八幡 『……ふっ(ニヤニヤ』

雪乃 『…さっきから気持ち悪いのだけれど、部室に入ってくるなり携帯をいじって何をそんなにニヤニヤしてるのかしらこの変質者』

結衣 『ヒッキー本気でキモいから…』

八幡 『一言口に出ただけでそんなに言われちゃうのかよ……いや気持ち悪いのは認めるけども』

結衣 『ていうかヒッキー、最近よく携帯いじってるよねー。教室でも休み時間とかもいじってたし。』

雪乃 『比企谷くん、撮った写真を全て消去した上で自首しなさい。もしかすると死刑を間逃れるかもしれないわよ。』

結衣 『えっ！？ヒッキー盗撮してたの？！マジありえないっ！』

八幡 『ちげーよ話勝手に進めんなよ…つーか盗撮で死刑とかお前絶対人を見て判断してんだろ…差別しちゃダメって人権ホームルームで言われなかったの？』

雪乃 『ええ、言われたわよ。人、を見た目で判断してはいけないと(ニコッ』

八幡 『なんで人って部分を強調したの？今お前と話してるのも人だからね？俺はラブリーチャーミーな敵役のしゃべる猫なの？』

雪乃 『………猫(ﾎﾞｿｯ』

八幡 『…o0(猫ならなんでも良いのかよ…』

結衣 『そんで、ヒッキー何してんの？』

八幡 『ツイッター。最近またやり始めたんだが、意外と楽しくてな。』

結衣 『ホントに？！じゃあＩＤ教えてっ！リア垢の方でフォローするから！』

八幡 『いや、俺リア垢作ってねぇんだよ。顔知ってるやつにブロられたりしたら俺泣いちゃうし。』

結衣 『ブロられるの前提なんだ！ていうかメンタルよわっ！』

雪乃 『つっつい…え、りあ……えっ…ごめんなさい、何を話してるのか全然わからないのだけれど。』

結衣 『あのね！ツイッターっていうＳＭ？とかいうアプリでね、リアルやなつとか趣味のやつとか作って呟いたりお話したりするのっ！』

八幡 (つーかなんだよＳＭって…なんのプレイ？ちなみに由比ヶ浜はHで雪ノ下はAくらいか。いやあくまで想定した上での話だが。いや見てませんよ、視界には入ったりしてるかもしれませんけど…)

雪乃 『なるほど…比企谷くん、翻訳してくれないかしら？』

八幡 『ですよね…えっとだな、ツイッターってのは………

〜ハチマンの三分間講座〜

……っていう感じのアプリだ。』

雪乃 『なるほど、つまり今呟きたいことをネットに上げて他者と共感し合ったりする、ということね。』

結衣 『そう！そんな感じ！』

八幡 『お前の説明のどの辺にそんなこと言ってた部分があんだよ…』

雪乃 『けれど、話だけを聞くと、比企谷くんにフォロワーなんて集まらないと思うのだけれど。集まってもすぐブロックされてフォロワー0とかになるんでしょうね。』

八幡 『おいやめろ、中学のときTL荒らしまくって50人相互フォローしてたのがフォロー数1、フォロワー数0になったことを思い出すだろうが！』

八幡 (ちなみに残ったフォロー数1は全日本おうち帰りたい委員会だった。おかげで朝とかTL見たら「おうち帰りたい」で埋め尽くされていた。まあ共感できるけど)

結衣 『何呟いたらそんなことになんのか逆に知りたい…』

八幡 『聞くな…そのうち泣くぞ…』

雪乃 『そんなことがあって、なぜまた始めたのかしら…』

八幡 『ああ、それは…………

数日前

材木座 『………にへっ(ニヤニヤ』

八幡 『お前気持ち悪ぃよ………なに携帯いじりだすなりニヤついてんだよこの変質者。』

材木座 『ひどっ！？…ケプコンケプコン、実はな、最近ツイッターというものにハマってな。』

八幡 『あ〜、俺も昔やってたわ。トラウマしかないけど。』

材木座 『まあ落ち着け、我もこの件に関しては色々とダークヒストリーがあるが、進化した我はようやく真のツイッターの扱い方を見つけたのだぁ！』

八幡 『うぜぇ…んで、なんだよその方法って。』

材木座 『今まではリアルの情報を元にアカウントを作成していたが、別次元での我を新しく創り、第二の我でツイッターを始めたのだ！これなら何しようが何されようがリアルの我には関係ない話だからなぁ。ダメージのリスクがなくなるということだ！』

八幡 『にしてもそんなに楽しいのかそれ…まあ気が向いたらやってみようかな…』

…………………まあなんとなく？』

雪乃 『なんだったのかしらあの間は……』

八幡 『いや別に、それよりもう時間だし依頼もこねぇみたいだから今日はもういいんじゃねぇの？』

雪乃 『そうね、今日はここまでにしておきましょう。では私が鍵を職員室に届けてくるから先に帰ってていいわよ。』

八幡 『んじゃ、お先な。』

結衣 『バイバイヒッキー！ゆきのん待ってるから一緒に帰ろっ！』

～～～自宅～～～

小町 『お兄ちゃん最近よく携帯鳴ってるけど誰かとメールとかしてるの？』

八幡 『俺にメールする相手いないことくらい知ってるだろ。メール来るとしたら欲求不満の人妻さんとか金がありあまりすぎて困ってる人くらいだ。』

小町 『見事に全部チェーンメールなんだね…ほら！雪乃さんとか結衣さんとかとは？！』

八幡 『由比ヶ浜はたまに連絡くる程度だし雪ノ下はそもそも連絡先しらない。メールじゃなくてツイッターな。』

小町 『お兄ちゃんツイッターやってるの！？小町もやってるからＩＤ教えて！』

八幡 『教えねぇよ…なんで身内にＩＤ教えんだよ……そんなことしなくても、俺は小町のそばにいるだろ？あっ、今の八幡的にポイント高い！』

小町 『うぅ、お兄ちゃん！(抱きつき』

八幡 『よしよし(なでなで』

～～～自室～～～

八幡(さて、たまったリプ返していこうかな。)

ちなみに俺の作ったアカウントは実名を伏せてるだけで至って普通のアカウントだ。俺の読んでるラノベとか普通の小説を読んでる人を適当にフォローして意見を言い合う。これが割と楽しくてやめれない。名前は飼い猫の名をとってカマクラにしておいた。

八幡 (お、フォローの通知が来てる)

「Yukiさんがあなたをフォローしました」

Yuki 「カマクラさん、気になったのでフォローさせていただきました。良ければよろしくお願いします。」

八幡 (こんなこと現実で言われたら血迷っちゃうな…と毎回思う。ってかこの人フォローすんの俺が初めてかよ。初心者か？)

カマクラ 「フォローありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。もしかして初めてツイッターやられる人ですか？」

八幡 (挨拶だけで終わっちゃう人結構多いからなぁ…初めで会話を続けさせてちょっと親睦を深めた方がいいよな)

Yuki 「そうなんですよ、よくわかりましたね(微笑 あのもし良ければいろいろと教えていただいてもよろしいでしょうか？」

八幡 (おお…初心者なのに微笑むというスキルを持ってるとはなかなかの手練だな。ちょっとドキッとしかけちゃったじゃねぇか)

カマクラ 「俺でよければ教えますよ(笑 どんどん聞いてくださいね。」

八幡 (何このイケメン返答、現実でこんな返し出来る俺？ううん無理)

Yuki 「ありがとうございます(微笑 では早速なんですけど、このリツイートというものなんですが……………」

ーーー30分後ーーー

カマクラ 「そう、そこで主人公がとった行動には驚きましたよね！」

Yuki 「はい、私も初めて読んだ時は驚きました(微笑 カマクラさんは色々な本を読まれてるんですね。」

カマクラ 「まあジャンルを問わず広い範囲で読んでますからね。そういうユキさんもかなり博学な方ですよね。」

Yuki 「ふふっ、好きなんですよ読書が。」

八幡 (まさかここまで話が続くとはな。話が合いすぎてめちゃくちゃ楽しいな…現実にいたら告白して振られるまでである。振られるのかよ)

Yuki 「すいません、今日はこのへんで失礼します。今日は有意義な時間を過ごさせていただいてありがとうございました。おやすみなさい」

カマクラ 「俺も楽しかったですよ！また明日、おやすみです。」

八幡 (もう寝ちゃったか、ちょっと寂しい気もするな…おっとあまり本気になりすぎたら戻れなくなりそうだから気をつけねぇと…ん、今度は別の人からのリプか…)

ハル 「やっほー！こんばんはカマクラくんっ」

カマクラ 「はい、こんばんはですハルさん。今日も1日お疲れ様でした。」

ハル 「相変わらず面白みのない挨拶だねー、思わずブロックしちゃいそうだった(ニコッ」

カマクラ 「挨拶に面白さ求めてんのはあなたくらいですよ…あと洒落になってないんでやめてくださいよ？(苦笑」

ハル 「冗談だってばー、本気にしちゃって可愛いなー君は(クスッ」

八幡 (この人はこのアカウントで初めてできたフォロワーのハルさん。名前といい、話し方といい、もう頭の中であの魔王の顔が浮かんでくる…けどあっちは気づいてないようだからまだ安心出来る…え、気づいてないよね？まだあの人とわかったわけじゃないけど)

カマクラ 「にしても、今日はいつもより遅かったですねここに来るの。忙しかったんですか？」

八幡 (これだと俺がハルさんと話せなくてめちゃくちゃ寂しかったみたいに見えるけどこれ以上の文が構成できない。国語学年３位のやつ、どうすればいいか教えてくれ。あ、俺か)

ハル 「なになにぃ〜、お姉さんと会えなくて寂しかったのかな〜？(クスッ」

カマクラ 「いえ全然全く」

ハル 「あははっ、可愛くないなぁ〜」

カマクラ 「さっきと言ってること全然違うんですけど…」

ハル 「ところで、今日も話したいこといっぱいあってねぇ〜！また私の妹がね〜〜……

八幡 (おっとこれは長くなるパターンのやつだな…ハルさんは妹の話になると140文字ツイート×3くらいを3分くらいで送ってくる。驚くほどのシスコン、弟子入りしちゃおっかなぁなんつって何言ってんの俺)

