2019-01-07 18:03:20 更新

概要

この物語の主役は整備士!もし、提督以外に男性がもう一人いたらどうなるかを勝手に想像し、書かせていただきました!

整備士と鎮守府の物語 1・2の続きです。

整備士と鎮守府の物語 1.2を読んでない方はそちらから読んでいただくと話が分かりやすいかと思います。

今回は、整備士の話より提督の話の方が長いかもしれません


前書き

お待たせしました。整備士と鎮守府の物語 2の続きになります。

今回は、『居酒屋 鳳翔での出来事』『大型建造出来た艦娘は』を書いていきました。


[居酒屋 鳳翔での出来事]

ーここは鎮守府の中に軽空母 鳳翔が開いているお食事所である。昼間は同じように出撃や遠征・トレーニングを行い、夕方~夜にだけ開く。鎮守府に勤める人だけが入れる小さな居酒屋だ。


提督「鳳翔さんやってる?」ガラガラ


鳳翔さん「はい。やってますよ。お一人ですか?」


提督「いや、今日は一人じゃないんだ。今日は整備士を連れて来たんだよ。」


整備士「どうも。」


鳳翔「あら。整備士さんやっと来てくれましたか。誘ったのに全然来てくれないからちょっと不安だったんです。」


ー整備士はこの居酒屋 鳳翔の店舗設計にも携わっており、鳳翔が欲しい机や椅子などもデザイン・設計していた。その際に、『営業が始まったら来てください』っと、鳳翔に言われていたのだがなかなか時間が取れず来店で出来ずにいた。


整備士「いや。すみません。最近忙しくて…あと、自分はお酒があんまり飲めないので…」


鳳翔「あら。別にお酒を飲めなくとも、料理だけ召し上がっていただいてもいいんですよ?そうゆう子もいるんで、メニューも充実してますし。」


提督「そうだぞ整備士さん!鳳翔さんの作る料理は最高にうまいんだからな!」


ーそう言って提督はカウンター席に座る。入口から一番遠い席が提督のいつも座っている場所だ。整備士はその横に座る。頼んだビールが届いた後、二人は乾杯し小さな男子会がスタートするのであった。


提督「お酒は苦手って言ってたけど、普段は飲まないの?」ナマチュウグビー


整備士「そうですね…宴会や飲み会なんかのイベントで飲むぐらいですし…普段は一切お酒には手を出さないですね。」チョビチョビ


提督「なんか意外だな~。整備士さんはよく飲む方だと思ってたのに。」ホウショウサンオカワリ~


整備士「なんでです?」チョビチョビ


提督「いや~。毎日の整備のストレスとかで飲むのかな~なんて。」ナマチュウグビー


整備士「お酒でストレス発散は、アルコール依存症になる可能性が高いので絶対にやりません。」チョビチョビ


提督「真面目だね~整備士さんは。」ナマチュウグビー


提督「煙草も吸わない~。お酒も飲まない~。整備士さんはどうやってストレス発散してるの?」ホウショウサンオカワリ~


整備士「運動で解消してますよ。」ホウショウサンニホンシュヒヤカンクダサイ


提督「運動!?どんな運動すんの?」


整備士「ロードバイクに乗って走ってますよ。」


提督「まじ!どこ行くの?」


整備士「ここは島なんで島を外周したり鎮守府の周りを走ったり、山を自転車で登ったりしてますよ。」


提督「それでストレス発散になるんだ~」ナマチュウグビー


整備士「なりますね…楽しいですし。特に坂道なんかは『足をついたら負け』って思っちゃうんで、自分の体を限界ぎりぎりまで追い込めますしね。学術的にも運動でのストレス発散効果は認められてますし。」ヒヤカンチョビチョビ


提督「整備士さんストイック~ どんなロードバイク乗ってんの?」


整備士「フルカーボンで、コンポはULTEGRA (アルテグラ)。ホイールはマ〇ック キシ〇ウムの奴をはいてます。後はチューブレスタイヤにGAR〇INのサイクルコンピューターをつけてますね。」ペラペラ


