2023-03-13 00:54:24 更新

概要

日本中から嫌われた提督がやってきたのは何もない孤島⁉︎この孤島で仲間を得た彼は今後どのように生きるのか…


前書き

捨てられた提督の生活録第二期です。一期をまだ読んでいない方はそちらから読んだ方が分かりやすいです。

注意書き

この作品は二次創作作品です。

1.原作と違う作者独自の設定があったり、オリジナルキャラが出てきます。キャラ崩壊注意です。

2.作者は文才があるわけではないので、表現や文章がおかしなところがあるかもしれません。

3.このssの世界では、艦娘は当たり前のように酷使され続けられています。なので、ブラ鎮がたくさん出てきます。

以上が無理な方はブラウザバックを推奨します。


大丈夫な方は、お楽しみください


孤島鎮守府。それは、国に捨てられた提督の居る鎮守府である。彼の名は一樹。世間からはこの名は忘れられている。彼には敵が多い。国民全てが敵なのだ。そんな彼にとってここ、孤島鎮守府での暮らしは最高であった。誰からも後ろ指を刺されることなく暮らせるからだ。彼の親は、今、日本中の誰もが知っている大事件の首謀者である。だから息子である彼は世間からは社会のゴミと言われている。理不尽な話だ。

そんな彼にも、慕ってくれる人がいないわけではない。今は仲間も増えた。飛龍、蒼龍、ヴェールヌイ、暁、雷、電、加賀、リヴァイアサン、クラーケン、吹雪、時雨、長良、青葉、衣笠、川内、神通、伊168、千代田、縁羅、翔鶴、瑞鶴、元総元帥、元関東元帥。彼の数少ない味方だ。さて、これから彼と仲間たちは、どう歩んでいくのだろうか?



第一章 台風襲来




孤島鎮守府近海海戦より少し前。

何処かの漁村



男「一体なんなんですか!急に押しかけてきて!」


憲兵A「貴様、これが見えるか?」


男「あ?妖精だろ?」


憲兵A「やっぱり…連れて行け!」


憲兵B「は!」


男「放せ!このやろう!」


憲兵A「貴様には、提督になってもらう!」


男「なんだと!?軍役につけと言うのか!」


憲兵B「その通りだ。妖精の見える人材は少ないんだ。お前は貴重なんだよ」


男「ふざけんな!俺は死にたくねえんだ!放しやがれ!」


憲兵A「諦めろ。このあと一ヶ月間の講習を受けた後に正式に配属になる。給料は高いから悪くはないはずだ」


男「軍隊ってのが嫌なんだよーー!!!」



戦争の魔の手が若き青年を襲った



孤島鎮守府



提督「…」トン!トン!トン!


青葉「何してるんですか?」


提督「補強だよ。もうすぐここに台風が通るんだろ?」


青葉「気象庁の発表によるとそうみたいです」


提督「…お前、ハッキング得意なのか?」


青葉「ハッキングと言いますか……電波系の工作活動は得意ですね…」


提督「…今度お前にパソコン買ってやろうか?」


青葉「良いんですか!」


提督「変なことに使わない限りはな。」


青葉「ありがとうございます!」


提督「…まあ、いつになるかわからんが……今の俺じゃ、本土に入れやしないからな」


青葉「気持ちだけでも嬉しいですよ!ありがとうございます!」


提督「……まあ、今はこれから来る台風にどう備えるかが問題だ」


青葉「台風ですからね……私たちみたいにまたSOSが飛んでくる可能性はあります」


提督「台風でも出撃させるのか⁉︎」


青葉「空母や戦艦は出撃させませんが、沈んでもいい艦…駆逐艦や軽巡などは遠征に行かせるところが多いです」


提督「…海軍には本当にクズしかいないんだな…」


青葉「ここみたいなところなんて一つもありはしませんよ」


提督「…クソッ!」


青葉「…優しいですね…」


提督「……どうだろうな」



V鎮守府



V提督「明日の遠征部隊を言う」


??「ちょ!ちょっと待ってください!」


V提督「なんだ?」


??「明日って台風ですよ!そんな時に海に出たら「黙れ!」!っ…」


V提督「お前らは役立たずだ!そんな奴が、この俺様に反抗するな!分かったか!」


??「……はい…」


??「…ここは大人しく言うこと聞くしかないよ…初霜ちゃん…」


??→初霜「うう…」


V提督「…編成を言う。旗艦を睦月とし、朧、初霜、白雪、深雪、白露とする。以上だ。分かったら部屋に帰れ!」


一同「はい…」



翌日



孤島鎮守府

ザーーーーーー


飛龍「……」


吹雪「大雨ですね…」


提督「台風だからな…」


飛龍「大丈夫でしょうか…」


提督「さあな……自然災害は予測できないから怖いんだ…」


吹雪「台風なんて無くなればいいのに…」


提督「いや…台風にもいいところはあるんだぞ」


飛龍「?どんな?」


提督「台風ってのは強い風が吹くもんだ。だから大気中に含まれる汚れを掃除してくれるんだよ。だから台風の次の日は空気が澄んでるよ」


飛龍「へぇ…」


吹雪「じゃあ、台風ってどうやってできるんですか?」


提督「台風の元は、熱帯低気圧だ」


吹雪「その低気圧ってなんなんですか?」


提督「…まず高気圧と低気圧の説明をしようか…」


提督「まず高気圧というのはだな、名前の通り気圧が高いんだ。気圧が高いと下降気流が発生する。だから、高気圧の周辺は晴れやすいんだ」


提督「逆に低気圧というのは、気圧が低いことを言う。気圧が低いと上昇気流が発生して雲ができやすくなる。だから、低気圧の周辺は曇ったり雨が降ったりする。」


吹雪「へぇー」


提督「で、台風の元である熱帯低気圧は、低気圧だからその中心には上昇気流が発生し、雲が大きくなる。そして、台風ができるんだ」


飛龍「なるほど……勉強になりました」


吹雪「ありがとうございます」


提督「…まあ…もっと詳しいことがあるんだが…俺もそこまでは知らんが、だいたいこんなものだと言うのは分かったか?」


吹雪「はい!」


提督「そうか。それはよかった」


飛龍「……」


吹雪「飛龍さん?」


飛龍「……こんな暴風の中でも、他のところは出撃させられているんだろうな…」


提督「……」


吹雪「……」



ザーーーーーー



白露「…寒い…」ブルブル


初霜「…どうですか?通信の様子は」


睦月「…だめ…こんな大荒れの天候じゃ、鎮守府と繋がらない」


深雪「……もう…私達は捨てられたんだな…」


白雪「……」


朧「……」


白露「……あ……めまいが……」


朧「…私も…頭がクラクラする…」


白雪「!しっかりしてください!」


睦月「まだ諦めたら駄目!生きて帰るんです!」


深雪「あんな鎮守府にか?」


睦月「う……でも……帰るところない…」


深雪「帰れるかもわからねえぞ」


初霜「…まだ…生きてる限り、希望はあります」


睦月「…!3時の方向に!高潮!逃げて!」


朧「え…?」


バッシャーーン!!


一同「キャアアアアアアアアアアア!!!!!!!」



初霜「プハ!…はあ…はあ…」


睦月「プフ!」


深雪「みんな無事か?」


白露「な…なんとか…」


朧「し…死ぬかと思った…」


深雪「……白雪は?」


初霜「え?」


睦月「……いない……」


深雪「白雪!」


白露「……まさか…」


深雪「なんだ!」


白露「今の波で沈んだんじゃ…」


睦月「…」


深雪「……そんな…」ガク


朧「……」


深雪「クソ!…クソ!」


初霜「…進みましょう…これ以上、犠牲を増やしてはいけません…」


朧「…うん…」


睦月「あ…あれ…?」


朧「どうしたの?」


睦月「何かが足を引っ張っているような…」


初霜「……⁉︎渦潮⁉︎」


深雪「……」


白露「う…うかつだった…まさか渦潮に巻き込まれるなんて…」


睦月「全力で抜け出すよ!」


初霜「分かってます!」


白露「…う…!」


睦月「白露ちゃん?」


白露「あ…ああ……」


初霜「どうしたの!」


白露「」気絶


睦月「白露ちゃん?白露ちゃん!」


朧「……気を失ってる…」


睦月「震えもいつのまにか止まってる…」


深雪「…」


睦月「…とにかく、抜け出すよ!」



数分後



睦月「なんとか抜け出せたね…」


深雪「……白露…」


初霜「白露さん、まだ気絶してるみたい…」


深雪「…」白露の胸に耳を当てる


深雪「……いや…」


睦月「?」


深雪「…もう……亡くなっているよ…」


初霜「……え…」


深雪「…もう…息もしてないし…心臓も動いてない…」


睦月「そんな!なんで!」


深雪「…分からない…私もさっきまで日頃の疲れで眠ってしまったのだと思ったんだけど…」


初霜「…確かに白露さんはこの中では一番よく提督にこき使われているけど…」


深雪「……そのせいなのかはわからないけどな…」カチャ


睦月「…⁉︎何してるの⁉︎」


深雪「……もう…覚悟はできてる…」


初霜「そんなことして何になるんですか!」


深雪「……白雪とはずっと一緒だった…一緒にいろんなことを乗り越えてきた…だから、いなくなったら私は…」


深雪「もう…生きていけない……」


初霜「待って!」


深雪「悪く思わないでくれ!」

ドカーーン!!


初霜「あ……あ……」


睦月「そんな…」ガク


睦月「…もう…何もかもめちゃくちゃだよ…」


初霜「……睦月さん?」


睦月「……そういえば朧ちゃんは?」


朧「……」ボーー


初霜「朧さん!何をしてるんですか!」


朧「……はやく…いこう…?」


睦月「……朧ちゃん?」


朧「……」ヒザカラクズレオチル


初霜「朧さん?」


朧「あ…ああ……あ…あ……あ……」


初霜「……」


睦月「どうなってるの?」


朧「……」


朧「…」


朧「」キヲウシナウ


初霜「え…」


朧「」


睦月「…!心臓の動きが弱まってきている!」


初霜「え!どうすれば」


睦月「……もう…駄目…いずれ死んじゃう…」


初霜「……そんな……」


睦月「……めまいがしてきた…」


初霜「睦月さん?」


睦月「……初霜ちゃん、こっち…」



少し進んで



睦月「この小さな島なら良さそうね…」


初霜「睦月さん?」


睦月「……もう、私も駄目だよ…」


初霜「え…?」


睦月「……どこか…遠くに行くから……大丈夫…SOS信号の座標もここにしておいたよ」


初霜「ちょ…ちょっと待って」


睦月「バイバイ。生き残ってね」ポタ


初霜「い…いや!行かないで!睦月さん!」


初霜「追いかけないと!」


初霜「!……なんで…燃料がないの?」


初霜「はっ!」


初霜「あの時…渦潮のせいで…白露さんを背負っていたのも私だから…」


初霜「…う……う…ひっく……そんな…こんなの夢と言って……」


初霜「嫌…!嫌!」



少し時間が過ぎ



初霜(…めまいがしてきた…)


初霜(このまま…死ぬのかな…)


初霜(……意識が遠のいていく…)



翌日の早朝



提督「やっと台風が過ぎたか…」


飛龍「はい。準備はできてます」


提督「分かった。じゃあ、頼んだぞ」


飛龍「はい!」


救助妖精A「急げ!みんな乗り込め!」


救助妖精B「……みんな乗り込んだよ!」


救助妖精A「それじゃあ、出発!」


救助ヘリ バババババババババババ



提督(…手遅れになる前に着くといいんだが…)



小島



バババババババババババ


初霜「う……あ……」


救助妖精C「大丈夫かい?」


初霜「…あなたは…?」


救助妖精C「君を助けにきたよ」


初霜「……」


救助妖精C「あともう少しで運んであげられるよ。だから、眠ったら?」


初霜「…うん…」





初霜「…うん…あ……」


初霜(…天井?)


提督「気がついたか?」


初霜「……あなたは?…!」


提督「ん?俺のこと知ってるのか?」


初霜「ああ…ああ……あの時千代田さんを連れ去った悪魔…」


提督「……」


飛龍「…無理もありませんよ…」


提督「…だけどよ…面と向かって言われるのはくるものがあるよ…」


初霜「ヒイ……私を一体どんな方法で処刑するの…?」


提督「……やらねえよ……」


初霜「……」


提督「…信用してないようだな…飛龍」


飛龍「はい?」


提督「千代田呼んできてくれ」


飛龍「分かりました」


初霜「…え…」



飛龍「連れて来ました」


千代田「何かご用ですか?」


初霜「あ…あれ…生きてる…?」


千代田「…あー……そういえば私、死んだことになってるんでしたっけ?」


提督「うん」


初霜「え?どうして生きてるの?それともあの時の千代田さんとは違う千代田さんなの?」


千代田「あの時処刑されかけた千代田ですよ。腕に釘の跡残ってますし」


初霜「…本当だ…」


初霜「でもどうして…」


千代田「提督が助けてくれました。あの時の言葉は私を連れ出すために言った嘘だったみたいです」


初霜「……へぇ…」


提督「ま、そう言うわけだ」


初霜「…先ほどはすみませんでした…悪魔なんて言ってしまって…」


提督「いや、もういい。それよりお前は休め」


初霜「そうさせてもらいます」


初霜「……」


提督「どうした?」


初霜「…実は…」


あったことを説明中


提督「……なるほど…お前以外に五人いたのか…」


初霜「…はい…しかしよく分からない謎の症状のせいで…」


飛龍「謎の症状…なんでしょうか……疫病かなんかでしょうか…」


提督「……いや違う。話を聞く限りだとそれは低体温症だ」


千代田・飛龍・初霜「低体温症?」


提督「体の体温が下がることによって起きるものだ」


提督「低体温症は怖くてな、軽度なら震え程度で済むが、中度になるとめまいや判断力の低下。心拍数が低下し、重度になると錯乱や幻覚が見えるようになり、さらに体温が下がると昏睡状態に陥り、最終的に死に至る」


初霜「……」


提督「…それぞれの死因をまとめると、白雪は波に呑まれて沈み、白露は日頃の疲れもあったせいで低体温症が加速し、そのまま息絶えて、深雪は白雪が沈んだことによるショックで自殺。朧は低体温症により意識がなくなり死亡。睦月は自分も低体温症だと気付いて初霜をあの小島まで連れて行った後そのまま消息不明…と言う感じだな…」


飛龍「……悲惨ですね…」


初霜「…睦月さんはどうしてあの場を離れたのでしょう…」


提督「…おそらく、睦月はみんなに起こっていた症状が何かの疫病だと思っていたのだろう…そして、自分もその疫病にかかったと思い、初霜に病気がうつらないように離れたんじゃないかな…」


