エリカ「ドイツに」 まほ「留学だ」
黒森峰がドイツに留学する話です。
エリカが主人公で成長とオリキャラで作って見ました。
リトルアーミー、リボンの武者は読んでません。もしどこかで被りなどがあった場合はスルーして読んでください。
エリカ「ドイツに短期留学ですか?」
まほ「そうだ。急で申し訳ないが荷物をまとめて1週間後には日本を発つぞ」
エリカ「いえ、全然いいんですが私以外には誰が行くんですか?」
まほ「エリカ以外には赤星も一緒に連れて行こうと思っている。来年の隊長と副隊長だからな。これはお母様…家元の意思でもある」
エリカ「家元の?」
まほ「ああ。なんでも世界を見て来いとのことだ」
エリカ「せ、世界…」ゴクリ
まほ「まあそう固くなるな。確かに向こうは戦車道の本場だが、こちらも日本一のチームと言っていいんだ。胸を張って行こう」
エリカ「は、はい!ところで隊長、我々が行く学校というのは?」
まほ「ああ、それはだな……」
1週間後の空港にて
エリカ「うぅ緊張するわ…胃が痛い…」
小梅「私なんて昨日寝れませんでしたよ…」
エリカ「私もよ…これで平気な方がどうかしてるわよ…」
まほ「なんだ、昨日は二人とも眠れなかったのか?」
エリカ「そりゃそうですよ!なんたってあのシュバルツバルトですよ!?ドイツで一番の名門でプロを量産し続けているエリート学校じゃないですか!戦車道してて、知らない方がどうかしてますよ!!」
小梅「エリカさんがキレた!」
まほ「ま、まあ、大丈夫だって…多分」
エリカ「怖いよぉ、」グスッ
まほ「赤星、エリカってこんなにメンタル弱かったか?」
小梅「隊長が落ち着きすぎなんですよ!」
シュバルツバルト学園の門にて
天気は雨
まほ「陸に学校があるなんて不思議な感覚だな」
エリカ「ええ、そのせいかやけに貫禄ありますね」イガイタイ
小梅「とりあえず、寮の方に荷物置きにいきましょう」
まほ「ああ、そうだな」
エリカ「ちょ、あんたまでなに平気になってんの!?」
小梅「もう、ここまで来たらどうにでもなれですよ。」
エリカ「やっぱ、一回死にかけると肝も座るものね…」
小梅「何か言いました?」
エリカ「いいえ、何も」
まほ「よし、荷物も置いたし、明日からいよいよこちらの戦車道を体験できるぞ!」
エリカ「タノシミダナー」
小梅「黒森峰でのドイツ語の授業が役に立つ日がくるなんて」
エリカ「これで言葉もわからなかったらもうぶっ倒れてたわね」
まほ「とりあえず暇で外も雨だし、トランプでもやるか」
次の日
先生「では、今日は転校生の紹介をします
。じゃあおねがい」
エリカ「」コクリ
エリカ「はじめまして、逸見エリカと言います。よろしくお願いします」
パチパチパチパチ ワーテンコウセイダー! ドイツゴシャベレルンダー!
