理事長「生徒会のみなさん……明日から体育祭に向けての仕事をしてもらいます」

海未「体育祭……ですか。なかなか大変そうですね」

理事長「ええ。一年生のクラスが少ないですからね……なんとかして、競技の種目やチームの分け方をお任せします」

穂乃果「任せて下さい！　行くよ！　海未ちゃん、ことりちゃん！」

海未「はい！」

ことり「うんっ！」

放送『ただいまより、音ノ木坂学院・体育祭を開催します！　選手・入場！』

～音楽スタート

～行進中～

・一年生組

真姫「あら、『星条旗よ永遠なれ』じゃない。……っていうか、吹奏楽部は廃部とかじゃなかったの？」

※『星条旗よ永遠なれ』　アメリカが生んだマーチの王様・スーザが作曲したマーチ。アメリカ第二の国歌とも呼ばれるほどの人気。世界三大マーチの一曲としても数えられる。

花陽「ま、真姫ちゃん何で曲の名前知ってるの……？」

真姫「あら、これって有名じゃないの？」

凛「穂乃果ちゃんが言うには、この日のために集まってもらったらしいにゃ！」

真姫「そうなんだ」

・二年生組

穂乃果「いや～、吹奏楽部のみんなが集まってくれてよかったね！」

海未「まったく……連絡がかなり大変だったみたいですよ……。ことりには感謝しなければなりませんね」

ことり「ううん、感謝されるほどのことじゃないよ。ところで、穂乃果ちゃんは選手宣誓のセリフ、大丈夫？」

穂乃果「うっ……だだ、大丈夫だよ！　ファイトだよ！」

海未「穂乃果、それは他人に使う言葉では……穂乃果の選手宣誓でこの体育祭の勢いが決まるんですからね。頼みますよ」

・三年組

絵里「来たわね……この時が。さあ、行くわよ！　二人とも！」

希「えりち、気合十分って感じやね」

にこ「っていうか、今日の絵里、暑苦しい……。でも、まあ最後の体育祭なんだし、楽しみましょ」

希「そうやな……でも、穂乃果ちゃんの提案で敵同士になるなんてなぁ」

にこ「そうね、まさか『三年生組VS二年生・一年生連合』で、得点勝負とは……でも、そのおかげで三年生は最後に相応しく、出れる競技が増えたわ」

希「せやなぁ……でも、まあ、ここは三年生らしく、勝たなあかんな……」

放送『ぜんたーい、止まれ！！』

放送『理事長・挨拶』

理事長「……今日は、このような素晴らしい天気に恵まれ、体育祭を盛大に行えることを嬉しく思います。応援に来てくださった、保護者のみなさまや、開催のために支援してくださった後援会のみなさま。そして、今日のためだけにわざわざ再結成してくれた、音ノ木坂学院・吹奏楽部OGのみなさまにも感謝を申し上げます。今日は思う存分、自分たちの出せる力を振り絞って、頑張ってください」

放送『選手宣誓・代表の人は前へお願いします』

穂乃果「あ、じゃあ、二人とも行ってくるね！」

海未「穂乃果、頑張ってくださいね」

ことり「行ってらっしゃ～い！」

穂乃果「……せんせー「キィィィィィィィィィン！！！！」」

絵里「あら、マイクが……」

にこ「これは事故ね」

希「難儀やなぁ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「……せんせーい！！　私達、選手一同は！　スポーツマンシップにのっとり、正々堂々と闘うことをちかいまーす！！　音ノ木坂学院・生徒会長・高校２年　高坂穂乃果！！」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