カマクラ 「ホントに妹さんのことが好きですよね」

ハル 「君にだけは言われなくないけどね」

八幡 (はやっ！ものの五秒くらいだったぞ。どこの黄色い閃光だよ…)

カマクラ 「すんません、今日はこのへんで。ではまた明日」

ハル 「もう寝ちゃうの〜？うんまたねっ」

～～～翌日の朝～～～

小町『お兄ちゃ〜ん！もう起きてー！』

八幡 『……もう朝かよ…』

八幡 (朝ってなんでこんなにやる気を削ぐんだろうか…特に冬、毛布と暖房のダブルアタックには勝てない。まあなんだかんだ言って学校行くんだけどね、うわ俺優等生。うん普通だよね)

八幡 『あれ、朝から通知来てる…』

Yuki 「おはようございますカマクラさん、今夜も話すの楽しみにしてますから今日1日頑張りましょうね(微笑」

八幡『 』

『頑張っちゃうZEぇぇ！！！！』

小町『お兄ちゃんうるさい早くご飯食べて。』

八幡 『ふぁ……ねみ』

結衣 『やっはろーヒッキー！うわぁ、いつにも増して目が腐ってるね。』

八幡 『まさかお前から罵倒喰らうとは思ってなかったわ……おはようさん…』

結衣 『てっていうかホントに疲れてそうだねっ、昨日寝れなかったの？』

八幡 『まあ色々あってな…けど朝から元気100倍のハチマンになったから問題ないぞ。』

結衣 『ごめん後半何言ってんのか全然わけわかんないんだけど…』

八幡 『つまりそれがお前の限界ってことだ、出直すんだな。』

結衣 『この会話だけで実力を計られた！？』

～～～昼休み～～～

八幡 (まだ夜じゃねぇけど、ユキさんからのリプ返しとこうかな…)

カマクラ「ユキさん朝から元気の出るリプありがとうございます！ユキさんも頑張ってくださいね。」

八幡 (正直、ツイッターでの自分が現実と違いすぎてたまに死にたくなる時がある…いやでもバレなかったら大丈夫だよね…という言い訳をしながら楽しんでる俺もなかなかヤバイが…)

戸塚 『八幡っ』

八幡 (相手が女だと思ってたけどホントは男だったパターンだったみたいなのが中学んときにあったなぁ…ツイッター内で恋仲とか作ろうとして告ったらDMで「私の背後男だから」って来てたときは一週間は立ち直れなかった…)

戸塚 『八幡っ！』

八幡 『うぉおぃっ！！！』

戸塚 『わっ！びっビックリしたぁ〜、も〜八幡なにボーっとしてたの？』

八幡 『おっおお、わりぃ。ちょっと考え事をな。どうしたんだ彩加？』

戸塚 『もっ、もう八幡！急に名前で呼ぶの反則だよー！』

八幡 『(…ああ、幸せだな〜もうこのまま戸塚ルートでもいいんじゃねぇの)』

戸塚 『ところで、八幡ずっと携帯見てたけど何してたの？』

八幡 『あっああ、ちょっと最近ツイッターにはまってな。』

戸塚 『八幡ツイッターやってたの！？僕もやってるからフォローしてもいい？』

八幡 『おっおお…けど俺のアカウントリア垢じゃねえけど…』

戸塚 『全然いいよ！実は僕もリア垢じゃないから八幡もそれで大丈夫？』

八幡 『ぜっ、全然大丈夫だぞっ！』

戸塚 『ホントに？！じゃあフォローするね！八幡のＩＤ教えてくれない？』

八幡 『えっえっと、俺のは……………これだ(スマホを見せ』

戸塚 『う〜んと、はいっ！フォローしておいたよっ！』

八幡 『(おお…！うさぎのアイコン可愛いなぁもう…)』

戸塚 『八幡、このYukiさんって人とよく話してるんだね。』

八幡 『ん、あっああ。最近知り合ったんだが、結構話が合うもんでな。』

戸塚 『へぇー、僕もフォローしてみようかな。』

八幡 『おう、めちゃくちゃ礼儀正しいからフォローおすすめだぞ。』

戸塚 『うんっ！あ、昼休み終わっちゃうからもう席に戻るね。じゃあまた。』

八幡 『おっおお、またな。』

八幡 (昼休み終わるの早すぎんだろ…ああ、天使との時間が…ん、通知が…)

Yuki 「ふふっ、昼間に返信ありがとうございます(微笑 今日も残り半日、頑張って学業に励みましょうね。」

八幡 『…………』

(天使が２人に増えたぁぁぁ…！！！！)

