絵里「ごきげんよう、穂乃果」穂乃果「ごきげんよう、お姉さま」
μ’s内で昔にヒットした小説が流行った。やがてその流行は学園内に波及する
そして訪れる、死に似た拷問。『レイニー止め』がここに再現される
アイドル研究部 部室
穂乃果「こんにちは」ガチャ
海未 「穂乃果、遅いですよ」
凜 「穂乃果ちゃん、遅い!」
穂乃果「ははは、ごめん。でもまだ全員集まってないんだね」
ことり「にこちゃんは先生に呼ばれて遅れるって。真姫ちゃんは音楽室で作曲中だよ」
海未 「希は用があるから欠席だそうです」
穂乃果「そうか。じゃ2人が来るまで待つ?」
ことり「うん。そのつもり」
絵里 「・・・」ペラ
穂乃果「それでね・・・」
海未 「だから・・・」
ことり「ははは・・・」
絵里 「・・・」ペラ
花陽 「えーーー」
凜 「かよちーん!・・・」
絵里 「・・・」ペラ
真姫 「ごめん、遅くなったわ」ガチャ
花陽 「真姫ちゃん」
凜 「待ってたにゃー」
絵里 「・・・」ペラ
絵里 「・・・」ペラ
穂乃果「・・・」ジー
絵里 「・・・」ペラ
穂乃果「・・・」ジー
絵里 「・・・」ペラ
穂乃果「・・・」ジーイライラ
絵里 「・・・」ペラ
穂乃果「・・・」ジーイライラ
穂乃果「もう絵里ちゃん!」
絵里 「え?穂乃果?いつ来たの?」
穂乃果「いつ来たのじゃないよ!さっきから1人で本読んで」ウガー
絵里 「え?あれ?皆、来てたのね」
海未 「皆ではありませんよ、後にこが来てません」
絵里 「ごめんなさい、つい夢中なっちゃって」
ことり「夢中で読んでから、声を掛けなかったけど、面白いの?」
絵里 「ええ、結構面白いわよ」
穂乃果「ねぇ、絵里ちゃん、何、読んでるの?」
絵里 「これよ」
穂乃果「マリア様がみてる?」
ことり「これ、古い本だよね?」
絵里 「そうらしいわね。確か16年前ぐらいの作品らしいけど」
穂乃果「16年前・・・生まれた年だ」
絵里 「私だって、おしめが取れてない頃よ」
海未 「ことりは知ってるんですか?」
ことり「タイトルだけは。でも読んだことはないよ」
絵里 「私も1巻を友達に借りたのだけど、後から自分で買いなおしたの」
海未 「そんなに面白いのですか」
絵里 「当時は大ヒットしたらしいから面白いと思うわ。私は好きよ」
穂乃果「どんな話なの?」
絵里 「舞台はカトリック系の古い女子校。そこには上級生が下級生を直接指導する『スール』ってシステムがあるの」
ことり「スール?」
絵里 「簡単にいうと義姉妹の約束を結ぶのよ。スールになった二人は第三者が介入できないくらい結束が強いの」
絵里 「そうね・・・姉妹っていうより恋人のニュアンスが強いかも」
海未 「恋人ですか・・・///」
絵里 「主人公の福沢裕巳はある日、憧れの先輩である小笠原祥子様に声を掛けられるの」
海未 「なんで様付なんですか?」
絵里 「あ、・・・だって、本にそう書いてあるんだもん///」
絵里 「裕巳は友達が撮ってくれた祥子様との写真を手に入れる為に祥子様に会いに生徒会に行くのよ」
穂乃果「ん?なんで写真がを撮ってくれた友達に直接、お願いしないの?」
絵里 「お友達は写真部で文化祭の展示の許可を祥子様に取ってくることを条件に出したのよ」
絵里 「生徒会に行った裕巳は突然、祥子様の『妹』として生徒会の皆に紹介されてしまうの」
ことり「妹?」
絵里 「スールになると上級生を『姉』下級生を『妹』と呼ぶの」
絵里 「訳も分からず、『妹』にされてしまった裕巳は祥子様の申し出を断るの。そこで生徒会の先輩達から賭けを提案されるのよ」
絵里 「期日まで裕巳を『妹』にできたら祥子様の勝ち、できなければ、生徒会からの要求を呑むこと」
絵里 「裕巳は仮の『妹』として生徒会を手伝うことになるの。祥子様は裕巳を期日までに『妹』にできるのか?」
絵里 「とまぁ、1巻の話をまとめるとこんな感じかな」
