提督「娘が鎮守府にやって来たのだが」
ロリコン提督、父になる。
割と勢いで思いついて書いてしまった。
なので勢いついたらどんどん続きを書いていこうと思いますので、かなり更新が不定期ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
※注意
オリジナル艦娘(所謂自衛艦これ)が登場します。苦手な方はお気をつけて
日本・加湖乃鎮守府
提督(皆さんこんにちは、提督です。今日はつい先日ケッコンカッコカリをした我が嫁、雷をご紹介しよう)
雷「元気ないわねーそんなんじゃ駄目よぉ!」
提督(どんな時だろうと俺のことを励ましてくれる、これまでに何度心が折れそうになっても、彼女の存在が俺を支えてくれた)
雷「そうそう。もーっと私に頼っていいのよ!」
提督(とても働き者で、俺のことを常にサポートしてくれている。基本秘書艦は当番制で回しているが、彼女はダントツで多い。俺も彼女に甘えてしまっているのかもしれない)
雷「雷、司令官のために出撃しちゃうねっ!」
提督(そして何より可愛い)←ロリコンです
提督(だから俺は雷の練度を99まで上げて、彼女とケッコンカッコカリをした)
雷「ねぇ、司令官? 私無しじゃ、もう艦隊は成り立たないでしょ? ねっ? ねっ?」
雷「司令官、貴方は大丈夫。だって、私が傍にいるんだから!」
提督(いつも以上に甲斐甲斐しくなった。軍人なのにこんな幸せな暮らしでいいのだろうか・・・)
提督「まあいっか!幸せなことはいいことだ!」
雷「?よくわからないけどその通りよ!だから司令官?もっともーっと私に頼っていいんだからね?」
提督「ああ^〜ダメになる〜ということ我が愛しき嫁よ!今晩あたり夜戦しよう!」
雷「や、夜戦!?ああえーと、その・・・あ、貴方がしたいなら・・・」
提督「イヤッフー!!あーもう楽しみで仕方ない!興奮してきた!ごめん、やっぱ今からやろう夜戦!」
雷「えええ!?い、今は執務中だからダメよ!」
提督「ふーん・・・」
雷「し、司令官・・・?」
ドン!
雷「キャ!」
雷(え?あれ?これって所謂壁ドン!?)
提督「本当に嫌なのかい?」ボソボソ
雷「あっ、えと、で、でも・・・」
提督「なあ、いいだろ?」ボソボソ
雷「・・・・・・」コク
提督「っしゃああああああ!!ではさっそk「何・・・」え?」
曙「してんのよクソ提督!!」ブン
提督「ブベラァ!!」ズバーン
曙「まったく、このクソロリコンど変態提督は・・・」
雷「し、司令官大丈夫!?」
提督「が、顔面に魚雷フルスイングはあかんでぼのたん・・・」
曙「誰がぼのたんよ気持ち悪い!雷ももっと強い意志を持ちなさい!そんなんじゃダメよ!」
雷「私の定型文取られた!?」
提督「なんだよぼのたん、妬いてんのか?」
曙「今度はちゃんと爆発する方の魚雷を味わいたいみたいね?」
提督「オーケーぼのたん落ち着いて俺が悪かったから」
雷「ところ曙は何しに来たの?」
曙「あ、そうだ。クソロリコン、これ出撃の報告書」ワタシ
提督「おう、せめて提督つけてくれ」ウケトリ
曙「それと・・・」
提督「なんだ?」
曙「あ、新しい艦を拾って来たんだけど・・・」
雷「新しい子が来たのね!誰かしら?」
曙「それがその・・・」
提督「?ぼのたんにしては歯切れ悪いな、どうした?」
曙「・・・・・・」チラ
雷「?」
曙「・・・雷よ」
提督「へ?」
曙「だから!新しい艦、雷なのよ」
「・・・・・・」
雷「・・・司令官」
提督「な、なんだ?」
雷「わ、私だけっ、じゃ、ヒグッ、私だけじゃ、ウグッ、ダメなのね・・・ッ!」ポロポロ
提督「おおおおお落ち、おちおちおち落ち着け雷!!」
曙「アンタも落ち着きなさいよ」
提督「別にアレだぞ?雷1人じゃ物足りないとかそんなんじゃないぞ?それにまだ受け入れるとも言ってないし!な?な?」
曙「あーそれとその雷なんだけど、アンタの話をしたら是非話したいって」
提督「ぼのたん今そういうの良いから!」
雷「うええええええええん!!ずでないでぇじれいがんんんんんんん!!」
提督「雷ぃいいいいいいいい!!」
曙(うっさいわねこの夫婦)
しばらくして
雷「うぐっ・・・ひぐっ・・・」
提督「大丈夫か?落ち着いたか?」
雷「ゔん・・・」
提督「で?ぼのたん」
曙「あっ、終わった?」パタッ
提督「おう、よくも呑気に本読んでてくれたな」
曙「私が言っても泣き止まないでしょ?」
提督「まあそうだけど・・・なあ、本当に雷なの?」
曙「ええ、本人もそう言ってるし、顔もそっくりよ」
提督「ん?なんか引っ掛かる言い方だな」
曙「なんというか、見ればわかるっていうか」
提督「・・・とりあえず執務室に入れてくれ」
雷「じれいがん・・・?」ジワ
提督「あー違う違う!俺から直接お断りするだけだ!折角来てくれたんだし、顔も見せずにダメですっていうのはアレだろ?」
雷「・・・ゔん、私も嫌だと思う」
提督「よし、じゃあぼのたんつけて来てくれ」
曙「了解」
提督(基本的に、一つの鎮守府に同じ艦娘が着任することはない。野良で見かけて連れて来ても、同じ艦娘がいる知れば自ら大本営に向かう)
提督(だと言うのに、その雷は俺の話を聞いて会いたいと望んだ。曙のことだからウチに雷がいることは話したはず、何故だ・・・?)
曙「連れてきたわよ。ほら、入りなさい」
???「失礼します!」
提督「!」
雷「!」
???「いかづちよ!わかってるでしょうけど、かみなりじゃないからね?よろしく頼むわよ」
提督「・・・?」
雷「・・・?」
???「何よ?私の顔に何かついてる?」
提督「いやそうじゃないんだけど・・・え、雷だよね?」
???「いかづちよ?」
提督「なるほど・・・曙が言いたいことがわかったわ。“雷にそっくり”って表現がしっくりくる」
雷「制服も違うけど、顔もちょっと違う気がする。この子の方がちょっと凛々しいっていうか・・・」
提督「なんだ雷、俺の方を向いて。キスしたいのか?」
???「ブッ!」
曙「まあそういう反応になるわよね」
雷「違うの!そうじゃなくて・・・」
提督「そうじゃなくて?」
雷「この子・・・ほんのちょっとだけ司令官に似てる気がするのよ」
提督「はい?・・・え、どの辺が?」
雷「目とか顔の輪郭とか?」
提督「そこで俺に聞くなよ」
???「ハァ、なんていうか流石ね。貴女なら気づくと思ってた。ていうか、実際私が生まれた時もそうだったし」
提督「どういうことだ?」
???「まだわからないの?私は貴方とそこの雷の間に生まれた艦娘。いかづち型護衛艦の1番艦、いかづちよ!」
曙「ハァ!?」
雷「わ、わわ私と、司令官の、こ、こ、子供!?」
曙「ちょっとクソ提督!アンタ何ケッコン前から手ェ出してんのよ!」
提督「いやいやいやいやいや!俺がケッコン前からヤっちゃうわけないだろ!YESロリータNoタッチを信条にしている提督さんだぞ!」
曙「ケッコン前からセクハラしてるやつの言葉なんて信じられないわよ!アンタここで大人しく待ってなさい、憲兵呼んでくるから!」
提督「イヤ!憲兵さんイヤ!ていうか無実!俺無実!なんだったら雷のしょj」
雷「キャー何言おうとしてるの司令官!」
曙「ほんと最っ低ね、このクソペド変態」
いかづち「ほんと恥ずかしい・・・」
提督「身の潔白を証明しようとしただけですが!?」
いかづち「ハァ・・・昔からこうなのねパパって、ママはこんなののどこがいいんだか・・・」
提督「ん?パパ呼びも気になるけどそれより聞き逃せないこと言いませんでした?」
雷「昔ってどういうこと?」
いかづち「私は未来から来た未来の艦娘なの」
曙「未来から?」
いかづち「そう、ちょっと理由があって海に出たら霧が出てきて、その中を通り抜けたら知らない海にいたの」
いかづち「で、そこの曙さんに声を掛けられて、話を聞いてたらパパの艦娘だってわかったから、ちょっと会ってみようかなって思って着いてきたの」
雷「そうだったのね」
いかづち「うん、ママが小さいって変な感じ、中身は変わってないけど」
曙「大人になっても甲斐甲斐しいのね」
提督「んー、俺と雷の娘かぁ・・・」
いかづち「何よ、私が嘘ついてるとでも?」
提督「いや、俺の雷なら君みたいな可愛い子が産めるだろうからそこは信じてるよ?」
曙「・・・今の一言で寒気がしたわ」
いかづち「同じく・・・じゃあ何が問題なのよ?」
提督「んーなんていうか・・・雷の娘にしては冷たくない俺に?気の所為?」
いかづち「当然じゃない、だって私パパのこと嫌いだもん」
提督「グハァ!!?」
雷「司令官!?」
曙「吐血したわよ・・・」
提督「お、おお・・・実の娘で見た目も声も雷そっくりな所為か心身ともにダメージが・・・パパって言われた時はすごいトキメいたけど」
雷「大丈夫司令官?口の血すごいことになってるわ」フキフキ
提督「ありがとう雷・・・流石我が愛しき嫁・・・」
曙「大体理由は想像つくけど、なんで嫌いなわけ?」
いかづち「情けないから」
提督「ブフォ!」
雷「きゃああ!司令官しっかりして!」
いかづち「だっていい歳して身の回りのことはママに任せてるんだよ?「ママー替えのシャツどこだっけー」とか「ママー耳掻きしてー」とか「ママー部下が言うこと聞かないんだけどなんとかしてー」とか、見てるこっちが恥ずかしいわ」
曙「未来のアンタ本当に情けないわね」
提督「ええーダメなの?ていうか未来の俺って雷のことママって呼んでるんだ・・・いつもありがとうなママ」
雷「うえぇ!?も、もう!やめてよ司令官!恥ずかしいじゃない!」
提督「えー将来的にそう呼ぶんだからいいだろう?俺のことパパって呼んでよパパって」
雷「ええー?んー・・・ぱ、パパ?」
提督「ごめん曙、俺たちちょっと私室に行ってくるからあと任せた」
曙「わかった任せて」ジャキン
提督「ウェイトウェイト!艤装展開しないで!砲口こっち向けないで!」
いかづち「ハァ、ほんと情けない。だから嫌いなのよ、曙さんそのままやっちゃってください。急所外さずに」
曙「わかったわ」
提督「ヘルス!ヘルスミー!!」
曙「ヘルプミーよ」
雷「もういかづちったら!パパにそんなこと言っちゃダメでしょ!」
いかづち「出た、私がパパに文句言うとすぐ庇うんだから。ママは嫌いじゃないけどそういうところ直した方がいいと思う」
雷「夫婦なんだから当然じゃない!」
いかづち「甘過ぎるのよママは!」
バチバチ バチバチ
曙「・・・ちょっとどうにかしなさいよクソ提督」
提督「えっ、俺?」
曙「当然でしょ、アンタの嫁と娘よ。それに原因はクソ提督なんだから、ほら」ジャキ
提督「わかった、わかったから、砲口顔にくっつけないで」
提督「ハァ・・・仕様がない」トコトコ
雷いかづち「「むむむむむむ・・・!」」
提督「はいはい、2人ともそこまで」ナデナデ
雷「し、司令官!?」
いかづち「ちょ、勝手に頭撫でないでよ!」
提督「悪い、うまい止め方が思いつかなくてな。嫌なら離れるなり撃つなりしてくれ」
いかづち「ッ!・・・・・・」
雷「いかづち?」
提督「ほう、俺のこと嫌いとか言う割には離れないんだな」ナデナデ
いかづち「・・・うるさいわね」
曙「あっ(察し)・・・」
いかづち「あーもうわかった!もう喧嘩しないからやめて!」
提督「はいはい」
いかづち「全く・・・じゃ、じゃあそろそろ行くわね」
雷「え?もう帰っちゃうの?」
曙「1泊くらい誰も文句言わないわよ?」
いかづち「元々顔見るだけだったし、それに・・・」
提督「それに?」
いかづち「ううん、なんでもない!とにかく私にも帰らなくちゃいけない理由があるの!」
雷「そう、じゃあ私が送って行くわ」
いかづち「えっ、別にそこまでしなくてもいいのよ?」
雷「いいからいいから、娘なんだから私を頼りなさい?」
いかづち「・・・ふふっ、ほんとそういうところは昔からなのね」
いかづち「わかったわ、お願いするね」
雷「ええ!それじゃあ司令官、行ってくるわね」
提督「おう、いかづちも元気でな!」
曙「気をつけて帰りなさいよ?」
いかづち「わかってる、それじゃあ・・・あっ」
雷「どうしたの?」
いかづち「・・・・・・帰り方、わからない」
いかづち以外「え?」
提督「はっはっはっ!過去で若い両親に会えたのは良いものの帰り方がわからないだなんて、いかづちちゃんも結構ドジュウ!」ドス
いかづち「腹立つから喋らないでくれない?」
提督「え、抉りこむような見事な裏拳をお持ちで・・・」
雷「もう、そんなんじゃダメよいかづち!パパなんだから優しくしなさい」
いかづち「パパだからって優しくする必要なんてない!」
提督「まあ、これはこれで愛情表現として受け取るさ!なんたってP☆A☆P☆Aなんだからね!」
いかづち「・・・・・・」
提督「お、おう、娘の目が“ぬいぬいと脱衣所でばったり出くわした時の目”より冷え切ってる・・・」
いかづち「最低」
提督「・・・・・・・・・・グス」
雷「ああ泣かないで司令官!私がいるじゃない!ね?」
提督「うん・・・ありがと雷・・・後でナデナデして」
雷「わかったわ!」
いかづち「ハァアアア・・・で?これはどこに向かってるの?」
提督「しばらくここに滞在することになったからな、ウチの艦娘たちに紹介しようと思って」
いかづち「(復活早っ)紹介?」
雷「そうよ!まずはやっぱりここよね!」
-暁型・第6駆逐隊私室-
いかづち「!」
提督「俺と雷の子供ってことは、他の暁型にとっては姪になるのか」
雷「なんだか照れちゃうわね!」
いかづち「あ、あの、もしかしてだけど、電さんもいる?」
雷「いるわよ?」
いかづち「そ、そう・・・」
提督「どったの?」
いかづち「な、なんでもないわよ!」
提督「あたりつよいやったー」
雷「ただいま、みんないる?」
電「あっ、雷ちゃん。おかえりなさいなのです」
響(ヴェールヌイ)「Хорошо」
暁「あれ?司令官もいる?」
提督「どうも〜みんなDAISUKE司令官でーす」
雷「ちょっと紹介したい子がいるんだけど・・・」
暁「紹介したい子?」
響「新しい艦かな?」
電「どなたなのですか?」
雷「んふふ〜♪さあ入って入って♪」
いかづち「お、お邪魔します・・・」