～～～放課後～～～

雪乃 『………ふふっ』

八幡 『なに携帯いじるなりニヤついてんだよ…昨日の俺かお前は。』

雪乃 『比企谷くん、人に差別用語を使ってはいけないと人権のホームルームで言われなかったの？』

八幡 『いや今差別したのはお前だからね？俺の存在そのものがダメなの？』

結衣 『でも、ゆきのんが携帯いじってるのって珍しいよねっ！なにやってるの？』

雪乃 『この前由比ヶ浜さんが言っていたツイッターというアプリを。』

八幡 『あの、俺も言ってたんですけど…』

結衣 『へぇー！ゆきのんも！ＩＤ教えてっ！』

雪乃 『ごっごめんなさい、まだアカウントが試作段階だからもう少ししてからでいいかしら？』

結衣 『うんっ！待ってるね！』

八幡 『スルーですか俺は、え、お前ら俺の存在認識してる？無意識にミスディレクション使ってるの俺？』

結衣 『まあまあいいじゃん。そういえば最近よくお腹空いちゃうんだよねー、でね！お母さんがおにぎり作ってくれるんだけど、これがめちゃくちゃ美味しくてさー！』

八幡 『急に話題変えんなよ…あーでも空腹のときに食うおにぎりってうまいよな。』

雪乃 『私はたまに焼きおにぎりとかにして食べることもあるわね。』

八幡 『あーね、冷凍食品のやつもたまに食ったらうまいよな。』

結衣 『毎回思うんだけど、おにぎりって焼きおにぎりとか揚げおにぎりとかあるのになんで茹でおにぎりはないんだろうね。あれ茹でたら美味しいのかな？』

八幡 『おかゆになると思う』

雪乃 『そういえば、この前一緒に作ったおにぎりも上手くいってなかったわね…握るだけの作業のどこで間違えたのかいまだにわからないわ…』

結衣 『うっ…ゆっゆきのんの言った通りに作ったんだけどなぁ……おにぎり作る前に加える塩だってちゃんと塩ひとつまみの量だったし…(ぐっと拳を握り』

雪乃 『…今わかったわ、あなたの加えた塩は塩ひとつまみじゃなくて塩ひとにぎりよ。』

八幡 『つーかなんでおにぎりの話してんだよ…ツイッターの話してたんじゃねぇのかよ。それともお前腹減ってんの？』

結衣 『ちっちがっ！別にお腹空いてるわけじゃな(ぐぅ〜)…い…わけじゃないけど…(ｳﾙｳﾙ』

八幡 『なっ泣くなよ…恥ずかしいのはわかるけど、っておい！雪ノ下どこに電話するつもりなんだよ。指の動きからして110番だろそれ』

雪乃 『あら、この現場を見たら誰でもこうすると思うのだけれど。何か間違ったことをしたかしら？(ｷｮﾄﾝ』

八幡 『俺は何も何も言ってないよね？不可抗力だよねこれ。つーか、家庭科室にいって適当なの作ってやれよ…』

結衣 『あっ、それだ！ゆきのん、作ってくれる？(ｳﾙｳﾙ』

雪乃 『…し、仕方ないわね、今日だけよ。』

結衣 『ゆきのん大好きー！！(抱きつき』

雪乃 『うぅ……暑苦しい…//』

八幡 『(今日も世界が平和だな…)』

八幡 『……なんか、1人なのが久しぶりな気がする…』

「トントン」

八幡 『(マジかよこのタイミングで依頼人来んのかよ…家なら居留守を使うところだが、依頼人を返したらあとで雪ノ下に何言われるかわかんねぇしな…)…どうぞ。』

戸塚 『しっ失礼します。あれ、八幡だけ、なの？』

八幡 『とっ戸塚？！おっおお、今は俺だけだが…どうかしたのか？』

戸塚 『えっと……たいした用はないんだけど…その………』

八幡 『？』

戸塚 『はっ八幡と、その、お話したくなったから、じゃあダメ…かな？』

八幡 『』

結衣 『ぷぁ〜、もうお腹いっぱいだよ〜…』

雪乃 『あなた食べすぎよ……今日の夕食が食べれなくなるわよ。』

結衣 『大丈夫！夕食は別腹だから！』

雪乃 『全部スイーツなのかしら……』

結衣 『そういや、ツイッターにハマってたんだよね！なんか面白い人でもいたの？』

雪乃 『そうね、呟くという目的ではあまり使ってないけれど、他者と意見を言い合うということに関しては面白みがあるわね。』

結衣 『へー！その人ってどんな人？名前とか覚えてる？』

雪乃 『えっと確か……………………あれ、部室の扉が少し開いてる…』

結衣 『あっホントだ。誰か来たのかな？』

『……ね』『けど………』『そっか！……よね？』『まあ……………しな』

結衣 『ヒッキーがなんかすごく盛り上がって話してるよ！』

雪乃 『明日は雪でも降るのかしら………一体どんな話を……(覗き』

戸塚 『八幡はやっぱり人気者だよね！夜に女の子2人と一緒にお話したりするなんて！』

雪・結 『！？』

八幡 『そうか？まあ実際はベッドで横たわって(ツイッターして)ただけだけどな。』

雪・結 『(女の子2人と夜ベッドで横たわった？！)』

戸塚 『けど、片方の女の子は初心者だったんでしょ？そこから(上手く会話を)発展していくなんてすごいよ！』

八幡 『まあ、(ツイッター内で話)するのは俺が初めてだったらしいけど。』

雪・結 『(初めて！？)』

戸塚 『いいなぁ、僕もその人と(仲良く)やっていけるかな〜』

八幡 『戸塚なら大丈夫だ。相手さんかなり優しいから(楽しくお話が)ちゃんとできるって。先に(フォローされて)繋がった俺が言うんだ、信じてもいいと思うぜ。』

雪・結 『(先に繋がった…！？)』

戸塚 『うん！八幡がそこまで言うなら安心できるよ！アドバイスありがとねっ。あ、もうこんな時間、ごめん八幡。またね。』

八幡 『おう、またな。』

戸塚 『あ、そうだ。もし今日の夜時間空いてたら…その、八幡も(ツイッター内での会話に)混ざってくれない…かな？』

八幡 『おっおお、俺基本夜は暇だからその(会話する)ときになったら呼んでくれ。』

戸塚 『うん！わかった、じゃあ八幡っ！「ｶﾞﾗｶﾞﾗ」うわっ！』

雪・結 『』

戸塚 『ビックリしたぁ…ってあれ！？だっ大丈夫雪ノ下さん由比ヶ浜さん！』

八幡 『おう、お前らおかえり。長かったな…ってなんで固まってんの？意識あるか？おーい』

雪・結 『比企谷くん(ヒッキー)、ちょっと話があるんだけれど。』

八幡 『え………………』

雪乃 『では、私たちの質問に素直に答えること。わかった？たらし谷くん。』

八幡 『おい言われてるぞたらし谷とやら。』

結衣 『ごめん真剣に答えてくれない？』

八幡 『すっすいません……(目から光が消えてるぞ由比ヶ浜…)』

雪乃 『質問その1、さっき戸塚くんと話していたこと、あれは本当に昨晩あなたは行ったの？』

八幡 『(戸塚と話していたことって、ツイッターの話か…)まあそうだな。』

結衣 『寝ながらってホントに？』

八幡 『そりゃまあ楽な体勢の方がいいだろ。てかお前らは立ってやってんのか？』

雪・結 『やるわけないでしょう。』・

『やるわけないしっ！』

八幡 『おっおお……そうか』

雪乃 『質問その2、昨晩行ったことを2人の女性にしたというのはホントかしら？』

八幡 『ホントだが…まあ1人に関してはここ最近ずっとだけどな。』

結衣 『そっそんなに？……じゃ、じゃあなんでもう1人の女の人にも同じことしたの？！』

八幡 『なっなんでって、いや俺もいつも通り1人の方の相手だけと思ってたんだが…もう片方の人が挨拶してきてな、話しているうちに盛り上がってきたんだよ。』

結衣 『そっ、そんな場の雰囲気でそこまでやっちゃうなんておかしいよ！』

雪乃 『その初めからいる女性には悪いと思わなかったのかしら？』

八幡 『いや、むしろ新しい出会いがあって良かったと思ってるぞ。それに、初めからいる方はスイッチ入ったら止まらなくなるからな…ほぼ毎日寝不足になるから疲れるんだよ…まあ楽しいけど。』

結衣 『信じらんない……なんでこんなことになっちゃったの………』

雪乃 『失望したわ…………あなたはもっと常識をわきまえてる人だと思っていたのに……』

八幡 『はぁ？ツイッターで挨拶してきた人に挨拶し返したり、話しかけられたらそれに反応することのどこがダメなんだよ？』

雪・結 『…………え？』

八幡 『…………え』

結衣 『もー！紛らわしい話しないでよっ！』

雪乃 『あなたは発言することを少し自重すべきよ。』

八幡 『ねぇなんで俺が怒られてんの？つーか発言権まで奪われちゃうの？いや元からないようなもんだけど。』

結衣 『まあけど良かった、ちょっと安心したよ。』

雪乃 『そうね、少し驚いたけど、よくよく考えてみればこの男にそれだけの度胸はないもの。』

八幡 『当たり前だ、それだけの度胸があったらとっくに告白とかしてるっつーの。戸塚に』

結衣 『どんだけ彩ちゃん好きなの…』

八幡 『だいたい、仮にお前らの想像してたことが本当だったとして、お前らに何の関係があんだよ？』

結衣『へっ！？えっえと………それはその………』

雪乃『…………………………………そう言われればホントね、なぜかしら？』

八幡 『いや知らねぇよ…お前が知らなかったら誰も知らねぇっての。』

結衣 『とっとにかく！今日はもうおしまいっ！でいいよねゆきのん！』

雪乃 『そっそうね、時間も時間だしそろそろ終わりにしましょう。』

～～～自宅～～～

八幡 『たでーまー』

小町 『ほよ、お兄ちゃんおかえりー！』

八幡 『小町、飯出来てるか？』

小町 『もうちょっとだからテキトーにくつろいでてー』

八幡 『いや、なんなら俺も手伝うけど。』

小町 『大丈夫大丈夫！お兄ちゃん最近寝不足でしょ？休んだほうがいいよっ！あ、今の小町的にポイント高い！』

八幡 『最後のがなかったらな…んじゃお言葉に甘えて…ついでにコーヒーも甘めにってね。』

「ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ」

八幡 (お、通知か。って戸塚じゃねぇか！メッセージ(DM)が3件も…だと？！)

T.saika☆ 「彩加です。初めてのメッセージです。八幡にこうやってメッセージ送るのはメール以来だね(えへへっ こっちでも仲良くしようね！」

T.saika☆ 「八幡はまだ部活かな？頑張ってね！」

T.saika☆ 「ごめんね何回も、一応報告！ユキさんからフォロバされたよ、八幡の言ってたとおり礼儀正しくて優しい人だねっ。八幡とも早くお話したいな〜」

八幡 『』

カマクラ 「結婚しようぜ彩加」

T.saika☆ 「え？」

カマクラ 「わっわりぃ誤字だ、結構しんどかったぜ部活が。ごめんな返信遅くなって。」

八幡 (なに送ってんの俺…いやでも俺はしょうがないよね？だって相手天使だよ？不可抗力だよね、うんそうだ仕方ない。)

T.saika☆ 「ふふっ、そんなに急いで返信しなくても大丈夫だよ。ううん、早く返信しなきゃって思ってくれてたんでしょ？それは伝わってるから大丈夫だよっ。」

カマクラ 「そっそうか…！そっそういやユキさんとは仲良く出来てんのか？」

八幡 (軽く受け流したように見えるが嬉しさのあまり空飛べそうな気分だ…戸塚おそろしい子！)

T.saika☆ 「うんっ！ユキさんってとっても物知りだね！本にも詳しいのは聞いてたけどテニスのこともよく知ってるんだよ！」

カマクラ 「へぇ、それは知らなかったな。良かったな、いい人と出会えて。」

T.saika☆ 「うん！八幡と出会えてホントに良かったよ！」

八幡 『ぶふっ！』

小町 『お兄ちゃん気持ち悪いから…』

八幡 『うっうっせ…(思わず声に出てしまった…これ以上は危険だ俺が！)』

カマクラ 「おっおお…俺もだぞ…。悪いな戸塚、夕食の時間だから一旦落ちるわ。またな。」

T.saika☆ 「うん！またね！もしかしたら今日は結構時間あるからまた来たらはなそうね！」

カマクラ 「おお、楽しみにしてる」

小町 『………お兄ちゃん、いつもの５倍は気持ち悪い顔してるんだけど…』

八幡 『うっせぇ、ほっとけ(ニヤニヤ』

小町 『もしかして雪乃さんとか結衣さんのことでなんかあったの？！』

八幡 『いやなにも(真顔』

小町 『えー、じゃあ…川崎さん！』

八幡 『いやあいつでもない』

小町 『じゃあ陽乃さん？』

八幡 『あの人のことでニヤけるわけねぇだろ…』

小町 『じゃあ戸塚さん？』

八幡 『バカちげぇよ(ニヤニヤ』

小町 『お兄ちゃん！何があったのか知らないけど冷静になって！戸塚さんは男だよっ！』

八幡 『わーってるよ…さすがの俺もそこは間違わねぇよ…』

小町 『おお、お兄ちゃんにしてはよくわかってるね。』

八幡 『何がだよ…そのなんだ、普通に良い奴すぎてニヤけけたんだよ…』

小町 『確かに良い奴だよね〜、お兄ちゃんと一緒にいるのが不思議なくらい。そのうちいなくなっちゃうんじゃないの？』

八幡 『おいバカそれ以上言うな、冗談でも号泣するぞこの場で！』

小町 『あーそれはめんどくさいからやめてね…』

八幡 『ふぅ…ごっそうさん。』

小町 『お粗末さま！んじゃ食器洗うね。』

八幡 『いや、あとは俺がやるからお前は受験勉強頑張れよ。』

小町 『そう？じゃああとはよろしくねお兄ちゃん！』

八幡 『さて、洗い物片付いたし、やること全部終わらしたし、また再開するか。』

(しかし、睡眠時間削ってまでツイッターをやってしまうとは危険なレベルにまでハマってしまったな…このままじゃ脳内まで腐ってしまうんじゃねぇの？と言うとすでに腐ってると思う、とか言われそうなので言わねぇけど)

八幡 『まあ、癒してくれる人が2人もいるんだ、現状俺にとってツイッターはオアシスみたいなもんだからな。少なくとも今は廃人にはならねぇだろ。』

(つーわけで今から会いに行くぜ俺のオアシスへ！)

ハル 「だーかーらー、今日は私がカマクラくんと話すんだからあなたは引っ込んでてってさっきから言ってるでしょ？」

Yuki 「あなたに他人をどうこういう権利はないと思うのですが。そもそも、先に話しかけたのは私なのであなたこそ引っ込んでてくれませんか？」

ハル 「私はあなたがここに来る前からカマクラくんとお話してるんだよ？先に話しかけたのは私なんだけど。」

Yuki 「私が言ってるのは今日話しかけたのが先だったと言ってるんですよ。前の日のことを持ち込んで来るなんて子供ですね。」

ハル 「なんで前の日のことを持ち込んできたら子供なのか意味がわからないけど。とりあえず今日はもう寝てなさい。」

Yuki 「私は夜に話そうと約束してるので寝るわけにはいきません。なので今日はあなたが引き下がってください。」

八幡 『』

(オアシスがボルケーノと化してる…)