提督「………。何言ってるかさっぱりわからん…」ホウショウサンオカワリ~


整備士「まあ、そんな反応が当たり前ですよ。金額でいうとざっと60万円のロードバイクに乗ってると思っていただければ想像がつきやすいかと…」


提督「60万!!!?自転車ってそんなにすんの!?」


整備士「今自分が乗ってるやつは改造含めてそれくらいです。ただ、ロードバイクもピンからキリまであるんで安いやつは安いですよ。」ヒヤカンチョビチョビ


提督「へ~そんな世界もあるんだね~」ナマチュウグビー


ーお酒が回ってきた二人は、話にも熱が入ってきた。


提督「でよ~。吹雪ったらひどいんだぜ。この前なんて休憩時間ちょっとオバーしただけなのに、腹パンくらわしてくるしよ~」イモジョウチュウグビー


整備士「ハッハ~!吹雪はやりますね~!」ヒヤカンチョビチョビ


整備士「でも、提督もよっぽど吹雪のことが好きなんですね~」


提督「はっ!俺が吹雪を好きだって?ないない!」


整備士「でも、口を開けば吹雪の話題しか話してないじゃないですか~提督~」


提督「そうだがな~ いつも吹雪と一緒にいるだけだからだろ。そんなん。」イモジョウチュウグビー


整備士「そうですかね~ 提督は吹雪のことどう思ってるんですか?」


提督「よき仲間でかけがえのない存在だ。これはほかの艦娘にも同じことが言えるぞ!」


整備士「そうじゃなくて、恋愛感情はあるのか聞いてるんですよ!男ならはっきりとしてください!」バン!


提督「うるせーな!あーもう!好きだよ!好きだとも!着任から色々支えてきてくれたあいつが好きだよ!これで満足か!」ウガー


整備士「なら、その気持ちを伝えればいいじゃないですか!」


提督「そうだけどよ!こんなサボり提督のどこがいいんだよ!絶対に嫌われてるよ!」


整備士「でも、提督!よく考えてください!あなたみたいなサボり癖もあるような人となんで吹雪は一緒にいるんですか!普通は嫌気がさして投げ捨てますよ!」


提督「そんなの俺が命令してるからに決まってんだろ!俺の命令は絶対だし、あいつもその命令にイヤイヤ付き合ってんだよ!」


整備士「いや、それは違う!」


提督「なんで、お前がそう言い切れんだよ!」


整備士「この作業着を見てください!」


ー整備士は着ていた作業着を提督に見せる。その作業着には駆逐艦の名前が刺繍されていた。


整備士「この作業着を届けてくれたのは吹雪です。そのあと少し話したんですよ。」



ーー

ーーー


ー話は吹雪が作業着を届けたところまでさかのぼる。


整備士「ただ、この作業着がまたボロボロになったらまた、新しい作業着をプレゼントしてくれるかい?」


吹雪「もちろんです!その時は新しく入った駆逐艦の名前も一緒に入れましょう!」


吹雪「では、失礼し『あ、ちょっと待ってくれ吹雪』」


整備士「話したいことがあるから、ちょっと待ってくれ。」


吹雪「はい!わかりました!で、話って何でしょう?」


整備士「それはだな……前から不思議に思ってたんだけど、吹雪はなんであんなにサボってる提督の相手をしてるんだ?毎度追っかけるのも大変だし、秘書艦を交代してほしいなら俺から提督に掛け合ってみるけど…」


吹雪「………………いえ。それは結構です。司令官は私がいないと駄目ですし、他の子じゃあの人を抑えつけることなんてできません。」


整備士「そうか…」


吹雪「それと………この立場を譲る気は到底ありませんし、私が一番司令官の近くにいたいんです。あの人は私じゃないとだめなんです…絶対に………」


整備士「うん…そうか。」ハッハ


吹雪「なんですか?」


整備士「いや、吹雪にとって提督はそうゆう存在なんだなって思っただけさ。提督は幸せ者だなと思ってな。羨ましいよ。」


吹雪「………カァ/////」


吹雪「今の話忘れてください!失礼しました!」ダダダダー


ーーー

ーー



提督「………」


整備士「提督… 吹雪は嘘を言うような子だとは思いません。あの時の吹雪は本心を自然に吐いたんだと思いますよ。『絶対に譲る気はない』とまで言ったんですから」


提督「………」


整備士「後は、提督。あなたがこの話を聞いてどうするかです。これ以降はあなたがやるべきことなのであなたに任せます。」


提督「………」



ーー

ーーー


ー居酒屋 鳳翔の外では


青葉「青葉見ちゃいました!聞いちゃいました!これは一大スクープですよ!」ウヘヘ


鳳翔「青葉ちゃんごめんね…」


青葉「へ?」ゴン!