3人「!?」
暁「うえ?い、雷?」
電「雷ちゃんがもう1人来たのです!」
響「・・・?でもちょっと違う気がする」
いかづち「流石響お姉ちゃん、相変わらず鋭いわね」
響「Спасибо・・・ん?どういうことだい?」
雷「実はね・・・」
艦娘説明中
3人「えええええええええええええ!?」
暁「この子が!?」
電「雷ちゃんと司令官の!」
響「娘・・・?」
いかづち「そうよ、今日からしばらくここにお世話になることになったからよろしくね!暁お姉ちゃん、響お姉ちゃん、電さん!」
暁「ま、まあそういうことなら、この暁がレディについて教えてあげるわ!」
いかづち「あっ、間に合ってます」
暁「なんでよ!」
提督(きっと未来でも暁は暁なんだなぁ)
響「よろしく、いかづち」
いかづち「はい!よろしくお願いします!」
電「あ、あの・・・」
雷「ん?どうかしたの電?」
電「いかづちちゃんはなんで、その、電のことをさん付けで呼んでいるのですか?暁ちゃんも響ちゃんもお姉ちゃんって呼んでいるのに・・・」
いかづち「ッ!え、あの、えと、ご、ごごごごめんさない!電さんが望むなら電お姉ちゃんとお呼びしますので!」
電「えええ!?なんでそんなに怯えているのです!?」
響「電、彼女に何かしたのかい?」
電「電は何もしてないのです!」
雷「なんで電にビビってるの?」
いかづち「・・・あれは、初めて電さんと会った時です」
〜未来〜
雷「いらっしゃい電!さあ入って入って!」
電「お邪魔するのですぅ」
電「あれ、司令官さんは?」
雷「今日は仕事よ、お茶入れるからちょっと待ってて」
電「ありがとうなのです!」
いかづち(3歳)「・・・・・・」ジーッ
電「あれ?」
いかづち「・・・・?」ジーッ
電「もしかしていかづちちゃん?」
雷「呼んだ?」
電「えっ、あの雷ちゃんじゃなくて、その子を・・・」
雷「ああ、紛らわしいわよねぇ」ダキッ
いかづち「このひとだれ?」
雷「ふふっ、私の妹で、いかづちの叔母さんよ」
電「お、叔母さんはやめてほしいのです・・・えーと、初めましてなのです。私は電と言うのです!よろしくお願いします!」
いかづち「いなづま、おばちゃん?」
電「」ピシッ
雷「おばちゃん・・・ふふっ」クスクス
電「・・・・・・“いかづち”ちゃん?」
母娘「ッ!」ビクッ
電「電お、ね、え、ちゃ、ん、なのです」
電「わかりましたか・・・?」ニコォ
母娘「」コクコク
電「ふふっ、それじゃあお茶にするのです」
〜現在〜
いかづち「あれから電さんに会うのが怖くて、気づけば電さんと・・・」
響「電、気持ちはわかるが脅しちゃダメだよ」
電「あう・・・ごめんなさいなのです」
暁「あの優しい電がね、なんだか意外だわ」
提督「いや、割と今でもそうだぞ?この前なんか「司令官さん」ん?」
電「電の本気、見たいのですか・・・?」
提督「ス、スミマセン・・・」ガクガク
いかづち「やっぱり怖い・・・」ガクガク
響(震え方がそっくり)
暁「ねぇねぇ、未来の暁はどんな感じ?やっぱり今以上にレディなのかしら?」
いかづち「暁お姉ちゃんは・・・」
未来暁『ふふっ、やっぱり朝はこれ(コーヒー)よね・・・っ、いかづちちゃん、ミルクと砂糖あるかしら・・・』
いかづち「う、うん、今より(見た目は)大人でレディだよ」
暁「ふふん♪まあ当然よね!」
雷「響は聞かないの?」
響「興味はあるけど、私は私だから」
いかづち「おお、やっぱり響お姉ちゃんはカッコいいわね」
提督「俺は俺は?」
いかづち「・・・・・・」
提督「ちょ、なんか言ってくれません?」
雷「まあとにかく、いかづちをこの部屋に泊めたいんだけどいいかしら?」
電「賛成なのです!」
暁「暁も構わないわ!」
響「うん」
いかづち「ありがとう!助かるわ!」
雷「ふふっ、それじゃあ早速準備ましょう!」
電「寝る場所はやっぱりお母さんの隣がいいですよね?」
いかづち「べ、別にそこはどこでも・・・」
暁「遠慮することないわ!お姉ちゃんたちに任せない!」
響「雷みたいになってるよ?」
提督(こう見ると新しい妹が出来たみたいだな・・・まあ、年齢的にも近いから親子親戚って感覚にはならないか)
提督「ん?そういえばいかづち」
雷いかづち「何?」
提督「あー娘の方」
いかづち「何よ」
提督「お前未来から来たって言ってたけど、何年後の未来なんだ?」
いかづち「あー、そういえば言ってなかったわね」
雷「今から何年後なの?」
暁「暁はあと何年でレディになれるの!」
いかづち「えーと、この時代から13年後だったかしら」
電「13年後・・・」
響「思っていたより近いんだね」
提督「・・・・・・え?ちょっと待って、いかづちって今何歳?」
いかづち「私?えーと今度9月で12歳よ」
一同「・・・・・・・・・・・・・・・」
電「それって・・・」
暁「来年にはもう・・・」
響「Хорошоしてる・・・」
雷「・・・・・・ッ!!?」バタン
いかづち「あ、ママが倒れた」
提督「う・・・!」
提督「嘘だろ半年後の俺ぇえええええええぇええええええええええええええ!!!」
提督(鎮守府のお昼時、駆逐艦寮の方から悲鳴が聞こえたと、500m離れた食堂で調理していた間宮さんから語られた)
提督(核爆弾レベルの衝撃告白から翌日、鎮守府の全員にいかづちを紹介した。未来から来たなどは信じてくれないだろうし混乱するだろうから伏せておいた)
提督(今のいかづちは雷と同じ名前を持つ新型艦娘で、試験運用のために来たということにした)
提督「というわけだから余計なことするなよ青葉?」
青葉「ギクッ!ば、バレてましたか?」
提督「お前、俺を誰だと思っていやがる!」
青葉「半年後に幼女を孕ませるクソロリペド変態ですよね?」
提督「そうだけど!半年後にそうなっちまうけど!あーもうマジかよこれ大丈夫か俺?こんなのバレたら確実にクビだぞ?てかクビどころの騒ぎじゃないぞ!」
青葉「大丈夫ですよ、話を聞く限り未来の司令官は生きてる上に仕事してるみたいですし。案外なんとかなるんじゃないですか?」
提督「そう?昨夜初めて雷と初夜しようと思ったけど、アレの所為で思い止まったからね?」
青葉「その話は青葉でもドン引きです・・・でも、それはそれで良かったんじゃないですか?憲兵さん案件にならなかったんですから」
提督「うん、そうなんだけど・・・ハァー、雷も意識しちゃったのか目も合わせてくれないし」
青葉「半年後に妊娠しますよーなんて言われたら、ねえ?」
提督「ほんと、とんでもないもの放り投げてくれたよいかづちは」
青葉「私が知る限り、きっかけは司令官ですけどね」
提督「・・・そうなんだけどね」
コンコン
提督「へーい」
いかづち「失礼するわ。ねえパパー、ママのことなんだ、け・・・」
青葉「ん?」
いかづち「あ、いやえっと、今のはその、違くて・・・!」
提督「あーいいよいかづち、こいつは知ってるから」
いかづち「そ、そうなの?」
青葉「ども、恐縮です、青葉ですぅ! 一言お願いします!」
いかづち「え、えと・・・よろしくお願いします?」
青葉「いやー司令官に対する態度とは相反して礼儀正しいですね」
提督「おう!相反しなくていいだぞいかづち!」
いかづち「・・・それで青葉さんは執務室で何をしてるんですか?」
青葉「無w視wさwれwてwやwんwのw」
提督「アオバワレェ!」
いかづち「パパうっさい」
提督「・・・・・・」シーン
青葉「ほんと子供の言うことには弱いですね。えーと、質問の返答ですけど、今日はこの青葉が秘書艦担当なんですよ!」
いかづち「あーなるほど、てっきりいつもママが秘書艦やってたんだと思ってた」
青葉「ま、子供を孕ませるような最低クソロリペド変態野郎ですけど、これで何故か嫌われないんですよね。だからみんな順番で秘書艦をやってるんです」
提督「なんか二個ほど増えてません?」
いかづち「・・・確かに、昨日見た限りじゃパパのこと嫌ってそうな人いなかったし」
いかづち(クソだのクズだの酷い呼び方していても、嬉しそうにお話しする子たちもいるし、ね・・・)
提督「あーそれで?入ってくる時何か言いかけたよな?」
いかづち「あっ、そうだった。ママがどこにも見当たらないんだけど、どこにいるか知ってる?」
提督「雷なら出撃してるぞ」
いかづち「え、そうなの?」
提督「なんだ聞いてないのか?今日は5-1の攻略に嫁を旗艦に出撃してるんだよ。ケッコンして初めての出撃だからかえらい張り切ってたなぁ・・・ぐふふ」
いかづち「キモイから笑わないでくれる?」
提督「俺の嫁がこんなに可愛いわけがない!こともない!」
青葉「娘の前でもこれとは筋金入りですねほんと」
ジージッジー
榛名『第1艦隊より鎮守府へ、第1艦隊より鎮守府へ!提督、聞こえますか!』
一同「ッ!」
提督「こちら鎮守府、こちら鎮守府。どうした榛名?」
榛名『南方海域前面にて敵南方前衛哨戒艦隊と交戦。敵艦隊の内駆逐艦3隻を撃沈』
提督「おお!流石だな、これ終わった間宮にでも『ですが、敵艦隊の攻撃が予想以上に激しく、我々艦隊は私と加賀さんが中破。夕立さん、村雨さん、電さん・・・雷さんが大破状態です』
青葉「ッ!?」
いかづち「・・・え?」
榛名『敵艦隊の軽巡2隻大破していますが、旗艦だと思われる重巡リ級が小破。こちらに攻撃を加えています・・・提督、私たちにはもう・・・』
提督「・・・・・・・・」
いかづち「ぱ、パパ・・・ッ!」
いかづち(この時、私は人生で初めて、パパが絶望する顔を見た)
いかづち(きっと、こういう状況は珍しくないんだと思う。私たちは戦争をしているんだから、いつ、どこで、誰が、死んでもおかしくない)
いかづち(実際に私も、その状況に落ちいて、沈んだ船を目の前で見た。だからこれは仕様がないことだと思う。戦うということはあまくはないんだから)
いかづち(でも・・・)
いかづち「・・・・・・パパ」
いかづち(そんな顔見せられたら・・・)
いかづち「・・・私を、出撃させて!」
いかづち(助けないわけにはいかないじゃない!)
青葉「ッ!」
榛名『ッ!』
提督「・・・ダメだ」
いかづち「なんでよ!」
提督「ダメなんだ」
いかづち「だからなんでって聞いてるの!私が未来から来たから?この鎮守府の艦娘じゃないから?そんなこと気にしてる暇は「お前まで!」ッ!」
提督「・・・お前まで失うわけにはいかないんだよ」
青葉「司令官・・・」
提督「折角、折角雷との間に出来た大切な娘まで・・・俺は、失いたくない・・・!」
いかづち「パパ・・・」ギュ
提督「あっ・・・」
いかづち「私は絶対に沈まない、ママも絶対に沈ませない。だって、私はママとパパの子どもだもの」
提督「いかづち・・・」
いかづち「大丈夫よパパ、私がいるじゃない!」
提督「ッ!・・・そうか、そうだよな」
提督「うん、やっぱりお前は、雷の、俺の娘だよ、いかづち」
いかづち「ふふっ、当然でしょ!」
提督「・・・よし、これから救出部隊を編成する。但し、同じエリア行くために編成は第一艦隊と類似する編成で行く」
提督「青葉は今から呼ぶものを招集。集まり次第すぐに出撃させてくれ」
青葉「了解しました!」
提督「いかづち、お前に旗艦を任せる」
いかづち「うん!」
-南方海域-
いかづち「救助艦隊から鎮守府へ。救助艦隊から鎮守府へ。こちらは旗艦のいかづち」
提督『こちら鎮守府、南方海域に着いたか?』
いかづち「ええ、もうすぐマ・・・雷たちがいる南方海域前面に到着するわ」
提督『了解。周囲の警戒を怠らず、そのまま航行してくれ』
いかづち「了解」
金剛「hmm・・・」
春雨「どうかしましたか金剛さん?」
金剛「サンダーは出来たての試験運用艦にしては妙に出撃慣れしていると思って・・・」
いかづち(ギクッ)「そ、そんなこと無いですよ!?これえーと・・・そう!大本営で勉強と練習をしたからよ!試験運用を兼ねて旗艦とか任されたりするかもしれないからって!」
五月雨「へぇ〜、最近は試験運用するにも色々大変なんですねぇ」
曙(誤魔化し方ヘタクソ過ぎ・・・)
蒼龍「試験運用で旗艦の練習って・・・あれ?」
金剛「ブルー、どうしたのネ?」
蒼龍「いや、2時の方向に何か浮いてる気が・・・」
曙「2時の方向?」
春雨「なんでしょうか・・・」
いかづち「司令官、こちら旗艦のいかづち。艦隊より2時方向に謎の浮遊物を確認。これより接近する」
提督『鎮守府了解。気をつけろ、罠の可能性もある』
いかづち「ええ、了解。全艦、2時方向に前進」
春雨「少し怖いですね・・・」
曙「でも、そんなこと言ってられないわよ」
五月雨「そうですね、村雨たちの方が怖い思いをしているはずです・・・」
蒼龍「そうね、急がないと」
いかづち「・・・・・・?あれって」
プカ プカ
村雨「・・・・・・・・・・」
春雨「ッ!村雨姉さん!」
五月雨「村雨!」
曙「ちょ、待ちなさい2人とも!」
いかづち「救助艦隊より鎮守府へ!村雨さんを発見したわ!」
提督『ッ!村雨は無事か!』
春雨「村雨姉さん!村雨姉さん!」
五月雨「村雨!」
村雨「・・・っ・・・?は、る・・・」
春雨「村雨姉さん!良かった、本当に良かったです・・・ッ!」
いかづち「どうやら無事みたい」
提督『そうか、良かった!こちらから曳船に摩耶と鳥海を出す、そこまで運んでくれ!』
いかづち「わかったわ。春雨さん、お願いできる?」
春雨「わかりました。村雨姉さん、私に捕まって」
曙「・・・蒼龍」
蒼龍「もう飛ばしてる。12時の方角、榛名たち第1艦隊の姿を確認、敵艦隊と思われる戦艦と軽巡2隻も」
いかづち「・・・急ごう」
-南方海域前面-
ズドン ドン バシュン
榛名「くっ・・・!加賀さん!撤退状況は!」
加賀「ッ・・・村雨は海域を離れたけど、まだ夕立と電が。それに・・・」
雷「・・・っ」加賀に支えられ
加賀「一番酷いこの子がこの状態・・・私たちも、もう・・・」
榛名「・・・・・・」
雷「だ、い・・・じょ・・・ぶ・・・・」
加賀「!」
雷「き、っと・・・し、れいかん、が・・・」
榛名「・・・そうです。今救助艦隊がこちらに向かっています。それまで持ち堪えれば!」
加賀「ッ!榛名!」ドン
榛名「きゃ!」
ドン!