凛「穂乃果ちゃん、たくましいにゃぁ……」

花陽「さすがだよね……」

真姫「でも、穂乃果、めちゃくちゃ変な汗出てるわ」

放送『まずは、徒競走です。選手のみなさんは集まってください』

～一年～

凛「あ、凛の出番だ。じゃあ、かよちん、行ってくるね！」

花陽「うん、凛ちゃん頑張って！」

真姫「もちろん、一等賞よね？」

凛「あったりまえにゃー！」

～二年～

穂乃果「あ！　見てみて！　凛ちゃんが出るよ！」

ことり「ほんとだ～！　そういえば、凛ちゃんって最初は陸上部志望だったよね？」

海未「はい。ですが、やはり徒競走だけあって、相手は三年生の陸上部の人が揃っているのでしょうか……それだと、凛はかなり苦戦しそうですね」

穂乃果「そうだね……でも、凛ちゃんなら何とかしてくれるよ！」

～三年～

絵里「あら、最初は凛が出るのね」

にこ「あら、本当ね。結構速いし、いい線行くんじゃない？」

希「せやなぁ……でも、今回ばかりは凛ちゃんには悪いけど……三年生を応援しよっ」

絵里「そうねっ！」

にこ「ところで、絵里。応援するのはいいんだけど……その服、もしかしてチアリーディング部から借りたの？」

絵里「ええ。必殺のピンクポンポン！　絢瀬絵里よ！」

にこ「うわぁ、どうしよう。関わりたくない」ﾎﾞｿｯ

凛（そろそろ凛の番だにゃ……）

凛（ちょっと緊張するかも……）

審判「はい、次の人達並んでー。いい？　位置について……よーい……」パァン！！

～一年～

花陽「凛ちゃん頑張ってー！！」

真姫「凛、いい感じじゃない！　今のところはリードしてるわ！」

～二年～

穂乃果「おお！　凛ちゃんさすがだね！　速いよ！」

ことり「頑張れ～！」

海未「しかし、まだまだわかりませんね……」

～三年～

絵里「ああっ！？　凛にリードされてるじゃない！　もっと頑張って！　フレッフレッ！　三年！」

にこ「もうアイツ、ほっといていい？」

希「せやなぁ……」

――

凛（あともうちょっとでゴール……このまま一気に……！）

凛（並ばれた？！　そんなっ……）

凛「負けないにゃー！！！！」

～一年～

花陽「やった凛ちゃん一等賞だよ！！！」

真姫「すごいわ！！」

～三年～

絵里「凛に……負けたわね」

希「だ、大丈夫やって、他のグループでは三年生のが勝ってる回数多いし」

にこ「なんで、今日に限ってこんなにポンコツなのかしら……」

穂乃果「ムカデ競争だよ、海未ちゃん、ことりちゃん！」

海未「ムカデ競争は息を合わせるのが極意……普段からダンスで息を合わせる練習をしている私達にとっては苦ではないかもしれません」

ことり「海未ちゃん、ちょっとだけ大げさだよ～……勝つことより楽しむことを優先しようよ……」

海未「いけませんよ！　ことり！　いくら体育祭とはいえ立派な『戦い』です！」

穂乃果「そうだよ、ことりちゃん！　勝負事は勝ったほうが楽しいんだよ！」

ことり「ふ、二人とも怖いぃ……」

にこ「あら、アンタ達と勝負なんてね」

穂乃果「にこちゃん！　絵里ちゃん達も！」

希「お手柔らかにな」

絵里「ふふ、手加減は無用よ！」

海未「わかっていますとも……正々堂々と勝負しましょう」

～スタート～

穂乃果「ねえ、『右、左』であわせるより、私達アイドルグループなんだから『ワン・ツー』で合わせたほうがいいんじゃないかな？」

ことり「で、でもそれだとどっちが先に出るかわからないよ？」

海未「いえ、ここは『いち・に』で、やる方がいいかもしれません、二人とも言い慣れているでしょうし」

穂乃果「え～、でも穂乃果的には『ワン・ツー』なんだけど……」