エリカ(あれ?歓迎されてる?つーか多分パンツァージャケットを着てる奴等って多分戦車道してるのよね…私服登校だからってパンツァージャケットはないでしょ…)
先生「彼女は日本からこちらの戦車道を学びに短期留学しに来たの。」
先生「分からないことも多いでしょうからみんな教えてあげてね」
一同「はい」
休み時間にて
エリカ「はぁ、やっぱり全部ドイツ語での授業はきついわね…もうすぐ戦車道か…憂鬱だ」
クラスメイトモブA「ねぇねぇ、逸見さん!日本ってどんなところなの!?」
エリカ「うぇ、え?。そうね……平和な国よ」
クラスメイトモブABCD「なにそれ面白ーい!」ケラケラ
マルクス「平和な国から来たお猿さんは早く自分の国に帰って装甲の薄ーい日本の紙戦車に乗ってれば?」
パンツァージャケット着た連中「wwwww」ケラケラ
エリカ「…」カチン
クラスメイトモブA「ちょっとマルクス!失礼だよ!?逸見さんに謝りなよ!!」
マルクス「あんたは戦車道と関係ないでしょ。私達戦車道受講者に楯突いたらどうなるかわかってるわよねえ?」
クラスメイトモブA「…うぅ」
エリカ(なによ、このいかにもな小者野郎は…威勢はいいくせにすぐやられるタイプね…ってどっかで聞いたことあるタイプね…)
マルクス「こいつは猿のくせに私達と同じドイツ戦車のティーガーやパンターに乗ってるの。それこそ私達に失礼ってもんでしょ?」
エリカ「……言いたいことはそれだけかしら?」ビキビキ
マルクス「え?、まだ言っていいの?w」
エリカ「いいえ、もういいわ。猿に負ける猿以下の言語なんて聞き取れないもの」ニコッ
マルクス「は?」ビキ
エリカ「あ?」ビキビキ
クラスメイトモブA「ちょっと逸見さん!この子達に逆らっちゃダメだよ…私達と違って戦車道受講者は学費の免除からどんな素行さえも正当化される人達なの!もし目をつけられたら退学するまでいじめられるのよ!?」
エリカ「ふ~ん、まあいいわよ。今から戦車道の授業だし、確か模擬戦がレクリエーションの中に入ってたからこいつら倒せばこいつらが私の下ってことだし」ニヤッ
マルクス「言う猿ね。怪我しても知らないわよ?」
エリカ「こっちのセリフなんだけど?」
クラスメイトモブ達(こ、怖い…)
マルクス「ちっ、行くわよ!!」
パンツァージャケット着た連中「う、うん」
エリカ「ったく」
クラスメイトモブA「い、逸見さんってとんでもなく怖いもの知らずなんだね…普通あんなに上から言われたら何にも言えなくなっちゃうよ…」
クラスメイトモブC「見てるこっちが心臓止まるかと思った」
エリカ「あのねぇ…戦車道受講者か何か知らないけど所詮はただの学生じゃない。あんた達が怯えすぎなのよ」
クラスメイトモブ達「…」シュン
エリカ「ただ、そんな怖い奴等に私のために怒ってくれたことは嬉しかったわ。ありがとう」
クラスメイトモブA「///」
エリカ(誰かのために怒るか…そう言えば私もどこぞの誰かさんのお仲間に怒られたっけ…)
エリカ「さて、じゃあ私行くわね」トコトコ
クラスメイトA「が、頑張ってね!!」
エリカ 「うん、また明日」
戦車道訓練1日目にて
ニーデリッヒ「私がシュバルツバルト学園、隊長のニーデリッヒだ。遠路遥々我が校へのご来光に賛辞を贈ろう。
ただし、ここに来たからには訓練生と同じように扱うのでそのつもりで頼む。」
まほ「はい、こちらこそお招きいただき感謝します。黒森峰女学院の隊長、西住まほと申します。」
エリカ「同じく、黒森峰女学院副隊長、逸見エリカです。よろしくお願いします。」
小梅「黒森峰女学院、赤星小梅です。よろしくお願いいたします。」
ニーデリッヒ「うむ、ではレクリエーションの模擬戦なんだが、今日は二軍のBチームと対戦してもらおうと思っている。それでいいか?」
まほ「はい。ありがたく対戦させていただきます。」
エリカ(二軍のBチーム?うちも舐められたものね。というかあの小者野郎は今日の試合に出るのかしら…あいつは私達がドイツ戦車に乗ってることを知ってた…ということはそれなりにこいつらも私達のことを研究して、あえて二軍のBチームを当ててきたってことね…、上等よ…叩き潰してあげる)
ニーデリッヒ「では、二軍Bチームの隊長を紹介する」
マルクス「ほうほう猿のお仲間もやっぱり猿ね」
ニーデリッヒ「マルクス、口の聞きかかたに気を付けろ。二軍のCチームに格下げするぞ」
マルクス「…申し訳ありません」
エリカ「あら、あれだけ去勢を張っていたのに、二軍のBチームなのね。程度が知れるわ」
まほ「エリカ!」
エリカ「…すみません」
ニーデリッヒ「コホン、とにかくこの模擬戦は親善試合だ。お互いの健闘を祈る。では、準備に取りかかれ!」
一同「はい!!」
マルクス トコトコ
エリカ「待ちなさい!!!」
マルクス「まだ何か?」
エリカ「今日私が勝ったら、隊長や小梅に猿と言ったことを詫びなさい。」
マルクス「は?私に勝てると思ってるの??
