2015-02-19 08:18:06 更新

概要

μ'sの裏切りをテーマにしたssです。

観覧注意。
殺し合いの場面がとても多いです。

気分が悪くなった際は読むのをやめてください。
よろしくお願いします。



ことり 「うんっ!こんなもんかな?

かわいい〜♡♡♡これなら

ラブライブのあのステージで

思いっきり目立てるね♡♡♡」フンフンフーン


ことりは、

放課後、教室でラブライブのステージ衣装を

考えていた。

やっとの思いでA-RISEに勝ち、

念願のラブライブに出場できることが決まって

みんなワクワクしていたころのお話。


やっといいデザインが出来上がったところで、

穂乃果と海未が帰ってしまったことに気付いた。


ことり 「あれー?ホノカチャン?海未ちゃん?

どこ行っちゃったんだろー?

衣装デザイン見てもらおうと思ったのに〜」



ことり「ふぇ?なんだか眠く…」




そのあとのことはよく覚えていません。

目が覚めると、見知らぬ場所にいて、

ロープで体がぐるぐる巻きになっていた。








……………………_____________。



ことり 「ん……ここ…は…?」



?? 「いらっしゃい、南ことりさん」


ことり 「あ、あなたは…」


?? 「くすっ…あなたは誘拐されたのよ

ここから一生逃げられないわ

まぁそうね、逃げる方法は1つだけあるの

それはね…
















誰かがあなたを

助けにきてくれたときだけ…よ」




















同時刻 音ノ木坂学院


穂乃果 「あれ?」


海未 「?どうしました?穂乃果」



穂乃果 「ことりちゃんは?」


海未 「さぁ…どこかいったんじゃないですか?アルパカ小屋のあたりにでもいるんじゃないでしょうか」



穂乃果 「あーあ…ことりちゃんと海未ちゃんと一緒に駅前にできた新しいカフェ行こうと思ったのに…」シュン



海未 「では、今日は私と行きましょう

後日3人で行きましょうね」



穂乃果 「あーあ…ことりちゃん…」


海未 「わかりました。今日は私の奢りです

好きなの頼んでいいですから機嫌なおして下さい」


穂乃果 「本当!?」ガタッ


海未 「ええ、ただし、今日だけですからね」









?? 「うふふ…どうやら2人ともあなたを

助けにくる気はないようね」


ことり 「ホノカチャン…海未ちゃん…」


?? 「さぁ、ことりちゃん

なにして遊ぼっか♡」








穂乃果と海未が2人でカフェにいき

学校から出た直後、

メンバー内では大変なことがおきていた。



絵里 「あら、希だけ?他のみんなは?」


希 「えりち!大変なんや!!!

ことりちゃんが!ことりちゃんが!!!」


絵里 「ことりがどうしたの?」


希 「ことりちゃんが誘拐されたんや!!!」



希が手にした手紙を受け取る絵里の顔に

たちまち焦りが現れていく。

部室に届いていた手紙の内容は、

とても平常心で読めるようなものではなかった。




「みなさんこんにちは

いきなりですが、あなた達の大切なメンバー

南ことりさんを誘拐しました。

返してなんかあげないわ。どうしてもって言うなら私を殺しにいらっしゃい

あなた達が必ずしも生きていられるかは

わからないけれど」



絵里 「これ…本当のことなのよね…」


希 「本当だと思う…

ことりちゃんを助けに行かな」



絵里 「でも!!!助けに行ったら誰かの命がなくなるかもしれないのよ!?

そんなの私は絶対に認めない!!!!!」



希 「何言うてるん!?ことりちゃんを見殺しにするつもりなん!?えりちが行かなくてもウチは行く。

大切な仲間が誘拐されて黙ってなんかいられないんや!!!」



ガチャ



にこ 「あー、つっかれた…卒業後の進路ですって?知らないわよそんなの

にこはスーパーアイドルになるのよ!!!」


凛 「ちょっと寒くないかにゃー?」



にこ 「ぬぁんですってぇー!?」


花陽 「あはは(笑)」



にこ 「あれ?アンタ達何してんのよ

希ちゃん顔が怖いニコ〜絵里ちゃんは

泣きそうニコ〜ほら、Nico-Nico smile

ニコ☆」



のぞえり 「にこ(っち)うるさい!!!」


にこ 「ひぃっ!」



凛 「どうしたのー?」


絵里 「な、なんでもないわ!ねっ希!」


希 「そ、そうやで!なんでもないんよ」




真姫 (……何か隠してる…?)



絵里も希も、

生死が関わる事件がおきたことを

メンバーに言えるはずがなかった…。





?? 「あら、絵里ちゃんと希ちゃんが

ことりちゃんを探しにきてくれるみたいね」



ことり 「!!!」



?? 「さて、どうやって殺そうかしら」


ことり 「やめてっ!!!

ことりは…ことりはあなたの好きにしていい!

でも…みんなを傷つけるのはやめて!」



?? 「そんなに言うなら…」













?? 「なーんて言うとでも思った?

冗談じゃないわ。

ここに来たら必ず殺してやるんだから…」


ことり 「お願い…やめて…

それだけはーーー…」





真姫 「……」


真姫は怪しいと感じた。

絵里の携帯に小型GPSをとりつけたのだ。

これで、絵里達が行こうとしている場所がわかる。

そう思ったのだ。



それが悲劇の幕開けになるとは知らず…











絵里 「ことりーー!お願いっ!いるなら返事をして!!!ことり!!!!」



希 「えりち!コレってことりちゃんのカバンに

ついてるリボンじゃ!!」


絵里 「ということはこの倉庫に…!?」



ふたりは大きくそびえ立つ倉庫を見上げた。



希 「じゃあ、ウチは行くね

根性なしのえりちはここで大人しく待っとき

それともおうちにかえる?」



絵里 「誰が根性なしよ

いいわよ、いってやろうじゃない」



そうしてふたりは、

倉庫へと足を踏み入れた。





コツコツ…



ふたりが歩く音だけが静かな倉庫に響きわたる。

少し大きな広間に出た瞬間…






ガシャン!!!!





大きな音と共に扉がしまった。

そこには、黒い服をきた人が箱を持って立っている。



?? 「いらっしゃい絢瀬絵里さん、東條希さん

あなた達には、これから試練をこなしてもらうわ。そこにいる私の手下が持っている箱の中から使う武器を1つだけ選んでちょうだい。」



希 「武器!?」



絵里 「ちょっと!どういうことよ!