八幡 (え、なにこれ文字だから尚のこと怖いんですけど…なんでケンカしてるのか気になるけど会話歴を見たくねぇ…つーかこれ俺が止めないとダメなの？ダメですよね、なんでか知らないけど引き金は俺みたいだし…けどまあとりあえず知らないフリして…)

カマクラ 「ふぅ、今日も疲れた。こんばんは」

(と、ツイートをしてみた。これなら俺が今浮上したことを相手に知らせ、疲れてるから途中で「わり、寝落ちした」と逃げることも出来る。相変わらず逃げ腰だな俺は)

ハル 「こんばんはカマクラくんっ！会いたかったよ！」

Yuki 「こんばんはカマクラさん。待ってましたよ(微笑」

T.saika☆ 「カマクラくんお疲れ様！」

カマクラ 「こんばんはハルさん、俺もそこそこ会いたかったですよ」

カマクラ 「こんばんはユキさん、悪いな待っててもらって。」

カマクラ 「おつありさいか、おかげで元気出たぜ！」

八幡 (ホントに戸塚のおかげで気持ちが落ち着いたわ…まあここでまた愛してるとか打ちそうになったけど、それを送ったら戸塚まで巻き込まれそうだったからな…許せ彩加、これが最善策だ)

ハル 「カマクラくん、突然なんだけど、明日リアルで会わない？」

八幡 『！？』

Yuki 「いきなり会話に入り込んでしまいすいません。ハルさん、さすがにそれはいけないんじゃないんでしょうか？」

ハル 「なんで？いいじゃん別にー、それとも何かあなたに不都合でもあるの？」

Yuki 「こういったリアルでの出会いで問題が生じたという事例を聞いたことがあるので止めてるだけです。」

カマクラ 「ハルさん、さすがにこれに関してはユキさんに同意します。リアルで会うのはちょっと…」

八幡 (ったく、急に何を言うかと思えば………まあ昔の俺ならもしかしたらOKしたかもしれないが、すでに失敗を経験した俺にその手のやり口は効かないぜ！ちなみに失敗というのは指定された場所に行ったら誰1人としてそこに来なくて、その人に場所が合ってるかどうか聞こうとしたらすでにブロックされてた後だった、という話は誰も興味無いよなすいません)

「ハルさんからメッセージが送られています」

ハル 「もしかして気づいてないとでも思ったの？

比企谷くん♡」

八幡 『』

(こりゃもう詰んだな………)

ハル 「ということで、会ってもいいよね？カマクラくん」

カマクラ 「そ、そうですね」

Yuki 「ちょっとカマクラさん！？急にどうしたんですか？何か言われたんですか？」

カマクラ 「いやその…別にハルさんなら良いかなって…」

八幡 (いいわけねぇだろ…)

Yuki 「そっ、そんな…」

ハル 「ららぽーとでいいよねっ、じゃあ明日待ってるから」

八幡 (ここで場所を指定しちゃまずくないか…と思ったが、ハルさ……陽乃さんのアカウントを見るとフォロー数2、フォロワー数2になっていた。場所を言う前に1000人近くいたフォロワー達を全員ブロック＆解除してたのだ。その上ご丁寧に鍵まで掛けてて実質陽乃さんが指定した場所を知ってるのはユキさんと俺だけということになる。まあな、んというか……)

八幡 『さすが魔王だな……』

(だいたい予想は出来たが、その日は一睡もできなかった…)

～～～翌日の朝～～～

小町 『ふぁ〜…おはよ、ってあれ！？休日なのにお兄ちゃんもう起きてる？！』

八幡 『おう、おはような小町。いや、今日は珍しく用事があってな。』

小町 『用事って……もしかしてデート！』

八幡 『ばっ、バカお前ちげぇよ…』

小町 『どっち？！雪乃さん？！結衣さん？！』

八幡 『だからマジで違うって……んじゃ行ってくるわ。あ、昼飯はいらねぇから』

小町 『あっ、お兄ちゃんこれ！』

八幡 『んぁ？は、いやお前これ…なんのお金だよ？』

小町 『念の為の資金だよ！初デートを成功させるために念には念を入れないとね！』

八幡 『だからデートじゃ……つーかこれお前の小遣いだろ？兄としてそんなものを妹から受け取るなんてできねぇよ』

小町 『大丈夫！お父さんに頼めばいくらでもくれるから小町は！』

八幡 『倒置法使って俺だけは違うアピールはいいから…知ってるから………ホントにいいんだな？』

小町 『うん！お兄ちゃんのためだからね！あ、今の小町的にポイント高い！』

八幡 『ああそうだな、ホントに高いわ…んじゃ、行ってくる。』

小町 『がーんばってねー！』

八幡 (俺はドアを閉めるとき、日頃の怒りを両腕に込めて勢いよくドアを閉めた、この騒音、君に届け。さっさと起きろクソ親父)

～～～ららぽーと～～～

八幡 『(なんか無駄に緊張してきたなぁ……待ち合わせ場所この辺であってるよな……)』

？？ 『八幡っ！』

八幡 『！？』

戸塚 『やっぱり八幡だ！おはよー。偶然だね！』

八幡 『とっ、戸塚！おっおお、必然だな…』

(この時間俺がここに来ることを知ってるのはこの世で陽乃さんとユキさんの2人だけ。つまりこれは結構マジな運命何じゃねぇの？と思わせるほどだ。いや必然なんだよきっと。)

戸塚 『八幡は今日用事とかあるの？もしなかったら一緒にお店を見て回りたいなぁ、なんて(えへへっ』

八幡 『(なんだとぉ！？これが運命なのか！？なんでこんな日に限ってぇ…)わっ悪ぃな戸塚、誘いはマジで嬉しいんだけど、今日待ち合わせしててな。ホントに悪ぃ。』

戸塚 『ううん、大丈夫だよ。急に聞いた僕も悪いし…けど、今度は絶対に行こうね！』

八幡 『行くー！！』

戸塚 『あははっ(微笑 じゃあまたね！』

八幡 『おお、またな！』

(天使の笑顔が見れた、なんかもう今日は大丈夫な気がするぜ！)

陽乃 『あ、比企谷くんっ！こっちこっち！』

八幡 『おはようござ………います。』

(ホントにこの人綺麗だよなぁ外見は…ちょっと見とれてしまった…不覚…)

陽乃 『どうしたの？もしかしてお姉さんに見とれちゃった〜？(頬ツンツン』

八幡 『あーはいはい見とれちゃいましたよ…そんで、今日は何をするんですか？』

陽乃 『もー可愛くないなぁ〜。んーっと、普通にデート！』

八幡 『じゃあ各々自宅に行くってことで…

陽乃 『とりあえずそろそろお昼時だし、適当にお店の中入ろっか！』

八幡 『スルーですか…まあそうですね、丁度腹も減りましたし。』

陽乃 『比企谷くんの好きなところでいいよー。』

八幡 『じゃあ近くのサイゼで。』

陽乃 『ホントに好きだねぇ〜、それじゃあ行こっか！』

？？ 『………………………』

八幡 『しかし、注文の手ぎわといい、雪ノ下さんもよく来られてたんですね。あんまりそういうイメージなかったから。』

陽乃 『そりゃ私だってまだ学生だしねー、お財布が厳しい時とかはよく来るよ？』

八幡 『なるほど……ところで、今日はまたなんでこんなことを？』

陽乃 『こんなことって？』

八幡 『俺を呼び出したことですよ。何かあるから呼び出したんでしょ？』

陽乃 『んーそうだねー……もう少ししたらわかると思うよ？(ニコッ』

八幡 『なんですかそれは……(はぁ』

陽乃 『まあ一つ言えることは、比企谷くんにとって悪い事じゃないってことだよっ。』

八幡 『そうだと助かるんですがね……「ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ」雪ノ下さん、携帯鳴ってますよ。』

陽乃 『あっ、ホントだ。なになに…………ふぅん(ニコッ』

八幡 『(嫌な予感しかしねぇ…)』

陽乃 『まあともかく、せっかくのデートなんだし、はいあーん♡』

八幡 『いっいや、そういうのはちょっと…』

陽乃 『いいじゃん別にー、ほら口開けて、ほれほれー』

？？ 『何をやっているのかしらこんなところで…』

八幡 『ゆっ、雪ノ下？』

雪乃 『比企谷くん、無理矢理こんなことさせても、得るのは罪悪感だけよ。』

八幡 『これのどこをどう解釈したら俺が無理矢理やらしてるように見えるんだよ…』

陽乃 『あ、雪乃ちゃんだ。ひゃっはろー！偶然、だね(ニコッ』

雪乃 『ええ、偶然、ね…』

八幡 『(あれ、ここ冷房とかついてたっけ…)』

雪乃 『質問に答えてくれないかしら、姉さんこんなところで何をやっているの？』

陽乃 『何って、デートだよ？』

雪乃 『それは何の冗談かしら…』

陽乃 『冗談じゃないよ？別に私が比企谷くんとデートしようが、雪乃ちゃんには関係ないと思うんだけどなー(ニコッ』

雪乃 『……………いえ、関係大アリよ…』

陽乃 『どうして？』

雪乃 『だっ、だって…その…………私と彼は…………つ…つき……』

八幡 『？(水を飲み』

雪乃 『付き合っているのだから！』

八幡 『ぶハッ！ゴホッゴホッ！』

陽乃 『えー！ホントに！』

雪乃 『ええ、だから人の男を勝手にデートに連れ出すのはやめてくれるかしら…//』

八幡 『おっおまっ…！急に何言って

雪乃 『さあ行くわよ比企谷くん(腕を引っ張り』

八幡 『ちょ…！おまっ…！』

雪乃 『ちょっと黙ってなさい…//』

陽乃 『あれまぁ〜、こりゃ予想以上だったな〜。けどまさか……ふふっ』

八幡 『その…なんだ……ありがとな、助けてくれて。』

雪乃 『いっいえ、別に……』

八幡 『つーか、もうちょっと他に方法なかったのかよ…』

雪乃 『あら、助けてもらっておいてその言い分はないと思うのだけれど。』

八幡 『いやそうじゃなくて、わざわざお前が傷つくような方法じゃなくても良かっただろ、って言ってんだよ。』

雪乃 『？どういう意味かしら？』

八幡 『だからその、演技とはいえオレの彼氏役なんて嫌だっただろ…』

雪乃 『そっそれはその………………私は別に大丈夫…というより…』

八幡 『？』

雪乃 『…………………ちょっとドキドキしたわ…//(ﾎﾞｿｯ』

八幡 『…………え、今なんて？』

(いやバッチリ聞こえていた、ドキドキしたって今ちゃんと聞こえた。もう俺は多分今完全に落ちた。だから、だからこそ…)