初霜「…そんな…」


提督「…低体温症とは気づいてはいなかったから…疫病と思うのも無理はない…」


千代田「……」


初霜「…私…これからどうなるのでしょうか…」


提督「もちろんここにいるしかないな」


提督「初霜、お前に早速だが任務をやろう」


初霜「…なんですか?」


提督「自分のやりたいこと、好きなことを見つけろ。俺もできる限り協力する」


初霜「…え?」


提督「ま、何か困ったことがあったら俺に聞いてくれ。それじゃ、俺は戻る」

ガチャン


飛龍「……」


千代田「……」


初霜「…あの…」


飛龍「なんでしょうか?」


初霜「ここの提督は一体どんな人なんですか…?」


飛龍「……何から話そう……」



執務室



提督「……」カキカキカキ


縁羅「…兄さん…」


提督「なんだ?」


縁羅「…艦娘は何故、ここまで酷使されるのでしょうか…」


提督「……さあな……あいつら(海軍の人間)の考えが俺にはわからん…」


縁羅「……」


提督「…今は考えないでおこう…」


縁羅「そうですね…」




とある本土の街中




男「…」トボトボ


男「…不幸だ…」


男「…居酒屋で飲もう…」



居酒屋



店主「いらっしゃい!」


男「…小瓶一つ頼む…」


店主「了解」


男「……」クピクピ


男「…クソ!」




第二章 戦争に引き摺り込まれた男



数時間後



男「…うい〜…」


男「……あそこで休もう…」


男「……公園のベンチはいいな…ずっとこんなところにいられるのに…」


ベンチ いや意味わからんよ


男「俺なんか…妖精が見えるってなだけで軍役につかされるんだぜ?本当うらやましい…ん?」


瑞鶴「…ふう…」テクテク


男「…おい、そこのお嬢はん」


瑞鶴「え?私?」


男「ちょっと俺の悩み聞いてくれねえか…」


瑞鶴「…いいですよ…」


男「ありがてぇ」


瑞鶴「…で、悩みとは?」


男「実はな、俺さ、海軍に入らされているんだよ」


瑞鶴「!…」


男「ほんでよ…海軍に入らされた理由が妖精が見えるからだと」


瑞鶴「…」


男「…でもよお…俺は海軍になんて入りたくねえんだ。ずっと故郷の漁村で漁師をしていたいだけなんだ…」


男「俺はまだ…死にたくねえんだ…」ポタ


瑞鶴「……」


男「情けねえよな……大の男が泣くなんて…もう20歳だってのに…」


瑞鶴「……提督になるの?」


男「そうみたいだ…なりたくねえのに…」


瑞鶴「…そう……」


瑞鶴「……海軍内で私が信頼できる人がいる」


男「…え…」


瑞鶴「もう提督になると言うあなたの運命は変えられない。でも、提督になった後に、困ったときに力を貸してくれる人はいる」


男「…誰なんだ…」


瑞鶴「…海軍内で噂になってる人物の一人よ」


男「噂って…ホストみたいな見た目の提督か?」


瑞鶴「あいつはクズよ」


男「じゃあ…最近、出世が噂されてる少将か?」


瑞鶴「……あいつ…出世するの…」


男「そうなのか?」


瑞鶴「違うわよ。あいつのことは私大っ嫌いだから」


男「…じゃあ………」


男「最近、関東元帥と総元帥に縁を切られた社会のゴミと言われたやつか?」


瑞鶴「……一樹さんよ…」


男「え…」


瑞鶴「その人の名前。今じゃ、忘れられてるみたいね」


男「……あいつは極悪非道なやつだって聞いたぞ?」


瑞鶴「噂ではなんとも言えるわ。けど、私が信頼している人よ」


男「……あいつのどこが良いんだ?」


瑞鶴「…会ったらわかるわ。会ったときに私に言われて来たと言ったら助けてくれるはずよ」


男「……さっきから気になっていたんだが…」


男「お前、何者だ?」


瑞鶴「……ここであったことは他人に言わないと約束してくれる?」


男「…する…」


瑞鶴「…艦娘よ」


男「君が⁉︎」


瑞鶴「瑞鶴って言うの。私は脱走して来て今はこの社会に溶け込んでいるわ」


男「…なるほど…」


瑞鶴「絶対に言わないでね!」


男「わ、分かった」


瑞鶴「…私が言えるのはここまでよ。それじゃ」


男「おう、じゃあ」


男「……」



一ヶ月後



男「……ここか…」


??「あなたが提督ですか?」


男「ん?」


??→五月雨「五月雨って言います!よろしくお願いします」


男→健四郎「俺は䓔原 健四郎と言う。ここに配属となった提督だ」


五月雨「…間違いないようですね…これからよろしくお願いします!」


健四郎「よろしく」


五月雨「早速中を案内します。ついて来てください」


健四郎「頼んだ」



その後、一通り案内を済ませて

執務室



五月雨「ここが執務室です」


健四郎「……本当に軍人になっちまったんだな…」


五月雨「?」


健四郎「あ、気にしないでくれ」


五月雨「?分かりました」


健四郎(…瑞鶴さんの助言通り…まずは例の鎮守府に行ってみるか…)


健四郎「五月雨、君は艦娘なんだよな?」


五月雨「?はい」


健四郎「今から言うところに連れて行ってくれないか?」


五月雨「…どこですか?」


健四郎「…ここから南東に位置する孤島だ」


五月雨「ここから南東……え………」アオザメル


健四郎「……頼む…」


五月雨「……正気ですか…?」


健四郎「…ああ…」


五月雨「あの…悪魔のいる孤島に…?いやですよ!」


健四郎「……悪魔ってのは噂上だろ…?」


五月雨「でも……あんなことしたから…」


健四郎「……何をしたんだ?」


五月雨「……映像で見せられたんだけど…」



説明中(千代田の映像について)



健四郎「……分かった……じゃあ俺が自力で行く」


五月雨「⁉︎何故ですか!」


健四郎「そんな映像だけでその人を悪魔とは言い難い。俺はこの目で確かめねえと信じない人間なんだ」


五月雨「………」


健四郎「…俺は一回あの人に会う。もしお前は会いたくないんだったら、俺一人で行く」


五月雨「…分かりました…私も行きます!腹を括ります!」


健四郎「…ありがとう」


五月雨「……今から行きます?」


健四郎「もちろんだ。早い方が良い」


五月雨「分かりました。では、あの船に乗ってください。操縦は私がします」


健四郎「いや、大丈夫だ。俺でもできる。ここに来る前は漁師をやっていたからな。船舶免許を取るときに、一応大型船舶も取っておいた」


五月雨「そうだったんですか!」


健四郎「ああ、だから俺に任せてくれ」


五月雨「ありがとうございます!」


健四郎「さあ、行くぞ!」



数時間後

孤島鎮守府



飛龍「提督、沖に船が」


提督「船?どうして船が?」


飛龍「こちらに向かって来ているようです」


提督「……一応警戒しておこう…みんなには?」


飛龍「伝えています」


提督「俺とお前が出る。他のものは隠れてくれ。と言って来い」


飛龍「分かりました」



接岸地点



健四郎「……」


五月雨「……ここが……孤島鎮守府…」


提督「…ここに何の用ですか?」


五月雨「ヒッ!悪魔!」サッ


健四郎(俺の後ろに隠れるな…)


提督「……悪魔…ね…」


飛龍「まあ…仕方がありませんよ…」


提督「…何のようで?」


健四郎「…あなたが、一樹さんですか?」


提督「⁉︎……俺の名前知ってるのか…?」


健四郎「……やっぱり……瑞鶴という艦娘はご存じで?」


飛龍「瑞鶴?」


提督「……いや。知らないな」


健四郎「その人に言われて来ました。困ったことがあればあなたを頼れと」


提督「……なるほど。会ったのか」


健四郎「一ヶ月ほど前に…」


提督「…何かあったのか?」


健四郎「…実は私…」



今までのこと説明中



飛龍「……酷い話ですね……」


提督「ああ、気持ちは痛いほどわかる。俺も同じだからな」


健四郎「…ありがとうございます」


健四郎「それで…相談なんですけど…」


提督「聞こう。」


健四郎「…これから、どうして行ったら良いのかわからなくて…」


提督「……絶対条件としては、艦娘には普通の人間として接し、自由にしてやると良い」


五月雨「…え?」


提督「その方が幸せだろ?……なんていうんだ?名前」


五月雨「あ、五月雨です」


提督「五月雨か。お前は束縛され、罵られ、疲れてもなおずっとこき使われるか、何も囚われずに嫌な事は嫌と言ってやりたいことをしても構わない生活を送るか、どっちが良い?」


五月雨「…それは…何も囚われずに自由に生きる方が良いですけど……私は兵器です…物です…そんな望みは許されません…」


提督「…兵器じゃない…」


五月雨「え?」


提督「お前らは兵器ではなく兵士だ。つまり、物じゃなくて者なんだよ」


五月雨「…物じゃなくて…もの??」


提督「物じゃなくて人。と言った方がよかったな…すまん」


五月雨「…人…私が…人?」


提督「正確には人じゃないかもしれないが、感情はあるだろ?だから、生き物であることには変わりはない」


五月雨「……そう…ですか…」


五月雨「……嬉しい……」ポロポロ


健四郎「…確かに…感情はあるな…」


提督「ま、そういうことだ。まずは自分の部下を大切にしろ。そこからでないと、良い事は起きんぞ」


健四郎「はい!ありがとうございました!」


提督「また困ったことがあれば来い。相談に乗ってやる」


健四郎「はい!これからもよろしくお願いします!」


提督「ああ。じゃ」


健四郎「今日はありがとうございました」






飛龍「…行きましたね…」


提督「ああ。」


飛龍「…あの人は…良い人みたいですね」


提督「…これからどうなるのかに期待してみよう」



健四郎の船の上



健四郎「……結構いい人だったな…」


五月雨「…じゃあ何故あんなことを…」


健四郎「……何かわけがあるんじゃないか?」


五月雨「…それとも…今は優しく振る舞って後から……」


健四郎「……どうだろうな…」


五月雨「……うん?」


健四郎「どうした?」


五月雨「あそこに何か浮いてる…」


健四郎「どれどれ…」双眼鏡


健四郎「……!人だ!」


五月雨「え⁉︎」


健四郎「助けるぞ!」


五月雨「は、はい!」



健四郎「スウ〜……ほ!」ドボーン!


五月雨「え…」


健四郎「よし!掴んだ!」


健四郎「船に引き上げるぞ」


五月雨「はい!」


健四郎「よっこらせ!」


五月雨「よいしょ、よいしょ」


健四郎「よし!鎮守府に早く帰るぞ!」


五月雨「分かりました!」



孤島鎮守府



縁羅「…なるほど…健四郎さんを使って海軍の現状を知るということですか……」


提督「使うって言い方はちょっと違うが、まあその通りだ」


飛龍「…ここの電話番号を教えたのもそれが狙いというわけですか…」


提督「ああ。」


リヴァイアサン「……確かに…海軍の今の状況は知っておくに損はありませんから」


クラーケン「でも、その人本当に信用できるんですか?」


提督「…ああ。信用できる。俺には分かる。あいつがいい人間だって事はな」


提督「裏切ったらその時はその時だ」


飛龍「……」


提督「ま、様子を見てみよう」



健四郎の鎮守府

医療室



健四郎「これでいいのか?」


五月雨「はい。これで目が覚めるのを待ちましょう」


健四郎「…しかし、目立った外傷がない…どうやら戦ってああなったわけではなさそうだ」


五月雨「起きたら事情を全部聞きましょう」


健四郎「……ところで…五月雨」


五月雨「なんでしょうか?」


健四郎「…この鎮守府、名前なんて言うんだ?」


五月雨「え!知らないんですか!」


健四郎「何も言われずにここに行けと言われたからな」


五月雨「…そうですか…ここの鎮守府の名前は」



突然ですがここでリクエストを取ります。

健四郎の鎮守府の名前は何が良いでしょうか?

コメント欄に書いてください



→良野鎮守府



五月雨「良野鎮守府です」


健四郎「良野か……分かった」


五月雨「覚えてくださいね!」


健四郎「分かってるよ」



数時間後



??「う……ん………」


五月雨「!目を覚ました!」


??「……ここは…?」


健四郎「良野鎮守府だ」


??「良野鎮守府……」


五月雨「あなたのお名前は?」


??「私は……」


??→白雪「白雪と言います」


健四郎「白雪か……大丈夫か?何か悪いところはないか?」


白雪「だ…大丈夫です…」


五月雨「…どうして漂流していたのですか?」


白雪「……えっと……」


白雪「…高波に襲われて…それで…」


健四郎「それで?」


白雪「……記憶がそこで途切れています……」


健四郎「…なるほど…」


五月雨「所属の鎮守府はどこですか?」


白雪「…V鎮守府です…」


健四郎「そうか…じゃあ戻れるように手配をしよう」


白雪「…はい…」


健四郎・五月雨(…ん?)



執務室



健四郎「……戻りたくなさそうな返事だったな」


五月雨「そうですね…何か訳がありそうです」


健四郎「…早速相談するか……」



プルルルル プルルルル プルルガチャ

提督『もしもし』


健四郎「一樹さん、相談よろしいですか?」


提督『いいぞ』


健四郎「ありがとうございます。今日の帰り道に漂流している艦娘を助けたんですが…その娘がどうも元の鎮守府には戻りたくなさそうで…」


提督『名前は?』


健四郎「白雪と言うみたいです」


提督『白雪……吹雪の妹だな』


提督『所属は?』


健四郎「V鎮守府だそうです」


提督『…V鎮守府…』


健四郎「高波に襲われてそこから覚えてないらしくて…」


提督『……………生きてたとは……』


健四郎「…え?」


提督『…ま、戻りたくないって言うんだったら、そっちで居させてあげれば良い』


健四郎「分かりました。しかし…大丈夫なんでしょうか…」


提督『もう大丈夫だろ。それじゃ、頑張れよ』


プー プー プー


五月雨「……」


健四郎「……とにかく、一度医療室に行こう」


五月雨「はい!」



医療室



健四郎「どうだ?体調は?」


白雪「おかげさまで良くなりました」


健四郎「それは良かった。それで…これからについてなんだが…」


白雪「…」


健四郎「ここに居ないか?」


白雪「…え…」


健四郎「元の鎮守府が嫌ならここにいれば良い。俺は別に構わん」


白雪「…良いんですか…?」


健四郎「ああ、こっちも仲間が増えるから大歓迎だ」


白雪「…ありがとうございます」


健四郎「いいよ。お前を捨てるようなことなんてしないから」


白雪「……分かりました…」


健四郎「これからよろしく」


白雪「よろしくお願いします」


五月雨「私は五月雨と言います。よろしくお願いします」


白雪「よろしくお願いします」



孤島鎮守府

執務室



初霜「白雪ちゃんが…生きてる⁉︎」


吹雪「本当ですか!」


提督「ああ。今日来たあの提督が保護したらしい。近いうちに会えると思う」


初霜「よ…良かった…」ボロボロ


吹雪「うう…良かった…」ボロボロ


提督(……きっとあの提督なら大丈夫だろう)



翌日



初霜「…もしもし…」


白雪『!初霜さん!生きていましたか!』


初霜「白雪さん!本当に良かったです!」


白雪『良野鎮守府の司令官に助けてもらいました。そっちはどうやって助かったのですか?』


初霜「ここの提督が救助してくださいました」


白雪『…そちらの鎮守府はなんと言う鎮守府ですか?』


初霜「孤島鎮守府です」


白雪『……え?』


初霜「孤島鎮守府です」


白雪『……え……』


白雪『…本当?』


初霜「はい。本当です」


白雪『えええええーーーーーーー!!!!!!』


白雪『孤島鎮守府ってあの悪魔がいる…』


吹雪「こら!白雪!そんな言い方しない!」


白雪『その声は…もしかして吹雪お姉ちゃん⁉︎』


吹雪「そうです!」


白雪『大丈夫なの⁉︎そこにいて…』


吹雪「ここの司令官は噂とは真逆の人間だよ!」


白雪『そ…そうなの…』


初霜「それは間違いありませんね」


白雪『…ごめんなさい…』


吹雪「分かればいいのです!」


白雪『……初霜さん以外の方々は?』


初霜「……」


吹雪「……」


白雪『…え…』


初霜「……ごめんなさい…」


白雪『…そんな…』


初霜「助けられたのは私だけ…あとは…もう…」


白雪『……うう……』


初霜「…泣きたいのはこっちも同じです。でも、いつまでも引きずっては行けません」


白雪『…そうですね……これから頑張って生きましょう!みんなのために!』


初霜「うん!」


吹雪「白雪、そっちでも頑張って」


白雪『ありがとう!吹雪お姉ちゃん!』


吹雪「それじゃ」


白雪『また会いましょう!』


初霜「バイバイ」


ガチャン


初霜「……深雪さんのことはタイミングを見計らってから言いましょう…」


吹雪「それがいいですね…今言うとショックでどうなるか分かりませんし……私も辛いですし…」ポロ


吹雪(…深雪…安らかに眠って…)



執務室



提督「…何だと?」


飛龍「…もう一度言ってくれませんか?」


健四郎『総元帥がどうやらリヴァイアサンと言う戦艦を欲しがっていて、全国の鎮守府に調べを入れたらしいです。しかし、一ヶ月経っても見つからないため、戦艦リヴァイアサンは横須賀提督の空想上の艦娘と言う結論を出したそうです』


提督「……そうか…」


健四郎『…あなたも戦艦リヴァイアサンを狙っていたんですか?』


提督「いや…違う。実はだな…」


健四郎『?』


提督「戦艦リヴァイアサンはうちにいるんだよ…」


健四郎『……へ…』


健四郎『……マジですか…』


飛龍「マジです」


健四郎『…それは…良かったってことですかね…』


提督「ああ!ありがとう!」


健四郎『よかったです』


提督「教えてくれてありがとな」


健四郎『いえいえ、困った時はお互い様です』


提督「話は以上か?」


健四郎『はい。もうありません』


提督「そうか。それじゃ切るぞ」


健四郎『お元気で。では』


ガチャン


飛龍「…よかったですね」


提督「ああ。これでリヴァイアサンを狙う輩は増えん」


飛龍「…そういえば…提督」


提督「どうした?」


飛龍「この前、海に出た時に妙な艦娘を見つけたんですよ」


提督「妙な艦娘?」


飛龍「なんか…話しかけても応答せず…まるで自分の意思では動いていないような…誰かに操作されてるような動きをしているんです」


提督「……」


飛龍「提督?」


提督「……何か…また一波乱ありそうな気がする…」


飛龍「……」




第三章 挙動不審な艦娘




数日後



伊168「……」ブクブクブク


リヴァイアサン『どうですか?何か分かりましたか?』


伊168「…やっぱり、頭につけてる変な装置が原因だろうね…」


飛龍『そうですか…』


飛龍(動きが不審な艦娘達を初めて見てから数日……彼女達は何回か孤島鎮守府近海に姿を表すようになった…)


飛龍(気づかれないようにこっそり監視して分かったのは、頭に変な機械が付けられていること)


飛龍(多分あの機械のせいでああなってるに違いない。それで提督が出した命令は彼女達の誰か一人を連れ去ること)


飛龍(今はイムヤさんに感づかれないように監視してもらってる)


飛龍「…隙を見て連れ去ることができればいいんですが…」


ヴェールヌイ「…今は機会を待とう…」


伊168『…?あれ?』


リヴァイアサン「どうかしましたか?」


伊168『…連れ出せるかもしれない…」


飛龍『え?』


伊168「私から見て3時の方向に敵!」


クラーケン『本当!?』


伊168「交戦するみたい」


飛龍『…大丈夫ですかね…』


伊168「敵は戦艦二隻、重巡二隻、空母二隻だね」


飛龍『…対するこちらは…』


伊168「空母一隻、駆逐艦四隻、軽巡一隻だね」


飛龍『勝てる要素がありませんね…』


伊168「あ!どうやら逃げるみたい」


ヴェールヌイ『賢明な判断だね』


伊168「だけど敵戦艦から放たれた砲弾が空母にあたっちゃった…大破してる…」


飛龍『……その空母を連れてこれませんか?』


伊168「分かった!連れてくる」



伊168「さあ捕まえたよ!」ガシ!