あなたは誰なのよ!ことりを返しなさい!」



?? 「無駄口をたたくつもり?

それならこうよ」



絵里 「きゃ!?」



絵里の両手両足は冷たい壁に叩きつけられ、

手錠のような鎖で拘束されてしまったのだ。



希 「えりち!!!!きゃあ!」



希も同様に壁から出てきた鎖で拘束されてしまった。



ガシャガシャと鎖が絡み合う音。

絵里と希は恐怖で足が震えた。




真姫 「絵里ー?ここにいるんでしょ?

いったい私たちに内緒でこそこそ何してんのよ」



凛 「真姫ちゃん真姫ちゃん!ここの倉庫

寒くて暗いニャ

なんでここに行くとか言い出したの〜?」



にこ 「こーんな薄汚い倉庫に

スーパーアイドルにこにーを連れてくるなんて…

舐められたものねぇ…」


花陽 「凛ちゃん…怖いよぉ… 」




絵里 「!?」


希 「みんな!?どうして…!」



ガチャ




にこまきりんぱな 「絵里(ちゃん)!希(ちゃん)!」



絵里 「こっちに来ちゃダメ!!!」



花陽 「きゃあああ!!!」



凛 「かよちん!」


花陽も同様に壁に拘束された。





?? 「うふふ…ようこそ

西木野真姫さん…矢澤にこさん…星空凛さん…小泉花陽さん…あなた達が来るのを待っていたわ。

ここに絵里ちゃんと希ちゃんが拘束されているわね?花陽ちゃんもその仲間になってもらうわ」



?? 「いまから、2人1組に分かれてもらうわ

壁に拘束されている人と自由に動ける人でね

組んだら私に知らせてちょうだい

最初の試練をスタートするわ」



にこ 「はぁ!?なによそれ!

どうして殺し合いなんかしなきゃいけないの!?

アンタの目的はなんなのよお!!!

もういいわ、私は希と組む」


凛 「凛はかよちんと組む!」


真姫 「私は…絵里か…」



絵里 「ちょっと…どういうことよ…」




にこ 「支配人さん、組み分けは決まったわ


1番、矢澤にこ・東條希ペア

2番、西木野真姫・絢瀬絵里ペア

3番、星空凛・小泉花陽ペアよ」



?? 「りょーうかい♡じゃあ

最初の試練をスタートするわね

あなた達、全員武器を1つ選んでちょうだい

ペアで一緒の武器を選ぶのもよし、

違うものを選ぶのもよしよ」



支配人の声が倉庫に響きわたる。


絵里、希、にこ、真姫、凛、花陽は


銃、刀、毒薬、槍の武器から1つを選んだ。




?? 「選んだわね、

じゃあ最初の試練を発表するわ

第一の試練は、相手を守れ

いま自由な人が先導を切る試練よ

壁に拘束されている3人のうち、

1人が死ぬまでこの試練は続くわ

自由な人は、選んだ武器を使って

拘束されている人を殺してね

この試練では2ペアが勝ちとなるわ




絵里 「そんな…!!」


希 「じゃあ、ウチらの中から1人死人がでる

ってわけやん…」ガタガタ



花陽 「嫌だ…死にたくないよお…助けて…」




にこ 「……っ」ギリ…




にこは、何かを覚悟したかのように手先にぐっと力を込めた。

そして、手に握られた銃を力強く構えた。




にこ (希とペアを組むと決めた以上、

にこは絶対に希を守ってみせる。

希だけは絶対にーーーー

……!)



希 「にこっち……」


希がにこを手招きする。

にこがそっと希に耳を近付けた。



希 「にこっち何選んだ?ウチな、どうすればいいか分かんなくて毒薬選んだんよ…

でも、使えないと思いはじめて不安なん。」



にこ 「私は銃よ。

大丈夫。どんなににこが傷付いても希だけは

絶対に守ってみせるわ」




?? 「準備できたわね、じゃあスタート!」





ブーーーーー





耳に残るブザーが鳴り響く。

と同時に動き出したのは真姫とにこの2人だった。



花陽 「がはっ…!!!凛…ちゃ…」


凛 「かよちん!?なんで!!!」



にこ 「甘いわよ凛、花陽のこと全然守れてないじゃない。先手は撃たせてもらったわ

にこはねぇ!希を守るためなら容赦しないわ!!!」バァン!!!



絵里 「いやあっ!耳が!耳がぁ!」


真姫 「絵里!!!嘘…誰がやったのよ!」



にこ 「言ったでしょう!?

にこはどんなことも容赦しないって!」



希 「いやああああ!!!にこっち!助けて!

凛ちゃんを!凛ちゃんを止めて!!!」




にこ 「!?」


凛 「甘いのはにこちゃんのほうニャ

希ちゃんを守る?バカバカしい

かよちんが毒薬を選んでてくれて助かったニャ

凛の選んだ槍に毒薬を塗って

希ちゃんを一刺しすればいいんだニャ」




希 「そんなことしたらウチ絶対に死んじゃうやん!凛ちゃん!落ち着いて!!!」


凛 「あはっ…ばいばい希ちゃん…」






「がはっ…!う…うぅ…は…」ポタポタ…





ブーーーーー




?? 「第1の試練終了ー!」



凛 「えっ!?」



?? 「最初の犠牲者は花陽ちゃんに決定しました。それじゃあ凛ちゃん、これからは1人、だね♡」



凛 「かよちん…どうして…?」



にこ 「一体誰が…」


真姫 「私よ…ノーガードの花陽を殺すなんて簡単なことだわ」ガタガタ


凛 「どうして!?どうしてよ!!!

なんでそんな簡単にかよちんを殺せるの!?

仲間だと思ってたのに!大切な友達だと思ってたのに!凛は真姫ちゃんを一生許さない!」



1年生の中で、友情に亀裂がはしり、

1人は死んでしまった。

凛は泣きながら、鎖から開放された花陽の死体を

ギュッと抱きしめた。




?? 「じゃあ、次の試練をはじめるわ

第2の試練は運だめし…よ

この部屋に、ことりちゃんがいる部屋の鍵を1つ用意したわ。

その鍵を見つけた者はこの試練は不戦勝となるわ」




希 「鍵…?」



?? 「つまり、鍵をとれなかった人の中から

1人をルーレットで決めるわ。

当たった人は、ここにいるみんなに殺されてもらうってわけ♡」




5人 「!?」



?? 「それではスタート!」



支配人の声とともに、5人は部屋中に散らばった。





絵里 「どこよ!どこにあるの!?

