男「よくわからない世界」
男「・・・おかしい」
?「どうしたのお兄ちゃん」
男「弟だよな?」
妹「妹だけど?」
男「・・・(いや、弟なら居るけど妹は居ない。ここは俺の部屋なんだがというか・・・)」
妹「どうしたの?」
男「なんで添い寝してんだ?」
妹「いつもしてるよ?」
男「そうか・・・いや、してないよ」
妹「お兄ちゃんがどっかの馬の骨ともわからない女に、襲われないように添い寝してあげるって言ったよね?」
男「初耳なんだが」
妹「本気で言ってる?」
男「本気だけど?それより早く起きないと学校に遅れる」
妹「お兄ちゃんは行かなくて良いんだよ?」
男「いや行くから、生徒会もあるしな」
妹「生徒会!?お、お兄ちゃんいつ入ったの!?」
男「おとう・・・?(妹(仮)なら知ってるはずだけど?」
妹「知らないよ!僕は初耳だよ!?」
男「ボクっ娘なのか・・・」
妹「ボクっ娘?」
男「いや、深く考えると頭痛がしそうだからやめとく、これは夢なんじゃないかとか今の所は逃げてるから」
妹「よくわからないけど、とにかく、学校は駄目だよ」
男「朝起きて妹?に学校は駄目とか言われたくないんだが?」
妹「え?よ、呼び捨て」ビクッ
男「驚くところそこなのか?」
妹「妹ちゃんっていつも呼んでくれるのに」
男「(なんなんだ?弟なら弟って普通に呼ぶだろ?弟君とか嫌なんだが、それより妹って言い張るこの子は誰なんだ?)」
妹「も、もしかして熱があるんじゃ」スッ
男「やめろ」ガシッ
妹「ヒッ」ビクッ
男「あ、いや、すまん。とにかく起きよう。とりあえず顔を洗って歯磨きするぞ」
妹「お兄ちゃん」
男「ん?」
妹「お兄ちゃんなんだよね?」
男「・・・寝ぼけてるのか?」
妹「う、ううん、なんか新鮮で、かっこいいと思う」
男「・・・なんなんだ?(これは夢か?)」
ーーーー洗面台。
男「だれだ?」
鏡に映る自分の姿は美少年と言っても過言ではなく。人に怖いやら殺されると言われた三角眼の顔では無かった。彫刻のようにスラッとした鼻先、キリッとした二重だが、三角眼のように怖がられる目ではなく、女性ウケしそうな優しい目だった。
自分自身でさえ鏡に写る整った顔に、普段だったら嫉妬しそうなのに、感情という感情はすぐには沸かなかった。
妹「誰って、お兄ちゃんだよ?」
それが当たり前だと言うようにドヤ顔で小さな胸を張る自称妹の女の子は言った。
男「いやいや、俺はもっと怖かったはずだ」
妹「怖くないよ?すごく綺麗で今日はかっこよく感じるからすごく良いと思う」
男「そう・・・いよいよ、ドッキリとかその類を疑い始めた頃だよ」
妹「?」
男「歯ブラシ・・・は、なんだこのファンシーなクマの歯ブラシは?妹のか?」
妹「お兄ちゃんのだよ?」
男「嫌だよ!普通ので良いよ!」
妹「それが普通だよ?」
男「クマさんが!?ねぇーよ!」
妹「うぅ、ご、ごめんなさい」ビクビク
男「あーいや、突っ込んで悪かった」スッ、ナデナデ
妹「あ、えへへ」ニコニコ
男「・・・(知らない子の頭なでてるけど、後で訴えられないよな?)」
妹「やっぱりいつものお兄ちゃんだ」
男「・・・(仲良し設定なのか?ドッキリでいいのか?)」
――――リビング。
男「おはよう、母さん?・・・なの?(しまった思わず疑問形になっちまった。母さんとか呼んだけど良いんだよな?記憶の母親と全然違うというか、美人と言っても過言じゃないぞ!?)」
母?「えっ?男ちゃん、いつもみたいにママって呼んでくれないの?」
男「え、やだよ。マザコンじゃあるまいし」
母?「」
妹「ねぇ、ママ。お兄ちゃんが朝からおかしいの」
母?「」
妹「・・・立ったまま気絶してる」
男「まじかよ、器用だな」
――――数分後。
妹「ママは起きなそう、どうしようお兄ちゃん」オロオロ
男「気絶ぐらいで死なないから、それより朝ごはんどうする?お腹減ったろ?」
妹「お兄ちゃん、僕の料理の腕は知ってるよね?」
男「・・・いや、(妹は)知らんが(弟はそれなりに出来るな)」
妹「うぅ」ジワッ
男「ああ、冗談!冗談だから!」
妹「お兄ちゃん意地悪だよぉ」ポロポロ
男「・・・たく、しゃーない、わーったから泣くな、俺が作るから」
妹「えっ!お兄ちゃんが御飯を作ったことなんてないよ?それに怪我しちゃったら大変だよ!」
男「何だその過保護・・・妹(弟)だったら料理の腕は知ってると思ったんだけどな」
妹「だって、だってお兄ちゃんが怪我しちゃったら病院に連れて行かないと行けないんだもん!」
男「なんだそれ?指を切っていちいち病院に行ってたら病院がパンクするわ」
妹「安心して!男性専用病院だから大丈夫だよ」