まあいいわ。もし私が負けたら何でもしてやるわよ。まあそんなことは億が一にもないでしょうけど。」
エリカ「約束よ」
マルクス「フン」
30分後森林地帯にて
ニーデリッヒ『ではこれより親善試合を行う!形式は3対3の殲滅戦、黒森峰陣営は乗組員に荒れ地の最良地形、走りやすい道のりを聞くことを禁ずる。一同礼!』
一同「よろしくお願いします」
エリカ「…」
30分前
まほ「何?今日の指揮を自分にさせてくださいだと?」
エリカ「はい、ダメでしょうか?」
まほ「いや、実はそのつもりだったから、逆に都合がいいんだが」
エリカ「え…」
まほ「…あいつに猿と言われたことが気に入らないか?」
エリカ「はい、隊長や小梅、日本で今も死に物狂いで戦車道をしてる連中をバカにされたことが我慢なりません」
まほ「そうか」ニコッ
小梅「エリカさんも随分優しくなりましたね」ヒョコ
エリカ「なっ///」
まほ「まあいい、とりあえず今日の指揮はエリカがとれ。いいな」
エリカ「は、はい」
森林地帯にて
エリカ (絶対に負けられないわね…昨日の雨でぬかるんでる初見の荒れ地を自分でどうにかか…
なかなか鬼ね…)
小梅「エリカさん、そんなに固くならずに!」
エリカ「ええ…」ブツブツ
小梅「…」
小梅「エリカさん!!!!」
エリカ「ふぇえ!?」
小梅「私もお猿さんって言われてムカついてるんです!!大体なんですかあの人は!!エリカさんみたい!!」
エリカ「ええ、そう…っておい!!」
小梅「やっとこっち見ましたね」
エリカ「う…」
小梅「さっきも言いましたがムカついてるのは私だけじゃありません。多分隊長もカチンときてます。1人で戦ってるなんて思わないでくださいね」
エリカ「…」
エリカ「…ええその通りね」ニッ
エリカ(頭に血が昇る癖はこっちにいる間に直さないとね)
まほ「…ニヤニヤ」
エリカ「接触はこのまま直進していれば約10分後、この森林地帯がメインフィールドで周りが荒れ地。今日の地面はぬかるんでいるから足の弱いティーガーは不利。パンターを如何に使うかだけど…」
エリカ「向こうは地形を知りつくしていて有利な地形を知りつくしてる…多分向こうもパンターを偵察に出してくるわね…待てよ…そうか……」
マルクス「パンター車は偵察に出てちょうだい」
マルクス「確かあいつは日本の西住流というゴリ押しの流派の門下生。まず向こうから動いてきてそこから作戦を練るはず。ただいくら戦略を練ろうが向こうは地形を私達のように知りつくしてる訳じゃない。」
マルクス「ぬかるみがティーガーの足枷になると思ってるでしょうけど、残念でした。どこが水捌けがよくて走りやすいかなんて知りつくしてる。まあ猿は猿ってことを思い知らせてやるわ」
30分後
二軍Bチームパンター車「報告します…森林地帯には相手チームの車輌は見られません…」
マルクス「まあ、こんだけ探させていなかったら流石にもういないか…ならばぬかるみの荒れ地か…左右どちらから来るか…」
二軍BチームティーガーⅡ「隊長!前方にパンターを発見しました!」
マルクス「チッ、追いかけるわよ」
マルクス(誘いに乗ってやろうじゃない。どうせ着いていけば何かしらアクションを起こすはず…右か…左か…)
ドーン
マルクス「砲撃?…どこから?」
マルクス(まさか……)振り返り
エリカ「小者野郎」ニヤッ
ドーン シュポッ
ニーデリッヒ『二軍BチームティーガーⅠ走行不能!!』
マルクス「突っ込んで来ない時点で気づくべきだった…奴等は優勢火力ドクトリンを捨て、正面からの攻防も捨て…2手に別れてぬかるみを進んできたんだ…」
マルクス「いや、待て…回り込むにしては早すぎる…地形も理解していないのにこの短時間で最良地形を理解して回り込むなんて不可能だ……」
マルクス「まあでも」ニヤッ
エリカ「よし、このままパンターは隊長に任せて残りの小者野郎は小梅と私で…」
ドーンシュポッ
