把握できてませんから」


勇者「まだだな、あの王は話が長かったから」


側近「チッ!まさかと思いますがあなたがやりやがったんじゃないんですか?くず勇者」


魔王「側近君、口が悪いよ?」


側近「すみません国王様、しかしこいつは一度殴らなければ気が済みません!」


勇者「しずかにしろ、俺が出てきた」


側近「勝手に仕切るな……むぐっ」


勇者『それでは、行って参ります』


魔王「おや?一人だけか」


王『うむ、貴様の活躍、楽しみにしておるぞ』


たったったっ……


王『……行ったか、まったく、何故ワシがあのような化け物と話さなければならんのだ』


大臣『仕方がないでしょう、あれは唯一の成功作なのですから、あれを壊してしまっては次はいつになるか』


王『それならば貴様がやれば良かろう』


大臣『しかし、一応儀式ですので……』


王『もうよい、ワシはもう疲れた、部屋へ戻っておく』


勇者「……俺が……化け物?」


魔王「どういう事だろうか」


側近「そういえば……以前どこかで……あぁっ!国王様!待って下さいよぉ!」


ーーーーーーーーーーーーー


勇者「はぁ…!はぁ…!あれは、母さん!」


魔王「ゆ……勇者よ……しばしま……待ってくれ……」


側近「こ、国王様ぁ!?国王様ぁぁぁぁぁ!」


勇者『母さん……!』


母親『勇者……これが、あなたの定めなのね』


勇者(母さんは、きっと、俺のことを……!)


母親『行きなさい、あなたの悔いがないように』


勇者『うん!いってきます!』


たったったった……


母親『……ふぅ、あぁ気持ち悪ぅい、あんなのと話すなんて』


『奥さんも大変ねぇ、あんなのの親代わりを何年もでしょ?私は出来ないわぁ』


『私見ちゃったわよ、あれがこの間路地裏で子猫を拾い上げていたとこ、きっと食べようとしてたのよ』


母親『嘘ぉ!?下手したら私も……怖いわねぇ』


『でも今日でおさらばできて良かったじゃない』


母親『そうね、やっとあんな』


勇者「…やめてくれ」


母親『得体の知れない』


勇者「聞きたくない……」















母親『キ メ ラ な ん か と 別 れ ら れ る の ね』


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ーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー

勇者「……っは!」


側近「…目が覚めましたか」


勇者「……戻ってきたのか」


側近「えぇ、あなたが倒れたあと私がここへ運びました」


勇者「…………なんだよ」


側近「同情する気は有りませんが、流石にあれを見てしまうと、考えを改めなければなりませんね」


勇者「……ほっといてくれよ」


側近「そういえば、以前あなたの国へ大使として行ったときですが、不思議な話を聞きましてね……確か魔物と人間のキメラの軍用開発とか……!ぐっ……!」


勇者「その話をするな……!」ギリッ


側近「ぐぅっ…!まさかあなたがっ……それだとは気づきませんでしたっ……」


勇者「うるさい……!へし折るぞ……!」


側近「ぐっ…!かはっ……!」


がちゃ


魔王「どうだ勇者よ、起きたか……あー、おじゃましました」


側近「いや……待って下さいよ……」


魔王「いやほらわたし寛容だからさ、そういうプレイもありだと思うんだ、あはははは」


勇者「……!」


側近「げほっげほっ……国王様は脳内お花畑ですか?」


魔王「その言いぐさは何かな?」


勇者「…出てけよ、出てってくれよ!」


魔王「あぁ、勇者よ……あれは残念だったな…心境お察しす……」


勇者「お前らになんか分かられてたまるか!普通に生まれてきた奴らに俺の心が分かってたまるかよ!!!!!!」


魔王「…!そうか……そうだよな」


勇者「もう……出てってくれよ……!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


側近「勇者さん、夕飯ですよ」


勇者「……そこに置いておいてくれよ」


側近「そういって随分前から何も食べてないじゃないですか」


勇者「うるさい!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


側近「勇者さん、そろそろ出てきて……ぐっ!なんですかこの臭い……!まさか!勇者さん!」


勇者「……なんだおまえか、これをみてくれよ、はっはっはっはっは」


側近「これって…人の……腕!?これは勇者さんの!?」


勇者「あぁそうだよ、何回切っても何回切っても切っても斬っても伐ってもキッテも、生えて来やがるんだよ」


側近「何やってんですか!死ぬ気だったんですか!」


勇者「だってそうだろう?俺は所詮造られたんだよ、神が望まない子供なんだよ、だったらいっそのこと……」


バチンっ!