海未「ふむ、では、ここでもう一つ提案としては、『えっさほいさ』というのは」

ことり「海未ちゃん、何それ……まるで、お神輿みたいだよっ……ふふ」

穂乃果「海未ちゃんっ……お神輿っ……ぷふっ……」

海未「な、何を笑っているのですか！　こう見えても真剣に考えているんですよ？！　あなた達も真剣に考えてください！」

穂乃果「えー、もう『右・左』でいいんじゃないかな」

ことり「そうだね～」

海未「そうですね……」

穂乃果「やっぱり、いつも通りが一番だよ！」

にこ「何であいつら、あんな会話しつつちゃんと歩けてるのよ」

希「恐るべし、幼なじみパワーってところちゃう？」

絵里「二人とも何してるの！　早く起きないとゴールされちゃうわよ！」

にこ「もう、無理よ……」

凛「玉入れにゃー！」

花陽「何だか懐かしいね」

真姫「……」

凛「真姫ちゃん、どうしたの？」

真姫「え？！　あ、いや、玉入れ楽しみね！！」

花陽「？」

にこ「ふっふっふ……アンタ達には負けないわよ！」

凛「あ！　にこちゃんだにゃー！」

絵里「お手柔らかに頼むわね」

希「さっきは穂乃果ちゃん達に惨敗したけど、次は負けへんからな！」

凛「のぞむところにゃ！｝

花陽「え、えっと……よろしくお願いします」

真姫「負けないんだから」

絵里「残念ながら、私達はある『秘策』を用意しているのよ……」

希「えりち、それ以上言ったらあかん」

絵里「そうね……その『秘策』を見てなさい！」

～スタート～

花陽「あれ？　あんまり入らないな……」

凛「久しぶりだから結構難しいにゃ……真姫ちゃんは？」

真姫「……

花陽（黙々と投げてるけど、全部あらぬ方向に……！？）

凛「そういえば、にこちゃん達は？」

花陽「え？！　あ、あれって……」

りんぱな「「人間ピラミッド？！」」

モブA「矢澤さん頑張って入れて！」

モブB「私達結構辛いんだから……」

にこ「任せなさい！！！　こう見えても玉入れは妹達と練習してんのよ！」

希「まさか、えりち、こんな作戦を考えるとは……」

絵里「ふふふ……かしこいかわいいエリーチカの名は伊達じゃないわよ」

凛「マズイにゃ！　このままだとにこちゃんがオイシイとこどりしちゃうにゃ！」

花陽「う、うんっ！　頑張らないと！」

～しばらくして～

凛「負けたにゃ……まさかにこちゃんに負けるなんてー！」

にこ「失礼ね！　まあ、これも私達の作戦勝ちって感じ？」

花陽「ううう……」

にこ「そういえば、真姫ちゃんは一個も入ってなかったもんね～。実は玉入れ苦手だったのかしら～？？」

真姫「なっ……違うわよ！　今日の玉は今まで使ってた玉と仕様が違ったからダメだっただけよ！　昔は百発百中だったんだから！！」

にこ「はいはい。わかりましたよ～」

凛「今日のにこちゃん、いつもよりむかつくにゃー！」

にこ「なによそれ！！　私が悪いみたいじゃない！！」

放送『先ほどの玉入れで人間ピラミッドを作った三年生のみなさん、理事長からお話があるようですので集合してください』

にこ「……え」

この後、めちゃくちゃ説教された。

～２年生～

穂乃果「借り物競争はことりちゃんが出るんだったよね？」

ことり「うんっ！　頑張ってくるよ～♪」

海未「ことり、怪我にだけは注意して、頑張ってくださいね」

～１年生～

凛「次は、かよちんの出番だにゃー！」

花陽「うんっ！　さっきは負けちゃったけど……次は頑張るよ！」

真姫「花陽、頑張って！」

～三年生～

希「ほんなら、行ってくるな～」

にこ「ええ、行ってらっしゃい」