小梅「きゃっ」
エリカ「なっ…」
ニーデリッヒ『黒森峰パンター車走行不能』
マルクス「気に入らないわね…その上から目線の戦術…」
マルクス「それは自力が弱い奴等への戦術じゃない」ニヒヒ
マルクス転回
まほ「エリカ、こっちはパンターを撃破しておく。そちらで決着を着けろ」
エリカ「はい!わかりました!」
マルクス「フン、そっちの乗組員は全員二軍Cチームでしょ?結局ここまで来たら乗組員の技術で決まる。あんたに勝ち目は無いわ」
エリカ「それはどうかしらね。コソコソイケル?」
エリカ車操縦士「わかりました。やります」
エリカ(うぉ、マジか…黒森峰のやつらでも一瞬ためらうってのに…即答って…こいつらったらホント化け物じみてる…けど)
エリカ(ワクワクするわね)
エリカ(大洗のあいつらはほぼ初心者のくせに成功させてたわね。…ただこのシュバルツバルトの訓練生なら森林地帯でも…必ず…)
マルクス「はっ…そうくるかい!砲塔回転!!」ニッ
ドカーーーン シュポッ
エリカ「ちっ…」
ニーデリッヒ『黒森峰ティーガーⅡ走行不能』
マルクス「まあ頑張った方じゃない?猿の割には」
エリカ「クソッ」
エリカ車砲手「いえ、大丈夫です」
シュポッ
マルクス「な…」
ニーデリッヒ『二軍BチームティーガーⅡ走行不能』
マルクス「クソがッ」
エリカ(あとは隊長が…)
5分後
ニーデリッヒ『二軍Bチームパンター走行不能よって、黒森峰の勝利』
マルクス「クソクソクソクソクソクソガッッッ」
小梅「やったーー!!私達シュバルツに勝ちましたよ!」
エリカ「ええ、そうね」
エリカ「みなさんありがとうございました」
エリカ車一同「こちらこそ」
戦車回収後
ニーデリッヒ「いやはや…まさかうちの二軍Bが負けるとは…二軍とはいえ、来年には世界を担う戦車乗り達なんだが。」
ニーデリッヒ「日本のレベルもかなり脅威ですな」
まほ「いえ、運がこちらに見方しただけですよ」
ニーデリッヒ「はは…どうですかな」
まほ(この狸め…)
マルクス「さ、猿って…言って…すみませんでした!!」
ニーデリッヒ「む…」
まほ「あ、ああ」
マルクス「フン」トコトコ
マルクス「ちょっとあんた達」
小梅「はい?」
マルクス「猿って言って悪かったわ…それとあんた、ちょっと来なさい」
エリカ「なに?」
マルクス「いいから!!」トコトコ
戦車倉庫裏
マルクス「あんなに早く回り込めるわけないわ!!あんた乗組員に最良地形聞いたでしょ!!」
エリカ「あぁそのことね。」
エリカ「猿はあんたの方ね。」
マルクス「な…」
エリカ「いい?あんたのとこの隊長は始める前になんて言ってた?」
マルクス「黒森峰陣営は地形のことを乗組員に聞くことを禁ずるよ」
エリカ「私は乗組員に地形は聞いてない」
マルクス「ならなんで…」
エリカ「ただ一番早く回り込める場所を走ってと操縦士にオーダーしただけよ。」
マルクス「なん…だと…」
エリカ「地形を教えてはいけないとは言われたけど、最良地形の前進をオーダーしてはいけないとは言われてないわ…全く、あんたのとこの隊長は私達両方を試したの。」
マルクス「……」
エリカ「とんだ狸よ」
エリカ「私もすぐに気づいた訳じゃないわ。気づいたのは始まって少し経ってから…」
エリカ(小梅のおかげね)
エリカ「あんたは私達が格下+地形の云々を聞くことを禁じられた時点で勝ったと思って悠長に構えてた」
マルクス「…」
エリカ「舐めきってた…それだけよ(ただ…舐めずに、全力で来られていたら…)」
マルクス「…」
??「その通りよ」
マルクス「ラウラ…」
エリカ(さっきの試合の私のとこの砲手…確かこいつ同じクラスで一緒に笑ってたような…)
ラウラ「また同じことを…隊長が見限るのも時間の問題ね」
マルクス「く…もういいわ、これから訓練だし行かせてもらうわ」
ラウラ「逃げるのね」
マルクス「…フン」トコトコ