嫌よ、こんなところで死にたくない!

私は、亜里沙たちのいる家に帰るの!!」


真姫 「ない…ない…ここもないわ…」




にこ 「私だってそうよ。

家には妹達が待ってるもの。

絶対に見つけてやるんだから!!!」







にこが探していた引き出し付近、

その近くにある時計の電池入れが不自然にあいていた。



にこ (もしかして…)











ブーーーーー





?? 「第2の試練終了ーー!

ロシアンルーレットの結果、2番目の犠牲者は

絵里ちゃんに決定しました

これから生き残ったみなさんには、

椅子に座った絵里ちゃんを一回ずつ傷つけてもらうわ」




希 「誰が鍵をとったんや!?」



にこ 「私がとった」



希 「にこっち!さすがや!!!」



にこ 「このスーパーアイドル

にこにーにかかればこんなこと朝飯前よ!」



絵里 「きゃあああ!!!」ガシャン!!



?? 「うふふ…皆さん…覚悟はいーい?」



絵里 「どうして私?ねぇ、

にこ、希、凛、真姫

私はこれからどうなるの?

私はこれから死ぬの………?」


4人 「…………」



絵里 「冗談よね?ねぇ?

嫌よ、ねぇ、離してよ!!いやああああ!!!

死にたくない!死にたくない!死にたくないいいいぃい!!!」




にこ 「………」


希 「…………」




3年生にとって、絵里を自らの手で殺すことは

とても辛いことだろう。

でも、自分が生き残るには、誰かを犠牲にしなくてはいけない。



支配人の目的は一体何なのか。

それは誰にも分からない。





?? 「最初、凛ちゃんからね、

あ、そうだ。ペアの真姫ちゃんは鎖でつないでおきましょ」



真姫 「絵里!」ガシャン!!



凛 「もうウンザリだニャ。

にこちゃんも希ちゃんも真姫ちゃんも絵里ちゃんも…

みーんな友達ごっこしてたんでしょ?

だって、平気で仲間を殺せるような人だもん

凛は幼馴染みのかよちんを失ったんだよ?

絵里ちゃんは、にこちゃんと希ちゃんに捨てられた。」




希 「違う!!!ウチらは…!!」



凛 「何が違うの?もういいじゃん…

絵里ちゃん…凛と一緒に死のう?」グサッ



絵里 「いやああああああああ!!!」


凛 「かよちん…凛も、絵里ちゃんを殺したら

すぐにそばに行くからね」グリグリ



絵里 「う、…ああああああ!!!ぁあ…あ」


絵里のお腹に、槍の刺が一気に突き刺さる

凛がグリグリと動かすと、

赤い鮮血がポタ…ポタ…と規則正しく落ちてくる。



希が絵里を傷付けることはなく、

絵里は、痛みと苦しみに耐えきれず

イスの上でゆっくりと死亡した。



希 「いや…えりち!えりちいいいぃ!!!」


普段涙をみせない希が

血まみれの絵里を見て泣いた。

生徒会長、副会長と

馴染みが深かった希にとって

絵里の死は、心に大きな穴をあけた。




にこ 「希…」



希 「…う」グスッ


凛 「あはっあはは…血、血、血…

絵里ちゃんの血…かよちんの血…ふふ…

あははははははははははは!!!!」



凛は何かに取り憑かれたかのような口調で

花陽の選んだ毒薬を

何のためらいもなく口の中に放り込んだ。



真姫 「やめなさい凛!!!」



凛 「うあああああ!!!!ははっは…」バタッ




それから2分とたたずに

凛は全身を激しく痙攣させて死亡した。




?? 「あーあ…凛ちゃん自殺ぅ?

つーまーんーなーいー」


支配人はつまらなそうに声を響かせる。

そしてついに

にこの怒りは頂点に達した。



にこ 「あんたねぇ!!!あんたねぇっ!

こんなことして何が楽しいのよ!?

私達に不満があるんなら正々堂々と面と向かって言いなさいよ!とにかくすぐに出てきなさい!!!」



?? 「え、いやよ。あなたたちみたいな人間に

私の姿をみる権利なんかないわ

まぁ、半分のメンバーが死んじゃったわけだし、すこしの間休憩させてあげる

私はその間にことりちゃんと遊んでこなくっちゃ♡」カツカツ



希 「……そうや、ことりちゃん…

ことりちゃんを助けるためにウチらはここに来たんや!

こんなことで泣いたりしたらあかん。

にこっち。ペア解消しよう。

どっちみち人数が少なくなったら支配人は

ひとりひとりにするつもりや」



にこ 「希!?」



希 「ええか、にこっち。真姫ちゃん。

ウチはことりちゃんと2人で生きて帰る。

そのためなら容赦しないで」













同時刻…

何も知らない穂乃果と海未は

カフェで楽しくおしゃべりしていた。



海未 「あ、あの…穂乃果…まだ食べるのですか?」


穂乃果 「ぬぁんえー?」(なんでー?)


ケーキを3つも4つも頼んで

幸せそうに頬張る穂乃果と、

奢りと言ってしまった手前、あとに引けない海未。


穂乃果 「だって、今日は海未ちゃんの奢りでしょー?全種類味見して、ことりちゃんにどれがおいしいか教えてあげるんだ〜♪」ハムッ



海未 (私の財布がどんどん軽くなっていく…)



