ロリコン鎮守府の日常
・一部キャラ崩壊を含みます。
・気の向くままダラダラと書いていきますので、ストーリーも終わりもありません。
長門「本日付でこの鎮守府に配属された長門だ。よろしく頼む。」
提督「ああ、よろしく。」
提督「さて、この鎮守府ではいくつか規則がある。その辺は霧島に聞いておいてくれ。」
長門「ああ、わかった。」
提督「それじゃあ霧島、長門に鎮守府を案内してやってくれ。」
霧島「了解しました。」
霧島「さて。まずはドックまで案内しますね。」
長門「ああ。頼む。」
霧島「歩いている間、ここの規則を説明しますね。基本的には他と同じですが、起床時間は7時、消灯時間は21時となります。」
長門「随分と早く寝るのだな。」
霧島「ええ。駆逐艦の子達にはしっかり寝てもらわないといけませんから。」
長門「起床が遅いのもそのためか。しかし、駆逐艦以外はそれに従わなくとも良いのではないか?」
霧島「いえ、私たちが遅くまで起きていては示しがつきませんから。ああでも、きちんと申請をすれば遅くまで起きていることも出来ますよ。」
霧島「っと、ここがドックです。出撃から帰ってきたときは外から直接ドックに入れます。そしてその窓から見えるのが工廠です。装備の開発や建造はあちらで行なってください。」
霧島「と、ここまでで何か質問は?」
長門「ドックについてではないんだが、一ついいか?」
霧島「ええ、どうぞ。」
長門「工廠の隣にある、アレは何だ?」
霧島「アレ?公園のことですか?」
長門「いや、公園というのは見て分かるんだが、なぜそんなものが鎮守府にあるんだ。」
霧島「駆逐艦の子達をずっと室内で遊ばせておくわけにも行きませんから。」
長門「訓練や演習をさせておけば良くないか?」
霧島「何を言っているんです。訓練所で遊ぶなんて危ないでしょう。」
長門「いや、そうじゃなくて、遊ぶのではなく訓練をだな・・・」
霧島「いえ、訓練は訓練でやらせていますから。」
長門「そうか、なら、良い・・・のか?」
霧島「ああ、そうだ。一つ言い忘れていました。」
長門「言い忘れ?」
霧島「この鎮守府にいる駆逐艦以外の艦娘は漏れなくロリコンですから。もちろん提督も。」
長門「ロリコン!?な、何を言って・・・」
霧島「ですから、この鎮守府は駆逐艦を中心に回っています。」
長門「そ、そうなのか・・・」
霧島「質問がないようでしたら次は食堂に行きますよ。」
霧島「この建物の一階が食堂です。二階以降は艦娘の部屋となります。」
霧島「ちょうどお昼時ですし、お昼にしてしまいましょうか。」
長門「ああ、そうだな。」
時雨「霧島さん?」
霧島「あら時雨。あなたもお昼?」
時雨「うん。今日は扶桑たちと食べるんだ。その人は?」
霧島「ああ、今日ここに配属された、長門さんよ。」
時雨「そうなんだ。僕は時雨。よろしく。」
長門「ああ、よろしく。」
時雨「あ、扶桑が来たみたい。僕は行くね。」
霧島「ええ。」
霧島「さて、お昼も終わりましたし、次に行きましょう。」
長門「ああ。ところで霧島。この食堂の支払いはどうなっている?食券はなかったようだが・・・。」
霧島「それならご心配なく。鎮守府内は全ての施設が無料ですから。」
長門「そうなのか。」
霧島「ええ。『子供は金の心配をしなくていい』というのが提督の信条で。」
長門「やはり駆逐艦のためだったか……。」
霧島「さあ、次は・・・っと、長門さんの部屋を決めちゃいましょうか。相部屋と一人部屋、どっちがいいですか?」
長門「私はどちらでもいいが・・・。部屋割りのルールなんかはあるのか?」
霧島「ええ。一応、相部屋になれるのは同じ艦種のみとなっています。それから、既に誰かと相部屋になっている場合、先方の了承を得る必要があります。」
長門「なるほど。それだと一人部屋のほうが楽そうだな。」
霧島「では、一人部屋にしますか?」
長門「ああ、そうさせてもらおう。」
霧島「わかりました。案内が終わり次第、部屋を手配します。」
霧島「あと案内するところは・・・」
長門「執務室がまだではないか?」
霧島「ああ、うっかりしていました。それでは、執務室に行きましょうか。」
霧島「霧島です。失礼します。」ガチャ
陸奥「あら霧島さん。それに長門も。」
長門「陸奥か。元気だったか?」
陸奥「ええ。長門も元気そうね。」
提督「そういえば二人は姉妹艦だったか?」
陸奥「ええそうよ。」
提督「そうかそうか。なら、積もる話もあるだろうし、後の案内は陸奥にしてもらうか。」
陸奥「それは嬉しいけど、大丈夫?この作戦でしか入手できない新型の空母はまだ来てないわよ?」
提督「そっちは霧島にやってもらおう。霧島、いけそうか?」
霧島「ええ。すぐにでもいけます。」
提督「よし、じゃあ陸奥と霧島を入れ替えて、もう一度出撃だ。」
霧島「と、その前に一つだけ。」
提督「なんだ?」
霧島「長門さんの部屋割りですが、一人部屋が良いそうです。」
陸奥「あら、そうなの?」
長門「ああ。相部屋は相手を探すのに時間がかかりそうだからな。」
陸奥「それなら、私と相部屋にしない?今、二人部屋を使わせてもらってるんだけど、どうも広すぎて。」
長門「そうか。陸奥がいいならそうさせてもらおうか。」
陸奥「じゃあ決まりね。」
提督「わかった。長門は陸奥と相部屋だな。布団は今日のうちに用意しておくが、その他の家具は明日以降にしてくれ。」
陸奥「わかったわ。それじゃ長門、行きましょ。」
陸奥「これで一通り終わったかしら。どう?ここの鎮守府は。」
長門「ああ、かなり快適そうだな。ただ、娯楽施設が多すぎないか?」
陸奥「私も最初はそう思ったけど、慣れてくるとそうでもないわ。ここって、そんなに出撃しないから、普段はあまりやることがないのよ。まあ、その辺はま
た明日以降に話すわ。今日はもうお風呂入って寝ましょう。」
長門「ああ、わかった。」
霧島「おはようございます、司令。昨晩はよく眠れました?」
提督「ああ。久しぶりに良く眠れたよ。」
霧島「秋刀魚漁に限定海域と出撃続きでしたからね。」
提督「ああ。まあそれももう終わりだ。無事にグラーフも着任したしな。」
霧島「あとは備蓄をしながら年越しを待つだけですね。」
提督「そうだな。・・・年越し?」
霧島「ええ。まだ何かありましたか?」
提督「大変なことを忘れていた。年越しの前にクリスマスがあるじゃないか。」
霧島「クリスマス?」
提督「霧島。大急ぎで巡洋艦、空母、戦艦を会議室に集めてくれ。手の空いているものだけでいい。」
霧島「構いませんが、それはクリスマスというものに関係があるのですか?」
提督「ああ。クリスマスについては皆が集まるまでに説明する。とにかく集合を急いでくれ。」
霧島「了解しました。」
提督「よし、大体集まったな。では、これよりクリスマス作戦の会議を行う。まず、クリスマスについては手元の資料を見てくれ。」
霧島「急だったもので部数が十分にないので、近くの人で一緒に見てください。」
長門「・・・・・・ふむ。なるほど。つまり提督はこのクリスマスパーティを企画しようというのだな?」
提督「ああ。それもある。ただ、問題はそこではない。サンタクロースの項は読んだか?」
長門「ああ。良い子の皆にプレゼントを配り、夢を与えるおじいさんだろう?」
提督「そうだ。だが、サンタクロースは鎮守府に入らないことになっている。」
那智「馬鹿な!ウチの子達は良い子ではないとでも言うのか!」
提督「そうではない。サンタクロースは子供達に夢を与える存在だ。そのため、軍事に関連した施設には出入りしてはならないのだ。」
加賀「話が見えませんね。夢を与える存在であることと、ここに来ないということにどんな関連があるのですか?」