エリカ「…」
ラウラ「先程は教室で嘲笑して申し訳ございませんでした。正直、ここまでやるとは思っておりませんでした」
エリカ「え、ええ(現金なやつね)」
ラウラ「今日の勝利であなたは二軍のCチーム隊長に任命されました。短期間ですがよろしくお願いいたします」
エリカ「ええ、こちらこそ…」
ラウラ「それでは、訓練に行きましょうか」
エリカ「なによ…これ…」
ラウラ「何とは?」
エリカ「いや、これ五十枚の地図渡されて…どうしろと??」
ラウラ「ランダムに赤い点と青い点が多数あります。青が自軍で赤は敵軍、赤がどう動けば、青がどう動くか、青が動けば赤がどう動くか…これを青が赤を殲滅するまで先読みして、裏に戦略を書き込んでください。採点は一軍のお姉さま方がしてくれるのでしっかり取り組むように…」
エリカ「ま、まさか…こ、この五十枚…全部?」
ラウラ「終わるまで車長は戦車に乗れません。頑張ってくださいね」
エリカ「」
エリカ(な、なによこの苦行…マジでか?マジなのか?)カキカキ
エリカ(しかもドイツ語で書かないとってマジやべぇ…)カキカキ
エリカ「やっと終わったわ…」ゼェゼエ
エリカ「さて、やっと戦車に…」
ニーデリッヒ『これにて訓練を終了する。戦車を倉庫に駐車し、速やかに整列!!』
エリカ「…」ズコー
ニーデリッヒ「今日より一軍Bチームの車長
に西住まほを加え、二軍Cチームの隊長に逸見エリカを…二軍Cチームの車長に赤星小梅を就任させる」
ニーデリッヒ「異論のある者は挙手を」
一同「…」
ニーデリッヒ「よし、では解散!!」
一同「はい!!」
食堂
小梅「つ、疲れた…」
エリカ「結局私達は戦車に乗れなかったわね…(あ…やっぱり本場のソーセージうま杉内)」モグモグ
まほ「まあ気にするな。私も乗れたのは終わる30分前だ。(あ…やっぱり本場のソーセージうま杉原)」モグモグ
エリカ「一軍は何枚あったんですか?」
まほ「百枚」
エリカ「」
小梅「私達、2ヶ月もつんですかねぇ…」
エリカ「ほんまやで」
小梅「何で関西弁なんですか…」モグモグ
ざわざわ ざわざわ
モブA「おい…ちょっと来いや」
マルクス「何よ」ギロ
モブB「表出ろ」
マルクス「フン」スッ
小梅「な、なんかヤバくなかったですか…?五人くらいで囲まれてましたし…」
まほ「ああ、ってエリカは?」
トイレにて
ドカッ バキッ ドカッ ボコッ
マルクス「貴様…ら…」
モブA「この恥さらしが!!」ドカッ
モブC「ゴミグズ」ボコッ
モブB「猿ごときに負けるなんて死ねば?」ドスッ
マルクス「うぷっ…オェエエ」
モブD「うーわ…汚な…」
モブE「つわりかな??妊婦は戦車道しちゃだめですよ?Bチーム隊長さーん?」
モブ達「w wwww ゲラゲラ」
マルクス「…」ギロリ
エリカ「ちょっと、あんたら邪魔。トイレしたいんだけど?」
モブA「あぁ?もしかして助けに来たの??」
モブB「戦った者同士の熱い絆ってやつ??」
モブCDE「ウケるwww」
エリカ「はぁ?そんなのあるわけないでしょ?バカかしら…」
モブA「じゃあ、さっさと消えな」
エリカ「ただ…」
エリカ「地図見て戦略書き込んだり、猿扱いされてストレス溜まってるのよねぇ…ねえ、あんたら目障りだからボコボコにしてもいい??」
モブ「この猿が…」
エリカ「はっ…猿はあんたらでしょ」
10分後
モブA「フン。負け犬同士…ハアハア…トイレの床でもなめてなさい…行くわよ」
モブBCDE「う、うん」ボロッ
エリカ「う…く…いたたたた…」
マルクス「何してんよ…」
エリカ「何って…ストレス発散…」
マルクス「馬鹿じゃない?」
エリカ「ほんとそうね……。ねえ、あいつらって…」
マルクス「二軍Aチームよ…次期一軍Aチーム」
エリカ「戦車でボコボコにしてやりなさいよ」
マルクス「まあ、元々は私がAチームで隊長だったんだけど…」
エリカ「?」
