花陽「看護学生になりました」
看護学生になったかよちんが奮闘?するだけのお話。
正直ストーリーものではなくこれから看護学生になりたい人や看護学生の生態に興味がある人に看護学校ってこんなところだよと解説できればと思っています。
「このへんどーなの?」などあればぜひコメントを!できる限り解説します。
なお作者の在籍校は医療系に特化した大学ですが、特定を避けるため作中でのまきりんぱな在籍校はそこそこの規模の大学という設定になっています。また、科目名等も変更を加えています。
作者在籍校の関係者が見れば特定は容易かと思いますが……伏せていただけるとありがたいです。
亀更新になると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
プロローグ
こんにちは、小泉花陽です。
μ'sをおしまいにして2年、私もついに高校を卒業しました。
μ'sとして過ごした1年間、アイドル研究部として雪穂ちゃんや亜里沙ちゃんたちと過ごした2年間。
本当に、最高の3年間でした。
そして私は今年、真姫ちゃんと同じ大学の看護学部に進学することができました。
看護師を目指すことにした理由は単純で…進路希望調査で迷っていた私に、
凛「かよちん優しいんだから看護師さんなんて向いてると思うにゃ!ねー真姫ちゃん!」
真姫「そうね、向いてると思うわ。それに…わ、私と同じ大学にくれば、また一緒に……いられるし……」
凛「真姫ちゃん相変わらず照れ屋さんだにゃ〜」
真姫「うるさいわね!3年も一緒にいたんだから次も一緒がいいと思って当然じゃない!」
………
なんてことがあって、看護師さんかぁ……いいかも、なんて思って、看護学部を第一希望にしたのでした。
そして、私は推薦を利用してあっけなく合格。
凛ちゃんは部活での後輩指導で教えることの楽しさに目覚めたらしく、同じ大学の教育学部へ。
真姫ちゃんも見事現役で医学部合格を決めたのでした。
1:1年生
今日は入学式。そこそこの規模の大学なので、やっぱり人、人、人……これだけで疲れちゃいそうです。
学部別で着席なので、凛ちゃん真姫ちゃんとは離れ離れ。でも医学部は隣のエリアだったので、少し緊張してる真姫ちゃんが見えます。
さて、看護のエリアはというと……やっぱり華の女子大生、みなさん元気というか華やかというか……なかなか馴染むのに時間がかかりそうです……
そして一つ気になっていたのが男子学生の数。最近は増えてきてるとは聞きますが、やっぱり少数派なんでしょうしどれくらいいるのかな。ええと…1、2…11人、かな?
看護学科全体で90人くらいだったはずなので、1割くらいですか。
中には5人とか3人とかって学校もあるみたいですし、多い方なのかな?
あっ、そろそろ始まるみたいです……
入学式の週は1週間かけてオリエンテーションです。
履修登録の説明、ユニフォーム(ナース服)の採寸、教科書購入、医学部附属病院の見学…
なかなか盛りだくさんでした。病院見学では透析室で気分が悪くなる子が何人か…血がダメだったのかな?
花陽的には解剖学実習室がなかなか…なんとか倒れずにはすみましたが。
二週目からはいよいよ授業が始まります。
先生の説明曰く、一年生で習うのは「基礎医学系科目」「基礎看護学」が主みたいです。
基礎医学系科目は「解剖生理学」「生化学」「栄養学」「薬理学」などがそれに当たり、
基礎看護学は「看護学概論」「基礎看護技術」などだそうです。
基礎看護学はその名の通り看護の基礎、どんな病棟でも必要になる共通の技術や知識を学ぶそうです。
基礎看護技術は学生同士が患者役、看護師役、観察者に分かれて行う演習がメインで、実技試験もあるそうです。
看護学概論は……正直眠いです……
さあ、いよいよ明日は初演習です!
2:基礎看護技術
先生「今日みなさんにやってもらうのはベッドメーキングです。概論でもお話しした通り、患者さんの療養環境を整えるのは看護の基本。これができないと何もできませんからしっかり習得してくださいね。とは言っても慣れてしまえば大して難しいことではありませんから」
花陽「ええと…私が主だから輪を左側にして…それから…」
(補足:シーツを畳む際、1人の看護師(主)が頭側の角、もう1人(副)が足側の角を持ちます。そのまま何度か折るのですが、その時常にシーツの輪になっている方が常に主の左手側になるように折るというルールがあります)
……
花陽「ええと……右側の下に枕カバーが入るようにするんだから……」
(病室では基本的に、ベッドを足側から見た時患者さんが左側からベッドに乗り降りするようになっているので枕カバーや掛け布団カバーは右側にくるようにします。枕カバーの余り分は折ってカバーに収めますが、それもこの原則に基づいて右側、そして患者さんの頭に当たらないよう枕の下側に収めるようにします)
……
花陽「つ、疲れたぁ……」グッタリ
真姫「お疲れ様。コーヒー飲む?」
花陽「あ、ありがとう…真姫ちゃんもおつかれさま、医学部はどう?やっぱり大変?」
真姫「今の所まあまあね。ただ今日の細胞生物学の教授、終始何言ってるかわからなかったわ……」
花陽「あはは……看護にもいるよ、そういう先生。生化学の先生がそんな感じで……」
真姫「しかもそれで学生8割くらい寝てるのよ!?どれだけ自信あるのかしら…」
花陽「それも一緒だね……看護は寝てるかおしゃべりしてるかって感じで、どうなんだろうって思う時もあるな。」
真姫「マッタクー、これが未来の医療人だって言うんだから……日本の将来、どうなっちゃうのかしら」
花陽「あはは……」
3:実技試験
今日は実技試験の日です。お題は「臥床患者のシーツ交換」……前回のベッドメーキングの発展形と言えばいいんでしょうか、患者さんを寝かせたまま、患者さんに右側に寄ってもらって左側のシーツ交換、終わったら反対を向いてもらって右側の交換……言うだけならかんたんですが、やってみるとなかなか難しいんですよね。
いよいよ次が私の番です……!!
花陽(よし、あとは余ったシーツをマットレスの下に収めれば終わり…)
花陽「○○さん、ちょっとお腹の下動きますn」
教員「はい時間切れ〜」
花陽「」
あえなく再試験です……
「再試験対象者 C13832 C13855 C13869 C13874←花陽 C13886」
花陽(はあ……初回で落ちるなんて、看護師向いてないのかなぁ……)
この後も「洗髪」「清拭」「バイタルサイン測定」などいろいろな実技試験が行われるのですが…実技試験の不合格率は筆記試験より圧倒的に高く……再試までに必死に練習すれば受かることも多いので、人によっては「本試はリハーサル」なんて言う人もいるくらいです。
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