伊168「このまま逃げるよ!」


ビューーーーーー




飛龍「お疲れ様」


伊168「全速力で逃げてきたよ…」


ヴェールヌイ「他の人達はどうなるんだろう?」


伊168「足は速いから逃げられると思うよ」


リヴァイアサン「逃げられることを祈りましょう…」


飛龍「……さて…問題はこの人をどうするか……」


伊168「とりあえず医療室まで運ぼう」



孤島鎮守府

執務室



提督「…そうか。気をつけて帰って来いよ」


縁羅「…兄さん…」


提督「……クソ!自分の欲のためなら部下なんてどうなってもいいのか!」


縁羅「……」


提督「……胸糞悪い話だ…」


縁羅「……」



翌日



??「う……ん……」


時雨「目を覚ましたかい?」


??「……ここは……」


提督「ここは孤島鎮守府だ」


??「孤島鎮守府…………………え……」


提督「……俺はここの提督だ」


??「あ……」


提督「あ?」


??「悪魔……」


提督「誰が悪魔じゃい!」


時雨「あんな大胆なことするからでしょ」


提督「しょうがなかったじゃないか…ああするしか助けられなかったんだから…」


時雨「しばらくは言われ続けられるだろうから我慢するしかないね」


??「……」


提督「…名前は?」


??「…私は…」



安価をとります。

この空母は誰?

誰でもいいです。


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→鳳翔



鳳翔「航空母艦鳳翔です」


時雨「ふーん…」


時雨「確か航空母艦の母と言われた人?」


鳳翔「確かに私は世界初の航空母艦ですが…」


提督「…まあ今はそんなことはどうでも良い。それよりも所属はどこだ?」


鳳翔「…J鎮守府です…」


時雨「J鎮守府…特に目立った鎮守府ではないね」


提督「…J鎮守府はどんなところだ?」


鳳翔「……」


提督「?どうした?」


鳳翔「…言えません…」


提督「どうして?」


鳳翔「……命令です…J提督からの…」


提督「命令?」


鳳翔「……言ったら…消されます…」


時雨「…え?」


鳳翔「……だから…言えません……」


提督「……安心しろ。ここにお前を消すような奴はいない」


鳳翔「……」


提督「…信用できないって?時雨、」


時雨「何だい?」


提督「千代田呼んでこい」


鳳翔「…え?」


時雨「分かった」


ガチャン


鳳翔「……どう言うつもりですか?」


提督「あの時処刑されかけた千代田は生きている」


鳳翔「……」


提督「ま、自分の目で確かめろ」


ガチャ


時雨「連れてきたよ」


千代田「またですか…」


鳳翔「…九州元帥の千代田さん?」


千代田「はい。」


鳳翔「……」


千代田「これでどうですか?」腕を見せる


鳳翔「⁉︎」


時雨「…いつ見ても痛々しいね」


鳳翔「…本当に…生きているのですか…?」


千代田「はい」


鳳翔「…ああ…」


提督「鳳翔?」


鳳翔「よかった…よかった…」ボロボロ


千代田「…」


時雨「複雑な気持ちかい?」


千代田「…ええ…」



鳳翔「先程は悪魔なんて言ってしまいすみませんでした!」


提督「別に気にしてねえよ」


鳳翔「…では、話させてもらいます」


鳳翔「J鎮守府は他の鎮守府同様、私たち艦娘を酷使しています…」


鳳翔「……物として……」


提督「……」


鳳翔「…J提督は…どこから手に入れたのかもわからない機械を、出撃時に私たちの頭に取り付けるんです…」


提督「…それがあの装置か」


鳳翔「……取り付けられた後、そこから意識がなくなるんです……そして…目覚めた時に…」


鳳翔「とてつもない過労に襲われるんです」


提督「……」


鳳翔「…その過労に押しつぶされ、弱い娘はすぐに息絶えるんです」


時雨「…極限も優に超えるほどコントロールされている間は働かされるんだね…」


鳳翔「……そんなふうに…息を引き取って行った娘を何人も見てきました……」


鳳翔「その度に…自分もいつかはこうなるんだと…怖くて……うう…」ポト…


提督「……もう良い。辛かっただろう…休め」


鳳翔「ありがとうございます」


提督「………」


提督「…それじゃ、時雨、あとは頼んだぞ」怖い顔


千代田「⁉︎」


鳳翔「⁉︎」


時雨「⁉︎…分かったよ」


ガチャン


時雨(……提督のあんな顔…見たことがない……)


鳳翔(こ…怖い……)


千代田(…艦娘のためにあんな顔ができるんだ……優しいな…)



執務室



提督「……クソが…」


飛龍「…どうしたのですか…?」


提督「……鳳翔の話を聞いてな……あのJ提督に腹が立ってきた」


飛龍「……」


縁羅「……何かするのですか?」


提督「…いや。こっちに干渉してこない限り、何もしない」


縁羅「…そうですか…」


提督「…だが…奴は鳳翔のことを探しにくる可能性が高い」


飛龍「何故そう思うのですか?」


提督「鳳翔話から、奴はあの装置を海軍に秘密で使っているそうだ。その証拠に鳳翔や他の艦娘達にも、口止めをしている」


提督「もし、鳳翔が他の海軍関係者にマインドコントロール装置の存在を暴露すると、J提督の立場が危なくなる上に、下手すると処罰を受ける可能性だってある」


飛龍「…なるほど…」


縁羅「…じゃあ…ここにきた時はどうしましょう…」


提督「…その対策を今考えている」


飛龍「…」


提督「…大丈夫だ。何とかする」



三日後



提督「どうだ?調子は?」


鳳翔「おかげさまですっかり良くなりました」


提督「そうか。それはよかった」


鳳翔「…あの…」


提督「どうした?」


鳳翔「…J提督がここにきた時はどうするのですか?」


提督「…まだ定まっていない。J提督がどんな人間なのかが分かれば良いんだが…」


鳳翔「…J提督は…目の前にあるものが自分にとって良い物ならなんでも取る性格です。自分の思い通りにならなかった時は、私たちに八つ当たりしてくる人です…」


提督「…自分の思い通りにならないと八つ当たりね……」


提督「…J提督はどんな艦娘を持っているんだ?」


鳳翔「…まだ戦艦が一隻いるくらいで…後は駆逐艦や軽巡洋艦などです」


提督「…空母はお前だけなのか?」


鳳翔「はい…」


提督「…じゃあ目の前に立派な空母がいれば欲しがるだろうな」


鳳翔「はい。間違いありません。ですが…ここにJ提督が目をつけるような娘は居ませんよ…空母でも千代田さんだけですし…」


提督「……お前…医療室では時雨と千代田以外会ってないのか?」


鳳翔「はい…提督が出て行った後すぐに眠ってしまいましたから…」


提督「……そうか……」


飛龍「あ、鳳翔さん目を覚ましましたか」


鳳翔「え?」


飛龍「初めまして。二航戦の航空母艦飛龍です」


鳳翔「え…あ…二航戦⁉︎」


飛龍「はい」


鳳翔「え……正規空母居たんですか…」


飛龍「はい。私以外に正規空母は二人」


鳳翔「ええええ!!」


飛龍「同じ二航戦の蒼龍と一航戦の加賀さんです」


鳳翔「…あう…」


提督「ここは印象の割に戦力は結構あるぞ」


鳳翔「…他にはどんな方が居るのですか?」


飛龍「えっと…駆逐艦は暁さんとヴェールヌイさんと電さんと雷さんと初霜さんと時雨さん。軽巡洋艦は長良さんと川内さんと神通さん。重巡洋艦は青葉さんと衣笠さん」


提督「ちなみに千代田は改造を受けて軽空母になってる」


鳳翔「…はあ…」


提督「あと、戦艦がリヴァイアサンとクラーケンが居るな」


鳳翔「…え?もう一度お願いします」


提督「戦艦はリヴァイアサンとクラーケンが居る」


鳳翔「もう一度」


提督「戦艦はリヴァイアサンとクラーケンが居る」


鳳翔「ええええ!?!?!?」


提督「ガチだ」


鳳翔「あの…62cm砲を五基二十門搭載した…」


提督「ああ。ついでに、クラーケンはリヴァイアサンの妹だ」


鳳翔「…なんと…」


提督「ま、そんなもんだ。うちは」


鳳翔「あわわわわ!」


鳳翔「……じゃあ……もしここにJ提督が来たら…」


提督「お前の話から聞いた奴じゃ、大喜びするだろう」


鳳翔「…大丈夫…なんですか?」


提督「何とかする」


飛龍「…大丈夫です。鳳翔さんは必ず守ります」


鳳翔「え…」


提督「当たり前だ。お前もあそこには戻りたくないだろ?」


鳳翔「…そうですけど…それでは提督「大丈夫だ」


提督「ちゃんと策は練っている。お前が奴の性格を話してくれて助かった」


鳳翔「…ありがとうございます」ボロボロ


提督「いいって」


飛龍「…それで…策とは…」


提督「ああ、それはな……」



翌日



飛龍「…提督…こちらに向かってきました」


提督「やっぱりか…」


提督「接岸地点に行ってくる」



接岸地点



J提督「…嫌な島だ…」


J憲兵A「本当でありますな」


J提督「さっさと用件済ませて帰るぞ」


J憲兵B「了解であります」


提督「ようこそ。孤島鎮守府へ」


J憲兵A「貴様がここの提督か」


提督「はい」


J提督「…その顔…クズで間違いないようだな」


提督「それで?用件は?」


J提督「ここに鳳翔という空母が来なかったか?」


提督「ああ、来ましたよ。今ここで保護しています」


J提督「そうか。早く連れてこい」


提督「了解しました」


3分後


提督「お待たせしました」


J提督「⁉︎」


鳳翔「……」飛龍に連れられて


J提督「……」


鳳翔「……」


飛龍「……」


J憲兵B「…?提督殿?」


提督「どうされました?」


J提督「まさか…お前は…」


J提督「正規空母飛龍ではないか!何故こんなところに!」


飛龍「ここに配属しているからです」


J憲兵B「正規空母飛龍って?」


J憲兵A「二航戦の航空母艦だよ!提督殿が欲しがっていた!」


J憲兵B「え!マジかよ…」


J提督「…おい!そこのクズ!」


飛龍「」イラ


提督「はい?」


J提督「この飛龍はどうやって手に入れた!」


提督「え、あ…この島に流れ着いてきました」


J提督「…なるほど……そうだ…」


提督「?」


J提督「その飛龍をこっちに明け渡せ!」


提督「…はあ!?」


提督(予想通り…飛龍に目をつけたか)


J提督「こいつはいい戦力になる。これほどのものを、ここで腐らせてはいかんだろ?」


J提督「だから、俺が使ってやる。俺ならお前みたいなクズと違って戦果をちゃんと挙げられるからな」


提督「それは無理です」


J提督「…ほう…少尉のお前が、少佐の俺に逆らうってのか?」


提督「まず、あなたは彼女のことを全く理解していない。あなたの感覚で言えば、使い方が分かっていないということです」


J提督「使い方など…拷問なり何なりすれば、従う。それに、俺にはこれがあるからな」スッ


提督「…マインドコントロール装置…」


J提督「よくわかっているじゃないか。鳳翔が話したのか」


提督「…それでどうするつもりで?」


J提督「これを…飛龍の頭にかぶせる!」ガシッ!


飛龍「嫌!放して!」


J提督「俺の所有物が持ち主に逆らうな!大人しくしr」

ドカーーン!!

J提督「ウワアアアアアアア!!!」


J憲兵A・B「提督!!??」


提督(…時雨か)


時雨「」オヤユビヲタテル


J提督「ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!………代わりを持っtゴホッ!ゴホッ!…ゴホン!」


J憲兵A「た、ただいま!」タッタッタッタッタッタ


J提督「…クソう…」


飛龍「…放してください」ドカッ!

J提督「グフッ!」


提督「飛龍、大丈夫か?」


飛龍「何とか…」


J提督「!おい、俺よりそいつの心配をするのか?これだからゴミは」


飛龍「…」ブチッ


J憲兵B「たっ大変です!提督!」


J提督「どうした?」


J憲兵A「マインドコントロール装置が…」


J憲兵A「全て破壊されました!」


J提督「なに⁉︎」


提督(…よくやった川内、神通)


J提督「っ……貴様………」


提督「はい?」


J提督「一体何をした!どんな手を使った!」


提督「いえ。何も。ただここに突っ立っていただけです」


J提督「……」ギリリリリ


提督(おお怖い怖いw)


J提督「…まあいい。とりあえず、飛龍を船に乗せて引き上げるぞ!」


飛龍「…はい?」


J提督「はい?ってなんだはい?って…お前はもう俺のものだから」


飛龍「いえ意味がわかりません。いつ、私はあなたのものになったのですか?」


J提督「今日だ」


飛龍「私はなった覚えはありません。私は今日も明日もここの配属です」


J提督「いいや、今日からは俺の物だ。このクズから離れられるんだ。ありがたく思え」


飛龍「」イラ


提督「失礼ですが、私もあなたに飛龍を渡した覚えはJ提督「ゴミはゴミらしく黙っとれ!」


提督「…」


J提督「だいたいさ、お前のせいでこのマインドコントロール装置壊れてんだよ。弁償して欲しいよマジで。それをこいつで手を打つって言ってるんだからさ、感謝の言葉とかないの?あ、ゴミだから人のこと分からないんだったなw」


提督「…」


J憲兵A「そうだそうだ。大人しく従え」


提督「…わかりました…しかし、責任は取れませんよ」


J提督「別に良い」


J提督「ゴミのお前に責任なんぞとって欲しくないわ」


J提督「感謝の言葉もろくに言えないクズはここで腐ってろw」


飛龍「…………………」



時雨「…あいつ撃ち抜こうかな?」


川内「確かに腹立つね」


神通「」イライライライラ


蒼龍「…でも…あれ…明らかにやばいよね…」


クラーケン「?蒼龍さん?」


蒼龍「あれ…もうすぐで爆発するんじゃない…飛龍」


ヴェールヌイ「…確かに…あそこまで怒っているのは初めて見るね…」


電「はわわわ」


雷「はわわわ?」


暁「レレレレディはははここここわがらららないのよよよよ」ガクブルガクブル


吹雪「思いっきり怖がってるよ…」


長良「無理もないよ…ここまで殺気が漂っているんだもん…」


青葉「背筋がゾクゾクしますね…」


衣笠「確かに…威圧がすごい…」


加賀「飛龍さん…大丈夫でしょうか……⁉︎」


リヴァイアサン「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


加賀(ここからもすごい殺気が…)


千代田(無言の殺気って怖いですね)


加賀(千代田さん…脳内に直接…)


初霜(私も怖いです)


加賀(初霜さんまで!)


伊168「…落ち着いて…リヴァイアサン…飛龍さんが何とかしてくれるよ…」


縁羅「そうですよ」無言の怒り


伊168「縁羅さんも抑えて」



J提督「さあ、ここで時間を潰すのももったいない。行くぞ」


飛龍「嫌です」


J提督「うるせえ!命令だ!」


飛龍「あなたの命令なんて聞きたくありません」


J提督「何だと…?」


飛龍「私に命令していいのは提督少尉だけです。それ以外の命令は、たとえ総元帥といえど聞きません!」


J提督「この愚か者が!」


飛龍「愚か者で結構です」


J提督「何故だ!何故俺の命令を聞かずにそこの脳のないゴミの命令なんぞ聞くのだ!」


飛龍「……さっきから提督のことをゴミなどクズなど言って……」プルプル


J提督「なんだ?他にどんな呼び方がある?」


飛龍「……もう……限界……」


J提督「何がだ?」


飛龍「あなたの存在よ!」


J提督「!?」


J憲兵コンビ「!?」


飛龍「……もう目に映るだけで気分が悪くなる……とっとと…」キリキリ


J提督「⁉︎おい!まさか!」


飛龍「地獄に落ちろ!」パシュ!


彗星改二 ブーーーーン


J提督「!お、おい!逃げるぞ!帰るんだ!」


飛龍「遅い!」


彗星改二 ブーーーーン

ヒュ〜


ドカーーン!!



J憲兵A「ウワアアアアアアア!」


J憲兵B「だっ大丈夫か?」


J憲兵A「ああ。バランス崩しただけや」


飛龍「…次は当てます」


J提督「おい!急げ!逃げるんだ!」


ドカーーン!!