マルクス「もういいわ。行くわね…いたたたた」
エリカ「動けないでしょ?しばらくじっとしてなさい」
マルクス「ッ」
マルクス「はぁ…マジで散々だわ…隊長に言われたの。これからあんたの下で学んで来いってね」
エリカ「てことは…」
マルクス「そう。Cチーム降格よ」
エリカ「…ねぇ私のとこの砲手が言ってた″同じこと″ってなんなの?」
マルクス「…」
マルクス「2ヶ月前に練習試合があって私は相手が格下だったから手を抜いたの。試合には勝ったけど隊長は見抜いていたわ。Bに降格」
マルクス「そして今日の試合…正味な話、日本人が相手なんて動く的の砲撃練習くらいにしか思ってなかったわ」
エリカ「……」
マルクス「だけど負けたのは………もういいわ。おやすみなさい。″隊長″」イテテテ
エリカ「…」
エリカ(少し前の私みたいね…)
大学選抜戦被弾後
エリカ「私の役目はここまでか…」
カチューシャ「ちょっとエリーシャ!!肩車しなさい!!!」
エリカ「なんで私が…(しかもエリーシャって…)」
カチューシャ「いいからしなさい!しゅくせーするわよ!!」
エリカ「はいはい」ヨッコイショ
カチューシャ「ノンナの方が高いし、おっぱいも大きいわ!」
エリカ「落とすわよ」
カチューシャ「じょ、冗談よ!」
エリカ「ったく」
カチューシャ「…」
カチューシャ「エリーシャとミホーシャの決定的な壁を教えてあげるわ」
エリカ「はぁ?いきなりなにそれ」
エリカ「…才能の差なら私が一番感じてるわ…あの子は誰がなんと言おうと天才よ。このまま努力しても追い付くかどうか…」
カチューシャ「あら?意外と弱気なのね……
。。はっきり言うわ!あなたとミホーシャの差は弱者からも学ぼうとするかどうかよ」
エリカ「は?」
カチューシャ「ミホーシャはね、どんな格下からでも学ぼうとするの。だから成長できるし、強くなれるわ。賢いやつは馬鹿からも学ぼうとするわ。逆は絶対にない」
カチューシャ「確かにミホーシャは才能に溢れてる。軍神と言ってもいいかもね。でもね、あなただって才能を持ってる。カチューシャやケイが撃破出来なかった大学選抜の中隊長を倒したじゃない!!。今言ったことを守って、自信を持って精進すれば必ず報われるわ」
エリカ「…」ポロ
エリカ「あれ?…なんで涙が…」ポロポロ
エリカ(そっか、私はもうガムシャラに前だけしか見てなかった…倒した相手なんて振り返りもしなかった…それが正しいと思ってた…でも本当に正しいことは…)
カチューシャ「来年の全国大会は楽しみにしてるわ!!」
エリカ(あの日から2ヶ月か……格下から学ぶ…よくわからなかったけど、黒森峰全員で戦車ノートを作ったっけ…それを下の学年のノートを上の学年が読む。そうすれば色んなことが見えてきた。)
エリカ「ったく…文句ばっかじゃない!」パラパラ
小梅「まぁまぁ…あっ、この子撃破率上がってる!!頑張ってたもんね…」ポロ
エリカ「ちょっと何泣いてんのよ」
小梅「この子、なかなか伸び悩んでいて一回辞めたいって相談受けてたんです」ポロ
エリカ「へぇ」
小梅「でも今は″戦車道が楽しくてたまらない″
って!」ポロポロ
エリカ(訓練中には見えなかったことも見えてくる。字で書けば、自然と字に気持ちが出てくるものね)
エリカ(黒森峰の生徒でも心に弱みが出てくる…練度が上がればできないことも増える…そういう時に叱るだけでなく、いいアドバイスをあげれる余裕が必要か)
エリカ(その余裕はこういう周りを見る事から生まれる…そんなとこかしら)
エリカ(少しは成長できてるのかしら)
翌日
小梅「あ、朝練もヤバイですね…」
エリカ「うぅ…」
マルクス「…」
4時間後
エリカ「ここはもう戦車に乗ることしか許されないのね…」
小梅「普通の授業が4時間ってマジやべぇ」
マルクス「…」
昼休み
エリカ「ここにいたら夢にもティーガーとか出てきそうね」
小梅「私は多分疲れすぎてこっちにいる間は夢見ないですね…」