榛名「ッ!!加賀さん!!」
加賀「うっ・・・」大破
榛名「あ、ああ・・・そんな・・・!」
リ級「・・・・・・・」ガチャン
軽巡2隻「・・・・・」ガチャンガチャン
雷「は、る・・・」
榛名「させません・・・」
榛名「これ以上の勝手は、榛名が許しません!!」バッ
雷「い・・・!」
「その通りデース!!」
榛名「ッ!」
ズドーン
軽巡「■■■■--ッ!」撃沈
リ級「ッ!」
加賀「・・・っ!」
榛名「あ・・・」
榛名「ね、ね・・・」
榛名「姉さま!!」
金剛「YES!よく持ち堪えたネ、流石は私の妹デス」
榛名「姉さま・・・!」
ブーン ドーン
軽巡「■■、■■■■ッ!」撃沈
加賀(艦載機・・・)
蒼龍「お待たせ加賀さん!もう大丈夫だよ!」
加賀「・・・・・・」コク
いかづち「雷さん!」
雷「あ・・・・・・」
いかづち「もう大丈夫だからね」ギュ
いかづち「(ママ、本当に良かった・・・!)」
雷「い、か、づち・・・」
榛名「いかづちさん!夕立さんと電さんがまだ!」
いかづち「大丈夫、2人とも曙さんと五月雨さんが回収したわ」
いかづち「あとは・・・」ギロッ
リ級「・・・・・・」ガチャン
いかづち「蒼龍さん、加賀さんを」
蒼龍「了解!」
いかづち「榛名さん・・・雷さんをお願い」
榛名「ですが・・・」
金剛「No problem!」
榛名「金剛姉さま!」
金剛「サンダーのことは私に任せるネー!」
いかづち「金剛さん・・・」
榛名「・・・わかりました。気をつけてくださいね!」
リ級「■■■■■■■■!!」
いかづち「心配いらないわよ?望み通り戦ってあげるから」ダッ
ドン ドン
金剛「来たデス!」
いかづち「!」
ドボン ドボン
いかづち「そんな攻撃当たらないわよ!」
いかづち「ってー!」ズドーン
リ級「ッ!!!?」大破
金剛「やるデスネ!私も、全砲門!Fire!」
ズボン ズドン ズドーン
金剛「YES!」
いかづち「スゴイ、流石戦k、まだです!」
金剛「!」
リ級「■■■■■!!」ズドンズドン
金剛「Shit!」小破
いかづち「金剛さん!」
金剛「行くデス、サンダー!」
いかづち「はい!」ザッ
いかづち「これで・・・ッ!」
いかづち「トドメ!」ズドーン
ヒュー・・・
リ級「■■■!■■■、---」撃沈
金剛「foo!Congratulations!」
いかづち「ふぅ・・・救助艦隊から鎮守府へ、これより帰投するわ」
********************
-入渠ドック前-
雷「ふぅ・・・」
いかづち「あっ、もういいの?」
雷「いかづち!うん、加賀さんと榛名さんはまだ見たいだけどね」
いかづち「そっか・・・」
雷「・・・・・・」
いかづち「?どうしたのママ」
雷「うん、ちょっとごめんね?」ギュ
いかづち「えっ?あ・・・」
雷「・・・・・・」ナデナデ
いかづち「ママ・・・?」
雷「助けに来てくれてありがとう」
いかづち「うん、当然でしょ?」ギュ
いかづち「私とパパの、大切なママなんだから」
雷「うん・・・」
雷「ところで司令官は?」
いかづち「ああ、パパなら医務室」
雷「ええ!?何かあったの?」
いかづち「えーと、私たちが戻って来て、パパが私を抱きしめた瞬間かな?緊張の糸が切れたみたいでそのままぶっ倒れちゃったの」
雷「そうなの?じゃあ今すぐ看病しなくちゃ!」
いかづち「看病は比叡さんたちに任せてあるから大丈夫!ママも今日は疲れただろうし無茶しないの!」
雷「でも・・・!」
いかづち「ハァ、ほんと意識が無くてもママを頼らせちゃうなんて、ほんと情けないパパ」
雷「もう、いかづちはまたそうやって・・・」
いかづち「でもね、少しだけだけど、ママの気持ちがわかった気がする」
雷「え?」
いかづち「パパってやっぱり情けないんだよ。どうしようもなくらい情けなくて、支えてあげなきゃって気にさせられちゃう」
いかづち「それを何度も何度も繰り返しいるうちに、きっとママもパパもお互いに好きになったんだろうなぁって」
いかづち「だからね?私ももっとパパの情けないところを見て、今よりもパパのことを好きになりたいって思う」
いかづち「どう、かな?」
雷「いかづち・・・うん!すごくいいと思う!」
いかづち「・・・ありがとう」
雷「よし!そうと決まれば司令官のところに行くわよ!」
いかづち「ええ!?だから休まないとダメだって!」
雷「だって、いかづちがパパのこともっと好きになりたいって言うんだもの。ママとしては助けないわけにはいかないわ!さぁさぁ行くわよ!」
いかづち「あ、ちょ、ちょっと待ってってば!」
いかづち(・・・・・・)
『なんで艦娘をやめなきゃいけないのよ!折角ママみたいに強くなれたのに!』
『なんでもだ!もうこれ以上お前を戦わせるわけにはいかない!』
『それがわからないっているでしょ!もういい、パパなんて大嫌い!ママしか見てないパパなんて、大っ嫌い!!』ダッ
『なっ、ちょっと待っていかづち!いかづち!!』
いかづち(・・・あの時パパがあんなこと言ったこと、今ならわかる。私のこと、大切に思ってくれてたことも)
いかづち(もし、未来に帰れたら、ちゃんと謝って、お話ししよう)
いかづち(私の、本当の気持ち・・・)
いかづち編 -艦-
提督(あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!帰って来たいかづちを抱きしめて失神したと思ったら、いつのまにか大人に成長した雷に優しく起こされていた)
提督(なにを言っているのかわからねーと思うが十中八九夢だこれは)
雷「どうしたのぼーっとしちゃって?もしかして疲れてる?」
提督「・・・いや、大丈夫だ」
提督(俺の体は歳をとっているわけではなくそのままだ、ぶっちゃけ歳とった自分とか想像したくないし)
提督(それより問題は雷だ)
提督(髪型は今と変わらないが、顔つきは子供らしさを残しながらも綺麗という印象に変わっている。年齢は二十歳過ぎくらいだろうか?)
提督(身長は少し伸びて胸部装甲も今より少し成長している。生粋のロリコンである俺だが、大人の雷を見た時は思わず見惚れてしまった。どうやらこれからロリコンは名乗れないらしい)
雷「ご飯もう出来てるから、早く食べましょう!」
提督「ああ、ありがとうい・・・ママ」
提督(夢とはいえ今は夫婦、未来での呼び合い方で行こう)
雷「ふふっ♪どういたしまして、司令官?」
提督「・・・・・・あれ?」
-リビングらしきところ-
提督「ねぇ、単刀直入に言うと俺が結婚前の俺だって気づいてるよな?」
雷「もちろんよ、だって見た目が昔の司令官だし」
提督「まあ・・・当然か」
雷「ちなみにこれも夢よ!でももうちょっと目を覚まさないで貰えると嬉しいわ」
提督「やっぱ夢か。そりゃそうだよな、タイムスリップしたわけじゃないんだし」
雷「当然じゃない♪」
提督「それにしても、夢とはいえ未来の雷は綺麗だな」
雷「ほんと?司令官って子供の女の子が好きだったのに」
提督「ああ、正直俺も驚いた。でも未来の俺が雷と結婚したのも納得できる」
雷「ふふっ、未来の司令官ももっと男らしくてカッコ良くなってるわよ?」
提督「そうかな?」
雷「そうよ!」
提督「ふーん・・・あっ、いかづちっている?」
雷「いるけど今はいないわ」
提督「出掛けてるっことか。まあなんと都合のいいことで」
雷「今のいかづちが司令官に会ったらびっくりしちゃうわよね」
提督「・・・なあ雷」
雷「なに?」
提督「俺と結婚して、子供ができて、雷は幸せか?」
雷「・・・そうね」
雷「今の私はすごい幸せよ。結婚するのも大変だったし、子供ができたってわかった時はもっと大変だった。今の司令官や私じゃ想像できないかもしれないけど、喧嘩だってしたんだから」
提督「そうなのか・・・」
雷「うん。でもね?その全部があったから、今の私がいて、司令官がいて、いかづちがいる。だから後悔なんてないし、これからもしない、絶対に」
提督「そっか・・・そう言われると夢でも照れるな」
雷「ふふっ♪あっ、でも妊娠が発覚した時は本当に頑張ってね?」
提督「へ?」
雷「当然でしょ?だって私が現役でしかも初潮が終わった次の排卵で出来ちゃったんだから、色々大騒ぎだったわよ?」
提督「うっそだろ!?ていうか雷の口から初潮とか排卵とかそういう単語出てくるとは思わなかったわ!」
雷「私だってもう大人だもの!まあ身長も胸も4人の中で3番目で一番子供っぽいけど・・・」
提督「そうかー、雷の初潮のタイミングそこなのかー、なんか複雑だー」
雷「司令官ってばそういうの気にせずエッチするんだもん、こっちは子供できないんじゃないかって気が気じゃなかったわよ」
提督「はい、それについては反省します。ていうか自重していこうと思います」
雷「それならいいわ、期待してるからね司令官?」
ぐらっ
提督「あれ、なんか今ぐらついて・・・」
雷「そろそろ時間みたいね・・・司令官?」
提督「ん?」
ギュ
提督「!」
雷「雷のことを愛してくれてありがとう」
雷「いかづちのことを大切にしてくれてありがとう」
雷「みんなのことも大切にしてくれてありがとう」
雷「でもね、無茶しちゃダメよ?司令官はすぐに自分を追い込んじゃったりしちゃうから」
雷「何かあったら、もうダメだって思った時は、自分の周りを見て。私も、みんなもいるから、いっぱい頼っていいのよ」
提督「・・・・・・ああ。ありがとう」ギュ
雷「それじゃあ、またね。司令官」
提督(また必ず会おう。未来で・・・)
-医務室-
「司令官?」
提督「ん・・・・・・あっ」
雷「ただいま、司令官」
提督「・・・ああ、おかえり雷」
雷「失神したって聞いた時は驚いたけど、なんだか幸せそうに眠ってたわね。何かいい夢でも見ていたのかしら?」
提督「そうかもな・・・」
提督(夢。にしては雷の言動がリアル過ぎたがな・・・・・・とりあえず夢ってことにしておこう)
提督「あーそうだ雷!」
雷「なに司令官?何かしてほしい?司令官のためならなんでもしちゃ」
チュ
雷「!」
提督「・・・・・・」
雷「ぷはっ・・・!し、ししし司令官!?」
提督「良かった・・・」ギュ
提督「本当に、本当に無事で良かった・・・」
雷「・・・うん、いかづちと司令官のおかげよ。本当に、ありがとう」ギュ
提督(この温もりを、この希望を、絶対に守ってみせる。未来で待ってる2人のために・・・)
提督「よし!今夜エッチしよ!」
雷「ふえぇ!?こ、今夜!?」
提督「大丈夫、いかづちがちゃんと産めるように超優しくヤるから!」
雷「う、産めるようにって、え、ええええ!?」
提督「さあ!さあさあ!「病室で・・・」え?」
いかづち「何してんのよこのクソパパ!」リンゴ投擲
提督「アケボノォ!」
雷「し、司令官!」
提督(鎮守府に娘が来たのだが・・・ツンデレ可愛いので幸せだった)
番外編 -艦-
いかづち(私が過去にやって来てから1週間が経った。まだ未来への帰り方がわからないけど、ここでの生活は慣れて来た)
いかづち(暁お姉ちゃんはレディについて語るわりには子供っぽいけど、面倒見が良くてママの次に頼りにしている)
いかづち(響お姉ちゃんは未来でスゴイクールでカッコイイイメージだったけど、結構フリーダムで変わった人だとわかった)
いかづち(電さん・・・元い!電お姉ちゃんは未来でのイメージより小動物感が増し増しで一番驚いた。未来ではあんな怖いのに・・・)
いかづち(電・・・)
ピタッ
いかづち「・・・・・・・」
雷「いかづち?」
いかづち「ひゃ!ま、ママ!」
雷「どうしたの?ボーッとしてたみたいだけど」
いかづち「ううん、なんでもないわ!それより行きましょう、パパはもう執務室にいるだろうし」
雷「そうね、今日はいかづちが初めてパパの秘書艦をやる記念すべき日だものね!」
いかづち「それはちょっと大袈裟過ぎない?私だって未来で秘書艦くらいやってたし」
雷「いいのいいの、私に任せて!しっかり録画しておくから!」
いかづち「だからそういうのはいいんだってば!」
いかづち(なんだろう、ママと一緒にパパの看病した日以来ママがママっぽいことをし始めたわ。大人の姿だと違和感ないんだけど、今は私より少し身長大きいだけの子供。なんか違和感、というより恥ずかしい・・・)
雷「あっ、執務室に着いたわ!さぁ、ノックしてノックして!」●REC
いかづち(もう録画してるし・・・)コンコン
いかづち「あれ、パパー?」コンコン
雷「いないのかしら?」ガチャ
シーン
いかづち「誰もいない・・・」
雷「おかしいわね、この時間ならもうとっくに仕事始めてるはずなのに・・・」
いかづち「パパの部屋に行ってみよう」
雷「そうね」
-提督私室-
いかづち「パパー、いるー?」
雷「司令官ー?」
いかづち「・・・ダメね、声がしない」
雷「司令官、入っちゃうからねー?」ガチャ
提督「お・・・・・・おお・・・」
↑シャツとパンツ姿で床にぶっ倒れている
雷「きゃあああ!司令官!」
いかづち「ちょ、パパ!?」
提督「い、雷たちか・・・悪い、もう時間だったよな・・・」
雷「そんなの気にしないで司令官!それより早くベッドに寝かさなきゃ、いかづち!」
いかづち「うん・・・って、うお!ちょっと!すっごいお酒臭いんだけど!」
雷「多分飲み過ぎね。ウチには飲兵衛四天王がいるから、たまにこんな風になっちゃうの」
※飲兵衛四天王とは、隼鷹、千歳、那智、伊14の4人である。
いかづち「なるほど、未来じゃ酔い潰れたパパの対処がスムーズだったけど、それって昔からだったのね・・・」
雷「はい、司令官。お水飲んで」
提督「ありがとう・・・くあぁ!あーやばい水がうまい!」
いかづち「飲み過ぎなのよ!」
提督「うおぉすまん、悪かった、だからあまり大きな声は・・・」
いかづち「ハァ・・・全く仕様がないだから」スタスタ
雷「どこに行くの?」
いかづち「執務室、どうせその状態じゃ午前中は動けないだろうし、私が出来ることだけやっとくわ」
提督「すまん。そして愛してる」
いかづち「はいはい、じゃあママ、お願いね」
雷「ええ、任せておいて!」
バタン
『雷、抱っこ』『はぁーい♪』
いかづち「ハァ、こんな情けない男、ママじゃないと結婚できないわね。ある意味納得」
いかづち「さてと、私はお仕事お仕事」
-再び執務室-
いかづち「ん?なんかデスクの上汚くない?もう整理整頓くらいやってよねー」
ガサガサ
いかづち「あれ?なんでこの資料が出てるんだろ?」
『艦娘練度限界突破システム“ケッコンカッコカリ”について』
いかづち「パパが仕事で使ったのかしら?でももうママとケッコンしてるし・・・」
いかづち「まあ考えても仕方ないわね、とりあえずしまっておこうっと」
コンコンコン
いかづち「ん?誰かしら、はーい!」
『はわわわ!い、いかづちちゃん・・・?』
いかづち「そうだけど、電さんよね?」
『え、あの、司令官さんは・・・』
いかづち「あーパパなら自分の部屋でママに看病されてるわ、昨日飲み過ぎちゃったみたいなのよ」
『そ、そうなのですか・・・』
いかづち「どうしたの?パパに何か用事?」
『ななななんでもないのです!失礼しますなのです!』
タッタッタッ・・・はにゃあ!
