山城と大井が修羅場っぽい
普通ならありえないと思われる
"ケッコンお断り勢"と呼ばれている山城とデレるとラブ勢に変わる大井の修羅場っぽいものを書いてみてます。
ふっふっふ。今回もあなたの貴重な時間を削り取りますぞ。
――ケッコンカッコカリ――
それは練度が最高まで上がった艦娘と行える行事。
わざわざ書類と銀色に光る指輪を用意して行われるこの行事は、人間たる我々が行う婚礼の儀と同じものとなっている。
そして今この鎮守府に最高練度に達した艦娘が2人いる。
そう。同時にだ。
演習で上がったんだ。
2人の名はそれぞれ"大井""山城"
この2人だった。
この2人は俗に言う"ケッコンお断り勢"と呼ばれる分類だということは他の鎮守府の提督との飲み会で聞いていた。
だから私は今回のケッコンは先送りにして、次点で頑張っている"榛名"や"鈴谷""足柄"を待ってからにしよう・・・と思っていたんだ――
だが・・・
大井「提督!私とケッコンしていただけるでしょう?私は練度も最高ですし、提督にも尽くせると思うのだけど?」
山城「提督・・・私・・・不幸だ不幸だ言い続けてきたけど・・・あなたの指揮の元ここまで戦ってきて・・・私は本当に不幸では無かったのね・・・。貴方となら私は本当にいつまでも幸せで居られる・・・。あの時の様に私を・・・救って下さいませんか?」
――一体どうしてこーなった・・・
私が山城・大井と出会ったのは建造でだった。
沖ノ島を攻略し、我が鎮守府も戦力増強が必要だと思い立ち当時秘書艦だった妙高の薦めるレシピで回したのだ。
――1つはレア駆逐レシピ
これは保険もかけて軽巡洋艦も出る数値で
――2つは金剛型が出やすいと聞いたレシピだった。
妖精さんに言われ時間を確認して、1隻は戦艦だと・・・金剛型だと思った。
これで榛名も寂しくはないなぁと思いながら待っていた。
駆逐レシピの方は、変に時間が長かったので駆逐では無いか・・・と諦めていた。
まあ軽巡洋艦も少ないからなーとか漠然と思っていた。
そして――
「扶桑型戦艦。妹の方、山城です。あの・・・扶桑姉さま知りませんか?」
「こんにちはー。軽巡洋艦、大井です。どうぞ、よろしくお願い致しますね。」
しまった・・・。この2人は駄目だ・・・
私はこの時、前の演習の後に舞鶴鎮守府の提督と話をしている時に聞いたことを思い出した。
舞鶴さん「え?戦艦は誰がオススメか?そりゃあれだ。提督love勢と言われる奴の筆頭、金剛とかだろうな。大型建造回せるほど余裕があるなら大和や長門とかもいいだろうが・・・は?扶桑型?やめとけやめとけ。あいつらは不幸姉妹でな・・・出撃すれば入渠の繰り返しで資材が幾らあっても足りんぞ?戦艦なら金剛型のレシピ回しとけ・・・それで大丈夫だから・・・」
あの人は扶桑型に大変な思い出があったらしく、結構言われていたのを覚えており、斯く言う私も資材豊富な方ではないので敬遠していた。
球磨型軽巡洋艦の大井についても、あまり良く言われてはなかった。
「大井ぃ?おま・・・あの艦娘は1番だめだろ・・・。結婚お断り勢に加えてクレイジーなレズだぞ?しかも最近はサイコ要素まで加わってるんだぞ?あーあ、資材の無駄だったなぁ。ま、お疲れさん。頑張れよ!」
と、散々な言われようだった。
ただ、戦力として戦艦と改装することで開幕雷撃が可能である重雷装巡洋艦に私は少しばかり期待していたのだろう。
――皆の噂の様な子達ではないといいな。
そう思っていた。
大井「提督。おはようございます。本日は私が秘書艦を務めさせていただきます。」
そうやって定時刻に執務室に入ってきたのは、現在改二となり強さを増していった重雷装巡洋艦の大井だ。
提督「あぁ。おはよう。本日はよろしくお願いします。」
彼女は私と居るのがあまり好きではないようだ。いつも難しい顔と小言も絶えない。何かに付けて姉妹艦の北上に会いに行きたいから、チラチラ時計を気にしだす始末。
大井が秘書艦の時には仕事はほぼ・・・いや、仕事なんて私のような無能がやるべきなのだが・・・。まず他の艦娘よりは効率が落ちてしまう。
提督「なぁ。大井さん。本日はこの海域に出撃して欲しいのだが・・・」
大井「提督。何故私は他の艦娘のように呼び捨てで読んでいただけないのですか?私何かしましたか?」
――驚いた。驚いて声に詰まってしまった。それも良くなかったのだろう。
提督「いや・・・別に。これは何となくの癖でね。気を悪くしたならごめん。ただ、今更呼び捨てにして呼ばれるの嫌じゃないか?大井は男性が苦手なんだろう?