マルクス「あんた、ちょっといい?」
エリカ「??」
エリカ「何よ、話って」
マルクス「約2ヶ月後…ABCチーム対抗のシャッフルマッチがあるわ。勝ち抜けば文字通り昇格できる。あんたらが日本に帰る直前よ」
エリカ「それで?何で今私に言うの?」
マルクス「あんたのプレイスタイルは過去のデータを見る限り大きく変わっているわ
今までは普通の電撃戦のゴリ押し…西住流の流派に頼ってる戦いが今は周りとの緻密な連携に成り立った電撃戦になっている」
エリカ「よく調べたわね…最近の試合のデータなんて少ないはずでしょうに」
マルクス「私を負かした日本人はあんたが初めてなの。憎くてしょうがないわ…。でも…もう、うじうじして前に進めないのは御免なの。あんたが何故ここまで成長できたのか知らないと私は前に進めないのよ」
マルクス「私もあんたみたいに成長しなければ前にも上にもいけないの」ポロポロ
エリカ(初日のあれを見る限り、こいつは相当プライドが高いはず…なのに格下である私から学ぼうと必死にもがいて、自分の弱さとも向きあって…)
エリカ「じゃあ、長い話になりそうだから夕食が終わったら倉庫に集合よ。うたた寝したらひっぱたくから覚悟しなさい」
マルクス「フン減らず口ね」グス
(その日は夕食後にマルクスと私の今までの経緯を話した。
中学から手の届かない天才が側にいたことから大学選抜と戦い、カチューシャに放たれた言葉や、黒森峰での葛藤を全てを話した。
マルクスも自分の経緯を話してくれた。
まるで過去の自分を見てるようだった。今までの血の滲むような努力…
何も考えずに前だけ…前だけ…それでも届かない…振り返ると前に進めなくなるんじゃないかという焦燥感…才能への嫉妬…
気づくと二人とも嗚咽を出しながら泣いていた。その日は散々泣いて解散した。
だけどこの日から何かが変わりだした
マルクスも"振り返りながら"前へ進むことを決めたのだ。)
マルクス「違う!! あんたの操縦は停車が上手いんだからそこを活かして装填手と砲手との連携を取るべきなのよ。ドリフトは連携が完璧じゃないと実戦では使えないんだから」
Cチーム操縦手「は、はい!」
エリカ「く、くそぅ、やっぱりこれきついなぁカキカキ」
エリカ(黒森峰では戦車道の時間以外はノート交換でコミュニケーションとってたけど、ここだとチームでいる時間が長いからすぐに周りが見渡せる。羨ましいわ)
小梅「うぅ~カキカキ」
(それからのマルクスの成長は早かった。
勝った練習試合でも試合後の次の日までその試合への精査と相手の良し悪しを研究していくようになった。)
マルクス「また、今日も私の勝ちね」
エリカ「一昨日は私が勝ったから明日勝てばトントンじゃない」
小梅(なんか、最初のピリピリとは違う…)
そして2ヶ月後
マルクス「Cチーム整列!!!」
Cチーム「ヤー!」
エリカ「さて、まあ私達が今日このシャッフルマッチで成り上がろうとなかろと私と小梅は三日後に日本に発つわ」
エリカ「ほんと正直、このドイツ人に猿扱いされた時は日本にさっと帰りたかったわ。地図50枚に戦略書けって…何いってんのこいつら状態よ」
エリカ「この2ヶ月、あんた達戦車バカ達と過ごした日々は地獄だった」
エリカ「でもねこの2ヶ月で私達もあんた達も共に成長し、努力してきた。そして今日CからAに変わるこのチームを一生私は忘れないわ」
ラウラ「エリカさん…」
エリカ「だから今日…勝つわよ!!」
一同「ヤーーーーーーー」
マルクス「ったく…最後まで素直じゃない隊長ね」
エリカ「フンどっちが」
マルクス「じゃあ隊長…最後のあれお願いします」
エリカ「パンツァーフォー!!!」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
リクエストなどあればお願いします。
こういうss増えないかなぁ…