彗星改二 ズダダダダダダダダ


J提督「う!う!う!」

バタン



時雨「あーあ…」


ヴェールヌイ「止めようがないね」


神通「…あのまま沈めばいいのです…」


川内「だね」


電「……」


長良「……と、提督がなだめたみたい」


吹雪「…まあ…沈めたら沈めたでまた厄介なことになりますからね…」


リヴァイアサン「…少々…イライラが残りますが…」


ヴェールヌイ「多分また一悶着起きると思う」


クラーケン「…もう会いたくないけど…」


加賀「でも、いつかはあのJ提督に一生の爪痕を残したいです」


蒼龍「あの機銃の跡はしばらく残るでしょう…」


少しして


提督「ありがとう」


飛龍「いえいえ」


時雨「今回も災難だったね」


鳳翔「……」


提督「……あの野郎…飛龍が目の前に現れたら鳳翔なんて眼中にないってか…」


鳳翔「…」ウツムキ


提督「そう落ち込むな。これからがある」


鳳翔「……提督…あとで相談があります…よろしいでしょうか?」


提督「?いいよ」


飛龍「相談?」



執務室



提督「で?相談とは?」


鳳翔「……普通の人間として行きたいんです」


提督「…そうか…」


鳳翔「…ですから…私を人間としてここにおかせてもらえないでしょうか?」


提督「……部分解体…」


鳳翔「……え…解体…」


提督「部分解体という方法がある。ついてこい」



工房跡地



鳳翔「…ここは…」


提督「もともと工房だった場所だ。今は見る影もないが」


鳳翔「……それで…これは…」


提督「これが部分解体機だ。艦娘から人に変える装置だ」


鳳翔「……艦娘から人に……そんなこと本当にできるんですか?」


提督「ああ。現にこの鎮守府にいる吹雪は部分解体を行い、人間になっている」


鳳翔「……そうなのですか…」


提督「…で?どうする?やるか?」


鳳翔「…はい。是非とも」


提督「……言い忘れていたが、実行したあと、艦娘には戻れないぞ。それでもいいのか?」


鳳翔「はい!」


提督「…後悔はないな?じゃあ行ってこい」


鳳翔「分かりました」



翌日

執務室



提督「という訳で、今日からここでみんなの食事を担当することになった鳳翔だ」


鳳翔「よろしくお願いします」ペコリ


提督「みんな、仲良くやってくれ」


鳳翔(提督、ありがとうございます!)



こうして、孤島鎮守府に食堂を担当する鳳翔が仲間に入った。また、孤島鎮守府は賑やかになったのである


その頃……


???


??「……孤島鎮守府…縁羅ちゃん…今迎えに行くよ!」


??「僕の艦隊であのゴミクズを、海の底に沈めてやろう」


??「フフフ…待っててね縁羅ちゃん」



縁羅「⁉︎」ゾクゾクゾク!


提督「⁉︎」ゾクゾクゾク!


クラーケン「?提督?」


提督「あ…ああ、問題ない」


リヴァイアサン「風邪ですか?」


提督「…さあ…」


提督(…いや…違うな…)


縁羅(……嫌な感じ…何かまた厄介なことが起こる前触れかしら?)




第四章 ホスト風の見た目の提督



執務室


ガガッ ガーーーーーーーーー


飛龍「?プリンターが動いてる?」


飛龍「…書類?どれどれ………………⁉︎」


飛龍「提督!」


提督「どうした?」


飛龍「プリンターからこんな物が!」


提督「…なになに…果たし状?」


提督「やあ、ゴミクズ。これから貴様の鎮守府に行って僕の艦隊でお前を討ち取りに行く。死にたくなければ大人しく僕の妻、縁羅ちゃんを解放しろ……K提督より…」


飛龍「……」


提督「……なにこれ…」


飛龍「分かりませんよ!」


ガチャ


時雨「遠征から戻ったよ」


提督「おお、ご苦労さん」


時雨「……どうしたの?」


提督「実はな…さっきこんな内容の書類が来てな……」


時雨「…………………K提督…ね……」


提督「時雨、知っているのか?」


時雨「彼の鎮守府には一度行ったことはあるね」


飛龍「…じゃあこの人のこと…詳しく教えてくれない?」


時雨「…いいよ」


時雨「彼は僕が今まであってきた人の中で一番嫌いな人間だよ」


時雨「実家は大金持ちらしい。そのせいで、わがままで自己中で、少しでも自分の思い通りにならないと、何かに八つ当たりする」


提督「……」


時雨「…例えば…建造で強い艦娘が出なかったら、問答無用でその建造された娘を解体機に建造妖精とともに入れる」


飛龍「…酷い…」


時雨「…自分はイケメンで金持ちだからなにをしても許されると思ってる。多分、今は目障りだったあの総元帥も関東元帥もいないから…さらに調子に乗っていると思う…」


提督「……」


時雨「…多分、今回も縁羅は自分に惚れているということを前提にしてくるんだと思う」


提督「…D提督みたいにか…」


飛龍「……」←今までD提督のことをすっかり忘れていた人


提督「…縁羅を呼んできてくれないか?」


時雨「分かった」




縁羅「……そうですか…」


提督「…そういうわけでお前を呼んだ」


縁羅「…兄さん」


提督「なんだ?」


縁羅「このK提督…斬ってもいいですか?」


提督「……へ…?」


時雨「僕も。撃ち抜いていいかな?」


提督「いやいや待て待て待て!」


飛龍「お気持ちは十分分かりますが、抑えてください。演習で返り討ちにしましょう」


縁羅「……分かりました…」


時雨「……」


提督(その演習で出されるのはK提督に酷い扱いを受けてる艦娘達なんだよな…)


提督「ま…まあやりすぎるなよ…」


飛龍「…にしても…向こうの戦力はどのくらいなのですか?」


時雨「……僕がいた時点だと…」


時雨「戦艦武蔵が居たね」



翌日



提督「……来たか……」双眼鏡


縁羅「……」


飛龍「…でも沖に泊まっているようです。ここにくる気配がありません」


提督「……」


プルルルル! プルルルル! プルルルル!ガチャ

提督「はいもしもし」


??『お前が孤島鎮守府の提督だな!』


提督「はい。間違いありませんよ。K提督」


K提督『縁羅ちゃんを解放しろ!』


提督「だとよ。縁羅」っ受話器


縁羅「あなたがK提督ですか?」


K提督『!この声は…僕の妻!縁羅!』


飛龍(なにこの人気味が悪い…なんで初対面なはずの人に妻なんて言えるのかな…)


縁羅「いつから私はあなたの妻になったのですか?」


K提督『生まれたときさ。神様がそう決めたんだよ』


提督「⁉︎……」プルプル


縁羅「…ちょっとなに言ってるか分かりません」


K提督『言葉の通り、神様が君と僕を運命の赤い糸で結んでいるんだよ』


飛龍(怖っ)


K提督『大丈夫だよ。僕が今君を捕らえているこの島から救い出して見せるからね』


縁羅「……」←呆れてなにも言えなくなっている


提督「…w…」プルプル←必死に笑いを堪えてる


K提督『そして助けた後は、共に結婚式場に行こう!』


縁羅(……なにを言ったらいいのかしら…)


飛龍(取らぬ狸の皮算用とはこのことを言うのですかね?)


提督(ちょっと違うと思うぞ)


飛龍(提督⁉︎脳内に直接……)


K提督『え?本当に助けられるのかって?大丈夫大丈夫。なんせ孤島鎮守府の艦隊なんて駆逐艦と軽巡くらいだからw』


飛龍(初期艦私なんですが…)


K提督『え?何?嬉しいって?いやいやそんな。当たり前だよ。妻を助けるなんて』


縁羅(私なにも言ってないんですが…)


提督(どうやらK提督には幻聴が聞こえているようだwwはよ病院行けwww)


K提督『ま、そう言うわけで、おい!そこにいるんだろ!ゴミクズ!首を洗って待ってろよ!縁羅ちゃん、必ず助け出すからね〜』

ガチャン


提督「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」爆笑


提督「あいつww俺を笑い殺す気かwwww」


飛龍「笑いすぎです。でも頭のネジが何本かぶっ飛んでいて、脳内お花畑なのは分かりました」


縁羅「最初っから最後までなにを言っているのか分かりませんでした…」


提督「それは俺もだ」


ガチャ

ヴェールヌイ「あとで聞かせてもらえる?会話のやりとり」


提督「おう、いいぞ。録音していたし」


縁羅「いつの間に…」


提督「元は何かボロを出さないかと思ってつけていたんだが、こんな面白い内容を喋ってくれるなんて想定外だったw」


ヴェールヌイ「じゃあ会議室でみんなで聞くことにするよ」


飛龍「……と…それは後になりそうです…」


カチッ

提督「「「……みんな!出撃だ!」」」



一方、K提督サイド



K提督「おい、お前ら、今回は生温い任務だ。あの孤島にいる提督を殺してこい!」


K武蔵「…しかし…」


K提督「逆らうのか?」


K提督「じゃあ解体な」


K武蔵「!」


K大和「まっ待ってください!武蔵、ここは従うしかないわよ…」


K武蔵「……分かりました…」


K提督「それじゃあ、大和、武蔵、霧島、飛龍、蒼龍、天龍、行ってこい。失敗するわけないと思うが…失敗したら…」


K天龍「……分かってるよ…」


K提督「……天龍…この僕にその口調はなんだい?」


K天龍「…すみませんでした…」


K提督「…さあ、さっさと行ってこい」



孤島鎮守府

会議室



提督「相手は六人。じゃあこちらも公平に六人出すとする」


提督「編成は……」



安価を取ります。

編成は誰がいいですか?

コメント欄に書いてください



→時雨、響(ヴェールヌイ)、飛龍、蒼龍、加賀、神通



リヴァイアサン「時雨さんと響さんと飛龍さんと蒼龍さんと加賀さんと神通さんでどうでしょうか?」


提督「…え?」


時雨「どうせ今回はこうなるだろうと思って昨日、みんなで決めたんだ」


提督「…そう…だったのか…」


飛龍「すみません。黙っていて」


提督「…いや…むしろ感謝したい。ありがとう」


ヴェールヌイ「気にしないで」


蒼龍「!提督!敵艦隊がまっすぐこちらに向かってきます!」


提督「…さあ、出撃だ!」



K鎮守府サイド



K飛龍「…航空機…発艦…」キリキリ パシュ!


K蒼龍「…たった数隻の駆逐艦や軽巡洋艦にこんな戦力ぶつけてもいいのかな…」


K天龍「……」


K霧島「……向こうの娘達も…無理やり出されている者です……」


K武蔵「…まあ…あの鎮守府より、こっちの方がまだ優しいって言うから…向こうが可哀想だ…」


K大和「……」


K霧島「それに……今回は演習弾ではなくて実弾ですから…向こうを沈めてしまいます……」


K天龍「噂じゃ、苦しみのあまり自ら沈む奴だっているらしいぜ…」


K大和「…可哀想に…」


K飛龍「……⁉︎墜とされた⁉︎一体誰に…」


K蒼龍「え…」


K大和「え?まだ、向こうの艦隊発見してないですよね?」


K飛龍「はい…しかし、偵察機が撃ち落とされたそうで…」


K霧島「…向こうに空母がいる可能性が出てきましたね…」


K武蔵「……ああ……」


その頃…上空1万メートルでは…


桃華改×2 ゴオオオオオオオオ!


トトーツツツツーツツーツツツートト

(我、敵艦隊発見セリ)



飛龍「来た!」


飛龍「敵は空母二、戦艦三、軽巡一です!」


提督『名前はわかるか?』


飛龍「えーと………時雨ちゃんの言った通り、戦艦武蔵が居るのと、その姉の大和も居ます…」


ヴェールヌイ「…意外と戦力揃ってるね…」


蒼龍「あと…戦艦霧島と…軽巡洋艦天龍と………え…」


提督『どうした?』


蒼龍「……私と飛龍がいる…」


神通「…これは…」


時雨「……」


飛龍「いずれそうなるだろうとは思っていましたが…いざなってみると…」


蒼龍「…なんか…くるものがあるね…」


提督『……』


加賀「……気持ちが複雑なのは分かりますが、やるしかないでしょう…」


飛龍「大丈夫です!腹は括っています!」


蒼龍「じゃあ攻撃隊、発艦!」キリキリ パシュ!


天山改二 ブーーーーーン


加賀「それでは続けて…」キリキリ パシュ!


飛龍「私も」キリキリ パシュ!


時雨「……と、どうやら向こうに発見されたみたい」


零戦二一型 ブーーーーーン



K飛龍「敵艦隊発見!」


K提督『編成を伝えろ』


K飛龍「…え…」


K蒼龍「……」


K霧島「どうしましたか?」


K飛龍「……空母三、軽巡一、駆逐艦二……」


K武蔵「意外だ…空母が三人いるとは…」


K蒼龍「……それが…そのうち二隻は私と飛龍なんです…」


K提督『…ふーん…』


K大和「他は?」


K飛龍「軽巡洋艦神通と駆逐艦時雨と駆逐艦響…?に似てるけど…ちょっと違う…」


K天龍「なんだそれ」


K飛龍「…前に別の鎮守府で見た響ちゃんってあんな装備だったっけ…」


K蒼龍「…確かに…服装も違う…」


K提督『そんなもんどうだっていいだろ?それより、早く縁羅ちゃんとあのゴミクズの首を持って帰って来い!』


K大和「…分かりました…」


K天龍「…!敵機だ!」


K武蔵「何⁉︎」


K飛龍「戦闘機隊…発艦!」キリキリ パシュ!


零戦二一型 ブーーーーーン


桃華改 ゴオオオオオオオオ!

ダダダダダダダダダダダダダダ


零戦二一型プシュウ…

ゔうぅぅぅん…(墜ちて行く)


K蒼龍「…何…あの戦闘機…」


K飛龍「ああ……戦闘機が…」


K霧島(……一体どうやって飛んでいるの…プロペラがついてない…)


K大和「くっ……対空戦闘用意」


ドン! ドン! ドン!


彗星改二 ブーーーーーン

爆弾投下


ヒュ〜


K大和「武蔵!」


K武蔵「しま…」

ドカーーン!!


K武蔵「う…このくらいで…」


K天龍「武蔵!避けろ!魚雷だ!」


K武蔵「え?」


K武蔵「キャアアア!」ビシーーン!!


K飛龍「武蔵さん!」


K蒼龍「飛龍!直上!」


彗星改二 ブーーーーーン

爆弾投下


ヒュ〜


K飛龍「く…やられるわけには…」


K大和「多方向から魚雷!」


K飛龍「え!」


シャーーーーー


K飛龍「キャアアアアアアアアアアア!!!!!!!」ビシーーン!


K蒼龍「飛龍!」


K飛龍「あ…が…」大破


K提督『何をやっているんだ!この無脳どもが』


K天龍「……」


K武蔵「…ぐう…」中破


K大和「!霧島さん!危ない!」


彗星改二 ブーーーーーン

爆弾投下


K霧島「!避けられない!」

カン!


K霧島「っ!………?え?不発?」


K大和「良かっt」

ドカーーン!!

K霧島「キャアアアアアア!」


K大和「⁉︎」


K霧島「……なるほどね……時限信管つきの爆弾というわけね……やられた…」中破


K蒼龍「大丈夫…じゃなさそうね…」


K霧島「……そんな…」


K武蔵「どうした?」


K霧島「機関が破壊され、航行できなくなりました!」


K武蔵「何!」


K天龍「…ひとまず、攻撃隊は去っていくようだぜ…」


K大和「…!あの方向って!」


K武蔵「…!K提督が乗っておられる船の方向だ!」


K提督『何⁉︎』


K提督『今すぐ戻ってきて僕を守るんだ!』


K大和「しかし…縁羅さんは?」


K提督『また今度だ!とりあえず僕を守れ!死んでもだ!あああ…もう来た!』


K大和「……皆さん、戻りましょう」


K武蔵「しかし、霧島はどうするのだ!」


K提督『捨てろ!航行のできなくなった艦娘なんぞ今はいらん!』


K飛龍「…そんな…」


K提督『とりあえず、とっとと戻ってこい!もしこの僕に…何か怪我ができたら…分かってるよな?』


K大和「……」


K天龍「……」


K霧島「……皆さんは戻ってください…」


K武蔵「そんなこと…できるわけ」ガシッ


K大和「…戻りましょう…」


K武蔵「大和姉さん!いいのか⁉︎」


K大和「…やむを得ないわ…もし、あの提督の身に何かあったら…みんなただじゃすまないわ…」


K武蔵「……」


K蒼龍「……ごめんなさい…霧島さん…」


K霧島「いえいえ。大丈夫です。それより、早く行かれてください」


K武蔵「…すまない…」


K天龍「……すまん…」


K大和「ごめんなさい…」


K飛龍「ごめんなさい…」


K霧島「皆さんと戦えたことを誇りに思っています!さあ、早く」


K大和「…行きましょう」




霧島「……ここが私の墓場…ですか……」


霧島「……」





飛龍「…というのが現状です」


提督『…ほう…霧島という戦艦は捨てられたのか…』


ヴェールヌイ「そうみたい……どうする?」


提督『決まってるだろ。保護しろ』


時雨「そう言うと思った」


提督『で?今のK提督の様子は?』


飛龍「沈めないように攻撃しているので、別に対したことにはなっていません。でも、帰るようですね」


神通「…尻尾を巻いて帰っていますね」双眼鏡


加賀「?K提督には尻尾はついていませんが…」双眼鏡


一同「……」


提督『…あー……加賀、尻尾を巻いて帰るは物の例えだ。あんな風に逃げ帰ることをいうんだよ』


加賀「そうなんですか」



プルルルル! プルルルル!