だから私は気になっても触ったりとかのスキンシップとかは控えて、北上や球磨とかに用件を伝えたりしていたんだし。」
大井「何故?私は別に提督のことを嫌ってなんていませんよ?他の鎮守府の私の事は知りませんけど。」
提督「・・・・・・わかった。君がそういうふうに望むのであれば呼び捨てで呼ぶ事にしよう。頑張って・・・」
大井「はい。よろしくお願いしますね?提督(ニッコリ)」
――コンコン
山城「提督?少し・・・よろしいですか?」
なぜだ・・・なんで今日に限ってこの2人が執務室に来るんだ・・・いや・・・大井は秘書艦だが・・・。
山城は別段今日は出撃無しだったような・・・。
山城「提督?いらっしゃいますか?山城です・・・。」
そのまま放置しておくと泣きそうな声に変わってきた・・・
仕方ない。また扶桑のいい所話が始まるんだろうか・・・
そう思いながら立ち上がり、ドアを開けに行こうと踏み出した瞬間。
耳元で聞こえてはならない音が聞こえた。
――ジャキン
乾いたその音の先にあるのは扉に向かって自らの艤装を向けている大井の姿だった――
提督「おい!!大井!何をする気だ!」
――危なかった。あと一秒制止するのが遅かったら、山城ごと扉が吹っ飛んでいただろう・・・
ガチャッ
山城「提督!?どうかしましたか?いきなり声を荒らげて・・・って大井さんですか・・・。一体・・・どういうつもりですか?
私をその砲で撃とうと?やめておいた方が良いですよ(ニッコリ)。あなたのその貧相な砲撃で私に傷がつくと?私がいくら不幸だとしても・・・そんなもので傷は付きませんよ。そんなことより、提督?大丈夫でしたか?この毒婦に何もされませんでしたか?あぁ・・・提督・・・。」
大井「提督!その手を離してください!この不幸戦艦!私の提督に近づかないで!」
山城「あなたの?・・・いえ"私"の提督ですよ。(ニッコリ)」
――なんてことだ・・・。他の提督に言われてたことが本当だったら山城や大井は俺のことを嫌っているのではないのか?
この2人が俺のことを・・・俺に好意を寄せてくれているとは・・・。形はどうあれ少しだけ嬉しいものだな。
顔が赤くなる音を聞きながら私は彼女達の方を向く。
提督「山城・・・大井・・・。仲間同士でいがみ合うのはよせ。」
大井「なら提督!私かこの不幸戦艦のどちらかを選んでください!!」
山城「提督・・・私もその案に賛成します・・・。お願いします。」
――どう答えたものだろうか・・・。
一瞬の静寂をけたたましいサイレンが消し去った・・・
提督「何事だ!!」
通信部妖精により差し出された電文を読むと同時に鎮守府内のスピーカーをオンにし全艦娘に対してゆっくりと話を始める――
提督「全艦娘へ告ぐ。我が鎮守府は軍司令部よりの要請により、現在他の鎮守府が攻略を開始しているMI島への大規模反抗作戦に参加することとなった。そしてその作戦には私も出陣する。
かねてより私と夕張が共同で考え案を上げていた提督用艤装を納品してもらうことになった。これで私も君たちと共に戦場を駆け抜けることが出来る。こんなに嬉しいことは無い・・・。君たちは絶対沈ませない!すべての弾を俺が受けよう!君たちは我々の誇りだ!
この作戦を成功させ!未来の水平線に勝利を刻め!」
おぉぉぉ!!!!
鎮守府のあちこちで艦娘たちの声が響きあがる・・・
支援
大井や山城、千代田は好意が反転すると重そうですね。
支援
あっ、おい待てぃ(江戸っ子)
扶桑型を第一艦隊で運用してるけど全く被弾しないゾ
むしろ、空母や重巡の方が被弾率多いゾ