提督「そうだな・・・・・・。例えば、だ。勝手に人の家に入り、プレゼントを置いていく。そんな人間が軍事施設に出入りしていたらどう思う?」
加賀「怪しいですね。プレゼントは囮で、何かしらの調査をしている軍関係の人間だと思います。・・・・・・ハッ」
提督「気づいたようだな。サンタクロースが軍事施設に出入りしているところを見られたら、『サンタクロースは軍のスパイだ』などという憶測が飛び交うよう
になる。そうなると子供達は純粋にサンタクロースを信じてはいられないだろう。」
提督「そういった事態を避けるため、サンタクロースは軍事に関連する施設には入らないことになっているんだ。」
那智「しかし、それでは!あの子達はどうなるんだ!」
提督「落ち着け、那智。そのために俺達がいる。」
日向「なるほど。私たち自身がサンタクロースになれば、あの子達に夢を届けられるな。」
提督「ああ。鎮守府から出ることもないから姿を見られることもない。」
霧島「ですから、今回のクリスマス作戦は『クリスマスパーティーの計画、およびその実行。そしてサンタクロースとなって駆逐艦にプレゼントを届ける。』と
いう、二つの作戦を平行して進めることとなります。」
鳳翔「そういうことでしたら、私はパーティーの方を手伝わせていただきます。料理は得意ですから。」
天龍「俺と龍田もだ。あいつらのことは一番近くで見てきたからな。企画は任せてくれ。」
提督「分かった。では、パーティのほうはその三人を中心に進めてもらおう。そっちの話し合いは第二会議室を使ってくれ。」
提督「問題はサンタクロースのほうだ。この作戦は困難を極めるだろう。その困難に耐える覚悟のないものは退席してもらって構わない。」
摩耶「提督、アタシ達をナメてんのか?そんな覚悟、着任したときからできてるぜ!」
提督「・・・そうか。俺はいい部下に恵まれたな。よし、それでは、これからサンタクロース作戦の計画にかかろう。まず問題となるのが、どうやってあの子
達にサンタクロースを知覚させるかだ。」
長門「資料によると、普通の子供達は親からサンタクロースの存在を知らされるようだが。それではいけないのか?」
提督「ああ。普通はそうだが、ここの、特に駆逐艦の部屋周辺の警備は厳重だ。ぬらりひょんですら入り込めないだろう。そんな厳重な警備の下では、あの子達はプレゼントを鎮守府内の誰かからのものだと思うだろう。」
長門「だが、それ以前にサンタクロースの存在を聞かされていればどうだろう。」
提督「いや、そこでサンタクロースの存在を完全に信じ込ませることが出来るかはわからない。ここはやはり、サンタクロースが姿を見せ、その実在を信じ込ませる必要があるだろう。」
千代田「でも、どうやって?変装をしたところで、声色でばれてしまうのでは?」
夕張「それなら、私が変声機を作ります。付け髭の下に仕込めばばれないでしょう。」
提督「分かった。あとは姿を見せるタイミングか。」
天龍「それなら、クリスマスパーティー中にプレゼントを配る、ってのはどうだ?」
提督「ふむ。それが一番かな。」
赤城「待ってください。」
提督「どうした赤城。何か問題でも?」
赤城「いえ、タイミングはそれでいいと思います。しかし、それではサンタクロースの本来の在り方とずれてしまうのでは?」
提督「そうか。確かに、サンタクロースが昼間に現れるなんて聞いたことがないな。」
陸奥「でも、それは仕方がないんじゃないかしら。だって、今回はあの子達にサンタクロースを見せる必要があるんでしょう?」
赤城「そうですけど、それでは正しいサンタクロース像が伝わらないと思います。」
那智「では、クリスマスパーティーまでにサンタクロースの事を話して聞かせるなどし、パーティーでは特別にサンタクロースを招いたことにしてはどうか。」
赤城「それなら問題なさそうですね。」
霧島「では、ここで一旦まとめます。」
霧島「まず、クリスマスパーティーまでに正しいサンタクロース像を教えておき、クリスマスパーティー本番でサンタクロースが姿を見せ、プレゼントを配る。このとき、サンタクロースは特別に招待されたものとする。以上でよろしいでしょうか。」
長門「ああ。問題ないだろう。」
夕張「待ってください。」
提督「どうした。」
夕張「サンタクロースには誰がなるんでしょう。サンタクロースになっている人はパーティーに参加できないと思いますが。」
龍田「それなら、私がやろうかしら。遠征に行っていると言えばいなくても不自然じゃないですし。」
提督「いや、駆逐艦が全員パーティーに出席している以上、遠征というのは不自然だ。」
グラーフ「それなら、私がやろう。ここに来て日が浅い私なら、いなくても気づかれにくいだろう。」
長門「甘いぞグラーフ。あの子達は新型艦だろうと海外艦だろうと分け隔てなく接する。むしろ、早くなじめるように率先して話しかけてくれる。」
陸奥「だから、アナタにはむしろいてもらったほうがいいわね。」
提督「ああ。グラーフはパーティーに出席して、注目を集めてもらったほうが良い。」
グラーフ「では、誰が・・・」
提督「俺がやろう。」
グラーフ「しかし、提督不在というほうが不自然ではないか?」
提督「グラーフ、忘年会というものを知っているか?」
グラーフ「ああ。年末に宴会をするのだろう?」
提督「そうだ。そしてクリスマスは年末といって差し支えない。つまりだ。俺は忘年会に出席すると言っておけば、パーティーを欠席してもおかしくない。」
那智「しかし、忘年会などは普通、鎮守府内で行うものではないか?」
提督「普通はそうだろうが、提督同士で忘年会をするということもあるようだ。」
長門「それなら理屈は通りそうだな。」
加賀「しかし、鎮守府内の催しをすっぽかす提督というのもどうなのでしょう。」
提督「そうか。そこを考えていなかった。」
陸奥「でも、そんなに気にすることかしら。提督同士の集まりなら、都合のつく日がそれしかなかったことにしたらいいんじゃない?それで、忘年会の日が決まった後でクリスマスパーティーの話が出たことにすれば?」
加賀「なるほど。それなら大丈夫そうですね。」
霧島「では、サンタクロースには提督がなる、ということでよろしいですね。」
提督「ああ。問題ない。」
霧島「それでは、以上で会議を終わります。ここにいない子にはそれぞれの姉妹艦が説明しておいてください。」
球磨「ちょっと待つクマ。このこと、木曾には内緒にしておいて欲しいクマ。」
多摩「そうニャ。木曾は頼られることが多いから忘れがちだけど、私たち球磨型のなかでは一番幼いのにゃ。クリスマスくらい、純粋に楽しんでいて欲しいニャ。」
那智「よし、分かった。」
霧島「では、今度こそ解散となります。」
-パーティー当日-
霧島「それでは、これより昼食となります。」
不知火「では、パーティーは一休みでしょうか。」
霧島「いえ。今日の昼食はいつもと一味違いますよ。ともあれ、食堂に向かいましょう。」
不知火「これは・・・・・・バイキングですか。」
霧島「ええ。ごらんの通り、昼食はバイキングとなります。なお、この料理は鳳翔さん達が作ってくださいました。」
赤城「それでは皆さん、手を合わせてください。・・・・・・いただきます。」
「「いただきます。」」
鳳翔「お味はどうですか?」
不知火「とてもおいしいです。」
雪風「はい!鳳翔さん、ありがとうございます。」
不知火「雪風。頬にケチャップが。」フキフキ
鳳翔「不知火ちゃんもついてますよ。」フキフキ
不知火「・・・・・・。」///
鳳翔「うふふ。」
不知火「不知火に落ち度でも?」///
神通「こら不知火。」
不知火「鳳翔さん、ありがとうございます。」