そう思いながらも、海未は、

大好きな穂乃果が幸せそうに食べるため、

何も言えなかった。

そして、顔がゆるんでしまう。


海未 「そうですね…絶対に3人で来ましょうね」



穂乃果 「うんっ!」



2人は、ことりが誘拐され、

何人ものメンバーが殺されたことなんか

考えもしなかっただろう。

果たして、この2人に真実を教える者は

現れるのだろうか………。








?? 「みた?ことりちゃん

2人とも、あなたとカフェにいくのすごく楽しみにしてるわよ」


ことり 「ホノカチャン…海未ちゃん…」グスッ



?? 「カフェいけるといいわね」



ことり 「それじゃあ!離してくれるの??」


?? 「ううん?ここから出るとき

あなたは生きていられるかしらね?」クスクス










希 「…………………。」



にことペアを解消してから、

希は一切笑わなくなった。

全ての感情をなくしてしまったかのような

冷たい目。

幼いあの頃を嫌でも思い出してしまう。



希 「……ウチが…ことりちゃんを助けるんや

どんな手を使ってでも必ず生き残ってみせる」





希は、そうつぶやくと、最初に選んだ

毒薬の袋に手を伸ばした。


死んでしまった仲間の武器を

にこと真姫の目を盗んで自分のものにした。

花陽の選んだ毒薬は残り3つ。


銃に入れて撃つと体の中がとても熱くなる薬

刀や槍に塗って刺すと、刺した部分から

だんだん肉体が溶けていく薬

飲ませると全身が痺れ、動けなくなる薬。



飲むと即死する薬は、凛が服用してしまい

もうなかった。


希が選んだ毒薬は、撃てば即死という

特効薬はなかった。

代わりに、自分を守る薬を作ることはできるようだ。




希 「………。」


作り出した薬は感情のなくなる薬





若干のためらいもあったが、

これから起こることを予想し、思い切って口に放り込んだ。



?? 「じゃあ、次の試練をはじめるわ

その前に、にこちゃん、希ちゃん、

ここからは個人戦だから、ペアを解消してね」




希 「ウチらとっくにペアは解消してるで」



冷たく言い放った希をみて、

にこは泣きそうだった。

スーパーアイドル矢澤にこにとって、

泣くことはプライドとして

許されることではなかった。



けれど、一人ぼっちの自分を救ってくれた

あの優しい希が放った冷たい言葉に

涙がとまらなかった。



にこ 「………っ」


真姫 「にこちゃん……」




?? 「次の試練は痛みに耐えろ

みんなには、この台に横になってもらうわ

ランダムで痛みを加えていくから

限界ギリギリまで耐えてね

大丈夫よ?死ぬわけじゃないしちょっと痛いだけだから♪」



にこ 「痛みに耐えるなんて無理…

にこは今…心が痛い…」


希 「………。」



真姫 「希、何とか言ったらどうなの?

にこちゃんは希のことを信じてたのよ!?

なのにどうして…こんな切り捨てるような事…」




希 「別に、」



真姫 「希!!!!!!」



にこ 「真姫ちゃん…もういいから…」



にこは泣きはらした目で真姫を見据えた。

3人は処刑台のようなところに横になった。




?? 「それじゃあ試練をスタートするわ

ボタンを押して、

あなたたちに痛みを加える執行者は

ことりちゃんよ」



にこ 「…え!?」


真姫 「ことり!?」



希 「面白くなってきたやん…?」ゴクッ




希が何かを飲み込んだ。

しかし、誰もそれに気付くことはなかった。





?? 「それじゃあ試練スタート!」



モニターに映し出されたことりは、

目隠しをされたままボタンをさがし、

なにが起こるのかも知らないままボタンをおした。




にこ 「ああああああああ!!!」



最初に悲鳴をあげたのはにこだった。


にこは、足の裏を十字に切り裂かれ、

悲痛な声をあげていた。



にこ 「痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!

誰か助けて!お願いだからぁああ!!」



真姫 「ぐはっ…!う…ぅうええ」



真姫には、下腹部に石の重りが乗った。

だんだんとかかる圧力で、

真姫のお腹のなかで、なにかがはじけた。






真姫 「痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」



つぎに悲鳴をあげたのは

またしても真姫だった。


いつまでたっても、希の悲鳴が聞こえない。





希 「…………………」


不審に思ったにこが

痛みに耐えつつ希に目を向けた。


機械は、きちんと希に痛みを加えていた。

なのに痛がらず、声もあげない。









実は、希は試練スタートの前に

どんな攻撃も無痛になる薬を

こっそり飲んでいたのだ。



?? 「終了ーーー!

みんなよく耐えたわね、じゃあすぐに

3人の最後の試練をスタートするわ」



にこ 「えっ!?」


真姫 「う…ごほっ…ごほっ…まだ続くの…?」






















?? 「そう、まだ続くのよ

生き残ったのが1人になったときまで…ね」




にこ 「そんな…」



?? 「次の試練で人数を減らすことができるわ

いまから一斉にこの階段をかけあがってもらいます。1番についた人から首つり1分、3分、5分


早い者勝ちよ」






真姫 「首つり!?」


にこ 「そんなの無理よ!!!耐えられるわけないわ!!!」



?? 「さぁ、どうかしら?

これで生き残れたら真のスーパーアイドルだとおもうけど??にこちゃん」



にこ 「………っ」ギリギリ




にこ 「いいわよ、やってやろうじゃない」



希 「おもしろくなってきたやん?」



こうして、誰かが死ぬかもしれない試練に

にこ、希、真姫の3人は挑むことになった。



?? 「うふふ…覚悟はいーい?」






?? 「それでは、よーいスタート!」



ブーーーーーー





3人は、一斉に走り出そうとした。

しかし、足の裏を怪我したにこは、

思うように動けなかった。



それどころか、立ち上がることさえも

不可能に近い。

痛みと苦しみと心の傷をかかえたにこは

歯を食いしばった。




にこ 「うう…っ足が…痛く…て立てな…」


真姫 「にこちゃん、私につかまって」



真姫はお腹と指の爪を剥ぎ取られただけだった。

歩くことに少し支障はでるものの、

苦しむにこを放っておけなかったのだろう。

彼女は、ライバルに手を差し出したのだ。




にこ 「真姫ちゃん…?どうして…?

どうしてにこなんか助けてくれるの??」


真姫 「当たり前じゃない。

だってにこちゃんは大切な仲間だもの」






真姫 「放っておけるわけないじゃない…」




にこ 「ありがとう…ほんとにごめんね」




希 「………………」カツカツカツ



希は、にこと真姫をじっと見ていた。

そして、何も言わず階段をあがっていく。

無痛薬の効果で足の痛みを感じない希は、

助け合う2人をよそに

1番に階段を登りきった。





?? 「希ちゃんが1番ね

それじゃ、このロープに首を通して…そうよ

1分間耐久スタート!」





ガターーーーーーーーン!!!

ギッギギッ




にこ 「きゃああ!!!!希!!!」



真姫 「う…そ…嫌だ…こんなの…」




にこと真姫が階段を登りきった丁度その時

希は、2人の視界から消えた。





希 (う…苦しい…でも…このまま

死ぬわけには行かないんや…ウチは…ことりちゃんを助けて外の世界に帰らんといけないんや!!!)