ことり「面白そう」
絵里 「ことりは好きそうよね。そうだ、ことり読みたいなら貸すわよ」
ことり「良いの?」
絵里 「綺麗に扱ってくれれば問題ないわ」
絵里 「ちょっと待ってて、あった。はい、ことり」本ワタシ
ことり「ありがとう!絵里ちゃん」
穂乃果「・・・」ジー
絵里 「・・・何?」
穂乃果「穂乃果には貸してくれないの?」ムスー
絵里 「穂乃果、挿絵はあるけど小説よ?穂乃果は苦手でしょ?」
穂乃果「うーでもぉ~」
ことり「・・・絵里ちゃん、ことりが終わったら穂乃果ちゃんに貸して良い?」
絵里 「え、別に構わないけど、穂乃果大丈夫?」
ことり「今、軽く読んでみたけど200ページ前後だから穂乃果ちゃんでも読めると思う」
絵里 「ならいいわ。特に急いでないからゆっくり読んで構わないし」
ことり「よかったね、穂乃果ちゃん」
穂乃果「うん!ありがとう絵里ちゃん、ことりちゃん」
3日後 部室
絵里 「・・・」ペラ
穂乃果「絵里ちゃん!」
絵里 「うわぁ!びっくりした!何よ、穂乃果」
穂乃果「続き、貸して!2巻貸して!」
絵里 「お、落ち着きなさい、穂乃果、読み終わったの?」
穂乃果「うん!昨日ことりちゃんに借りて、読み始めたんだけど面白くてあっというまに読み終わっちゃった」
絵里 「ページ数はそれ程じゃないから、読もうと思えば2,3時間で読めるけど、穂乃果が読み終えるなんて」
穂乃果「絵里ちゃん、バカにしてない?」
絵里 「バカにしてないわよ。単純に驚いているだけ。ことりは続きはいいの?」
ことり「あ、ごめん絵里ちゃん、私もあれから続きが気になって4巻まで買っちゃった」
絵里 「ああ、そうなんだ。穂乃果、練習終わったら、教室まで取りに行くわ」
穂乃果「じゃ、穂乃果も付き合うよ」
花陽 「ねぇ、穂乃果ちゃん。この間から気になってたんだけど、その本、そんなに面白いの?」
穂乃果「マリア様がみてるのこと?うん、面白いよ」
凜 「え、何、何?凛にも教えて欲しいにゃ」
穂乃果、あらすじ説明中
凜 「面白そう」
花陽 「うん」
ことり「じゃ、1巻貸してあげようか?」
凜 「いいの?」
ことり「うん、いいよ」
凜 「ありがとう、ことりちゃん。あ、でも、かよちんも読みたいよね?」
花陽 「ううん、凛ちゃんが先に読んでいいよ」
凜 「え、でも・・・」
穂乃果「・・・ねぇ絵里ちゃん、借りた本、花陽ちゃんに貸していい?」
絵里 「もう・・・仲間なんだから許可なんていらないわよ」
穂乃果「だって、よかったね花陽ちゃん」
花陽 「うん!ありがとう絵里ちゃん、穂乃果ちゃん」
海未 「真姫は良いのですか?」
真姫 「・・・私はいいわ」
海未 「私が貸しましょうか?」
真姫 「・・・いつの間に読んでたの?」
海未 「私だって興味があったんです」
真姫 「・・・明日、貸してくれる?」ボソ
海未 「良いですよ」
3日後 屋上休憩中
にこ 「ねぇ、希」
希 「ん?何」
にこ 「練習前に穂乃果達から聞いたけど、希は『マリアさまがみてる』は読んだ?」
希 「ああ、皆が盛り上がってる本をやろ?」
にこ 「そう」
希 「うちはまだ読んでないけど、えりちの予約済やから、近い内に読むつもり。にこっちは?」
にこ 「私もまだ。面白いの?」
希 「ことりちゃんは続きが気になって買ったいうし、穂乃果ちゃんは借りたその日に読破したらしいね」
にこ 「花陽も凛も読んでる最中で、穂乃果達にネタばれしないように懇願してたわ」
希 「海未ちゃんも買ったらしいね。真姫ちゃんは海未ちゃんに借りたって聞いたよ」
にこ 「そうか・・・穂乃果に言えば、いいのかな?」
希 「聞いてみたら?」
にこ 「穂乃果、『マリア様がみてる』貸してもらえる?」
穂乃果「ごめん、にこちゃん。私も借りてるの。ことりちゃん!」
ことり「凛ちゃん、終わったら、にこちゃんに渡して」
凛 「うん。ごめんね、にこちゃん、もう少し待って」