側近「……何勝手なこと言ってんですか?」


勇者「…何するんだよ」


側近「あなたを勝手には死なせません、私たちに全てを償ってから死んで下さい、それまでは例え神を欺いてでも生かし続けます」


勇者「なんでだよ……死なせてくれよ!見ろよこの手を!もう人の形を失って、化け物としか言いようがねぇだろ!」


側近「えぇ、あなたは化け物です!……とりあえず臭いんでお風呂に入ってきて下さい、この部屋は私が掃除しておきます」


勇者「なっ……!俺にこの姿を晒せって言うのかよ!」


側近「ほら、兵士用宿舎の浴場の鍵です、今なら誰もいませんから」


勇者「おい、押すなよ!」


側近「騒ぐと人が来ますよ?ほらさっさと行って」


勇者「……………ッチ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


勇者「……ふぅ」


勇者(風呂にはいると、悩みが飛んでいく気がする)


勇者「だが………この手、どうしようか」


勇者(獣のような爪、人とは思えない太さ、なんなんだよこれ)


兵士「そうですねぇ、私ならそうなった原因潰しますぜ」


勇者「そうだよな…………お前誰だ」


兵士「あぁお気遣いなさらず、私はただの兵士ですよぉ」


勇者「そうか、さっさと居なくなってくれ」


兵士「やだなぁ、風呂に入ったら皆友達だぞと聞かなかったか」


勇者「聞いたことはないな」


兵士「俺が作った、今言った、わかったかい?」


勇者「…………いやわからないな」


兵士「まぁいい、置いとけ、とりあえずだな……君は何がしたい?」


勇者「俺が、やりたいこと……?」


兵士「そっ、君がいまどう思っているかだよ、自分を生み出した奴らに仕返ししたい?全てを忘れて新しく魔獣人生始めるか?それとも楽になりたいか?」


勇者「おれ、は……」


兵士「決めるのはあんただ、私は口出さない」


勇者「…うぅ……」


兵士「責任を背負う覚悟を決めなよ、いつまで自分の世界に閉じこもってるんだい?」


勇者「おれは、お、れは」


兵士「まぁ、決めないのも自由だ、じゃあな」


勇者(俺は、なにが………?)


ーーーーーーーーーーーーーー


勇者「……」


魔王「おや、大丈夫か?」


勇者「!?……なんだ、魔王か」


魔王「なんだとは無礼な、全く君は」


勇者「…………なぁ、魔王」


魔王「?どうしたんだいきなり」


勇者「今、風呂に入ったとき、変な奴に聞かれたんだ、お前は何がしたいんだって」


魔王「そうか……うん?変な奴?」


勇者「だからずっと、考えてるんだ、俺は何がしたいのか」


魔王「え?変な奴って誰?…まぁそれは置いといて、勇者が何がしたいかは私には分からないぞ」


勇者「……そうか、すまなかったな、変なこと聞いて」


魔王「あぁでも一つだけアドバイス」


勇者「?」


魔王「あまり根詰めても浮かんでこないことがあるから、時には本能に従うのも必要だよ」


勇者「あぁ、わかったよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


勇者(俺がしたいことは……)


『自分を造った奴への復讐?』


勇者(いや、違う……)


『じゃあ、自分を騙した奴らに仕返し?』


勇者(仕返し?)


