春香「乙女よ大志を抱け!!」
ワ-ワ-ヨカッタゾハルカ-
春香「はぁはぁ..皆んなー!今日はさいっこうのステージをありがとうーー!!」
春香「それじゃ!最後の曲です!行きますよ〜?」
春香「乙女よ大志を抱け!!」
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アリガト-ハルカサイコウ-- コレカラモオウエンスルゾ-
スタッフ「春香さんお疲れ様でしたー」
春香「あ、お疲れ様です。スタッフの皆さんもありがとうございましたー」
春香「あれ?すいません。Pさん知りませんか?」
スタッフ「あー春香さん。それがですね。急に別の仕事が入ってしまったらしくそのまま」
春香「あ..そうなんですか」
スタッフ「帰りの車はこっちに用意してありますので、支度したらどーぞ」
春香「分かりました。すぐ着替えてきますねー」
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春香「ふぅ...疲れたー」
春香(せっかくのライブ。Pさんに最後まで見て欲しかったんだけどなー)
春香「あ、やばい..明日の宿題やってないかも..」
春香「あーどうしよう!このままだとまた提出できない〜」
ppp...
春香「あ、Pさんからメール」
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春香へ
今日は最後までライブ見れなくてごめん。
でもいいライブが出来てたと思うぞ
明日から学校で体調を崩さないようにな
毎日大変だけど
「笑って」いこうな
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春香(Pさん..)
春香「よし、私も頑張らなきゃ!」
春香「天海春香〜ファイトー!」
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事務所
春香「こんにちはー♪」
小鳥「あら、春香ちゃん今日は早いのね。学校はもう終わったの?」
春香「はいっ。特に仕事はないんですけどなんとなく寄っちゃいました」
小鳥「ふふっ。ほんとになんとなく?」
春香「そ、そうですよ小鳥さん?」
小鳥「残念だけど今日はPさんは営業で外回り中よ?」
春香「あ、そうなんですか..って!べ、別にPさんに会いにきたわけじゃ」
小鳥「いいのよ隠さなくても。最近Pさんに忙しくて会えてなくて寂しいものね」
春香「そ、そんなこと...。そりゃまぁ、ちょっとは寂しいですけど」
小鳥「春香ちゃん達も皆んな立派なアイドルになったからPさんも仕事が増えたものね」
小鳥「なかなか一緒にいる時も少ないんじゃないかしら?」
春香「はい..。でも、Pさんは私達のために一生懸命頑張ってくれているので」
小鳥「春香ちゃん?我慢も大事だけど
ワガママを言えるのは子供の特権よ?」
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P「はい、はい。ありがとうございます!
では、次回のイベントにはうちの765プロを使っていただけるんですね?」
P「本当にありがとうございます!では、失礼します」
ピッ
P「よし。この仕事はなかなか大きい仕事だぞ。」
P(765プロの皆んなも人気になってきている。俺がみんなのために何かしてあげれるぞこれで)
P「はぁ..」
P(それにしてもここの所休みなしで働いてるな。体の休まる暇がない)
ワンツ-スリ-ヴァイ ♪
P「ん?春香からメール?」
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Pさん春香です!
今日の夜一緒にご飯食べませんか?
仕事が忙しかったら全然断ってくれて大丈夫ですよ!