にこ 「別に焦らせるつもりはないわ」
真姫 「はい、にこちゃん」
にこ 「え?」
真姫 「にこちゃん、読みたいんじゃないの?」
にこ 「そうだけど。真姫、買ったの?」
真姫 「そうよ。いつまでも借りて読むなんてできないじゃない」
にこ 「へぇー以外ね。あんたはこの手の話は『興味がない』とか『趣味が合わない』って一蹴すると思ったけど」
真姫 「ど、どうだっていいじゃない!」
にこ 「確かにそうね。・・・ちなみに真姫のお奨めは?」
真姫 「だんっっっっっっぜん!聖様!普段は飄々してるけど、決める時は決めるし、後輩思いだし!それから・・・はっ!」
にこ 「あんたがここまで嵌るんだから期待できそうね。ありがとう真姫。借りるわ」ニヤニヤ
真姫 「別にお礼なんていいわよ・・・」
某日 登校時
穂乃果「ごきげんよう、海未ちゃん、ことりちゃん」
海未 「ごきげんよう、穂乃果」
ことり「ごきげんよう、穂乃果ちゃん」
校門前
絵里 「ごきげんよう、穂乃果」
穂乃果「ごきげんよう、絵里様」
絵里 「穂乃果、タイが曲がっていてよ」
穂乃果「・・・」
絵里 「身嗜みはしっかりね、それではまた放課後にね」
ワーワーワー キャー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
生徒会長と高坂先輩だよね?
2人ともアイドルだから絵なるわぁ
ヤバい、新たな世界のトビラが開きそう
ことり 「凄いもの、見ちゃったね・・・」
海未 「想像はしていましたが遥かに超えてました///」
穂乃果「////////」
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
昨日 部室
絵里 「・・・」ペラ
穂乃果「絵里ちゃん!」ダキ
絵里 「何?穂乃果、くっつかないの」
穂乃果「絵里ちゃん、お願いがあるの」
絵里 「お願い?」
穂乃果「『マリみてごっこ』しよう」
絵里 「『マリみてごっこ』?意味がわからないわ」
穂乃果「あれがやりたいの裕巳ちゃんと祥子様が出会うところ!」
絵里 「・・・音ノ木坂にマリア像はないでしょう」
穂乃果「マリア像はなくてもいいの!校門前でやろう」
絵里 「校門前で?!あんな目立つ所でそんなことできるわけないでしょ!」
穂乃果「えーお願い!絵里ちゃんやろうよ」
絵里 「無理に決まってるでしょう!」
穂乃果「すぐ終わるから」
絵里 「すぐ終わるとかの問題じゃない!」
海未 「穂乃果!!」バーーーン
穂乃果「あ、海未ちゃん、ごきげんよう」
海未 「ごきげんようではありません!アイドルなんですから発言には気を使って下さい!」
穂乃果「発言?なんで?」
海未 「話だけ聞いていたら、只の痴話喧嘩にしか聞こえません」
穂乃果「痴話喧嘩?」
絵里 「ちょうどよかった。海未からも穂乃果に言って!」
穂乃果「海未ちゃん!『マリみて』ごっこ、いっしょにやろう!」
海未 「はっ?」
海未 「はー・・・つまり、絵里と『マリみて』1巻冒頭の真似がしたいと」
海未 「穂乃果は幾つですか?ごっこ遊びなんて・・・」
穂乃果「だって・・・絵里ちゃんとやってみたいんだもん。なんとなくさ、絵里ちゃんって祥子様に似てるし・・・」
絵里 「私、似てる?」
海未 「確かにスタイルの良さとか共通点は多いかもしれませんね」
海未 「で仮にやる場合、私は役柄は何ですか?」
穂乃果「役柄?海未ちゃんとことりちゃんは挨拶をごきげんようにするだけだよ」
海未 「ことりも巻き込むつもりですか」
絵里 「穂乃果は出会いのシーンの何処をやりたいの?」
穂乃果「祥子様が裕巳ちゃんのタイを直して、立ち去るところ!」
絵里 「ああ、その程度でいいのか」
海未 「絵里、やるつもりですか?」
絵里 「まぁ、そのぐらいならつき合ってあげてもいいかな」
海未 「本気ですか?」
