とりあえずケッコンしたい
とりあえず川内とケッコンしたいという一心で始めました。
SS初挑戦というともあり、かなり見にくい作品になるとは思いますが、是非みてくださいますと幸いです。
学がない故見苦しいかと思いますが、よろしくお願いします。
一片一片が同じ世界観で起きた事柄です。私自身前線組ではないので、戦闘などあまりしていません。とりあえず川内とケッコンしたいんだよ俺は()
以上のこと踏まえよろしくお願いします。
麗らかな日差しが磨りガラスから入り込み一つの部屋を暖かな空気でみたしている。
はぁ、こんな日は職務も程々にぶらりと外に出て散歩でもしたいものだ・・・そう微睡んだ途端、然程広くもない室内に大きな声が響いた。
「提督! 夜戦しよう、や・せ・んっ!」
「・・・川内、まだ一時過ぎだ・・・」
暖かな陽気よりもさらに燦々とした笑顔を見ながら、俺はひとつため息をついた。
自分が、かの娘たちに「提督」と呼ばれるようになってからどれぐらいの時が経っただろう。
紆余曲折、上官のおじ様たちに白い目を向けられ、前線で活躍する友人から白い目を向けられいく年月。
今ではめっきり戦績も伸びず、近海の警備や上官たちに付き従い援護する仕事ばかりだ。
中佐止まりの自分がこうして今も現場で任に付けているのは、偏に彼女のおかげであるとここ最近思う事が増えてきた。
バサリと舞い上がった書類を慌てて抑え込めば、コンコンっと木造りの扉を叩く音が室内に響いた。
「失礼します。第一艦隊所属、川内です。ただいま帰投しました」
凛と、実に綺麗な声だといつも感じる。
「入ってくれ」
声をかけるのと同時に、やや食い気味に扉が開けられる。
漸く身につける事が出来るようになった白い首巻きと、改造前より少し華美になった服装を纏った少女の姿に、俺は手を止めた。
「出撃お疲れ、今回の戦——」
「戦果なんてどうでもいいよ!!」
室内に入ってくるや否やそう叫ぶ彼女に、俺は思わず目を瞠る。
「え、いや、どうした川内・・・」
突然の怒号に思わず狼狽える俺に対し、川内はツカツカと机の前に歩みをすすめた。
チマチマと給料を貯めて買った書斎机にバンっと勢いよく手を置き、その丸々とした瞳で俺を睨めつける。
怒っているのだろうその様子に思わず頬が引き攣るものの、何故彼女がこんなに怒っているのか俺にはわからずにいた。
にしても、間近で見ると贔屓目なしに彼女は可愛らしい。長い睫毛とむすっとした唇の小ささに思わず手が伸び・・・なんてこの状況ではできないが。
ごくりと鳴る欲望を押さえ込み首を傾げれば、俺の様子が気に入らなかったらしく益々川内は頬を膨らませる。
いやぁリスのようで実にかわいい、と頬が緩みそうになった瞬間、川内は口を開いた。
「なんで隊のみんなに夜戦は無しだって言ったのさ!!」
「・・・・・あ〜・・・・」
「あ〜・・・じゃない! 夜戦しようって言っても聞いていくれないし、最後には加賀に羽交締めにされるし散々だったんだからね!」
羽交締め、そこまでやったのかと無口な彼女を思い浮かべるも、確かあの時「羽交締めしてでも止めろ」と言ったのは自分だ。
でもまさか本当にやるなんてと笑みを漏らすと、「笑い事じゃない!」と川内がまた声を荒げる。
「す、すいませんした・・・」
「すいませんって!! 昨日の夜はあんなに夜戦するって言ったじゃないのさぁ!」
鼻先が触れ合ってしまうのではと思うぐらいに顔を寄せ、川内はギラギラとした視線を向けてくる。
あ、やめ、石鹸の香りが一人堪能したかったものの、夜戦に関して彼女を放っておくと後々厄介なことになるのは目に見えていた。
「しょうがないだろ、近海の調査・・・しかも上層部のお偉いさんの隊と一緒じゃ、戦力的に夜戦なんてしなくても勝っちまうんだから・・・」
「でも昨日するって!」
「近々な、とは言ったけど、今日やるとは言ってないだろ・・・。それに、前みたいに前線に出る機会もなくなったから、夜戦なんてポンポンできねぇよ」
「・・・・でも・・・」
一連のやりとりを見ていただければわかるだろうが、彼女は非常に「夜」、もとい「夜戦」を好む質である。
そんな彼女を喜ばせたくて、着任した当初は無理な夜戦ばかりを入れ資材をすり減らしていたのは良くも悪くも思い出深い。
だが無理な戦闘は何かしらの代償があるものだ。
それを語るにはまだ早い、というのも、今は目の前の不機嫌な彼女をどう宥めるかが重要だ。
甘やかしすぎた自分も悪い。
だが、そんな自分勝手な行動が許されるほど、彼女がこの場で築いた地位は安いものではない。
軽巡型、川内。
長い間、第一艦隊一番艦として戦闘に出向き続けた彼女は、この鎮守府のトップの戦力を誇る艦娘になってしまっていたのだ。
「でもじゃない、それで、今回の戦果は?」
「・・・完全勝利、とは言い難いけど無事に任務は終わらせたよ」
「うん、流石うちの隊長様だ」
顔を伏せる川内の髪の毛をくしゃりと撫でる。
俺の手の動きに合わせ、ゆらりと揺れる頭部。そして不意に向けられる、うわめがちな瞳に、どきりと胸が高鳴る。
だめだ、このドキドキは絶対にアカン奴や。
ぱちくりと閉じられた瞼が、そしてそこから見上げる瞳が、悔しいほどに可愛く見えるのはもはや病気だ。
「・・・っはぁ〜〜・・・! わかったわかった!!」
絶対にわかってやっている、そう理解していても、彼女の悲しげな顔がどうしても苦手なのだ。
「明日は夜戦、してやる」
ため息まじりにそう言えば、ほらみろ。
潤んだ瞳は何処へやら、二つの触覚をぴょんと跳ねさせ、彼女は飛び上がった。
「やったー!! 待ちに待った夜戦だー!!」
part1、終
はよ。川内ちゃんとカッコカリはよ。
川内SSいいっすね。早くカッコカリを←早いわ