鎮守府。
感動スペクタクル日常系。暇があったら更新します。
深海棲艦との戦いが激化していく20××年、日本。
絶えず変化する敵。消耗していく精神。渦巻く陰謀。
艦娘たちは激しい戦闘の中、一つの真実に辿り着く事はなかったし言ってしまえば戦闘もそこまでキツくなかった。もうなんかどうにかしようと思えばどうにかなりそうだった。
このお話はそんなゆるい戦いの中、艦娘たちはどう過ごしているのかをつらつらと書き連ねていく物である。
一つ懸念する事と言えば僕は最後までこの話を書き切る事ができるのか。
ぶっちゃけこのアカウント作る前に一個話書いてたんだけど途中で飽きて消したのだ。
まあそいつの事はもう忘れて今度はこの話読んでやってください。
つまんないだろうけど画面の光で目チカチカさせながら頑張って書いた話です。
星5評価と応援と素晴らしいコメント期待してます。
太陽が水平線の向こうへ沈み、オレンジ色に染まった空とそれを覆う薄い雲がほのかに紫色を帯び始めた頃、私たちは任務を終えて鎮守府に帰投しました。
哨戒任務中に急襲に遭いましたが、幸いにして大破は出ず、一番損傷が激しい艦は中破の大井さん。その他の方々は損傷軽微あるいは無傷、とお世辞くらいなら豊かとも言えますが、決して余裕があるとも断言し辛い鎮守府の懐を考慮する、とホッと胸を撫で下ろせる結果になりました。
中破の大井さんも
大井「北上さん無事!?大丈夫!?怪我は無い!?気分はどう!?熱とかは無い!?一緒に入渠しましょう!?ね!?一緒に入渠!!いいでしょう!?ね!?そして今晩は一緒に寝ましょう!!ね!?いいでしょう!?一緒に!!」
北上「大井っち近い近い近い」
あの通りピンピンしていらっしゃます。
因みに大井さんは北上さんへの攻撃を全て自分で受けに行っての中破です。友達の為には被弾すら厭わない…なんと素晴らしい友情(一方的)でしょう!
龍驤「ようやるわぁ…どんだけ好きやねん…」
この光景を眺めてため息をつく龍驤さん。どうやらお疲れのご様子です。
龍驤「あそこまで行くともうあれやね。盲目的やね。まぁ…沈む事は無いと願いたいわ…」
可愛らしい声で発される関西弁と華奢な体がトレードマークの龍驤さんは軽空母です。
私と同じく鎮守府が設立された当初から前線に出ていたメンバーの一人で、みんなのお姉さんです。
得意料理はたこ焼き、お好み焼き、焼きそば、その他諸々…関西のB級グルメを中心におおよそ粉物というジャンルで括られる料理はお手の物です。
巻雲「巻雲は今日もお役立ちでしたね!」
叢雲「そうねぇ。お役立ちだったわ(敵あんまり強くなかったけど)」
巻雲「叢雲さんのお墨付きを頂きました!お役立ち女王巻雲の誕生です!!」
叢雲「お役立ち女王って…」
元気な笑顔で歩いてくるのは駆逐艦の巻雲ちゃん。
袖がとても長い服を着ていますが本人曰く「最新のお役立ちファッション」なのだとか。
最近の流行にはついていけません…。
並んで歩いてくるのは駆逐艦の叢雲さん。私や龍驤さんと同じ古参メンバーの一人です。
最近改ニへと改装され、より一層の活躍を期待されています。
改ニと言えば龍驤さんも改ニでした。
そして…
叢雲「あら…お疲れ様、扶桑。調子良いわね最近。」
扶桑「貴方こそ。改ニは伊達では無い、という感じね。心強いわ」
私の名前は扶桑。
鎮守府最古参の戦艦として日々邁進しております。
まだまだ不束者ではありますが…
扶桑「よろしくお願いします…!」
叢雲「誰に礼してるのよ…」
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物見台に登り双眼鏡を覗く。
かれこれ数時間、この見張り番は仲間と交代で遠くを見張っている。
この物見台は敵影は勿論帰投してきた艦隊をいち早く確認し、伝達し、早急な対策をするために作られた。
見張り番の傍には伝達用だろうか、鷹のような鳥が数羽羽を休めている。