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P(そういえば..最近春香と話す時間が減ってたな)
P(忙しいとはいえ担当アイドルのケアも忘れちゃいけないことだしな)
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アシタガアル-サアスガアル-
春香「あ、Pさんから返信来ました」
小鳥「あら?早いのね。で、どうだって?」
春香「え、えーっと..あ!OKですって小鳥さん!」
小鳥「よかったじゃない春香ちゃん。久しぶりだし言いたいことを全部言っちゃいなさい」
春香「え、ええええ!?でも、Pさんにも迷惑かかっちゃいますし..」
小鳥「春香ちゃん。女の子はね、ちょっぴりわがままなくらいがちょうどいいのよ」
小鳥「春香ちゃんは立派なアイドルだけど、それよりもまず1人の女の子なんだから。」
小鳥「Pさんに、ワガママ、言っちゃってもいいのよ」
春香「...小鳥さん。ありがとうございます。」
春香「Pさんと話してみます今日」
春香「って言ってもぉ〜。いきなりそんなこと話せるわけ...」
小鳥「じゃあ。春香ちゃんにおまじないを一つ教えてあげる」
小鳥「女の子に勇気が出るおまじない
それはね..」
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ガラガラ
ラッシャ-セ- ニメイサマデスネ コチラノコシツニゴアンナイイタシマ-ス
P「まぁとりあえず何か食べるか。何がいい?」
春香「そ、そうですねー。えーっと、何食べよう..えっと」
P「焦らなくてもいいぞ。今日はのんびりしてる時間がある日だし」
春香「うーん..あ、私これにします」
P「よしわかった。すいませーん」
ゴチュウモンオウウカガイシマ-ス
P「これと、これと、あとビール一つで」
カシコマリマシタ-
春香「おまじないおまじない..深呼吸..ブツブツ」
P「で、春香。何の相談なんだ今日?」
春香「へ?あ、そのぅ...大したことじゃないって言うか。ほんとに小さいことで」
P「何でもいいぞ。俺は春香達の担当アイドルなんだからな」
P「最近忙しくて皆んなとコミュニケーションを取ってなかったしな」
P「こういうこともできなきゃプロデューサー失格だしな」
春香「じゃあ..えっと」
春香「...このまま人気になったら皆んなとどんどん離れて行くんでしょうか?」
春香「お仕事が増えて、人気になって、それは嬉しいことなのに」
P「春香...」
春香「最近、気づくと皆んなと全然喋ってないんです」
春香「千早ちゃんと歌の練習したり、美希と買い物に行ったり」
春香「真ちゃんと雑誌を読んだり、雪歩とお茶を飲んだり」
春香「亜美とイタズラしたり真美と叱られたり
貴音さんとお菓子食べたり」
春香「律子さんのお仕事手伝ったり小鳥さんとのんびりしたり」
春香「響ちゃんと動物に触れ合ったりやよいとお掃除したり」
春香「あずささんと占い雑誌見たり、伊織とレッスンしたり」
春香「前は楽しかった出来事が、今は全然できなくて..」
春香「私今、楽しいはずの、夢だったはずのアイドルが、楽しいのかなって思えてしまうんです」
P「...春香、俺の目を見ろ」
春香「え、」
P「俺は最初に春香と出会った時、純粋にアイドルになるのが夢だっていってる春香に出会った」
P「でも、出会ってから春香に触れて行くうちに」
P「おかし作りが趣味だったり、長電話だったり、何より人と関わるのが大好きな」
P「そんな1人の女の子の春香を見た」
P「アイドルが夢な春香にとって皆んなとのおしゃべりは大事な日常だ」
P「そんな大事な日常が壊れそうになってる時でも、アイドルを楽しくないって言わなかったな」
春香「私..アイドルは...夢です。好きです。」
P「アイドルとして登りつめることだけを考えて、春香のことを見れてなかった」
P「こんなんじゃ、プロデューサー失格だな」
P「春香にとって、夢も日常もどっちも大事なんだ。どちらかを犠牲にしていいものじゃ決してない」
P「春香、まだトップアイドルになりたいと思ってるか?」
春香「.... はい。憧れたから。ずっと、夢だったから」
P「俺はみんなをトップアイドルに導くのが仕事だ」
P「でも、無理強いしたり何かを犠牲にしてまでしようとは思ってない」
P「だから、まとめて全部俺が面倒をみる」
P「春香の日常も壊させない。トップアイドルにもする。」
P「それが、俺のみんなに出来ることだから」
春香「Pさん...」
P「今は皆んなと離れ離れで仕事してるかもしれない」
P「でも、俺がみんなと仕事できるくらいのトップアイドルに春香をしてみせる」