鳳翔「どういたしまして。」
神通「よく出来ました。」ナデナデ
不知火「・・・・・・」///
天津風「こら島風、そんなにがっつかないの。」
島風「がっついてないよー。天津風がおそいだけじゃーん。」
天津風「遅くなんかないわよ。」
島風「じゃあ競争ね。よーいスタート」ガツガツ
天津風「望むところよ!」ガツガツ
島風「・・・・・・おうっ!?」ゴホゴホ
天龍「おい、大丈夫か?ほら、水飲め。」
島風「ゴクゴク・・・・・・ふぅ。ありがとう天龍。」
天津風「・・・・・ん゛ん゛っ」
天龍「おまえもかよ!?ほら、水。」
天津風「ゴクゴク・・・・・・あ、ありがとう。」
天龍「で?おまえらなんでそんなにがっついてたんだ。料理ならまだ沢山あるだろう。」
島風「だってー、天津風が・・・・・・」
天津風「何言ってるのよ!先に競争とかいったのはそっちでしょ!」
天龍「・・・・・・おまえらなぁ。今日くらいケンカすんなよ。それに、この料理は鳳翔さんが作ってくれたんだぞ。競争のダシなんかにしないで、仲良く食いやがれ。」
天津風「・・・・・・ごめんなさい。」
天龍「ん。分かればよろしい。んで、島風は?」
島風「むー。でも」
龍田「あらぁ。こんなところに鞭が」
島風「ゴ、ゴメンナサイ」
天龍「龍田ぁ。あんまり脅かすなよ。島風も、今度競走してやるから。今日は我慢な。」
島風「うん!」
龍田「どうしよう天龍ちゃん。さっきの、島風ちゃんに嫌われちゃったかなぁ。」
天龍「まあ、怖がってはいたけど。嫌われはしないだろ。」
龍田「で、でもぉ・・・・・・」
天龍「龍田はいつも、あいつらのためを思ってやってるんだろ?だったら、大丈夫だ。ちゃんとあいつらも分かってるさ。」
龍田「うん・・・・・・。」
天龍「ほら、元気出せよ。腹減ったし、料理取りに行こうぜ。」
伊168「ねえ、司令官知らない?」
伊19「そういえば、見てないのね。」
伊58「でち。」
伊168「どうしたのかな・・・。」
伊19「イムヤ、提督がいないと元気ないの。」
伊58「しょうがないでちね。ゴーヤが探してくるでち。」
伊168「うん・・・・・・。」
雷「あっ、ゴーヤちゃん。司令官見なかった?」
伊58「こっちも探してるところでち。」
暁「もう、どこ行っちゃったのかしら。」
那智「どうかしたのか?」
響「うん。司令官を探しているんだけど。」
電「今日、ずーっと見てないのです。」
那智「ああ、それなら・・・・・・というわけで、今日はいないんだ。」
雷「えー。つまんなーい。」
那智「まあそう言うな。司令官も大変なんだ。」
電「残念なのです・・・・・・。」
伊58「・・・・・・というわけで、今日は提督はいないんでち。」
伊168「そう・・・・・・。」
伊19「げ、元気出すの!明日はいるんだから、ね?」
伊58「そうでち!ほら、料理も美味しいし、食べて元気だすでち!」
伊168「うん・・・・・・。・・・・・・おいしい。司令官司令官にも食べさせてあげたいな・・・・・・。」
伊58「あーもう!なら、鳳翔さんにお願いして、司令官の分を取っておいてもらうでち!ほらイムヤ、いくでち!」
伊19「鳳翔さーん!」
鳳翔「はーい。」
伊58「この料理、少し取っておいて欲しいでち。」
龍驤「どうしてまた。」
伊168「司令官にも食べさせてあげたいの。今日、司令官居ないみたいだから。」
龍驤「ほー。司令官思いのいい子達やなぁ。感動した!アメちゃんあげるわ。」
伊58「ありがとうでち。」
鳳翔「そういうことでしたか。なら、4人分くらい取っておきましょうか。」
伊19「4人?」
鳳翔「あなたたち3人と、提督の分ですよ。」
伊168「私達もいいの?」
鳳翔「ええ。提督一人で食べるのも寂しいでしょうから。一緒にクリスマスを祝ってあげてください。」
伊58「でち!」
子日「グラーフさん!楽しんでる?」
グラーフ「ああ。楽しんでいるよ。ありが・・・・・・」
夕立「何か困ったこととかないっぽい?」
五月雨「あ、私、料理とってきましょうか?」
初春「こちらの食べ物は口に合うかの?」
飛龍「グラーフさん、なつかれてますね。」
グラーフ「ああ。この子達は本当に物怖じしないな。」
夕立「今は夕立と話してるっぽい!飛龍さん、邪魔しないでほしいっぽい!」
飛龍「あらら。ごめんなさい。」
霧島『えー皆さん。昼食の途中ですが、お聞きください。本日のゲストがいらっしゃいましたので、ご紹介させていただきます。』
木曾「ゲストだ?こんなとこに来るなんてよっぽどの物好きだな!」
球磨(とか言いながらソワソワする木曾可愛いクマ)
霧島『北欧からいらっしゃった、サンタクロースさんです!』
サンタクロース『ホッホッホ。良い子の皆、ごきげんよう。』
木曾「!?姉ちゃん!サンタクロースが!」
北上「そうだね~。木曾っち、写真でも撮ってもらう?」
木曾「い、いいのか?」
大井「まあ、頼んだら撮らせてくれるんじゃないかしら。」
サンタクロース『さて、早速じゃがプレゼントを配っていこうかの。』
霧島『今からサンタクロースさんが回りますので、皆さんあまり移動されないようお願いします。』
サンタクロース『さて、君達は5人姉妹かな?』
大井「ええ。」
サンタクロース『それならこのマフラーなんかどうじゃろう。同じ形で色違いじゃが。』
多摩「ありがとうニャ。」
北上「あと一つお願いなんだけど、いいかな?」
サンタクロース『ほう。何かな?』
球磨「一緒に写真をお願いしたいクマ。」
サンタクロース『いいとも。』
球磨「じゃあ木曾、隣に立つクマ。」
夕張「あ、写真撮るの?じゃあ5人で入ったら?カメラは私に任せて。」
多摩「それじゃあ、お言葉に甘えるニャ。」
北上「木曾っち、良かったね~。」
木曾「ああ。」
多摩「この写真、部屋に飾っとくかニャ?」
木曾「姉ちゃんがそうしたいなら、俺はかまわないぜ。」
球磨「木曾、私たちの前では格好つけなくて良いクマ。」
大井「そうよ。私たちの前では、楽にしてなさい。」
木曾「・・・・・・うん。ありがとう、姉ちゃん。」
球磨(木曾可愛い)
多摩(木曾可愛い)
北上(木曾っち可愛い)
大井(木曾可愛い)
夕張(木曾さん可愛い)
サンタクロース『おや。ここは随分多いね。8人姉妹かな?』
暁「違うわ。こっちの4人は姉妹なんだけど」
伊58「こっちの4人は姉妹でも何でもないでち。」
サンタクロース『おお、そうじゃったか。これは失礼した。』
サンタクロース『ともあれ、プレゼントを配っていこうかの。』
サンタクロース『はい、メリークリスマス。』
伊168「ありがとう。・・・・・・サンタクロースさん、司令官のにおいがする?」
伊58「何言ってるでち。」
雷「司令官は今日出かけてるのよ?気のせいじゃない?」
伊168「そうかな・・・・・・。サンタクロースさん、ごめんなさい。」
サンタクロース『いやいや。気にしてないよ。』
電「あの、サンタクロースさん。」
サンタクロース『何だい?』
電「今日、司令官さんはお出かけしてて、ここにはいないのです。だから、司令官さんの分のプレゼントは私たちに預けて欲しいのです。」
サンタクロース『うーん。その気持ちは偉いのじゃが、サンタクロースがプレゼントをあげるのは子供だけと決まっているんじゃ。』
雷「何でよ!そんなの不公平じゃない!」
暁「そうよ!司令官だけ仲間はずれなんて、レディのすることじゃないわ!」
サンタクロース『そう言われても、ワシはレディじゃないしなぁ。』
暁「そーいうこと言ってるんじゃないわ!もー!」
那珂「皆、あんまりサンタクロースさんを困らせちゃだめだよー。」
雷「だって・・・・・・」
川内「サンタクロースさんだって忙しいんだから。あんまりわがまま言わないの。」