希の服用した薬の効果は、

階段を登りきった時

効果切れしてしまったのだ。


だが、今まで薬の効果で放った

にこへの冷たい言葉を突き通すように

感情がなくなった人間を演じることにした。





?? 「希ちゃんお疲れ様、解放するわ」



希 「がはっ…!!!うっ」ドサッ



正気に戻った希は、

咳き込み、冷たくて固い床に叩きつけられた。





にこ 「希!?希の態度が戻った!?」



?? 「じゃあ、次はにこちゃんよ」







にこ 「いやあああああああああ!!!!」ギギッ





容赦なく底が抜け、にこは

覚悟が出来ていないまま、

真っ暗な闇に落ちていった。



希 「にこっち!!!!?」




にこ 「の…ぞ…み…よかった………くっ…」ギギッ








にこ 「ほん…とに…ごめんな…さい…」ギギッ







希 「なんで謝るん!?」




にこ 「だって私…は…う…」





真姫 「いやああああああああ!!!!」




希 「!?」


にこ 「!?」




処刑台の上で、真姫の絶叫が響いた。

支配人の声に反応したのだろう。

真姫は…もうすでに…











狂っていた。







真姫 「嫌よ嫌よ嫌よ……嫌…ふふっ

あははっ私は死なない私は死なない…死なない死なない死なない!!!!!

絶対にこんなところで死ぬもんですかあああ!!!!」




?? 「うるさいわね…黙りなさい」




真姫 「あああああああ!!!!! 」




真姫は、笑いながら真っ暗な闇に落ちていった。




真姫 「ははははははははははははっ

ぐあああ…助けてよぉ誰か…うふふふふふ」




にこ 「真姫ちゃん…!?」


希 「首つってるのに1人で笑っとる…」



?? 「やだ、真姫ちゃん怖いんだけどお」




さすがの支配人も

少し引き気味だった。





真姫 「ははははは!これで私は死なないことがわかったわ!!!!5分?全然平気よ

楽勝だわ!!!!!」ガタガタガタ





首をつりながら笑うのをやめない真姫

さすがに限界がきたのか、

今度は悶え始めた。





真姫 「あ、あ、あ、あ、あ、あ、し、死ぬっ

助けて…助けて…助けて助けて助けて」





?? 「3分経過ー

あ、そうだ。希ちゃん、そこにあるナイフ使えば真姫ちゃんを苦しめられるわよ

自分が生き残るためには…何をすればいいのかしら…?」




希 「そうやね…真姫ちゃんはウチにとって

邪魔なんや…そうやね…ふふふ」ブツブツ





希は、ナイフを手に取り、

1人悶える真姫に近付いた。






真姫 「ああああああああ!!!」



首をつっているにも関わらず、

どこからそんな大声を出せるのだろうか。



希 「なぁ、真姫ちゃん…ウチが勝つための

手助けをしてくれへん?」



にこ 「手助け…??」



真姫 「ぐあああ…あ、あ…」



希 「せや、いまから真姫ちゃんには

苦しみを味わってもらわなあかんのや」





希は静かに、持っていたナイフを

真姫のふくらはぎに当てた。








グサッ









にこ 「きゃあ!」




真姫 「のぞみぃいいいぃ!!!何するのよぉおおおおお!!!!」





ナイフは、真姫のふくらはぎを切り裂いた。





縦方向に赤い筋ができていく。






希 「あのな、真姫ちゃん…

ウチ、ことりちゃんを助けるっちゅう義務があるんや。せやから、邪魔な真姫ちゃんを殺そう思ってな」




?? 「真姫ちゃん終了ーー」




真姫 「ああああ!!!」ドサッ





希が足を切ったせいで、立てなくなった真姫は

その場に崩れるように倒れた。


崩れた真姫の上に、ナイフを持った希が

馬乗りになった。





にこ 「あ…!!!」





にこは思った。

希は、死体ばかりが転がるこの部屋に

何時間もいたことで

精神が参ってしまったのだろうと…。

そして、真姫は










これから希に殺されるということを…





真姫 「はぁはぁはぁ…の、希…何してるのよ」



希 「聞いてなかったん?

ウチは、真姫ちゃんを殺す。

そう言ったんや」ギラッ




真姫 「ひっ…!や、やめてよ…」ガタガタ


希 「ウチ…真姫ちゃんと過ごした日

ぜーんぶ楽しかったで。

合宿のとき、別荘かしてくれて

ほんまにありがと

それから、こんなおせっかいなウチと

友達になってくれてありがとう

μ’sに入ってくれてありがとう…これで

ウチの夢は叶って消えた。」
































「さよなら、真姫ちゃん…」








真姫 「ちょっと待ちなさいよ」



希 「なんや」



真姫 「あなたが私を殺せるわけないわ」



希 「どういう意味や」


真姫 「あなたはさっきから誰かの犠牲のうえで生きている。そんな根性なしに私を殺せるわけないわ」



確かにそのとおりかもしれない。

希は、誰も傷付けずに生きてきた。

でも、希の意志は変わらなかった。




希 「………」




真姫 「や、やだ…やめて…いやあああああ!!」









真姫の返り血を浴びた希は、

ニヤリと笑い、視線を反対側にむけた。







希 「なぁ、教えてくれへん?

こんなことして何が楽しいん?

支配人さん。

































それと、にこっち。







にこ 「え……?」




希が放ったのは、支配人とにこを疑う声

にこは真っ先に反論した。




にこ 「え、何言ってんのよ?

にこはずっと希たちと一緒にいたじゃない

どうして支配人と一緒にするの??」


希 「最初に、ウチと絵里ち、花陽ちゃんの3人が拘束されたとき、

なんで殺し合いなんてしなきゃいけないのかって言ったやん?

これからここで殺し合いがおきることを知っていたのは何故?」



にこ 「そんなの、あんな状況でこんな場所にいたら誰だってそう思うでしょ!?」




希 「こうも言ってたで、

にこっちが足の裏を怪我して歩けなくなったとき

真姫ちゃんが手を貸してくれたやろ?」



にこ 「ええ、そうよ

それがどうしたのよ」



希 「あの時、にこっちは

どうしてにこなんか助けてくれるの?って言ってた。

なんかって何や?にこっちが裏切り者やから

どうしてって意味と違うんか!?」





希は肩を震わせて叫ぶ。

にこも同時に肩を震わせた。






















にこ 「あはははははははは!!!!」





にこは、急に笑い出した。

肩を震わせて思いっきり笑っている。




にこ 「ははっ…そうよ、にこは支配人の仲間よ

あーあ…見つかっちゃったあ!!!」




希 「どうして…」




にこ 「うまく真姫ちゃんがGPSつけてくれたから、自然な流れでここに来れたわ。

あ、真姫ちゃんはにこ達の仲間じゃないわよ




希 「GPS!?だから真姫ちゃん達…」



にこ 「そ、だからここの場所が分かったのよ

最初の試練が通達されたときに口が滑ったのよ

でも、誰にも聞かれてないと思った。

でも、聞かれてた。

こんなこと聞き逃さないなんてさすが希ね」



?? 「にこちゃん、

そろそろ時間なんじゃない?」



にこ 「そうね」




支配人の声で、にこは拳銃を手にした。





希 「ウチを殺すん?」


希は、自分が殺されるかもしれない状況でも、

平常心を常に保っていた。

本当は怖くて怖くて仕方なかったのだけれど…





にこ 「そう、希は今から死ぬのよ

希はことりを助けることは出来ないの。

にこに殺されて死ねば、穂乃果と海未に

みんなが居なくなった理由を言う人はいないでしょ?