タッタッタッ・・・・・・
いかづち(今途中でコケたわね・・・でもなんかすごい焦ってる感じだったけど、何かあったのかしら?)
いかづち「まあいっか、とりあえず仕事を・・・」
提督「いかづち!!」ドアバァーン 小破
いかづち「ひゃえ!今度は何!?」
提督「い、今電来なかったか!?」
いかづち「え、ええ、さっきどっか行っちゃったけど・・・」
提督「そうかありがとう!」
いかづち「な、なんなのよ一体・・・」
雷「いかづち!!」ドアバァーン 中破
いかづち「ふにゃ!ママ、びっくりするじゃない!」
雷「ごめんね?でも私がお水取りに行っている間に司令官がいなくなっちゃったの!」
いかづち「パパならさっき来て慌てて電さんのこと追いかけてったけど・・・」
雷「電を?そういえばあの子昨日の夜から見てないのよね」
いかづち「そうなの?私すぐ寝ちゃったから知らなかったわ」
いかづち(帰って来なかった電さん・・・電に気づいて慌てて出てきたパパ・・・これは何かあったのかも・・・)
いかづち「ママ、急いで2人を探しましょう!多分昨日の夜、何かあったんだと思う」
雷「そうね、行きましょう!」
-数分後-
いかづち「ハア、ハア、ハア・・・まったく、どこに行ったのよ2人とも・・・」
雷「鎮守府本館にもいないし、駆逐艦寮にもいなかったし・・・」
いかづち「これは探し方を変えた方が良いわね・・・ねぇ、ママ」
雷「なに?」
いかづち「電さんが何か悩んだり落ち込んだりした時ってどこか行ったりとかする?」
雷「電が悩んだり落ち込んだりした時に行く場所・・・・・・あっ!」
-軍港-
いかづち「ここに電さんが?」
雷「ええ、あの子は任務や秘書業務に失敗するといつもここに来るの」
いかづち「あっ、いた!」サッ
雷「えっ、なんで隠れるの?」
いかづち「いいから!」
雷「え、えええ?」サッ
電「・・・・・・」
いかづち「電さん、まったく動かないね」
雷「ここからじゃ背中しか見えないけど、なんだか俯いてるわ」
いかづち「んー・・・・・・あっ、パパが来た」
提督「ハァ、ハァ、ハァ・・・い、電!」
電「!」ビクッ
電「し、司令官、さん・・・」
いかづち「パパが息を整えながら電さんの隣に・・・」
提督「・・・・・・」
電「・・・・・・」
雷「2人とも何も喋らないわね」
いかづち「余程深刻な何か、ってことかしら・・・まさか酔った勢いでヤっちゃった?」
雷「えええ!?そんな、司令官はそんなことしないわよ!」
いかづち「私だってそう思うけど、あの様子だと・・・」
提督「・・・電」
電「・・・はい、なのです」
提督「昨日のこと、なんだけどさ・・・」
電「・・・覚えてない、ですよね?」
提督「・・・・・・」
電「・・・電は、初めてだったのです」
提督「・・・すまん」
いかづち雷「」
いかづち「え、嘘でしょ・・・?」
雷「・・・・・・ッ!」
提督「責任はちゃんと取る、酔った勢いとはいえ、本気じゃなけりゃあんなことはしないし・・・」
電「そういうことじゃないのです!!責任を取るとか本気だったとかじゃないのです!!」
提督「ッ!」
電「電は、雷ちゃんたちを裏切ったのです。それは変わりのない事実なのです!こんなこと知られたら、もう、もう・・・」
提督「電・・・」
電「・・・・・・」スタスタ
提督「ッ!待て!何をするつもりだ!」
電「離してください!もうダメなのです!これしか方法はないのです!」
提督「だからってそんなことさせられるかよ!」
いかづち「電さん海に身投げするつもりじゃ・・・!」
雷「電!」バッ
いかづち「あ、ママ!」バッ
雷「ダメよ電!そんなことしちゃダメ!」
提督「雷!?」
雷「例え酔った勢いでしちゃって、罪悪感で死にたくなったとしても、身投げなんて絶対にダメ!私もいかづちも、暁たちも、みんなが悲しむだけよ!」
電「い、雷ちゃん!?」
雷「私は大丈夫・・・かはちょっとまだわからないけど、そうなった以上ちゃんと3人で話し合いましょう!浮気だって私も初めてどうしていいかわからないけどいざとなったら3人で・・・!」
提督「ちょちょちょちょっと待て雷!なんの話してるんだ!?」
雷「だって、司令官が酔った勢いで電の初めて奪っちゃったんでしょ!?しかも司令官はそのこと覚えてなくて、電は罪悪感で海に・・・」
電「はわわわわわ・・・」プシュー
いかづち「うわ、電さん顔真っ赤」
提督「え、いや、違うぞ雷?」
いかづち雷「え、違うの?」
提督「お前もか娘よ・・・いや、別に酔った勢いで電とエッチしたとかじゃないから、そもそも雷に飽きるほどそんなにs「それ以上言ったら蹴り飛ばすから」オーケーマイドーター落ち着いて」
雷「そ、そうなの?良かったぁ・・・」
いかづち「電さんも海に身投げしようとしてたんじゃないの?」
電「ち、違うのです!」
いかづち「なんだ・・・」
雷「じゃあ、浮気したわけじゃないのね?」
提督「当然だ」
雷いかづち「ホッ・・・」
提督「俺はただ、昨日酔った勢いで電にプロポーズしてケッコンカッコカリの指輪つけちゃっただけだ」
電「電はこんなの見せたら怒られると思って投げ捨てようと・・・」
雷いかづち「」
提督「お、お二人さん・・・?」
いかづち「よ・・・」
いかづち「余計ダメじゃない!!!」ブン
提督(太陽輝く快晴の元、娘の後ろ回し蹴りが俺の息子にクリティカルした・・・)
-執務室-
提督「・・・・・・」ボロボロ
いかづち「さて、どういうことか1から10まで全部説明してもらおうかしら?」
電「はわわわわわ・・・」
雷(手当てしてあげたいけどいかづちに止められるし私も事情知りたいしでもなんとかしてあげたいしあーでも)
提督「あの、先程も申し上げた通り記憶にございませんごめんなさい」
いかづち「お酒飲む前なら記憶あるでしょ?そこから話して」
提督「はい。それは昨日の夕方、提督業務を終わらせて、明石から気になることがあると工廠に呼ばれましたすみません・・・」
-回想-
提督「・・・・・・まじ?」
明石「ええ、大マジです」
提督「いやいやいや、いくらなんでも・・・」
明石「前者はともかくとして、後者は提督の言っていた“いかづちさんが未来から来た艦娘”ということで少しは辻褄が合います」
提督「嘘だろ・・・これ大本営に言ったらまずいよな?」
明石「ええ、十中八九研究のためにいかづちさんが現代で解体されます」
提督「・・・・・・このことは絶対外に漏らすな。ウチの連中に知られても最悪俺がなんとかする、でも鎮守府の外には持ち出すな」
明石「もちろんです」
********************
いかづち「ちょ、ちょっと待って!」
提督「えっ、はいなんですか?」
いかづち「今の話何?なんのこと?」
提督「それは・・・あーいやこれは超脱線するからやめよう。うん」
いかづち「何よそれ超気になるじゃない!教えてよ!」
提督「はいはい回想戻りまーす」
-回想再開-
提督「ふぅ・・・仕事よりどっと疲れた。俺って意外ととてつもないことに巻き込まれてる・・・?」
提督「まっ、考えても仕様がない。今夜はちょっと飲んで忘れよう」
隼鷹「飲むと聞いて!」ヒョコ
提督「・・・どっから現れたヒャッハー女」
隼鷹「まったく、相変わらず子供以外には冷たいなぁ〜」
提督「お前に絡まれた次の日は必ず二日酔いするから嫌なんだよ。今日はちょっと飲むだけって決めてんの」
千歳「飲むと聞いて!」ヒョコ
提督「うおっ、おいやめろ。四天王二人も揃うな!二日酔いの確率が上がる!」
千歳「大丈夫ですよ提督、そんなに飲ませたりしませんから」
提督「俺もそのセリフを信じてたよ、君と初めて飲んだ時はなぁ!」
伊14「飲むと聞いて!」バシャン
提督「今は言ってねぇだろ!ていうか海からジャンプしてくんな!お前はイルカか!」
伊14「いやー今日も提督は絶好調だね!いぇい!」
提督「ぐぅ、四天王の癖に可愛いなコンチクショウ・・・」←潜水艦にも弱い
伊14「ねぇねぇ、一緒に飲もうよ提督ぅ」
ダキッ
提督「ほわぁ!お前、アレだぞ!俺のこと駆逐艦だろうが潜水艦だろうがセクハラするロリコン提督だって知っててやってんのかぁ!?ありがとうございます!!」
隼鷹「よーし!いい調子だぞイヨ!」
千歳「あとあともう一息よ!」
伊14「提督ぅ・・・」ギュ
提督「おほおおおおお!お・・・おま、お前、ヒトミにバレても知らないぞ・・・二つの意味で!」
伊14「げっ!」バッ
提督「今だ!」ダッ
隼鷹「あっ、コラ!」
千歳「離しちゃダメでしょ!」
伊14「だってぇ!」
提督(よし、このまま執務室へ・・・)
提督「ゴフッ」
↑何者かにラリアットされる
ガシッ そのまま肩を掴まれる
那智「今夜は朝まで飲むぞ!」
提督「あっ、はい(悟り)」
那智「よし、行くぞ!」ズルズル
********************
提督「で、この後間宮さんのとこで五人で飲み始めて・・・」
いかづち「途中から覚えていない、と?」
提督「はい・・・」
いかづち「ふーん・・・・・・このロリコン」
提督「ありがとうございます!」
いかづち「うん、キモイから黙って・・・電さん」
電「は、はいなのです!」ビクッ
いかづち「パパから指輪を受け取った時のこと、教えてください」
雷「私も聞きたい!」
電「えーと、あの時は確か・・・寝る前の牛乳を買いに行くところだったのです」
提督「日課だもんね」
-回想三度-
時刻 二二〇〇過ぎ アイテム屋前
電「ふぅ、まさか牛乳が切れてたなんてうっかりしていたのです」
電「でもこれで大丈夫なのです」
↑ビニール袋にいっぱい牛乳瓶×2
「でんちゃーん!」
電「?」
提督「でんちゃーん!でんちゃーんはどこだー!俺のマイスイートハニーでんちゃーん!!」
電(し、司令官さんが、シャツとパンツだけの姿で何か叫んでる・・・)
提督「んい?あー!でんちゃーんだ、でんちゃーん!!」ブンブン
電「はわわわ!こ、こっちに来たのです!」
提督「おえ?どーしたのでんちゃんこんな時間に?」
電「い、電はちょっと牛乳を買いに・・・」
提督「ああ!おっぱい大きくしようといつも寝る前に飲んでるもんね!」
電「な、なんで知ってのです!?」
提督「おうおうおう!俺を誰だと思っていやがる!女所帯の鎮守府で割とエグいセクハラやりながら一度も憲兵にお世話になったことのない提督さんだぞ!まあ将来なりそうだけどな?はっはっはっ!」
電「は、はぁ・・・」
電(これはかなり酔ってるのです・・・)
提督「はっはっはっ・・・おっぷ」
電「はわわわ!大丈夫ですか?」
提督「やばい、割とやばい、愛しのでんちゃんの前で吐いちゃう・・・」
電「いとっ、ううん、それどころじゃないのです!司令官さん、牛乳で良ければ飲んでください!」
提督「いただきます・・・」
ゴク ゴク ゴク ゴク
提督「ぶはぁ!ウマッ、牛乳超ウマ!」
電「もう大丈夫なのですか?」
提督「おー、吐きそうなのはなんとかなったかも。ありがとうでんちゃん」ナデナデ
電「はわわわ!」
提督「いやーほんとでんちゃんマジ天使!ほんと癒されるわぁ」ダキッ
電「ッ!だ、ダメなのです司令官さん!司令官さんには雷ちゃんが・・・」
提督「あっ、たしかに我が愛しき嫁を裏切ることはできない・・・」バッ
電「あ・・・」
提督「だから・・・はい、左手出して」
電「え?あ、はいなのです」
スッ
電「へ?」
提督「はい、これででんちゃんも俺の嫁な!」
電「え、えええええええ!?」
提督「ふぅ、満足満足!それじゃあなでんちゃん!夜道は気をつけろよー」ビューン
電「えっ、あの司令官さん!?っていないのです!司令官さん!司令官さーん!」
********************
電「と、いうことがあったのです・・・」
一同「・・・・・・・・・・」
いかづち「・・・今回ばかりは本当に軽蔑するわ」
提督「グルォッパ!」
雷「司令官!?」
電「吐血したのです!」
提督「ああ・・・川の向こうで親父が「孫に嫌われてやんの」って指差しながら笑ってる・・・」
雷「殴りに向こう行かないでね!?」
いかづち「てかおじいちゃん未来でも元気なんだけど」
電「い、雷ちゃん・・・」
雷「なに?」
電「ご、ごめんなさいなのです!」
電「司令官さんが酔ってたとしても、受け取ってすぐに返さなかったのは電なのです!こんなことすれば雷ちゃんが悲しむとわかってるのに・・・」
雷「電・・・」
ギュ
電「雷ちゃん・・・」
雷「ありがとう電、そこまで真剣に悩んで、ちゃんと私に謝ってくれて。電の気持ちがすごく伝わってきたわ」
電「・・・・・・」
雷「それで、指輪のことだけど・・・」
いかづち「・・・・・・」
提督「・・・・・・」
雷「そのままでいいわ」
電「え?」
雷「折角司令官が酔った勢いとはいえくれたんだもの、受け取ったのなら大切にしてあげて」
いかづち「・・・いいの、ママ?」
雷「うん、他の鎮守府だって重婚?っていうのしてるし、司令官も電もお互い本気で好きなんでしょ?」
電「・・・」コク
提督「もちろん!ロリコンに二言はない!」
いかづち「調子に乗らない」ベシッ
雷「ふふっ、それなら問題ないわ!電、私たち二人で、司令官を支えてあげましょう!」
電「雷ちゃん・・・!はいなのです!」
いかづち「ほんと、ママは甘過ぎるのよ・・・」
提督「でも、それが雷の良いところだ」
いかづち「・・・そうだね」
雷「あっ、勝手に決めちゃったけどいかづちもいい?」
いかづち「えっ、私?」
電「いかづちちゃんも、ご迷惑を掛けてすみませんなのです」
いかづち「大丈夫ですよ!今回悪いの100%パパだから!」ニコ
提督「満面の笑みで言われるとパパ傷つくなぁ〜」
いかづち「当然でしょ!全く、次からこういうの無しにしてよね!」
提督「はーい」
電(いかづちちゃんも最近は少しずつ司令官に甘くなって来たのです)
雷「あっ、でも司令官?重婚は別に構わないけど、次から予め教えてよ?」
提督「もちろん、プロポーズする前に確認を取らせて頂きます!」
電「プロポーズの確認って・・・」
ガチャ
曙「クソ提督ー?」
提督「あっ、おかえりぼのたん!」
曙「ぼのたん言うな。これ出撃の報告書」
いかづち「あっ、私が受け取ります」
曙「そういえば今日は子いかづちが秘書艦だったわね」
提督「あっ、そういうばそうだった」
いかづち「なんでパパが覚えてないのよ」
曙「それでもう一つ報告なんだけど・・・」
いかづち「報告?」
提督「なに?練度99になった?」
