腐敗した鎮守府
暴力、性暴力、虐め、殺害、過労労働、薬密売、艦娘を奴隷として扱う————————そして、賄賂による隠蔽————————
若き軍人が見た鎮守府は、腐敗した鎮守府そのものであった—————
その鎮守府の名は、〝佐世保鎮守府〟
俺は、つい最近、軍人学校を卒業して、少尉になった軍人だ———
俺は、本日からこの〝佐世保鎮守府〟で、働く事になってしまった————
〝佐世保鎮守府〟は、この国で、最悪と言っていい程の、外道な事を行っている事で有名だ。
そんな鎮守府に派遣され、俺は不運の真っ最中である。
コンコン コンコン
青い軍服を着た、若者の軍人が、執務室の扉を叩いていた—————
少尉「…本日より、佐世保鎮守府に派遣された者です」
「どうぞ入って下さい」
少尉「はっ」
ガチャ
「やぁ、初めまして、僕は佐世保鎮守府の〝提督〟」ニコォ
少尉「お初にお目にかかります、これから宜しくお願いします」
「うん! 宜しくね」ニコニコ
少尉(〝佐世保鎮守府〟の〝提督〟は外道な事で有名だから……てっきり中年のおっさんかと思っていたが…)
予想外、提督は、若くて美少年の笑顔が眩しい男性だった————
提督「そして、横に居るのが…」
大淀「大淀と申します、宜しくお願いします」
少尉「…宜しくお願いします」
提督「…他にも、数多くの艦娘がいてね、一航戦や、金剛型戦艦の4人などがいる、仲良くしてやってね」ニコニコ
少尉「…はい」
大淀「困った事があったら、何でも、申し付けて下さい、すぐに駆けつけます」
少尉「ありがとうございます」
提督「じゃあこれから、歓迎パーティーでも開こうか、な、大淀」
大淀「はい! 皆喜ぶでしょう、早速、準備をしてきます」
提督「…頼んだよ、大淀」ニコニコ
少尉「……」
少尉(何かおかしい………)
少尉(〝佐世保鎮守府〟は、外道な事で有名な鎮守府だ……だが、まったくそんな感じは無い…)
少尉(ただの噂だったか………)
大淀「それと提督、〝例の艦娘4人を処刑しました〟」
提督「ありがとう、あいつらは〝佐世保鎮守府の裏〟を外部に漏らそうとした奴らだからな………」
大淀「潜水艦達はどうしますか? 過労労働で反乱を起こそうとしているみたいですが」
提督「捕まえて金持ちのおっさんにでも売っておけ、金になるだろう」
大淀「承りました♪」
少尉(……聞いてはいけない事を聞いてしまったか……いや、堂々と俺の目の前でこんな事を言うって事は、知られても気にしないって事だな)
提督「…じゃあ、少尉、パーティー会場に向かおうか」
少尉「…はい」
大淀「私は他の艦娘達を集めてきますね」
提督「…ああ、任せた」
タッタッタ
タッタッタ
提督「…ん」
少尉「……」
電「……!」トコトコ ビグッ
少尉(駆逐艦か………しかし、何故怯えているんだ?)
提督「…おい、てめぇ………ちゃんと掃除しろって言ってんだろうがッ!」バギイッ
電「う…あ……」ドゴオッ
提督「糞野郎がッあッ! いい気になってんじゃねぇよ、ああん!?」ボゴオッ ドゴオッ
電「ごめ……んな…さ…」バギイッ
提督「十分以内に、鎮守府の中を全て綺麗にしろと言っただろうがあッ!!」ゲシッゲシッ
電「……と、とても十分では……できな…」ドギャアアン
提督「役立たずのゴミが! 死ねッ!」ガギイイン
電「あ………」バタン
電が、全身から血を噴出して気絶し、その場に倒れた—————
少尉「……!!」
提督「ふー……ごめんね、少尉、ちょっとむかついたんでね」ニコニコ
提督「こいつは、すぐに〝片付けるから〟」
少尉「………」
少尉(これがこいつの本性か………やはり噂通り外道な奴だ、許せん)
電「………」ピク ピク
少尉(くそっ……助けてやりたいが、今は出来ない………この傷、いつも暴力を振るわれているのだろう……)
提督「…どうしたの? さ、パーティー会場に行こう」
少尉「……はい」
———パーティー会場にて
提督「と、いう事で今日から佐世保鎮守府に派遣された……名前は?」
少尉「立花です」
提督「立花君だ! みんな仲良くしてやってくれ」
ハーイ
赤城「一航戦の赤城です、これから宜しくお願いしますね」
加賀「…同じく一航戦の加賀よ、宜しく」
少尉「宜しくお願いします」