提督「おっと電話だ。もしもし?」


K提督『今回はお前に勝ちを譲ってやる!ありがたく思え!次来たときは、その首跳ねるからな!縁羅ちゃん、次こそは助け出してあげるからね。僕のこと、思いすぎて寝られないなんて言わないでね。じゃあねぇ〜」

ガチャン




縁羅「……あなたのことを思いすぎて寝られませんよ…本当に………いつか必ず切り刻んで見せます」怖い笑顔で刀を少し抜く


提督「wwwwwwwwwwww」爆笑


ヴェールヌイ『これは録音データを聴くのが楽しみだ』


飛龍『最初っから最後まで頭の中がどうなっているのかわからない人間でした…』


提督「ま、とりあえずその霧島ってやつを保護して戻ってきてくれ」


飛龍『分かりました』



霧島(……金剛お姉様…比叡お姉様…榛名お姉様……どうやら私は…ここまでのようです…)


霧島(最後に一目会いたかったです…)


霧島の主砲が霧島本人に向く



時雨「……不味いね…」


ヴェールヌイ「急がないと!」ザザッ


蒼龍「……まさか…」


飛龍「敵に捕まるよりは自分で沈んだ方がマシだということですか…」


神通「……」


加賀「……」



霧島(……さようなら…)ポト…

ドカーーン!!






数時間後

執務室



縁羅「今回も大変でしたね」


提督「ま、なんとかなって良かった」


飛龍「もうあんな人には会いたくないです」


提督「どうせまたくるだろ。あいつ諦め悪そうだし」


飛龍「ええぇぇぇ………」


提督「で?どうだった?あの後会議室で録音データ聞いたんだろ?」


時雨「ちょっとK提督が何言ってるのかわからなかった」


提督「安心しろ。俺も分からなかったから」


飛龍「蒼龍なんて大笑いしてましたよ…」


時雨「あれは笑わせに来てると思ったよ」


提督「残念ながら向こうはガチで言ってたみたいだ」


時雨「…重症だね…」


リヴァイアサン「…世の中にはああいうおかしい人間もいる…恐ろしい…」


提督「人なんてそれぞれだ。でも、K提督はさすがに異常としか思えないがな」


飛龍「……ところで、霧島さんの様子はどうですか?」


時雨「さっきようやく意識が回復したよ」


提督「そうか…じゃあ会いに行ってくる」


飛龍「同行します」



医療室



ガラガラ

提督「失礼する」


霧島「……」


提督「どうだ?調子は?」


霧島「……少しはマシになりました」


提督「そいつは良かった」


霧島「……何故…」


提督「ん?」


霧島「何故…私は生きているのですか…?あの時…自沈したはず…」


提督「それはな、お前の主砲が暴発したんだよ」


霧島「…え…」


提督「…お前、しばらく艤装の手入れしてないだろ?」


霧島「…はい…手入れもする暇もなく出撃させられていましたから…」


提督「そのせいで、砲身に錆ができていたんだ。それで暴発した」


霧島「……では…」


霧島「何故…そのまま見捨てなかったのですか?」


提督「見捨てる理由がないから」


霧島「……はい?」


提督「お前をなんで見捨てなきゃいけないんだ?」


霧島「……」


提督「…ま、俺の自己満足だ」


提督「それで、これからどうする?K提督の元に帰りたいんなら手配してやるぞ?」


霧島「……」


ガチャ

千代田「失礼します。霧島さんの様子を見に来ました」


提督「千代田か」


霧島「…え…」


千代田「?どうされましたか?」


霧島「……どうして…」


千代田「…」サッ(腕を見せる)


霧島「っ!…」


千代田「生きています」


霧島「…どうして…」


提督「俺が連れ出した」


霧島「…え…でもあの時の言葉は?」


提督「あれは嘘だ」


霧島「……そう…だったのですか……」


霧島「……良かった…」


千代田「…霧島さん、困ったことがあれば相談してくださいね」


霧島「ありがとうございます」


千代田「それでは私はこれで」


提督「分かった」


千代田「失礼しました」

ガチャン


霧島「……」


提督「…で?どうしたい?」


霧島「…ここに…置かせてもらえませんか…」


提督「いいぞ。ただ、一つ任務を行ってもらう」


霧島「…分かりました」



翌日



提督「……飛龍よ…俺が言いたいことは分かるか?」


飛龍「分かります…私も同じこと言いたいです…」


提督・飛龍「なんだそのひどい話は!」


健四郎「俺だって言いたいですよ!大本営から、急に大規模作戦に投入ね、って言われたんですよ!」


提督「まだ着任して間もないお前が大規模作戦なんて出されるんだな…」


飛龍「あの総元帥のことです…何をするか知ったことじゃありませんよ…」


健四郎「…と言うわけで…うちはまだ駆逐艦二隻しかいないので、どうしようかと…」


提督「……」


飛龍「……」


健四郎「……俺は…どうすればいいんでしょうか…」


提督「…俺にはわからん…だが、」


提督「お前は、何があっても五月雨と白雪を守らなければならない。それだけは確かなことだ」


健四郎「……」


提督「…俺が言えるのは、これくらいだ…あとは自分で考えてくれ」


健四郎「…ありがとうございました…」


提督「…あまり力になれなくてすまない…」


健四郎「いえいえ、そんなとんでもない」


提督「……最悪、うちに逃げてくれば、守ってやれる」


健四郎「ありがとうございます」


提督「…頑張りな」


健四郎「はい!」




白雪「……そうですか…」


吹雪「まあ、一回信じてみてもいいと思うよ」


五月雨「そうだよ!」


白雪「……分かりました。健四郎さんを信じてみます」


吹雪「まあ…ここの司令官も健四郎さんも聴く話だと苦労されたみたいですから…」


初霜「?提督はどんな過去を?」


吹雪「……健四郎さんよりも辛い過去だよ…」




その後帰って良野鎮守府



健四郎(……大規模作戦まであと一ヶ月か……)


健四郎(……)


提督『何があっても五月雨と白雪を守らなければいけない』


健四郎(……)




孤島鎮守府

会議室



霧島「どうして提督は大規模作戦に援軍を送らないのでしょうか…」


吹雪「そう言うわけにも行かないんですよ…」


霧島「どうして?」


吹雪「もし、この鎮守府に大規模作戦を動かすような戦力があると知られたら大変なことになります」


霧島「…例えば…?」


吹雪「まず司令官が解任され、新しい司令官が来るでしょう」


霧島「……」


吹雪「…それか、ここの鎮守府は解体され、私たちはバラバラになり、またひどい扱いを受ける…」


霧島「……もう…大丈夫です…理解しました」


吹雪「理解していただけたようで何よりです」


霧島「……提督も…大変なんですね…」


吹雪「…ここまで私たちのことを思ってくれる方はそういませんよ…」


霧島「……K提督とは…大違いですね…」




???



??「……」


??「今日はこんだけか……最近量が減ってきている。これじゃあ大型建造出来ねえじゃねえか」


??「……」


??「俺が今欲しい艦娘は何か知ってるか?」


??「…戦艦リヴァイアサン…」


??「そうだ。あれは横須賀提督の妄言と言っていたが、俺は存在を信じている。いつか必ず、戦艦リヴァイアサンをこの手に収める」


??「……」


??「そのためには…資源がいるよなぁ?」


??「…今すぐに集めてきます!ですから…お願いですから…」


??「妹を殺さないでください!」ポロポロ


??「さあな?それはお前の行動によるぞ?」


??「今すぐ行ってきます!」タッタッタッタ


??(……なんてなw戦艦リヴァイアサンができたら、お前と妹を標的艦にして沈めてやるよw)



海上



??(早くしないと…早く…)


??(ああ…疲れで腕が言うこと聞かない……)


??(お願い!動いて!早く!)


??(ああ……意識が……嫌だ!絶対にあんなやつに望月を奪われてたまるか!)


(…ねぇ…大丈夫?フラフラしてるけど……)


??(絶対に嫌だ!睦月お姉ちゃんまで奪われたのに!)


(ねぇってば!)


??(嫌…嫌…………お願いだから…動いてよ……資源持って帰らないと……)


??(望月が殺されるんだよ…)


(ちょ………今運……か……!………)


??(ああ……あああ……そんな…)


??(嫌だ……)


??「嫌……」








神様…


もし神様がこの世にいるなら…


お願いです…


僕はどうなっても構いませんから……


僕の妹を………


望月を……守ってください…






第五章 悲しく残酷な運命





提督「……」


飛龍「……l


ヴェールヌイ「…お願い…」


提督「……無理はするんじゃないぞ」


ヴェールヌイ「!ありがとう!」


提督「それじゃ、頼んだ」


ヴェールヌイ「わかった!」


バン!


三人「⁉︎」


クラーケン「提督!大変!」


提督「どうした!」


クラーケン「海上で、意識が無くなった艦娘を連れて帰ったの!」


提督「何!」



医療室



??(…眩しい…)


??(…天井…?)


??(僕は…一体…)


時雨「意識が戻ったかい?」


??(……誰…?)


時雨「多分、そろそろ提督が来ると思うよ」


??(……ここは…どこ…)


ガチャ


提督「失礼する」


時雨「あ、提督」


提督「どうだ?そいつの様子は?」


??(……この提督何処かで……あ!)

時雨「意識が回復したよ」


??(ああ……そうか…僕はこの人に殺されるんだ…)

提督「そうか。それは良かった」


提督「おい、」


??「……はい…」


提督「名前は?」


??→皐月「…睦月型駆逐艦…皐月です…」


提督「所属は?」


皐月「…V鎮守府です…」


提督「…V鎮守府…」


時雨「初霜ちゃん呼んでくるね」


皐月「え…?」


ガチャン


提督「…仕事が早いやつだ…」


皐月「……あの…」


提督「なんだ?」


皐月「…初霜って…V鎮守府の…?」


提督「ああ。そうだ。台風の中、遭難していたところを助けた」


皐月「…そう…なんですか…」



ガチャ


時雨「連れてきたよ」


初霜「皐月さん!」


皐月「初霜ちゃん!生きてたんだ!」


初霜「この鎮守府の皆さんに助けてもらったんです」


皐月「そうだったのですか…」ポロポロ


初霜「また会えて良かったです!」


皐月「……は!資源!」


提督「は?」


皐月「早く持って帰らないと!…うっ!」


提督「落ち着け!今のお前じゃ、まともに立つことすらできん。安静にしとけ」


皐月「…ご心配感謝します…でも…早く帰らないと…望月が……」


初霜「…望月さんがどうされたのですか?」


皐月「殺されるんです!」


一同「⁉︎」


提督「はあ!?」


時雨「な…なんで…」


皐月「…V提督は…大型建造をするために、私に期待通りの働きをさせるために、望月を人質にしたんです…」


初霜「……そんな…」


皐月「…これで、もし一日でも資源を持って帰らなかったら…望月を殺す。と」


提督「……」


時雨「…酷い…」


初霜「…」


皐月「…ですから…はや…く……かえら…ない…と………」

バタン


提督「…長い間の疲労が溜まったか…」


時雨「どうにか出来ないの?」


提督「……こんな提案を出すのも酷だが…」


初霜「…なんでも良い…とにかく、望月さんを助け出す方法があるなら乗る!」


提督「……そうか…」


提督「…V鎮守府に少人数で忍び込む」


時雨「…つまり、隠密行動だね…」


提督「そうだ」


初霜「…メンバーは…」


提督「ここにいる四人で行く」


時雨「四人…え…」


提督「俺も行く」


時雨「…大丈夫なの?」


提督「大丈夫だ」


時雨「……」


提督「…さあ、準備しよう」




その夜



飛龍「では…お気をつけて…」


縁羅「鎮守府のことは任せてください」


提督「ああ、頼んだ」



提督「…V提督ってどんなやつなんだ?」


皐月「…戦果にしか興味がない…強い艦娘にしか興味がない…拷問好きで、艦娘が苦しんで死んでいくところを見て楽しむような人…」


提督「…サイコパスかよ…」


初霜「…さらに…鎮守府の地下室には…V提督が作った拷問部屋があります…」


皐月「…そこに望月がいる…他にも、沢山の艦娘が……死体も…」


提督「……」


皐月「…本当に助け出してくれるんですか?」


提督「ああ」


皐月「…ありがとうございます」ペコリ


提督「礼は助けた後に行ってくれ」


時雨「まだ、助けたわけでもないから」


皐月「助けてくれるその心だけでもありがたいんです!」


提督「…まあ…あのV提督は、一発ぶん殴りたかったからな」


時雨「…ふふ…」


青葉「…すみません…急に行きたいだなんて言い出して…」


提督「良いって。お前いると色々助かりそうだし」


青葉「そ、そうですか」テレテレ


提督「ま、いざと言うときには頼む」


青葉「お任せください!」



V鎮守府沖



提督「…あそこか…」双眼鏡


時雨「で?どうやって上陸するの?」


提督「この船に小さなゴムボートが乗ってある。それに乗るんだ」


時雨「…それだとエンジン音でバレるんじゃ…」


提督「だから、慎重に近づく」


時雨「…わかった」


初霜「さあ、早く行きましょう!」


皐月(…望月…今行くよ!)


青葉(…望月さん…無事でいてください…)




提督「エンジン止めろ(小声)」


ヴゥゥゥゥゥゥン………


V憲兵A「提督殿は今どこにいるんだ?」


V憲兵B「拷問部屋だ。また艦娘を殺してる」


V憲兵A「悪趣味だねぇ…よくできるよ…」


皐月「……」




提督「…よし、ゴムボートを固定できた」


時雨「で…ここからどう忍び込む?」


初霜「V鎮守府の憲兵はさほど多くありません。闇夜に紛れて入っても大丈夫です」


提督「…それじゃあ、あの窓から入ろう」




提督「侵入成功」


時雨「…鎮守府内の見回りは?」


皐月「憲兵が五人ほど…」


提督「拷問部屋の入り口は?」


皐月「こっちだよ。付いてきて」


提督「わかった」




皐月「…ここだよ…」


提督「…鉄の扉か…」


時雨「…」


ギギ…


時雨「無用心だね」


提督「開いてるのか…運がいいな」


皐月「こっちです」


提督「う!死体の匂い…」


時雨「…凄い…鼻に悪い匂いだね…」


初霜「…この下にはたくさんの艦娘の死体があります…」


提督「……」



皐月「司令官!」


V提督「おお、遅かったじゃないか。で?どうだ?」


皐月「こ…これ…」っ資源


V提督「……ふーん…多いじゃないか」


皐月「こ…これで望月を解放してください!」


V提督「……皐月ィ…」


皐月「ひっひぃ…な、なんでしょうか…?」


V提督「いつからお前は俺に指図できるほど偉くなったんだ?」


皐月「あわわわわ!申し訳ございません!」


V提督「…ま、そろそろ望月に会わせるのもいいかもな…」


皐月「!」パァァ!


V提督「こっちだ」



望月の檻


ガチャ…ギイイイイイイ


皐月「望月!」タタタ


皐月「私だよ!お姉ちゃんだよ!」


皐月「望月?」


皐月「…もち…づ…き…?」


皐月「…え…」


V提督「クックック…アッハッハッハッハッハッハw」


皐月「…あ……え……」


V提督「皐月よ…お前の妹、望月は」


V提督「もう死んでるよw」


皐月「…う……そ……」


V提督「残念だったなwお前が昨日、持って帰る資源がもう少し多かったら生きれたのにw」


V提督「お前のせいで死んだw」


皐月「そ……そんな………」


皐月「ウワアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」ボロボロ


V提督「wwwww」


初霜「V提督……」激怒


V提督「おや?どこのどいつかと思ったら台風で行方不明になった初霜じゃないか」


初霜「……あなた………よくも……」


V提督「はいざーんねーんww俺はお前ら艦娘を殺しただけだから罪には問われないんだよww」


初霜「……」ギリィ


皐月「あああああ……ああああ……ああ………望月……」ボロボロ


初霜「…殺す…」ガシャン!


V提督「⁉︎な…なんでだ⁉︎鎮守府内では提督の許可が無い限り艤装の展開はできないはず…」


初霜「…今私は…あなたのものではない…」


V提督「?」


初霜「今は…孤島鎮守府の提督のものです!」


V提督「…はぁ…?」


提督「こういうことだ」


V提督「⁉︎お…お前は!」


提督「孤島鎮守府の少尉だ」


V提督「…何故…」


提督「お前が知っても何もならないだろう」


V提督「…ま…待て…取引をしよう。孤島鎮守府の提督。な…何が欲しい?資源か?金か?」


提督「俺が欲しいのはな……」


V提督「……」


提督「お前の首だV提督」


V提督「⁉︎あ…いえ……そ…それは……無…無理で……す…」


提督「問答無用!初霜!やれ!」


初霜「地獄で苦しめ!!!」


V提督「や…やめろ!」


初霜「ヤアアアア!」

ドン!ドン!ドン!ドン!