穂乃果「わーい!絵里ちゃん大好き!」ダキ
絵里 「もう穂乃果は甘えん坊ね」ナデナデ
海未 (確かに、絵里と祥子様は似てるかもしれません)
海未 (妹に激甘なバカ姉状態はそっくりです)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
花陽です。こうしてμ’s内で『マリみて』は1週間でメンバー全員が読むことになり、練習後は
『マリみて』談義に盛り上がりました。結局、皆が続きが気になるということで各個人で購入することになりました
読む速度はそれぞれ違ってますが10日間程で全員が3巻までを既読済みでその先を読んでる人はネタばれをしない
ことが暗黙のルールになりました。
ですが、私達の知らないところでとんでもないことが進行していたことはこの時は誰も気付いていませんでした・・・
数日後 校内廊下
絵里 「・・・」スタスタ
下級生1「あ、絵里様だわ」ヒソヒソ
下級生2「ああ、いつ見ても凛々しい」ヒソヒソ
下級生3「ごきげんよう、絵里様」ペコ
絵里 「へ?あ、こんにちは」ペコ
下級生3「やった!絵里様に挨拶を返してもらった!」
下級生2「羨ましい、今度は私も」
下級生4「絵里様よ」ヒソヒソ
下級生5「絵里様・・・」
下級生6「ごきげんよう、絵里様」ペコ
下級生7「ごきげんよう、絵里様」ペコ
絵里 「?」ペコ
絵里 「絵里・・・様?」
生徒会室
絵里 「おかしい・・・」
希 「ん、えりち、どうかした?」
絵里 「おかしいと思わない?」
希 「何が?」
絵里 「最近、校内を歩いているとよく声を掛けられるの」
希 「生徒会長としてええことやん」
絵里 「確かに・・・ち、違うの!視線を感じるのよ」
希 「・・・いつものことやん」
絵里 「特に下級生から熱い視線が・・・」
希 「いつもと変わらないでしょ?」
絵里 「もう!なんで希には伝わらないのよ」
希 「だって、ラブレターなんて日常茶飯事だし、下級生のえりちへの羨望の眼差しなんて今更やん」
絵里 「むー」
にこ 「希、絵里」ガチャ
希 「あれ、にこっち?」
絵里 「にこ、どうしたの?」
にこ 「講堂使用の申請書を持ってきたの。たまには部長の仕事をしないと」
希 「にこっち、わざわざ持ってきてくれたん」
絵里 「部室に置いておいてくれれば、よかったのに」
にこ 「それより、2人で何を言い争っているの?廊下まで聞こえたわよ」
絵里 「にこ、聞いて、実は・・・」
希 「にこっちはどう思う?」
にこ 「・・・絵里のいうこと間違ってないかも」
絵里 「!?」
希 「どういうことにこっち?」
にこ 「詳しいことは部室で話すわ」
放課後 部室
花陽 「実は1年生の間でアイドル研究会のことが『山百合会』って密かに呼ばれています」
海未 「山百合会って・・・」
ことり「マリみて?」
花陽 「はい、今、音ノ木坂学院は学年問わず『マリみて』が流行っています」
希 「切っ掛けは・・・」
絵里 「・・・私達よね」
花陽 「はい、私もクラスのお友達に『マリみて』のこと何回か聞かれました」
穂乃果「でも、何で?」
にこ 「私達が嵌ってるからでしょ」
にこ 「いいえ、言い換えるわ、私達がアイドルだからよ」
真姫 「意味わかんない」
にこ 「そう?正論よ。一般生徒から見れば私達は憧れの的よ。うちが『山百合会』と呼ばれていることが証拠じゃない」
にこ 「憧れの対象は真似したがるものよ。それがファン心理ってやつよ」
穂乃果「そうか!『黄薔薇革命』」
にこ 「そういうことよ」
絵里 「凛はどう思う?」
凛 「実は最近、凛は誰の『妹』になるのかって、お友達からよく聞かれるの」
ことうみのぞえり「妹!」
花陽 「実は私も・・・」
にこ 「真姫は?」
真姫 「・・・」
絵里 「無言は肯定ね」
花陽 「それに最近、スールの約束を結ぶの子も出てきて・・・」
絵里 「ほんとに?」