雪乃 『なっ何でもないわ……それよりこのあとどうするつもりかしら？』

八幡 『雪ノ下、お前さえ良ければ付き合ってくれ。』

雪乃 『………………………え？』

八幡 『せっかく外に出たからな、何もしないとはちょっと後味の悪いし、だからその、雪ノ下さんの代わりに。』

雪乃 『……そういうことね。姉さんの代わり、ね………いいわよ。私も丁度暇だったから。』

八幡 『悪いな、んじゃまずは本屋とか行っとくか。』

雪乃 『そうね、少し見たい本もあったし、行きましょう。』

八幡 『これで、全部か？』

雪乃 『ええ、ごめんなさいね。半分も持ってもらって。』

八幡 『なんなら全部持ったんだがな。そんで、次は行きたいところあるのか？』

雪乃 『いえ、特にはないわ。比企谷くんは行きたいところあるのかしら？』

八幡 『俺は…ちょっとある。一緒に来てもらえるか？』

雪乃 『ええ、もうこの際どこでも行くわ。』

八幡 『悪いな、すぐそこだから。』

雪乃 『…ここは？』

八幡 『この前小町に何故か教えてもらったんだが、なんでもこの辺で1番綺麗な夕日が見れる場所なんだと。』

雪乃 『あら、あなたが行きたいと言ったわりにはずいぶんロマンチックな場所ね。今から告白でもする気なのかしら？』

八幡 『ああ、そのつもりだ。』

雪乃 『…………え？』

八幡 『んだよ？』

雪乃 『どうして急に………そもそも私は姉さんの代わりにじゃなかったの…？』

八幡 『素直に好きなやつとデートしたいなんて言えるわけねぇだろ……』

雪乃 『……そっ、それでもわからないわ。なんで私なの？あなたの周りにはもっと素敵な女性がたくさん…』

八幡 『たくさんもいねぇだろ……つーか、そもそも俺がお前を好きになったのは、お前が綺麗で時に可愛くて、普段毒舌だけどちゃんと相手のことも考えてて、誰よりも強くて、誰よりも弱くて、そんなお前だから、そんな雪ノ下雪乃だから好きになった、なってしまったんだ。責任取って俺の彼女になりやがれ。』

八幡 (…………いやこれはいくらなんでも…)

雪乃 『…………………………ぷっ、ふふふ(微笑』

八幡 『なっ、何がおかしいんだよ…？』

雪乃 『そりゃおかしいわよ…ふふっ、あなた自分でもわかっていると思うけど、こんな最低な告白をされたのは初めてよ。』

八幡 『ああ、まさか自分でもこんなにひどい告白になるとは思わなかったよ…』

雪乃 『…こんな告白、他の人がされたら溜まったものじゃないわね。』

八幡 『まあ…そうだろうな。』

雪乃 『こんな告白でも……私以外の人にもやることを考えたら……胸が苦しむわ…』

八幡 『………』

雪乃 『わかったわ。』

八幡 『…は？』

雪乃 『言わなければわからないの？ホントにエアコンの方が優秀なようね。』

八幡 『こんな状況でも罵倒浴びにゃならんのかよ…悪い、ちゃんと言葉にしてくれ。曖昧なのはゴメンだからな。』

雪乃 『それもそうね……なるわ、あなたの彼女に。いえ、責任を取るとかそんな理由じゃなくて、私もこんな貴方だから、こんな比企谷八幡だから好きになったのよ。責任取って、貴方こそ私の彼氏になりなさい。』

八幡 『…ホントに、最低の告白だなそれ(クスッ』

雪乃 『………返事は？』

八幡 『喜んで、雪ノ下雪乃の彼女にならせていただきます。』

雪乃 『……………………(ポロポロ』

八幡 『おっおい、何泣いてんだよ？！』

雪乃 『…まさか………貴方から告白してくれるなんて…思ってもなかったから……いえ、期待はしていたけれど、まさかホントに……だから、嬉しくて…(ぎゅっ』

八幡 (俺は雪ノ下が泣き止むまで抱きしめていた。こんな自分に、こんな最低で、周囲から嫌われ続けていた自分に、告白されて涙を流してくれている少女が、俺のことを好きになってくれた少女が、俺の彼女になったことがこの上なく嬉しくて、つい俺まで泣いていたのは、雪ノ下には内緒の話。)

八幡 『………………』

雪乃 『………………』

八幡 (人生で初めて彼女ができたその日、暗くなってきたので雪ノ下を家まで送っていくまでの間、俺達は無言で手を繋ぎながら帰っていた。多少の気まづさはあったが、それ以上に心地よさもあった。好きな人と触れ合ってるというだけなのに全く恋とは恐ろしいものだ)

雪乃 『…ここまででいいわ。』

八幡 『おっおお…そうか。』

雪乃 『ええ、では……またね。』

八幡 『ああ、またな。』

(俺は若干の物寂しいさを思いながら雪ノ下の手を離し、雪ノ下に背を向け帰ろうとした………が)

雪乃 『…比企谷くん！』

八幡 『ん？』

雪乃 『ちゅっ』

八幡 『…………なっ////』

(ほんの2、3秒だけだったが、その温かさを感じるのには十分なくらいだった)

八幡 『おっお前…急に…///』

雪乃 『だっ、だって………比企谷くんがいつまでたってもしてくれないから……//(目そらし』

八幡 『そっそれもそうか………悪い、肝心なことが出来なくて…』

雪乃 『いえ、あなたならそうだろうと思っていたわ。』

八幡 『おい、ちょっとは自分の彼氏を信じろよ。』

雪乃 『信じた結果がこれなのだけれど。』

八幡 『マジですまん……』

雪乃 『なら比企谷くん、もうわかるわよね…』

八幡 『ああ…………』

雪乃 『…………』

八幡 『ちゅっ』

雪乃 『…ん』

～～～自宅～～～

八幡 『たでーまー(ニヤニヤ』

小町 『おかえ…うわっ！お兄ちゃんが気持ち悪くなってる！！』

八幡 『うっせぇ、気持ち悪いのはいつものことだろ(ニヤニヤ』

小町 『あ、それもそうか』

八幡 『いや納得すんなよ…』

小町 『お兄ちゃん！間違いだけは起こしちゃダメって言ったよね！？』

八幡 『バカ戸塚じゃねぇよ…』

小町 『じゃあ誰なの？』

八幡 『お前には教えん』

小町 『あっ、逃げたなぁー！』

八幡 『また今度話すから…今日は勘弁してくれ…』

小町 『ホント〜？信じるからねっ！あーそうそう、陽乃さんから電話来てたよ。』

八幡 『は、なんで？』

小町 『なーんかお兄ちゃんに用があったらしいよ。「ポチポチ」はいこれ、終わったら机の上置いておいてねー』

八幡 『あっおい！…………もしもし』

陽乃 『あっ、比企谷くん？おめでとー！』

八幡 『…………何がですか…？』

陽乃 『なにって、雪乃ちゃんと付き合うことになったんでしょ〜、私と別れた後に。』

八幡 『気づいてたんですか………ならなんで驚いたフリなんて…』

陽乃 『えー、だってその方が面白いから！』

八幡 『理由になってませんよ…』

陽乃 『そうかな？ともかく！約束通り今度お茶しようね！…あとそれから…………………』

八幡 『……？』

陽乃 『……………案外比企谷くんが子供で、助かったよ………』

八幡 『…それはどういう…』

陽乃 『べっつにー、深い意味はないよ。それじゃまたね！』

八幡 『……………何だったんだ…』

(少しの疑問を持ちながら、俺は自室へ向かった)

八幡 (お、メッセージ来てる。って戸塚じゃねぇか！)

T.saika☆ 「今度買い物するの約束だよ八幡っ！」

八幡 (当然じゃねぇか！なんなら地の果まで行ってやるぜ！ってこれは浮気じゃないぞ。戸塚は男だからな。うん浮気じゃない…ってあれ、またメッセージが…これはYukiさんか)

Yuki 「今日は楽しかったわ。また一緒に行きましょうね、それと、ありがとう、今日ほど素晴らしい日はないわ。愛してるわよ、比企谷くん(ニコッ」

ーーーー雪乃ENDーーーー

ルート②

陽乃 『あ、比企谷くんっ！こっちこっち！』

八幡 『おはようござ………います。』

(ホントにこの人綺麗だよなぁ外見は…ちょっと見とれてしまった…不覚…)