初霜「はぁ…はぁ……はぁ………」


提督「……」


V提督だったもの「」とてもグロテスクな死体


青葉「うわぁ………」


提督「…これで…いいだろう…」


初霜「…うう……守れなかった…」ポロポロ


提督「……」


時雨「…初霜…」


青葉「……」カシャ


首の無い艦娘の遺体


青葉「……」カシャ


四肢を引きちぎられた艦娘の遺体


青葉「……」カシャ


逆さまに吊るされた艦娘の遺体


青葉「……」カシャ


全身真っ黒になった艦娘の焼身遺体


青葉「……」カシャ


ほとんど白骨化している艦娘の遺体


青葉「……」カシャ


うずくまって横たわっている艦娘の遺体


青葉「……」カシャ


全身がひどく腫れ上がった艦娘の遺体


青葉「……」カシャ


ガラスの部屋の中で水に浮いている艦娘の遺体


青葉「……」カシャ


首から吊るされている艦娘の遺体


青葉「……」カシャ


全身に銃の跡が残っている艦娘の遺体


提督「…青葉?」


青葉「…いずれ…この部屋のことも海軍はなかったことにするでしょう…」


提督「…確かに…V提督がいなくなったらこの部屋は封鎖されるだろうな」


青葉「ですから、こんな事実があったことだけでも残そうかと思いまして…」


提督「…そうか…」


時雨「……もうそろそろ行こう…憲兵達が来ないうちに…」


提督「…そうだな…」


初霜「…皐月さんを連れて行きます」


初霜「皐月さん」


皐月「……」放心状態


提督「…無理もねぇ…妹が死んだんだ…」


初霜「…でも、今はここから離れないと!引っ張ります!」


皐月「……」


青葉「……最後に…」カシャ


痩せ細った綺麗な望月の遺体




船の上



提督「……すまなかった…」


初霜「いえ…逆にお礼を言いたいです…ありがとうございました」


提督「…皐月はどうだ?」


時雨「……何を話しかけても全く応答しない…」


提督「…そうか…」


青葉「……」


提督「……時雨」


時雨「何?」


提督「…いや…誰でもいい。とにかく、皐月を一人にはさせるな。いいな?」


時雨「…分かってる…」


提督「……」




孤島鎮守府

執務室




飛龍「そう…ですか……」


縁羅「……」


電「…皐月さん…」


千代田「……今…皐月ちゃんはどこに?」


提督「医療室だ。時雨が見ている」


千代田「そうですか。ちょっと行ってきます」


提督「分かった」


ガチャン


飛龍「……皐月ちゃん…あのままだと…」


提督「……最悪の事態になるかもな…」


縁羅「…なんとしてでもそれは避けないと…」


暁「……」


雷「…最悪の事態って?」


ヴェールヌイ「…雷…それは向こうで話すよ」


クラーケン「…立ち直ってくれるかな…」



医療室



ガチャ

千代田「失礼します」


皐月「……」


時雨「千代田さん…」


千代田「皐月ちゃんの様子は?」


時雨「変わらないね…食事にも手をつけようとしない…」


千代田「…ちょっと二人にしてくれる?」


時雨「分かった」


ガチャン


千代田「…皐月ちゃん?」


皐月「……」


千代田「…何か返事くれない?」


皐月「…望月はどこ…」


千代田「……」


皐月「ねぇ…望月はどこ?また迷子になってるの?」


千代田「……皐月ちゃん…」


皐月「望月…望月…」


千代田「皐月ちゃん」


皐月「…何?」


千代田「…望月は…もう皐月「やめて!」


皐月「分かってる…分かってる…もういないことくらい…」ポロポロ


皐月「だから…このまま死なせてよ…」


千代田「……」


皐月「…睦月お姉ちゃんも…望月も…死んだ…」


千代田「……」


皐月「…もう…僕が生きている意味なんてないよ…」ポロポロ


千代田「……違うわ」


皐月「うるさい!僕のこと何も知らないくせに!」


千代田「…確かに私はあなたのことを知らない。だけど、気持ちはすごく分かる」


皐月「…嘘つき…」


千代田「…嘘じゃないわ…私も…姉を失ったから…」


皐月「……」


千代田「…でも、私の姉は沈む前に私にこう言ったの」


千代田「あなただけでも生きなさい…って」


皐月「……」


千代田「…私はそんな姉の気持ちに気づかず、そのまま死を受け入れようとしたの…でも、ここの提督に助けられた」


皐月「……」


千代田「今のあなたを見ていると、まるでその時の私を見ているみたい」


皐月「…つまり何が言いたいの?」


千代田「あなたがこのまま死んで、睦月ちゃんと望月ちゃんはどう思うと思う?」


皐月「……」


千代田「…そこをよく考えなさい…」


皐月「……」


千代田「それじゃあこれで」


ガチャン


皐月「……」


皐月(…分からない…僕は一体どうしたらいいの…)


皐月(教えてよ…ねぇ)









「皐月」


皐月「?」


睦月「私だよ皐月」


皐月「‼︎睦月お姉ちゃん!」


望月「望月もいるよ!」


皐月「望月!」


望月「えへへ〜」


皐月「…ここはどこ?」


睦月「皐月の夢の中。皐月に話したいことがあって出てきたの」


皐月「話したいこと?」


睦月「…ごめんね…皐月…」


皐月「え?」


睦月「…もう…お姉ちゃんはここにはいられないの……望月も…」


皐月「え…嫌!だったら僕も連れて行ってよ!」


望月「…それはできないよ…」


皐月「なんで!」


望月「…もう…望月も睦月お姉ちゃんも死んだんだよ…」


皐月「だったら僕も死ぬ!」


睦月「それはダメ!」


皐月「どうして!僕は今までみたいに二人と一緒にいたい!」


睦月「…私も…一緒にいたい…けど…」


望月「…皐月お姉ちゃんはまだ死んで欲しくないの…」


皐月「…え…」


睦月「…皐月…ごめんね…」


皐月「…なんで…約束したじゃん…ずっと一緒に居るからって」


睦月「…ごめんね…その約束は…もう…果たせそうにない…」


皐月「…僕が死ねばいい話じゃないか」


望月「やめて!」


皐月「‼︎」


望月「もう死ぬなんて言わないで!」


皐月「…でも…」


睦月「…もう…私達は死んだの。でも、皐月はまだ生きてるじゃない。一回しかない人生を、私と望月が死んだからなんて言うふざけた理由でふいにしないで!そんな理由で死なれたら…私と望月は…」ポロポロ


皐月「…お姉ちゃん…」


睦月「…大丈夫…ちゃんと周りを見てごらん…あなたはもう…一人じゃないじゃない…」


皐月「…!」


皐月「あ……あ……」ポロポロ


望月「…あの司令官…いい人だよ…睦月お姉ちゃんにも聞いた」


睦月「困ったことがあればあの司令官に頼りなさい。きっとあの人なら、皐月のことも親身になってくれるから」


皐月「…分かった…」


睦月「…もう…行かなきゃ…」


皐月「……もう…会えないの?」


望月「…うん…でもね、ずっと見守っているから…大丈夫だよ…」


皐月「…そう…」


睦月「…おいで…」


皐月「…」ギュウ


睦月「ふふ…いい子いい子」ナデナデ


皐月「…お姉ちゃん…体が…」


睦月「…もう…時間ね…」体が少しずつ崩れている


望月「…皐月お姉ちゃん!」体が少しずつ崩れている


皐月「何?」


望月「幸せになってね」パラパラ


皐月「…望月…」


睦月「…最後に…」


皐月「…お姉ちゃん…」


睦月「あなたと一緒に生きられて、とても幸せでした。」







パラパラ







皐月「…う…う……僕も…幸せだったよ…」ポロポロ








ありがとう。睦月お姉ちゃん、望月。



僕は前を向いて、二人の分も生きるよ。





皐月「…う…ん…」


提督「起きたか」


皐月「…司令官…」


提督「…どうだ?調子は?」


皐月「…大丈夫…」


皐月「睦月お姉ちゃんと望月の夢を見たの…」


提督「…どんな?」


皐月「…それはね」


皐月説明中


提督「…最後の別れの挨拶にきたのか…」


皐月「うん…」


皐月「…二人の分まで僕は生きたい。だから、ここにいてもいい?」


提督「勿論だ」


皐月「本当にありがとう司令官」


提督「気にすんな」


提督「…そうだ。ここのルールについて説明しよう」



千代田「……ふふ」


千代田「良かったわ。皐月」




三週間後

執務室



提督「…何?」


飛龍「…変な機材を背負ったイ級がこっちに向かってきています…」


提督「なんだそれ」


飛龍「とりあえず、たまたま近くで特訓していた暁ちゃんが向かいました」


提督「…大丈夫なのか?」


飛龍「…さあ…?」








第六章 オホーツク海大海戦






海上



暁「よし、もう少し近づければ魚雷を撃てる!」


雷「ちょっと!気をつけて!あのイ級、普通のイ級と何か違うかもしれないわよ!」


暁「大丈夫。心配しすぎ」


電「…本当に大丈夫なのですか…?」


イ級「……」

プシュ〜


暁「…え?何?」


黄色い煙幕がイ級から出ている


ヴェールヌイ「…煙幕?」


暁「煙幕なんかで逃げられるとおmゴホッゴホッゴホッ!」


電「…暁お姉ちゃん?」


暁「ゲホッゲホッゴホッゴホ……ガハッ!」吐血


雷「⁉︎暁お姉ちゃん⁉︎」


ヴェールヌイ「早く助けに行かないと!」


暁「ゲホッゲホッゴホッゴホ!」


彗星改二 ブーーーーーン

爆弾投下


ヒュ〜


イ級「」ドカーーン!!




医療室



タッタッタッタ

バン!

提督「暁!」


暁「!司令か…ゴホッゴホッ」吐血


提督「…酷い有り様だな…」


時雨「この様子だと…肺がひどく傷んでいるみたい…」


縁羅「一体どうして…」


ヴェールヌイ「……あの煙幕…ただの煙幕じゃないのかな…」


提督「…あのイ級が発した黄色い煙幕か……煙幕じゃないとすると………」


提督「……まさか…」


提督「……考えられる…」


時雨「?」


電「煙幕じゃないと何なのです?」


提督「…毒ガスだ…」


一同「…え…」


雷「ど…毒ガス…?」


提督「それも、暁の容体からして恐らく塩素ガスだ」


暁「塩素ガス……ゴホッゴホッ!」


提督「…塩素ガスは、吸い込むと肺に深刻なダメージを追わせてしまうものだ。あまり長く吸い続けるとそのうち死に至る」


ヴェールヌイ「…まさか深海棲艦がそんなものを使ってくるなんて…」


提督「…厄介だな…」


時雨「対処法はあるの?」


提督「ガスマスクをかぶる以外ないな」


暁「……」


提督「…妖精達に頼んでみるか…」



執務室



飛龍「敵の新兵器…ですか…」


提督「ああ。恐らく今回の大規模作戦にも使われるだろう…」


飛龍「…」


提督「…今回の大規模作戦はオホーツク海だったな?」


飛龍「はい」


提督「…じゃあ、妖精達に防寒具とガスマスクを作るよう言ってくれ」


飛龍「分かりました」


ガチャン



五日後



提督「無理はするなよ」


ヴェールヌイ「分かってる」


暁「行ってらっしゃい」


ヴェールヌイ「Я иду」


暁「…なんて言ってるの…」


ヴェールヌイ「行ってきます。だよ」


暁「ロシア語ね…」


提督「健四郎にもよろしく頼んだぞ」


ヴェールヌイ「分かった」





五月雨「オホーツク海までどのくらいあるの?」


白雪「恐らく明日の朝までには到着できると思います」


五月雨「…遠いなぁ…」


白雪「…うん?」


五月雨「どうしたの?」


白雪「あちらから誰かが向かってきてます」


五月雨「誰だろう…」双眼鏡


五月雨「…⁉︎ヴェールヌイさん⁉︎」


白雪「え?」


白雪「…本当だ…」




ヴェールヌイ「君たちの護衛のために来たヴェールヌイだよ」


五月雨「な…なんと…恐縮です」


白雪「でもどうして護衛を…」


ヴェールヌイ「私が無理を言って司令官に許可をもらったんだよ」


白雪「そうでしたか…」


五月雨「本当にありがとうございます!」


健四郎『な!ヴェールヌイさん⁉︎』


五月雨「あ、提督」


健四郎『一体どうして…』


ヴェールヌイ「司令官に無理を言って護衛にきたよ」


健四郎『なんと…』


ヴェールヌイ「そう言うことでよろしく」


白雪「よろしくお願いします」


五月雨「よろしくお願いします」


健四郎『よろしくお願いします』


ヴェールヌイ「…と…二人に渡すものがあった」


白雪「?なんですか?」


ヴェールヌイ「はいこれ」っガスマスク


五月雨「これは…」


白雪「…被り物…?」


健四郎『ん?見せてくれ』


健四郎『……これは…ガスマスク?』


ヴェールヌイ「вот так。そうだよ」


健四郎『…何故…』


ヴェールヌイ「最近、孤島鎮守府近海海域に毒ガスを撒く深海棲艦が現れたんだ」


五月雨「え…」


ヴェールヌイ「何も知らずに突っ込んだ暁が肺をひどく損傷して吐血してね…」


白雪「…」


ヴェールヌイ「それで毒ガスを防ぐために司令官が妖精達に頼んで作ったものがこのガスマスクだよ」


健四郎『…なるほど…』


ヴェールヌイ「だから気をつけないとね」


五月雨「…分かりました」


ヴェールヌイ「さ、オホーツク海に行こう」


五月雨・白雪「はい!」




翌日早朝

オホーツク海




五月雨「やっと着いた……」


白雪「…寒い…」


ヴェールヌイ「防寒着がなかったら危ないね」


五月雨「…ねえ…あれを見てよ…」



艦娘A「…っ…寒い…」


艦娘B「…もう…ダメ…寒さで倒れそう…」


艦娘C「…寒さで手が…」



ヴェールヌイ「…悲惨だね…」


D長門「…お前らはいいな…そんな服装で来れるなんて…」


五月雨「⁉︎あわわわわ!」


D長門「すまない…驚かせる気はなかった」


白雪「…戦艦長門さんですか?」


D長門「いかにも。D鎮守府所属のな」


ヴェールヌイ「……D鎮守府…ってことは久しぶりかな?」


D長門「?どこかであったか?」


ヴェールヌイ「直接は会わなかったね。私は孤島鎮守府の響だよ」


D長門「!孤島鎮守府の響⁉︎」


ヴェールヌイ「今は名前が変わってヴェールヌイという名前になってるけどね」


D長門「…そうか…そう言えば、あの演習には出たのか?」


ヴェールヌイ「出たね。何も出来なかったけど」


D長門「そうなのか……どうだ?吹雪と長良は?元気にやっているか?」


ヴェールヌイ「元気にやってるよ。吹雪は部分解体で艦娘から人間になってるけどね」


D長門「…そうか…」


ヴェールヌイ「ちなみに、私の装備は長良さんが改造してくれたおかげでより高性能になっているよ」


D長門「…そうなのか…羨ましいな…」


ヴェールヌイ「そっちはあれからどうなの?」


D長門「…変わらずだ。あの時演習したメンバーはもう私以外沈んだ…」


ヴェールヌイ「…そうかい…」


D長門「みんな、前の大規模作戦の時だ。………恐らく、今回の大規模作戦で私は沈むだろう…」


ヴェールヌイ「……」


D長門「もう覚悟はできている。最後に会えて良かった。あの二人にも言ってくれ…」


ヴェールヌイ「…分かった」


D長門「…もう戻らねばな…では、健闘を祈る!」ビシッ


ヴェールヌイ「そちらこそ」ビシッ


五月雨「…お〜…」


白雪「…」




数時間後



総元帥『これから行う大規模作戦の撃破目標は港湾棲姫だ。撃破した艦娘は…ウンヌンカンヌン』


ヴェールヌイ(…嘘つき…どうせ撃破した艦娘ではなくてその司令官にしか何も与えないんだろうな…)


五月雨「…ヴェールヌイさん…」


ヴェールヌイ「何?」


五月雨「…総元帥が言っていることはヴェールヌイ「嘘だね」


ヴェールヌイ「艦娘に何か与えるなんてことあの総元帥がするわけがない。ただ士気を上げるために言っているプロパガンダだよ」


白雪「……」


五月雨「…それで…何をすればいいのでしょうか…」


ヴェールヌイ「指示に従うしかないよ」


五月雨「…分かりました…」



総元帥「では、総員、健闘を祈る」


ヴェールヌイ「…終わったね」


健四郎『…指示が来た。敵の大艦隊に突撃し、自爆せよ…⁉︎』


五月雨「え…」


健四郎『なんだこれは⁉︎自爆なんてそんなことできるわけないだろ⁉︎』


ヴェールヌイ「…大本営の策略だよ。あえて艦娘を多く沈ませることで、平気に艦娘を殺せるようにしているんだよ…」


健四郎『……』


白雪「…自爆…しますか?」


健四郎『馬鹿野郎!こんな命令を下すわけには行かんだろ!』


健四郎『どうにかうまくやる方法はないか…?』


ヴェールヌイ「…とにかく、命令はちゃんと実行しなければならない…うまく自爆と見せる方法は…」


白雪「!敵の小艦隊発見!」


健四郎『何!』


五月雨「あれは…イ級とロ級……」


ヴェールヌイ「六隻は少ないね…あれくらい…」


イ級「」プシュ〜


健四郎『煙幕?』


五月雨「?何をするつもりなの?」


ヴェールヌイ「…⁉︎違う!あれは毒ガスだ!」


一同「え!」


ヴェールヌイ「ガスマスクをつけて!」


五月雨「わ、分かりました!」



白雪「…視界が悪いですね…」


五月雨「…本当にこれ…毒ガスなんですか?」


ヴェールヌイ「あそこ見て」


艦娘「ゲホッゲホッゲホッゴホッゴホッゴホッ!!」吐血


艦娘「ああぁぁ………」バタン


五月雨「…!」ブルブル


ヴェールヌイ「司令官曰く、このガスは塩素ガスと言って肺や呼吸器官に致命的なダメージを与えるらしいよ」


五月雨「こ…怖い…」


ヴェールヌイ「…と、あれだね。魚雷発射」バシャン


シャーーーーーーーー


イ級「⁉︎ギャアアアアア!!」ビシーーン!


