2016-05-08 01:00:46 更新

概要

結構長いです。


前書き

一応真姫ちゃんはμ'sの皆と面識はなく、もう医者になってる。


真姫「次の方、どうぞー」


花陽「お、お邪魔します…」


真姫「今日はどうしましたか?」


花陽「ちょっと喉が痛くて…」


真姫「あら、良い声なのにもったいない。」


真姫「ちょっと調べますね。」




真姫「ちょっと喉に炎症が起きてるわね。」


真姫「暫くは大きい声を出さない方がいいわ。」


花陽「そ、そんな…」


花陽「歌うのも駄目ですか?」


真姫「歌うなんてもってのほかよ。」


花陽「そうですか…」


真姫「その様子だと、何か歌関連で大切な事があるのね?」


花陽「はい、実は…」






真姫「廃校、か…」


真姫「それを阻止する為にスクールアイドルね……」


花陽「はい!名前はμ'sと言って、8人で活動しています!」


真姫「μ's…9人の歌の女神?」


花陽「はい!メンバーに希ちゃんっていう人がいて、副生徒会長をしているんですけど、その人が付けてくれたんです!」


真姫「μ's…でもさっき8人って…」


花陽「はい…まだ9人目が見つかってないんです。」


花陽「それで作詞、衣装担当はいるんですけど、作曲がいなくて…」


真姫「そうなの…」


真姫「それなら尚更今は休んだ方がいいわ。」


真姫「これ以上無理をすると、本当に声が出なくなっちゃうわよ。」


真姫「一応薬を出しておくから、また来なさい。それと…」


花陽「?」


真姫「μ'sの次歌う曲の歌詞、次来る時に持ってきなさい。」


花陽「?わかりました、では。」


真姫「お大事に。」










真姫「次の方どうぞー。」


花陽「お邪魔します。」


真姫「あら、久しぶり、喉の調子はどう?」


花陽「まだ治りません…」


真姫「おかしいわね、もう治ってもいい筈なのに。」


花陽「それと、曲の歌詞、持ってきました。」


真姫「ありがと、借りてもいい?」


花陽「はい。」


真姫「…いい歌詞ね。」


真姫「さてと、これはあとにして、ちょっと喉を見るわよ。」


花陽「はい。」


真姫「…治ってないわね…」


真姫「それどころか少し悪化している気が……」


真姫「念のためここで見てもらいなさい。」


花陽「これは?」


真姫「そこの方が私より喉については詳しいわ。」


真姫「見てもらったら1回ここにきなさい。」


花陽「わかりました。」






真姫「さてと、曲のほうもやらなきゃね。」








花陽「お邪魔します。」


真姫「花陽、どうだった?」


花陽「中咽頭癌、と言われました。」


真姫「何ですって!?」


真姫「花陽、すぐにもう一回喉を見るわ。」


花陽「は、はい。」


真姫「…確かにこれは咽頭癌だわ…」


真姫「癌に気付かないなんて…」


真姫「ねえ花陽、これから少し真面目な話をするわ。」


花陽「はい。」


真姫「貴方は今、癌なの。」


花陽「はい。」


真姫「でもまだおそらく初期だから、放射線治療か、切除かを選べるわ。」


花陽「どっちの方が安全ですか?」


真姫「何とも言えないけど、放射線の方が、安全だと思うわ。」


花陽「じゃあ放射線治療でお願いします。」


真姫「わかった、じゃあ癌専門の医師を紹介するわね。」






真姫「この曲、渡せなかったわね。」


真姫「多分まだ初期だから、きっと治るわ。」


真姫「治ってから渡しましょう。」








真姫「具合はどう?」


花陽「あ、西木野先生!」


花陽「おかげさまで大分良くなりました。」


凛「かーよちーん!お見舞…って誰?」


真姫「あら、お友達?」


花陽「はい!凛ちゃんです!」


真姫「ああ、μ'sのメンバーの1人ね。」


真姫「私は西木野真姫。最初に花陽が私の所に診察に来たの。」


凛「星空凛です。かよちんのクラスメイトです…って言っても1クラスしか無いですけど」


凛「そしてかよちんの一番の友達です!」


真姫「そう、よろしくね。」


真姫「話を戻すけど、あとどのくらいで退院できるの?」


花陽「たぶん2週間後位には…」


凛「本当!?じゃあラブライブ予選には間に合うね!」


花陽「でもまだ曲が出来て無いんだよね…」


凛「それは…そうだけど…」


真姫「心配しなくていいわ、はいこれ。」


凛「これは…曲?」


真姫「花陽から歌詞をもらってそれに合いそうな曲を作ったわ。」


凛「ありがとう…ございます…でも何で?」


真姫「花陽から聞いたの、貴方達、廃校を無くすためにアイドルやってるんでしょ?」


真姫「私もね、音ノ木坂学院出身なのよ。」


真姫「あの学校がなくなるのは悲しい、だから少しでも協力出来たらって思ってね。」


凛「ありがとうございます!早速皆で練習します!かよちんも早く戻ってくるにゃー!」


花陽「うん!」





真姫「元気な子ね。」


花陽「はい、私の一番の友達です。」


真姫「あら、本当にそうなのね。」


真姫「じゃ、あの子達のためにも早く治しなさい。」


花陽「はい!曲、ありがとうございました。」


真姫「いいのよ、私が勝手にやっただけだから。」







真姫「ラブライブ、か。」


真姫「そういえば予選やってたわね。」


真姫「見てみましょ。」


真姫「あら、μ'sじゃない!」


真姫「…いい踊りね。」


真姫「花陽、治ってよかったわね。」





真姫「終わったわね。」


真姫「きっとこの子達なら、予選くらい突破出来るわよね。」









真姫「次の方、どうぞー。」


花陽「失礼します。」


真姫「ああ花陽…ってなんで8人もいるの?」


看護師「すいません、この子達がどうしても先生に会いたいと。」


真姫「まあいいわ。」


真姫「で、私に何の用かしら?」


絵里「今回は本当にありがとうございました。」


真姫「何のことかしら?」


花陽「曲のことです。」


真姫「ああ、「ユメノトビラ」ね。」


真姫「いいって言ったのに。」


花陽「そういう訳にもいきません。先生のおかげで予選を突破出来たも当然何ですから。」


真姫「大袈裟ね、それで?」


花陽「はい?」


真姫「まさかお礼を言うためだけに来たわけじゃ無いでしょう?」


穂乃果「お願いがあります。」


真姫「唐突ね、言ってみなさい。」


穂乃果「あと2つ、曲を作ってくれませんか?」


真姫「いいわよ。」


海未「ほ、本当ですか?」


真姫「ええ、貴方達の予選、見させてもらったわ。」


真姫「貴方達、とても上手かったわ。」


真姫「貴方達なら、本当に廃校を止められる気がするわ。私もあの学校がなくなるのは嫌だから、曲は作ってあげる。」


希「ありがとうございます、先生。」


真姫「歌詞はあるの?」


海未「いえ、これから考えます。」


真姫「そう、あまり急がなくてもいいわ。貴方のペースでやりなさい。」









絵里「承諾してくれて良かったわね。」


希「μ'sは9人の女神、意外とあの人が9人目、なのかもしれないね。」


絵里「もしあの人が今の音ノ木坂学院生だったら、一緒にμ'sをやっていたかも、知れないわね。」


絵里「さ、早く帰りましょ。」








海未「失礼します。」


真姫「あら、あなたたしか、園田海未さん、だったかしら。」


海未「はい、歌詞を持ってきました。」


真姫「あら、早いのね。」


海未「少しでも多く練習したいので。」


真姫「そう、じゃあ私も早く仕上げるわ。」


海未「失礼しました。」





真姫「さて、やりましょうか。」








真姫「できた。」


真姫「こんなものかしら。」


真姫「明日、渡しに行きましようか。」







絵里「今日も疲れたわね。」


希「帰ろうか。」


真姫「ちょっといいかしら?」


絵里「はい?って先生!」


希「どうしてここに?」


真姫「これを渡しに来たのよ。」


絵里「これは、曲ですか?」


希「もうできたんですか?」


真姫「ええ、だからこうして持ってきたのよ。」


絵里「ありがとうございます!明日からさっそく練習します!」


真姫「頑張ってね、じゃあ。」


希「行っちゃった…」


絵里「あの人医者でしょ?曲を作っている暇なんてあるのかしら…?」


希「すごいよね。仕事をしながら曲を作るなんて。」







その後も私はμ'sの曲を作り続けた。μ'sはラブライブ予選を突破、本戦も優勝した。音ノ木坂学院の廃校も無くなり、μ'sはラブライブ存続に力を貸せる位になった。そんなある日…






花陽「失礼します。」


真姫「あら、花陽じゃない。お帰り。」


真姫「どうだった海外は?」


花陽「とても凄かったです!穂乃果ちゃんが迷子になったりお米が食べられなかったりしましたけど…」


花陽「帰って来てから空港ですごい囲まれちゃって、大変でした。」


真姫「でしょうね。日本でも凄かったわよ。」


真姫「Angelic Angelの映像がそこら中に流れてたしね。」


花陽「はい…」


真姫「まあそれはいいわ、今日は何の用かしら?」


花陽「はい…実は…」


花陽「μ'sはラブライブが終わったら終わり、活動は続けないって決めてて、でも海外からオファーが来て、ラブライブに力を貸せるならってライブをしにいって、そしたらすごい人気が出ちゃって、μ'sは終わりにした筈なのに、沢山の人が次のライブを楽しみにしてくれてる。だからスクールアイドル皆でライブをやって、μ'sはもうおしまいにするって宣言した。でもまだ諦めきれて無いんです。まだμ'sとしてアイドルを続けていたい。沢山の人を笑顔にしたい。そんな思いがまだ拭いきれていない。」


花陽「そんなこと考えてたら、なんだか分かんなくなっちゃって、先生だったらどう考えるかなって…ここに来ました。」


花陽「私は、どうしたらいいでしょうか?」


真姫「…」


真姫「そうね。部外者の私が言うのも何だけど…」


花陽「部外者じゃありません!!」


真姫「!」


花陽「先生は、私達に曲を作ってくれた。」


花陽「私たちだけじゃ絶対に作れないようなすごくいい曲を沢山作って来てくれた。」


花陽「先生が曲を作ってくれてた時、私、思ったんです。」


花陽「これで本当にμ'sになれた気がするって。」


花陽「μ'sは9人の歌の女神、でも私達は8人しかいなかった。」


花陽「それでも私達はラブライブで優勝して、海外でライブをして、凄い人気を得るまでになれた。」


花陽「それはきっと、先生が曲を作ってくれたからで、先生がμ'sの9人目だからなんです。」


真姫「私が、μ'sの……9人目…?」


花陽「はい。前に皆で話したんです。」


花陽「もしも先生が音ノ木坂学院の生徒だったら、9人目のメンバーとして、一緒にステージに立てたのにって。」


花陽「でもその時、絵里ちゃんが言ったんです。」


花陽「「今だってたとえステージに立っていなくても、μ'sの曲を作ってくれるμ'sのメンバーに変わりはない」って。」


花陽「ですから、先生は部外者なんかじゃ無いです!れっきとしたμ'sの9人目のメンバーなんです!」


真姫「花陽…」


真姫「ありがとう…花陽。他の皆にもありがとうって言っといて。」


真姫「特に絵里にはね。」


真姫「話を戻すわね。」


真姫「私は、終わりにするって、皆で決めたのなら、終わりにするべきだと思うわ。」


真姫「私は、μ'sがその8人…いや、この9人しかいないと思ってる。」


真姫「別に貴方達に無理強いするつもりはなかったけど、私もμ'sはあなた達だけのものにして欲しいと思ってる。」


真姫「でも、最後に決めるのは貴方達だからね?」


花陽「…はい。」


花陽「そうですよね。」


花陽「もう最初から決まってたんですよね。」


花陽「μ'sが終わりになることは。」


真姫「花陽…」


花陽「μ'sを終わりにするって3年生に言う時、私達、海にいたんです。」


花陽「それで、海に向かって終わりにするって言ったんです。」


花陽「その時、皆が…」





(穂乃果「やっぱりこの9人なんだよ。この9人がμ'sなんだよ。」


海未「誰かが抜けて、誰かが入ってそれが普通なのはわかっています。」


花陽「でも、私達はそうじゃない。μ'sはこの9人。」


凛「誰かが欠けるなんて考えられない。」


ことり「1人でも欠けたら、μ'sじゃないの。」)




花陽「そう言ったんです。」


花陽「もうその時に、終わりにするって決まってたんです。先生の意見を聞かなくても、ううん、μ'sができた時から、μ'sはこの9人だけって決まってたんです。」


真姫「…」


花陽「私は、スクールアイドルが好き。限られた時間の中で、精一杯輝こうとする、スクールアイドルが大好き。だから、まだ少しだけ残ったこの時間で、μ'sの本当に最後の曲を、一曲、作ってほしいんです。」


真姫「……わかったわ。」


真姫「今までで最高の曲を作り上げてあげる。」


花陽「ありがとうございます!」


真姫「歌詞はあるかしら?」


花陽「はい、ここに。」


真姫「ありがとう、じゃあまた明日来なさい。」


花陽「明日?」


真姫「明日渡すわ。」


花陽「1日で作るんですか?」


真姫「ええ。」


花陽「…わかりました。ではまた明日。」



パタン


真姫「花陽って…以外と皆の事を一番考えてるのかもね。」


真姫「ねえ、絵里?」


絵里「…」


真姫「なんで隠れたのよ?」


絵里「だって、今の私が喉を痛めたなんて、言えないから…」


真姫「μ's最後のライブ、か。」


真姫「あなた、あんな事言ってたのね。」


絵里「うう…言わないでって言ったのに…」


真姫「いいじゃない、嬉しいわ。ありがとう。」


絵里「あの、先生。」


真姫「それを決めるのは私じゃないわ。」


絵里「まだ何も…」


真姫「どうせ私はどうしたらいいか、なんて聞くんでしょ?」


絵里「…」


真姫「図星ね。」


絵里「だって、最後のライブなんて聞いてないのに…」


真姫「あなた、花陽達の気持ちも汲んであげたらどうなの?」


真姫「それを言い訳にするのは駄目よ。」


真姫「海未からビンタくらうわよ?」


真姫「あなたは最低です!ってね。」


絵里「そう…ですね。」


絵里「帰って考えます。」


真姫「どうせ答えはでてるくせに。」


絵里「あなた、意外と嫌な人ですね。」


真姫「あなたに言われたくないわ。」


絵里「では。」


真姫「また来なさい。」







花陽「失礼します!」


真姫「あら、花陽じゃない…ってどうしたの?そんな慌てて。」


花陽「ちょっと…ちょっと来てください!」


真姫「へ?…ってゔぇえ?!」


真姫「ちょ、どこ行くの?」







真姫「はぁ、はぁ…」


花陽「ここです。」


真姫「ここは…」


花陽「私達、これからμ's最後のライブをします。」


花陽「先生には、絶対に見てもらいたいんです。」


花陽「μ'sの9人目として。」


真姫「花陽…」


真姫「どうして私にそこまでしてくれるの?」


真姫「ただ曲を作っていた私に。」


花陽「だって先生、ラブライブ予選のときも、本戦の時も、遊びに行った時も、仕事が忙しいって言って、来てくれなかったじゃないですか!」


花陽「最後くらい、見ていって下さいよ。」


花陽「そして、ちょっとくらい話しましょうよ。」


真姫「花陽…わかったわ。」


真姫「行きなさい、きっと皆待ってるわ。」


花陽「はい!」







真姫「始まった…」


真姫「皆、いい動きを、しているわね。」


真姫「絵里…ちゃんと治ったのね。」


真姫「良かったわね…」


真姫「…」


真姫「ごめんね。私、まだ仕事が残ってるの。」


真姫「あまり長くはいられないわ。」


真姫「だから、多分話すことは出来ないわ。」


真姫「あとでいくらでも文句聞いてあげるから。」


真姫「じゃあね。」


???「このままここにいてあげたらどうだ?」


真姫「え…?」


真姫「パ…パパ?!」


真姫パパ「仕事はこっちでなんとかしておくから、あの子達に付き合って上げなさい。」


真姫「でも…」


真姫パパ「いいんだ、お前には休みもほとんどなかったろうしな、こんな時くらい病院のことは忘れて話してあげろ。」


真姫「パパ…分かったわ。」


真姫パパ「じゃあ私は病院に戻るからな、戻ってきては駄目だぞ。」


真姫「そこまで言われたら戻らないわよ…」


真姫「でも…ありがとう。」







私はこの後、結局最後までいて、皆の話を聞いた。皆泣いちゃって大変だったけど、私も泣きそうだった。μ'sは本当に終わっちゃったけど、自然と悲しさとかはなく、なんだかよくわからなかった。途中からだけどμ'sに加われて、9人目のメンバーって言ってくれて、本当に嬉しかった。


さよならはいらない。また会おう。そう誓った。


後書き

ラブライブは最高だと再確認しました。


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