陽乃 『どうしたの？もしかしてお姉さんに見とれちゃった〜？(頬ツンツン』

八幡 『あーはいはい見とれちゃいましたよ…そんで、今日は何をするんですか？』

陽乃 『もー可愛くないなぁ〜。んーっと、普通にデート！』

八幡 『じゃあ各々自宅に行くってことで…

陽乃 『とりあえずそろそろお昼時だし、適当にお店の中入ろっか！』

八幡 『スルーですか…まあそうですね、丁度腹も減りましたし。』

陽乃 『比企谷くんの好きなところでいいよー。』

八幡 『じゃあ近くのサイゼで。』

陽乃 『ホントに好きだねぇ〜、それじゃあ行こっか！』

八幡 『わかりまし………あれ？………………雪ノ下？』

雪乃 『あら、こんなところで会うなんて奇遇ね。今日私死ぬのかしら』

八幡 『学校外で俺と会っただけで死ぬとかどこの死神だよ…何番隊なの俺？』

陽乃 『あれれ、雪乃ちゃん？……ちょっと早かったかな〜…』

八幡 『？』

陽乃 『それで、今日はなんでここに？もしかしてお姉ちゃんに会いに来てくれたのかな〜？(ニコッ』

雪乃 『そんなわけないでしょう。それに、ここで何をしているの？まさかこれとデートってわけじゃないわよね？』

八幡 『おい、代名詞がおかしいだろ。なんでもの扱いされてんの俺？』

陽乃 『そうそうよくわかったね〜！これとデートしてるの！』

八幡 『もうやだこの姉妹………つーか、今日はよく知り合いと出会う日だな…』

雪乃 『よくって、他にも会った人がいたの？』

八幡 『ああ、天使…いや、戸塚にな。』

雪乃 『どんな間違え方なのかしら……戸塚くんになら、私も偶然会ったわね。』

八幡 『まあ、俺の場合、戸塚との出会いは必ぜ………ん…………』

雪乃 『？どうかしたの？』

八幡 (必然……そう必然だったんだ全てが。だからツイッターにハマることさえも計画のうちだったんだ。だから出会った、お互いに繋がっていたから。だから断ち切った、そうすることで意識をそらせるために。だから嫌がった、このタイミングで出会うことを…)

八幡 『雪ノ下さん、申し訳ないんですが、少しだけ2人きりにしてくれませんか？』

陽乃 『………おおー！雪乃ちゃん告白されちゃうのかな〜(ニヤニヤ』

雪乃 『ねっ、姉さん冗談はやめて…比企谷くん、急に変なことを言うのはやめてくれないかしら。』

八幡 『悪い雪ノ下、こっちは真剣なんだ。雪ノ下さん、後で俺も追いつきますので、近くのお店で待っててくれませんか…？』

陽乃 『…そういうことならお姉さん協力してあげるよー！それじゃ、サイゼリヤで待ってるね！あ、それともそのままで私のところには来なくてもいいよー？』

雪乃 『ねっ、姉さん！』

陽乃 『もー怒らないのっ。それじゃあね！』

雪乃 『はぁ…相変わらずねあの人は……』

八幡 『ああ………全くだ。相変わらずだなホントに…』

雪乃 『それで、話って何なのかしら……？』

八幡 『………ここじゃあれなんで、場所を変えたい。少し歩くがいいか？』

雪乃 『ええ、問題ないわ。』

八幡 『…ここでいいだろう。』

雪乃 『……こんな人気の無い公園に連れ出して…何をするつもりなのかしら…』

八幡 『言っておくが、お前に手を出す度胸なんて俺にはないことくらいお前もよくわかってるんだろ？』

雪乃 『ほんの冗談よ。それで話を聞かせてくれないかしら…？』

八幡 『ああ、そのことなんだがーーーーーーーーーー』

～～～サイゼリヤ店内～～～

陽乃 『………………なんで来たの？』

八幡 『言いませんでしたか？後で追いつくって。』

陽乃 『雪乃ちゃんに告白するんじゃなかったの？』

八幡 『俺は話をするって言っただけですよ。それに元々今日は雪ノ下さんとのデートの日ですよ？』

陽乃 『……あははっ、もしかして本気にしてたの〜？ウソウソ、ちょっとしたジョークだったんだけどな〜』

八幡 『まあ確かに、今となってはデートする必要もなくなったわけですものね。』

陽乃 『……………何が言いたいの？』

八幡 『言い方ことが山ほどあって、どれから説明すればいいのか…』

陽乃 『…いいよ、全部聞かせて？君の中での真相を…』

八幡 『まず、今日行われるはずだった雪ノ下さんの計画は、俺をららぽーとへ呼び出した後、近くのフード店で俺とデートするところを雪ノ下雪乃に見せつける、と言ったところですか。』

陽乃 『けど、雪乃ちゃんが来るのは無理だと思うんだけどな〜。そもそも私たちが今日ららぽーとへ行くことを知ってるのは、顔見知りの中じゃあ私と比企谷くんだけだよ？』

八幡 『いや、もう一人、ここに来ることを知っていた人がいるでしょ。Yukiさん、あれが雪ノ下雪乃なら話は別だ。』

陽乃 『まあ、それが本当でも、来ることはないんじゃないかな？だって私たちが出会うのを止めたのは他でもないYukiさんなんだよ？』

八幡 『でしょうね、見ず知らずの人と出会うことを否定したのはあいつですから。でも、それが知っている人同士なら話は別になる。あんたは雪ノ下雪乃が確実に来るように、自分が雪ノ下陽乃であることを明かし、そしてカマクラが比企谷八幡であること伝え、適当な挑発でもして呼び出したんでしょう。』

陽乃 『雪乃ちゃんはそれで来るようにはなったかもしれないけど、もし比企谷くんが面倒くさがって途中で帰ることになったら、この計画は台無しになるんじゃない？』

八幡 『まあ確かに、基本休日は家でゴロゴロしてる俺が急に呼び出されたらもしかしたら帰るかもしれない、当然雪ノ下さんもそのことは想定済みだったんですよね。だから、俺をその場所へ逃がさないために最強の協力者に頼んだってわけですよ。』

陽乃 『……いいよ、続けて』

八幡 『休日、高校生で部活入ってるやつなら部活に励む最高な時間だ。そんな日に、テニス部で部長である＂戸塚＂が偶然ららぽーとで出会うなんてことは普通ありえない。だから、あの出会いはホントに必然だったんだ。』

(今思えば、戸塚は会話の中で自分が俺と出会うことを、さりげなく教えてくれていたのかもな…)

ーー 戸塚 『ごめん八幡、またね。』

八幡 『戸塚が昼休み俺に話しかけに来たのも、放課後俺を訪ねに来たのも、多分雪ノ下さんの指示でしょう。戸塚とツイッターのことで盛り上がって俺と戸塚が相互フォローの関係になったとなれば、途中で俺がツイッターをやめるという選択肢を消すことが出来る。』

八幡 『それに、多分ですけど、小町にも協力することを頼んだでしょ？まあ、あいつはよく出来た妹ですから、俺が誰かの策略で付き合うということに反対して断られたんでしょう。』

(だが、人間知ってしまったら、その後どうなったのか気になってしまうものだ。だから俺に違和感を感じたら、まず真っ先に雪ノ下雪乃となにかあったのか聞いてきたのだ)

ーー小町 『ほら！雪乃さんとか結衣さんとかは？！』『もしかして雪乃さんとか結衣さんのことで何かあったの？！』

陽乃 『……なるほどねぇ。けど、根本的なことを忘れてるよ。』

八幡 『ええ、雪ノ下雪乃がツイッターをやること、ハマること、そして、俺と相互フォローの関係になることですよね。』

陽乃 『そう、ツイッターのアカウントなんて何千何億とあるんだよ？そんな中から比企谷くんのアカウントなんて偶然見つけられるのかな？しかも、1番初めてに繋がるのが比企谷くんなんて、そのアカウントが比企谷くんのものって知ってない限り無理だと思うんだけどな〜』

八幡 『ええ、知ってない限り無理ですよ。逆に知っていたら可能になる。』

陽乃 『…………』

八幡 『そう、はじめに挨拶に来た人、あれって雪ノ下さんだったんじゃないんですか？そしてその後、雪ノ下に、面白いアプリがある、とか言って勧めたんでしょう。』

陽乃 『私が勧めたところで、雪乃ちゃんが素直にやるとは思えないんだけどなぁ〜』

八幡 『まあ、あいつのことです。こんなアプリも扱えないのか、とか、可愛い猫のレアな動画がよく見れるよ、とか言えば簡単に乗ってくると思います。』

陽乃 『………』

八幡 『まあ仮に俺がツイッターにハマらなくても、別の方法で雪ノ下と俺をくっつけさせようとしたんでしょうけど…』

陽乃 『さっきから、まるで雪乃ちゃんが比企谷くんに好意を抱いているのが前提で話が進んでるけど、君はそんな思い上がりをする子だったのかな…？』

八幡 『……………聞いてきました。』

陽乃 『………………え？』

～～～数時間前～～～

八幡 『ああ、そのことなんだが、雪ノ下、お前はなんで今日ここに来たんだ？』

雪乃 『……別に、私がどうしようとあなたには関係ないでしょ？』

八幡『ああ、俺には関係ない。けど、もしお前が陽乃さんに変な脅しをされて無理矢理来なければいけない状況になってるんなら、俺は見過ごすわけには行かない。』

雪乃 『……どうして？』

八幡 『それは………俺が…………………お前に対して…』

雪乃 『…………………』

八幡 『……………憧れを抱いているからだ。』

雪乃 『………憧れ？』

八幡 『俺はお前の生き方に、お前のすること全てに、憧れを持っている。誰よりも強く、誰よりも正しくて、何に対しても屈しないお前に憧れているんだ………』

雪乃 『……………て………』

八幡 『俺は、誰かに屈しているお前を見たくない！弱いお前を見たくない！だからお前が誰かに…

雪乃 『やめて！！』

八幡 『……ゆっ、雪ノ下？』

雪乃 『私に対して憧れを抱いている？冗談じゃないわ。そんなのはいらない、そんなのは望んでいない。勝手に思って私を過大評価して、私を強い人であるようにするなんて、そんな勝手なことしないで！』

八幡 『…………わりぃ…』

雪乃 『私は…あなたからそんな言葉が聞きたいんじゃない……そんなことを聞くためにここにいるんじゃない………私は…私はただ………』

八幡 『………』

雪乃 『私がここに来た理由は……あなたと姉さんがデートをすると聞いたから………それがどうしても嫌で嫌で………胸が張り裂けそうだったから……』

八幡 『……なんでそんなことを…それこそお前には関係ないだろ…』

雪乃 『まだわからないの？………そんなの………あなたのことが好きだからに決まってるでしょ……？』

八幡 『…………………は？』

雪乃 『あなたが他人からの好意に鈍感なのは知っている。他人へ好意を抱くことを拒絶していることも知っている……だけれど…それでもあなたの口から好きという言葉が聞きたかった……』

