春香「私の朝の始まりっ♪」
カタカタ.....
P「ふぅ〜やっと仕事がおわった。久しぶりの定時上がり。くぅ〜家帰って何をしようか」
春香「お疲れ様ですっPさん♪」
P「うぉっ!?いたのか春香。仕事に集中してて気づかなかったよ」
春香「いたのか〜なんてひどいなーPさん。私せっかく待ててあげたのにな〜」
P「すまんすまん春香。機嫌なおしてくれよ、な?」
春香「別に拗ねてなんかないですよーだ」
P「あはは...まいったなこれは」
P(どうにかして春香の機嫌を直してあげないと)
春香「私せっかくこんなに遅くまで待って..あ!ど、どうしましょうPさん!?」
P「は、春香!?どうかしたのか」
春香「今から帰ったら電車に乗り遅れちゃいます...逃したらもう電車が無いんです..」
P「な!?...こんな時間まで事務所にいるから」
春香「だって〜、Pさんいっつも一人で仕事してるから寂しくならないようにと思ったんですよ〜」
P「まったく..気持ちは嬉しいけどこれじゃグダグダだぞ。さっさと帰り支度してこい」
春香「え?だ、だから今から帰ったらもう間に合わないって」
P「車に乗せてやるから支度してこいって言ってるんだよ。乗らないのか?」
春香「の、乗ります!乗ります!乗らせてくださいPさんっ!!」
P(春香の家まで送って家に帰る...これは相当帰りが遅くなるな。さよなら、僕の家での楽しみ達よ)
ブロロロロロ......
P「春香、わざわざ助手席にのる必要はないんじゃ無いか?」
春香「いいんです!細かいことを気にすると女の子に嫌われますよっ♪」
P(随分と上機嫌だな。さっきまで拗ねてたのが嘘のようだ)
春香「そうだ。何か音楽かけましょうよPさんっ」
P「音楽ねー。あいにくうちの車にはお前達が聞くようなCDは入ってないぞ。そこの中に入ってはいるが」
春香「どれどれ?...これって...」
P「お、覚えてるか春香。お前のデビューシングルの限定版だぞ。」
春香「うわぁぁぁ懐かしー。これ今じゃどこにも売ってないですよ!」
P「なんてったってお前らのプロデューサーだからな。765プロみんなのデビューシングルから今までの全部が入ってるぞ」
春香「思い出すなーあの時のこと。」
P「いい歌だよなこれ。 追いかけて〜逃げるふり〜をして そっと 潜る 私マーメイっ」
春香「違いますよ〜Pさん。そこの音程は
追いかけて〜逃げるふり〜をして〜♪っです」
P「あはは、すまんな。あんまり歌は上手くなくってな」
春香「そうだ!せっかくだからかけてみましょうよこれ!」
P「春香がいいならかけてもいいが、昔の自分の曲だぞ?ちょっと恥ずかしいかもしれないぞ」
春香「いいんですっ。さっ!かけてみましょうよ」
モットトオクヘオヨイデ-ミタイ ヒカリミチル シロイアイランド
春香「...自分で言うのもどうかと思いますけど、あんまり私歌うまくなかったんですねこの時」
P「そうか?俺は味があって好きだけどなー」
春香「...それ褒めてるんですかPさん..」
P「しっかりと褒めてるぞー。春香は最初に俺と出会った時のこと覚えてるか?」
春香「え?あ、はい。公園で出会った時のことですよね?」
P「そうだ。あの時俺は春香のプロデューサーになったことを伝えに行くわけで初めての出会いだったから緊張してたんだ」
春香「私も急に 今日から俺が君の担当プロデューサーだ なんて言われたからびっくりしましたよ」
P「そうして公園に行ってみたらドレミの音を外してるしスリッパのまま公園に出てるしで随分と衝撃的な出会いだったよ」
春香「ぷ、Pさんっ!//。そんなことまで覚えてないでください!」
P「いやーあれは中々忘れることはできないぞ。今でもあの出会いはしっかり目に焼き付いてる」
春香「もー...私は一刻も早く忘れたいですよ..」
P「でも、あの時の春香の声は伸び伸びとしてたんだ。俺はそれを聞いた時 この子は絶対トップを取れるっ!て確信したよ」
春香「わ、私音程外してたんですよ?」
P「大事なのは音程だけじゃない。歌っていうのは想いとか声とか一つ一つが全部合わさって一つの歌になるんだ。」
P「春香のこのシングルにはその時俺が感じた伸び伸びした声全てが詰まってるんだ」
春香「えへへ..//ちょっと恥ずかしいですよ」
P「そして、春香は今ほんとに歌が上手くなった。毎日欠かさずレッスンしてたおかげだな」
春香「ありがとうございますっ♪でも、私がこんなに成長できたのは、Pさんがいてくれたからでもあるんですよ?」
P「そうか、それはプロデューサー名利に尽きるな」
春香「だから、ありがとうございますっPさん」
P「おいおい、そんな言葉はまだ早いぞ。