青葉「」チーン


鳳翔「青葉ちゃん。時には見守ることも大事なんですよ。」ウフフ


青葉「」チーン


ーーー

ーー



整備士「でも、アタックするにしてもしないにしても、いつも通りの行動をしてください。そうじゃないと吹雪が心配しますよ。」


提督「………わかった。ありがとう整備士さん。この後は自分で何とかするよ。」


整備士「鳳翔さんありがとうございました。気を利かせて貸し切りに変更してくれたんですね。」


鳳翔「あら。気づいてましたか。あまり聞いてはいけなさそうな話だったので。」


提督「鳳翔さん。気を利かせてくれてありがとうな。」


提督「それと整備士さん。俺は自分に素直になってみるよ。」


整備士「はい。頑張ってください!」


整備士「鳳翔さんもありがとうございました。早速お会計を………」


鳳翔「いえいえ。お代は結構です。この居酒屋のデザイン料と思っていただければ…」


整備士「そうですか。わかりました。また必ず来ますんで」


提督「鳳翔さん。ありがとな!お休み!」ガラガラガラ


ー2人は夜空の下を歩いてゆく。


提督「整備士さんはいないのかい?」テクテク


整備士「いないとは?」テクテク


提督「思い人だよ。俺だけ言って整備士さんだけ言わないのは不公平だろ。」テクテク


整備士「いませんよ。」テクテク


提督「え?いないの?てっきり明石とか好きかと思ってたんだけど。」テクテク


整備士「明石はいいやつですが、それは仕事上の関係でそれ以上のプライベートな関係になろうとは思いません。」テクテク


提督「へぇ~。 整備士さんらしい回答だな。いつか見つかるといいね。」テクテク


整備士「そうですね。でも、その前に提督と吹雪のことをどうにかしないとですね。」テクテク


提督「わかってるよ。まあ、けりが付いたら報告するわ。それじゃあまた明日。」フリフリ


整備士「はい。また明日。」


ー2人はそれぞれの岐路についた。季節は秋。数々の星が提督の行く末を見守っていた。




ーーーーーー

[整備艤装テスト装置を改良せよ]

ー整備士が『居酒屋 鳳翔』に出かけている間、明石は多くなった艦娘に対し整備テストを行う回数を減らすため、1艦隊分(6個)を同時テストできるシステムや道具を開発していた。これは整備士の負担軽減にもつながる大切な改造であった。そして、この改造にはもう一人艦娘がかかわっていた。


明石「てなわけで、夕張行くわよ!」


夕張「了解!」


夕張「てか、そんなチェックやってんだね!初めて整備士さんに会って、艤装を触れること自体驚きなのにその上チェックまでするって、凄いことだよ!」


明石「そうなんだけどね。今のままじゃ効率悪いし整備士さんの負担になってるから、何とかしないとね。そのための夕張でもあるんだから!データ収集とか得意でしょ?」


夕張「任せなさい!データは私の命なんだから!」


明石「で、まず課題は出力や火力の違う艤装をどうチェックするかよね。」


夕張「今まで整備士さんって、どうやってデータ見てたの?」


明石「え?このタブレットで見てたけど…」


夕張「そのタブレットをパソコンに変えたらいいんじゃない?タブレットよりパソコンの方が情報処理速度早いし。」


明石「情報処理速度?何それ?」


夕張「簡単に言うと、1秒間に何回計算ができるかってこと。」


夕張「このタブレットが1秒間に100回計算できるとするじゃない?でも、パソコンは1秒間に500回計算できるとすると計算が早いのはどっち?」


明石「そりゃ、パソコンでしょ?」


夕張「そう!パソコンだよね!つまり、処理速度の低いタブレットよりも処理速度の速いパソコンの方が優れているし、処理速度が速い分色々なシステムを効率よく同時処理ができる。」