そして、にこは邪魔なアンタ達から解放されて

宇宙No.1アイドル矢澤にこになるのよ!!!







凶悪な笑顔を浮かべたにこは、

拳銃をまっすぐ希にむける。




にこ 「今日はね、これからソロアイドルの

オーディションがあるの。こんな所で

油を売ってる暇はないのよ!!!」バァン!







希 「………っ」




にこが撃った球は、希の頬を直撃した。

赤い筋が流れる。

だが、にこに裏切られた心の痛みに比べたら

こんな傷痛くも痒くもなかった。




希 「なぁ、にこっち…ウチな、

体育の時間にやったドッジボール得意やったんよ」





にこ 「はぁ?ついに頭おかしくなったの?」



希 「ウチはボールを投げるのが得意。

敵陣に当てるのも得意。

せやから、こうしてみるのもありなんとちゃうかな?」ヒュッ








希はにこに、当たった所から

肉体が溶けていく毒薬を投げつけた。

そして、見事ににこの腹部に当たったのだ。






にこ 「ああああああああ!!!!!」ドロ…






腹部から徐々に、にこの肉体が溶けていく。

この時、希は無我夢中だった。

何も考えず、とにかく、ことりを助けることに夢中だった。




にこ 「だ…だったら穂乃果たち…に…伝え…て

μ’sはこれで…解…散って…ふふふふ」ドロドロ




希 「にこっち…さよなら、

ウチ、みんなのためにも生きるから」







数分後…





カラン…




にこは完全に溶けていなくなった。

持っていた銃と髪を結んでいたリボンだけが

地面に残る。




?? 「にこちゃんも使い物にならなかったか…

まぁいいわ。これであなたの勝利ね

おめでとう希ちゃん」





希 「まだや。支配人さん、

そろそろ出てきてもええんちゃう?」



?? 「そうね、そろそろ私と

会ってもいい頃かしら…」










ギギィー









コツ…コツ…コツ…




支配人が、ついに希の前に現れたのだ。

その正体に、希は驚いた。







希 「え…っどうしてあなたが…?

そんなことする人じゃないはずやん…

どうして?どうしてこんな酷いことをするん?

教えてよ…

































あんじゅさん…」






希の前に現れたのは、

A-RISEの優木あんじゅだった。

フワフワの髪をなびかせて、

いつもと同じ可愛い顔をしていた。




だけど、

目は笑っておらず、

冷たく不気味な印象だった。




あんじゅ 「こんにちは。希ちゃん

よくここまでたどり着いたわね」


希 「なぁ…ことりちゃんは?」


あんじゅ 「心配しないで、ちゃんと生きてるわ

出来たとしてもかすり傷程度のものよ」




希 「これで、

ことりちゃんを返してくれるんやろ?」



希はこの試練の目的を伝えた。



あんじゅ 「うーん…そんな簡単に

返してあげられるほど、私、心広くないわ

そうね、じゃあ私を殺すことができたら

ことりちゃんを返してあげる。

これでどう?」



希 「どうして殺すことを条件にするん?

あなたを殺しても誰もフェアじゃないやん

それに、ここで死んでしまったウチの仲間は

どうするつもりなん? 」



あんじゅ 「知らないわ。

あなたの好きにしたら?」





あんじゅ 「どうせ、あと数時間後には

みんな溶けていなくなっちゃうだろうけど」




希 「溶けてなくなる!?」


あんじゅ 「そうよ、この倉庫にはね、

有害な毒ガスが充満しているの。

吸い込んだ体のまま弱ったら溶けてしまうのよ」




希 「そんなんで…ウチの大切な仲間を

殺したん?」



あんじゅ 「µ’sが邪魔だったのよ

とくにことりちゃん。

最終予選の日、ことりちゃんたちが間に合わないって絵里ちゃんがスタッフさんに言ったわよね」




あんじゅ 「そのとき、聞いたの。

ぶっちゃけA-RISEよりもµ’sのほうが上だって

スクールアイドル界のゆるふわ女子は

ことりちゃんだって。

優木あんじゅはただの飾りだって」




希 「………………。」



あんじゅ 「だから、私は私のするべきことを

しただけよ」


希 「………………。」



あんじゅ 「私たちはずっと前から

予選も本選も1位通過だった。

なのに突然あなたたちµ’sが現れて

いきなり私たちの人気を奪った。

そして、どんどん大きくなっていった。」






あんじゅ 「µ’sさえ、µ’sさえいなければ!!

私だってこんなことしなくて済んだのよ…


これはA-RISEの復讐。ほかのどんなものでもないわ!!!!」



あんじゅは、唇を噛み締め、

涙を浮かべながらそう叫んだ。

あんじゅの話を聞いていた希は、

ふつふつと怒りがこみ上げてくるのが分かった。





希 「どうして…?どうして!!!?

A-RISEがウチらに勝てなかったのは、

お客さんの心を奪ってなかったからやろ!?

少なくともウチらは、どうやったら

ファンのみんなが喜んでくれるかを考えてた。

そして、ラブライブの本選に進むことが出来たんや。」






あんじゅ 「嫌!やめてっ!私たちよりも

人気のあるスクールアイドルなんか見たくないわ!!!」



希 「なぁ…あんじゅさん 」




希は、そういって続けた。



希 「穂乃果ちゃんな、ラブライブ本選出場が決まって、飛び跳ねるくらい喜んでたんや。

みんなで最高のステージにするんだーって

今まで見たことないくらいの笑顔やったで」



あんじゅ 「…………っ」ギリ…




希 「そんなに喜んでた穂乃果ちゃんに

ウチらは、この状況をどう説明したらええ?