八幡 『………悪い…俺はお前に対してそういう思いを抱けない…』

雪乃 『………………』

八幡 『…………わがままな話なのはわかってる。けど、俺はこれでお前との関係が…』

雪乃 『わかっているわ………私は強い女なのよ？この程度で、あなたとの縁を切るような、そんな真似はしないわ…』

八幡 『雪ノ下……………』

雪乃 『姉さんのところへ行くのでしょ……？私のことはもういいから早く言ってあげなさい。姉さん、ああいってたけど、多分あなたが来るのを待ってるわ。』

八幡 『雪ノ下…………悪い…』

結衣 『……………あれ、ゆきのん？』

雪乃 『……ゆい…がはま…さん……(ポロポロ』

結衣 『どっ、どうしたの？！なんで……泣いてるの？』

雪乃 『……うぅ…ぐすっ……ごめんなさい…』

結衣 『ゆきのん…………大丈夫、私はここにいるから(ぎゅっ だから、ね？大丈夫だから…泣かないで？(ポロポロ』

雪乃 『……なんで…由比ヶ浜さんまで……』

結衣 『だって……友だち…いや、親友が泣いているのを見たら……悲しむよ……(ぐすっ』

雪乃 『……………由比ヶ浜さん…ありがとう……』

陽乃 『………そっかー、振っちゃったんだね〜………』

八幡 『……………』

陽乃 『でも、それこそ不思議だなぁ〜。なんであんなカワイイ子振ったんだろう？』

八幡 『そんなの………他に好きな人がいるからに決まってるじゃないですか………』

陽乃 『ふ〜ん………………ところで、比企谷くんの推理だけど、だいたい合ってっるよ。さすが国語学年3位だね〜』

八幡 『別に推理ってほどのものでもないですよ。』

陽乃 『………だから、君は３位なんだろうね…』

八幡 『どういうことですか？』

陽乃 『………君は人の心理を読むことには長けてるよね……それも欠点とも言えるほどに…』

八幡 『……』

陽乃 『………だけど、それに長けているぶん、感情を理解出来てない…』

八幡 『……平塚先生にも…似たようなことを言われたことがありますよ…』

(似たようなというか、そのまんまだけど…)

陽乃 『あっはは、さすが静ちゃん。けど、ホントにそうなんだよ…』

八幡 『……』

陽乃 『さっきの計画の話だけど、小町ちゃんも戸塚くんも、無理には誘ってないんだよ？』

八幡 『どういうことですか？』

陽乃 『小町ちゃんは君の言ったとおりの理由で断られたけど、戸塚くんはね

ーー戸塚 『八幡はものすごく優しい人なのに、そんな人が報われないのはおかしいって思ってたんです。だけど僕が出来ることなんて話しかけることくらいで……もし八幡に大切な人が出来ることで八幡が幸せになれるんなら、僕もお手伝いさせていただきます。』

…………って、愛さてるね比企谷くん』

八幡 『もう家なら号泣してるレベルですよ……』

(もうホントに泣きそうなんだけど…)

陽乃 『でも、もっと決定的に理解していないところがあるよ？』

八幡 『え、どこですか？』

陽乃 『んーしょうがないなー。では問題です、私は比企谷くんが私のところへ戻ってくることを望んでいました。それも、雪乃ちゃんと付き合えばいいという願いよりもずっと強く……さて、それは何故でしょうか？(ニコッ』

八幡 『…………なんか面白いことがあるからですか？』

陽乃 『んーもう少し具体的な答えが欲しいな〜。っと、そろそろこの店出よっか。』

八幡 『いいですけど、行くところとかあるんですか？』

陽乃 『うん…あるよ………』

八幡 『ここって………』

(確かこの前小町が教えてくれた……)

陽乃 『ここから見える夕日がね、とても綺麗なんだよ。』

八幡 『そういや…そんなことを小町が言ってましたよ。』

陽乃 『さっすが小町ちゃん！いい場所知ってるねー。』

八幡 『………それで、さっきの答えってなんですか…？』

陽乃 『…………比企谷くんは…こんな場所に、男女が２人っきりでいたら、どんなことを想像する…？』

八幡 『………さあ、そんなシチュエーションになったことないんで…』

陽乃 『………わかってるくせに…(頬ツンツン』

八幡 『…………やめてください』

陽乃 『………比企谷くんは、私のこと嫌い？』

八幡 『…………嫌いではありませんよ…』

陽乃 『……比企谷くんは、私が苦手？』

八幡 『…………そこまで苦手でもないです』

陽乃 『………比企谷くんは、なんで私のところに戻ってきたの？』

八幡 『…………好きな人に、想いを伝えるためです…』

陽乃 『……………え？』

八幡 『あなたに、雪ノ下さんに想いを伝えるためですって言ったんですよ。』

陽乃 『……お姉さんのこと、好きになっちゃったの？(クスッ』

八幡 『ええ、そうですよ。どうしようもなく可愛くて、どうしようもなく恐ろしい、そんなあんただから、そんな雪ノ下陽乃だから好きになってしまったんですよ。責任取って、俺の彼女になってください。』

(いやいや……何言ってんの俺…こんなの…)

陽乃 『………ぷっ、あっはははは！(お腹抱え』

八幡 (ですよね〜……………)

陽乃 『ねぇ、比企谷くん。私ね、結構モテるんだけどー』

八幡 『いや見たらわかりますよ…』

陽乃 『だから、かなり多くの人に告白とかされちゃうんだよねぇ〜』

八幡 『でしょうね。』

陽乃 『その中でも比企谷くんの告白は、最高に面白くて最低な告白だったねー！ ダメだお腹痛い(笑いながら』

八幡 『まあ、正直自分でも引きましたよ…』

陽乃 『…………でも、退屈しなさそう…(クスッ』

八幡 『…まあ、プラスの意味でもマイナスの意味でも退屈はしないでしょうね。』

陽乃 『いいよ、なってあげる(ニコッ』

八幡 『…え？』

陽乃 『聞こえなかったの〜？難聴主人公でも目指してるつもり？比企谷くんの彼氏になってあげるって言ったの！』

八幡 『………マジですか…』

陽乃 『言っとくけど、責任なんてとる気はないからね？私だって比企谷くんのことが好きになったんだから、比企谷くんが責任取って私の彼氏になってね？』

八幡 (その上目遣いは反則だろ……)

八幡 『ええ、喜んで、あなたの彼氏になりますよ。』

陽乃 『うんっ、よろしい！じゃあ早速可愛い可愛い彼女のお願いを聞いてくれる？』

八幡 『なんですか、可愛い可愛い俺の彼女さん？』

陽乃 『いつでもどこでも、私のことは名前で呼ぶことっ！』

八幡 『なっ、名前で…ですか？』

陽乃 『…………いや？』

八幡 『(だからその上目遣いはやめろって可愛いなちくしょう…)わかりましたよ……陽乃さん…(目そらし』

陽乃 『うんっ、合格だよ………八幡(ニコッ』

八幡 『そっそりゃ何よりで…ってどうしたんですか急に抱きついてきて…』

陽乃 『ごめんね………お姉さん…ちょっと嬉しくて…もうダメだと思ってたから………この恋は…だから…』

八幡 『なんで謝ってるんですか…むしろ、素の陽乃さんが見れて嬉しいくらいですよ。』

陽乃 『…………ズルイなぁもう…でも、そういうところも好きだよ？』

八幡 『奇遇ですね、俺もこんな自分が好きですよ。』

陽乃 『…………ところで、今更な気がするんだけど、なんで気づいたの？私の計画に』

八幡 『そうですね、まあ簡単に言えば、俺がツイッターにハマったからです。』

陽乃 『えーなにそれ〜理由になってな〜い！』

八幡 『まあ、この話はまた今度ってことで。今日はもう遅いですし、送りますよ。』

陽乃 『うん、ありがとっ(微笑 じゃあはいっ！』

八幡 『…………なんですかこの手？俺手相占いとか出来ませんよ？』

陽乃 『そんなのわかってるよ〜、ほら、ね？』

八幡 『…そういうことですか(手を握り』

陽乃 『ふふっ、これも合格っ(ニコッ』

八幡 (そして陽乃さんの家につくまでの間、初めて出来た彼女の手を握っていた。はじめの方は無言だったものの、だんだんと緊張も解けて、お互いの妹の自慢話という話題で盛り上がったりした。そして話の途中で見せてくれた笑顔は、心の底から笑っているものだと確信出来た。そして、そんな笑顔を見せてくれることが、そんな優しい人が、俺の彼女になったんだと実感して、話の合間合間で泣いているのをアクビで誤魔化していたことには気づかれていなかっただろうか)

陽乃 『もうここで大丈夫だよ。』

八幡 『わかりました、それではまた。』

陽乃 『うん、またねっ(ニコッ』

八幡 『あ、そうだ言い忘れてました。さっきチラッと見えたんですけど、背中に糸くずがついてましたよ。』

陽乃 『え、ホントに？どのへんかな？』

八幡 (と、言うと、陽乃さんは身体は正面を向けたまま顔だけ背の方をむけてあるはずもない糸くずを探し始めた。そして何もないと気付き再び正面を向くタイミングを見計らって…………

………………………………ここだ！)

八幡 『ちゅっ』

陽乃 『…………ざーんねん、おしかったね♡』

八幡 (柔らかな唇…………ではなく、それは綺麗な人差し指だった。)

『………え、なんで？』

陽乃 『お姉さんから唇を奪おうとするなんて生意気だぞ？(デコピン』

八幡 『あいてっ……陽乃さんには敵わないですよ(苦笑』

陽乃 『ふっふー、わかればよろしい。でもね……………』

八幡 『………………！』

(気づいた時には、とても柔らかで温かいものが、俺の唇に触れていた)

陽乃 『お姉さんはいつでも君の唇を奪えるんだからね？(ニコッ それじゃまたねー！』

八幡 『…………………ははは、やっぱり…あの人には敵わねぇな…』

(正直悔しいのか嬉しいのかわからないまま、俺は自慢の妹がいる自宅へ帰った)

