2016-02-25 07:54:41 更新

概要

とある海辺の田舎町にある中学校、この中学校では、とある噂話が囁かれていた。


前書き

はじめまして、うみひら(さのや)と申します。艦これの二次創作を書くのは初めてなのでちゃんと最後書ききれるのか、いい作品が書けるのかなどは全くもって分かりませんが精一杯やりたいと思いますのでよろしくお願いします。
【注意】
※オリキャラ(モブ)多数です。オリキャラ勘弁という方はUターンをオススメします。
※シリアスだと思います。シリアス勘弁という方もUターン奨励です。


昼下がりの噂話

「噂話」

を聞いたのは、梅雨の雨が降りしきる6月も半ばに差し掛かった昼休みだった。

「そういえば…出るらしいよ」

「え?何が?」

別のグループの女の子たちがお弁当を食べながらしていた話が聞こえてきた。仲のいい友達が学校を休んだので1人でご飯を食べていたのだが、やはり1人の食事は詰まらない。そうなると、自然とその「出るらしい」という話が気になり始める。

「うちの学校、お化け出るんだって」

「えー、またまたー」

「本当だって!当直の先生が言ってたもん!」

どこの学校にもある噂話だと最初は思った。どうせ先生が生徒をからかってした話だろうと、しかし次の彼女の一言でその考えが変わった。

「セーラー服の女の子なんだって、そのお化け、先生は艦娘の霊じゃないかって言ってた」


気になる

午後の授業は大抵の生徒が寝て過ごす。私もそのひとり、メガネ掛けているからってみんながみんな真面目の天才な訳では無い。だから、頭良い扱いするのはやめて欲しい。私は日本史と国語以外の事には興味ないし、出来ない。

外は相変わらずの曇天、空が泣いている。薄暗いような教室で、ついつい意識が飛びそうになるがそこを我慢して、私は必死にメモを取る。先生の解説する数学の公式ではない。

5時間目の理科、6時間目の数学、私は書き物に夢中で、授業で何をやっいたのか分からない。お父さんお母さん、また理系科目の成績下がりました。怒らないでね。

授業が終わると素早く荷物をまとめて教室を出た。木張りの廊下を踏み鳴らして、私は別棟を目指す。

別棟の4階、見晴らしのよいこの部屋が図書室だ。

「本日は帰宅しました。」

そんな張り紙がしてあるが、ここで諦めて帰ってしまうのは初心者だ。3年生の私は図書室のドアを三回ノックして、こう叫んだ。

「師匠師匠!いるの分かってるんですよ!居留守使ったってダメですよ!」

磨りガラスの向こう側に人が立つ気配があった。木製の引き戸が開けば、そこに髭が伸びたやる気の無さそうな男が立っていた。モジャモジャ頭は本人曰く天然パーマとのこと、ちょっと機嫌が悪そう。

「毎度毎度声がでかい。ほかの生徒に聞かれて恥ずかしくないのか。」

そうボヤきつつ彼は図書室の鍵を開けた。師匠と呼ぶ所以は、彼が司書だからである。似てるじゃない、師匠と司書ってさ。

部屋に入って早々、師匠にメモを渡す。師匠は目を細めたが、黙ってメモを受け取って書庫の奥へ消えた。私は部屋のソファーへ腰掛ける。ここの図書室は皆あまり寄り付かない。師匠(司書)が気難しいのだ。だけれど、慣れてしまえば大したことはない。師匠のボヤきなどが完全に流せるようになったとき、ここは凄まじく居心地がいい部屋になる。部屋を見渡せば、山の緑と青の海、のどかな田舎景色が窓の向こうへ見え、室内は少し薄暗く、しかし本を読む上で目を悪くしないようにちょうど良い光量に調整されている。木のいい匂いが香り、壁には大きな壁掛け時計が時を刻む。国語の先生が言っていたが、図書室がこんなに綺麗になったのはこの師匠が来てからだという。

そんなことを考えているうちに師匠が書庫から出て書きた。手には5冊ほどの本が握られている。

「これでいいか?頼まれた本だ。」

ありがとうございますといって、本を受け取った。「艦娘の歴史」「海軍戦史大全」「まちのあゆみ」…もうすぐ高校入試、だけれど私は調べないではいられなかった。最初は本当に、興味だったのだ。


確信

時刻は6時を回った。私は師匠にお礼を言って図書室を出た。もうずいぶん外は暗い。私は人気のない廊下を1人ゆっくりと歩いた。階段を上がり、木造校舎の屋上へ出てから、私は深く空気を吸った。雨はもう降っていないが、空は雲が多い尽くし、高台にある学校からはキラキラ光る町を眺められた。その向こうには…昼とは違い深く…冷たい青の海が広がっている。

最初は先生が、生徒をからかっただけだと思った。しかし、町の歴史が記された本には、確かに書いてあった。

「深海棲艦との戦いが始まって、当時海岸線がもっと内陸にあったこの町は、敵と戦うための海軍の拠点である「鎮守府」が置かれた。そのため、この町は海軍の将校、士官、軍属、またそれらの関係者で活気溢れ、町始まって以来の大発展となった。鎮守府は、今の町立中学校にあった。」

この町の鎮守府に、一体何があったんだろう。空を見上げれば、来た時とは違い雲の切れ間から星が瞬く。私は、もうこの学校に艦娘の霊が出るという噂を否定するつもりはなかった。


手がかり

昇降口に着いて下駄箱を開くと、中には封筒が入っていた。白くて大きい封筒…封はされていない。手に取ると、表面に丁寧な文字で私の名前が書かれている。この文字は…

「師匠…」

図書室の主の字だった。


帰宅して、中身を確認してみた。中身は師匠による私へのメモと何か本のコピーだった。コピーはおよそ50枚、最初の1枚目で私は衝撃を受けた。

「施設外持出ヲ固ク禁ズ」

「海軍鎮守府極秘資料」

「海軍当該鎮守府司令官記」

と、物々しい言葉が並ぶ、中身は軍務、プライベートなど、区別なく付けられた日記帳だった。師匠の手で付けられた注解には当時の鎮守府司令官の日記帳であると記されている。どんな内容が書かれているのか、ドキドキしながら本文に目を通した。


後書き

これからも牛歩レベルで進めていきますのでどうぞよろしくお願いします。


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