曙「それもあるんだけど・・・」
ギィ・・・
電?「こ、ここは、どこなのですぅ?パパと、ママは・・・?」
曙「また拾ったわよ、そっくりさん」
提督「・・・・・・ええぇ?」
いなずま「い、いなずまです。どうか、よろしくお願いいたしますでしゅ!」
曙(噛んだ)
雷(噛んだわ)
電(なんだか電が噛んだみたいで恥ずかしいのです)
提督(可愛い)
いかづち「・・・・・・」スタスタ
提督「ん?どうしたいかづち、お花摘みか?」
いかづち「そうよ、いちいち言わないで気持ち悪い」
バタン
提督「・・・俺なんか変なこと言った?」
曙「十分セクハラよ」
電「あ、あの・・・」
いなずま「はわわわ!」ビクッ
電「はわわわ!」ビクッ
雷「あはは!本当にそっくりね!」
提督「まあ髪の色が藍色っぽかったりするけどな・・・さて、じゃあ聞こうか」
いなずま「?」
曙「まあ、有り得なくはないっていうか・・・」
電「なんのことなのです?」
提督「・・・青いいなずま」
いなずま「あっ、はいなのです!」
提督「お前の父親と母親を教えてくれ」
いなずま「?パパはパパで、ママはママなのです」
提督「あー・・・」←頭を抱える
電「はわわわわわわわわ」←パニック状態
曙「ああ、やっぱりそうなのね・・・クソロリコン」
提督「Why!?アイアム無実!」
曙「じゃあなんで電との間に産まれてんのよ!」
提督「知らんわ!なあ、雷。お前から何か・・・雷?」
雷「・・・司令官」
提督「あっ、はい」
雷「わだじだぢずでられじゃゔの・・・?」ポロポロ
提督「わあああああああああ違う違う違う!捨てない捨てない全然捨てない!大丈夫だから、ね?ね?」ナデナデ
雷「だっでぇええええええ!!」ポロポロ
曙(ほんと喧しいわねこの夫婦)
いなづま「はわわわ・・・いなづま、何かマズイことでも言っちゃったのでしょうか?」
曙「気にしないで、偶にこうなるだけだから」
電「はわわわわわわわわ!」ブンブンブン
提督「ちょ、電!パニクってるのはわかったから俺の襟首揺さぶらないで!」
提督「ヘルプ!ぼのたんヘルプ!」
曙「はいはいわかったわよまったく・・・ほら二人とも、とりあえず外行くわよ」
電「はわわわわわわわわわわわわ」ズルズル
雷「びぇええええええええええん」ズルズル
曙「はいはい話なら聞くから」
バタン
提督「ふぅ、曙に号泣雷の対象法教えといて良かった。ぶっちゃけ三つも同時に対象できん」
いなづま「ふ、二人っきりになっちゃったのです」
提督「そうだな・・・それにしてもどういうことだ?俺と雷の間にいかづちが産まれたのに、電との間にも産まれてるなんて・・・まさか浮気か?嘘だろ?」
いなづま「あの・・・それってさっきの」
提督「あ、ああ、実はそうなんだよ。いなづまは何か知らないか?」
いなづま「い、いなづまは特に・・・」
提督「だよなぁ・・・」
いなづま「でも、一つわかってることがあるのです」
提督「なんだ?」
ジャキン
いなづま「パパは今日ここで死ぬってことなのです」
提督「・・・・・・俺の娘カッコカリとはいえ艦娘が人間に砲口向けるもんじゃないぞ?」
いなづま「カスの癖に父親ぶるのやめてほしいのです。あーていうかママや他の艦娘いないしもう猫被らなくていいか、てことで死んでくれる?」
提督「どうせならその猫被ったままでいてくれるか?仮にも電みたいな見た目なんだから」
いなづま「黙ってくれる?マジ気持ち悪いから、それに何その余裕ですみたいな顔?眉間の50口径見えないの?」
提督「逆にその程度で脅しになると思ってるのか?俺は艦娘を率いる提督だぞ?」
いなづま「へぇー、流石パパ。昔からカスでも提督としての度胸はあったんだ。まあこちらとしてはそんなのクソ喰らえだけど」
いなづま「で?最後に何か言いたいことある?今なら親愛なる娘が聞いてあげちゃうけど」
提督「じゃあ一言・・・・・・」
提督「全力でガードしとけ」
いなづま「!」
ガスッ
いなづま「いっ!」
ズザァ
「ハァ・・・普通命狙ってるやつにガードしろとかいう?」
提督「一応俺の娘だし、幼女だし、なるべく怪我して欲しくないんだよ。俺の愛する娘ならわかるだろ?いかづち」
いかづち「まったく、これだから・・・」
いかづち「それで?そっちの艤装展開してるアンタにも一応聞いとくけど、なんでこんなことしてんの?」
いなづま「はわわわ!誤解なのですいかづちお姉ちゃん!パパが二人っきりになった途端いなづまに襲い掛かって来たのです!」
いかづち「・・・まあ、確かにパパならやりかねないわね」
提督「ちょ、信用なさ過ぎません!?」
いかづち「日頃の行いよ」
いなづま「それじゃあ・・・」
いかづち「でもね」
いかづち「パパはやりかねないだけなの。相手が本気で悲しむようなことは、絶対にやらないから」
いなづま「・・・・・・」
いかづち「それに一通りのやり取りはドアの前で聞いてたわ。私に猫被らなくてもいいわよ?」
いなづま「そうですか?じゃあ遠慮なく・・・」
いなづま「なに良い子ぶっての?反吐が出るんだけど」
いかづち「電さんの娘の癖に口悪いわね」
提督「・・・それブーメランだと思うぞいかづち?」
いかづち「ちょっと黙ってて」
提督「はい」
いなづま「チッ・・・あーあ、折角サクッと殺して終わらそうと思ってたのに、どっかのファザコンビッチに邪魔されちゃった」
いかづち「・・・アンタ、ほんとにいなづまなの?」
いなづま「ハァ?言ってる意味わかんなーい」
提督「どういうことだ?」
いかづち「・・・・・・」
いかづち「・・・私の知ってるいなづまは」
いかづち「私の目の前で沈んでるの」
いなづま「・・・・・・」
提督「どういうことだ?」
いかづち「・・・私が艦娘になって初めての出撃の時ことよ。当時私は東京港基地っていう鎮守府に所属していたの、私みたいな新しい艦娘で防衛するために作られた最新の軍事基地で、次世代艦娘の主力としてを大いに期待されていたわ」
いかづち「だけど、その鎮守府は3年と持たずに潰れた。何故だかわかる?」
提督「・・・いや」
いかづち「弱かったからよ」
提督「!」
いかづち「というよりも、深海棲艦がこの時代より強くなったと言った方がいいかしら。私たち次世代艦娘が本格的に活動し始めた時にはもう手に負えないレベルにね」
提督「未来じゃそんなことになってるのか・・・」
いかづち「大本営・・・ううん、海軍そのことに気付き始めたのが、私が初めて出撃した沖縄本島近海奪還作戦」
提督「沖縄本島・・・」
いかづち「この作戦に選ばれた艦の中に、いなづまがいたわ」
いかづち「いなづまはいかづち型護衛艦の2番艦、つまりは私の姉妹艦にあたる存在で、正直言って電さんとは別人だったわ・・・このいなづまもある意味別人だけど」
いなづま「はわわわ!酷いのですいかづちお姉ちゃん!」
いかづち「・・・作戦は順調とは言い難かったけど、それでも前には進んでいたわ。だけど、姫が出て来て一転したの。今でも覚えてる、あれはもう・・・バケモノ以外の何かよ」
いかづち「艦隊の中で一番被害が少なかった私は他の子たちを撤退させるためにしんがりを務めたわ。でも、それすら予想していたかのように・・・」
提督「・・・沈んだんだな」
いかづち「1人また1人と、私の目の前で沈んでいく中で、いなづまもいたわ。最後まで空に手を伸ばしながら海の中へと消えていった・・・」
いかづち「だから、目の前にいるこのいなづまが、いなづまだと私は思えない」
いなづま「ふーん・・・まっ、あなたがそう思うんならそうなんでしょう、あなたの中ではね」
いなづま「でーもー、私は生まれてこの方いなづま以外として生きてきたことないのー!ごめんねー?」
提督「・・・なるほど、大体わかってきた」
いかづち「どういうことよ?」
提督「あの子はおそらくいなづまだ。だけど、いかづちがいた未来のいなづまではなく、俺が雷じゃなく電を選んだ未来のいなづまなんだよ」
いかづち「!」
提督「そうなんだろいなづま?そっちの未来では、俺は電と結婚しているはずだ」
いなづま「・・・そうだね、暁おばさんから聞く限り、パパは雷おばさんと結婚してない」
いかづち「それってつまり・・・」
提督「パラレルワールド」
提督「雷と結婚していかづちが産まれた世界と、電と結婚していなづまが産まれた世界が存在するということだ」
いなづま「面白い話だけど、いなづまのやることは変わらない。そのカスをここで殺す」
いかづち「させると思ってんの?」ガチャン
提督「ちょ、お前まで艤装出すなよ」
いかづち「向こうが出してんだから当然でしょ」
提督「いやでも・・・」
いなづま「くふっ♪いかづちお姉ちゃんが私に勝てると思ってるの?」
いかづち「そっちの私がどうだか知らないけど・・・」
いかづち「ナメてると痛い目に合うわよ?」
いなづま「ふーん・・・」
いなづま「やってみれば!」バッ
いかづち「ッ!」バッ
提督「待っ」
ゴスンッ
天龍「何してんだテメェら!」
いなづま「ぶふっ!」バタン
いかづち「あふっ!」バタン
提督「あー・・・」
提督(出た、天龍園長・・・)
天龍「執務室で艤装展開して喧嘩とか何考えてんだこいつら!おい提督、どうしてこんなことになってんだよ!」
提督「ええ?理由知らずにゲンコツ制裁したの?」
天龍「いや、遠征の報告しようとしたらこのチビ共が喧嘩しそうだったからつい」
提督「うん、その心意気は良し。でも止め方手荒すぎるわ。というかこれ毎回言ってるんだけど!?」
天龍「提督は駆逐艦に甘過ぎるんだよ!こいつらだって軍人なんだ、これくらい問題ねぇよ」
ヒョイ ヒョイ
天龍「じゃあこいつら龍田んところ連れてって説教させてくるから。あっ、これ報告書な」
提督「お、おお・・・(いかづちといなづまを俵みたい担いでるよこの人)」
天龍「じゃあな」
バタン
提督「・・・まさかドシリアスからこんなことになるとは思わなんだ」
曙「ただいま」
雷「戻ったわ!」
電「た、ただいまなのです」
提督「お、おう、お帰り。二人は大丈夫か?」
雷「ええ、もう大丈夫よ!」
電「なのです」
曙「それよりさっきいかづちといなづまを俵みたいに担いだる天龍とすれ違ったんだけど、あの二人喧嘩でもしたの?」
提督「まあそんなところ。アレは駆逐艦の間では当たり前なのか?」
曙「ええ」
雷「私と暁が喧嘩した時もあんなだったわ」
電「天龍さんと龍田さんに見つかるとすごい怒られるので、基本喧嘩はしないように駆逐艦のみんな約束してるのです」
提督「・・・天龍たちって練習巡洋艦じゃないよな?ウチの香取と鹿島より先生らしいぞ」
電「香取さんって先生だったのですか?」
曙「あの人鳳翔のお店で飲んでるイメージしかないんだけど」
雷「鹿島さんからは愛人になっていいかよく相談されるわね」
提督「・・・あとで呼び出そう」
いかづち「ううぅ・・・龍田さんすごく怖かった・・・」
いなづま「なんなのあの人・・・あれほんとに旧式艦娘なの・・・?」
いかづち「ちょっと、そういう言い方は良くないわよ。私たちにとっては大先輩なんだから」
いなづま「だっていなづま負ける気なんてしないし、強いし」
いかづち「・・・龍田さんに言おうと」
いなづま「ちょ、やめて冗談だから!あの人本気で怒らせちゃダメな人だから!」
いかづち「わかってるわよ。何?そんな怖かったの?」
いなづま「あれは誰だって恐怖するでしょ・・・」
いかづち「まあね・・・」
いかいな「ッ!」
バッ
いかづち「・・・何馴れ馴れしく話しかけてんのよ」
いなづま「ブーメランって知ってます?あっ、脳筋ないかづちお姉ちゃんにはわからないか?めんごめんご☆」
いかづち「・・・腹立たしいけどそういうところパパに似てるわねほんと」
ガチャン
いなづま「パパに似てるとかやめてくれる?殺したくなるから」
いかづち「・・・・・・」ガチャン
ガチャ
龍田「あら・・・懲りずに艤装出してる子は誰かしら・・・?」
いかいな「」
********************
-執務室-
提督「で、龍田に二回も怒られたから演習場で決闘することになったと?」
いかづち「そうよ!」
提督「何してんの君ら・・・」
いなづま「だってそうでもしないと艤装使えないし。あっ、勝ったら殺しに行くから安心してね♪」
提督「いかづちお願い勝って」
いかづち「当然でしょ、ていうか負けても殺しに来るわよこの子」
いなづま「え〜?そんなことしないのですぅ、いなづまは約束を守る子なのですぅ」
いかづち「ね?」
提督「君らほんとは仲良いでしょ?」
いないか「「それはない」」
提督「息ぴったりじゃねぇか!まあいいや・・・はい、これ演習場使用許可書」
いかづち「ありがと。さあ行くわよいなづま」
いなづま「お姉ちゃんぶるのやめてくれる?」
バタン
提督「ハァ、困った姉妹だな・・・」
提督「あれ?今日いかづちって秘書艦だったような・・・」
-演習場-
ザワザワ ガヤガヤ
曙「何この集まり?」
電「あっ、曙ちゃん」
雷「いかづちといなづまが戦うみたいよ、それを知ってみんな集まってきたってところ」
曙「まあ確かに、新型の試験艦(ってことになってる)二人が戦うってなればそれは集まるわね・・・」
雷「というか、なんで戦うことになってるのかしら?」
電「姉妹喧嘩じゃあないですよね?」
曙「異母姉妹だけどね。いかづちはともかく、いなづまが喧嘩するような子とは思えないけど・・・」
金剛「HEY!ボーノー、ライデン!」
雷「まとめて呼ばないで!」
電「なのです!」
曙「誰がボーノーよ、金剛も野次馬しにきたの?」
金剛「galleryと呼んでほしいデス。それより三人は誰にbetしますか?」
曙「賭けじゃないんだから」
雷「私はもちろんいかづちよ!なんたって私の・・・」
電「い、雷ちゃん!?ストップなのです!」
金剛「?まあ二人は自分と同じname shipを選ぶとわかってるネ。ボーノーはどっちが勝つと思いマス?」
曙「私は・・・いかづちかしらねやっぱり。あの子の実力を知ってる分ね」
いなづま「はわわわ!お客さんがいっぱいなのです!」
いかづち「・・・この距離なら猫被る必要ないでしょ」
いなづま「例え水上でもいつどこで見られているかわからないです、やっぱりいかづちお姉ちゃんは脳味噌が筋肉なのです♪」
いかづち「ほんと腹立つわねアンタ・・・まあいいわ、その被った皮を剥ぎ取ってあげる」
いなづま「はわわわ!剥ぐなんて卑猥なのです!いかづちお姉ちゃんは淫乱ロリビッチn」
ズドン!