少尉(まともそうな人もいるみたいだな……)
赤城「これからは、手を取り合って協力しあいましょうね」
少尉「はい…」
加賀「………」ジー
少尉(……この加賀という艦娘、俺を睨みつけているぞ……)
加賀「……ん」
金剛「あっ、いたデース!」
比叡「あの人ですね!」
少尉「んーと……」
金剛「初めましてデース! 私は金剛型一番艦、金剛デース! 宜しくネ!」
比叡「金剛姉さまの妹分、比叡です! 宜しくお願いします!」
少尉「宜しくお願いします」ペコリ
金剛「この鎮守府に、人間の軍人が来るなんて〝久しぶり〟だかラ、期待してるネ!」
少尉「期待に応じられるよう、努めます」
比叡「あっちの席に紅茶を用意していますから、来て下さい!」
少尉「はい、ありがとうございます」
タッタッタ
加賀「………あの男、かなりの野心を抱いているわね……」
赤城「? 何故、少尉に野心など……」
加賀「………目で分かる、いつも見ている提督と同じようにね」
赤城「そんな風には見えませんでしたが……」
ワイワイ
金剛「どうですカー? 私の自信作ネ!」
少尉「美味しいですね、淹れた人の心が籠っていますね」ニコッ
比叡「そうですよね!! なにせ金剛姉さまが淹れた茶ですし!」
金剛「ちなみにこの紅茶は、あの有名な茶葉を—————
ワイワイ
蒼龍「…………やっぱり、私達は、安い食事だよね………」
翔鶴「……仕方無いです………私達は金剛さんや一航戦の方々とは違い、提督からは嫌われているのですから」
蒼龍「………飛龍………瑞鶴………今頃はどうしてるかな……」
翔鶴「…………機を待ちましょう……」
蒼龍「……うん………ん?」
タッタッタ
少尉「蒼龍さん、翔鶴さんですね、本日より派遣された、立花です、宜しくお願いします」ペコッ
蒼龍「……あ、うん、宜しくお願いします」
翔鶴「…よろしくお願いします」ペコリ
少尉(この二人だけ………席の端っこで、しかも食事も安物だ……なんか二人だけ、〝扱いが違う〟)
蒼龍「……あっ、では、そちらの席にでも座って下さい」
少尉「ありがとうございます」
ストン
蒼龍「……」
翔鶴(…何か喋らなくちゃ……)
翔鶴「…えっと………少尉は、ここに来るまでに何をされていたんですか?」
少尉「…軍人学校にいました、卒業してすぐに、この鎮守府に派遣されました」
蒼龍「……今、歳は…」
少尉「……21です」
翔鶴「…若いですね、その歳で、少尉という階級になれるなんて………」
少尉「……色々とありまして……」
少尉(上層部に賄賂送ったり、ライバルを蹴落としたりな)
蒼龍「……っていう事は、かなり成績はいい方なんですか?」
少尉「首席でした」
翔鶴「……おぉ………素晴らしいですね……」
蒼龍「この鎮守府でも、才能を発揮して頑張って下さいね!」
少尉「……はい」ニコッ
タッタッタ
翔鶴「……蒼龍さん……」
蒼龍「……翔鶴、どう思う?」
翔鶴「……あの方が〝正義の人〟なれば、きっと私達に協力してくれるでしょう」
蒼龍「……だと良いんだけどね………」
タッタッタ
少尉「……他の人は………んー…以外と艦娘はいないな……」
少尉「……そういえばこの鎮守府、電以外に、〝駆逐艦〟は居ないのか…?」
大淀「それと提督、〝例の艦娘4人を処刑しました〟」
少尉「……いや、まさかな………」
大淀「少尉」
少尉「…! …大淀さん」
大淀「パーティーはどうですか? 楽しんで下さいね」ニコニコ
少尉「お心遣いいただきありがとうございます」
大淀「気にせず、ごゆっくり」ニコッ
少尉「はい……」
大淀「……後、一つ、言いたい事が」
少尉「なんでしょうか?」
大淀「鎮守府の、〝執務室の奥の部屋〟に絶対に入らないで下さい」
少尉「…何故でしょうか」
大淀「……のちのちお話します……今は気にせず……」
少尉「……はい」
ワイワイ
金剛「提督ゥー! 愛してるネー!」
提督「ははは、俺も愛してるよ、金剛」チュッッ
金剛「きゃふん…///」
比叡「はわわ………これは…」
赤城「て、提督、私は……」
提督「赤城はかわいいなぁ…大好きだよ」チュッ
赤城「えへへ…///」
加賀「………」
加賀(……赤城さんは、なんでこんな奴に惚れているのかしら……)
加賀(………私がおかしいの……?)
