2020-05-06 02:10:29 更新

概要

この作品は、一人の青年が様々な難題に遭遇しながら必死に提督として成長していく物語です。


前書き

※誤字、脱字または文脈の乱れ等、至らない点が多々あると思いますが、どうか温かい目で見てやってください。
※キャラ崩壊ありです。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。


鎮守府に着いた時には既に辺りは暗くなり始め、


人気が無いのも合わさり何処か不気味な雰囲気が漂っていた。


青年「ここが鎮守府で間違いないんだよね?」


時雨「はい。此処が舞鶴鎮守府です」


間違えてはいないようだ。


青年「・・・とりあえず、司令部のある建物に案内してくれないか」


時雨「了解しました。こちらです」


そう言い、真っ直ぐ進もうとする時雨。


青年「あ、待って」


時雨「どうかなさいましたか?」


青年「よかったら、敬語はなしにしないか?」


青年の思わぬ発言に足が止まる。


時雨「え?」


青年「やっぱり、年下の女の子に敬語で話されるのって違和感があるんだ」


青年「それに、時雨だって話す時に一々敬語で喋ってたら疲れるだろ?」


青年「これから一緒に戦う仲な訳だし、堅苦しいのは無しにしたいんだが、どうだ?」


青年のその言葉で、心の奥に押し込んだ本物が零れ出る。


時雨「・・・いいのかい?」


青年「あぁ!」


時雨「・・・提督が言うなら、分かった。自由にさせてもらうよ」


時雨「提督、これからよろしく」


提督「ああ。よろしく、時雨」


時雨「あ。あと、僕は提督よりも年上だよ」


提督「えぇぇ!!?」


時雨「艦娘って、年を取っても容姿は変化しないんだよ」


衝撃の事実を知った提督は、何よりも先に頭を下げた。


提督「これから、よろしくお願いいたします・・・」


時雨「敬語は無しだよ、提督」


その後、可笑しくなって互いに笑い合う二人の声が鎮守府中に響き渡った。




時雨に連れられて入った建物は、鎮守府の真ん中に位置する、他より一回り大きい建物だった。


建物の外観はかなり年期の入っている様子だったが、内側は外観からは想像ができないほど整えられていた。


提督 「思っていたよりもずっと綺麗だな」


提督 『もしかして時雨がずっと手入れをしていたのか』


そんなことを思いながら時雨を見ると、時雨のくせ毛が大きく揺れていた。


提督 『きっとそうなんだろうなぁ』


本当に時雨は自分よりも年上なのか、まったく分からなくなった。



案内の途中に時雨から聞いた話によると、この鎮守府は数年前、


先代の提督が未知の流行病で亡くなったことで一時的に運用を停止させていたらしい。


そのため、鎮守府に配備されていた艦娘は別の鎮守府や基地などに回され、


近辺の民間人も病が感染する可能性を危惧し疎開したということだそうだ。


提督 『どうりで誰もいなかったわけだ』


そう思い直しながら、提督は在籍する艦娘の一覧表に目を通す。


そこにはもちろん「時雨」のみ名前が記されている。


そのことを少しさみしく思う提督であったが、


一覧表から目を離そうとした瞬間に本来提督が必ず行うことをしていないことに気づく。



それは「初期艦決め」である。


「初期艦決め」とは、鎮守府に新たに配属される提督には艦娘が必ず1人配属されるのだが、


「どの娘を配属させるか」は提督自身が決めるという制度だ。



この「初期艦決め」を提督の皆は楽しみにする。


戦地とはいえ、長い間日々の暮らしを共にするパートナー決めとなっては現を抜かすのも無理はない。


無論この提督も来る途中の電車の中で色々と考えていたのだが、


舞鶴に来てからは心に余裕が無く、すっかりその事を忘れていた。


提督「時雨」


時雨「なんだい?」


提督「(もしかして)僕にとって時雨は「初期艦」ということになるのか?」


時雨「・・・そういうことになるね」


少しの間を開け、時雨は答える


提督「そうかぁ」


何故自分だけ最初から初期艦が決まっていたのか?