夕張「出力や火力の違う艤装をチェックも、上手くプログラミングすれば出力や火力の違う駆逐艦や戦艦を同時に処理が出来て、効率よく進む。ってなわけよ!」


明石「ちょっと何いてるかわかんない。」


夕張「明石も整備士さんも機械馬鹿だからね~。こんなマニアック電子関係は夕張様にお任せよ!」


夕張「てなわけで、私はシステム関係をやるから、明石はセンサー類の配線関係や艤装の固定台関係をよろしく!」


明石「了解!じゃあやりますか!」


ーこうして整備艤装テスト装置を改良が始まった。夕張は今までの試験のデーターや出撃のデーターを掛け合わせ、安全ラインや合格ラインの線引きをシステム化しパソコンの中に組み込んでいった。一方明石は、今まで演習場の一部だったテスト場を完全な独立施設として立ち上げた。そうして、テスト場を場所を工廠付近に建てることにより効率化を進めていった。


夕張「うーん。システムはこんな感じかな?あとはやってみて不具合が出たら随時書きかえって感じでしょ。」


明石「私もできましたよ。明日内装工事をして完成ですね。」


夕張「じゃあ、今日はこれで解散で!明日、昼にでも来るね!」


ー2人はそれぞれの寝床に戻るのであった。そして、そのあと整備士は工廠にある自分の寝床に戻った。


整備士「ん?工廠の横に見慣れない建物が建ってるな…『整備艤装試験場』?  あぁ… 明石がこの前言って画期的なことってこれのことか… 完成が楽しみだな。」


ー鎮守府の夜は更けていく。




ーーーーーー

[提督と吹雪]

ー提督はこの鎮守府で一番偉い人だ。吹雪は鎮守府が開設された当時の初期艦でもあり、鎮守府が大きくなった現在も秘書艦を務めている。しかし今日は二人とも静かに執務をこなしている。


提督「……」カリカリカリカリ


吹雪「……」カリカリカリカリ


提督「……」チラ


吹雪「……」カリカリカリカリ


提督「(素直になるってどうすりゃいいんだよ… 俺は確かに吹雪のことが好きだ。ただ、整備士さんはああ言っていたが、吹雪が俺のことを好きである確証はない… あーもう!どうすりゃいいんだよ)」ガリガリガリガリ


吹雪「……」チラ


吹雪「(整備士さんにああ言われて気づいた… 私は提督のことが好きなんだ… でも、提督はいっつもサボるし、抜け出すしでその都度私は提督を連れ戻してきた。結構ひどい方法で… そんな提督が私を好きになることなんてあるのかな… どうしよ…  ん…?)」


吹雪「提督…」


提督「な、なんだ…」


吹雪「なんか資材が機能確認したときよりも明らかに減ってるんですけど、なにか知りませんか?」


提督「あー  うん。知ってる。」


提督「大型建造した。」


吹雪「え?大型建造?」


提督「はい…(また怒られるな…)」


吹雪「そうですか…」


提督「……」


吹雪「……」


提督「……え?」


吹雪「どうしたんですか?」


提督「いや、いつもみたいに叩いてこないから…」


吹雪「叩いてほしいんですか?」


提督「いや…怒らないから不思議に思っただけだ。」


吹雪「怒っても資材は返ってきませんし、済んだことなんでしょうがないです。」


提督「そうか…(おかしいぞ!いつもなら吹雪が怒って叩くまでが流れなのに…) ごめんな。」


吹雪「いえ。私も提督を今までさんざん叩いてきたんで、お相子です。これからは優しく接します。」


提督「うん。(やっぱおかしい。調子狂うなぁ~)」


ー昼休み。提督と吹雪は食堂でご飯を食べに出ていた。


提督「今日は金曜だからカレーか!」


吹雪「私、水とってきます。」テクテク


提督「(よしこの間に、吹雪のカレーに激辛オイルをまぜってっと)」


吹雪「とって、来ました!冷めないうちにいただきましょう!」パク


提督「おう。(さあ。どうだ…)」ゴクリ


吹雪「……ん?」


提督「どうした?(くるか?)」


吹雪「………………いえ!今日のカレーはスパイスがよく効いてるなっと思っただけです。」


提督「……そうか。(あれ?いつもなら辛いって喚いて、俺に突っかかてくるのに…)」


吹雪「私、水を新しくとってきます!」テクテク


提督「激辛オイルが少なかったのか?」


ー提督は吹雪のカレーを一口食べる。


提督「………………!?(むっちゃ辛いやん)」ゲホゲホ


提督「………。やっぱりこれを吹雪に食べさせるのはいかんな。俺のと交換しとこ。」クルリ


ーーー


ー水を取りに行った吹雪は


吹雪「(提督が、激辛オイル入れるのもみた。辛いと思って食べたけど、今日はそんなに辛く感じなかった。それよりもいつもと変わらずいたずらしてくる提督に安心感が出てきた。)」