加賀(……いや、こいつは瑞鶴を殺した男、絶対に仇は討つ————)
赤城「も、もっと…」グイグイグイ
金剛「私もデース!」グイグイグイ
提督「欲張りだなぁ、ほれほれ」チュップッチュップッ
赤城「ひゃ…//」
金剛「大好きデース…///」
加賀(…………)
———そんなこんやで、歓迎パーティーが終わりを告げた
提督「じゃ、そろそろお開きだね」
大淀「片付けますか」
金剛「ふー、じゃ、部屋に戻りまショー!」
比叡「分かりました! 姉さま!」
赤城「て、提督、続きは……」
提督「この後部屋でな……じっくりと…な…」
赤城「えへへ…///」
加賀「………」
蒼龍「……」
翔鶴「……」
少尉「………あ、提督、私も片付けを……」
提督「え? しなくていいよ、〝豚共がしてくれるから〟」
少尉「…? …分かりました………」
提督「それと、君の専用の部屋を用意しておいたよ、今日からそこで寝るといいさ」
少尉「ありがとうございます、今日は…」
提督「うん、今日はもう休んでていいよ、もう夜だしね、じゃあね、お疲れ様」
少尉「お疲れ様です」
タッタッタ
タッタッタ
提督「……行ったか……」
大淀「出てきなさい」
トコトコ
雷「は……はい……」ボロボロ
暁「……うう……」ヨトヨト
提督「さっさと歩けッ! 豚共が…」
大淀「今から一時間以内に、会場の片付けを完了しなさい、出来なかった場合は死罪に処します」
暁「ひっ……はい…!」
雷「…あ……ああ」ヨトヨト
提督「早くしろッ! この役立たず共が…」
翔鶴「……くっ」
蒼龍「……許せない」
翔鶴「……やりますか」
蒼龍「……うん」
———少尉、自室にて———
少尉「……zzz」スヤァ
少尉「……zzz」ズズズ
コソコソ
少尉「……zzz……」
ヒソヒソ
少尉「……zz……ん…」
コソコソ コソコソ
少尉「……」
ヒソヒソ コソコソ
少尉「……」
蒼龍「……よし、少尉以外に人はいないね……」
翔鶴「……付近の監視カメラは全て取り外しました………」
蒼龍「……よし、今がチャンス……」
コソコソ
少尉「……おい、誰だ」
蒼龍「……!」
翔鶴「……!」
少尉「……ん、蒼龍さん、翔鶴さん…?」
蒼龍「……こんばんわ!」
翔鶴「……えっ」
少尉「……あの……何か用でしょうか」
蒼龍「……実はその……」
翔鶴「……お話ししたい事がありまして……」
少尉「……ふむ、恐らく、他の人には知られたく無い事なんですね…」
蒼龍「……そうです、なのでこそこそやってたんです……あはは…」
少尉「……で、その話とは……?」
翔鶴「……この佐世保鎮守府についてです………見ましたか? 駆逐艦への暴力を」
少尉「……見ました…」
蒼龍「………あの提督は、駆逐艦が大嫌いで、駆逐艦に理由もなく暴力を振るうんです」
翔鶴「……暴力だけではなく、過労労働や、食事を与えなかったり………」
少尉「……」
蒼龍「……そして、駆逐艦の子は、提督に逆らうと……」
蒼龍「殺されます」
艦娘・作品への要望など、リクエスト受け付けてます。
細かい設定でもおkです。
更新は早めに行います。
————人物表—————
少尉 (主人公)
提督 (佐世保鎮守府の提督、外道で有名)
大淀 (佐世保鎮守府の秘書官)
電 (佐世保鎮守府の艦娘。 提督から暴力を振るわれている)
赤城 (一航戦 詳しくは不明)
加賀 (一航戦 詳しくは不明)
金剛 (金剛型一番艦 詳しくは不明)
比叡 (金剛型二番艦 詳しくは不明)
蒼龍 (二航戦 詳しくは不明)
翔鶴 (五航戦 詳しくは不明)
—————————
中い
になってます
コメントありがとうございます。
訂正しておきます。 正しくは、中尉→少尉です。
報告ありがとうございます。
榛名お願いします、更新待ってます~
コメントありがとうございます。
榛名ですね! 承りました!
他にもリクエストあったら気軽に申し付けてくださいな。
プリンツお願いします。
続きが気になる作品ですね、
今後も期待です!!
コメントありがとうございます!
リクエスト承りました!
なるべく早く登場させてみます!
ズイ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ズイ
ズイ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ズイ
ズイ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ズイ
提督側の艦娘は結構いるのか。
提督側の三日月とか希望したいけど、設定的に難しいかな?
入っちゃ駄目な部屋とか、潜水艦売り飛ばしたりとかの真っ黒感と謎感が続きが気になって良い感じです。
面白いので頑張ってほしい。ただ瑞鶴が既に死んでてびびった。
萩風、古鷹、春雨このうちの誰でもいいのでお願い致します!これからも期待してます!
この先の展開が楽しみですね
この少尉も上層部に賄賂送ったり、ライバルを蹴落としたりしてるらしいから、翔鶴が言うところの「正義の人」には思えないw
出世欲旺盛な少尉による大逆転を期待しております。
この流れだとおそらく蒼龍達とは協力することになるんでしょうが、利害の一致で加賀も味方に引き込めるといいですね。
金剛はともかく、その姉妹が比叡しか出ていないことに意味深なものを感じるのは考えすぎか。
この外道な提督を夜中に殺して、晒し首にしてやりたい(*^^*)
少尉が「どっち側」の人間か気になる...
続きを待ってます!
あぁ…蒼龍…。助けに行きたい…。
六逐の子達と翔鶴も早く助けてあげてください!
更新楽しみに待ってます!頑張ってください!
とても楽しみです!
こんな話が読みたかったです!
更新頑張ってください!!!!