それは「配備される鎮守府に既に艦娘が在籍していた」からだと推測することは容易だった。


だが、この「配備される鎮守府に既に艦娘が在籍していた」という解が、新たな謎を生んだ。



“何故提督もいない機能停止中の鎮守府に艦娘が在籍していたのか”



提督「そういえば、時雨は前の提督の元でも艦娘としてこの鎮守府に在籍していたんだよな?」


時雨「そうだよ、それがどうかしたかい?」


提督「別の鎮守府には、行かなかったのか?」


時雨「・・・まあね」


『どうして』と聞くのは無粋だと思った。


提督『けど、なぜ時雨はこの鎮守府に残ったんだろうか?』


会って一日も満たない今の関係では、どれ程知恵を絞っても答えを出せなかった。


時雨「?どうかしたかい?提督」


提督「ん、いや何でもないよ」


そんなやり取りをしている間に、二人は司令室の前にやってきていた。


時雨「提督、ここが司令室だよ」


提督「ありがとう、時雨」


提督「とりあえず大本営に着任の報告でもするか」


そう言い、提督は司令室の机にある電話に手を伸ばした。




その瞬間、大きな音が建物中に鳴り響いた。




チュドォォォォォン!!




提督 「何だ今の音!?」


時雨 「港の方からだ!」


提督 「行くぞ!」


時雨 「うん!」


二人が外に出ると、鎮守府近海の水面に大きな波紋が確認できた。


提督 「あれって・・・もしかして・・・」


時雨 「うん、そうだよ」


時雨が司令部から持ってきた双眼鏡を提督に手渡す。


もらった双眼鏡を覗くと、黒い何かがうごめいているのが見えた。


現代の海で「うごめく黒い生命体」といえば、思い浮かぶものはただ一つ。


提督 「・・・深海棲艦!」


よく観察すると、魚のような身体をしているのもいれば、銃口が確認できるものもいた。


そこから先は考えるよりも先に身体が動いていた。


提督 「時雨、今すぐ迎撃するぞ!準備でき次第すぐに出撃してくれ!」


時雨 「了解!」


そう言って時雨は急いで出撃準備に向かった。


提督も自分に出来ることをすべく、司令部へ向かうのであった。




~提督side~

時はほんの少し進み、提督は提督室に戻り、出撃した時雨からの報告を待っていた。


額から汗が垂れ、息が詰まった。


これが実践の空気なのかと思っていた時、無線機が音を拾い始めた。


時雨 「敵艦隊発見!駆逐艦2隻、軽巡洋艦1隻!」


時雨 「今のこちらの戦力を考えるとかなり厳しいよ。どうする?」


時雨の声が無線機から伝わってくる。


敵は先程確認できたので全てだと分かり、提督はほんの少し安堵した。


だが、提督側が圧倒的劣勢であることに変わりはない。


提督 『戦力は圧倒的にこちらが不利。加えて辺りの海の様子をこちらはまだ完全に掴めてはいない』


提督 『数で負け、地の利も活かせないとなると・・・』


現状を打開すべく、頭をフル回転させる。


が、指示を出そうにも、策を講じようにも情報が足りない。


となると、今の提督にとって、出せる指示はこれしか無かった。


提督 「時雨、戦闘用意!何とかその場で深海棲艦を足止めしてくれ!」


提督 「こちらで打開策を考える!だから、それまでは耐えてくれ!」


時雨 「了解!」プツッ


時雨からの通信が切れると、提督はすぐさま司令部の棚から鎮守府近海の海図と艦娘や艤装、そして深海棲艦についての資料に片っ端から目を通し始めた。



~時雨side~

提督との通信を終えた時雨は、再び深海棲艦の方を向くと背中の主砲に手を伸ばす。


深海棲艦は他の生物には興味を示さず、真っ直ぐこちらを目指している。


時雨 「来たね」


時雨 「ここは譲れない、絶対に!」




時雨 「あの鎮守府だけが、あの人と共に生きた証だから・・・」




時雨 「だから、」


そう呟き、時雨は自身の縄張りを荒らそうとする侵攻者に向けて主砲を構えた。


時雨 「出ていけ・・・」




つい数時間前までは穏やかで静かだった海が、一瞬にして轟音鳴り響く戦場へと変わった。


時雨と軽巡洋艦ホ級は互いに距離を保ちつつ旋回し、主砲を撃ちあう。


砲弾はまっすぐそれぞれの身体へ目がけ飛来する。


時雨は速度を上げて右舷へ移動。砲弾の落下予測地点から離脱し、体制を立て直す。


ホ級は大きく旋回し、砲弾を回避する。


時雨は敵軽巡洋艦を警戒して回避運動をしつつ、敵駆逐艦へと目標を変更する。


駆逐艦二隻は迷うことなく時雨目がけ前進する。