青葉「うわぁ!びっくりした・・・」カシャ
衣笠「びっくりしたって言いながら撮ってるじゃない、ていうか何今の?戦艦の砲撃?」
青葉「さぁ?そればっかりは青葉も知りません(それ以外なら大体知ってるけど)」
青葉「夕張さんはわかりますか?」
夕張「んー、私のデータベースにも該当するものがないんだよねぇ。今撃ったのどう見ても単装砲なのに、三連装砲みたいな威力と爆音だし。訳わかんない」
衣笠「やっぱり新型だからかな・・・?」
いかづち(イラッとして思わず撃っちゃったわ。でも・・・)
いかづち「まだ沈んでないでしょ?煙幕に紛れてないで出てきたら?」
いなづま「・・・はわわわ!びっくりしたのです!」
いかづち「小破にすらなってない、か。案外硬いのね」
いなづま「いなづまはこう見えて、単騎出撃で敵艦隊全滅したことがあるほど強いのです!」
いなづま「姫に仲間をやられてトラウマになってるどっかのお姉ちゃんとは違うのです♪」
いかづち「ほんと、人の神経を逆撫でするのが上手いわね。まるでどっかのパパみたい」
ズドン!
いなづま「・・・それはお互い様なのです」
いかづち(うっ、挑発して小破とか情けないわね・・・でも、これで油断できないってことはわかったわ)
いなづま「ボーッとしていていいのですか?」
いかづち「ッ!」ダッ
夕立「あの二人すごいっぽい!」
村雨「ええ、一発受けただけで大破しちゃいそうよ」
白露「五月雨と春雨はいかづちと救助艦隊に参加したんだよね?」
春雨「はい、私は実際に戦っているところを見たわけではないですけど」
五月雨「私も、だけど報告によるといかづちさんは小破の重巡Fを一撃で大破まで追い込んだそうです」
村雨「そんなことできるなんて、どれほど練度なのかしら・・・」
夕立「あれ?じゃあその砲撃に耐えたいなづまって・・・」
提督「わぁーやってるやってる・・・」
明石「改めて見るととんでもないですね。いかづちさんはもちろんですが、いなづまさんまで・・・」ピッピッ
提督「それは?」
明石「いかづちさんのデータです。他の艦娘のデータと同じにしておく外部に漏れる可能性もあると思いまして別々にしたんです」
提督「確かに、あのデータベースって夕張と大淀も管理に加わってるからな。どこからどう漏れるかわかったもんじゃない」
明石「二人には悪いですけどね。いかづちさんのメイン装備は右腕に装着している単装砲、砲の長さから取って“3inch単装砲(仮)”と名付けましょう」
提督「いなづまも同じものを左腕に付けているな。あれの威力って実際どうなんだ?」
明石「威力だけなら12cm単装砲にも劣ります・・・本来ならば、ですが」
提督「アレか・・・」
明石「はい、アレによって3inch単装砲(仮)は大口径主砲にも劣らない威力を発揮してます。おまけにレーダーらしきものまで搭載してますから、命中率は底知れません」
提督「それに耐えられる装甲も、アレの影響下・・・」
ズドン ズドン ズドン
いかづち「ふん、そんな攻撃当たらないわよ!」
いなづま「はわわわ!全然当たらないのです!というより、逃げてるだけでつまらないのです、脳筋の癖に臆病とか救えないのです!」
いかづち「誰が脳筋よ!」ズドン
いなづま「いっ!」小破
いなづま(脳を無くした恩恵なのか命中させてくるわね、こっちはさっきから撃ってるのに当たらないし・・・)
いなづま「なら、作戦変更なのです」
パカ パカ
いかづち「?」
榛名「あれはなんでしょうか・・・」
霧島「いなづまの腰下の装甲が展開して・・・」
比叡「なんというか、筒?みたいなものがたくさん出てきましたね」
いなづま「はっ!」
スコン スコン スコン スコン・・・
いかづち(あれって、私のと同じ対潜迫撃砲・・・なんでそんなものを)
いなづま「潜水艦でもない私に撃ってるのか、そう思っていますね?」
いかづち「!」
いなづま「これだから脳なしなのです」
ガチャン
雷「また単装砲で攻撃?」
電「それじゃあ今さっき撃ったあの筒は・・・」
曙(・・・砲口を、筒に向けてる?)
いかづち「ッ!」ゾッ
いかづち「マズッ」ダッ
ズドン・・・
ッッッッッッッッッッッッッ!!!!
金剛「ッ!」
電「きゃ!」
金剛「oh・・・とんでもない爆発ネ。衝撃がここまで届いてきたデス・・・」
曙「ちょっと・・・大丈夫なの、あれ・・・」
金剛「・・・・・・」
曙「金剛!」
雷「いかづち・・・!いかづち!!」バッ
金剛「STOP!」
雷「ッ!なんで止めるのよ!!」
金剛「これはあくまでも演習ネ。提督から命令がない限り、割り込んじゃNoデス」
雷「だけど!」
金剛「それに・・・まだ終わってないかもしれません」
メラメラ バチバチ
いなづま「・・・しまった」
いなづま「ほんとはもう二度と邪魔しないように痛めつける程度にしようと思ってたのに・・・熱くなり過ぎたのです」
いなづま「パパのことはどうでも良いけど。雷おばさんに恨まれるのは確定です、ちょっと辛いかも・・・」
いなづま「・・・・・・・・・・」
いなづま「な〜んてね♪それくらいどうってことないのです!パパさえ殺せればそれでもいいのです!」
いなづま「そうと決まれば・・・」
ガチャン
いかづち「そう決まれば、何かしら?」
いなづま「ッ!」
いかづち「動かない方がいいわよ?いくらアンタが硬くても、後頭部にゼロ距離から砲撃されて大破で済む?」
いなづま「・・・・・・どうしていなづまの後ろにいるのです?」
いかづち「簡単な話よ」
いかづち「迫撃砲弾を通り越すまで走って、爆発を背中で受けながらその勢いで空高く飛び上がって、アンタの後ろに着地した」
いかづち「それだけよ」
いかづち「お陰で大破寸前の中破まで追い込まれたけどね」
いなづま「・・・これだから脳筋は」
スッ
いなづま「ハァ・・・・・・降参なのです」
-大浴場-
カポン・・・
いかいな「ふぅ〜・・・」
いなづま「気持ちいいのですー」
いかづち「誰もいないのに猫被ってどうすんのよー」
いなづま「別に被ったつもりないんだけど」
いかづち「あっそ、なんでもいいわー」
いなづま「それにしても、なんでこの鎮守府は大浴場なんてあるの?」
いかづち「パパ曰く入渠ドックがいっぱいになってる時の臨時として、というのが建前らしいわ」
いなづま「じゃあ本当は?」
いかづち「駆逐艦たちと混浴したいからだって。パパらしいわ」
いなづま「ほんと変態で気持ち悪い」
いかづち「そうよねー」
いかいな「・・・・・・」
いなづま「馴れ馴れしくしないでくれる?」
いかづち「それはこっちのセリフ」
いなづま「・・・上がったらまたやる?いなづまはここでも構わないけど?」
いかづち「例え風呂場でも負ける気はしないわね」
バチバチバチ・・・
ガラガラ
いかいな「!」
雷「あっ、やっぱりここにいた!」
電「お邪魔するのです」
いかづち「ママ!」
いなづま「ママたちもお風呂なのですか?」
雷「そう、せっかくだから私たち四人で入りましょうってなって」
電「でも二人がどこにも見当たらないから、もしかしたらもうこっちに来てるかもしれないと思ったのです」
いかづち「ママたちとお風呂かぁ・・・いいわね!」
いなづま「いなづまは賛成なのです!」
電「ふふっ♪」
雷「それじゃあ体洗うからちょっと待っててね?」
いかづち「あっ、じゃあ私が洗ってあげる!」
いなづま「ッ!」
雷「ええー?いいわよ別に」
いかづち「いいからいいから!」
いなづま「・・・・・・」
電「・・・どうしたのですか?」
いなづま「え?あっ、えっと・・・な、なんでもないのです!いなづまも、ママのお背中流すのです!」
電「そういうことなら、よろしくお願いします♪」
いかづち「よいしょ、よいしょ」ゴシゴシ
雷「ん〜♪」
いかづち「どうママ?痛くない?」
雷「すごく気持ちいいわ!」
いかづち「良かった。実はこれ、未来でママが私を洗ってくれた時と同じなの」
雷「そうなの?」
いかづち「うん、流石に9歳超えた辺りからちょっと恥ずかしくて断る時もあったけど、よく洗ってくれてもらえてたから力加減覚えちゃった」
雷「そうなのね!ふふっ、未来の楽しみが増えちゃった」
いなづま「・・・・・・」
電「いなづまちゃん?」
いなづま「あっ、ごめんなさいなのです」
電「ううん、気にしないでなのです」
いなづま「ええと、それじゃあ洗うのです」
ゴシゴシ
電「!」
いなづま「あっ、もしかして痛かった、のです?」
電「ううん!大丈夫なのです!」
いなづま「ご、ごめんなさい、こういうこと、したことなかったので・・・」
電「気にしなくていいのです、いかづちちゃんみたいにはいかないのですから」
いなづま「・・・さ・・・し」
電「え?」
いなづま「あっ、なんでもないのです!ママは痛かったら遠慮なく言ってほしいのです!」
電「・・・いなづまちゃん、ちょっとここに座ってほしいのです」
いなづま「え?あっ、はいなのです・・・」ストン
電「よいしょ」ゴシゴシ
いなづま「!」
電「電はこのくらいが気持ちいいのです♪いなづまちゃんはどうですか?」
いなづま「・・・うん、すごく気持ちいい、のです」
電「ふふっ、それは良かったのです♪」
いかづち「・・・それじゃあ流すわね」
雷「は〜い」
カポン・・・
4人「はぁ〜・・・」
電「やっぱり大浴場は気持ちいのです!」
雷「広いし暖かいわよね!」
いかづち「ママたちはいつもここに来るんだよね?」
雷「ええ、よく第六駆逐隊のみんなで入ってるわ」
いなづま「どの時代でも仲良しなのです!」
電「えへへ、なんだか照れちゃうのです!」
ガラガラ
提督「おっ、みんないるなぁ!」
一同「・・・・・・」
提督「いやー毎日ここに来てるけど、やっぱり家族で風呂が一番気持ちいいものだと思うな!な?」
いかづち「・・・・・・艤装展開」
提督「ちょ、ストップ!ウェイト!」
いかづち「なに平然と入ってきてるの?」
いなづま「はわわわ!流石に恥ずかしいのです(ママたちがいなかったら容赦なく急所にぶち込めるのに)」
提督「待って!だって雷たちが娘たちと一緒入るって小耳に挟んで、これはパパである俺も一緒に行かなくちゃって思って・・・」
いかづち「だからって普通来ないでしょ?」
提督「え?なんで?」
いなづま「・・・本気で疑問に思っているのです」
いかづち「これは一発ぶち込まなくちゃダメね」
提督「ひぃいいいい!!助けて雷、電!!」
いかづち「あっ、コラ!ママたちを味方につけようとするんじゃない!」
いなづま「ずるいのです!」
雷「まあまあ2人とも、落ち着いて」
電「家族水入らずなのですから」
いかいな「・・・・・・浮気してるかもしれないのに?」
提督「君らほんと仲良いよね?まあいい!電の言う通り家族水入らずだ!仲良くしようじゃないか!」
いかづち「なんか釈然としない・・・」
チャポン
いなづま(殺そうとしてるはずの相手とお風呂に入るなんて・・・)
提督「いや〜やっぱり大浴場は気持ちな!」
雷「そうね」
電「なのです!」
提督「2人の裸を見てる俺は興奮しちゃうけどな!」
雷「もっと見てもいいのよ♡」
電「電を、見るのです♡」
いかづち「娘の前でやめてくれない?」
いなづま「いなづまもちょっと引くのです」
提督「うえーん!娘たちが冷たいよママンズ!」
雷「よしよし」ナデナデ
電「大丈夫なのです」ナデナデ
提督「うえーん、うえーん、うえーえへへちっぱい気持ちいい」
いかづち「ハァ、まったくこのロリコンパパは・・・」
いなづま「・・・・・・」
いかづち「どうしたの?」
いなづま「なんでもないのです」ジャバァ
電「いなづまちゃんもう出ちゃうのですか?」
いなづま「はい、ちょっとのぼせちゃったのです。お先に失礼するのです」
ガラガラ ピシャ
電「いなづまちゃん・・・?」
いかづち「・・・・・・」
雷「大丈夫かしらあの子」
提督「のぼせたって言っても動けるみたいだし、心配ないだろ」
提督「それよりいかづち!あっ、娘の方ね」
いかづち「なによ」
提督「なんていうかその・・・」
いかづち「?」
提督「ママと年齢近いのにママよりおっぱいお」
いかづち「死ねぇえええええ!!」ブン
提督「ヴェルサ!」ギュルンギュルンギュルンバッシャア!