男「ホモでも湧きそうな病院だな、ノンケホイホイか?」
妹「ホモ?ホモって?百合の?なんの話??」
男「ん?そういう話は平気なのか?」
妹「え?むしろお兄ちゃんは大丈夫なの?そういう話は大嫌いって言ってたから・・・」オロオロ
男「・・・いや、なんでもない(男性専用病院?ホモと百合は同じなんだが、なんか違和感を感じるな。こりゃ本格的な考え方とかのすり合わせしないと混乱してきそうだ)」
――――更に数分後。
男「出来たぞ」
妹「・・・」
男「どうした?野菜たっぷりコンソメスープと目玉焼き、トマトとトーストのシンプルメニューだけど不満だった?(途中まで作ってた料理は時間が掛りそうだからやめたんだよなぁ、朝食はシンプルでいいのに何品出すつもりだったんだ?)」
妹「本当に出来ちゃった」
男「かなりシンプルで悪いな、もう時間がないから出来るようなこと言っておいてこれだけだった」
妹「ううん、すごく美味しそう・・・待ってていま携帯で写真取るから」
男「冷めないうちに食え」ジトッ
妹「は、はい。ごめんなさい」
男「いい子だ」ニコッ
妹「えへへ」トロン
男「・・・(我が妹?ながらひどい顔だとか言ったらガチ泣きしそうだら黙っていよう・・・しかし冷静になって見ると弟と全然似てないんだよな、正直、芸能界でやっていけそうなほど可愛かったりするんだが、妹設定とか話されると冷静に見れる不思議感が否めない。他人事として見てるからか?)」
妹「美味しい!」
男「そうか、それは良かった」パクッ、モグモグ
妹「えへへ、幸せ」ニコニコ
男「・・・(正直に言うと味はシンプル故に普通だぞ・・・いや、卵は美味いなスーパーのじゃないのか?)」
――――通学路。
男「おかしい。いつもジョギングしてるはずのおっちゃんが超絶美人に変わってるのはまぁ良いとして」
女性1「・・・」チラッ
女性2「・・・」チラッ
女性3「・・・」ガンミ
女性4「・・・」ハァハァ
男「・・・(めちゃくちゃ見られてんだけど、ちらちら見てたよね?とかそんなレベルじゃない。つか、さっきから女性としかすれ違っていない。いつもならサラリーマンとか犬の散歩してるじーさんとかすれ違うはずなのに)」
妹「ガルル」
男「(この子はこの子で見てくる女性たちを威嚇してるし・・・)みっともないから威嚇しない。さっきからなんで威嚇してんだ?かわいいのにその顔だと台無しだぞ?」
妹「え?お、お、お、お兄ちゃん!?」
男「仮ですがなんでしょうか?」
妹「い、い、いまなんて?」
男「・・・威嚇するな」
妹「違う、そうじゃなくて」
男「(言わせたいことはわかるが)威嚇するな」ジトッ
妹「あ、はい」シュン
男「・・・はぁ、頭が痛くなってくる」
――――駅。
男「なんだ・・・これ」
女性5「は?何あの・・・あの!」チラッ
女性6「び、美少年キタァアアア!」
駅へと向かう人達は、ほぼ全員が女性で男性は探してやっと二人だけ見つけた。しかしその周りをリクルートスーツとは言えない黒ずくめのスーツで身を固めた。数人の女性たちに守られるように歩いていた。
しかし、その男性二人共の容姿は普通で、どちらかといえば小太り、ぽっちゃりと少し残念な方だった。
それでも近くの女性はガン見しており、恐怖を覚える。
妹「は、早く行こ?本当は対男性用警護官連れてなきゃいけないんだけど、到着前に出ちゃったから」
男「なんだそれ?対男性用警護官ってのは?戦うのか?何と?」
妹「痴漢とかいろいろとだよ?」
男「お、おう。痴漢されるのか・・・男が?」
妹「お兄ちゃんやっぱりおかしいよ!どうしてそんなに女に対しておおらかになっちゃったの!?」
男「いや、普通だが(おおらかとか久々に聞いたなぁ)」
妹「普通じゃないよ!早く!行こうよ!」グイグイ
男「引っ張るなって」グイッ
妹「えっ!?」
妹はすぐに駅へと連れて行こうとしたのだが、男の予想外の力強さに逆に戻された。
妹「お兄ちゃんってそんなに力が強かったの?」
男「さぁ?(正直、この状況もわからないし力とかどうとか、スペック的なこともわからずに家を出たからな…何ができるかも分からない)」
妹「さぁ?ってそんなんじゃすぐ誘拐されちゃうよ?」
男「力強くて誘拐ってどういうことなんだ?」
妹「下手に自信を持ってると数人に囲まれてすぐに捕まっちゃうってことなんだよ」
男「よく分からない、けど気をつけるよ」
妹「絶対だよ?」
男「・・・(いい加減に面倒になってきたな、そもそもなんでコソコソしなきゃならないんだ?)」
これはすでに面白い
はえー面白そう
続きを読みたいです、、、
続きplease meネ