絵里「希！　私に貸してあげられるものだったら何でも貸してあげるわ！」

希「う、うん……頼むよ～」

～スタート～

～花陽のいるグループ～

花陽「えっと……私が借りるのは……『カップラーメン』……？」

花陽「……」

花陽「凛ちゃああああああああああああん！！！」

凛「うわっ！？　かよちんがこっちに走ってきたにゃ！」

花陽「凛ちゃん……カップラーメン……貸して……」

凛「わかったにゃ！」ﾋｮｲ

真姫「持ってたの……？」

花陽「凛ちゃん、ありがとう！　これなら勝てるよ！」

三年モブ「ツインテールの人……！？　はっ……矢澤さん！　矢澤さんこっち来て！」

にこ「え？　私？　って早い！　早いってば！！」

二年モブ「誰か！　μ'sのグッズ持ってる人！！」

ヒデコ「任せて！」

二年モブ「ありがとー！」

花陽「わわっ……急がないと……！」

花陽「やった……！　何とか二位だよ～……凛ちゃんありがとう～」

～ことりのいるグループ～

ことり（ようしっ……！　これにしよっ！）

『理事長』

ことり「……」

ことり「お母さーん！！！！」

理事長「え？　私？」

ことり「お母さん早く！！　こっちに来て！！」

理事長「え？　え？」

ことり「早くー！！」

理事長「こ、ことり……そんな必死でどうしたのよ……」

ことり「お母さんが借り物なの！」

理事長「え？　そんな……」

ことり「行くよ！！」

～二年生～

海未「……そういえば、借り物競争のお題は穂乃果が考えたんですよね？」

穂乃果「うんっ！　そうだよ！」

海未「みんな焦ってますね……まあ、これが借り物競争の醍醐味でもありますが」

穂乃果「うん！　ちょっと無茶なお題も用意したからね……まだ出てないみたいだけど、『ほむまん』も書いてあるよ！」

海未「それはいわゆる宣伝行為では……」

穂乃果「大丈夫大丈夫！　お母さん達、ちゃんと作ってきてくれてるから」

海未「いや、だからそういうことではなくて……」

～ことり～

ことり「ゴール！！　やったよ、お母さん！　一位だよ！」

理事長「はぁっ……はぁっ……聞いてないわよ。こんなの……」

ことり「あはは……」

～希のいるグループ～

希「よし……ここは頑張って一位とらな……！」

パーン！！

希「はっ……はっ……これやっ！」

『お母さん』

希（あかんやつや）

希（ど、どうすれば……！？）

～三年～

絵里「どうしたのかしら、希慌ててるわね」

にこ「めちゃくちゃ無茶なお題出されたとか？」←戻ってきた

絵里「かなり焦ってるわよ。あれ」

～希～

希（今回は、最後の体育祭……落ち着くんや……）

希（ウチに残された選択肢はこれしかあらへん！）

希「どっ……どなたか、ウチのお母さんになってください！！！」

ｼｰﾝ

希（あ、ほんまに終わった）

～一年～

凛「の、希ちゃん今……」

真姫「お母さんになってくださいって言わなかった？」

凛「き、きっと気のせいだにゃー！」

真姫「そ、そうよね！！」

～三年～

にこ「はぁ……しょうがないわね……」ﾀｯﾀｯﾀｯ

～希～

希（恥ずかしい……）

にこ「希」

希「……え？　にこっち？」

にこ「私があんたのママになってあげるわ！！」

三年モブA「やだっ……矢澤さん素敵……！」

三年モブB「ちびっこママね……」

にこ「誰かちびっこって言った？！　ほら、希、行くわよ！」

希「……うんっ！」

希「３位か～……ビミョーやな……」

にこ「ぜえっ……ぜえっ……」

希「にこっちありがとうな！」

にこ「い、いいのよっ……このくらい……はぁっ……」

～三年～