雷「司令官ーー!」
電「いかづちちゃんのキックで司令官さんが回転しながら吹き飛んだのです!!」
いかづち「ハァ、ハァ、ほんと、空気読みなさいよこのクソパパ!」
提督「ぼ、ぼの、たん、か・・・」ガクッ
提督(この後、一気に体温が上がったいかづちと2人仲良くのぼせました)
-軍港-
いなづま「・・・・・・」
「こんなところにいたのね」
いなづま「・・・何しに来たのですか、いかづちお姉ちゃん」
いかづち「別に?ただのぼせちゃったから風にあたりに来たのよ」
いなづま「・・・・・・」
いかづち「隣、座るわよ」
いなづま「・・・好きにするのです」
いかづち「よいしょっと、ふぅ〜・・・やっぱり気持ちいいわね」
いなづま「・・・・・・」
いかづち「・・・・・・」
いなづま「・・・聞かないの?」
いかづち「なにを?」
いなづま「なんであの時のぼせたなんて嘘ついて突然上がったのか」
いかづち「そう聞いてアンタが素直に答える?」
いなづま「はわわわ!いかづちお姉ちゃんは気にし過ぎなのです!いなづまはただ本当にのぼせちゃっただけなのです!」
いかづち「言うと思った、だから聞かない」
いなづま「あっそ・・・」
いかづち「その代わりに、話しに来たのよ」
いなづま「何を?」
いかづち「私の未来のパパとママのこと」
いなづま「!」
いかづち「私のいた未来ではね?パパは今と変わらず提督なの、今と比べたら偉くはなってるわ」
いかづち「ママは私を産んでから軍をやめて、私のことをずっと側で育ててくれたわ、帰って来たパパをよく一緒に出迎えてたものね」
いなづま「・・・・・・そう」
いかづち「私はパパとママに憧れて、艦娘になった。そりゃ大変なこともあったけど、パパの下で働けるようになったり、ママみたいに強くなったりして、とても幸せだった」
いなづま「・・・・・・・・・」
いかづち「でも、パパと仲良くするのがちょっと恥ずかしくなって、それが周りの人にバレるのが嫌になって、気づけば反発するようになった」
いかづち「それからしばらくして、私にとって初めての大規模作戦が計画されたの。私の実力をパパに示せるって内心ワクワクしてたわ」
いなづま「・・・・・・でも拒否された」
いかづち「ッ!・・・ええ、作戦には参加させない。それどころか、艦娘を辞めろとも言われたわ」
いかづち「この時は怒りで何も考えられなかったわ、大嫌いなんて思ってもなかったのに。あることないこと、色々パパに言った」
いかづち「それで海に飛び出して、なるべくパパから離れようと前に前に進んで、霧に入っても前に進み続けたら、知らない海にいて、この鎮守府の曙さんと出会ったわ」
いなづま「・・・・・・・・・・」
いかづち「ほんと、自業自得よね。勝手に反抗して、挙げ句の果てには家出して、パパとママを困らせた。二人にとっては面倒な娘だと思うわ・・・今ではそうでもないようだけど」
いなづま「・・・・・・・・・・・・」
いかづち「でもね、過去に来て、今のパパとママと触れ合ってやっとわかった。未来のパパもママも、今と変わらないだって」
いなづま「・・・・・・・・・・い」
いかづち「パパは心の底から私やママを大切に思ってくれてるし、ママは誰よりも優しくて、私もパパも幸せにしたいと思ってる」
いなづま「・・・・・・・・さい」
いかづち「だから今なら、ちょっと恥ずかしいけど、パパもママも大好きだって」
いなづま「うるさい!!!!!!」
いかづち「!!」
いなづま「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!」
いなづま「私はアイツが憎い!!私はアイツが許せない!!だから私はアイツを殺す!!それ以外に選択なんてない!!それ以外過去に来た意味なんてない!!」
いなづま「アイツがどんなやつだったとか!ママがどうしてくれたなんて!私にはこれっぽっちも関係ない!!!」
いかづち「・・・・・・それじゃあなんで」
いかづち「アンタはそんな悔しそうに泣いてるのよ」
いなづま「ッ!!何言ってるの?意味わかんなーい!」ポロポロ
いなづま「私がパパに愛されてなかったから?私がママに会ったことなかったから?だからアンタの話を聞いて、それが羨ましくて悔しかったって?」
いかづち「・・・・・・私にはそう見える」
いなづま「ざぁんねん!不正解なのですぅ!予想が外れてお姉ちゃんはダサいのですぅ!」
いかづち「それじゃあなんで?なんでアンタは今も泣き続けてるの?」
いなづま「・・・・・・理不尽だから」
いなづま「いなづまの未来とお姉ちゃんの未来、あまりにも違い過ぎてるから、だから理不尽だって泣いてるの」
いなづま「なんで?ねぇなんで?なんでいなづまのママは死んじゃったのにアンタのママは生きてるの?」
いなづま「なんでいなづまのパパは顔すら見てくれないのにお姉ちゃんのパパは顔を見てお話しするの?」
いなづま「なんでいなづまは必要とされてないのにお姉ちゃんは大切に思われてるの?」
いなづま「なんで!なんで!!なんで!!!」
いなづま「なんでいなづまは誰からも愛されてないの!!!!」
いかづち「・・・・・・・・・」
いなづま「ハァ、ハァ、ハァ・・・」
いかづち「・・・いなづま」スクッ
いなづま「来るな!!!」バッ
ガチャン
いかづち「いなづま」
いなづま「来るなぁ!!」
ズドン
ビュン・・・
いかづち「っ・・・」ツー
いなづま「ハァ、ハァ、ハァ・・・」
スタスタ
いなづま「っ!なんで、なんで来るの!」
スタスタ
いなづま「今度は外さない!!絶対に当てる!!」
スタスタ
いなづま「早く艤装展開すれば!?じゃないと今度こそ死ぬから!!」
スタスタ
いなづま「来ないで・・・来ないで・・・!!」
いかづち「・・・・・・・」
ギュ
いなづま「ッ!!イヤ!離して!!」
いかづち「いなづま・・・」ギュウ
いなづま「離して!!離してって言ってるの!!」
いかづち「・・・・・・」
いなづま「離して、やめて・・・」
・・・・・・・・・・・・
いかづち「ごめんね」
いなづま「っ・・・」
いかづち「私がいなづまの未来にいなくて、ごめんね・・・!」
いなづま「!」
いかづち「私といなづまが本当の姉妹だったら、いなづまを独りなんてしなかったのに・・・!それができなく、ごめんね・・・!」
いなづま「そんなこと、謝らないでよ・・・!」
いかづち「今からじゃダメかな?今からいなづまのことを愛しちゃ遅いかな?」
いなづま「やめてよ・・・もう、いなづまは・・・」
いかづち「私、いなづまの側にいるから、いなづまの顔を見てお話しするから、いなづまを大切にするから・・・だから・・・」
いかづち「もう愛されてないなんて言わないで・・・!」
いなづま「・・・っ・・・うっ・・・あ、ああああああああ、ああああああああああ!!」
いかづち「・・・・・・」ポロポロ
いなづま「ああああああ!うっ、ああああ、ああああああああ!!!」ギュウ
雷「電・・・」
電「っ・・・!」ポロポロ
提督「・・・・・・」
提督(情けないな、本当に・・・)
提督(だけど、もう二度と繰り返さない!!繰り返してなるものか・・・!!)
チュン チュン
いなづま「んっ・・・・・・」パチ
いなづま(ここは・・・・・・って!?」
いかづち「・・・・・・」zzz
いなづま(なんっ、あ、そっか、昨日あの後泣き疲れて・・・)ムクリ
雷「私が・・・いる、じゃ・・・」zzz
響「・・・・・・」zzz
暁「うへへへ・・・」zzz
電「・・・・・・」zzz
いなづま(ここ、ママたちの部屋なんだ。そういえばここに来てまだ一日しか経ってないんだよね)
いなづま「なんて濃い一日」
いなづま(起こさないように・・・)パサ
スタスタ キィ・・・パタン
いなづま「ふぅ・・・」クルリ
提督「」
いなづま「ッ!!?」ビクッ
提督「」
いなづま「び、びっくりした・・・振り返ったら音もなく立ってるんだもん。心臓止まるかと、って・・・」
提督「んにゅ・・・」zzz
いなづま「ね、寝てるの?なんでママたちの部屋の前で・・・」
提督「幼女のカヲリ!!」クワッ
いなづま「はにゃ!」ビクン
提督「お?あっ、いなづまか。おはよー」
いなづま「お、おはよう・・・じゃなくて!なんでパパがここにいるの?」
提督「いやーいかづちたちがちょっと心配でな?何かあった時のためにここで待ってたんだけど、眠気には勝てなかったよ・・・」
いなづま「・・・・・・その口ぶりだと、知ってるんだね」
提督「盗み聞きして悪いとは思ってる」
いなづま「・・・・・・」スタスタ
提督「い、いなづま・・・」
いなづま「話があるから、ついて来て」
-軍港-
提督「話があるって、なんだ?」
いなづま「・・・いなづまの未来、パパがママを選んだ世界の話」
提督「!」
いなづま「いなづまが生まれる前のことは暁おばさんから聞いた話だから、正しいかどうかはわからないけどね・・・知りたい?」
提督「ああ・・・」
いなづま「・・・パパが今くらいの頃、ママとケッコンカッコカリをした。それ以外の人とはしてなかったみたい」
いなづま「それから数年してママが妊娠した、パパもママもおばさんたちも、みんな喜んでくれた」
いなづま「だけど・・・いなづまを産んですぐにママの容態が急変して、色々手を尽くしたけどそのまま・・・・・・」
提督「・・・・・・」
いなづま「だからいなづまは、ママのことをあんまり知らないの。なんせもう死んでるだもん!」
提督「・・・そう、だったんだな」
いなづま「さてと、ここからがいなづまの実体験。いなづまが見てきたこと、聞いてきたことをそのまま話すよ。とは言っても物心つく前のことは流石に忘れてるけど」
提督「わかった・・・」
いなづま「そうだなぁ、いなづまの中で一番古い記憶は、暁おばさんとの生活かな。時々雷おばさんとか響おばさんとかも来てくれて、それはそれで楽しかったと思う」
いなづま「でもね、いなづまはずっと不思議に思ってたの」
いなづま「なんでいなづまにはママもパパもいないんだろうって」
提督「え・・・?」
いなづま「昨日の話を聞いてたなら、わかるでしょ?」
提督「!」
いなづま「そう、パパはいなづまと暮らしてない。顔も見せなかった。なんでだと思う?ヒントはいなづま自身」
提督「・・・・・・電に、似てるから」
いなづま「正解なのです。ママが死んじゃったことが余程ショックだったみたいでね、いなづまを見るとママを思い出して辛いからっていなづまには合わなかったの」
提督「・・・・・・ごめん」
いなづま「謝るのが早い。まだまだここからだよ?」
いなづま「それでね?いなづまはおばさんたちに育てられてるうちに、ママとパパの存在を知ったの。いなづまにもちゃんと両親がいたことにちょっと安心してたっけ」
いなづま「おばさんたちにパパとママのことを聞いたの。話してる時はすごく辛そうだったけど、色々なことを知れた」
いなづま「そして、いなづまに夢ができたの。いかづちお姉ちゃんのパパならなんとなくわかるんじゃない?」
提督「・・・・・・艦娘か」
いなづま「そう、いなづまもママみたいな艦娘になって、パパに会って、一緒に過ごすこと。あの頃は活き活きしてたなぁ、どんな辛いことも頑張れた。パパがいなづまを避けてる理由も、知ってるはずなのにね」
提督「・・・・・・」
いなづま「努力の甲斐あって、いなづまは艦娘になることができた。これでやっと夢が叶う。涙が止まらなかったよ」
いなづま「でも、まだまだひよっこのいなづまじゃあパパの鎮守府には所属出来ないって知らされた。少し落ち込んだけど、強くなればその分ママに近づけるって考えたの」
いなづま「それから練度を上げるために、戦って戦って、戦い続けて、漸くパパの鎮守府に着任できるようになった」
いなづま「長かったけど、今度こそ夢が叶う!そう思った」
いなづま「鎮守府に到着して、すぐに執務室まで案内された。ドキドキしながら扉を開けて、パパに笑顔で挨拶したの」
いなづま「さて、ここで第3問!笑顔で入ってきたいなづまを見て、パパはどうしたでしょう?」
提督「・・・・・・拒絶した?」
いなづま「ん〜?まあ正解っちゃ正解かな」
いなづま「正しくは、“いなづまの顔を引っ叩いて、「二度と目の前に現れるな」って罵倒された”でした!」
いなづま「いやー、ほんと・・・あれはすっごく痛かったよ」
提督「・・・ッ!!」
いなづま「あの瞬間から、パパを恨むようになった。憎むようになった。殺してやろうと思った」
いなづま「ぶっちゃけいなづまにも悪いところはあったよ?だって、顔も見たくないって知ってるのに顔を見せに行ったんだもん。そりゃ拒絶されるよ」
いなづま「でも、でもね?それでもパパに会いたかったんだよ、会ってみたかったんだよ。その結果がこれなんだけどね!」
提督「・・・・・・・・・」
いなづま「それからいなづまはパパを殺す機会を伺いながら、日々憎しみを募らせていた。でも、そんなある日、パパがいなづまに初めて出撃を命じた。いなづまもそれに応じた、上司の命令だからっていうのもあるけど・・・まだちょっと、期待してたのかも」
いなづま「それで出撃して、海を前に前に進んでいった。深海棲艦に会うことなく、ひたすら前に、前に、そして夜になって漸く気がついた」
いなづま「ああ、捨てられたんだなって」
いなづま「ここまで拒絶されるとは思ってなかった・・・ううん、されてるのは自覚してた。でも、少し期待していたからかな?かなり絶望したよ」
いなづま「それでぼーっと海の上で突っ立ってたら、突然霧に覆われて、気がついたら別の海域にいた」
いなづま「何が何やらわからずにいたら、曙に出会って、ひとまずついて行くことにした」
いなづま「そしたら・・・ふふっ、昔パパがいたっていう鎮守府が見えてきて、もしかしてこれってチャンスなんじゃないかって思った」
いなづま「思ったら・・・怒りと殺意が溢れ出てきた。今度こそ、パパを殺してやろうって」
いなづま「こうしていなづまはここに来た、ということなのです」
いなづま「どう?未来の話を聞いた感想は」
ギュ
いなづま「・・・・・・それで許されるとでも?」
提督「思っちゃいない、謝ったって許されることでもない。ただ、どうして俺はこんなこともできなかったんだろうって、悔しくてな」
いなづま「・・・そっか」
ギュ
いなづま「じゃあ、1分だけ付き合ってあげる」
提督「ありがとう」
いなづま「はい1分」
提督「マジで1分だけだな」
いなづま「当然でしょ?いなづまは今でもパパを殺したいんだから」
提督「あはは、だよな・・・」
いなづま「今のだって、いなづまが刃物隠し持ってなかったら死んじゃってるからね?未来はこうもいかなかったけど、今のパパは隙だらけ過ぎていつでも殺せちゃうよ」
提督「ゔっ、軍人として耳が痛いなそれは」
いなづま「だから・・・しばらくは殺さないであげる」
提督「え?」
いなづま「言ったでしょ?パパなんていつでも殺せるって、でも今殺しちゃうといかづちお姉ちゃんやママが絶対に悲しむ」
いなづま「だから2人にパパを嫌いになってもらってから殺すことにしたの♪」
提督「はぁ!?そんなことになったら自分から身投げするわ!!」
いなづま「そんなことはさせないよ!殺すのはいなづまなんだから勝手に死んでもらっちゃ困る!」
いなづま「とにかくそういうことだから・・・覚悟、しててよね♪」スタスタ
提督「お、おお・・・」
提督(我が娘ながらなんて末恐ろしい・・・可愛いけど)
******************
いかづち『一つ聞いていい?』
いなづま『グス・・・なに?』
いかづち『なんでいなづまって電さんの真似してるの?』
いなづま『えっ、パパを欺いて接近するのと、ママたちに怪しまれないためだけど・・・』
いかづち『ほんとにそれだけ?』
いなづま『・・・何が言いたいわけ?』
いかづち『だって、猫被るんだったら電さんの真似する必要ないし、なんだったら素のままでもいいわけでしょ?私たちはいなづまのこと全くしないわけだし』
いなづま『それは・・・』
いかづち『・・・本当はパパと仲良くしたかったんでしょ?』
いなづま『はぁ!?何言ってんの!?いなづまはパパが憎くて殺しに来たって言ってんじゃん!脳筋だからそんなことも忘れちゃったのですかぁ?』
いかづち『いなづまの未来のパパは、電さんが死んじゃったことでいなづまのことを愛せなかったんでしょ?だから何も知らない今のパパの前で電さんの真似をすれば、同じように愛してくれるんじゃないかって』
いなづま『そ、そんな、わけ・・・!』
いかづち『そんなわけあるわよ、だって・・・』
******************
いなづま「・・・まったく、勘違いにもほどがあるのです」
いかづち「あっ、いた!いなづま!」
いなづま「いかづちお姉ちゃん・・・」
いかづち「こんなところにいたのね、ママたちが探してたわよ」
いなづま「そっか、ごめん」
いかづち「ううん!もっと私に頼っていいのよ」
いかづち「だって私たち、姉妹じゃない!」
いなづま編 -艦-
提督(あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!いなづまから改めて殺人予告をされた後、ちょっと眠かったから二度寝しようと思ったら、いつのまにか美女に成長した電に優しく起こされていた)
提督(なにを言っているのかわからねーと思うがっていうか前にもやったなこれ)
提督(俺は今、どこかの病院の病室にいる。ベッドの横で椅子に座ったまま寝ていたらしい。そして俺を起こしてくれた電はベッドに入って座っている)
提督(身長まではわからないが今よりも成長していることはわかる・・・)
電「ぼーっとしてどうしたのですか?」
提督(日課の成果は出るみたいだぞ、電!)