吹雪「(なんだろう。どうしたらいいんだろう。)」


整備士「吹雪」


吹雪「ひゃ!」


整備士「おう…そんなビックリせんでも…」


吹雪「整備士さん…なんですか?(もしかしたら私の気持ちに気づいた整備士さんなら…)」


整備士「いや、水がコップからあふれてるのにずっとボタン押してたから…」


吹雪「あ!ほんとだ!すみません、ありがとうございます!」


整備士「いやいいよ。じゃ!」


吹雪「あ!待ってください整備士さん。」


整備士「ん?」


吹雪「今日の午後、時間取れますか?」


整備士「ああ。とれるよ。二人っきりの方がいいかな。」


吹雪「はい…」


整備士「じゃあ、工廠の俺の部屋で話そうか。あそこは防音だから聞かれる心配もないよ。」


吹雪「わかりました。ありがとうございます。」


ーーー


提督「吹雪遅かったじゃないか。俺はもう食い終わったぞ。」


吹雪「すみません。ちょっと他の子と喋ってました。」


吹雪「あ!それと司令官!午後の執務は初雪ちゃんに変わってもらいます!」


提督「ん。そうか。なんか用事か?」


吹雪「はい!ちょっと用事が出来たので!初雪ちゃんだからって、執務サボらないでくださいね!」


提督「わかってるよ。まあ、お前もいっつも秘書艦やってもらってるし用事を優先してもいいだろう。」


吹雪「ありがとうございます!」


提督「じゃあ、俺は先に執務室戻ってるわ。吹雪は用事が済んだら休んでいいからな~」フリフリ


ーそうして提督は午後の執務を始めるのであった。


[執務室]

初雪「やだ。もう帰りたい…」


提督「いや…執務始まって10分もたってないだけど…」


初雪「なんでよ~。吹雪姉さんは整備士さんとこ行ったし…」


提督「ん?吹雪は整備士さんとこいったのか?」


初雪「そうだよ~。あたしはゲームの続きしたかったのにさ~」


提督「そうか…」


ーーー


[工廠 整備士自室]

ーその頃、吹雪は整備士の部屋にいたのであった。整備士の部屋は工廠から直接つながっており、風呂・トイレ別。台所完備で広さは15畳ほどである。工廠に隣接しているため、防音などの設備が施されている。また、裏口もあり外からもつながっている。


