≫≫

ナルト「あー……ぁ……あぁーい」

サスケ「……」

ナルト「んあぁ……あー」

サスケ「うるさいぞ」

ナルト「あああ！いくらなんでも暇すぎだってばよ！…ラーメン食いてぇ」

サスケ「もう少しで退院していいって言われたろ、それまで大人しくしてろよ」

ナルト「でもさ、俺ってばもうほぼ完治してんだけど」

サスケ「…」

ナルト「傷全部塞がったし腕も錬成したし」

サスケ「…」

ナルト「…」

ナルト「お先に失礼！！！！！」ﾊﾞｯ ﾀﾞﾀﾞｯ

サスケ「待て！！！！！」ｶﾞﾊﾞｯ

≫≫

―病室前

カカシ「…」ｺｿｺｿ

サクラ「あっ、先生…何やってんですか？お見舞いなら中入ればいいのに」

カカシ「サクラか…ん？サクラ、だよな？」

サクラ「サクラです」ﾎﾞｲﾝ

カカシ「…俺の目がおかしいのかな、胸の辺りだけ綱手様に見える」ｺﾞｼｺﾞｼ

サクラ「あぁこれは…愛の魔法ですよ、ふふっ///」

カカシ(豊胸手術かな…)

サクラ「そんなことより、どうして扉の前でこそこそしてるんです？」

カカシ「あー、ちょっと面白くてつい」

サクラ「おもしろ…？」

カカシ「まぁほら、覗いてみ」

サクラ「はぁ…」ﾉｿﾞｷ

≫≫

サスケ「一人だけ抜け駆けなんてずるいぞ！！！」ｶﾞｯｼｨ

ナルト「ぐえぇ、首はやめろ！…うごっ」

サスケ「俺を一人にするな！！！」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

ナルト「抜け駆けもクソもあるかよ！もうどこも悪くねーもん！」

サスケ「じゃあ今から天照で全身こんがり焼いてやる！！！」ｶｯ

ナルト「それちょっと失敗しただけで骨も残さず消し去られんじゃん！！！」

サスケ「骨なら拾ってやるよ！！！」

ナルト「だからその骨が残らねーんだよ！！！！！」

サスケ「えぇい骨骨うるさい！！！！！お前はホラーマンか！！！！！」

ナルト「お前ツッコミ上手くなったな！！！」

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

≫≫

カカシ「…な？」

サクラ「ですね」ｽｯ

カカシ「だからもう少し観察してようかなーなんて」ﾆﾔﾘ

サクラ「…」ｼﾞﾄｰ

カカシ「だめ？」

サクラ「…覗きなんて悪趣味ですよ」

カカシ「本音は」

サクラ「素敵だと思います」

カカシ「やったぜ」

≫≫

ナルト「はぁ…うっぐ…」

サスケ「ふぐっ…うおぇ…」

ナルト「病み上がりで、乱闘とか…頭おかしいってばよ…」ﾊｧ

サスケ「お前が…勝手に出ていこうとするから…だろ」ﾊｧ

ナルト「なんだよ…そんならお前も退院すればいいじゃねーか」

サスケ「九尾のいるお前と一緒にするなよ…俺は……あっ」

ナルト「どした？」

サスケ「傷口開いた」ｺﾞﾌｯ

ナルト「はぁぁぁ！？」

サクラ「イヤァァァァァァァァーーーーーーーーーーッ！！！」ﾊﾞｧｧﾝ

ナルト「！？」ﾋﾞｸｩ