提督「いや、大きくなったなって思って」
電「い、一体どこを見て言っているのですか!」
提督「さぁ?どこのことだろうな」
電「もう・・・」サスサス
提督「・・・・・・」
電「・・・今月なのです」
提督「えっ」
電「今月なのです、この子が産まれるのは」
提督「・・・電も気づいてるんだな」
電「ふふっ、お久しぶりなのです。司令官さん」
提督「毎日顔合わせてるんだから久しぶりでもないだろ」
電「電にとっては久しぶりなのです!司令官さんはよく仕事が仕事がって無理するし、一緒にいてくれないんだもん」
提督「それについては面目ない・・・」
電「まったくなのです。もうすぐパパになるんですから、気をつけて?」
提督「んー・・・」
電「どうしたの?」
提督「いや?基本敬語かなのですしか言わない電が普通の女の子みたいな喋り方してるから新鮮だなぁって」
電「まるで電が普通じゃないみたいに言わないで欲しいのです!」
提督「あっはっはっ!やっぱりそっちの方が電らしいな」
電「もう・・・」
提督「なぁ、電?」
電「はい?」
提督「もし・・・もし、子供を産まないでほしいって言ったら、電はどうする?」
電「それはできないのです」
提督「っ・・・もし、子供を産んだら死ぬ、かもしれなくても?」
電「はい」
提督「・・・即答か、参ったな」
電「・・・司令官さん。電は、この先何があったとしても、悔いたり恨んだりすることはないのです。なんでかわかりますか?」
提督「・・・なんでだ?」
電「司令官さんと出会えたからです」
提督「ッ!」
電「覚えてますか?電と初めて会った時のこと」
提督「忘れないよ、なんたって俺の初期艦だからな」
電「こっちが挨拶するや否や、抱きしめていいですか?って聞かれて、返答する前に抱きつかれて」
提督「そりゃあ電みたいなことが来たらそうするだろうよ」
電「ふふっ、あの時は本当に驚いたし、ちょっと怖かったのです」
提督「ごめん・・・」
電「でも、電の心はすぐにあなたに惹かれたのです」
電「あなたの優しさに、正直さに、本当に変態なのにみんなのことを大切にしているところに」
提督「電・・・」
電「あなたに出会って、恋をして、一緒に過ごす。これ以上に幸せなことはないのです」
ギュ
電「司令官さん、電を選んでくれて、ありがとう」
提督「電・・・ッ!」
電「泣かないで司令官さん」
提督「おれは、おれは、あの子を・・・ッ!」
電「・・・今からでも、きっと遅くないのです。電の分まで、愛してほしいのです」
提督「ああ・・・ああ!絶対に、絶対に幸せにするから!」
提督「だから!」
ぐらっ
提督「うっ・・・」
電「あっ、そろそろ目が覚めるのです」
提督「電・・・」
電「これでお別れなのです。今の電とあの子によろしくなのです」
提督「ああ・・・」
電「あっ、最後に一つ言っておくのです」
提督「ん?」
電「浮気には気をつけるのです!」
提督「へ?浮気?」
電「電はこう見えて嫉妬深いのですよ?」
提督「あ、あはは・・・気をつけまーす」
提督(この未来の俺、相当やばいな)
電「それでは、なのです」
-提督私室-
「・・・かんさん!司令官さん!」
提督「ん・・・(ここは、俺の部屋か)」
電「あっ、おはようございます。司令官さん」
提督「電・・・」
電「もう総員起こしの時間なのです」
提督「・・・ちょっとこっち来て」
電「はい」とてとて
提督「・・・」むにむに
電「はにゃ!?」
提督「ちっぱい、ということは夢じゃないな」
電「どういう確かめ方なのですか!?」
提督「大丈夫大丈夫、数年後には千歳くらいになってるから」
電「ち、千歳さんくらいに?ほ、本当なのですか?」
提督「ああ、夢に出てきた電はそのくらいあった」
電「ゆ、夢の話なのですね・・・」
提督「そう落ち込むな、ほら・・・」
チュ
電「ッ!」
提督「ちょっとは元気出たか?」
電「はわわわわわわわ!し、しれ、司令官さん!い、いま、今のは・・・!」
提督「あー、そういえば初めてキスしたんだったな。すまん」
電「いえ!その、い、電は、嬉しい、です・・・」
提督「・・・電」
電「は、はい!」
提督「幸せになろう。いなづまと一緒に」
電「・・・なのです!」
番外編 -艦-
-執務室-
提督(どうも提督です。いなづまがやってきて1週間が経った)
提督(いかづちの時と同様に、ウチの鎮守府に慣れてきているようだ。特に母親である電にはほとんどべったりだ。まあ、あの子の過去が過去だから、しょうがないことだ)
提督(いかづちとは今でもよく喧嘩している。演習の時みたいな激しいものはなく、ほとんど小さい、姉妹喧嘩のようなものだ)
提督(いなづま本人は自覚してないかもしれないけど、どんなことだろうといかづちといる時は、なんだか楽しそうにしている。親としては喜ばしいことだ)
提督(それと、いなづまが俺やいかづち以外にも素を見せるようになってきた。最初はみんな驚いていたが、これにもみんな慣れつつある)
提督(色々といい方向に進んでいて良かったと心から思う・・・)
コンコン
提督「どうぞー」
曙「入るわよーって、なんでボロボロなの?」
提督「いやー、いなづまから毎日恒例のお礼参りをされまして・・・」
曙「お礼参り?」
提督「そう、毎日俺を見つけると一発砲撃してくるの」
******
提督「あっ、おはよういなづま」
いなづま「おはようございます。死ねなのですぅ♪」ズドン
提督「ちょ」
ドカーン!!
いなづま「あーあ、今日も殺せなかったなぁ・・・まあいっか、今日の朝ごはんはなんだろう」スタスタ
提督「」ブスブス
******
提督「てな感じ」
曙「アンタよく死なないわね、ていうかこれ解体処分されてもおかしくないんだけど」
提督「まあ毎日毎日殺人予告する割には俺に着弾しないように撃ってるし、あれはいなづまなりの愛情表現だし」
曙「愛情表現?」
提督「そう!今のいなづまは無印ToLOVE○の金色の闇みたいな感じだと俺は考えている!」
曙「それ伝わる人少ないわよ」
提督「わかる人にはわかるからいいの!とにかく、今日もこうして愛する娘からの愛を受け止めているわけだよ!いやー俺って幸せ者だなぁ」
曙「艦娘に砲撃されて愛されてるとか言うのアンタくらいよこのクソエムロリコン」
提督「提督を付けんかい!」
コンコン
曙「はーい」
明石「失礼します。あっ、今日は曙さんが秘書艦なんですね」
提督「よう明石、お前が工廠から出てくるなんて珍しいな」
明石「私だって偶には出てきますよ!ってそうじゃなくて、提督が言っていたアレ、明日には出てくるそうですよ」
提督「マジでか、早いなぁ」
明石「人に探させておいてなんですかそれは!」
曙「全く話が読めないんだけど、どういうことよクソ提督」
提督「そういえばぼのたんには話してなかったな。実はな・・・」
**********
いかいな「未来に帰れる!?」
提督「ああ、それも明日だ」
いかづち「どういうことよそれ!」
いなづま「帰り方がわかったということ?」
提督「確定ではないけどな」
いかづち「どうやって帰るのよ?」
提督「いかづちといなづまの話を聞くと、二人とも未来で霧の中に入って、気がついたらこの時代にいた。それはつまり裏を返せば、この時代で霧の中に入れば未来の世界に帰れるということだ」
いかづち「な、なるほど」
いなづま「理論上はそうだけど、そんな簡単じゃないと思うんだけど」
提督「当然、ただ出てきた霧の中に入れば良いってもんじゃないのはわかってる。そこで、二人がきた日とその海域の天候を詳細に調べてみた結果、ある共通点が見つかった」
いなづま「共通点?」
提督「二人が入ったもしくは出てきた霧は、海霧ではなく氷霧であること」
いかづち「氷霧?」
提督「氷霧とは霧を構成する水滴が凍るか空気中の水蒸気が直接昇華して、小さな氷の結晶となって浮かんでいるために視程が妨げられる気象現象だ」
提督「だがどの海域でも氷霧が起こるほど気温が低かったわけでもなかった」
いなづま「なるほど、つまり次のその氷霧が現れた時は・・・」
いかづち「私たちの未来と繋がってるってことね!」
提督「その通り、明石と(全く事情を知らない)大淀や夕張たちにも手伝ってもらって、あらゆる海域でそれがいつ起こるのかを調べていた」
提督「そして、次に氷霧が発生するのは明日一七〇〇、場所は・・・西方海域カズガダマ島エリアK」
いなづま「西方海域・・・」
いかづち「それじゃああとは、その時間にその場所へ行けば良いってことね!」
提督「それがそう簡単にはいかないんだよ」
いかづち「えっ、どうして?場所はわかってるんでしょ?」
いなづま「ハア、これだからいかづちお姉ちゃんは脳筋なのです」
いかづち「なんですって!」
いなづま「パパが言ったエリアをよく見るのです」
いかづち「エリア?」
いなづま「鎮守府からの海域侵入エリアがここ、そして霧が出るエリアKはここ。見事に海域の最奥でしょ?」
いかづち「最奥、ってことは・・・」
いなづま「そう、この海域の親玉の懐まで行かないといけないのです。出撃経験があるのにそんなこともわからないんなんて・・・あっ、そっか!いかづちお姉ちゃんは野生の勘と本能だけで動くのですね!それじゃあわからなくて当然なのですぅ♪」
いかづち「ほんっと腹立つわねアンタ!」
提督「まあまあ、とにかく一筋縄ではいかないってことだ」
いなづま「パパはこの海域は突破したことあるのですよね?」
いかづち「エリアKには何がいるの?」
提督「そうだな、前回戦った時は軽母ヌ級F一艦、戦艦タ級F二艦、駆逐ハ級後期型二艦、輸送ワ級一艦だった」
いかづち「フラッグシップが三艦・・・」
いなづま「面倒なのです」
提督「ああ、だから今回ばかりはちゃんと説明しないとな・・・青葉ァ!」
青葉「ひゃい!」
いかづち「うわぁ!あ、青葉さん?」
いなづま「廊下から声が、全然気配感じなかったのです」
提督「聞いての通りだ、至急鎮守府全艦娘たちをグラウンドに呼び出してくれ」
青葉「わ、わかりましたぁ!」
いかづち「パパ、まさか・・・」
提督「ああ、みんなに本当のことを話す」
2020/03/27:更新しました。PV5000突破!驚きと喜びで震えております!これからも読んでくれた方々が楽しんでもらえるように精進致します!
やはりプラズマには敵わないかw
まあ怖いよねえw子供には
大人の本気の笑顔はw
若い子の受精率は普通に子供が出来る確率だからねw毎日してればこうなるなw
子は親が思うよりも強く賢いか。
だが其には親の愛情が必要。
父も母両方の愛情と議論が必要なんだね。
ifの世界から招かれた?だから別の時空の雷ではなくでんちゃんと結ばれた世界の方から招かれたかな?そちらでは雷が沈んで消沈してる彼を見捨てられずに自分を捨てた電が雷と偽り。結婚したとか?
姫が量産去れてたらそら負けるな。
属性に弱点は有るが其を理解せず。大鑑巨砲主義の戦い型じゃ負ける!あれは装備の充実と。一部の特効装備が必要な化けもんだ。
一年戦争の時代にグリプス戦役の機体を持ってきたような感じかな?そら高性能を通り越してるわな。