『そうだよ、仕返ししたい?』


勇者「俺は……」


『君のいないところでは文句・愚痴・悪口ばかり、さらには敵国を魔界、国王を魔王に見えるようにフィルタをかけてさぁ』


勇者「…お前……誰だ?」


『やだなぁ、忘れたの?』


勇者「お前は!」


神「ある時は天の声、またあるときは兵士、その正体はキューテープリテー神様でっす」


勇者「……神?お前がか?」


神「あ、信じてないね、それなら」


勇者「?」


神「それ、肉体変化で勇者君の姿になりました!」


勇者「……そうか、良かったな」


神「それに時間も止めれますよぉん」


勇者「あ、それ!俺のパンツ!」


神「とっちゃいました」


勇者「っち、わかった、信じるよ、だから返せ」


神「お、ありがとねぇ、信じてくれて」


勇者「もういいだろ?さっさと用件を言ってくれ」


神「まったく、せっかちな野郎だなぁ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


神「まぁ、ぶっちゃけて言うとさ、君を騙していた奴らを君の手でぶち転がしちゃおうって話さ」


勇者「俺の手で、王や……か、母さんを?」


神「そう、それに君に真実を教えてしまった魔の国のものたちもね」


勇者「!?なぜだ!」


神「君だって、真実さえ知らなければこんなに苦しむこともなかったろう?人に軽く真実を教えるのは責任が重い、分かるかい?」


勇者「し、しかし……」


神「わ か る よ ね ?」


勇者「はい、分かりました」


神「よし、それじゃあ行こうか、君の始まりの国へ」


勇者「はい」


ーーーーーーーーーーーーーー


勇者「着いたようです」


神「ふふん、良いところだね、人さえいなければ……と言うことで勇者君、やっちゃって」


勇者「はい」


母親「……!ゆ、勇者、お帰りなさい、魔王を倒してきたのね」


勇者「……シネ」


母親「えっ?」


ずすっ


神「おぉ、背中から剣が生えてるねぇ」


母親「そ、んな……ゆ、う、し…や……」


神「さぁ、次いこ次」


「ひっ、ひとごろ……ぎゃあああ……」


「いや、いやぁぁぁぁ!!!」


「こわいよぉぉ、ままぁ…わああああああぁぁ!」


神「うーん、耳をつんざくこの悲鳴、いいねぇ」


「なんとしてもくいとめ……ぐあああ!」


「た、たいちょ…うわぁぁぁ!」


「貴様、血迷ったか!?ぐふっ」


王「……!なんと、あれが侵攻してきたと!?」


大臣「くっ、まさか魔の国の仕業か!?」


勇者「…コロス……コロス!」


王「!?ゆ、勇者よ、どうだ?一生遊んで暮らせるだけの金をやろう!」


大臣「そ、そうだ!土地も女も食事も全部一級品だ!だから我々を殺すのは……」


神「醜いねぇ、実に醜い、やはり人間なんて生きていても仕方がないね」


王「な、仲間か?お前にも相応の物を……ぬわーーーーーーー!」


大臣「ひぃ!や、私を殺したら外交はどうしま……う、ぐぺぺぺぺぺーーー!」


神「汚らしい、さぁ勇者君、次は魔の国だ」


勇者「はい、分かりました」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


勇者「着きました」


魔王「……勇者!なぜ、何故あんなことを……!」


側近「……失望しましたよ、元々の大元から殺人鬼だったんだな」


勇者「………………」


神「どうした?勇者君、ためらうんじゃない、あいつらも罪深い人間なんだ、殺さなきゃ」


魔王「勇者、まさかまた操られて!」


側近「国王様!来ます!」


勇者「……うぅぅぅぅぅぅううわぁぁぁああああああぁぁぁぁぁ!」


神「はははははははは!そうだ、殺せ殺せ!」


側近「なっ、国王様!」


魔王「速っ!?避けきれな……!」


ぐしゃっ…


側近「………ごぼっ……!」


魔王「そ、側近!そんな……私のせいで」


神「よそ見してんなよ」


ごきゃっ……


神「さてと、あとは人民を一匹残らず☆KU☆TI☆KU☆するだけだね」


勇者「はい、神様」


神「うふふふふふふ」


ーーーーーーー

ーーーー

ーー


神「これで全部だね、お疲れ様」


勇者「はい、神様」


神「それじゃあ通常に戻すよ、それ!」


勇者「………………そ、そんな……俺が……やってしまった…すまない……すまない…!」


神「おやおや、怒った?絶望した?」


勇者「……俺は、どうやって償えばいい?……つぐなえるのか?」


神「簡単だろ、その手に持った剣で自分を刺してしまえばいいじゃないか」