ヴェールヌイ「これでよし」


白雪「仕事が早いですね」


健四郎『流石だ』


ヴェールヌイ「褒めても何も出ないよ」


ドカーーン!!


一同「⁉︎」


五月雨「あ!向こうで黒煙が上がってます!」


艦娘D「急げ!大艦隊はあそこだ!」


白雪「わ、分かりました!」





五月雨「あ…あ……」


真っ赤な海とその海に浮かぶ艦娘たち


健四郎『…これは酷い…』


白雪「いつも大規模作戦の戦場はこんなことになっていたのですね…」


ヴェールヌイ「……」


五月雨「…向こうではまだ戦っているようです…でも、もうほとんど壊滅しています…」


??「あ……助け………て……」


五月雨「?白雪ちゃん、何か言った?」


白雪「いえ…何も…」


??「助けて…」


ヴェールヌイ「…どうやら生存者がいるみたいだね」


五月雨「え!助けないと!」


ヴェールヌイ「…残念だけど…もう長く持ちそうにないよ…」


五月雨「やって見ないとわからないじゃないですか!」


ヴェールヌイ「気持ちはすごくわかるけど…それは返ってさらなる苦痛を与えてしまう…このまま静かに寝させるのが一番だよ…」


五月雨「…そう…なの…」


ヴェールヌイ「…と…こっちの娘は無傷だね…凍死か…」


白雪「…こちらの方も凍死…」


健四郎『いつもと違うことは、この寒さだ。凍死のリスクは大きくある。それにも気をつけなければな…』


健四郎『…ってうん…?』


五月雨「どうかしましたか?」


健四郎『…全軍撤退命令だ!どうやら今回の大規模作戦は冬のオホーツク海というのもあって凍死者が大量に出てしまって、戦いにならなかったからってかいてある』


五月雨「…結局何もできませんでしたね…」


健四郎『何。何もなく無事でいてくれたら万々歳だ!さあ、帰ってこい』


五月雨「分かりました!」


健四郎『…おっと、すまん。これから今回の大規模作戦について話し合いが行われるそうだ。しばらく通信はできない』


五月雨「分かりました」


健四郎『無事に帰ってきてくれよ。じゃあ』


白雪「それでは帰りましょうか…追っても来ているみたいですし」


大艦隊がこちらに向かってくる


五月雨「…これ…無事に帰れるかな?」



同海域



??「……あれ…」


??「…どうして私…生きてるんだろう…」


??「…みんなは…」


??「……あ…」足元を見る


??「」


??「…鬼怒‥?」


鬼怒「」


??「…息してない…」


??「……ははは…なんで…」ポト…


??「…なんで…生きてるの…私…」ポロポロ


??「…ねえ…夢って言ってよ…」ポロポロ


??「…誰か…殺してよ…」



五月雨「うん?」


ヴェールヌイ「どうしたの?」


五月雨「あそこ…誰か立ってる…」


ヴェールヌイ「……………」双眼鏡


ヴェールヌイ「……五月雨」


五月雨「はい?」


ヴェールヌイ「白雪と一緒にあそこで立っている娘を連れて先に行って」


白雪「え?」


ヴェールヌイ「私は、ここであの大艦隊を引き付ける。その隙にできるだけ遠くに逃げて。分かった?」


五月雨「わっ分かりました!」


白雪「そんな…無茶ですよ!」


ヴェールヌイ「そう簡単に私は沈まないよ。不死鳥だもの」


白雪「そ、それはあなたの通り名でヴェールヌイ「いいから言う通りにして!」っ…」


五月雨「…行こう…白雪ちゃん…ヴェールヌイさんなら大丈夫だから」


白雪「…分かりました…」


ザザッ


ヴェールヌイ(…司令官…安心して。私はまだ沈む気はないよ)


ヴェールヌイ「……」刀を抜く


ヴェールヌイ「…!」ザザッ



港湾棲姫「…愚かだ…駆逐艦風情がたった一匹で突っ込むとはな……」


ル級「オモシレェ!チョットアソボウ」


ドーン!ドーン!ドーン!


ヒュ〜


バシャン!バシャン!


ヴェールヌイ(…わざと外してるね…完全に油断している…)


リ級「…ネンノタメイッパツアテトクカ…」

ドーン!


ヴェールヌイ「おっと」ヒュン

バシャン


リ級「…ハズシタ…」


港湾棲姫「…妙だ…何か妙だ…なんだ?一体?」


ル級「ジャアソロソロシズメルトスルカ」


ル級「ソウダナ」


ドーン!ドーン!ドーン!


ヴェールヌイ(…お遊びはここまでか…)


ヒュ〜


バシャン!バシャン!バシャン!


ル級「………ア…アレ……」ドーン!ドーン!


ヴェールヌイ(…遅いね…)


リ級「…!?!?!?」


ル級「ナ!ナンデアタラナインダ!」


ル級「コノ!」ドーン!ドーン!ドーン!


ヴェールヌイ「…弾を避けるのは得意だよ」


ル級「オ、オイ!ゼンインアノクチクカンヲシマツシロ!」


ドーン!ドーン!ドーン!


ヴェールヌイ(…)


バシャン!バシャン!バシャン!バシャン!


ル級「!ナニヲスルツモリダ?」


ヴェールヌイ「……」


リ級「ウチマクレ!」


ドーン!ドーン!ドーン!


ヴェールヌイ「……覚悟!」


ル級「ナニ!」


ヴェールヌイ「えい!」ザシュ


ル級「アアアァァァ………」


ヴェールヌイ(…次!)




ドーン!バシャーン!ドーンドーンヒュ〜バシャーン!




五月雨「…すごい…」


白雪「あの弾幕を掻い潜るなんて……慣れてますね…」


五月雨「いつか私もあんな風に戦えたらな〜」


白雪「…おっと…あの人ですね」


五月雨「とにかく無理やりでも連れて行こう」



五月雨「…あの…」


??「……何でしょうか…」


白雪「ここは危険です。大本営からも撤退命令が出ました。ついてきてください」


??「…無理です…」


五月雨「どうしてですか?」


??「…鬼怒を…私の妹を置いていけません…」


白雪「…もう…亡くなっていられます…」


??「…分かってる…だから……」


??「このまま死なせてください…」ポタ…ポタ…


五月雨「…お名前は?」


??→名取「…軽巡名取です…」


白雪「…何型ですか?」


名取「長良型です…」


白雪「では、見捨てることはできませんね」


名取「…え…」


五月雨「大丈夫です!生きていればなんとかなります」


名取「……」


五月雨「…時間がありません。白雪ちゃん、右をお願い」


白雪「分かりました」


五月雨「さ、行きましょう」


名取「……」




ヴェールヌイ「…遅い…」ザシュ


ル級「アアアァァァ…」


港湾棲姫「なんだお前ら!たかが駆逐艦一匹だろ!どんだけ手を焼いておるのだ!」


リ級「スッスミマセン港湾棲姫サマアアアアアアアア!!」ザシュ


港湾棲姫「⁉︎」


ヴェールヌイ「やあ。港湾棲姫」


港湾棲姫「き…貴様………」


ヴェールヌイ「もうだいぶ殺しちゃったよ。そして…」


港湾棲姫「うぐ…」


ヴェールヌイ「今からでもその首切り落とせるよ」


港湾棲姫「……」


ヴェールヌイ「でも、ここで一つ取引をしようと思う」


港湾棲姫「…なんだ…」


ヴェールヌイ「このままみんなを逃してくれたらこれ以上暴れない。どう?悪い話ではないよ」


港湾棲姫「……」


ヴェールヌイ「…どうする?拒否すれば頭と体が離れちゃうよ?」


港湾棲姫「……分かった…取引に応じよう…」


ヴェールヌイ「理解が良くて助かる」


港湾棲姫「…さっさとどこかに消えてくれ…お前ほど怖いと思った奴は初めてだ」


ヴェールヌイ「褒め言葉として受け取っておくよ」




五月雨「え〜…」双眼鏡


白雪「どうしましたか?」


五月雨「ヴェールヌイさん…港湾棲姫を見逃しちゃったよ…」


名取・白雪「……え…」


五月雨「あれは確実に倒せたのに…惜しいな…」


名取「ちょっと待ってください!あの港湾棲姫を追い詰めたと言うのですか⁉︎」


五月雨「うん。でも何故か見逃しちゃった…」


白雪「…港湾棲姫も何処かへ去っていきますね…」双眼鏡


白雪「あの様子だと…ヴェールヌイさんが私たちを見逃すなら見逃すって取引でもしたのでしょうか?」


名取「…でもどうして…」


五月雨「…それは本人に直接聞きましょう」



ヴェールヌイ「ふーん…軽巡名取って言うんだ…よろしく」


名取「よろしくお願いします」


名取(一体この娘何者なの…?こんな駆逐艦がどうして港湾棲姫を…)


五月雨「どうして見逃したのですか?」


ヴェールヌイ「あのまま殺していたら大変なことになるから」


名取「大変な事?」


五月雨「…あー…なるほど…」


白雪「…そう言う事ですか…それなら納得です」


名取「?」


ヴェールヌイ「私は孤島鎮守府所属の艦娘なんだ」


名取「⁉︎孤島鎮守府って…あの悪魔がいると言う鎮守府ですか…?」


ヴェールヌイ「うん」


名取「ひえぇぇぇ」



比叡「⁉︎」


金剛「どうしたんデスカ?比叡」


比叡「今…私の何かがとられたような…」



名取「…では、五月雨さんも白雪さんも?」


五月雨「違うよ。私と白雪ちゃんは良野鎮守府だよ」


名取「…そうなんですか…」


名取「…でも、それだと見逃す理由が…」


ヴェールヌイ「孤島鎮守府にはどんな艦娘がいると思う?」


名取「え…それは…駆逐艦数人と、いても軽巡くらいかと…」


ヴェールヌイ「だいたいはそう思われるね…」


名取「?違うのですか?」


ヴェールヌイ「うん。実際は戦力は結構充実している」


名取「…どんな方がいるのですか?」


ヴェールヌイ「ざっくり言うと、駆逐艦七人、軽巡洋艦三人、重巡洋艦二人」


名取「重巡洋艦がいるのですか⁉︎」


ヴェールヌイ「いるよ」


名取「…いるんだ…」


ヴェールヌイ「あと…名取「まだいるんですか⁉︎」


ヴェールヌイ「……」


白雪「…まあ…印象も噂もいろいろありますからね…」


ヴェールヌイ「どんな噂なのか聞きたい…」


名取「えっと…すみませんでした…」


ヴェールヌイ「…軽空母一人、潜水艦一人、正規空母三人、戦艦三人」


名取「…正規空母も戦艦もいるのですか…もう戦力で私のいた鎮守府を上回っています…」


五月雨「それにみんな戦い慣れているからね…経験も豊富なんです」


名取「…ちなみに…正規空母と戦艦は誰がいるのですか?」


ヴェールヌイ「ああ、それはね、正規空母が二航戦の蒼龍と飛龍と一航戦の加賀だね」


名取「…わお…」


ヴェールヌイ「戦艦は霧島とリヴァイアサンとクラーケンだね」


名取「へぇ………ん?」


ヴェールヌイ「…もう一回言うよ。戦艦は霧島、リヴァイアサン、クラーケンがいる」


名取「・・・ええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」


白雪「…まあ…そんな反応になりますね…」


名取「戦艦リヴァイアサンって!あの!62cm砲を二十門搭載した!伝説の艦娘⁉︎」


ヴェールヌイ「…うん」


名取「……」アゼン


ヴェールヌイ「…まあそう言うわけで、結構戦力が充実しているからもし大規模作戦を大きく動かすような戦力があると知られたら……分かるよね?」


名取「……はい…」


ヴェールヌイ「だから見逃したんだよ」


名取「…納得しました…」


五月雨「…それに、孤島鎮守府の提督は本当に優しい方ですよ」


名取「…どんなふうに?」


ヴェールヌイ「基本的に私たちには自由にしてもいいって言っている」


名取「…出撃は?」


ヴェールヌイ「緊急でない限り強制的に出撃というのは無いね」


名取「…遠征は?」


ヴェールヌイ「出撃と同じく」


名取「…建造は?」


ヴェールヌイ「まず工房がないから出来ない。だけど過去に三回、妖精達がこっそり集めた資材で大型建造されたことがある」


名取「どう言う事ですかそれ…」


五月雨「それは私も初耳です」


白雪「同じく」


ヴェールヌイ「妖精達がどこからか集めた資材で許可無く大型建造したんだよ…」


名取「…普通、提督が建造を妖精達に無理やりさせているはず…」


ヴェールヌイ「司令官はこれといって野心がないからね…大本営からも縁をほとんど切られてる状態だから、昇進なんて無理だし、まず興味すらない」


名取「…戦力を高くする必要がないと言うことですか…」


ヴェールヌイ「それもあるんだけど、一番の理由は司令官が人間を嫌っていることだね。沢山いる司令官の中には本気で国民のことを思ってに戦っている人もいるんだけど、私の司令官は国民ためになんて戦いたくないんだ。散々自分を嫌っていた人間を守りたいなんて思う?」


名取「…思いません…」


ヴェールヌイ「そう言うこと」


名取「…分かりました…それで出来たのが、戦艦リヴァイアサンというわけですか?」


ヴェールヌイ「そういうことになるね」


五月雨「?あと二回は?」


ヴェールヌイ「クラーケンと加賀だね」


名取「?クラーケンとは?」


白雪「リヴァイアサンの妹です」


名取「え…じゃあその人も…」


五月雨「62cm砲二十門搭載しています」


名取「…すごい…」


白雪「…そういえば、ヴェールヌイさん」


ヴェールヌイ「何?」


白雪「名取さん、長良型だそうです」


ヴェールヌイ「……ふーん…」



翌朝



ヴェールヌイ「じゃあ、私はこれで」


五月雨・白雪「ありがとうございました!」


名取「…あの…」


ヴェールヌイ「?どうしたの?」


名取「私は…どこへいけば…」


ヴェールヌイ「一旦孤島鎮守府に行くよ」


名取「わ、分かりました」




ヴェールヌイ「見えてきたよ」


名取「…あれが…」


桃華改 ゴオオオオオオオオ


名取「…あれは…?」


ヴェールヌイ「桃華改だね。日中の孤島鎮守府周辺の警備をしている」


名取「…変なエンジン音ですね…」


ヴェールヌイ「レシプロ機じゃなくてジェット機だからね。エンジンが全く違うんだよ」


名取「ちなみに、あれは誰が…」


ヴェールヌイ「この鎮守府の初期艦にして現秘書艦が作ったね」


名取「?誰ですか?」


ヴェールヌイ「行ってみたら分かるよ」



孤島鎮守府




名取(…ここが…)


ヴェールヌイ「こっち」


名取「はい…」スタスタ


暁「あ、響、おかえり」


ヴェールヌイ「ただいま」


電「おかえりなのです」


雷「?誰?その人」


名取「あ、軽巡洋艦名取です」


雷「私は雷よ。よろしく」


電「電なのです」


暁「暁よ。よろしく」


名取「よろしくお願いします」


ヴェールヌイ「…さて、司令官に挨拶する前に…ドックに行こうか…」


名取「分かりました」



執務室



ガチャ

ヴェールヌイ「失礼するよ」


提督「帰ったか。ヴェールヌイ」


ヴェールヌイ「ただいま」


提督「報告頼む」


ヴェールヌイ「うん」




ドック




名取「…」


ガラララ!