ことり「儀式もやってるの?ロザリオは?」
花陽 「やってるみたいです。ロザリオは買ってるみたい」
海未 「そういえば、弓道部の後輩にロザリオを持ってる子がいました!」
絵里 「・・・ハラショー」
希 「しかし、随分と面白いことになってるんやな」
絵里 「2年生はどうなの?」
穂乃果「特に聞かないかな。ねぇことりちゃん」
ことり「うーん。隣のクラスのことはよくわからないけど、うちのクラスでは特別なことはないかな」
花陽 「あのー」
海未 「花陽、どうしました?」
花陽 「私達、1年生が『妹』と言われている以上、当然2年生は『姉』なわけで」
花陽 「特に穂乃果ちゃん達はμ’sのファーストメンバーだから崇拝してる子も多いんです」
海未 「崇拝・・・」
ことり「ははは・・・」
穂乃果「・・・ねぇ花陽ちゃん。ひょっとして、薔薇の色での区別とかあるの?」
花陽 「・・・」コク
穂乃果「あるんだ・・・」
花陽 「でも、2年生はポジション的に難しくて、意見が分かれてます」
花陽 「ただ、紅薔薇姉妹は穂乃果ちゃんと絵里ちゃんで確定になってます」
絵里 「は?なんで?」
にこ 「絵里、穂乃果、数日前、校門前で何かやったわよね?」
穂乃果「数日前・・・」
絵里 「・・・まさか・・・」
ことうみ「あっ!」
にこ 「花陽、例のもの皆に見せて」
花陽 「数日前、メールにこの写真が添付されてお友達から送られてきました」
花陽 「写真以外にも目撃者が多く、あの日の1年生は絵に描いたようなお祭り状態でした」
絵里 「凛、真姫も持ってるの?」
凛 「うん。突然送られてきて、びっくりしたにゃ」
真姫 「たぶん、1年で持ってない子なんていないんじゃない」
絵里 「2年生は?」
穂乃果「ことりちゃん、持ってる?」
ことり「ううん。でも私と海未ちゃんは実際に見てるから気持ちはわかるかな」
海未 「そうですね。あれは目を奪われました///」
にこ 「希は?」
希 「うちは持ってないよ。えりちから話は聞いてたから、知っていたけど」
にこ 「私も持ってない、花陽からこの写真を見せられたのが祭状態の当日だった」
にこ 「いい?表面的に大騒ぎになってるのは1年生だけど2,3年の影響力も無いわけではないわ」
にこ 「実際、校内で『マリみて』はブームになってる。10年以上前の作品がよ」
絵里 「でも、ちょっと待て。今の話を纏めると皆、知ってたことでしょ?」
絵里 「何で何も言ってくれなかったの。そっちの方がショックだわ・・・」
にこ 「絵里、あんた何もわかったないわね」
絵里 「どういうこと?」
にこ 「最近、ラブレター減ったでしょ?」
絵里 「・・・何か関係あるの?」
にこ 「・・・正直に言うわ。私、この写真を見た時、釘付になったの」
にこ 「2人はよく知ってる、穂乃果はアホだし、絵里もポンコツ。でも仲間だからこそ知ってる姿よ」
ほのえり「おい」
にこ 「そんな2人の姿を知ってる私でも目が離せなかった」
にこ 「例えば、ファンの子がこれを見た時、どう思う?」
にこ 「ファンの子達は私達の表面の姿しか知らない。それを自分の都合の良い偶像(アイドル)に作っていくわ」
にこ 「絵里、ここ最近、感じた変化ってある?」
絵里 「変化・・・最近、絵里様って呼ばれることが増えたわ」
にこ 「じゃ、穂乃果。最近、変わったことがあった?」
穂乃果「私?う~ん?」
穂乃果「あ!そういえば、昨日ね・・・」
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
穂乃果回想中
穂乃果 「・・・」スタスタ
下級生1「高坂先輩!」
穂乃果 「はい!えーと・・・」
下級生1「私、高坂先輩を応援しています!女の子同士は大変だと思いますけど頑張って下さい」
穂乃果 「うん、ありがとう頑張るね!」
下級生1「それじゃ」ダッシュ
穂乃果 (ファンの子かな?)
