2018-10-27 11:21:20 更新

概要

努力家の二人の日課は、早朝のランニングです。
今日も爽やかに風になろう!
おっと曙さん、今日はなんだか様子が違うぞ…!?


前書き

初投稿です。
優しくしてください。


「お、来たね曙。おはよう。」


淡い朝露に声が響いた。しんとした冷気が、ふわりと、暖かく震える。


「ん、おはよ。」


朧。第七駆逐隊の仲間で、姉妹艦。


「じゃ、いこっか。」


「ん。」


どちらともなく走り出した。

400メートルのトラックが回り出す。


微風に頬を撫でられる。

前髪が額をなぞり、退いて行く。

気分がいい。


「あれ。曙、準備運動した?」


「起き抜けにした。」


「あ、そう。」


「今のはいい気遣いね。褒めてつかわす。」


「なにそれ。」


小さく吹き出す朧。


「朝は機嫌いいよね。」


「そうかもね。」


朝、朧と一緒に走るのは習慣だ。

最初は私だけの習慣だったのだけど、そのうち、朧も朝から走るようになった。

朧曰く、夕方から始めていたトレーニングを朝に変えたんだとか。

ランニングはトレーニングの一部で、その前には一人で腹筋やら腕立てやらやっているらしい。

毎回、ランニングの前には既に息が上がっている。なんでか朧はそれを隠そうとするけど、今日のような冷える朝は、息が白くなって丸わかりだ。


朝は不思議だ。

頭の中がいつもと違う。

いつもより少し気怠いけど、いつもよりずっと清々しい。

朧の言う通り、機嫌がいいのだろうか。


右を向く。

朧。

ボブヘアーが羽ばたいている。

どこで覚えたのか、無駄に美しいフォーム。

引き締まった四肢。

透明な朝日に揺られて、どうにも絵になる。


…こいつ、美人だよな。やっぱり。


「ねえ、朧。」


「どうしたの?」


「あのさ、私達。」


「うん。」




「付き合わない?」



「うん。喜んで。」





「え?」


「あ、冗談のつもりだった?」


「え、あ、うん、ごめん。」


「ふふ、いいよ。」


「えあ…その…」


「私はさ。」


「へ、ひゃい。」


「いいよ。全然、冗談でも。」


「…」


「こうして、私の気持ちを伝えるチャンスになったわけだから。」


「う、うん。」


「曙。」


「は、い。」


「私さ、ずっと。ずっとだよ?曙のこと…」


少し困ったような表情から、その胸が、切なさに満ちているんだって分かった。

そして、そんな時でも、朧は足を止めることはしない。

それが、なんだか、本当の本当に朧に迫られているんだって、実感させられているみたいで、胸が…鼓動が…



「めちゃくちゃにしたいって、思ってた。」


「なんだ。」


「あれ?ばれた?」


「うん。アンタ、ここ一番で絶対そんなこと言わないでしょ。」


「あれー?うーん。」


顔から熱が引いていく。…こんなに熱くなってたのか。

鼓動は…走っているからか、収まらない。変な感じ…


「でもさ、私が言わなさそうだからって、酷くない?

もし土壇場でかっこつけただけだったらどうする気だったの?傷ついちゃうよ。」


「アンタがそんな器用な奴には見えないの。」


「そっか。」


嬉しそうにすんな。

むかつく。

悪戯失敗。


「珍しいね。曙が悪戯なんて。」


「…別に。普段やらない分、派手に決まると思っただけよ。」


「ふーん。」


「あんたこそ、見抜いたなら見抜いたで意地悪してんじゃないわよ。」


「あはは。可愛かったよ、焦った曙。」


「やめなさいって。」


「今度夜中に引っ付いてきたら、耳元で今日のこと囁いてあげる。」


「…ふん、それは無理ね。引っ付くのは昨日で最後って言ったでしょ。」


「あはは。」


「ぐっ…」


後ろめたさに敗北した…


「ん、私はおしまい。」


「あれ…」


レーンを三週。いつのまに…

朧は、朝はあまり走らないのだった。


「じゃ、また食堂で。」


「ええ。また後で。」


私はあと7周。

…朧と走る三週は一瞬だけど、一人で走る7周は、少し、長く感じるのだ。


私は知っている。

朧はこの後、秋月達とトレーニングをする。終わったら今度は、翔鶴が瑞鶴を起こすのを手伝って、そしたら一人部屋の秋雲を起こしに行って、身仕度を手伝って、それから食堂にやってくる。


可愛くないやつ。

一人だけ、七駆から遠くにいるみたいで…可愛くない。


さっきの悪戯だって、漣や潮に仕掛けた時は、二人とも大慌てで…

ちょっとだけ怒らせちゃったけど、前より仲良くなれた。

潮はことにつけて私の髪を触るようになった。

漣はべたべた引っ付いてくるようになった。

朧ともそうなれると思ったけど…

意趣返しなんてしちゃって。


可愛くない。


着任当初は協調性皆無なやつだったのに。

負けず嫌いばっかりで、浮いてたくせに。

いつのまにか友達たくさん作っちゃって。


もう、可愛くないな!



「あ、曙先輩!おはようございます!」


明るい声。

秋月。

私に追いついて、並走してきた。


「おはよう。筋トレもう終わったの?」


「はい、おかげさまで!」


なにがおかげさまなのか。


…なんで私は、こいつにイライラしてるんだろう。

八つ当たりなんて。

我ながらくだらない。


「…秋月。」


「なんでしょう?」


「アンタ、ランニングも朧と時間合わせないの?朝弱いわけじゃあるまいし。一緒に走ればいいじゃない。」


ただの自傷だった。

悪癖。分かっている。


だからこそ、クスクス笑う秋月に、一瞬、怯んでしまった。


「ふふ、あのですね、それは。」


「朧先輩が、朝は曙先輩と二人っきりがいいって、許してくれないんです。」


「……ふうん。そ。」



なんだ。

可愛いとこあるじゃん。




朝露は、いつのまにか陽光を通していた。


後書き

くぅーw恐怖と緊張でズタボロです!


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SS好きの名無しさんから
2018-10-27 12:45:56

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SS好きの名無しさんから
2018-10-27 12:45:56

このSSへのコメント

1件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2018-10-27 12:47:03 ID: S:T1OjHi

🍎平成30年『防衛白書』86頁🍏

💀韓.国.🇰🇷💀

🍎19年連続で『軍拡』実施🍏

🍎特に『ミサイル・海軍・空軍』の『軍拡』が『顕著』である。🍏

💀極めて危険な『兆候』💀

かが『🍎流石に気分が高揚します。🍏』


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1: SS好きの名無しさん 2018-10-27 12:43:45 ID: S:swTkSH

🍎平成30年『防衛白書』86頁🍏

💀韓.国.🇰🇷💀

🍎19年連続で『軍拡』実施🍏

🍎特に『ミサイル・海軍・空軍』の『軍拡』が『顕著』である。🍏

💀極めて危険な『兆候』💀

かが『🍎流石に気分が高揚します。🍏』


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