サクラ「サスケくぅぅぅぅぅん、死なないでぇぇ

ぇ！」ﾀﾞｷｯ

サスケ「まだ死んでない」

ナルト「サクラちゃん声でかすぎだってばよ」

カカシ「ついでに胸もでかすぎだってばよ」ﾋｮｺｯ

ナルト「真似すんなァ！」ﾄﾞｺﾞｫ

カカシ「ぐえっ」

ナルト「あっ、カカシ先生」

カカシ「名前呼ぶ前に一発かますとか…流石ナルトだね…」ﾌﾗｯ

ナルト「つい」ﾃﾍ

カカシ「しかもピンポイントで鳩尾突くあたり、本当に…戦闘慣れして……ウッ」ｵﾛﾛﾛﾛ

ナルト「うげっ！汚ぇ！それでも外さないマスク！」

サクラ「ちょっとそこの二人！！言い争ってないでサスケくんを手当てしないと、どいて！」

ナルト「あ、ごめん」

サスケ「兄さん…もうすぐ会えるね」ｽｩ

サクラ「ああもう！昇天しかけてるじゃない！戻ってきてサスケくん！」ﾌﾞｩｩﾝ

サスケ「ｲﾀﾁｨ…」ﾆｯｺﾘ

ナルト「安らかな顔してんなぁ」

サクラ「呑気言ってないで、もう！」

カカシ「ゲロゲロ……あー久方ぶりに吐いたわ」

ナルト「先生ごめん」

カカシ「ま、俺も悪かったし…許そう」

ナルト「流石カカシ先生、話がわかるってばよ」

サスケ「う、う…サクラ……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

サクラ「な、何…？」ﾌﾞｩｩﾝ

サスケ「今更言うの、恥ずかしいけど……俺、お前の事……好き……だった、んだぜ……」

ナルト「やばい、サスケの人生が最終章に突入してる」

サスケ「酷いこと…いっぱい言って……ごめんな…」

サクラ「嫌っ！サスケくん…！私を置いて逝かないで！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ナルト(感動的なシーンのはずなのになんかギャグにしかみえねー…)

サスケ「そういや…忘れてたぜ…」

サクラ「え…？」

サスケ「俺…お前に中忍祝いのプレゼント、やってなかったな…んで…今おもいついたんだけどよ……サクラ、この俺の写輪眼、やるからよ」

ナルト(あかん、サスケがオビト化してるってばよ…)

サスケ「里の奴らが何と言おうと……お前の、胸は…本物だ！」

カカシ「胸…」

サクラ「うっ、ひぐっ」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

ナルト(こうなったら…九喇嘛ァ！)ｼｭｺﾞｫ

九喇嘛(むっ、まーた変なイタズラじゃあねぇだろうなぁ…)

ナルト(今回はちゃんと人助けだってばよ！)ﾊﾞｯ

ナルト「サクラちゃん、俺に任せろ！」

サクラ「何するの…？」

ナルト「大丈夫、サスケは死なせねぇ…」ﾄﾝ

サスケ「う…うぅん…」

ナルト「よし、これでもう平気だってばよ」

サクラ「…！ナルト……ありがとうっ！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ナルト「へへへ」

カカシ(教え子可愛いなぁ)