吹雪「失礼します…」


整備士「お。来たか。汚いとこだけどまあ座ってよ。俺はコーヒー淹れてくるから。」


吹雪「はい!あ、砂糖・ミルク多めでお願いします。」


整備士「了解。」カチャカチャ


吹雪「(思えば、整備士さんの部屋に来るのは初めてだな…提督の私室は何度か見たけど、整備士さんの部屋は図面でいっぱいだ…それと…)」


整備士「ほい。あまあまコーヒーね。」コト


吹雪「ありがとうございます。整備士さんあれは何ですか?」


ー吹雪は整備士の部屋にあったあるも物を指にさす。


整備士「あ~。あれは自転車だよ。乗らないときはああやって壁にかけておくんだ。ほこりがつかないようにシートもかけてるんだよ。」


整備士「でも、そんな世間話しにここに来たんじゃないだろう。」


吹雪「そうですね…実は司令官のことについてうかがいたくて…」


整備士「ほう。」


吹雪「私。整備士さんに言われて考えたんです。そして気づいたんです。私、司令官のことが好きなんだって…」


整備士「…………」


吹雪「でも、私は今まで司令官に酷いことをしてきました。元を言えば、司令官がサボっていたのがいけないんですけど…」


吹雪「でもこの気持ちに気づいてから、司令官がサボってもいたずらされても前みたいに怒れないんです。」


吹雪「私どうすすればいいのかわからなくて…整備士さん。私はどうすればいいんでしょうか?」


整備士「知らん。」


吹雪「はい?」


整備士「だから知らん。」


吹雪「『知らん』って何ですか!こっちは真面目に真剣に悩みを打ち明けてるのに!」


整備士「吹雪の人生だ。お前が決めろ俺に頼るな。」


吹雪「はい!?こっちは真剣に話してるのになんですかその答えは!」


整備士「なら、聞くが吹雪は提督のことをどう思ってるんだ。なんで俺のところへ来た。」


吹雪「さっきから言ってるじゃないですか!私は司令官のことが好きなんです!でもどうしたらいいかわからないんです!アドバイスが欲しいんです!」バン


整備士「そのアドバイスを俺から聞いてどうする。俺のアドバイスでお前は変われるのか。」


整備士「人生を左右することを、他人の無責任なアドバイスで決めてどうする。それで失敗してみろ。こっちが気が悪くなる。」


整備士「何度も言うがお前の人生だ。吹雪が決めろ。俺は知らん。」


吹雪「もういいです!整備士さんに聞いた私が馬鹿でした。もう整備士さんの顔なんて二度と見たくありません。」バン!


ー吹雪はそう言うとドアを勢いよく閉め整備士さんの部屋から出ていくのであった。


整備士「ちと言い過ぎたか… まあ、いいか。」


整備士「それと青葉。盗聴器作るならもっと目立ちにくいものにしろ」


ーーー


[整備士私室外]

青葉「ありゃ~!気づかれてましたか…」


整備士『あと、今から執務室行くと面白いものが見れるかもな。』グシャ


青葉「盗聴器は壊されましたが、新しい情報ゲットです。整備士さん恐縮です!」スタコラ~


ーーー


[執務室]

初雪「これでどーだ!」ヒュー


提督「おい!赤甲羅はずるいぞ!」


初雪「おっ先~」


ーGOALーテレテテレテッテッテッテレッテー


ー執務室では執務そっちのけで白熱したカーレースが行われていた。すると…


ドア「バーン!」


初雪・提督「ビック!」


吹雪「し れ い か ん?」ゴゴゴゴゴゴゴ


提督「ふ 吹雪どうしたんだ。きょ 今日は用事があって戻ってこないんじゃ」


吹雪「し れ い か ん?」ゴゴゴゴゴゴゴ


提督「ヒッ!」


初雪「私はお邪魔みたいだからかえるね。じゃ!」ダダダダー!


提督「初雪の野郎、逃げやがったな!」


吹雪「し れ い か ん?」ゴゴゴゴゴゴゴ


提督「は、はい!」


吹雪「執務サボってなにやってるんですか?」ムナグラツカミ


提督「いや~。 その~。 あの~。」


吹雪「し れ い か ん?」ゴゴゴゴゴゴゴ


提督「は、はい!」ビック!


吹雪「今日の私は体調がすぐれないので、優しくしてあげますからね。」ニコ


ーそういうと吹雪は見事な一本背負いを決め、その後すぐバックドロップを決めるのであった。


提督「」チーン


吹雪「人がこんなに悩んでるってゆーのに、初雪とゲームなんかして…整備士さんもなんなんですか。」


吹雪「それに私といる時よりも、楽しそうだったし…」


提督「」ピック!