あんじゅさんに殺されたって言えばええかな?」



あんじゅ 「そんなの…そんなの言いがかりよ!

私は…みんなに指示を送っていただけだもの

勝手にみんなが解釈して殺しあっただけじゃない!!!」




希 「ウチは仲間を失いたくなかった

なのに、こんな試練に巻き込まれて…




希 「ことりちゃんは衣装作り頑張ってた

海未ちゃんは、恥ずかしい言うてたけど歌詞作り頑張ってた

みんなそれぞれ頑張ってたんや。

なのに、なのに、そんなウチらの夢を壊した

あなたが許せない!!!!

ウチの宝物を壊したあなたが許せない!」












希は、にこが残した銃で

思い切りあんじゅの全身を撃った。








あんじゅ 「あ…………………………」ヒューヒュー





あんじゅの喉元から笛声音が聞こえた。

ヒューヒューとなる喉元をおさえ、

あんじゅは、自分の最後を実感した。











あんじゅ 「あーあ…も…う私に…できるこ…とは

ないわね…さよなら…希ちゃ…」バタッ






あんじゅはその場に倒れ、

息途絶えた。









希 「……………っ」グタッ





すべてが終わった。

開放感と罪悪感と後悔が希をむしばむ。

にこのポケットに手を入れた希は、

ことりのいる部屋の鍵を手に取り、

倉庫の奥にある壁の一部をグッと押した。


鍵穴が顔を出す。


このドアを開ければ、ことりちゃんに

会えるんや。

唯一生き残ったウチらで家に帰ろう…









ガチャ…












希 「ことりちゃん…?ここにいるんやろ?」



ことり 「希ちゃん!!!!!!

嘘みたい!助けに来てくれたの!?」



希 「当たり前やんそんなの

μ’sはこの9人なんや。でも…もう… 」


ことり 「………ねぇ、希ちゃん…

ことりね、ひとりでこの部屋に閉じ込められてすっごく寂しかった。

この試練がおわったら、みんなで帰れるんだって…そう思ってたの…」グスッ




ことりは、その場にしゃがみ、泣き始めた。


ことり 「でも…もうみんな…目覚めることはないんだね…」




希 「…………」グスッ







ことり 「ねぇ…希ちゃん…生き延びようね

これから先もずっと…」




希 「もちろんや。

7人のためにもウチらは精一杯生きなあかんのやで」








コツコツ…




解放されたことりと希は、

亡くなった7人をもう一度見ることにした。



希 「あのな、ことりちゃん、

ここから先に行く勇気はある?」



ことり 「ある。ことりのせいで…みんなは死んじゃったんだから、ちゃんと見届けてあげたい」



希 「そっか…ほな行こか」




ギィ…








部屋の扉を開くと、

そこには7人の姿はなかった。





ことり 「……………え?」




希 「…………間に合わんかった」



ことり 「みんないない…」


希 「あんじゅさんが言ってたんや、

この部屋には毒ガスが充満しとるって

弱った体のまま、このガスを吸うと

溶けて消えてしまうって…」



ことり 「そんな………」







ことりは、事実を知ってしまったことで

涙をとめることは出来なかった。










希 「…………だめや、ことりちゃん…

ウチらは生き残ったんや。外に出よう?」



ことり 「うん…」





こうして、2人は無事

倉庫の外に出ることができたのだ。









穂乃果 「ことりちゃん!?」


ことり 「えっ?」




そこにいたのは、

何も害を受けてない

今まで起きたことをしらない

穂乃果と海未だった。





海未 「希!?どうしたのですか!?この怪我!」



希 「…………え?ウチは元気やでー?

怪我なんて大したことしとらんもーん」




海未 「でも!!!」



希 「大丈夫やって、これ以上心配したら

わしわしMAXやでーーーーーー!!!!」ワシワシ




海未 「何するんですか!!!」/////



穂乃果 「ことりちゃん、こんな使われてない倉庫の中でなにしてたのー?」






ことり 「な、なにもしてないよ?希ちゃんに

相談に乗ってもらってただけだから!」



希 「そうやでー?

海未ちゃん、ほれほれアグレッシブなのいーくーよー?」ワシワシ





海未 「やーめーてーくーだーさーいー!」ジタバタ





希も、ことりも、

真実を言わなかった。











翌日



穂乃果 「こっとりちゃーん!うーみちゃーん!

おっはよー!今日もーいい天気~!」



海未 「ハァ…相変わらず穂乃果は元気ですね

そんなにカフェにいくのが楽しみだったんですか?」



穂乃果 「もっちろんだよー!

早く行こー!ことりちゃん!美味しいケーキたっくさんあるから好きなの頼んでいいって!」



ことり 「ホントー?わぁい♡ 」




海未 「え…待ってください!頼んでいいって

どういうことですか!?」



穂乃果 「今日はー、海未ちゃんの奢りなんだってー!」


海未 「そんな約束してません!

こら!待ちなさい!穂乃果ーー!!!!」



穂乃果 「やだよーーだ♪」













ことり (ことり、今、

こうしていられることがとっても幸せです。

いつまでも生き残った4人で学校に行ったり

笑いあったりできたらいいなぁ…)



ことりはそう心の中でつぶやいた。

そして、3人はカフェへ入り、

海未の奢りでケーキをたくさん食べたのだった。










海未 「もう!どうして今日も私の奢りなんですか!?」



海未 (私のお財布が更に軽くなっていく…)



穂乃果 「まぁまぁー!

美味しかったんだからいいじゃーん♡」



ことり 「美味しかったねー!

ことり、幸せっ!」ウフフ







い つ ま で も こ の 瞬 間 が ず っ と 続 け ば …












パッパーーーーー!グシャッ…





























その情報は、早くも学校全体に広まった。

音ノ木坂学院スクールアイドルμ’sの謎の失踪

そのうちの3人は、

飲酒運転のトラックに轢かれ即死

1人を残し、5人は行方不明という情報。




生き残った東條希は、

報道陣やテレビ局、学校全体

たくさんの情報局にその事件について聞かれたが

決して口を割らなかったそうだ。





報道陣やテレビ局は、

ラブライブへの出場は辞退ということだけ

明らかになったと告げている。







そして、希はμ’sが自分1人になったことに

耐えきれず、卒業まで残り1ヶ月というときに

ほかの高校へと転校した。







先生 「みなさん静かにー!