絵里（何これ、今のところ私だけ活躍してないんじゃないかしら……）

～一年～

真姫「パン食い競争ね。ということは……」

凛「穂乃果ちゃんの出番にゃー！！」

花陽「穂乃果ちゃんがんばってー！」

～三年～

絵里「穂乃果が出るのね……でも、三年を応援すべきかしら……」

希「でも、パン食い競争って、どちらかと言うと、お客様を楽しませるレクリエーション種目みたいなもんやから、どっちでもいいんちゃう？」

にこ「そうね……」

～二年～

海未「穂乃果はやはりパン食い競争ですか……穂乃果らしいと言えば穂乃果らしいですけど」

ことり「そうだね～。穂乃果ちゃん頑張ってー！」

～穂乃果～

穂乃果（あんぱん……メロンパン……クリームパン……どれにしようかな……えへへ）

穂乃果（早く食べたいな～）

パーン！

穂乃果（どれにしようかな）

穂乃果（…………）

穂乃果「迷ってたら出遅れたー！！　うわーん！！」

～二年～

海未「……何と言いますか、これも」

ことり「穂乃果ちゃんらしいね～」

～穂乃果～

穂乃果（よしっ！　遅れたけど、みんな手こずってる！　私が取るのは……！！）

穂乃果（やっぱり、ラン◯パックだよね！！」

穂乃果「はむっ！！」

～一年～

凛「スゴイ！　穂乃果ちゃん出遅れてたのに一位にゃ！」

真姫「あれが、パンへの愛情の強さなのかしら」

花陽「でも、穂乃果ちゃんやっぱり、すごいなぁ～」

～二年～

海未「どうして私がこの競技に……」

穂乃果「みんなの希望だよ？」

海未「だからと言って参加するとは……」

ことり「ちなみに、仮装の一部はことりが用意しました～♪」

海未「だから心配なんですよ……」

～三年～

絵里「では、行ってくるわね」

希「頑張ってな～」

にこ「まさか絵里がこんな競技に出るなんて思わなかったわ」

希「どうしても一回やってみたかってんて」

にこ「ふぅん……」

～一年～

真姫「……私、出るのよね？　これ」

凛「真姫ちゃん、凛達、楽しみにしてるにゃ～」

花陽「真姫ちゃんだったらどんな衣装でも似合うと思うから大丈夫だよ！」

真姫「そういう問題なのかしら……」

～合流～

絵里「あら、まさか海未や真姫と一緒に走るなんてね」

海未「奇遇ですね……」

真姫「ほんと、もしかしたら誰かの策略でもあったんじゃないかしら？」

海未「……考えられるのは」

絵里「……穂乃果とことりね」

海未「……後で言い聞かせておきます」

真姫「はぁ……ｲﾐﾜｶﾝﾅｲ」

絵里「でも、競争だから負けるわけにはいかないわね」

真姫「あら、それはもちろんこっちだって同じよ。ねぇ、海未？」

海未「あぁ……せめて破廉恥な衣装だけは嫌ですぅ……」

絵里「と、とりあえず、今はそっとしておいてあげたほうがいいんじゃないかしら」

真姫「……そうね」

～スタート～

真姫（くっ……やっぱり、運動神経は海未と絵里には勝てないかもしれない……）

絵里（さすが、海未ね……）

海未（絵里……なかなかやりますね。しかし……先手必勝！　このボックスに賭けます！！）

絵里「っ！？」

～着替えボックス内～

海未（さて、私の衣装は……）

『スク水』

海未「は、破廉恥です！！」

絵里（ふふっ……まる聞こえよ。海未。破廉恥な衣装ならあの子はなかなか出てこれないはず……！　この勝負、もらったわ！）

絵里（さぁっ。私の衣装は？！）

『メイド服』

絵里（ふふっ。メイド服なら、まだマシね……ちょっと恥ずかしいけど）ｼｭﾙ

絵里（……）

絵里（……）

絵里（え、何これ……スカートの丈が異常に短い？！）

絵里（う、嘘でしょ……！？）

～一方その頃～