電「違うのです!わがままなんて・・・・・・」
神通「さ、今のうちに。」
サンタクロース『ああ、すまない。』
霧島『さあ、皆さんプレゼントは受け取りましたね。では、サンタクロースさんはこれでお帰りになられます。』
那珂『さあ、霧島さんがサンタクロースさんを送りに行っちゃったけど、那珂ちゃんのライブ、始めるよー!』
提督「ふう。何とかやり過ごせたな。」
霧島「見破られる心配はなさそうですね。」
提督「いや、イムヤにはばれそうだった。”司令官のにおいがする”って。」
霧島「におい?」
提督「ああ。そう言ってた。俺、においとかする?」
霧島「いえ、特には。」
提督「そうか。まあ、次は気をつけないとな。」
提督「それから、俺はこれから出かけて夜に帰ってくるが、留守は任せていいか?」
霧島「ええ。お任せください。」
提督「すまないな。」
霧島「いえ、お気になさらず。さ、那珂さんが注目を引いてくれてますから、今のうちに。」
提督「ああ、ありがとう。」
提督「ただいまー。」
霧島「お帰りなさい。」
提督「どうだった、クリスマスパーティーは。」
夕張「大変な盛り上がりでしたよ。ところで提督、お酒でも飲んできました?」
提督「いや、飲んでいないが。酒の臭いでもするか?」
夕張「いえ、お顔が赤いようなので。」
提督「そうか。外が寒かったからかな?」
霧島「それなら、お風呂に入ってしまわれたらどうです?用意しておきましたよ。」
提督「おお、ありがとう。それじゃあ風呂に入ってくるかな。」
提督「ふう。いい湯だった。」
霧島「それは良かったです。ところで提督、鳳翔さんから伝言を預かってます。」
提督「鳳翔から?」
霧島「ええ。何でも、潜水艦の子達が今日の料理を取っておいてくれたそうで。明日のお昼は潜水艦の子達と一緒にそれを食べて欲しいそうです。」
提督「ああ、わかった。」
霧島「それから、遠征なんですが。」
提督「遠征?特に指示はしていないと思ったが。」
霧島「良いのですか?現在、誰も遠征に行っていませんが。」
提督「ああ。寒くなってきたし、極力海に出なくていいようにと思ってな。出撃もなるべく控えたい。」
霧島「大丈夫でしょうか。」
提督「年明けてしばらくしたら今までどおりに戻すさ。さ、今日はもう休みなさい。」
霧島「では、これで失礼します。」
―翌日―
暁、響、雷、電「司令官、メリークリスマス!」
提督「ああ、メリークリスマス。って、クリスマスは昨日だぞ?」
雷「だって、昨日は司令官いなかったじゃない。」
響「だから、今年だけは今日がクリスマスだよ。」
提督「ああ、ありがとう。」
電「それで、司令官さんにプレゼントなのです。」
暁「私たちみんなで作ったのよ!」
提督「いいのか?俺がもらっちゃって。」
雷「いいのよ。だって、司令官はプレゼントもらってないんだから!」
暁「まったく、サンタクロースさんも融通がきかないんだから!」
提督「ははは。じゃあ、これはもらっておこう。あけてもいいかな?」
雷「もちろんよ!」
提督「なるほど、第六駆逐隊の掛け軸か。これはいいな。よし、早速飾ろう。」
霧島「しかし司令、既に雷ちゃんの大漁旗が・・・・・・」
提督「そうだったな。」
雷「じゃあ、それ外しちゃっていいわよ?」
提督「いや、これを外すなんてとんでもない。」
提督「そうだ霧島。この壁をぶち抜いて、隣の部屋とつなげたらどうだろう。」
電「そんなことしちゃダメなのです!」
霧島「そうですよ、司令。それじゃあ部屋が広くなるだけで、掛け軸用のスペースは変わりません。」
提督「そうか・・・・・。なら、執務室を2部屋にしたらどうだ?」
霧島「それはいいですね。ちょうどここの隣は空き部屋ですし。」
提督「それじゃあ作業に取り掛かろう。」
霧島「はい!」
暁「行っちゃった・・・・・・」
電「私達も手伝ったほうがいいのかな?」
響「どうなんだろう・・・・・・」
長門「提督、いるか?」ガチャ
雷「あ、長門さん。」
長門「やあ、おはよう。提督はここにはいないのかな?」
響「実はかくかくしかじかで・・・・・・」
長門「なるほど。そういうことなら、私が手伝ってこよう。皆は遊んでいるといい。」
雷「わかったわ。長門さん、ありがとう。」
電「ありがとう、なのです。」
暁「ありがとう。」
響「ありがとう。」
長門「いや、気にするな。」
長門「提督?」
提督「ああ、長門か。どうした?」
長門「いや、ちょっと用があったんだが、先にこっちを手伝ったほうがよさそうだな。」
提督「ああ、それじゃあ霧島と一緒に『提督の机』を持ってきてくれないか?俺はその間にここを掃除しておく。」
長門「わかった。」
提督「ふう。これで何とか形になったな。」
霧島「ええ。では、掛け軸を持ってきますね。」
長門「さて、掛け軸もかかったし、完成だな!」
霧島「あっ!」
提督「どうした霧島。」
霧島「大変です、司令。この位置からだと、椅子の背もたれが掛け軸と重なってしまいます。」
提督「何!?・・・・・・本当だ。ちょうど掛け軸の真ん中がかぶるな。」
長門「どうする?戻してくるか?」
提督「いや、それは俺がやっておこう。二人は新しい家具を買ってきてくれないか?」
長門「いいのか?」
提督「ああ。コインにも職人にも余裕はある。他の娘達に相談してもいいから、この掛け軸に合う部屋にしてくれ。」
霧島「了解しました。」
霧島「司令、注文してきました。届くのは明日になるそうです。」
提督「ああ、ありがとう。何にしたんだ?」
霧島「ちょうどコタツが売っていましたので、それに。」
提督「コタツか。じゃあ、畳も注文しなきゃだな。」
長門「案ずるな。畳も注文してある。」
提督「そうか。ありがとう。」
長門「気にするな。では、私はこれで。」
霧島「長門さん、提督に用があったのでは?」
長門「ああ、そうだった。提督、麻雀をしないか?」
提督「麻雀?構わないが、牌がないぞ?」
長門「私の部屋にある。実は先日買ってきたんだが、駆逐艦への影響も考えると、どうにも相手がいなくてな。」
提督「ああ、やっぱり駆逐艦には麻雀させないほうがいいか?」
長門「まあ、麻雀好きとしては駆逐艦に教えて一緒に打ちたいとも思うんだがな。」
提督「霧島はどう思う?」
霧島「私は麻雀のルールは知りませんが、問題ないと思いますよ。だって、ボードゲームの一種でしょう?」
提督「分類としてはテーブルゲームのほうが近いと思うが・・・・・・。まあ、そういう見方をすれば問題ないか?」
長門「まあ確かに、麻雀が問題視されるときはゲーム性よりも賭け麻雀が問題になるしな。」
提督「じゃあ、何も賭けない、という条件でのみ麻雀を許可しよう。」
長門「よし。それで、いつなら打てる?」
提督「今日の午後なら空いてるな。他に打てる奴は?」
長門「確か陸奥は打てるハズだ。あと一人は探しておこう。」
提督「ああ、頼んだ。他には何かあるか?」
長門「いや、特にないな。」
霧島「司令、そろそろ時間です。」
提督「ありがとう。それじゃ、俺はそろそろ行くかな。」
長門「何かあるのか?」
提督「今日の昼は潜水艦の子達と食べるんだ。」
長門「そうか。ではまた午後に。」
伊58「提督、遅いでち!」
提督「いや、ごめんごめん。」
伊19「気にしてないの。それより、早く食べ始めるのね。」
提督「そうだな。じゃあ、いただきます。」
一同「いただきます。」
伊8「ところで、ここに来る前は何してたんですか?」
提督「ああ、執務室を増やしててな。ちょうど今終わったところだ。」
伊168「言ってくれれば手伝ったのに。」
伊58「そうそう。ど~せ暇だし。」
伊8「最近は遠征にも行ってませんしね。」