卒業まで残り少ないですが、

新しい仲間を紹介します。

隣町の音ノ木坂学院からきた東條希さんよ」




希 「あの…東條希です…こんな時期に

転校してきてごめんなさい…よろしくおねがいします…」



A 「…………………」


B 「…………………」


C 「…………………」








希 「………………」



A 「ねぇ、あんたさ、

こんな時期に転校してきてどういうつもり?」



B 「そーだよ、ウチら卒業まで残り少しだから

クラスで、まとまろうと思ってた所なのに」


C 「もしかしてコイツ、学校でイジメられてたんじゃない?(笑)」アハハ




希 「…………………………」






ガラの悪そうな女子生徒に早速絡まれた。

これは偉いところにきてしまった。

希はそうおもった。





A 「ねぇ、あたし、いいこと思いついたー!」


B 「なになにー?」


A 「なんも言わないってことはー、

前の学校でイジメられてたってことじゃん?

だったら、それ、続けてあげようよー!」


C 「それいい!」







こうして、希は新しい学校でも

ひとりぼっち、いじめの対象になってしまった。





毎日毎日、教科書などへの落書き

黒板消しのイタズラなど

悪質ないじめは続いた。









希は、もう耐えられなかった。





穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん、

凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃん、

絵里ち、にこっち…


みんなに会いたいよ…








この学校では、希の居場所はなかった。































希 「やっぱり、ウチにはμ’sが必要なんやね」




そういって、希は新しい場所で

μ’sのみんなと幸せに暮らしたのである。





End


このSSへの評価

15件評価されています


SS好きの名無しさんから
2019-07-03 23:18:44

SS好きの名無しさんから
2018-07-26 21:10:05

SS好きの名無しさんから
2018-02-02 20:53:19

SS好きの名無しさんから
2017-11-10 22:21:41

SS好きの名無しさんから
2017-07-06 13:07:00

SS好きの名無しさんから
2017-02-16 03:22:05

SS好きの名無しさんから
2016-12-10 00:20:18

SS好きの名無しさんから
2016-04-02 20:27:51

SS好きの名無しさんから
2016-03-21 13:32:09

SS好きの名無しさんから
2015-09-22 02:44:09

SS好きの名無しさんから
2015-08-29 14:08:13

RYOさんから
2015-04-11 08:46:13

SS好きの名無しさんから
2015-04-08 02:12:49

テルさんから
2015-02-22 20:32:04

xxxvさんから
2015-02-19 20:06:44

このSSへの応援

15件応援されています


SS好きの名無しさんから
2019-07-03 23:18:50

SS好きの名無しさんから
2018-07-26 21:10:08

SS好きの名無しさんから
2016-12-10 00:20:09

SS好きの名無しさんから
2016-09-25 14:47:33

SS好きの名無しさんから
2016-06-25 09:23:41

SS好きの名無しさんから
2016-06-07 15:46:34

SS好きの名無しさんから
2015-09-22 02:44:14

SS好きの名無しさんから
2015-08-07 11:30:13

白いご飯さんから
2015-04-18 21:37:29

ギョタンさんから
2015-02-18 20:46:55

リリーゾーンさんから
2015-02-14 23:17:37

テルマックさんから
2015-02-09 07:43:34

SS好きの名無しさんから
2015-02-03 17:16:50

SS好きの名無しさんから
2015-02-02 12:33:23

xxxvさんから
2015-01-28 09:43:22

このSSへのコメント

11件コメントされています

1: xxxv 2015-02-19 20:06:23 ID: hOfz4Xvo

SAWを思い起こすサバイバル(直球)ゲームですね。死体に鞭打つどころかヘッドショット決めるかのような、救われない世界観に吸い込まれそうです。

2: SS好きの名無しさん 2015-04-08 02:12:10 ID: o1opLt88

このssを見ていて、文に引き込まれていきました
次はどうなるんだろうと読んでいて思いました。
ラブライバーとして見るのは辛かったですが、非常に
面白かったです。

3: SS好きの名無しさん 2015-11-14 20:33:54 ID: C9rV0e6i

7人の姿って?
凛、花陽、絵里、にこ、真姫、あんじゅで6人では?
勘違いだったらすみません。
面白かったです。

4: SS好きの名無しさん 2016-02-14 23:19:28 ID: pbNclP-V

ラブライブの鬱ssはとても面白いですが、特にこれは面白いなと思います!!

5: SS好きの名無しさん 2016-04-02 20:28:40 ID: 3pMeGPTU

この人のSSって、小学生でも考えられそうな内容な上に現実味無いよね

6: SS好きの名無しさん 2016-06-14 21:19:13 ID: uOMMiaPq

とりま、作者は死ね

7: SS好きの名無しさん 2017-01-12 23:01:57 ID: my8DXNep

他のssよりも面白かったです!

8: SS好きの名無しさん 2017-07-06 13:06:52 ID: k0LB1XLd

ストーリー性皆無、書き方も下手、展開に捻りもなく、現実味も無い
しかも誰にでも考えられるような内容

書いたのは小学生かSS書き慣れてない中学生?

9: SS好きの名無しさん 2017-07-06 13:09:20 ID: k0LB1XLd

あと無駄な改行のせいでかなり読みにくい

他の作品も見て来たけど、キャラ把握も出来てないし中身薄いし書き方も上手くない、その辺の高校生の方がマシな作品書くレベル

10: SS好きの名無しさん 2019-04-26 20:05:54 ID: S:YkonyW

学校ではにこちゃんとルビィちゃんが虐められそう

11: SS好きの名無しさん 2019-04-26 20:19:59 ID: S:IUQKuR

凛ちゃんと穂乃果ちゃんは虐められそうで虐められない
虐められるのは、ことりちゃん、真姫ちゃん、花陽ちゃん、海未ちゃん、にこちゃん、ルビィちゃん
ことりちゃんとにこちゃん、自分が一番かわいい子アピールをして虐められる
花陽ちゃんとルビィちゃんは弱い子アピールをしていて虐められる、花陽ちゃんは、白米の事やアイドルの事になると人が変わって虐められる
海未ちゃん、お菓子や揚げ物などの入った弁当を持ってきている子や食べている子にこんなものを食べたらいけませんよ!だからあなたは太るのですよ!と太っている子を傷つける言い方をして虐められる
真姫ちゃん、友達とか先輩などに対して、友達や先輩方が話している時に自分では相手の話している内容がよく分からない時に何それイミワカンナイとか言って虐められる


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください