真姫「変な霊が見える……」
西木野真姫ちゃんが、変な幽霊を見てしまうお話。
(多少修正を加えるので完結はしていますが、上がることもあります)
補足解説追加しました。興味があれば読んでみてください。
初投稿です。
2月26日 補足解説を追加しました。
真姫「ふぅ……ある程度形は出来たわね」
私は、音楽室で一人、作曲を行っていた。
ある程度、できた部分を通して弾いてみる。我ながらいい曲だと思った。
今度は海未の書いてきてくれた歌詞と見合わせつつ、おかしなところがないか確認していく。
この作業はもはやお馴染みとなっていた。
今までは、ただピアノを弾くだけだった音楽室が、μ’sのみんなとの出会いで、まったく別の場所へと変わっていた。
私は変わったんだ……そう思っていた矢先だった。
???「ほう……なかなかいいスジをしている」
真姫「うぇぇ?!」
思わず、鍵盤のよくわからないところを叩いてしまった。
私以外は誰もいない音楽室に不協和音が鳴り響く。
真姫「だ、誰かいるの?」
???「こっちだ……」
声のした方を恐る恐る見てみると、半透明の男性が立っていた。
真姫「え、嘘……?」
目をこすってみても、それは見える。ほっぺたをつねってみてもそれはいた。
これは俗世間的に言う幽霊なのではないのだろうか。
真姫「あ、あなた誰よ!」
???「驚かせてしまったようだ……申し訳ない。私の名前はフレデリック・ショパン」
真姫「え……? フレデリック・ショパンって……あの?」
ショパン「あの、というのは『ピアノの詩人』という称号のことか? どうやら、世間ではそう言われているみたいだが……」
真姫「っていうかあなた外国人でしょ! どうして、日本語が喋れるのよ!」
ショパン「それは、私にもわからない。どういうわけか、ここに立っていてね」
本当に夢のような話だ。
あの昔の大作曲家が今目の前に幽霊として姿をあらわしている……。
真姫「……で、その大作曲家さんが私に何の用かしら?」
ショパン「これと言って用はない。ただ、ピアノを弾いている君が少し気になってね」
真姫「はぁ……私は今作曲中なの。邪魔しないでちょうだい」
そう言って、私はまた作曲の作業に戻る。
すると、ヤツは私の側までよって来て、海未が書いてきてくれた歌詞を眺め、私の演奏を聴いている。
ショパン「……ふむ。何と言えばいいのかわからないが……君にはセンスを感じるよ」
真姫「………」
ショパン「まぁ、7歳から作曲を行っていた私ほどではないがね」
真姫「なにそれ、嫌味?」
ショパン「冗談だ。さて、君の名前を聞いていなかったな」
真姫「……どうして、いきなりそうなるのよ。っていうか、幽霊なんかに教えたところでどうするのよ」
ショパン「まぁ、いいじゃないか。何かの縁ってことにすればいい」
真姫「……西木野真姫よ」
ショパン「……真姫、か。よろしく、真姫」
真姫「……こちらこそ」
というより、どうして馴れ馴れしいのかしら……。
そんなことを思いつつ、作曲を続けていく。それより後は、ショパンは、黙ってて聴いていた。
しばらくすると、音楽室の扉がノックされる音が聞こえた。
海未「真姫、少しいいですか?」
真姫「えぇ、いいわよ」
海未「明日の練習には参加できそうですか?」
真姫「えぇ、大丈夫よ。ある程度形は出来てきたし」
海未「そうですか。では、今日は、少し早めに切り上げたので真姫も帰りませんか?」
真姫「えっ……あ~、もうちょっとだけここにいるわ」
海未「そうですか。では」
海未が出て行ってから、ショパンの方を見る。
ショパン「ん? どうしたのかね?
真姫「あなた、これからどうするの?」
ショパン「どうすると言われても、こうなってしまった以上私は好きに過ごさせてもらう。お前は家に帰るのであろう?」
真姫「え、ええ。そうだけど」
ショパン「なら、早く帰るといい。家族も心配しているだろう」
真姫「そうさせてもらうわ」
ショパン「……真姫よ」
真姫「何?」
ショパン「……気をつけて帰るんだぞ」
真姫「言われなくても。それじゃあね」
次の日の放課後、私は部室へ入るともうみんなは、揃っていた。
みんなで着替えてから、屋上で、いつものようにダンスの練習をする。
そして、休憩の時間になった。
真姫「ふぅ……きっついわね」
ショパン「何をやっているのだ?」
真姫「うえぇ?!」
凛「真姫ちゃん?」
花陽「どうしたの?」
真姫「な、なんでもない! ちょっと……その、お手洗いに行ってくるわ」
真姫「ちょっと! あんなところで出てこないでよ!」
ショパン「すまぬな。あまりにも君のやっている行為が不思議なもので」
真姫「えぇと……ダンスだけど?」
ショパン「マズルカか?」 ※マズルカ……ポーランドの民族舞踊
真姫「はい?」
ああ、そうだった。彼の生きていた時代にはアイドルという存在はなかったのだから、仕方のないことか。
真姫「私達、『スクールアイドル』やってるの」
ショパン「すくーるあいどる? 何だそれは? 新しい曲の形式か?」
真姫「違うわよ!」
とりあえず、私はショパンに今まであったことと、私達のスクールアイドルとしての活動について話した。
ショパン「なるほど……つまり、君はアレだ。人々の前に立つ人間だったというわけだな」
真姫「ま、まぁ……あながち間違ってはいないけど……」
ショパン「ふむ、実に興味深い。私も練習を見させてもらおう」
真姫「別にいいけど……みんなのいる前では、話しかけないでよ」
ショパン「わかってるさ」
結局、その日は練習は終わり、家へと帰った。
そして、どういうわけかアイツがついて来てしまっているのに気づいたのは自分の部屋に入ってからのことだった。
真姫「まったく……どうしてついて来てるのよ」
ショパン「すまないな。しかし、君たちのやっている活動には興味がわいた」
真姫「はぁ……」
ショパン「今までの楽曲を聴かせてはくれないか?」
真姫「別にいいけど……」
私はとりあえず、今までとったPVをショパンに見せた。
ショパン「……未知の音が鳴っているな。何という楽器を使っているのだ? 明らかに知らない音があるぞ」
真姫「……めんどくさい」
ショパン「しかし、あれだな……」
真姫「何よ」
ショパン「君たちのグループは実に、個性的だ」
真姫「……それって褒めてるの?」
ショパン「私は素直に褒める人間だよ。あれらを君が全て作曲しているとはなかなか驚きだ」
真姫「まぁ……ありがと」
ショパン「一つ気になることがあった」
真姫「え?」
ショパン「君たちのメンバーで、金色の髪の毛をしたものがいただろう」
真姫「ああ、エリーのこと? クォーターなのよ」
ショパン「クォーター?」
真姫「クォーターって言うのは―――
結局、クォーターの意味まで事細かく説明することになってしまった。私は勉強がしたかったのに。
ショパン「そうか、ではどこのクォーターなのだ?」
真姫「ロシアらしいけど……」
ショパン「…………」
真姫「……どうしたの?」
ショパン「今何と言った?」
真姫「え……、だからロシアって」
ショパン「……」
どういうわけか、すごく怖い顔をしている。怒りの表情だった。
私はすぐ携帯で、ショパンの生涯について調べた。
そして、ある項目でその怒りの理由がわかった。
真姫「大丈夫よ。ポーランドならちゃんと残ってるから。それに、今のロシアに怒ったってしょうがないでしょ?」
ショパン「しかし……あぁ、すまないな。こんな様子を君に見せるつもりではなかったのだが……すまない。どうやらロシアに対して過敏に反応してしまう」
真姫「まぁ……そうよね。故郷がなくなるっていうのは……辛いことだと思うわ」
ショパン「ふっ……まさか君みたいな子どもに同情されるとは」
真姫「何よ。せっかくちょっと心配してあげたのに」
ショパン「いいさいいさ。ありがとう。でも、まぁ、君も同じようなことで活動していたのだろう?」
真姫「……」
ショパン「規模は違えど、母校を守るために活動するなんていいことじゃないか。私なんて、自分の作った曲で国がなくなることに抗議したんだからはっはっは!」
真姫「その時、どんな気分だったの?」
ショパン「……」
真姫「…………」
ショパン「もちろん、『怒り』さ。今思えばあの曲には、本当にそんな感情しか込められていなかったのではないかと少しばかり後悔している」
真姫「……」
ショパン「真姫よ。これは、先輩である私からのアドバイスだが、気分に任せて曲をただ作るのはあまりオススメしない。気分で作って売れるのは一部の天才と呼ばれる人たちさ」
真姫「あなたも天才じゃないの?」
ショパン「いやいや、私も確かに少しは才能があると自負はしているが、モーツァルト先生なんかと比べるとまだまだ」
真姫「ふぅん……」
ショパン「まぁ、君に作曲の才能があると感じているのは本当の話だ。踊りの才能は分からないがね」
真姫「…………」
ショパン「しかし、君たちのあれを見ていると、何だか微笑ましくなるよ。まだ、アイドルというものがどういうものかは完全に理解しているわけではないが、何かしらの可能性を感じている」
真姫「たぶん、あなたの生きていた時代では絶対に受け入れられないものだったと思うわよ」
ショパン「そうなのか?」
私は、A-RISEのライブの映像を見せてやった。
すると、ショパンは明らかに面食らっていたような顔をしている。
ショパン「え、演奏中にこれほどまで騒ぐとは……!! 音楽を侮辱しているにも……あぁ、いやすまない。君たちも関わっているのだったな」
真姫「まぁ、そうなるわよね。昔の人からしたら音楽が鳴っている時に騒ぐのはご法度でしょうから」
ショパン「しかし、人々の心を動かしているのは間違いないのだろうな……。すごい人数だ。これほどまでに、彼女たちの曲に魅了されたものがいるということか……ふむ。今の時代の音楽はなかなか侮り難い」
真姫「……あなたって意外と勉強家なのね」
ショパン「そうでもないさ。私が生きていた時代は特に今ほどやることもなかったしな。色々新しいものができているのには驚かされるばかりだ……そして、今わかったことがある」
真姫「え?」
ショパン「私は一応、モノに触れることができるみたいだな。君のその持ってる謎の機械にも触れるみたいだ」
真姫「へぇ……」
謎の機械は私の持っている携帯電話のことだが、ショパンは平然としていた。おそらく、色々私の家に来る前に、車や、コンビニといった文明の発展を見たからだろう。
ショパン「……ふむ。これがわかったからには、ちょっとやりたいことがあるな。では、真姫。今日はこれで失礼するよ」
真姫「あ、うん」
ショパンはそう言うと、私の目の前からすぐに消えた。
~音楽室~
ショパン「ふむ……ピアノにも触れるか」
ショパン「また、このようにピアノに触れることになるとは思わなかったな」
ショパン「……どれ、では一曲」
それからしばらくショパンに会うことはなかった。
だが、数日経ったある日のことだった。
教室で他の子たちが、何やら色々話している。でも、その会話にはいつものような、話題ではないことに気づいた。
花陽「あ、真姫ちゃんおはよう」
凛「おはようにゃ~」
真姫「二人とも、おはよう。……どうしたのかしらね?」
花陽「え?」
真姫「あ、いや、みんな何のことで話してるのかなと思っただけよ」
花陽「あ~」
凛「確か、音楽室で誰もいないはずなのに、勝手にピアノが……って話だよね」
真姫「えっ……」
花陽「どうしたの、真姫ちゃん」
真姫「あ、いや、なんでもないわ。大体、そんなの非科学的よ!」
と言いつつも、心当たりはあった。
こんな噂を聞くと、おそらくあの先輩達が黙っているはずはないと思うけど……。
―放課後―
穂乃果「ねぇねぇ、みんな知ってる? 誰もいないはずの音楽室からピアノの音が聞こえるって話!」
絵里「え?」
希「スピリチュアルやね……」
にこ「え~っ、にこは~。真姫ちゃんがかまってほしくやったんじゃないかと思ったんだけど~」
真姫「何それ、イミワカンナイ!」
希「ふっふっふ……もしかしたら、真姫ちゃんの生霊が……」
海未「希、さすがにそれは悪ふざけしすぎです」
ことり「でも、真姫ちゃんが、今後あの部屋で一人になることもあるし……」
絵里「さすがに放っておけないわよね。どうせデマカセだと思うけど……」
穂乃果「じゃあ、穂乃果たちで確かめに行こうよ!!」
一同「「「え!?」」」
凛「ほ、本当に行くのかにゃ?」
花陽「こ、怖いよぉ……」
真姫「みんな、ちょっと待って」
一同「「「「?」」」」
真姫「その……その事件、わ、私が解決するわ!!!」
一同「「「ええええええええ?!」」」
希「真姫ちゃんが、そんなこと言うなんて……」
絵里「意外ね……何か心当たりでもあるのかしら?」
海未「ま、真姫、熱でもあるのですか?」
真姫「ないわよ。たぶん、私が行けば解決すると思うから。あ、くれぐれも誰もついてこないでね」
と言ってもついてくるんだろうけど……。
しかし、どうやってショパンに伝えればいいのかしら……。
「迷惑だからやめろ」?……うーん。
そんなことを考えているうちに音楽室についた。
音楽室の扉を開けると、そこには以前のように誰もいないピアノが置いてある音楽室の光景が広がっている。
一度、振り返ってみると、誰もついてきていない……。とは言っても油断はできない。
真姫「ショパン、いるんでしょ、出てきてちょうだい」
小声で呟いた。
ショパン「おや、君から会いに来てくれるとはね」
真姫「ちょっと話があるから……」
もう一度振り返ってみる。少しだけドアが空いているのが見えた。ここで話を続けるのはある意味で危険かもしれない。……っていうより、にこちゃんのツインテールが見えてしまっている。
真姫「……一度、外へ出ましょう」
ショパン「ああ」
私が出ていこうと、音楽室の扉を開けるとそこにはやっぱりみんながいた。
真姫「ついてこないでっていったのに」
穂乃果「ごめんごめん」
海未「穂乃果がどうしてもと言うのでつい……」
希「ウチは超常現象でも見れるんかと思ってビデオカメラ用意してたのになぁ」
にこ「……」
絵里「そ、そそ、そうよね。お、お化けなんているはずないわ」
花陽「絵里ちゃん……」
凛「実は絵里ちゃんが一番ビビッてたにゃ~」
ことり「あはは……」
真姫「とにかく! たぶん今日以降はピアノの音は私が演奏しない限りはたぶんしないと思う……うん。というわけで! 先に練習しておいてちょうだい」
一同「「「はーい」」」
~中庭・ひと通りの少ない場所~
真姫「はぁ……」
ショパン「で、何かね。話とは。私は君と逢引しに来たわけではないのだが」
真姫「あ、逢引っ……!? も、もう、そういう冗談は言いから……」
ショパン「すまないな。まぁ、聞かせてもらおうじゃないか」
真姫「あのね、あなた怪談って知ってる?」
ショパン「……真姫よ。いくら何でもその歳になって階段を知らないのは……。普段君だって昇り降りしてるじゃないか」
真姫「そっちの階段じゃないわよ! カ・イ・ダ・ン!」
ショパン「すまないな……君の言ってるカイダンは分からない」
真姫「はぁ……そこから説明しなきゃダメなのね」
私はとりあえず、日本でいう『怪談話』について、説明した。
そして、今ショパンが明らかにそれの話題として挙がっていることも説明した。
それを聞いた後、ショパンは難しそうな顔をして、立ち尽くしている。
ショパン「つまりは……そうか。この学校に迷惑をかけてしまっていたのだな」
真姫「いや、そこまで迷惑というわけじゃないけど……」
ショパン「ふむ……では、ピアノはどこで弾けというのだ……」
真姫「そんなの私にもわからないわよ……」
ショパン「ふむ。ところで、真姫よ」
真姫「何?」
ショパン「お前の後ろのほうで、先輩が立ち聞きしているようだが?」
真姫「……え!?」
そこで、気づいてしまった。後ろを見た時、にこちゃんと希がこちらを覗き見ていたのだった。
私は慌てて、別のところに移動しようとするが、足がもつれてその場でこけてしまった。
にこ「あれれ~、真姫ちゃん誰とお話してたのかなぁ?」
希「あはは……その、何やろ……真姫ちゃん、何か悩んでるん?」
真姫「え、あ、いや……これは……」
にこ「………ほら、まずは立ちなさいよ」
真姫「……うん」
にこ「で、誰と喋ってたの? 見たところ誰もいないけど」
真姫「え、え~と……」
どうすれば、いいのか自分でも迷う。
ここで、「実は私、幽霊と喋ってたの」などというと私が今まで築き上げてきた……キャラじゃないけど、色々なものが壊れそうな気がする。
にこちゃんや希がその程度で、私のことを変に見たりしないと信じたいが、やはり不安だ。
真姫「え~と……」
希「無理せんでええんよ?」
真姫「む、無理なんてしてないってば! そ、そうよ! 演劇の練習をしていたのよ!!」
のぞにこ「演劇ぃ!?」
真姫「そ、そう。アイドルには演技だって必要でしょ? だから、演劇の練習」
自分でも何を言っているのかわからなかった。
もはやどうにでもなれという感じ……。二人は顔を見合わせ、黙っている。
希「……わかった。ほな、ウチ達は先に練習に戻るわ」
希はそう言うと、一足先にこの場から去っていた。
にこちゃんはじっとこちらを見ている。
にこ「……今はまだ言えないみたいだけど、いつまでも引きずってダンスとかに支障をきたさないでよね! このスーパーアイドル・にこにーの足を引っ張るなんて許さないんだから」
真姫「う、うん……」
にこ「……約束よ。じゃあ、私は先に戻るから。すぐ来なさいよね」
にこちゃんは今どういう気持ちで、その言葉を私に向けて言ってくれているのだろう……。
少なからず、私のことを責めると言った風には感じられなかった。
どちらかと言うと、以前見た、こころちゃんやここあちゃん達を世話するお姉さんみたいに……。
何だかんだ言っても、にこちゃんのことは信頼している。花陽並のアイドルへの想いの強さ、徹底したアイドルへの憧れ、そして、部長としての全体を見る能力……。
真姫「はぁ、行かなきゃダメよね……」
ショパン「真姫、いい先輩を持ったな」
真姫「まったく……あなたのせいでもあるんだからね?」
ショパン「この埋め合わせはいつか、してあげようじゃないか。それでは早く行き給え。『カイダン』の件についてはちゃんと考えておく」
真姫「頼むわね」
私はそう言い残すと、出来るだけ早く屋上へと向かった。
~にこ・希~
にこ「希、どう思う?」
希「真姫ちゃんのこと? うーん……何か隠してるんやろうねぇ……」
にこ「私、信用されてないのかしら?」
希「なっ……どうしたん、にこっち~。そんな弱気で~。あっ、もしかして真姫ちゃんに頼ってもらわれへんのが悔しいん?」
にこ「ばっ、ちっ、違うわよ!!」
~真姫~
それから数日、経ち、私は新曲の構想を練るため、また音楽室に立ち寄った。
どういうわけか、音楽室の机のところでショパンが突っ伏して寝ている。
真姫「……何やってんのよ」
ショパン「真姫ではないか。どうだ、アイドル活動は頑張っているか?」
真姫「まあね……」
ショパン「……そう言えば埋め合わせをすると言ったのを覚えているか?」
真姫「まあ……別に幽霊のあなたにはそこまで期待していないけど」
あれ以来、ショパンは私の言いつけを守って、ピアノをあまり弾かないでいてくれたそうだ。
「あまり」という部分は気になるが、まあよしとする。
ショパン「では、埋め合わせとして私が君のために何か一曲弾いてあげようではないか」
真姫「えっ……」
ショパン「さぁ、好きな曲を選び給え。まぁ、レパートリーは私が作曲した曲ぐらいしかないがな」
真姫「じゃあ……『スケルツォの第2番』」
その曲の名前を聞いた途端、ショパンは笑い出した。何が面白いのだろう……。
真姫「何が面白いのよ」
ショパン「い、いや、君のことだからてっきり『子犬のワルツ』みたいな有名曲を選ぶと思ったが、ちょっと予想外でな」
真姫「失礼ね! これでも、私、小さいころはクラシック聴いて育ってるのよ! あなたの作った曲もある程度はちゃんと聴いてるわ!」
ショパン「いやぁ、これは失敬。そういえば、ピアノもできるのなら知っててもあまり不思議ではなかったな」
真姫「……ふん」
ショパン「てっきり、私は子どもに見られたくない君がちょっと背伸びして選んだのかと思ったよ」
真姫「もう! さっさと弾きなさいよ!!」
ショパン「……ふむ。では、できる限りピアノの近くにこい。でなければ、またこの学校で変な噂が立つことになる」
真姫「あ、そうか……」
そうだ。今よく考えてみれば、音楽室の外からピアノを弾いている人が見えるつくりだった……。
私が立ち聞きしていたら、変に思われるだろう……。
とりあえず、私はできる限りピアノに近づいた。
真姫「じゃあ、いつでも好きなタイミングでどうぞ」
ショパン「なぜ君にそのようなことを言われるかはわからないが……どれ、まぁ弾いてやろう」
そう言って、ショパンは鍵盤の上に指を置いた。
そして、ショパンの演奏が始まる。
最初の音で私は心を奪われた。誰しも一度は経験であろう、『この人は上手い』と直感的にわかるあの感覚……。
スケルツォの名に相応しい少し冗談めいた音の進行が鳴ったと思いきや、だんだんと見えてくる隠された激情。
時に遅く、時に速く、力強く、弱く……。
色々な音楽の要素がそこに集められていたような演奏だった……。
ショパン「真姫、終わったぞ。さ、君は作曲があるだろう」
真姫「えっ……あ、ええ……」
ショパンに声をかけられるまで、演奏が終わったことに気付かなかった。
席を譲られ座ったが、どうすればいいのかまったくわからない。
ショパン「ふふ、まさかさっきの演奏に感動しすぎたあまり、作曲が手に付かないような顔をしているな」
真姫「なっ……違うわよ!! 今にあなたよりすごい曲作ってあげるんだから!!」
ショパン「おお、大きく出たな。ま、期待せずに待ってるよ」
私は海未から新しくもらった歌詞とにらめっこしながら、作曲を始めた。
真姫「……ふぅ。まぁ、Aメロはこんな感じかしら……」
ショパン「君はなかなか作曲の作業が速いな」
真姫「そうかしら? 大体、いつもこんな感じでやって、後は手直ししていく感じなんだけど」
ショパン「いや、十分に速いと思うよ。これも君が天からもらった才能
なのかもしれん」
真姫「あら、褒めてるのかしら?」
ショパン「当然だろう」
真姫「……ねぇ、さっき、聞きそびれたんだけど、あなたはどうして、『子犬のワルツ』が自分の有名曲だって知ってたの?」
ショパン「……」
そう、幽霊である彼がいったいどこからその情報を得てきたのかが、わからない。
もしかしたら、何か私に隠していることがあるのではないかと思った。
ショパン「……知りたいか?」
真姫「……えぇ」
ショパン「それはだな、君に似合うと思ったからだよ」
真姫「……は!?」
ショパン「いや~、面白いなぁ、そんな真剣そうな顔で聞いてくれるとは思わなかった。『子犬』みたいに君はなかなか可愛いからねぇ」
真姫「なっ……ななななな……」
真姫「イミワカンナイ!!!!」
ショパン「……まぁまぁ、落ち着きたまえ」
真姫「はぁ……気にしてた私がバカだったわ」
ショパン「さっきの声はさすがに、歌唱の練習をしているだけあって大声だったな」
真姫「こんなところで、役立てるのは嫌だわ……」
ショパン「……まぁまぁ、しかし、あんな大声を出してよかったのか?」
真姫「え?」
のぞにこ「あははは……」
希とにこが音楽室の向こうからこちらを覗いていたのだった……。
希「えっと……」
にこ「……しばらく悩んでいる様子がないと思ったら……まだ、悩んでたの……?」
真姫「………」
希「ま、真姫ちゃん、ほんまに無理せんでええからな?」
にこ「私は素直に言ったほうがいいんだと思うけど……?」
真姫「…………」
希「まぁ、にこっちもそんなに、言わんといたろ、な?」
にこ「…………」
真姫「そ、その……言っても変に思わない?」
にこ「……内容によっては変わるわよ」
希「それはウチもやな……」
真姫「…………その、見えてるの」
希「見えてる……?」
真姫「……幽霊」
のぞにこ「……え!?」
私はこれまでにあったことをすべて話した。
希「スピリチュアルやね....」
にこ「何かスケール大きいわ...」
真姫「...ごめんなさい。信じられないわよね...」
にこ「そりゃあね」
真姫「っ....」
にこ「でも信じてあげる。真姫ちゃんがそんな嘘つくとは思えないし」
希「なあ真姫ちゃん、よかったらその...証明...だけでもやってくれへんかな?」
真姫「え、ええ.....」
ショパン「で、私の出番が出てくるというわけか」
真姫「うん……」
ショパンはもう一度、ピアノのところへ行って音を鳴らしてくれた。
にこ「な、ななな……」
希「ほんまやったんやね……」
真姫「ま、まぁ……」
にこ「それはいいとして、その幽霊って悪霊じゃないんでしょうね?」
真姫「たぶん、それは……大丈夫だと思う。好きに過ごしてるだけだから」
希「なるほどな~。でもなんか作曲家の幽霊って何か真姫ちゃんにぴったりやん」
真姫「……う~ん」
にこ「まぁ、いいんじゃない? にこは信じてあげる。せっかくだし、ソイツに作曲のヒントでも聞いてみたら?」
真姫「え、ええ?! そもそも、彼と私は作曲のジャンルも違うし……」
希「ええやん! ウチらの曲も……」
真姫「まぁ……そうね。後で、聞いてみるわ」
にこ「そう。じゃあ、作曲頑張って、期待してるわ」
希「それじゃ、おじゃましました~」
真姫「……あの」
ショパン「アドバイスする気はない」
真姫「……」
ショパン「少し語弊があるな……ふむ、とにかく作曲をするのは君だ。私がアドバイスするのは、精神面くらいだ。曲についてのアドバイスはほとんどはしない。音楽家なら自分で答えを見つけたまえ」
真姫「…そうね。わかったわ」
~十分後~
真姫「うう~ん……」
ショパン「……」
真姫「ああっ、もう! こんなんじゃダメよ!」
ショパン「……」
真姫「……」
ショパン「一つアドバイスをしてやろう。他人から影響を受けることは悪いことではない。私もモーツァルト先生や、ベートーヴェン先生の曲には影響をされたことがある。しかし、『影響を受ける』というのは、『ただ模倣をすること』ではない。……盗むのだよ。その技術を、その音一つ一つに含まれている魔性の力を、自分で見抜いてそれを取り入れる。さらにもっと言うなら、一度既成概念を取っ払ってしまうことだな。アイドルの曲だからと言って、『アイドルらしい曲』限定というわけではあるまい」
真姫「既成概念を……」
ショパン「答えは自分で見つけることだな」
真姫「.....!!」
ショパン「どうやら何か思いついたようだな」
真姫「ええ、ありがとう。それじゃあ私先に帰るわ」
ショパン「ああ、またな.......真姫よ」
真姫「?」
ショパン「.....いや何でもない」
真姫「そう、じゃあね」
私は家に帰ると、昔両親が聴かせてくれたCDを漁った。
クラシックを聴こうと思ったのはかなり久しぶりだったので、一人で漁りながら、「ああ、こんな曲もあったわね」などとひとりごとを言っていた。
でも、何か私の作曲にヒントになる曲が一つでもある……。そう思いながら探していると、一枚のCDが見つかった。
『ラプソディー・イン・ブルー』、ガーシュインの作った名曲の一つだ。
この曲を初めて聴いたのはいつだったか覚えてはいない。だけど、その完成度に驚かされたのは記憶に残っている。
真姫「ジャズとクラシックの組み合わせなんて最初はとんでもないと思ったけど……」
真姫「……『アイドルらしい』曲から一度脱却してみる……か……」
真姫「参考になるかしら?」
私は、久しぶりにその『ラプソディー・イン・ブルー』を聴きながら、作曲について考えた。
『アイドルらしい曲』と言えば、明るい曲調は定番だ。テンポもあまり、ゆっくりではなくそれなりの速さで……。
真姫「ジャズの要素は……難しいかしらね……でも、主旋律じゃないところにあえて入れるっていうのもアリかも……」
そんなことを考えながら、その夜を過ごした。
少なからず、ショパンからいいヒントをもらえたと思う……。
私をからかったことは気に食わないが。
それから数日経った頃、2年生の穂乃果、ことり、海未が修学旅行に行き、練習は1年生と3年生だけで行われるようになっていた。
ファッションショーで、歌ってほしいとの頼みがあったらしく、それに向けて今練習をしているわけだが、ある問題が生じていた。
私の作曲のほうは特に何もないのだが、凛が少し、元気が無い。
凛といえば、私達のグループでは穂乃果と並んでの元気印ではあるのだが、その元気さや髪の短さによって、昔から男っぽいとからかわれ、女の子らしい花陽と自分を比べてしまうため、「自分は女の子らしい衣装なんて似合わない」という悩みを抱えていたのだ。
花陽はさすがに付き合いが長いだけあって、なんとかしてあげたいと思っているらしいし、私も何とかしてあげたい。
そう思っていると、ふと音楽室に立ち寄ってみることにした。
ショパン「真姫か、久しぶりだな。二年生がいなくなって寂しいのか?」
真姫「違うわよ。……ねえ、あなたが持つ凛のイメージって何?」
ショパン「凛? ああ、あの髪の短い元気そうな子のことか……『元気』、『活発』、『明るい』、いい意味で『素直』……言うなれば、穂乃果……と言った子と近いイメージを持つな」
真姫「やっぱり、あなたから見てもそう思うわよね……じゃあ、凛は『男の子っぽい』って言うと、あなたは納得できる?」
ショパン「そうだな、髪も短いし、確かに、男っぽい印象は……ないとは言い切れない」
真姫「そう……ね、実は」
私は凛が今あたっている悩みについて説明した。
すると、ショパンは椅子に座り、考えごとをするようなポーズをしている。
ショパン「なるほど、自分は、女の子らしくないからかわいい服は似合わない……か」
真姫「ええ。一応、私達のファンには男の人もいるから、普段練習をたまに見ているあなたからするとどう見えるかってのを聞いてみたかったの」
ショパン「ふむ、別にいいんじゃないか。かわいらしい服を着ても」
真姫「……」
ショパン「第一、彼女は『男の子っぽい』なぞ言われる以前に一人の『女の子』であることには変わりはない。それは大切にしてあげなければならない部分だ。ところで……そういうことを言ってくるということは、君は彼女のために何かしてあげたいのだろう?」
真姫「……ええ」
ショパン「だったらしてあげたまえ。だが、それには協力者が必要だろう? 特に、その凛とやらと仲の良い……花陽と言ったか、彼女が重要だな」
真姫「そうね……」
ショパン「そもそも、あの子が『女の子らしくない』などとなると、サンドはどうなるというのか……ああ、君にはサンドについて話したことはなかったな」
真姫「あら、あなたの恋人?」
ショパン「元・恋人だな。黒色の服装に身を包み、ズボンをはき、 片時も葉巻を放さず、周囲に何人もの男をはべらせる男装の作家……少なくとも、私よりは男前だったよ」
真姫「ショパン……?」
私はどういうわけか、ショパンの表情が少しばかり寂しそうになっているのに気づいた。
ショパン「ところで、どうでもいいが、真姫は男装が意外と似合いそうな気がする」
真姫「……」
前言撤回。やっぱり、いつもどおりのショパンだった。
それから、色々あった。花陽も花陽で悩んでいたらしく、穂乃果に相談をしたと聞いた。
私も、自分なりにサポートすることを伝え、ライブ当日、少しサプライズのようになってしまったが、花陽のおかげで凛を説得することができた。
ショパン「おお、真姫お疲れ様だったな」
ショパンはライブ終了後、こっそり私に話しかけてきた。
真姫「あら、見に来てたの?」
ショパン「まぁ、私も興味があるからな」
真姫「そう」
ショパン「しかし、うまくいってよかったじゃないか」
真姫「そうね……これで、凛も抵抗なく女の子らしい服を自信を持って着れるんじゃないかしら」
ショパン「そうだな……。彼女には笑顔がよく似合う」
真姫「あら、あなたもそんなこと言うのね」
ショパン「……まあ、たまにはいいじゃないか。それに、君の男装もよく似合っていたよ」
真姫「……」
ショパン「冗談だ。さてと、私はいったん失礼するよ。また、暇があれば話し相手にでもなってくれ。思いの外君と話すのは楽しいよ」
真姫「……ええ」
それから月日は経ち、気づけば世間はハロウィン一色になっていた。
どうやら、μ’sにハロウィンイベントに出てほしいとの依頼があったらしく、そして、A-RISE打倒を目指し穂乃果やにこちゃんをはじめとした、私達μ’sは『変化』、『インパクト』を求めて奮闘しているのであった。
真姫「あなた、ハロウィンって知ってる?」
ショパン「ハロウィン? 何だそれは」
真姫「ハロウィンっていうのは、仮装して、『トリック・オア・トリート』って言ってお菓子もらうイベント。……本来の意味とはちょっと違うのかもしれないけど、日本では大体そうよ」
ショパン「ほう、面白そうじゃないか。仮装というのは男装とは違うのか? できれば君の男装をもう一度……」
真姫「……さすがに怒るわよ?」
ショパン「ははは……」
真姫「ハロウィンでの仮装はお化けや魔女の格好をするのよ」
ショパン「なるほどな」
真姫「で、今はみんなでちょっと『変化』や『インパクト』を狙ってるのよ」
ショパン「『変化』ねぇ……ということは曲もそのようにするつもりか?」
真姫「ええ、今回はそういった感じでやってみようかなと思うんだけど……」
ショパン「そうか」
真姫「あら、意外と反応が薄いわね」
ショパン「私は君が望むならそれでいいと思うがな」
どこかおかしい、何かショパンの態度に違和感を覚える。
何か言いたげでもあるのにそれを隠しているような……。
ショパン「……トリック・オア・トリート」
真姫「え?」
ショパン「いや、さっきの話を聞いてな。……私は幽霊の身だから、トリック・オア・トリートと言えば君からお菓子の一つや二つ出ると思って」
真姫「あのねぇ……さすがにもうその手には乗らないわ。私をからかって本当に言いたいことを隠しているんじゃない?」
ショパン「……さすがは私が見込んだだけあるな。その通りだよ」
真姫「で、何が言いたいのよ」
ショパン「それは君が考え給え……一つ言うなれば、『慣れないことはするものではない』ってことぐらいか。確かに私は前に時には既成概念を捨てろとは言った。だが、今の君たちの状況を見ていると明らかに錯綜しているようにしか見えないからな。それならばいっそ『いつも通り』を心がけるべきだ」
真姫「……『いつも通り』……ね」
ショパン「少々喋りすぎたか」
真姫「ふん! そんなのあなたに言われなくても私は最初から気づいていたわ」
ショパン「君もなかなか言うようになったねぇ……」
真姫「すごくバカにされてる気分だわ」
ショパン「……だが、もう一つだけ言っておこう。私が本当に言いたいことはまだあるということだ。……知りたいなら教えてやるが?」
真姫「……いいわ。自分でその答えを考えるから。それじゃあね」
ショパン「ああ」
―――――ショパンのつぶやき――――――
ショパン「真姫、君には私が本当に考えていることはわからない」
ショパン「あえて言わないのはそれを知っても君から返ってくる答えを安易に予想できるからだ」
ショパン「私の目に狂いがなければ……な」
ショパン「……だが、もし伝えた時、君は何と答えるのだろうな……」
ショパン「……ふふ。真姫には偉そうに言ったが、作曲は久しぶりにやってみるとなかなか手につかないものだな……」
――――――――――――――――――――――――――――――
~ある日の放課後~
にこ「で、どうなのよ、アイツとは」
真姫「あいつ?」
にこ「あんたが言ってた幽霊よ。本当に悪いことしてこないの?」
真姫「ええ、本当にただいるだけで何もしてない。って感じ」
希「それはどうやろねぇ……」
真姫「どういうこと?」
希「カードは『蛇』の絵柄……ウチもどういうことかはよくわからんけど、あまりよくなさそうやん」
真姫「……」
にこ「真姫ちゃん、あんたの口からそいつにはっきり言ってやりなさい」
真姫「……その……本当に悪い人じゃないのよ?」
希「……」
真姫「凛が困ってる時だって、相談に乗ってくれたし、私の作曲についても色々アドバイスしてくれるし……」
にこ「あのねぇ、私達はあんたのことを心配してんの。……私達の言葉より、その幽霊の方を信じるっていうの?」
希「幽霊は心の優しい人の魂につけ込むのが得意とも言うからなぁ……ウチでもこのままでいるのはおすすめできひん。それに、真姫ちゃん自身もわかってるはずや、いつしかその幽霊とはけじめをつけなあかんことくらい……」
真姫「……」
にこ「さて、シリアスな話はここまでにして、別の話題に切り替えるにこっ♪」
希「ええ~、もうちょっとやってもよかったんやない?」
にこ「ダメよ。ずっと暗い話してたら私達も疲れちゃうし、何より真姫ちゃんのモチベーションが下がっちゃうからね」
真姫「もう、にこちゃんは相変わらずなんだから……」ボソッ
それからまた月日が経った。その間にもショパンとは軽口を叩き合いながらも、何度かアドバイスをもらいながら作曲したりした。
そして、見事、みんなで作った曲で最終予選を突破し、ラブライブ!出場も決定したのは嬉しかった。
だが、それと同時に私達μ’sに大きな決断の時が訪れる。
『三年生の卒業』、これだけはどうしても避けることのできない運命だった。
私も、みんなとやる練習は楽しかったし、何よりもライブをみんなで成功し、笑ったり、時には衝突しても、またすぐに笑い合える。そんな
μ’sでの活動が大好きになっていた。
でも、三年生が卒業してしまったあとはどうなんだろう。本当に今までのように活動をすることはできるのだろうか。
そんなことを悩んでいたある日のこと、家に帰るとショパンが私を待っていた。
ショパン「おかえり、真姫。とりあえず、ラブライブ出場おめでとう」
真姫「あら、ありがと……」
ショパン「……どうだ、ラブライブ本戦に向けての自信のほどは」
真姫「え? うん……まぁまぁね」
ショパン「そうか。なら大丈夫だろう……」
真姫「ええ。きっと優勝できるわ……あのメンバーでなら」
ショパン「そうか、それはいいことだ。ところで、真姫よ、今から私はとても大事な話をする。ずっと前から君には隠していた私の本音を伝えよう」
真姫「えっ!? このタイミングで?」
ショパン「ああ。そろそろいい頃だと思ってな」
真姫「……」
ショパン「真姫よ。単刀直入に言おう。私は君に惚れてしまったようだ」
真姫「え!? ちょっ……え!?」
ショパン「少し言い方に語弊があるな。私が惚れているのは君の『才能』だよ」
真姫「あ、ああ、そう、そういうことね……」
ショパン「そこでだ。真姫よ。私の弟子になってみないか?」
真姫「え? つまり、それって、あなたが私にピアノを教えてくれるってこと?」
ショパン「まぁ、そういうことだ。なに、悪い話じゃないだろう。君には才能がある。だから、私はこの才能を無駄にさせたくはない、君なら必ずや優秀なピアニストになれる」
真姫「……嫌よ。私はμ’sの活動を大事にする」
ショパン「本当か? 頭の回転のいい君ならもう気づいているはずだ、君を含めたあの9人でないと、君たちのグループは真価を発揮できないと」
真姫「っ……」
ショパン「図星のようだな。そして、そんな上級生グループが抜けた状態で続けていくことにいささか迷いを感じている。まぁ、君だけに言えたことではないだろうが……。さあ、どうだ、真姫。上級生のいない状態で活動をすることに意味があるのか? 不安定な未来に突き進むか、私とともに確実な未来を歩んでいくか。ああ、そうだったな、君は医者を継ぐつもりだったな……だが、君をもっと音楽家としては先のステージに進めてあげることはできるぞ。悪い話ではないだろう?」
真姫「……」
私はここで、希の占いを思い出した。『蛇』のカード……。
昔、少しだけ勉強したことがある……『蛇』は聖書のお話で最初に生まれた人間を甘い『誘惑』で貶めた生き物……。(※旧約聖書『創世記』アダムとイヴのお話を参照にしてください。)
そういうことだったんだ……。つまり、ショパンは最初から狙っていたのだ。私が悩み始めるこの時期を。
ショパン「答えは急がない。そうだな、もっとも早くてもラブライブ本戦くらいには答えを出してくれると嬉しい」
真姫「……」
ショパン「少々意地の悪い話をしてすまなかったな。だが、今回は冗談じゃない。本気だ」
真姫「……」
ショパン「さて、私はこれで失礼するよ。君からの『いい答え』が返ってくるのを楽しみにしている。
――――――――――――――――――ショパンのつぶやき―――――――――
ショパン「もっとはっきり返ってくるかと思ったが、そうでもなかったな」
ショパン「……真姫よ。くれぐれも私を失望させないでくれ」
ショパン「私の目に狂いはないということをその身をもって証明してくれ……」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私はやはり、三年生がいないμ’sなんて考えられない……。
希は私達が活動を始めたばかりの頃から、μ’sのことをよく見ていて、困った時はそれとなく助言を与えてくれたり、協力をしてくれた、ちょっと変だけどみんなを包み込んでくれるような優しい心の持ち主の先輩。
絵里は、最初は怖くて頭の堅い人かと思ったけれど、いざ入ってみるとユーモアも持っていて、生徒会で培ったリーダーシップや、持ち前のダンスの才能でみんなを引っ張ってくれた頼もしいお姉さんみたいな先輩。
にこちゃんは、誰よりもアイドルを愛し、そして誰よりも自分がアイドルであることを誇りに思っている。それでいて、家族思いであると同時に、後輩のこともちゃんと見てくれているちょっと素直じゃないけどかわいい先輩。
真姫「やっぱり……私には……」
それから、三年生以外みんなで今後のことを考え、それぞれの思いを話しあった。
それぞれ少し違う意見はあったものの、『9人じゃないとμ’sじゃない』という意見はみんな同じだった。
そして、みんなで『答え』を決めた。
だから、みんなで伝えることに……
6人「大会が終わったら、μ’sはおしまいにします!!!!!!」
その日は、みんなで駅で散々泣いてしまった。思う存分に泣いた。みんなひどい泣き顔だった、私も人のことは言えないけど……。
そんな泣き腫らしてしまった顔で家に帰って、部屋に入るとショパンが待っていた。
真姫「……ただいま」
ショパン「真姫か。おかえり。どうだ、みんなでのお出かけは楽しかったか?」
真姫「まあ……ね」
ショパン「……そうか。では、私も失礼しよう」
真姫「え? なにも聞かないの?」
ショパン「聞かなくても君の答えはわかるさ。続けていくのだろう?」
真姫「……ええ」
ショパン「そうか。やっぱり、君は私の見込んだ通りだよ、よかった」
真姫「……」
ショパン「では、最後にアドバイスをしよう……『頑張れ』……ただそれだけだ」
真姫「ふふっ、なにそれ……アドバイスでも何でもないじゃない」
ショパン「やっといい笑顔になったな。まぁ、これで失礼する」
真姫「ええ。またね」
――――――――――――――――――ショパンのつぶやき―――――――――
ショパン「期待通り……だな」
ショパン「……少しばかり未練は残るものの……楽しかったよ」
ショパン「……おや、まさか空は月が見えるほどにいい天気なのに、雨が降るとはな……」
ショパン「……私の心の……雨、が……」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それから、私とショパンが出会うことはなくなった……。
音楽室にいるのではないかと思って、訪れてみてもそこに、ショパンの姿はなかった。
全然寂しくなんてない、と言えば嘘になってしまう。
しかし、いつまでも寂しがっている暇はなかった。ラブライブの本戦はすぐそこまで迫っていたのだから。
それからはあっという間だった。練習は必死にやっていると、気づけば終わってしまっている。
そんなある日のこと、にこちゃんと希に呼び出された。
私は何の話をされるか何となくわかっていたので、ショパンとはもう会っていないと伝えた。
すると、にこちゃんは「そう」とただ一言。希も「まあ、何もなくてよかったやん」と軽い返事が返ってきた。
たぶん、にこちゃんも希もわかっていたんだろう……。
今はそこまで長話する暇はないと。
それに、私も自分で説明している時、何だか切ない気持ちになったのは事実だ。おそらく、にこちゃんや希も気遣ってくれたんだと思う。
そして、いよいよラブライブ当日を迎え、見事私達は優勝を果たした。
みんなで出来る限りの最高のパフォーマンスをした。観客たちのアンコールの声も未だに、記憶に焼き付いている。
優勝発表された時はみんなで泣いた。みんなで出かけたあの日のように。でも、今回は違う。
寂しさなんかじゃなくて、嬉しさのあまり出た涙。素晴らしい思い出になった。
ラブライブが終わり、卒業式が近づいていたある日のこと、自分の机の中に一枚手紙が入っているのを見つけた。
そこには『音楽室で待つ』とただ書いてある。
その放課後は、凛や花陽の誘いを断り、すぐさま音楽室へと向かった。
音楽室の扉の前で立ち止まり、一度深呼吸。ちょっとばかり、急ぎ足で来たから鼓動が速い。
真姫「……ショパン、いるの?」
ショパン「……やあ、真姫。久しぶり」
真姫「……何? その……呼び出すってことは話があるんじゃない?」
ショパン「まあそうだな……。そんなに堅くなる必要はない。……でも、かなり長い話になりそうだから、座った方がいいぞ」
真姫「あら、そう。じゃあ遠慮無く」
ショパン「ふむ……まあ、まずはラブライブ優勝おめでとう」
真姫「知ってたの?」
ショパン「まあな」
真姫「……ありがと」
ショパン「もっと嬉しそうな顔をしてもいいんだがね……。次に……君には謝らねばならないことがある。あのような不安定な気持ちの時に変な誘いをして申し訳なかった」
真姫「いいのよ。そんなの気にしてないわ」
ショパン「そうか……。……ずっと考えていたよ。君たちの歌について。君には悪いが、初めて聴いた時は本当にどうしてこんな曲が人々の心を魅了するのかが分からなかった」
真姫「……」
ショパン「だが、君たちを見ていると、言葉では言い表せないが、なんとなく自分なりの答えは見つけることができた気がする。そうだな、音楽家らしく音楽で例えるとなれば、海未とやらが作った歌詞が主音。君がそれを下に作曲することで第五音が加わって、互いに映えるようになる。そして、ことりとやらが作った衣装が第三音で、みんなで考えた振り付けが第七音……それらが合わさり、見事なハーモニーが出来上がる。だが、これだけではない」
ショパン「演奏するものがいなければ音楽は成り立たない。君たちのグループはメンバー全員が演奏者だ……そして」
ショパン「……君たちは何よりも美しい『絆』を持っている。だからこそ、人々を魅了することができるのだ……と言った感じか」
真姫「何て言うか……ここへ来てやっと詩人っぽいことを言うのね。逆に違和感を覚えるわ。それに、今の時代そんな変な例え使わないわよ?」
ショパン「まあ、最後なんだから格好くらいつけさせてくれ」
真姫「え……最後?」
ショパン「ああ、最後だ。私は一度、祖国を見に旅に出るつもりだ」
真姫「そんな……」
ショパン「何だ、寂しいのか?」
真姫「……違うわよ! その……何て言うか……わからない」
ショパン「まあ、いつまでも君にまとわりつくわけにはいかないしな。そっちの方が君も心が楽だろう」
真姫「……」
ショパン「ああ、そうだ。君に言いたいことがあった。君たちのラブライブ本戦でのあのパフォーマンスについて私なりの講評があるんだ」
真姫「何よ」
ショパン「『Bravo』……これ以外の言葉は見つからなかったね」
真姫「っ……」
『Bravo』……クラシックの演奏会では最高の褒め言葉だ。少しばかり、感情が高ぶってしまう。
真姫「……そんなのって……ないわよ……」
ふと、気づけば。自分の頬を一筋の涙が流れているのに気づく。
ショパン「……」
真姫「何よ! 私のことを散々からかって……! 私、心の中で決めてたのにっ……あなたに一回くらいギャフンと言わせるって……」
ああ、自分で何を言っているのかもわからない。私が言いたいのはそういうことじゃないのに。
真姫「大体、勝手じゃない……いきなり久しぶりに現れたと思ったら、突然『さようなら』って言われて、『はい、さようなら』なんて……」
ショパン「……」
真姫「言えるわけ……ないでしょ……!!」
ショパン「……」
真姫「何とか言いなさいよっ……」
ショパン「……すまない。とりあえず、私が言えるのはその涙は卒業式の時までに取っておくべきだ」
真姫「……」
ショパン「旅立つ前に君にプレゼントがある。取っておきたまえ。私から……これから先、色々な出来事がありそうな君に」
ふと、渡された楽譜には『赤毛の少女のための前奏曲』と書かれていた。
ショパン「……それじゃあ。これで私は失礼するよ」
真姫「待って……! 私も言いたいことがあるの……」
ショパン「……」
真姫「―――――――――」
私は久しぶりにピアノを弾いていた。
たまにはこういう日もありかもしれない。
三年生は無事卒業。三人ともそれぞれ高校生ではできなかったようなことをして楽しんでいるらしい。
私がピアノを弾いていると、突如として音楽室の扉が開かれる。
穂乃果「やっぱり、真姫ちゃんってピアノ上手だねー!」
海未「穂乃果! 生徒会の仕事があるのに……」
ことり「まぁまぁ、いいんじゃないかな?」
凛「あ、穂乃果ちゃんたちだにゃー!」
花陽「真姫ちゃん、ピアノ弾いてたの?」
真姫「ええ、まあね……ちょっと気晴らしに」
穂乃果「何の曲弾いてたの―――ってええ!? 凛ちゃん見てみて! この楽譜すごいサイン入ってるよ!」
凛「えー!? どれどれ? すっごい有名人みたいなサインにゃー!」
海未「確かに……何と言いますか、有名な作曲家が書いたみたような楽譜ですね」
ことり「何て書いてあるのかな?」
真姫「それは秘密」
穂乃果「でもでも、ここ見て!! タイトルは『赤毛の少女のための前奏曲』だって!」
凛「赤毛って何だか真姫ちゃんみたい!」
花陽「これってもしかして、C……h……o……p……i……nって書いてるのかな?」
ことり「えーっと、ということは……」
穂乃果「チョピンだよ! チョピンっていうすごい作曲家が書いたんだよ!」
海未「穂乃果、違いますよ。これは『ショパン』と読むのですよ」
花陽「ショ、ショパンってあのショパン?」
真姫「さすが海未ね」
穂乃果「へぇ~……でもどうやって手に入れたの?」
海未「確かに……このような物を持っている人なんてあまりいなさそうですが……」
真姫「……それは秘密」
凛「あー、真姫ちゃん絶対何か隠してるにゃー!」
穂乃果「正直に言うまでくすぐり攻撃しちゃうぞ~!!」
真姫「ヴェエ?! えっ…あっ…ちょ……」
ショパン―――短い間だったけれど、色々ありがとう。
希「なぁ、にこっち、あのこと覚えてる?」
にこ「あのことって?」
希「ほら、真姫ちゃんが幽霊が見えるって言ってた話」
にこ「ああ、そんな話もあったわね、それがどうかした?」
希「確か、真姫ちゃんの話では偉い偉い作曲家の亡霊って言ってたやん」
にこ「そうね」
希「もしかしたら、あの幽霊は真姫ちゃんの中の『未練』が具現化したものとちゃうんかな……ってたまに思うんよ」
にこ「はぁ? ちょっと意味がわからないわね……っていうか何についての『未練』なのよそもそも」
希「ほら、真姫ちゃんって確かアイドル活動始める前はクラシックとかジャズくらいしか聴かんかったらしいやん? つまり、少なくともクラシックとかには多少なりとも愛着があったわけやん」
にこ「まあ……そうよね」
希「そんな真姫ちゃんが急に音楽の趣味を路線変更してアイドルの曲ばかり聴くようになってしまったわけやん」
にこ「…………」
希「もしかしたら、真姫ちゃんの奥底、いや、もともとあったはずの『クラシック』や『ジャズ』への未練みたいなもんなんかなぁ……って……そして、向こうからはっきりさせに来てくれたんとちゃうかな……ほら、真姫ちゃん素直じゃないやん?」
にこ「それには同意だけど、考え過ぎよ。ないない」
希「もうっ、ちょっとくらい夢があったほうがええやん?」
にこ「それは同意ね」
ガチャッ
真姫「遅れてごめんなさい。二人で何の話をしてたの?」
にこ「ん~、真姫ちゃんの昔話かな?」
希「そうやね」
真姫「何よ、二人ともニヤニヤしてちょっと気持ち悪いわよ……」
希「真姫ちゃん、最近どうなん? アイドル活動頑張ってるん?」
真姫「ええ、当たり前じゃない。にこちゃんや希がいなくても私達は、優勝目指すわよ。それに――――
にこ「それに?」
真姫「私は『アイドル』が大好きだから」
~今度こそ終わり~
<補足解説>
・主音やら、三音とか……
音楽の和音をつかった喩え話みたいな話です。
μ’sの曲は大体は、海未ちゃんが作詞→真姫ちゃん作曲という流れがあるので
和音の基礎となる『主音』は海未ちゃんの『歌詞』に、真姫ちゃんの『作曲』は『五音』に当てました。一応、これだけでハーモニーは成立します。
ですが、ことりちゃんの『衣装』により、その曲のアクセントやらが効いてくるので少し目立たない『三音』をあてさせてもらいました。
みんなでの『ダンス』は『七音』
音楽的に言うとセブンスコードでの喩えです……。
・赤毛について
真姫ちゃんの髪の毛は『赤色』ということで、ちょっと使わせていただきました。
本来、『赤毛』というのは真姫のような髪色とは少し違うのですが……。
よく海外では『赤毛』の髪色は海外では割と差別とかくらったりしている髪色です。
キリスト教圏では『イエス・キリストを裏切ったユダの髪の色』だと言われたり……。
今回、ショパンが真姫に対して誘った意地の悪い誘惑は真姫ちゃんを『μ’sにとってのユダにさせるような誘惑』ということのつもりでした。
ということで、今回の役は髪の毛が赤で、さらに作曲担当だった真姫がぴったりだということで、真姫ちゃんを主役に選ばせて書かせてもらいました。
<最後に>
今回が初めての投稿であるのにもかかわらず、たくさんのコメントや応援をいただいてめちゃくちゃ嬉しいです。
今後もまた、機会があれば作品を読んでほしいです。
ではでは。
まず色々疑問点や読み苦しいところ、多々あったと思います(ショパンは病弱体質だったのに普通に会話してるとか)。本当に申し訳ないです。
一気に駆け抜けた感じですけれど、最後まで読んでくださった方は本当にありがとうございました。
あとどうでもいいですが、作者は希推しです……。(でも、真姫ちゃんも大好きです)
今後も作品は投稿していくので、よろしくお願いします。
曲紹介
・『スケルツォ 第2番』
ショパンの作った4曲のスケルツォの第2番。その4曲の中では一番有名だと言われている。
『スケルツォ』はイタリア語で『冗談』を表す。
『スケルツォ』は楽曲の性格を現す語であり、特定の形式や拍子テンポに束縛されないのが特徴
強拍と弱拍の位置を変えたり執拗な音型を繰り返して激しい感情を表し、緩徐楽章との差をつけるものが多い。
・『子犬のワルツ』
ショパンの中でも知名度の高いピアノ曲。
子犬が自分のシッポを追いかけてクルクルと回るコミカルな様子から着想を得て作曲されたといわれている。
・『ラプソディー・イン・ブルー』
ジョージ・ガーシュインの名を一躍有名にした代表曲。
クラシック要素とジャズ要素を融合させた曲。
ジャズ、クラシック両面で活躍していたガーシュインだったからこそ完成できた曲なのかもしれない。
その他ガーシュインの曲『パリのアメリカ人』、『アイ・ガット・リズム』
人物
ジョルジュ・サンド→ショパンの恋人。作家をしていた。
続きがきになります
続きはどこですか………?
名無しさん
何とか続くように頑張ります!
名無しさん
完結できるように努力します
おつおつ!よかった!
非常に惹きつけられるストーリーで、読み進んだら止まりませんでした。
今後の執筆も期待しております。
名無しさん
読んでくれてありがとうございます!
また機会があればよろしくお願いしますね。
xxxvさん
ありがとうございます!
今後も頑張りますのでよろしくお願いします。
これまで読んだラブライブのSSで一番素晴らしいものでした! まさにブラボーです。
名無しさん
コメントありがとうございます!
そのようなコメントをいただけてとても光栄です。
次回作も頑張ります。
ありがとう、ありがとう
名無しさん
読んでくれてありがとうございます!
完結お疲れさまです!
一風変わったssとして最後まで楽しませていただきました…偏屈な作曲家の二人組、見てて面白かったです。次の作品も楽しみにしてます~
名無しさん
読んでくれてありがとうございます!
しかも読み込んでくれてて感激です…!
次回も頑張ります!
すばらしかったです
作者さんは音楽詳しいんだなと感心しました
Bravo!とても面白かったです!
13の名無しさん
読んでくれてありがとうございます!
クラシックについてはまだまだにわかなんです...w
14の名無しさん
読んでくれてありがとうございます!
そう言われるととっても嬉しいです!
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素晴らしいです。ショパンと対話できた真姫ちゃんが羨ましい。