伊19「そうなの!とっても退屈なのね!」
伊168「司令官、イムヤの・・・・・・じゃなくて、私たちのこと嫌いになったの?」
提督「いや、そんなことはないよ。」
伊168「でも、最近ぜんぜん仕事ないし・・・・・・。」
伊58「そうでち。グラーフさんが来る前はたくさん出撃させてくれたのに・・・・・・。」
提督「ああ、あれはすまなかった。資材の備蓄が不十分だったせいで、随分と迷惑をかけたな。」
伊19「別にいいのね。むしろ、普段出撃がないから、新鮮だったの。」
提督「いや、新しい艦娘に目がくらんで、お前達に無理をさせてしまった。本当にすまない。」
伊8「いや、いいですよ。秋刀魚漁の後でしたし、仕方ありません。」
提督「だが、資源が足りなくなることは秋刀魚漁が終わった時点で十分に予想できた。あの時点でグラーフはあきらめるべきだった。」
伊168「でも、今回を逃したら次はいつ手に入るか分からなかったんでしょう?だったら、多少無理をしても・・・・・・。」
提督「それは違うぞ。新規実装だとか、次にいつ手に入るか分からないだとか、その程度の理由で艦娘に無理をさせるのは提督失格だ。いや、どんな理由があっても艦娘に無理をさせるなんて許されない。艦娘に無理をさせるような状況になるのは全て、提督の準備や能力が足りていないからだ。だから、今回の非は全て俺にあるんだ。グラーフに目がくらんだから。十分でない資材で作戦に臨んだから。引き際をわきまえなかったから。だから、お前達にオリョール海に何度も出撃してもらわなければならなくなった。」
伊168「司令官、そんなに自分ばかり責めないで。私、無理してなかったから。司令官が、出撃と出撃の間に十分な時間を取ってくれたから、全然辛くなかったから。」
提督「だが・・・・・・」
伊58「あーもう!この前のイムヤといい、今日の提督といい、ウジウジしすぎでち!」
伊8「そうです。私たちは誰も、提督が悪いなんて思ってません。ですから、もう気にしないでください。」
提督「いやでも・・・・・・」
伊19「だ・か・ら!そーいうジメジメしたのはもう終わり!なの!」
伊168「ちょっとみんな、司令官にあたりすぎよ!」
伊58「じゃあイムヤは、提督が悪いって言うんでちか!?提督が無能で、そのせいで私たちが出撃することになったと言うんでちか!?」
伊168「そうは言ってないじゃない!司令官はいつも私たちのことを考えてくれて、大切にしてくれてるから、今こうやって思いつめてるの!なのに、それをウジウジだとか、ジメジメだとか!」
夕張「ちょっとあなた達、騒ぎすぎよ。廊下まで声が聞こえてるわ。一体どうしたの?」
伊19「だって提督が!」
伊168「ちがうわ!悪いのは私たちなの!提督は悪くないの!」
夕張「まあ落ち着いて。私に話して御覧なさいな。」
夕張「なるほど。大体分かったわ。最近潜水艦の子達の出撃回数が多かったことについて、提督は申し訳なく思っているわけね。で、ゴーヤちゃんたちはそんなこと気にしてなくって、提督が思いつめる必要はない、って言いたいわけ。ただ、その言い方が荒くなっちゃって、提督を責めるみたいになっちゃったから、イムヤちゃんが反論した、と。あってるかしら?」
伊58「そんな感じでち。」
夕張「じゃあ、とりあえずイムヤちゃん達はケンカする必要ないわよね。」
伊168「そうね。私、頭に血が上っちゃってたわ。ごめんなさい。」
伊19「私達もカッとなってたの。ごめんなのね。」
夕張「さて。で、問題は提督のほうね。提督、何でそんなに気にしてるの?」
提督「それは、潜水艦にばかり無理をさせていたからだ。」
夕張「でも、出撃なら私たちだってしてるわ。そんなに気にすることもないんじゃないかしら?」
提督「いや、いつもの出撃は特定の艦娘だけにやらせてはいないだろう。」
夕張「ん~、まあ、そうだけどさ。でもほら。期間限定海域とかではほとんど同じ子が出撃してるじゃない?」
提督「それは・・・・・・そう、だが。」
伊8「提督、なんだか潜水艦を出撃させたくないみたいに聞こえます。」
夕張「そうね。なんだろ。潜水艦の子達は大破しやすいから、とか?」
提督「まあ、それもある。」
伊168「それも、ってことは他に何かあるの?」
提督「ああ、いや、これといった明確な理由ではないんだが・・・・・」
夕張「まあ、とりあえず言ってみてよ。」
提督「いや、なんていうか、ウチの潜水艦には負担をかけたくないというか。」
伊19「『ウチの』?どういうことなの?」
提督「いや、他の鎮守府では、潜水艦にひたすらオリョール海に出撃させるところもあるみたいでな。」
夕張「えっと、『オリョクル』ってやつ?」
提督「そうだ。」
伊8「『オリョクル』ってなんです?」
夕張「えっと、それは略称で、正しくは『オリョールクルージング』だったかな。潜水艦だけでオリョール海に出撃させることよ。」
提督「そう。オリョール海に行くと燃料や弾薬が拾えるだろ?で、潜水艦だけで出撃すると、消費する資材より手に入る資材のほうが多くなる、平たく言えば資材が増えるんだ。」
夕張「それで、潜水艦を酷使する鎮守府もある、っていうこと?」
提督「ああ、多分そういうことだと思う。」
伊168「でも、それはヨソの話でしょう?司令官は気にすることないでしょう?」
提督「いや、最近はかなり無理をさせていたからな。関係ないとは言い切れない。」
夕張「でも、この子たちは気にしてないんでしょう。だったら、この話はここでおしまい。これからは無理な出撃はさせない。それでいいじゃない。」
伊168「そうです。もう言ったかもしれませんが、私たちはそこまで辛くなかったし、むしろ、たくさん出撃できてうれしかったんです。」
提督「ああ、それじゃすまないが、この話はこれで終わろうか。」
夕張「じゃ、お昼食べちゃいなさい。午後は長門さんと麻雀するんでしょ?」
提督「なぜそれを?」
夕張「長門さんに誘われたのよ。私も参加させてもらうから、よろしく。」
提督「ああ、それじゃ、また後で。」
長門「やっと来たか。さあ、始めよう。」
陸奥「よろしくお願いしますね。」
夕張「ルールはどうする?ダブル役満はアリ?食いタンは?人和は?30符4翻は満貫?それから・・・・・・」
陸奥「ねえ長門。夕張は何を言っているの?私、麻雀はゲームで少しやっただけなんだけど。」
長門「ああ、麻雀は人によって少しずつルールが変わってくるんだ。例えば、大三元と字一色が同時に成立した場合、点数はどうなっていた?」
陸奥「ええと、それがダブル役満で、親なら96000点、子なら64000点よね?」
長門「そうだ。だが、いくつの役満が同時に成立しても点数は同じとすることもあるんだ。」
陸奥「つまり、ダブル役満でも役満でも、親は48000点、子は32000点にしかならない、ってこと?なんだか、損をした気分ね。」
提督「ああ。同感だ。ダブルでもトリプルでも、役満は複合できることにしないか?」
陸奥「いいけれど、そんなのあがる事あるのかしら?」
夕張「あがってから揉めるのは嫌だし、一応決めておきましょう。」
陸奥「それもそうね。じゃあ、食いタンっていうのは?」
夕張「食いタンっていうのは、鳴いた状態でタンヤオをあがることね。」
陸奥「私のやってたゲームではアリだったわね。」
長門「そうか。私は普段ナシでやっていたのだが。」
提督「俺もナシだったな。」
夕張「私は初心者のみアリ、ってしてたわ。」
陸奥「本当に人によって違うのね。私はあったほうが助かるんだけど。」
提督「じゃあ、アリにしてみようか。」
長門「まあ、それでいいだろう。人和はどうする?」
陸奥「人和?」