見張り番(夕日が綺麗だ…今日は天気も良くって、そよ風が心地良い。こんな日は鎮守府の裏山にある神社にでも行って猫と戯れていたい。そんでからもふもふしたい。ほっぺを揉みしだきたい。涼しくした部屋で一緒にお昼寝したい。)
腹の減りがピークに達し、沸々と怒りがこみ上げてきた。
見張り番(なんだってあたしはこんな良い日にこんな仕事をせにゃならんのだ。これはもうパワハラではないのか。あの阿呆提督め。こっちが下手に出てれば良い気になりやがって。いつかシメちゃる…)
ぶつくさと文句を呟きながら見張りを続ける。
哨戒任務に行った艦隊が帰って来ればこの仕事は終わりだ。次のグループに仕事を引き継ぎ、あとは自由。
そのため先ほどからこの見張り番は血眼になって双眼鏡から母なる大海にガンを飛ばして帰投してくる6人を待っているのだ。
見張り番(まだか。まだなのか。遅すぎるぞ哨戒任務。会敵したのか?まあそうだろうけれど。その筈だろうけれど。それにしても遅い。あんたらなら敵がいてもワンパンで行けるだろ。ワンパンじゃなくてもボディからワンツーで行けるだろ。いやボディーどうとかの前に大砲あるやん!それで片付くやん!
早く帰ってこい!!早く!!ハーリー!!ハァァァアリィィィイ!!)
思いが通じたのか、見張り番の双眼鏡が6つの影を捉えた。間違いが無いか、慎重に確認する。
いや確認する必要は無かった。
見張り番(あの馬鹿でかい影…扶桑さんだ…)
確信を得るや否や、他の仲間を呼び出し、側にあった銅鑼やら鐘やらを思い切り叩いて叫んだ。
妖精abcd「「「「帰ってきたぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!!!!!!!」」」」
叫んでからの行動は速かった。妖精は前述した鷹に跨り、四方に飛んで行った。
ここからはそれぞれの妖精の動向をオムニバス形式(?)でお楽しみいただく。
因みに彼女らの銅鑼を叩いたり鐘を叩くという行為であるが遠くまでは響かないのでほぼ自己満足と
思って頂いて差し支えは無い。
ーー『妖精a』ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
見張り番をしていた妖精aは入渠ドックへ飛んだ。
a「ありがとう!岳飛!」
鷹の名前は岳飛というらしい。
岳飛から降りると妖精aはメガホンで叫んだ。
a「第3陣、哨戒任務を完了した模様!!それぞれ受け入れ体制を万全な状態にして待機してください!!」
入渠ドックの全妖精が一斉に動き出した。
仕事の開始だ。
資材やバケツが次々と運び込まれる。
バケツは大浴場へ運び込まれ、資材は整備班に回された。
艤装整備を担当する者達は道具を構えながら息巻いている。
損害や戦果を記録する係の者は既に準備万端だ。
大浴場へ艦娘たちの着替える服を運んでいる者もいた。
着々と準備が整っていく。
妖精aは岳飛に跨り入渠ドックの天井付近をを旋回していた。
彼女はこの時間を複数ある「至上の幸福」の内の一つとしている。
下々の者がせわしなく働いている中、自分は優雅に空を舞う。
この、えもいわれぬ優越感に病みつきになっているのだ。なんと性格の悪い奴であろう。
こうして妖精aの今日の仕事は終わっていくのであった。
ーー『妖精b』ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
妖精bは艦娘たちの私室が集まる「私室棟」へ向かっていた。なんという捻りのないネーミングか。
私室棟は二棟あり全て四階建てである。そのうちの一棟は既に伝達済みなので残すはこの棟のみだ。
棟の中に入るとたくさんの艦娘たちが談笑したり、走り回ったりしていた。
電「あっ。妖精さんなのです!こんにちは」
一番に出会った駆逐艦の電は第六駆逐隊にて活躍する駆逐艦であり複数いる鎮守府のマスコット的存在の一人である。
そのドジっ子属性と庇護欲を掻き立てられる華奢な体躯、弱々しい雰囲気を醸し出しながらも強い芯を持つ彼女の姿には数多の提督諸兄も心を鷲掴みにされた事だろう。かくいう作者とてその一人である。