P「だから、それまで俺を信じてて欲しい」
春香「Pさんは..ずるいです。」
春香「そんなこと言われたら..グスッ、信じるしかないじゃないですか」
P「春香..」
春香「私、心のどこかでアイドルはお仕事だから我慢しなくちゃいけないと思ってて」
春香「それなのに..ウゥ、Pさんが信じろって言ってくれるから」
春香「ずるいですよぅPさんは」
春香「ヒック、グスッ ウワァァァァァァァン」
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P「落ち着いたか春香?」
春香「グスッ、はい..大丈夫です」
P「泣かせる気は無かったんだけどな、あはは」
春香「Pさん..私本当にPさんがいうようなトップアイドルになれるんでしょうか」
P「あぁ、絶対。なれるし、ならせてみせる」
春香「言い切ってくれるんですね。はっきりと」
P「あぁ、俺が見込んだアイドルだからな」
P「それに、俺も期待に添えるかもしれない第一歩が踏み出せたからな」
春香「?、どういうことですか?」
P「今度のクリスマスに765プロでクリスマスライブを開催する」
P「出演者はもちろんみんな。そのためにこれからみんなとレッスンで忙しくなるぞ」
春香「みんなとライブですか!うわぁぁ楽しみ!!」
P「今回のライブは765プロ単独だからこそ、ファンみんなが俺たちだけに釘付けになってくれる」
P「俺が春香にできる最初のトップアイドルに向けてのプロデュースだ」
春香「...フフッ、じゃあ私頑張らなきゃですね」
P「お、やっと笑ってくれたな春香」
春香「あ、そう言えばそうですね。私、確かに笑えてなかったかも」
P「アイドルは笑顔が大事だぞ。笑っていかなきゃ」
春香「そうですね。..Pさん、私Pさんを信じてこれからも頑張っていきます」
春香「だから.. 」
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クリスマスライブ舞台裏
春香「よし。頑張るぞ、深呼吸とあとは」
響「春香ー。もう次は春香の出番だぞ」
春香「あ、響ちゃん。わかった!」
響「...なーんか今日の春香いつもよりも完璧だぞ」
春香「え?そ、そうかな。自分じゃよくわからないんだけど」
響「ま、自分の方が完璧だけどな。へへーん」
春香「あはは。でも、今日の私は確かに完璧かもしれない!それじゃ、言ってくるね響ちゃん!」
響「あ、春香。...やっぱり今日の春香はなーんか違うぞ」
春香(そんなに今日の私違うのかな。)
春香(だとしたらきっとやっぱり..)
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春香「だから.. アイドルの私を見てください。ずっと応援しててください」
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春香「あんなこと言っちゃったからかなぁ..」
春香(でも、後悔はしてない。せっかくだからいいところ見せなくちゃ)
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小鳥「おまじない、それはね。深呼吸すること」
春香「深呼吸..ですか?」
小鳥「そう。言いたいことなのになかなか言い出せないって思った時はね」
小鳥「おおっきく息を吸い込むの。そうして、自分の一番言いたいことをしっかり吐き出せるようにするの」
小鳥「そうすれば、きっと。言い出せない言葉も出てきてくれるわ」
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ツギノキョクハナンダ-! オ-!?ハルカダ!ハルカ-
春香「スーーーハーー、....スーーー っ 」
春香「...みんなーー!!盛り上がってるー!?」
ワ----イエエエエエエエエエエイ!!!
春香「みんな聞いて!私ね、トップアイドルになりたいっていう大きな夢があります!」
春香「って、アイドルなんだからそれはそうなんだけどね」
春香「でも、今は前よりずっとずーーっとなりたいんです」
春香「だから、私たちのこともっと応援してくれますかーー!?」
イイゾ----!!ズットオウエンシテイクヨ--!オウエンスルヨ-!!
ワ-ワ-!!!!
春香「..みんなありがとう。」
春香「そんな夢を持った私が今日は精一杯歌います!」
春香「今日の私にぴったりの曲です」
春香「聞いてください
乙女よ大志を抱け!! 」
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