勇者「……そうか、そうだよな、どうして気付かなかったんダロウ?アハははハハはハハはははははははははははは」


ザンっ


神「……………………ふふふ、ふはははは、ふふふふふははははははは!!!!!」


神「やはり人は愚かだ!私の嘘を見破る術も持たず、まんまと騙され自ら殺し合う!やはり地上の支配者は我ら魔族が相応しい!」


















              『随分勝手なことをしてくれたね』


神「だ、誰だ!?」


              『こんなことをしておいて、ただでは済まさないよ、魔王様?』


神→魔王「どこだ!?どこにいる!?」


神「私だよ、本物だよぉ」


魔王「……生き残りか、だがもう遅い、貴様も絶望して死ね!」


神「え?やだよ、死なないし」


魔王「喰らえ、絶対零度の力!」


神「おぉ、涼しい涼しい」


魔王「!?…ならば、天を翔る雷よ!」


神「おー、肩こりに効くねぇ」


魔王「なっ……!貴様いったい!?」


神「いったはずだけど?本物だって」


魔王「ま、まさか……神!?」


神「よぉし、分かってくれたね、それじゃあしつもぉん!今から私は君に何をするでしょう?」


魔王「私を殺すか」


神「のんのん」


魔王「全てなかったことにする気か?」


神「いいえぇ」


魔王「分からん」


神「それじゃあ教えて差し上げましょ」


神「せぇかいはぁ、君をボキョメキョにした後に拷問部屋に送って壊れた世界は元通りに蘇らせる、でしたぁ」


魔王「いや、分からん」


神「それじゃあ今から体験しよう、体験学習って奴だね」


魔王「え、ちょま、さーせんさーせん、ちょ、殴らんといて、いやぁだめぇ!なにその黒いドア、いやぁ中から断末魔が聞こえるうわぁぁぁぁぁぁ!」


神「一件落着だぜ、そして……」


勇者「……う、うぐぅ…お、俺は……?」


魔王「……っは!わ、私は、確か勇者に」


側近「……夢でも見ていたのでしょうか?」


神「二件目落着ぅ、さてと、ここからは私の仕事じゃないからね」


勇者「え、あなた誰?」


神「どっかの神様だよ、それより上でもそれ未満でもない」


勇者「?話がよく分からないけど……」


神「わかんなくていいよ、それより早く帰りたいんだけど」


勇者「あ、はい、さようなら」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


神「はい、ただいまアンドお前ら正座」


従者「な、なんででしょうかねぇ」


天使「い、意味が分からないよぉ?」


神「まずは……従者君?」


従者「ひぃ!」


神「新しいところは君に任せたと言ったはずだけど?どうしてこんなことになったのかな?」


従者「いや、これには深い訳がありまして……」


神「天使君に仕事を教えて大丈夫だと思って一眠りだろ知ってるよ」


従者「それと別の世界で凄く火曜サスペンスな出来事がありまして」


神「なんだよそれちょっと見てみたいよ後で見せてよっていまその話じゃないよ!」


神「つぎ、新入り天使君?」


天使「うひゃぁ!」


神「君、変な人に変な力与えちゃだめじゃないか」


天使「い、いやぁ、だって……」


神「なに?『ぼくのかんがえたさいきょうのまおう』でもやろうとしたのかい」


天使「あはは……ばれました?」


神「はぁ……君ら二人は後で、お仕置きだね」


従者「えぇぇ」


天使「あうぅ」


神「よし、従者君はご飯の用意してね、天使君は後で私の部屋に来るように」


従者「はぁい、わかりましたぁ!」


天使「え?私なにされるの?怖いよぉ」


神「うふふふふ」






F I N


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2015-11-20 05:13:10

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2015-11-20 05:12:41

SS好きの名無しさんから
2014-11-04 03:05:32

SS好きの名無しさんから
2014-10-26 15:48:36

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1件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2015-11-20 05:13:02 ID: Jckf5tQk

面白かったねー!


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