妖精b「今は…こんばんは、かな。電ちゃん。哨戒任務に行っていた艦隊が帰投してきたよ。そろそろご飯だからみんなに伝えてくれない?」
電「了解しました、なのです!」
妖精「ありがとう。よろしくね」
電「それでは妖精さん、バイバイなのです!リ・ジョンソンもバイバイなのです!」
鷹「おう」
鷹の名前はリ・ジョンソンというらしく人語も解するようだ。
電はトテトテと走りながら他の仲間に伝達に行った。可愛い。
続いて下の階、妖精bとリ・ジョンソンは軽巡の球磨と出くわした。
球磨「…クマ?」
軽巡洋艦の球磨は球磨型軽巡の一番艦であり謎の言語「球磨語」を操る不思議ちゃんである。
彼女は5人姉妹の長女であるが、ただ一人次女を除いてこの球磨語を解読できる者はいないという。
鷹「よう。球磨。そろそろ晩飯だ。他の奴らに伝えといてくれや」
球磨「クマー」
鷹「あん?献立?知らんなぁ…あー…多分ハンバーグじゃねえか?食堂の上を通りかかった時そんな匂いがしたからよ。ま、本当かどうかはお楽しみ、だな」
球磨「クマクマ!」
鷹「ハハッよせよ球磨。確かに嗅覚にゃ自信があるがそう褒められると照れくせぇぜ…」
球磨「クーマクマ!」
鷹「おう、それじゃよろしく頼んだぜ!じゃあな」
球磨「クマー」
伝達のため、球磨は猛スピードで走り去っていった。
リ・ジョンソンは満足気な表情をしていたが妖精bはなんとも言えない表情をしている。
無理からぬ話だ。相棒が解読不可能と思われた言語を話す少女と何不自由すること無く会話をしていたのだから。
妖精b「……」
鷹「言いたい事は分かる。あんま触れねぇでくれや…」
リ・ジョンソンはちょっぴりハードボイルドな雰囲気の鷹であった。
同時にリ・ジョンソンは球磨語も解するハイレベルな鷹であった。
・警告タグに「オリキャラ」というのが出ていると思いますがいずれ出すつもりです。まあ提督とかの事なんですけど。
・「面々。」では鎮守府のメンバーとその日常を少しずつ紹介していきます。
・8/15 22:55
妖精bの話はもう少し続きます。
・8/22 23:42
ごめんなさい。公開設定にしてるとずっと思ってたんですけど非公開になってました。マジでごめんなさい。大丈夫ですよ。生きてます。探しても見つからない時は編集中につき非公開にしているか、若しくは今回のような手違いによるものと考えていただいて差し支えございやせん。ほんっとごめん。
素晴らしいコメント、お願いしますね?(上目遣い)
素晴らしいコメントなどと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ☆
・・・短編集は読みやすいので私も好きです。がんばって下さい!
これ3人称視点・・・ですよね?
ベジータ(クズ)氏へ
素晴らしいコメントありがとうございます!
「面々。1」では扶桑が語りを、「面々。2」では三人称視点です。
今思えばちょいと分かりにくかったですね。多少修正してみます!
校正マン、参上!!
章タイトル『面々。2』内に誤字を、修正すべき表現技法をそれぞれ1つずつ確認!
・双眼鏡を覗く→双眼鏡で彼方を見据える
※「双眼鏡を覗く」だと覗いている対象が双眼鏡になってしまい、傍から見ると見張り番が双眼鏡という物体を覗いているかの様に捉えかねられません。実際自分はそう感じてしまいました。
「双眼鏡で覗く」にしたらそれで充分意味は通じますが、この意味を更にわかりやすくした上文を用いた方がいいでしょう。
・鷹のような鳥が数羽羽を休めている→鷹のような鳥が数羽ほど、その両翼を休めている
※これは一目瞭然なのですが、「羽」という文字が連続していて紛らわしいです。
「〜鳥が数羽、羽を〜」になると意味に理解ができますが、どうせなら上文のように多少の文字の付け加えをした方がいいでしょう。
自分が見つけた誤りはこの二つです。
SSの内容自体は面白みを感じられます、更新頑張って下さい。