吹雪「あーもう!」


提督「ははは…吹雪。」イテテテテ


吹雪「なんです司令官。私は今とっても気分が悪いのですが。」ゴゴゴゴゴゴゴ


提督「いや。いつもの吹雪だと思ってな。」


吹雪「は?」


提督「そうだ。うん。これがいつもの吹雪だ。俺の好きな…いつもの吹雪だ。」ヨッコラショ


吹雪「はい?冗談なんて通じませんよ。」


提督「冗談じゃない。本気だよ。」


吹雪「………………」


提督「それにこんなこと冗談で言うキャラじゃないしな…」


吹雪「………………」


提督「吹雪。もう一度言う。俺はお前が好きだ。いっつも執務抜け出してサボってる俺だが、そんな俺を陰で支えてくれたお前が好きだ。」


提督「レベルはまだ足りないけど、達したらケッコンカッコカリの指輪を渡す。それまでこの指輪で勘弁してくれないか?」パカ


ー提督は吹雪にコンヤク指輪指輪を見せる。


提督「そして、時がたてば本当の結婚指輪を渡そう。でもその前にこれを受け取ってくれるか?」


吹雪「………………」


吹雪「………………」コクリ


ー吹雪は静かに頷いた。提督は吹雪の左手薬指にコンヤク指輪をはめる。吹雪も口を開いた。


吹雪「私も…司令官のことが好きです…」


吹雪「私がいないとだめな司令官のことが好きです。」


提督「そうか…」


ーいつもより静かな執務室。窓から入る夕日が2人を照らし、2人の影がちょうど重なった…その間数秒。執務室はいつもより熱く感じられた。


ーーー


ー翌日、掲示板に人が群がっていた。


吹雪「みんな何見てるの?」


雷「吹雪ちゃんこれホント!」ザワザワ


吹雪「ん?」


ー吹雪は掲示板の大きな紙を見る。



ーー

ーーー


【青葉見ちゃいました!新聞 特別号】


司令官早くも結婚宣言!お相手はあの秘書艦!その子の左手薬指には早くもコンヤク指輪が!


昨日の夕方ごろ執務室が愛の熱気に包まれた!


2人の事情をよく知るSB氏は、『あの時にああ言ってよかったですね。やっぱりあの子は元気がなくちゃ!』などと発言し2人を祝福した。


ーーー

ーー



吹雪「」


暁「見て!吹雪ちゃんの指に指輪があるわ!レディーだわ!」


島風「オゥ!てことは本当なんだ!」


陽炎「おめでとう!吹雪ちゃん!」


キャー!ケッコンダッテ!シレーガケッコンデスカ!  ザワザワ


ーーー


青葉「今日の新聞の売れ行きは好調ですね~」ウヘヘェー


吹雪「あ お ば さ ん?」


青葉「」ビク!


吹雪「ちょーーとお話があるので、来てもらえませんか?」ニコ


青葉「ちょっと待ってください!吹雪さん!あ! や! ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」チュドーン!


ーーー


提督「青葉の奴…」


ー今日はいつもより執務室が騒がしい。この日は二人のコンヤクを祝う艦娘で大賑わいだった。


整備士「あ!大型建造の艦娘迎えに行くの忘れてた。提督も忙しそうだし、俺一人で行くか…」テクテク




ーーーーーー

[大型建造出来た艦娘は]


整備士「さて、初の大型建造誰が出てくるか…」


大型建造妖精さん「おい。迎えが来たぜ。ご対面だ!」バ!


大鳳「そう…私が大鳳。

出迎え、ありがとうございます。

提督…貴方と機動部隊に勝利を!」


整備士「おお!大和じゃなかった。よろしく。」


大鳳「ええ。大和じゃないけどよろしくね。提督。」


整備士「あ、俺提督じゃないんだよ。」


大鳳「え?じゃあ…あなたは誰?」


整備士「俺は整備士。ここの鎮守府で艤装の整備や改良設計なんかをやってる。これからよろしく。」




ーーーーーー


整備士と鎮守府の物語 4に続く


後書き

お待たせしました!整備士と鎮守府の物語 3 いかがだったでしょうか。
出来れば評価・応援やコメントしていただければありがたいです。

ロードバイクネタは実際に私が乗っているものをネタにしてます( ´艸`)何でもそうですが、趣味にもお金はかかるものですね。
こっちでは一回で出た大鳳ですが、リアルなほうだとなかなか出ませんね( ;∀;)大型建造で資材が溶けてゆきます…

さて次回は、『大型建造出来た艦娘は 続き』『問題艦娘がやってきた』をお送りします。
更新は1~2週間後を予定していますが、年末で忙しいので遅れるかもしれません。

次回もお楽しみに!


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SS好きの名無しさんから
2021-01-16 16:04:04

暗闇(くらや)さんから
2019-01-02 20:29:14

SS好きの名無しさんから
2018-12-22 15:02:29

丙提督さんから
2018-12-15 15:12:48

SS好きの名無しさんから
2018-12-11 10:23:03

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暗闇(くらや)さんから
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