2016-03-07 11:44:41 更新

悟空とベジータは自分たちの目の前にいる、もう1人の孫悟空を睨みつけた。


「アイツは不死身だから、ベジータ…オメェ頑張ってくれよ…。なるべくアイツのパワーを減らすんだ…。」


「そしたらオラがチャンスを見計らって…。」


「どうするんだ?カカロット…。」


「まあ、楽しみにしててくれよ…。」


(まあ、でも楽しみもクソもねぇか…。)



「おい。もういいか?テメェらをぶっ殺してもよお…。」ザッ…。


奴は戦闘体制に入り、悟空とベジータを鋭い眼光で見据えた。

ベジータも奴を睨みつけた。


「フンッ!こうなりゃ久々に大暴れしてやるぜ

今までの修行の成果を見せてやる…!」ボッ!


ベジータは超サイヤ人2になった。

体の周りに稲妻が走る。


「楽しませてくれよ…。」スッ…。

「それは、こっちのセリフだ…。」ザッ…。


ベジータと奴はお互い構え、隙を探った。

その場は一瞬にして、緊張の空気が走る。


「……。」

「だっ!」ドンッ!


先に飛び出したのは、ベジータだった。

ベジータは猛スピードで走りながら、拳を繰り出した。


ガシッ!…ドオオォォォン!!

ガガガガッ!バキッ!ズドッ!バババッ!!


「ス…スゲェ…。ベジータも、アイツもスゲェパワーだ…。オラの目でも、見るのが精一杯だぞ…。」


2人の激闘は、凄まじいものだった。

辺りに稲妻や、地響きを轟かせながら、2人の死闘は続いた。

そして、その死闘を見つめていた悟空は…。


「……。」

「ベジータ…。踏ん張っててくれよ…。」

「オラ、ちぃっとばかし、出掛けてくるからよ…。」シュン!


悟空は、右手の人差し指と中指を額に当て、気を探り瞬間移動をした。

悟空が瞬間移動をした先は…。


シュン!

「よお。デンデ…。元気してたか?」

「ご…悟空…さ…ん…?」

「悟空さんで大丈夫だ…。オラは心も体もねえ

ただのロボットだ。呼び方なんてなんだって良いよ…。」

「そ…そうですか…。」

「それでさあ…話が変わるんだけど…。」

「はい。」

「ミスター・ポポいるか?頼みてぇ事があんだけど…。」

「ミスター・ポポなら私が呼んできます。」

「おぉ。すまねぇな。」


「悟空、何の用だ?」

「オメェならわざわざ言わなくても分かると思うんだけど…。」

「…ドラゴンボールを集めてくんねぇか?」

「どうして、ポポに頼む…。悟飯やトランクスに頼めないのか?」

「んー…。アイツらに頼んでもいいんだけど…

アイツらだと変な事聞かれそうだからさ…。」

「元からオラの考えがお見通しなポポに頼んだ方がオラとしてはいいんだ…。」

「そうか…分かった。」

「頼んだぞ…ポポ。」

「じゃな。デンデ、ポポ。」シュン!


悟空は、瞬間移動をして、元のあの場所に戻ってきた。

悟空が戻ってきた時は、2人は血を流し、傷を付け、肩で息をしていた。


「おい…。カカロット…。貴様、どこに行ってやがった…。」ハァ…ハァ…。

「すまねぇ。ベジータ。今、神様の神殿に行ってたんだ。」

「デンデの所だと…!?」ピクッ

「何しに行ってやがったんだ…。」

「今は、言えねぇな…。」

「なにっ!?」

「後で言うからさぁ…。今はアイツを倒すことが先決だ…。」

「チッ…。」


ベジータは舌打ちをしながら、奴に向き直った。

ベジータの目は奴を真っ直ぐに捉えていた。

悟空はその姿を見て、何か思ったらしい…そのの顔には笑みが浮かんでいた。


「オメェなら大丈夫だな…。」

「何がだ…。」


ベジータは振り向きもせず答えた。


「オメェならこの地球を守れる…って思ったんだ…。」

「何故だ…。」

「オメェのその姿見てよ…。オラが直感的に思ったんだ…。」

「真剣に敵と向き合うオメェは、オラが居なくても大丈夫だってな…。」


「……。」


そこには、一瞬の間があった。

それは時間にして10秒ほどだった。


「…貴様…。今、何と言った…?」

「何でもねぇよ…?」

「ほら、ベジータ。倒さなくていいんか?アイツをさぁ…。」

「ぐぐぐっ…!!クソッ!」バッ!


ベジータは悟空の答えに苦悩しながら、敵に向かって行った。


(クソッ!カカロットの野郎!アイツ今、何と言いやがったんだ…?)

(俺には、“オラがいなくても…”と聞こえたんだが…。気のせいか?)


「クックック…。アイツの言うことなんざいちいち気にしてたら日が暮れちまうからな…。」

「まぁ…いいか…。」


「貴様…さっきから何をブツブツ言ってやがるんだ?とうとう頭がおかしくなったか…。」

「いや…。俺の頭が、おかしくなっちまったのはカカロットのせいだ…。」

「アイツのせいで、俺もこの地球を愛せたんだからな…!!」バキッ!

「フンッ!ここまで楽しめた闘いは貴様が初めてだ。だがな…。」

「もう終わりだ…。」ズンッ!


ズババババッ!!ドゴッ!ガッ!


「それは、貴様が死ぬからか?」ガガガッ!

「残念ながら俺は不死身なんでね…。」ドゴッ!ガガガッ!

「それは分からんぞ…?」バキッ!

「何故だ?」ガシッ!

「アイツがいるからな…。」フッ…。


ベジータは奴の目の前から消えた。

それと引き換えに…。


「よしっ!今だ!」ヒュヒュン!

「なっ!?きっ…貴様!?」バシュ!

「がっ!?」


悟空は、あの呪文で奴をロープで縛りあげた。


「よっしゃあ!成功だ!」ストッ…。


悟空は、ロープで縛った奴を抱え、地に足をつけた。


「これで良しっと!」

「…カカロット。離れていろ…。」ボウッ!


ベジータは気を高め、奴に向けて気弾をつくった。


「おう。でも手加減しろよ?ベジータ。」スッ

「どうだかな…。」ブウウウゥゥゥゥン…。

「……。」

「ファイナルフラーッシュ!!」ズボッ!


「クッ…!クソッ!……ッ!!」カッ!


ドゴオオオオオォォォォン!!


「クッ!」


悟空は、あまりの眩しさで目を閉じた。


「ど…どうだ…。殺ったか…?」


ベジータの目の前には、ロープで縛られながらも、不敵な笑みを浮かべた奴がいた。

どう見ても、ダメージを受けたようにはとても見えない。


「クソッ!ダメージを受けていないとはな…。

手応えはあったんだが…。」


「……。」


「ベジータ…。オラがこの闘いを終わらせてやるよ…。」


「……。」


ベジータは、黙って悟空の次の言葉を待った。


「オラがこの闘いを起こした原因なんだからな…。最後はオラが決着を付けてくる…。」


「死ぬ気か?カカロット…。」


「…じゃあな…。ベジータ…。」シュン…。


悟空は瞬間移動をした。

これが悟空の人生の中で、最期の瞬間移動かもしれない…。


そして、悟空の瞬間移動した場所は…。


ーto be contenued…。


後書き

早くこの長編作品から解放されたい…。
もう疲れた…。
…さて、次で最終回です。(やったー!)

次回も楽しみにしてくれると嬉しいです…。
では…。


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