真姫「はぁ……何でこんな衣装。でもよかったわ。将来着るかもしれないもんね」

『白衣』

真姫「ふぅ着替え終了……あら？　あの二人、出てきてないのかしら？　まぁいいわ」

真姫「はい、ゴール」

～一年～

凛「やったやった！　真姫ちゃん一等賞だよ！」

花陽「うん！！　しかも白衣だなんて……真姫ちゃん似合いすぎだよぉ！！」

～２年～

穂乃果「海未ちゃん出てこないねぇ」

ことり「そうだね～」

穂乃果「……これってもしかして」

ことり「後で怒られるのかな……？」

穂乃果「……ことりちゃん、逃げよう！！」

ことり「ええ？！」

～三年～

にこ「あ、絵里が出てきたわ。……何あの走り方、おかしくない？」

希「たぶん、スカートの丈が異様に短いんやね……、でも下にはジャージ履いているはずなんやけど……まさか、えりち、ジャージも脱いで出てきてしまったみたいやなぁ：

にこ「見事なポンコツっぷりね……」

結果：１位　真姫　２位　モブ３年　３位　絵里　４位　海未（途中リタイア）

～１年～

花陽「わ、私、できるかなぁ？」

凛「かよちんなら大丈夫だにゃ！！　それに、もし何かあったら凛が助けに行くから！！」

真姫「花陽、頑張りなさいよね」

～２年～

海未「まったく、散々な目に遭いました……ってあれ？　穂乃果？　ことり？　どこに行ったんでしょうか……」

海未「おや？　次は花陽が出るのですね……。花陽が障害物競走なんて、大丈夫でしょうか……」

～３年～

希「えりち、おつかれさん」

絵里「はぁ……私としたことが……」

にこ「ふふふ、あのクールで通ってる絵里ちゃんが顔を真っ赤にしながら走ってる姿は～、とってもかわいかったにこ☆」

絵里「うぅ……恥ずかしい……」

にこ「で、次は花陽が出るのね。大丈夫かしら？」

希「確か、じゃんけんで負け続けた結果、あまった競技がこれしかなかったみたいやなぁ」

絵里「花陽も災難ね……」

～花陽のいるグループ～

花陽（うぅ……もう私の番来ちゃった……どうしよう、緊張するな……）

花陽（へ、平均台とかから落ちて怪我しちゃったらどうしよう……）

花陽（怪我→骨折→μ'sの活動ができない→みんなに迷惑→……）

花陽（だ、ダメダメ！　こんなこと考えちゃダメ！！）

花陽（で、でも本当に怪我にだけは気をつけなきゃ……）

教師「位置について……よーい……」ﾊﾟｧﾝ！！

～１年～

真姫「出だしはいい感じね……」

凛「でも、かよちん、手と足が同時に出てるにゃ……」

真姫「それでも走れてるっていうのが花陽のすごいところだと思うわ……」

～花陽～

花陽（さ、最初の障害物は……とび箱！　大丈夫、練習した通りにすれば……！）

ダンッ！

花陽（やった！　上手くいった……）

花陽（次は……平均台……！）

花陽（とと……μ'sで練習していてよかったぁ～……何とか上手くいったよ……）

花陽（うっ……次は……あれ……！？）

～１年～

真姫「花陽のトラウマ？」

凛「うん、かよちん。小学生の頃なんだけど……障害物競走で、網にひっかかってなかなか出てこれなかったんだにゃ……。だから、ちょっとだけあれについてはトラウマに……」

真姫「へぇ……でも、確かにあれにひっかかるとなかなか怖いわよね」

～花陽～

花陽（大丈夫……今のところは引っかかって……あれ？）

花陽（うそっ！？　もしかして、引っかかっちゃったの！？）

花陽「うっ……」

花陽（ﾀﾞﾚｶﾀｽｹﾃ-！！！）

～３年～

希「大変や！　花陽ちゃんが網から出られへんくなってる！！」

にこ「あちゃ～。ああなるとなかなか出れないわよ。あれ」