下級生2「高坂先輩!」
穂乃果 「はい!えーと何かな?」
下級生2「私、高坂先輩に絶対に負けません!2人はお似合いだけど・・・私、絶対に諦めません!」ダッシュ
穂乃果 「うん、諦めずに頑張ることは良いことだよ!、私は応援するよ、ファイトだよ!」
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
穂乃果「っていうことがあったよ」
穂乃果「頻繁って程じゃないけど、似たようことが何回かあったかな」
にこ 「随分と判りやすい、例えがでてきたものね・・・」
ことり(穂乃果ちゃん、ファンの応援って思ってるんだろうなぁ・・・)
海未 (穂乃果らしい、ファンの対応ですね)フンス
ことり(はー海未ちゃんもたぶんわかってない・・・)チラ
にこ 「じゃ、穂乃果。絵里と校門前で遊んだとき、何を考えた?」
穂乃果「あのときは・・・」
穂乃果「・・・」
穂乃果「・・・///」
穂乃果「////」
絵里 「穂乃果?大丈夫?」
穂乃果「う、うん。大丈夫だよ・・・」
絵里 「顔色が悪いわよ。ほんとに大丈夫?」テヲノバシ
穂乃果「はぅ!?大丈夫だよ///」アトズサリ
絵里 「大丈夫じゃないでしょ。こっちにいらっしゃい」
にこ 「絵里、その辺にしときなさいよ。今のあんたは穂乃果にとって猛毒なんだから」
穂乃果「///」
絵里 「?意味がわからないわ。穂乃果、私、あなたに悪いことした?」
穂乃果「ううん、絵里ちゃんは悪くないんだ。私の問題だから」アセアセ
穂乃果「ごめん、私、今日は帰るね」ダッシュ
絵里 「穂乃果!待って!」
絵里 「にこ・・・穂乃果に嫌われたぁ~」ナミダメ
にこ 「ああ、大丈夫。100%、それはないから」
全員 「うん」ウナズキ
穂乃果ちゃんは荷物を全部置いて、帰ってしまいました。後で海未ちゃんとことりちゃんに荷物を持ってきてとお願い
メールが来てたみたいです。絵里ちゃんにもすぐにごめんねメールが来たみたいで「穂乃果と話してくる」と飛び出して
いく絵里ちゃんを皆で押さえつけるのは大変でした。
にこちゃんの予想通り『マリみて』熱は益々加熱さを増していき、事態は私達の予想を遥かに超えていきました
数日後 某日 アイドル研究部 部室
花陽 「た、大変ですぅぅぅぅ!」バタン
海未 「どうしました?花陽?」
にこ 「騒がしいわよ。全く・・・」
花陽 「落ち着いている場合じゃないよ!あの写真が、あの写真が外に漏れちゃったのぉぉぉぉ!」
にこ 「外に漏れたですってぇぇぇぇ!誰が、誰が流したの!」カタツカミ
花陽 「にこちゃん、落ち着いてぇぇぇ。違うのぉぉぉ」ガクガク
にこ 「何が違うのよ!」
花陽 「これを見て」
にこ 「ツイッター?え、何よこれ?リツイートが10000件!?」
花陽 「その他にもニュースサイトやスクールアイドルのサイトやブログにも紹介されてて」
にこ 「くっ、写真が校内に出回ってるんだから、予想すべきだったわ・・・」
花陽 「だから、違うの!」
海未 「二人共、落ち着きなさい!にこは少し黙って下さい。花陽、続きをどうぞ」
花陽 「ありがとう、海未ちゃん。紹介されているんですけど、それが大評判なの!」
花陽 「これがニュースサイトのレスなんだけど・・・」
にこ 「えりたんキターって通常運転じゃない・・・うわぁ~好評なのはわかるけど絵里に見せたら卒倒しそうなレスだらけね」
花陽 「男性評だけじゃないんです。女の子のファンからの反応が特に良好で絵里ちゃんの評判はあたりまえだけど・・・」
花陽 「穂乃果ちゃんへの応援が物凄いんです!」
にこ 「穂乃果への応援?・・・はぁーやっぱりそう取るわよね」
花陽 「それであの写真が『マリみて』の出会いのシーンだって見抜いたファンがいて、ネットで今『マリみて』が評判になってるんです」
にこ 「評判?どういうこと?」
花陽 「『マリみて』ファンとμ’sファンの両方で話題になって『リアルスール』の再現ってことで盛り上がってるんです」
海未 「花陽、状況は理解できましたが、それほど心配する必要はないのでは?」
にこ 「スキャンダルとはいえば、スキャンダルだけど世間への受け取り方が好評なようだから問題はないか・・・」
花陽 「それとこれはついでなんだけど・・・有名な買い物サイトの文庫本の売り上げランキングが」
にこ 「え、何これ?」
海未 「どうしたんですか?」ノゾキ
花陽 「全部『マリみて』が独占してるんだよ!」
幕間
某日 雪穂と亜里沙が通う、中学校にて
クラスメイト①「雪穂」
雪穂 「何?どうしたの?」
クラスメイト①「この人って雪穂のお姉さんだよね?」スマホワタシ
雪穂 (!?何をやってるんですか!この2人は)
雪穂 (っていうか、お姉ちゃん何て顔してるの・・・)
クラスメイト①「雪穂?」
雪穂 「ん、何?」
クラスメイト①「だから、雪穂のお姉さんだよね、この人」ユビサシ
雪穂 「うーん、どうかな・・・似てるけどたぶん違うんじゃないかな?」
クラスメイト①「そうかな?似てると思うんだけど・・・」
亜里沙 「2人共、何やってるの?」
雪穂 (亜里沙ぁぁぁぁぁぁ!)
クラスメイト①「亜里沙ちゃん、この人って雪穂のお姉さんに似てない?」スマホワタシ
亜里沙 「ん?あれ、お姉ちゃんと穂乃果さんだ」
雪穂 (亜里沙ぁぁぁぁぁぁ!)
クラスメイト①「やっぱりそうなんだ」
亜里沙 「うん!μ’sでいっしょのうちのお姉ちゃんと穂乃果さんだよ」
クラスメイト①「だそうですよ。雪穂さん。何で姉妹なのにわからないのかなぁ~」
雪穂 「何でだろう・・・」メソラシ
亜里沙 「でも、これどうしたの?」
クラスメイト①「今、ネットで話題なの。でも亜里沙ちゃんのお姉さん綺麗だね。流石アイドル」
雪穂 「うちの姉もアイドルなんですが・・・」
クラスメイト①「わかってるって、雪穂のお姉さんは可愛い。特にこの表情は乙女だよね」
雪穂 (親族のこの手の話題は居た堪れない気持ちなるから、嫌なんだよぉ)
亜里沙 「でも、穂乃果さんはカッコいい人なんだよ」
雪穂 (亜里沙ぁぁぁぁ!)
クラスメイト①「へぇーそうなんだ。どんなふうにカッコいいの?」ニヤニヤ
亜里沙 「μ’sを引っ張っていくリーダーで、決断力があって、皆に信頼されてて、困った時にもが突き進んでいくんだって!」
クラスメイト①「へぇー話だけ聞くと何処の完璧超人なんだよって感じだね」
雪穂 (亜里沙ぁぁぁぁぁ!)ジタバタ
亜里沙 「うん、お姉ちゃんは穂乃果さんに救われたんだって!」
クラスメイト①「へぇー雪穂のお姉さんはアイドルかと思ったら正義の味方だった!」ニヤニヤ
雪穂 (亜里沙ぁぁぁぁ・・・)ナミダメ
亜里沙 「この写真、綺麗だなぁ。お姉ちゃんと穂乃果さんが姉妹みたい」
クラスメイト①「ほう、実の妹にもそう見えると?」
亜里沙 「お姉ちゃんも穂乃果さんのこと後輩よりも妹って感じで可愛がってるみたい」
クラスメイト①「ほう~」ニヤニヤ
雪穂 「・・・」
亜里沙 「この写真、欲しいな。何処でもらえるの?」
クラスメイト①「貴重なお話を色々聞けたから、お礼にあげちゃうよ。ついでに雪穂もいる?」
雪穂 「もらう・・・」
面白い内容でした。
続きが読みたいです。