時雨は後ろに下がりつつ敵全体の動きを見て、挟み撃ちにならないよう位置取りを行う。


その間にイ級は着々と時雨との距離を縮めていく。


時雨はイ級の接近に合わせて射撃を続行し、距離を離そうとする。


だが、イ級は被弾すれすれの距離で回避し、さらに速度を増していく。


時雨の外れた砲弾により水柱が海上に多発し、徐々に視界が悪くなる。


その隙をついて、イ級二隻が時雨との距離を一気に縮める。


だが時雨も直ぐさまイ級の接近に気づき、主砲をやや下に傾け発射する。


放たれた砲弾はイ級の目前で着水し、両者を寸断する水の壁を生成する。


それでもなおイ級は進行を止めず、水の壁を突き破る。


イ級は突き破った勢いを維持し、口部の小型主砲を準備して仕留めにかかる。


だが、壁の向こう側にいるはずの時雨の姿はない。


突如目標が消失したことで急停止し、辺りを見渡すイ級。


すると右舷後方に目標が主砲を構えているのが見えた。


イ級は急ぎ回避運動を取ろうとするが、一度停止した状態では速度は落ちている。


時雨はその隙を突き、狙い澄ました一撃を放つ。


弾はイ級(A)に命中し、頭蓋を損傷させ、もう片方のイ級(B)にも僅かながら手傷を負わせる。



駆逐艦イ級A  8/20 【中破】

駆逐艦イ級B  18/20

軽巡洋艦ホ級  33/33



時雨 『よし、この調子で沈める!』


奇襲を成功させた直後、損傷が小さくすぐさま立ち直ったイ級Bの砲撃が飛んでくる。


時雨は接近していたイ級からの砲撃を完全に躱すことが出来ず、弾は左肩に命中する。


時雨 「くっ!!」


普通の人間よりも数十倍頑丈な艦娘の装甲であれど、近距離で主砲を当てられては傷を負うことは避けられなかった。


服は燃え落ち、肩の皮膚は爛れて赤い部分をほんの少し露わにする。


駆逐艦時雨 13/16



更に中破したイ級Aの砲撃が時雨の顔面を襲う。


今度は身体を反らして躱したが、肩の痛みで僅かに集中力が削がれる。


戦況の不利を改めて感じた時雨は、数的不利をなくすべく狙いを中破したイ級に絞る。


イ級2隻は左右に展開し、時雨の周囲で円運動を行う。


円は徐々に小さく、狭くなっていく。


思うように身動きがとれない時雨はその場で迎撃態勢を取る。


イ級二隻は同時に円運動を止め、左右から一気に時雨に襲いかかる。


時雨は今度は自身の足下に砲撃を行い、水柱を作り出す。


その後すぐに左舷後方に移動し、突っ込んでくるイ級を待ち構える。


イ級二隻が姿を表した瞬間、時雨は引き金を引いた。


中破していたイ級の身体は時雨の砲撃に耐えきれず爆破炎上、海の底に沈んでいった。


だが、もう片方のイ級に損傷はなく、時雨の顔面を狙い打った。


だが、砲塔の傾きから上半身に狙いをつけていることを察知した時雨は超人じみた反応速度で身体を反らす。


攻撃が避けられたイ級は時雨に突っ込んだ勢いを利用してそのまま体当たりを仕掛ける。


だが、イ級の身体は時雨に衝突するより先に、発射された魚雷に激突して木っ端微塵となった。



駆逐艦イ級A  0/20 【轟沈】

駆逐艦イ級B  0/20 【轟沈】



至近距離での大爆発にひるむ時雨。


意識がはっきりしない中、足元で何かが動いているように感じた。


次の瞬間、時雨の脚の肉が焼き千切れ、骨が剥き出た。


時雨 「い゛っっっ!?」


更に、時雨の動きが鈍った隙に側面から現れたホ級が主砲を連発。


時雨は砲弾を艤装で咄嗟に庇ったおかげで轟沈は免れたが、先程被弾した左肩に再び弾が直撃し、肉が大きく抉り取られた。


他にも胸部、腹部、腰部にも数発被弾してしまい、少女の体は赤黒く染まってしまった。



駆逐艦時雨  4/16 【大破】



時雨 『まさか、さっきのイ級達の特攻はこのためだったのか!?』


満身創痍となった身体を何とか立て直す。


身体のあちこちが熱く、辺りが霞んで見える。


だが、目を見開いて敵を補足する。



その碧眼は敵を見据えて未だに輝いている。



時雨は沈みゆく太陽を背後に、主砲を構える。



時雨 「駆逐艦時雨、夜戦を開始する」


後書き

今回はできるだけ前回よりも長くするようにしてみました。
けど、その分ミス等も出てきてしまうと思いますので、どうか温かい目で見てやってください。
これからも新米提督(f)をどうかよろしくお願いいたします。
※ミス等のご指摘含めたコメントや、応援などもお待ちしております。

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