提督「自分が初めてツモる前に捨てられた牌をロンすることだな。これは意見が分かれて、アリとナシ以外にも、役満だの跳満だの満貫だのと、点数も議論の分かれるところだ。」
陸奥「なんだかややこしいわね。」
夕張「私はソレ嫌いなのよね。ナシじゃダメかしら。」
長門「ああ、陸奥もよくわからないみたいだし、ナシのほうがよさそうだな。」
(以降、索子は数字、筒子は丸をつけた数字、萬子は漢数字で表記します。)
提督「さて、そろそろ始めるか。長門、サイを振ってくれ。」
長門「ああ。・・・・・・7だ。」
夕張「対面だから私が振るわね。・・・・・・っと、8だから、親は陸奥さんね。」
東一局 東家:陸奥 南家:夕張 西家:提督 北家:長門 ドラ:⑥
陸奥「わかったわ。」
【陸奥の手牌】
一三四五五七八③⑥67北發 ツモ:⑧
陸奥「とりあえず北を切るわ。」
長門「ロンだ。北、ドラ1。40符2翻で2600点だ。」
【長門の手牌】
七八九④⑤⑥22299北北 ロン:北
提督「いきなりかよ・・・・・・。」
夕張「じゃあ、私の親ね。」
東二局 東家:夕張(25000) 南家:提督(25000) 西家:長門(27600) 北家:陸奥(22400) ドラ:東
【夕張の手牌】
一七八①②④3357南西北 ツモ:中
夕張「ここはやっぱり北を切るのかな。陸奥さん、これでアガッたりは?」
陸奥「さすがにないわ。」
提督「俺は西を切る。」
長門「私は一を。」
陸奥「じゃあ、私も西で。」
夕張(次は西でも切ろうかな。)
夕張「うーん。どうしようかしら。」
【夕張の手牌】
一七八①②④3357南西中 ツモ:西
夕張「ここは南かなあ。」
長門「ポンだ。四を切る。」
提督「オタ風を鳴くのか?」
長門「ああ。」
数巡後
長門「誰も筒子を切らないのか?」
提督「ああ。というか、オタ風を鳴いてて捨て牌に萬子と索子しかないとか、十中八九染めだろ。」
長門「気づかれていたか。流石は提督だ。」
提督「いや、普通気づくだろう。ほら、お前の番だぞ。」
長門「ああ。」
長門「悪いな。ツモだ。」
【長門の手牌】
①①⑨⑨⑨南南南發發發白白 ツモ:① (南と⑨を鳴く)
長門「混一、対々、混老、發。跳満だな。」
陸奥「今度は大きいの来たわね。」
夕張「よりにもよって私が親の時に・・・・・・。」
陸奥「今日の長門は調子がいいわね。」
夕張「やっぱり運が高いからかしら。」
長門「やはりそうだろうな。陸奥のように運が悪いとロクな手はアガれないんじゃないか?」
提督「長門、今のは良くない。訂正しなさい。」
長門「なんだ。気に障ったなら謝ろう。だが、麻雀において重要なのは運だろう。」
夕張「あれ?長門さん『雀力』って知りません?」
長門「ジャンリョク?」
提督「ああ。ツモ運や牌の切り方、プレイングに環境や駆逐艦など、様々な要因を考慮し、『麻雀の強さ』を表すものだ。」
陸奥「強い人ほど雀力が高い、ってことでいいのね?」
夕張「その通りです。」
長門「ちょっと待て。駆逐艦というのはおかしいだろう。いくら駆逐艦が可愛いといっても、麻雀の強さには影響しないだろう。」
提督「実際に見せたほうが早いか。駆逐艦を呼んでくるから、山を積んでおいてくれ。」
提督「じゃあ皆、好きなとこにいてくれ。」
子日「は~い。じゃあ子日、むっちゃんの膝の上ね!」
陸奥「ええ。いらっしゃい。」
響「じゃあ私は夕張の膝の上。」
夕張「いいわよ。」
リベッチオ「私は長門さん!」
長門「ああ。いいぞ。」
電「じゃ、じゃあ、司令官さん、お膝にのっていいですか?」
提督「もちろんいいよ。」
東三局 東家:提督(22000) 南家:長門(39600) 西家:陸奥(19400) 東家:夕張(19000) ドラ:③
長門の手牌
一九①⑨19東南西北發中③
長門(ふむ。国士無双まであと一歩か。)
提督「リーチだ。5を切る。」
長門(ツモは5か。ここはツモ切りだな。)
長門「5を切る。」
陸奥「じゃあそれチーするわ。捨てるのは⑨ね。」
夕張「それじゃあ私の番ね。う~ん、どうしようかしら。」
響「何を悩んでいるんだい。」
夕張「うん、槓をするかどうかをね。ああ、槓っていうのは、ここみたいに同じやつが4枚あるとき、これを一つのグループとして見ることなんだけど、これをやっちゃうと、このグループを崩せなかったり、他の人の手助けをすることになったりするの。」
響「じゃあ、いいことはないのかい。」
夕張「まあ、自分が得することもあるわよ。」
響「それなら、やってみようよ。」
夕張「そうね。じゃあ、⑥を槓するわ。・・・新ドラは八ね。」
夕張「響ちゃん、いらないのはどれだと思う?」
響「これかな。」
夕張「じゃあ、九を切るわ。」
提督「北を切ろう。」
長門(ツモは白か。ここはドラを切るしかないな。)
リベッチオ「長門さん、それ切っちゃうの?」
長門「ああ、これは今いらないからな。」
リベッチオ「え~。リベ、それ好きなのに。」
長門「③を切る。」
提督「ロン」
陸奥「ロン」
夕張「ロン」
提督の手牌
八八③④④⑤⑤223344 (ドラ:③、八 裏ドラ:2、4)
陸奥の手牌
二二三四五④⑤345中中中 (5を鳴く、五と⑤は赤ドラ)
夕張の手牌
一一七八九①②⑥⑥⑥⑥發發發 (⑥を槓する)
提督「数え役満だ。」
陸奥「満貫ね。」
夕張「満貫です。」
結果: 1位 提督
2位 陸奥
3位 夕張
4位 長門
提督「長門の敗因はリベッチオの言うとおりにしなかったことだな。」
陸奥「ダブル役満に目がくらんだとか、そんなところでしょう。」
長門「まあ、そうだが。でも、仕方がないだろう。ダブル役満が目の前にあったら、誰だって飛びつくさ。」
長門「それに、ダブル役満なんて次にあがれるかどうかわからないじゃないか。そのためなら、多少のリスクは犯してもあがりに行くべきだろう。」
提督「だからといって駆逐艦をないがしろにする理由にはならないぞ。」
陸奥「それに、冷静になってみなさいよ。ダブル役満をあがらなければいけない状況なんてそんなにないでしょ?」
長門「ぐ・・・・・・。だが、あの点数なら普通勝負に出るだろう!」
夕張「まだ言いますか。」
長門「あそこでダブル役満をアガっていれば私の勝利は揺るがないものになっていた!39600点では勝てる確信はもてないだろう!」
提督「見苦しいぞ!お前は手元にあるものを見ようともせず、ダブル役満などという下らないものに目がくらんだ!そして駆逐艦をないがしろにした!」
陸奥「そうよ。その結果あなたは負けたの。」
電「もうやめるのです!」
長門「い、電・・・?」
電「さっきからみんなで長門さんを責めて!電は喧嘩なんて嫌なのです!」
リベッチオ「そうだよ!リベは気にしてないし、そんなに責めることないでしょ!」
提督「あ、ああ。すまなかった。電、リベッチオ。」
電「謝るなら長門さんに謝るのです!」
提督「すまない、長門。」
陸奥「私も、ごめんなさい。」
夕張「すみませんでした。」
長門「いや、謝るのは私のほうだ。すまなかった。」
長門「リベッチオも、すまない。」
リベッチオ「いーよ。リベ、気にしてないから!」
長門「それから、電。ありがとう。」
電「電は何もしてないのです。」
長門「いや、この世で一番大切なのは駆逐艦だ。電のおかげでそのことを再認識できた。」
――――――――――――――
ある日の執務室
時津風「しれー、この金庫、何入ってんの~?」
提督「ああ、大事なものだよ。」
時津風「なにそれ。中見た~い。ダイヤル教えて~。」
提督「さすがにそれはできないな。この中は誰にも見せられないんだ。」
時津風「え~。」
提督「悪いけど、これだけは見せられないんだ。」
時津風「つまんないの~。あ、もうこんな時間。雪風んとこ行ってくる~。」
霧島「そういえば、この金庫、私が着任したときはありませんでしたよね。いつからありましたっけ。」
提督「割と最近かな。」
霧島「やっぱり、中は教えてもらえませんか?」
提督「悪いけど、霧島でも教えられないな。時期が来たら見せるかもしれない。」
霧島「時期が来たら、ですか。」
提督「あまり詮索されると中身がばれそうだな。この話はもうやめよう。」
霧島「でしたら司令、今日の任務を終わらせてしまいませんか?建造任務がまだ残ってましたよね。」
提督「そうだな。じゃあ工廠に行こう。」
時津風「・・・・・・行ったみたいだね。」
雪風「ですね。」
時津風「よし、今のうちにのぞいちゃおう!」
雪風「はい!」
時津風「雪風、どっちに回す?」
雪風「右にしましょう!1番で!」
時津風「1・・・・・・っと。つぎ、どうする?真ん中で5番とかどう?」
雪風「そうしましょう!」
時津風「今度は左に回すよ~。」
長門「提督、入るぞ。」
長門「っと、提督は不在か。おや、雪風に時津風じゃないか。何をしてるんだ?」
時津風「司令がこの金庫に大事なものを隠してるっていうからさ~。こっそり見てみようと思って。」
長門「そうか。だが気になるからといって勝手に開けるのは良くないぞ。あの提督が隠しておくんだ。何か理由があるんだろう。」
時津風「そっか~。長門さんがそういうなら、やめようか。」
雪風「そうですね。じゃあ、ダイヤルをもとに戻しておきましょう。」
カチッ
雪風「あっ。あいちゃいました!」
長門「まあ、中を見ないで閉めておけばいいだろう。二人とも、もう勝手に覗こうとしたらダメだぞ。」
時津風「あのさ、ちょっと見るのもダメ?」
長門「ああ、ダメだ。」
時津風「お願い!ちょっとだけ!誰にも言わないから!」
長門「う・・・・・・。いやいや、ダメだ!」
雪風「雪風からもお願いします!やっぱり気になります!」
長門「だ、ダメ、だ・・・・・。」
時津風「ね~お願い!」
長門「ぐ・・・・・・。仕方ない、少しだけだぞ。」
時津風「やった~!」
雪風「中に入っているのは・・・・・・何かの書類でしょうか?それから、青い箱もです。」
長門「なに?・・・・・・雪風、ちょっとその書類を見せてくれるか?」
雪風「どうぞ!」
長門「・・・・・・。」
時津風「ね~、なんて書いてあるの?」
長門「いや、何でもないよ。さあ、二人とも、提督が戻る前に金庫を閉めておこう。」
時津風「は~い。」
その日の夜
長門「提督、少しいいか。」
提督「長門か。どうかしたか?」
長門「ああ、少し話があるんだ。それで、悪いが霧島は少し外していてもらえないだろうか。」
霧島「なぜです?」
長門「実は、昼間金庫の中を見てしまってな。それについての話なので霧島には話さないほうがいいかと。」
提督「そうか。見たのか。・・・・・・悪いが霧島、今日はもう休んでくれ。」
霧島「わかりました。では、お先に失礼します。」
提督「で、中を見たんだな?」
長門「ああ。実は、・・・・・・ということがあってな。もちろん、罰は受けるつもりだ。ただ、その前にいくつか聞きたいことがある。」
提督「聞きたいこと?」
長門「あの中はケッコンカッコカリの書類だったな。」
提督「ああ、そうだ。」
長門「ということは、提督はジュウコンをするということか?」
提督「いや。そんなつもりはないぞ。」
長門「ならどうしてあれがあるんだ。提督はすでに霧島とケッコン済だろう?」
提督「いや、してないぞ?」
長門「何・・・だと・・・。」
提督「勘違いしてたみたいだな。」
長門「いや、いつも朝から晩まで一緒にいるし、霧島の能力は以上に高いし、てっきりケッコンしているものだとばかり・・・・・・。」
提督「いや、俺は誰ともケッコンしていないぞ。だからあの書類ももらったのがそのまま残っているんだ。」
長門「そうだったのか。」
提督「誤解は解けたようだな。それより、雪風と時津風はあの書類が何かわかっていたか?」
長門「いや、書類と箱が入っているということしか知らないはずだ。箱は開けていなかったから指輪は知らないだろうし、書類も中身は読んでいない。」
提督「そうか。じゃあ、悪いがこのことは黙っていてくれないか?」
長門「それなんだが、別に隠さなくてもいいんじゃないのか?どうせ霧島とケッコンするのだろう。」
提督「それなんだが・・・・・・。」
長門「何か問題でもあるのか?霧島が嫌いとかではないんだろう?」
提督「いや、霧島は好きだよ。ただ・・・・・・。」
長門「何だ。はっきり言ったらどうなんだ。」
提督「2つ聞きたい。その答えによって言うかどうかを決める。」
長門「なんだ?」
提督「1つ目。ここで聞いたことを他言しないと誓えるか?」
長門「誓おう。」
提督「2つ目。お前は俺が好きか?これは結婚を考えるとか、そういった類の『好き』だ。」
長門「悪いが、その『好き』ではないな。駆逐艦を愛する姿勢や羅針盤の運の良さなど、尊敬できる点は多いが、あくまでも尊敬であって、好きではない。関係としては友達くらいのイメージだな。」
提督「それを聞いて安心した。じゃあ、話そう。何度も言うが、このことは他言しないでくれ。」
長門「ああ。霧島とケッコンしない理由、でいいんだよな?」
提督「ああ。端的に言えば、好きな相手がかなりいるんだ。」
長門「つまり、霧島以外ともケッコンしたいと?」
提督「そうだとも言えるし、違うとも言える。ケッコンする相手は一人にしなければならない。が、好きな相手が多すぎて一人に絞るなんてことはできない。それから、嬉しいことに、艦娘の中には俺を好いてくれる子もいる。誰かとケッコンしたら、その子たちはどう感じるかとか考えるともう何もできなくなるんだ。」
長門「ええと、霧島以外にも好きな子がいて、その中から一人を選ぶことなんてできない。提督を好いている艦娘の気持ちも裏切れない。という理由から、ケッコンできずにいる、ということだな。」
提督「ああ、そうだ。」
長門「ええと、何というか・・・・・・。」
提督「幻滅したか。それとも小さなことに悩んでいると笑うか?」
長門「いや、今は哀れみが大きいな。」
長門「提督よ、そんなに気を使わなくてもいいだろう。ケッコンといってもカッコカリだし、籍を入れるわけでもないのだから、一人に絞ることはない。それから、提督を好いている艦娘だって子供じゃないんだ。自分の気持ちには折り合いをつけるだろう。」
提督「いや、ジュウコンはやはりダメだろう。それに、俺なんかを好きになってくれるんだから、艦娘の気持ちには応えたい。」
長門「だが、そのまま悩んでいてもその矛盾は解決されないし、提督は苦しむままだぞ。」
長門「そうだ。いっそのこと、ケッコンは戦力の増強と割り切ってしまえばどうだ?問題の解決にはならないが、少しは気が楽になるんじゃないか?」
提督「そうしたら楽になれるかな・・・。じゃあ、仮に戦力の増強に使うなら誰だ?」
長門「普通ならそれは霧島に相談することだろうが・・・。まあ、霧島に聞けというのは酷だな。」
長門「今戦力として心許ないのはどこだ?重巡あたりか?」
提督「そうだな。あとは軽空母かな。」
長門「でもそれって育成してないって方が大きくないか?」
提督「そうだなぁ。やぱり俺一人で決めるのは限界があるか。」
長門「明日あたり主要な艦娘を集めて決めるか。」
提督「そうだな。そうしてみよう。」
翌日
提督「・・・・・・というわけで、みんなに集まってもらったんだ。すまないが、知恵を貸してくれ。」
金剛「OH!それじゃあテートク、私が提督のこと好きだって、気づいていたのですカー?」
提督「ああ、気づいていた。黙っていて済まない。」
金剛「それじゃあ、霧島もテートクが好きって方はどうデース?」
霧島「お姉さま、どうしてそれを!?」
提督「分かっているとも。」
多摩「それなら、霧島とケッコンで問題ないにゃ。」
比叡「それじゃあ、お姉さまの気持ちはどうなるんです!」
金剛「比叡、落ち着くデス。私は提督と同じくらい、妹たちが大好きデース。大好きなテートクと大好きな霧島が幸せになれるなら、私は身を引くデース。」
龍驤「まあ、金剛がそれでいいってんなら、霧島とケッコンでええんとちゃう?戦績も申し分ないし、この鎮守府にいる時間も一番長いやろ?」
神通「お言葉ですが龍驤さん、ここに一番長くいるのは由良です。そして、由良は出撃だけでなく遠征でも鎮守府に貢献しています。その点を考えるとケッコンは由良がふさわしいかと。」
川内「それはそうだけど、由良の気持ちはどうなの?」
由良「私は、提督さんが選んでくれるなら、嬉しいかな。」
伊58「待つでち!鎮守府への貢献の話をしたら、イムヤが一番でち!」
伊19「そうなの!遠征ならイムヤが行かないものはないし、空母の人たちのレベリングでは自ら囮役を買って出てるの!イムヤ以上に貢献してる艦娘なんていないの!」
U-511「それに、提督も大好きです。」
川内「花嫁候補は金剛、霧島、由良、イムヤの4人か。どうする?この中から誰にするか話し合って決める?」
長門「待ってくれ。話し合うのなら陸奥も候補に入れてくれ。」
陸奥「長門!?何を言って・・・・・・。」
長門「お前も提督が好きだったろう?なら候補には入れておくべきと思ってな。」
陸奥「でも、私じゃ霧島には敵わないし、これ以上話を複雑にしたら悪いわ。」
長門「そう遠慮するな。お前は霧島なんか比較にならないほどの魅力があるさ。」
金剛「聞き捨てならないネー。火力も練度も高いし、その上高速戦艦。どう考えてもウチの霧島の方が優れているデース。」
長門「何だと?」
那智「二人とも、そのくらいにしておけ。今日集まったのは誰が一番かを決められないからだろう。」
妙高「それから、ケッコンは戦力の増強と割り切ってしまう案もあったのでは?」
龍驤「まあ、そんな話もあったけど、これだけの人数に告白まがいのことさせて『ケッコンは戦力の増強と割り切ります』ってのは無理とちゃう?」
隼鷹「だよねー。提督、ここは男らしく一人に絞りなよ。」
加賀「そうですね。そうしてしまった方が彼女たちも気が楽でしょう。もとはといえば提督の優柔不断が招いたことです。けじめをつけましょう。」
提督「やはり、そうしなければならないか。」
伊168「待って。それなら、私はケッコンできなくてもいいわ。」
伊19「何を言うのね!」
伊168「だって、私が候補から降りれば、司令官は4人から1人を選ぶだけで済むでしょ?私が我慢して司令官の負担を減らせるなら、それもいいかな、って。」
伊58「イムヤは我慢し過ぎでち。もっと自分に素直に生きるでち。」
速吸「あの、皆さんとケッコンではダメなんでしょうか。確かに、一般的には一夫多妻は良くないですが、その、選ばれない方たちのことを考えると、とてもつらいと思います。」
伊19「そうなの!これだけ頑張ってるイムヤが報われないのはおかしいの!」
日向「そうだな。提督はいままでだれか一人に絞ろうとして悩んできたんだ。それ以外の選択肢を考えるのも一つの手だろう。」
グラーフ「いっそ全員とケッコンしてしまえばいいではないか。ここにきて日が浅い私でもAdmiralが誠実な人間であることは知っているし、Admiralが艦娘のことをよく考えていることもわかる。ジュウコンをしたところで、非難する者はいないだろう。」
提督「・・・・・・いや、やはりできない。」
神通「そう頑なに拒むのはなにか理由がおありで?」
提督「一夫多妻なんて、駆逐艦に悪い影響を与えるに決まっているだろう。」
神通「どのような影響が?鎮守府内では特に問題ないのでは?」
提督「たしかに、鎮守府内にいるうちは問題ない。が、社会に出た後はどうだ?今まで自分が常識だと思っていたことが異常だったとわかった時のショックは大きいぞ。」
足柄「社会に出る・・・・・・って言うと、あの子たちがここから出ていくの?」
提督「深海棲艦との戦いが終われば、艦娘も鎮守府も不要なものになるからな。艦娘は社会に溶け込んで生きていくことになるだろう。」
提督「ジュウコンの問題はもう一つある。ジュウコンを見慣れてしまうと、将来あの子たちが浮気を許してしまうかもしれない。それどころか、同時に複数の女性と交際するような悪い男に引っかかるかもしれない。」
金剛「それは絶対に駄目デース!」
加賀「では、提督には一人を選んでもらうほかありませんね。」
金剛「それも、いやデース・・・・・・。皆で幸せになりたいデース・・・・・・。」
川内「今のところ、ジュウコンするか一人選ぶかってとこだけど、他にないかな?」
提督「一応ケッコンしないというのもあるが、それではダメだろう?」
加賀「そうですね。それでは何の解決にもなりません。やはり何らかの形で決着をつけなければ。」
夕張「もう、ジュウコンすることに決めちゃいません?それで、駆逐艦に悪い影響を与えない方法を考えましょう。どうせ二人目の練度が最大になるのはもっと先の話ですから。」
妙高「それが一番負担が少ないですね。でも、最悪の場合にどうするかは決めておきましょう。もし、駆逐艦に悪い影響を与えざるを得なかった場合、どうしますか?」
提督「そのときは、私が提督を辞める。ジュウコンが理由で辞職すれば、あの子たちもジュウコンは悪いことだとわかるだろう。もちろん、辞職で足りなければ他のどんな罰も受けよう。」
加賀「分かりました。最悪の場合はそうしましょう。」
川内「ところでさ、提督はみんなの事好きなの?ジュウコンするにしても、情けでケッコンされるのは嫌じゃない?」
提督「もちろん、俺はみんな大好きだよ。」
龍田「それじゃあ、そろそろお開きにしましょう。悪い影響を与えない方法についてはみんなで考えておきましょう。」
那智「待て。この会議の内容を駆逐艦に聞かれたときはどう答える?」
龍田「『提督の業務が忙しくなっため、秘書官を増やすことになった。話し合いの末、新たな秘書官は金剛、霧島、陸奥、由良、伊168の五人となった。』とかはどうかしら。」
提督「ああ、そうしよう。それじゃあ、今日はこれで解散とする。」
雷「しれーかん!見て見て!鳳翔さんに浴衣着せてもらったわ!」
電「なのです。」
提督「やあ、もうそんな時期か。二人ともよく似合っているよ。」
金剛「その通りデース!二人ともとっっってもcuteデース!」
金剛「テートクぅ!折角だから、写真を撮るネー!」
雷「まって!今ね、由良も浴衣着てるの!写真撮るなら由良を呼んでくるわ!」
電「呼んできたのです!」
由良「えっと、どう、かな。変じゃない?」
提督「ああ、全然変じゃないよ。その、うまく言葉にできないけど、すごくきれいだ。」
由良「本当?やったぁ!」
雷「さ!写真撮りましょ!どこで撮る?」
電「折角だから、お外がいいのです。」
由良「提督さんはどう?今、お仕事忙しくない?」
提督「ああ、それは大丈夫。ただ、ちょっと肩をかしてもらえるかな。」
由良「どうかしたの?」
提督「いやその、由良の浴衣姿があまりにもきれいなもんだから、腰が抜けちゃって。」
行間空けろよ。死ぬほど読み辛いわ
キャラの所に駆逐艦たちって入れたほうが分りやすいとおもうよ
更新がんばって
俺この鎮守府に着任したいっす!!あ、ロリコンではないですからね?勘違いしないでくださいね!
確かにこの鎮守府に着任したいと思った
提督「東松山鎮守府?」の続きではないのですか?続きが見たいです。