≫≫

カカシ「なんだかんだやってたら…もう夕方だね」

ナルト「腹減ったー」

サスケ「ん…」ﾑｸﾘ

サクラ「サスケくん！大丈夫…？」

サスケ「あぁ、なんとかな」

カカシ「良かった良かった」

ナルト「はぁ……そんじゃーもう無理すんなよな？じゃ！」ｸﾙﾘ

サスケ「？どこ行くんだ？」

ナルト「え？」

サクラ「あぁ、ナルトはもう退院よ」

サスケ「そうか…………えっ」

ナルト「じゃーなー」ｽﾀｽﾀ

サスケ「ちょ、待っ…待って」

カカシ「夜更かしするなよー」ｽﾀｽﾀ

サスケ「嘘、マジ…？あれ…」

サクラ「また明日来るねー」ｽﾀｽﾀ

サスケ「あ"ぁ"ぁ"い"！」ﾊﾞｯﾊﾞｯﾊﾞｯ！ﾎﾞｫｫｫ

ナルト「ぎゃああ！！！あっつ！！！」

サクラ「キャアア！い、いくらなんでも豪火球することないじゃない！」

カカシ「ていうかお前今片手しかないだろ？どうやって印結んだんだ…？」

サスケ「ええい！ごちゃごちゃうるせぇ！さらっと俺を一人ぼっちにすんなよ！！！」

ナルト「仕方ねーじゃん、怪我治りきってねーんだし」

サクラ「これは別に置き去りにしてるとかじゃなく、ナルトにはきちんと退院許可が出たからで…」

サスケ「だってお前！！！俺と同じくらいボロボロだったのに！！！九尾がいるからって！！！ずるい！！！」

ナルト「なんか幼児化してるし…」

カカシ「……ん」

サクラ「カカシ先生も説明を……あれ、先生？」

カカシ「いや……サスケ、ちょっと駄々こねすぎだよね？」

サスケ「それは…っ」

カカシ「これは推測なんだけどさ」

ナルト「なんだってばよ」

カカシ「今までは鷹のメンバーと行動を共にし、全ての蟠りが解けてやっと木ノ葉に帰ってきた。久方ぶりの休息…ナルトと二人でのんびり過ごす入院生活…」

サスケ「だ、だから何だよ…！」

カカシ「サスケ、もしかして急に一人にされるのが寂しいのか？」

ナルト「…」

サクラ「…」

サスケ「なっ…！//」ｶｱｧ

カカシ「寂しいんだな…」ﾆｺｯ

サスケ「う、うるさいっ！！聖母のような微笑みやめろ！！！//」

ナルト「サスケwwwwwww寂しいのwwwwwww」

サクラ「寂しいwwwwwww子供かwwwwwww」

サスケ「…っ//」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

カカシ「いやwwwその気持ちwwwわからんでもないけどwww」

ナルト「あのサスケがwww」

サクラ「寂しいってwwwwwww可愛いwwwwwww」

ナルト「今まで散々暴れてきたのにwwwwwww」

サクラ「自分の気持ちもrevolutionしちゃったの？wwwwwww」

カカシ「レボリューションwwwwwww」

ナルト「ちょっとそれ地球儀持って言ってみ？www」

サクラ「wwwwwwwwwwwwww」

サスケ「………」ｲﾗｯ

サスケ「お前ら……」ｺﾞｵｯ

ナルト「なに？wwwwwサスケちゃんwwwww……あれ？」

サクラ「んふっwwwwwww…………え？」

カカシ「wwwwwww……ふぁ？」

サスケ「 潰 す 」ｽ ｻ ﾉ ｵ

ナルト「っ！！！え、ちょっ、やば……く、九喇嘛っ！」

九喇嘛(……)ｸﾞｵｫ

ナルト「寝てるゥー！」

サクラ「嘘っ！ごめん！笑いすぎた！ちょっ、ナルト助けて！！」

ナルト「くそっ、オイ！！九喇嘛起きろ！！！」ﾄﾞﾝ

カカシ「お前ら早く避けろ！！！危なっ…！」

サスケ「ウオラァァァァァ！！！！！！」ｺﾞｳｯ

ｽﾞﾄﾞｫｫｫｫｫｫﾝ……

≫≫

綱手「…」

シズネ「と、以上です」

綱手「……成る程な、これは？」ﾍﾟﾗﾘ

シズネ「全ての被害状況を纏めたものになります」

――――

＜被害報告書＞

・木ノ葉病院 - 全壊

以下、主な被害者

・春野サクラ(胸部が酷く抉れているものの、命に別状無し。乳首消失)

・はたけカカシ(全身複雑骨折、意識不明)

・うずまきナルト(右腕を肘から先消失、打撲等しているものの意識あり)

・犬塚キバ(病院前を通行中、顔面を飛んできたコンクリートで強打したものと見られる。意識不明)

・赤丸(キバの巻き添え、軽傷)

・その他入院患者(大多数が重軽傷、死者無し)

行方不明者

・うちはサスケ(公園で泣きじゃくる姿を目撃したとの報告あり)

以上

――――

綱手「…シズネ」

シズネ「はい」

綱手「とりあえず……カカシの火影就任は一旦見送りだ」

シズネ「…でしょうね」ﾊｧ

綱手「しっかし一体何故こんなことになるんだ…こうならないようにナルトとサスケを同じ部屋にしたというのに…」

シズネ「もしかしたら…それが原因…」ﾎﾞｿｯ

綱手「何か言ったか？」

シズネ「い、いえ！それでは、私は病院の方見てきますね！」ﾀﾞﾀﾞｯﾊﾞﾀﾝ

綱手「…ったく」ｷﾞｨｯ

綱手「いつまで手間かけさせるつもりなんだか…」

―――Fin