木曾だ、お前を起訴する
「ふう、やっと執務が終わった」
提督は椅子に寄りかかり、安堵のため息をついた。
そういえば、ここに着任してから1年になるのか、長いようで短かったな。
思い返すといろいろなことが浮かんでくる。
鎮守府に着任した日、彼女に初めて会った日、彼女に恋心を抱いた日。
何もかもが懐かしいな。
噂をすればなんとやら、彼女が入ってきたようだ。
「木曾だ、お前を起訴する」
いきなりどうした!?
ダジャレを言ったのか?
「違う、ダジャレではない。お前を逮捕するといったのだ」
ああ、なるほど。ちなみに罪状は?
「最近私に構っていないことだ」
そういえば最近全然話していない。
結婚までしたのである。
私が彼女を愛していることは、話さなくてもわかると勝手に思っていた。
しかし、それは間違いだったのだ。
今は彼女の判決をまとう。
彼女が口を開く
「判決、提督は有罪。明日一日私とデートをすること。」
忘れてはいない、明日は彼女に指輪を渡した日である。
さて、日程が決まればやることは一つだ。
彼女に初めて会った場所に行こう
彼女とデートをした場所に行こう
彼女に指輪を渡した場所に行こう
彼女といろいろなことを話そう
今まで話せなかった分を取り戻そう
そう思って提督は頬を赤らめながら準備をするのであった。
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