アイドルの道は険しく厳しいものだ、精進してくれよ。っていうだろ?」
春香「あはは。社長の真似ですか?結構似てますね。」
P「社長も中々良いことを言うよな。確かにアイドルって中々甘い世界ではないしな」
春香「そうですねー..いっぱいレッスンしたりダンスに歌にお芝居もあったりで。」
春香「でも..みんなとレッスンしたり、ライブを楽しんだり..そういうのがあると 私アイドルやってて良かった〜って思うんです!」
P「そうか。あの時春香のプロデュースをきめたことは間違いじゃなかったんだな」
春香「私も..あの時Pさんに選ばれたことは間違いじゃなかったんだなって思います」
P「そうか。それなら仕事のしがいがあるってものだ」
春香「あ、Pさん?仕事のしすぎはダメですっ。最近ずっと仕事ばっかりで」
P「い、いや。お前達がいないところでしっかり休んで..」
春香「...昨日私が朝の6時に事務所に来た時仮眠室で寝てましたよね?」
P「あ、あれはだな」
春香「Pさん?...」
P「うぅ、面目無い。仕事が忙しくて家にも帰れなくてだな」
春香「忙しいのはわかりますけどしっかり休んでくださいっ。Pさんが体壊したらダメなんですから」
P「そうだな。善処するよ」
春香「今日私に朝挨拶返してくれなくてへこんだんですからね..」
P「あー..すまなかった。まったく気づいてなかったな」
春香「そんなになるまで働いてるからですよ」
P「言い返す言葉もございません」
P「そういえば今日もそうだけど、春香っていっつも毎朝事務所に一番にくるよな」
春香「そうですねー。私事務所には毎朝早く一番に来るようにしてるんです」
P「家も遠いのに、そんな朝早くからどうしてくるんだ」
春香「それはですねー、えーっと」
春香「あ、もう家着いちゃいましたね。それじゃこの理由は内緒です♪」
P「そんな言われ方をすると気になるんだがなー」
春香「あんまり詮索すると女の子に嫌われるんですよっPさんっ♪」
春香「それじゃ、今日は送ってくれてありがとうございましたっ!」
P「お、おい春香!...理由って何だったんだろう」
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春香(Pさんに送ってもらえて嬉しかったな)
春香(今日の朝は挨拶してくれなくてへこんでたけど、Pさんの仕事終わるまで待ってて良かったかもっ♪)
春香(とりあえず今日はもう寝ようっと。明日はきっと、返してくれるよね)
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春香「っんーー!今日はいい天気!」
春香(こんな天気のいい日だと朝の通勤も爽快な気分)
春香(遠距離通勤は大変だし朝早くからで眠たかったりもするけど、それでもこの通勤が私は好き)
春香(だって)
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P「んー、今日はいい天気ですね小鳥さん」
小鳥「そうですね。こんな日だと気分も楽しくなっちゃう」
P「ははっ、いいですねそれ。自分も楽しくなります」
小鳥「そういえばPさん。昨日春香ちゃんを送ってあげたんですね。」
P「あーはい。終電逃しそうだったので送ってあげました」
小鳥「春香ちゃんとどんなお話したんですか?」
P「んー、そうですね。あ、一つ気になってるやつがあってですね。」
P「帰り際に春香がいっつも朝早く通勤する理由を訪ねたんですけどはぐらかされて終わってしまったんですよ」
小鳥「春香ちゃんがですか。..ふふっ、なるほど」
P「小鳥さんわかるんですか?」
小鳥「えぇきっと。でも私からは言いませんよ。さっ!お仕事しましょうPさん」
P「えぇーそんな!?教えてくださいよ小鳥さん〜」
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春香(今日はきっと返してくれるよね)
私が毎朝事務所に早くくる理由
それは、誰よりも一番に
おはようって言いたい相手がいるから
いつも一緒にいる人だからこそ
私の中での大事な一つのコミュニケーション
何気ないけれど
私がPさんと交わす一日の最初の言葉
だから
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ガチャッ
小鳥「あ、噂をすれば。来ましたよPさん」
P「お、春香。 おはよう」
これが私が誰よりも一番に事務所にくる理由
春香「おはようございますっ!Pさんっ♪」
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