～～～自宅～～～

小町 『おにぃーちゃん！』

八幡 『なんだよ？』

小町 『小町に何か言うことはない？(ニヤニヤ』

八幡 『…お前最近太った？』

小町 『ふっ、太ってないよバカぁ！小町のことじゃなくて、お兄ちゃんのことでだよ！』

八幡 『ああ………いや何もねぇけど』

小町 『えー！ほら！誰かと付き合ったとか！』

八幡 『お前知ってんのかよ……』

小町 『……………え、ホントに？』

八幡 『……………は？』

小町 『……………え？』

『『えぇぇ！！！！！！！！！』』

～～～翌週の月曜日～～～

小町 『お兄ちゃん小町先に行ってるねー』

八幡 『んー、気をつけてな。』

小町 『ではでは、行ってくるでありますっ！』

八幡 『ふぁ〜…俺もそろそろ行かねぇとな…』

(さて……どうやって雪ノ下と話そうか…雪ノ下って雪ノ下雪乃の方ね。)

陽乃 『八幡！ひゃっはろー！』

八幡 『陽乃さん、今日休んだってホントですか？』

陽乃 『うん、色々とやらないといけないことがあるからね〜』

八幡 『そうですか…後ろ乗ります？』

陽乃 『あ、いけないんだぞ〜(頬つつき』

八幡 『いやそういいながらも乗ってるじゃないです…じゃあ行きますからちゃんと捕まっててくださいね。』

陽乃 『わかった！(ぎゅっ』

八幡 『っ…///いやその…そこまでしなくても…//』

陽乃 『でも嬉しいくせに〜(ニコッ』

八幡 『まあ…否定はできないですけど…/』

陽乃 『ああもう可愛いな〜(スリスリ』

八幡 『ちょ…//あの、危ないですから…//』

戸塚 『八幡ホントにごめんなさい！』

八幡 『おっおい…なんだよ急に…』

戸塚 『もう聞いてると思うけど…僕、八幡のことを………』

八幡 『ああ、わかってるよ。だから尚更謝られる意味がよくわからん。』

戸塚 『え………？』

八幡 『その…なんだ、俺のためにやってくれたんだろ？そんな優しいヤツに怒れって言う方が無理な話だ。』

戸塚 『でっても………嘘ついたりしてたのはホントだし…何か罰を受けないと気が済まないよ！』

八幡 『はぁ………しょうがねぇな……んじゃ、1つだけ。』

戸塚 『……なに？』

八幡 『これからもその………友達でいてくれ……』

戸塚 『はっ……八幡ー！！(抱きつき』

八幡 『うおっ！おまっ、ビックリするだろーが…！』

戸塚 『えへへっ、嬉しくてつい(ニコッ』

八幡 『…(え、これは浮気じゃないよね？大丈夫だよね、うん大丈夫)』

～～〜部室～～～

雪乃 『………………(ﾍﾟﾗｯ』

八幡 『………………………』

雪乃 『………生きてる？』

八幡 『久しぶりにされたわその質問…』

雪乃 『無言だったから死んでるのかと思ったわ。』

八幡 『座りながら死ぬとか器用だな俺…』

「ガラガラ」

結衣 『やっはろー！』

八幡 『…おう』

雪乃 『こんにちは、由比ヶは…………結衣さん。』

結衣 『ゆきのーん！(ぎゅっ』

雪乃 『あっ、暑苦しい…//』

結衣 『ゆきのん、今度一緒に服とか買いに行こうよ！』

雪乃 『いっいえ、別に服なら十分にあるから……』

結衣 『……ダメ？(上目遣い』

雪乃 『………少しくらいなら…(目そらし』

結衣 『えへへっ、じゃあ土曜日行こうね！』

八幡 『(俺場違いじゃね？)』

雪乃 『それはそうと、比企谷くん』

八幡 『ひゃい！』

雪乃 『何かしらその気持ち悪い返事は……その、この前はごめんなさい。』

八幡 『………おいおい、謝るんなら俺の方だろ…』

雪乃 『いえ……あんな場面であんなこと言ってしまうなんて卑怯な手を使ってしまったのは私なのだから……』

八幡 『……いやでも…』

雪乃 『だから今度は正々堂々と正面から当たっていくわ(ニコッ』

八幡 『……え？』

結衣 『ちょ！ゆきのんズルイ！私も決めたって話し合ったじゃん！』

雪乃 『ふふっ、ごめんなさい。そうだったわね。』

八幡 『おい、何の話だ…？』

雪乃 『この前、きっぱりと振られたとき、たまたま由比ヶ浜さんに会って、その時に決めたのよ。』

八幡 『だからなにをだよ？』

結衣 『陽乃さんと正々堂々と勝負してヒッキーをゲットするって話だよ！』

八幡 『人のポケ〇ン盗むのは泥棒なんだぞ………』

(昔それを知らなくて、相手が出したポケ〇ンにマスターボールを投げたら泥棒って言われたあげく一個しかないマスターボールを使ってしまった過去を思い出してしまった…)

雪乃 『もう決めたことよ、これから覚悟しなさい(ニコッ』

結衣 『覚悟してよねヒッキー！』

八幡 『なんかもうおうち帰りたい…』

陽乃 『人の彼氏を横取りしようとするなんて悪い子達だね〜』

雪乃 『ねっ、姉さん…』

結衣 『なっ、なんでここに？！』

陽乃 『ちょっと嫌な予感がしたから学校休んだんだけど、私の勘って結構当たるものなんだね〜』

雪乃 『そう、ならもう用はないでしょ。早く帰って。』

陽乃 『そうだねー、じゃあ帰ろっか八幡♪』

結衣 『ちょ！ヒッキーはまだ帰っちゃダメ！(腕引っ張り』

雪乃 『比企谷くん、部活をサボろうとするなんていい度胸ね。帰らせないわよ。』

陽乃 『八幡、私浮気を許した覚えはないんだけどな〜(ニコッ』

八幡 『俺には浮気をした覚えがありませんよ……』

静 『なんだ、えらく騒がしいな……「ガラガラ」なっ、なんだこの状況は！！比企谷キサマぁー！』

八幡 『ひっ、平塚先生？！ちょ待っ……！』

静 『いつからリア充の仲間になったんだこの裏切り者ぉー！』

八幡 『ぐはっ！なっなんで俺が……(ガクッ』

陽乃 『ちょ、ちょっと静ちゃん！やりすぎだよー』

雪乃 『比企谷くん大丈夫かしら…？』

結衣 『じ、人工呼吸とかした方がいいかな！？//』

八幡 『いやいらねーよ』

結衣 『うわっ！生き返った！』

八幡 『あの死んでないからね？』

陽乃 『良かった、ふふっ♪』

八幡 (いつもの日常が少し変わったかもしれない。

そして、この変化が正しい変化なのかは俺にはわからない。

けれど、今まで硬い仮面をかぶっていた彼女が見せる、本物の笑顔を見ると、少なくとも今の関係が間違ってはいないと、俺に語っている気がする。

だから、あんな方法で惚れ合った俺達の関係は、決して間違ってはいない。)

ーー陽乃ENDーー

その後

八幡 『ところで、俺の考えはだいたい合ってるって、あの時言ってましたけど、結局本当はどうだったんですか？』

陽乃 『ん〜、知りたい？(ニコッ』

八幡 『えっええ、ここまで来たら知りたいですね。』

陽乃 『あのとき八幡さ、私が雪乃ちゃんのフリをして八幡のアカウントに話しかけたって言ったでしょ？』

八幡 『ええ、そうでもしないと、奇跡とか運命とかがない限りピンポイントで見つけるのは無理ですからね。』

陽乃 『あれね、初めっから雪乃ちゃんだったんだよ？』

八幡 『…え？』

陽乃 『だから、ホントに運命だったんだよ？八幡と雪乃ちゃんって。その時にこの計画を思いついたの。』

八幡 『…そうだったんですか。』

陽乃 『どう？雪乃ちゃんの方が好きになった？』

八幡 『それはないですね。確かに驚きはしましたけど、それだったら俺と陽乃さんだって一緒じゃないですか。』

陽乃 『…え？』

八幡 『だって、俺が初めてフォローしたのは、陽乃さんのアカウントですよ？』

陽乃 『あれぇ、そうだったっけ？』

八幡 『というか、仮に雪ノ下だったって気づいてたとしても、俺は陽乃さんのことを好きになってましたよ。』

陽乃 『なんで？』

八幡 『あの時の陽乃さんとの会話が、1番楽しかったんですよ。お互いに本音で話してる感じで。』

陽乃 『私もとても楽しかったよそっかぁ、そんなこと考えてくれてたんだねぇ〜。』

八幡 『まあ全部が本音かどうかは分かりませんが、自信を持ってこれは本音だったって言えるところはありますよ。』

陽乃 『え〜どこどこ？』

八幡 『雪ノ下のことを、つまり自分の妹の話の時ですよ。どれだけ妹のことを大切に思ってるかが、充分すぎるほどに伝わってきましたから。』

陽乃 『うぅ…なんだか恥ずかしいなぁ…//』

八幡 『そんな可愛い表情になっても、後半から雪ノ下のことを俺に意識させる計画をしていたことは誤魔化せませんよ。』

陽乃 『てへっ♪バレちゃってた♪』

八幡 『まあ、何が言いたいかと言うとですね……』

陽乃 『ん〜？』

八幡 『俺がホントに好きになったのは陽乃さんなんですよ。それもどうしようもなく。だから………これからも俺の隣にいてくださいね？』

陽乃 『………もう…こんなタイミングで言うなんて卑怯だよ？//』

八幡 『なんか言いたくなったんですよ…正直俺も恥ずかしいです…//』

陽乃 『ふふっ♪でも、大丈夫だよ。

私はもう、ずっとあなたのそばにいるって、決めてるから(ニコッ』

八幡 『………卑怯なのはどっちですか……//』

陽乃 『…大好きですよ…あなた。』

八幡 『………俺もだよ、陽乃。』