長良「おふろわいてる……か………名取?」


名取「え………お姉ちゃん?」


長良「名取!」


名取「お姉ちゃん!」


長良「どうしてここに?」


名取「えっと…ヴェールヌイさんに連れられて」


長良「そう…良かった…」


名取「…お姉ちゃん…その…」


長良「どうしたの?」


名取「…鬼怒が……その……」


長良「……言わなくていい。辛かったね…」


名取「う…う……守れなかった……」ポタ…ポタ…


長良「…名取だけでも生きてて良かったよ…」ナデナデ


名取「……」



川内(…後にしよう…今は二人だけにさせておこう…)




数時間後

執務室



ガチャ

長良「失礼します」


名取「ちょ!ちょっと!そんなに軽く入ったら」


飛龍「どこかで見たことあるやりとりね」チラ


蒼龍「あはははは……」


長良「提督は?」


飛龍「良野鎮守府に向かわれましたよ」


長良「ふーん…」


蒼龍「…そっちにいるのが名取さん?」


名取「はい」


蒼龍「そう…提督が戻ってくるまで待っていてくれる?」


名取「分かりました」


長良「いつぐらいになりそう?」


飛龍「まだ分かりません…」


長良「戻ってきたら伝えてくれる?」


飛龍「分かりました」


長良「それでは失礼しました」


名取「…失礼しました…」


ガチャン




一方その頃…良野鎮守府では




提督「……悲惨だな…」


健四郎「今回の大規模作戦は戦死者より凍死者が多いそうです」


提督「戦う以前の問題だな…」


健四郎「でもまあ…あの総元帥は酷いもんですよ…」


健四郎「今回の失敗は艦娘の精神力の無さに直結してるなんて言い出して…周りもそうだそうだという始末で…」


提督「防寒具作ればいい話じゃねぇか」


健四郎「きっと防寒具を作る資源でさえ勿体無いのでしょう…」


提督「…考えがわからん…」


健四郎「…それと、毒ガスの件なんですが、あれも艦娘にガスマスクを作る資源さえ勿体無い!と言っているんですよ…」


提督「…馬鹿なのか?」


健四郎「彼らは艦娘を人と思っていません。だからこんな酷い結論が出せるのでしょう…」


提督「…対策法は最終的にどんなものになったんだ?」


健四郎「凍死は艦娘をさらに酷く扱うことで強くさせる。毒ガスは風上にさえ居なかったらいいのだから他の艦娘が風上以外のところから攻撃するという感じになりました…」


提督「…めちゃくちゃだな…前の総元帥はこんなことにならなかっただろうに…」


健四郎「…そうですね…」


提督「…そろそろ名取も回復した頃か…」


健四郎「もうお暇するので?」


提督「ああ、今日はありがとう」


健四郎「いえいえ、こちらも五月雨と白雪が助かりました」


提督「助けたのは俺じゃねぇ。ヴェールヌイに言ってくれ」


健四郎「ありがとうございます」


ヴェールヌイ「みんな無事でよかったよ」


健四郎「…では、また次の機会に…」


提督「それじゃ」



船の上



提督「……」


ヴェールヌイ「……」


提督「…ヴェールヌイ」


ヴェールヌイ「何?」


提督「…よくやった」


ヴェールヌイ「それほどでも」


提督「……」


ヴェールヌイ「…ねぇ司令官」


提督「なんだ?」


ヴェールヌイ「…私たち艦娘は…どうしてここまで酷使されなきゃいけないの?」


提督「…わからん…自分のことしか考えていない連中の考えなんて分かりたくもない」


ヴェールヌイ「……」




???



??「……」


??「…ケ、今回の大規模作戦もまた失敗した…お前らの無能さにはほんと呆れる」


??「…すみません…」


??「お前だけのこのこ帰ってきやがって………そうだ…いいこと思いついたぞ!」


??「おい!古鷹!」


??→?古鷹「は、はい!」


??「明日、この大量の爆弾を体にくくりつけて出撃しろ」


?古鷹「……どこへいけば…」


??「…そうだな…国民に俺をアピールする為に…」


??「孤島鎮守府に突撃しろ!」


?古鷹「……」


??「嫌っていうんだったら…お前を焼き殺す。どうだ?一瞬で死ねる方法と、苦しみながら死ねる方法。どっちがいい?」


?古鷹「……前者がいいです…」


??「じゃあ明日、頼んだぞ」




?古鷹「……」ポタ…ポタ…


?古鷹(…嫌…死にたくない……でも…そんなこと言ったら…焼き殺される…)


?古鷹「…うう…」ポロポロ





第七章 海軍の闇





執務室



コンコン

ガチャ

雷「失礼するわ」


電「失礼するのです」


提督「電と雷か…どうした?」


雷「ふっふっふっふ…今日から私と電は電気化したのよ!」


提督「…電気化?」


電「長良さんから改造を受けたのです」


提督「へぇ…改造で電気化とやらになったのか?」


雷「そうよ」


提督「電気化ってなんだ?」


電「まずこの装備を見てくださいなのです」


提督「…以前より軽装になったか?魚雷発射管も無い…」


電「ぱっと見だとそう思うのも無理はないのです。でも、この装備は凄いんです!」


提督「どんなところが?」


雷「ここじゃあ話にならないわ。海にいきましょう」


提督「分かった」



海上



雷「あそこにハ級がいるわよね?」


提督「ああ」


雷「あれを…ロックオンし…」


提督「?」


パカッ


雷の艤装についている蓋のようなものの一つが開き…


雷「発射!」


シュゴオオオオオオオオオオ!!!


中からミサイルが出てきた


提督「おお…」


ハ級「⁉︎」


シューーーーーーーーー


ハ級「!!??」アタフタアタフタ


ハ級「ギィィィィィィ!?!?!?!?」ドカーーーーーーーン!!!!!



雷「…どう?」


提督「…すげぇ…」


電「狙った獲物は逃さないのです」


提督「…よくこんなもの作れたな…」


電「あとは…」


深海艦載機 ブーーーーーン


提督「!電!危ない!」


深海艦載機 もう遅い

爆弾投下


電「あ…」


すると電の肩にある小さな単装砲が上を向き…


単装砲 ドン!


ドカーーン!!


提督「…へ…」


深海艦載機 ……え…?


電「…無事なのです」


単装砲 ギュイン!ドン!


深海艦載機 そんなのありかよ…

ドカーーん!!



提督「…凄いな…長良のやつ…」


雷「…本当ね……」



電と雷が改造されました




再び執務室



提督「長良…あいつの技術力はどうなっているんだ…」


ガチャ


皐月「失礼するよ」


提督「皐月か…どうだ?最近は?」


皐月「おかげで馴染めてきてるよ」


提督「そうか。それは良かった」


皐月「…司令官…」


提督「…それで?何の用だ?」


皐月「…ちょっと後で話したいことがあるの…大丈夫かな?」


提督「いいぞ」


皐月「ありがとう」


提督「じゃあまた後でな」


皐月「うん」




大本営




総元帥「……」


関東元帥「…そうか…」


??「というわけで〜孤島の悪魔との演習をお願いしたいんだよ〜親父〜」


関東元帥「分かった。奴の艦隊じゃお前の艦隊を倒せんじゃろ」


関東元帥「いいですか?」


総元帥「好きにしろ」


??「ありがとうございます〜」


関東元帥「では早速奴の鎮守府に連絡するとしよう」


??「海軍の人間も沢山呼んでくれよ?」


関東元帥「お前が演習すると言ったら皆来るじゃろう」


??「それじゃ、これ俺の艦隊。あのクズに送り付けて」


関東元帥「分かった」


??「そんじゃ失礼しましたー」


ガチャン


総元帥「…あれでも大将か…もう少し態度を改めさせたほうがどうだ?」


関東元帥「言っておきます…」





その夜





提督「…で、話とは?」


皐月「…僕について…」


提督「皐月について?」


皐月「…実は僕…」


皐月「元は人間だったの…」


提督「…は?」


皐月「もともと人間だったの」


提督「…マジで?」


皐月「マジ」


提督「…そう…なのか…」


皐月「…僕だけじゃなく、睦月お姉ちゃんと望月も…」


提督「…」


皐月「…小さい頃、僕はある孤児院に捨てられたんだ…」






皐月(4)「え…ここどこ?遊園地は?」


父親「…ごめんな…」


皐月「…え…」


父親「ここにいるみんなと仲良くするんだぞ」


皐月「…パパは?」


父親「…パパはもう…彩華のそばにはいられないんだ…」


父親「本当にすまん!お前だけは生きてくれ!」


皐月「やだやだ!パパと一緒がいい!」


父親「これから彩華のことお願いします」


院長「任せてください」


父親「…では…」


皐月「パパ!待って!いい子にするから!置いてかないでよ!」ポロポロ


父親「…彩華は十分いい子だよ…だから…すまん…許してくれ」


院長「…」サツキヲダキカカエル


皐月「やだ!離してよ!パパがいい!」


院長「よしよし…いい子だねぇ…おいで」


皐月「嫌!絶対に嫌!パパ!助けて!パパー‼︎」ボロボロ






皐月「…今になっても…夢にみる…そして、考える…」


皐月「どうしてお父さんは僕を捨てたのか…」






皐月「…ヒッグ…エッグ………パパ〜…」シクシク


睦月(6)「大丈夫?」


皐月「うー…パパが……」シクシク


睦月「寂しいの?」


皐月「…うん…」


睦月「じゃあ、お姉ちゃんになってあげる!」


皐月「…お姉ちゃん誰…?」


睦月「お姉ちゃんは睦月っていうの!」


皐月「…睦月お姉ちゃん…?」


睦月「そうだよ〜お姉ちゃんだよ〜」ナデナデ


皐月「…僕は彩華っていうの…」


睦月「彩華ちゃんか〜よろしくね〜」


皐月「…うぅ…」ポロポロ


睦月「よしよし…お姉ちゃんがずっとそばにいるからね」





皐月「隅で泣いている僕に最初に声をかけてくれたのが睦月お姉ちゃんだった…」


皐月「…そして…院長から新しい名前をもらうことになった…」




院長「彩華ちゃん…今の名前はそれであってるね?」


皐月「…うん…」


院長「じゃあその名前は忘れなさい」


皐月「…え…」


院長「これからは皐月という名前で生きて行きなさい」


皐月「で…でも院長「分かったね?皐月」…はい…」




皐月「まだ小さかった僕に院長は反論を許さず、強引に名前を変えたんだ…」


皐月「…そして…今の名前に変わってから二年が経った頃…妹ができたんだ」




望月「…うぇーーん…」シクシク


皐月「どうしたの?」


望月「…捨てられた…」


皐月「…じゃあ僕の妹にならない?」


望月「え…」


皐月「僕の名前は皐月って言うんだ。君は?」


望月「…み……望月…」


皐月「望月って言うんだ。よろしくね」


望月「…ふぇぇぇん…」


皐月「よしよし」ナデナデ


望月「皐月お姉ちゃあん…」シクシク





皐月「…可愛かったな…望月は…」


皐月「その後は三人で幸せに生きていたんだ。だけど…ある日…」





院長「睦月、皐月、望月は今すぐ来なさい」


睦月「?なんだろう?」


皐月「分からない…」


望月「とりあえず行こうよ…怒られたくないし…」




皐月「…今思うと…この時に逃げていたら、今のようにはならなかったと思う…」




院長「こっちにおいで」


睦月「なんですか…?」


院長「来たらわかるよ」


裏口のドア ガチャ


黒い服の男「やあお嬢さんたち」


望月「…誰?」


黒い服の男「院長、この子達であっているんだな?」


院長「はい。さあ、自己紹介しなさい」


睦月「睦月です」


皐月「皐月です…」


望月「望月です」


黒い服の男「…うん…間違いないようだ…さあ、この車に乗りなさい」


皐月「…?」


黒い服の男「いいから早く」


睦月「わっわかりました!」





皐月「黒い服の男が、僕たちを車に乗せて、そのまま孤児院を出て行ったんだ…」


皐月「…そして…着いたところが…艦娘隔離教育施設というところだった…」





皐月「…ここどこ…」


黒い服の男「さっさと歩け」


三人「…はい…」



しばらく歩いて



黒い服の男「この部屋に入れ」


望月「おじさんは?」


黒い服の男「」ドガッ


望月「痛っ!」


睦月「望月!」


黒い服の男「誰がおじさんだ!これからは人間様と呼べ!このクズどもが!」


皐月「……よくも望月をー!」


黒い服の男「うるせー!」ドガッ


皐月「あぐ…」


睦月「…皐月…望月…大人しく従うしかないよ…」


皐月「…うん…」



望月「…これからどうなるの?」


皐月「…わかんない…」


望月「帰りたいよ…」


天井 プシューー


睦月「⁉︎な…何!」


望月「何…これ…」


皐月「あ…う…なんだか…眠い…」





皐月「僕達は催眠ガスで眠らされて…その後…何があったかは分からない…だけど、次起きた時…」





皐月「うーん…」


皐月「…あれ…?」


皐月「ベッドだ…」


皐月「…ここは…」




皐月「…その中は牢屋だった…薄暗い…」




皐月「…睦月お姉ちゃん…望月…どこ…?」


皐月「…あれ…」


皐月「…これ…鏡だよね…」


皐月「…この目の前に写っている娘…誰…?」


皐月「…私…髪の毛こんな色じゃなかったよ…?どうなっているの?」




皐月「…鏡に写っていたのは…」


皐月「艦娘、駆逐艦皐月だった…」




看守「よお?起きたか?」


皐月「…だれ?」


看守「看守だよ。お前らが脱走しないかを見張ってるんだよ」


皐月「…睦月お姉ちゃんと望月は?」


看守「あー、別の牢にいるよ」


皐月「…会いたい…」


看守「それは無理だね。それよりも、その口調、直したほうがいいぞ」


皐月「…え…」


看守「今回は許すけど、次僕にそんな口調で話したら…」


看守「懲罰房行きだよ」


皐月「っ!…」


看守「気をつけてねーw」




皐月「…それからは最悪だった…」


皐月「少しでもタメ口を吐いたら即懲罰房に連れて行かれて…そして…」ポロポロ


提督「…無理するな…」


皐月「大丈夫…思い出したら辛いだけ…」


皐月「…施設の人には、常に敬語で話し、24時間365日監視されて…少しでも気を緩めてしまったら…死ぬ直前まで苦しみを与えれれて…」


皐月「…そんなんだから…死んでしまう娘だって何人かいた…」


皐月「…死んだ娘は…海に捨てられたり…ゴミ袋に詰め込まれてゴミとしてそのまま捨てられたり…冬場だと、寒さに耐えかねた他の娘が寒さを凌ぐために燃やしたり…処理は散々だった…」


提督「…」


皐月「…そんなこんなで…何年過ごしたのか覚えてない…でも、あの施設から出る日が来た…」




皐月「…お世話になりました…」


従業員「さっさと行け」


皐月「…はい…」





皐月「…そして…その後送られた場所がV鎮守府だった…」


皐月「…そこで…数年ぶりに睦月お姉ちゃんと望月と再会した…」


皐月「…だけど…再会から一ヶ月後…睦月お姉ちゃんが台風で失踪した…」


提督「……」


皐月「…そして…あのV提督に…望月は殺された……」


提督「…そして、今に至る。というわけか?」


皐月「…うん…」


提督「……」


皐月「…それが…僕の…過去だよ…」


提督「……クソが!」ドン!


皐月「」ビクッ


提督「…なんつー胸糞悪い話だ……皐月…」


皐月「…何…?」


提督「…よく頑張ったな……」ナデナデ


皐月「…うん…」


皐月「…僕の人生…なんだったんだろう…」ポロポロ


提督「……」


皐月「…僕は…自分のしたいことなんてできなかった…あの院長も…僕達を最初から売る気だったんだ…」ポロポロ


提督「……」


皐月「…辛いよ…僕は夢も見させてくれない…」


提督「…じゃあ今からでも見たらいいじゃねぇか」


皐月「…え…」


提督「夢を見るなんていつでもいいんだ。今からでも、なりたいことを見つけたらいい」


皐月「…司令官…」


提督「安心しろ。ここはそういうところだ。やりたいことをやってもいいところなんだよ」


皐月「…ありがとう…司令官…」ポロポロ


提督「…よしよし…」ナデナデ


皐月「…う〜…//」



ヴェールヌイ(…いいな〜…私も撫でられたいな〜…)


リヴァイアサン「…甘えてますね…」


蒼龍「かわいい…」


青葉「重い…二つの意味で」(怒)


ヴェールヌイ「わ、悪かったよ…」




その頃…孤島鎮守府砂浜では



??「」


川内「おーい…大丈夫?」


??「」


川内「返事がない…明らかに大丈夫じゃないね…」


川内「…夜だし…時雨ちゃん、起きてるかな?」




安価を取ります

この娘は誰?

誰でもいいです


→大淀





医療室




大淀「…う…」


時雨「起きたよ」


川内「良かった…」


大淀「…ここは…?」


時雨「ここは医療室」


大淀「…そう…ですか…」


大淀「…どこの鎮守府ですか?」


川内「孤島鎮守府」


大淀「孤島鎮守府ですか……………孤島鎮守府⁉︎」


川内・時雨「うん」


大淀「あああの悪魔が居る…」


時雨「本人の前では言わないでね」


大淀「ももももちろろんですとも!死にたくありません!」


川内「言ったくらいで死ぬことはないと思うけど…」


時雨「…で?君は確か…大淀?だったっけ?」


大淀「はい!大淀です!」


時雨「どうして海を彷徨ってたんだい?」


大淀「…えっと…」


大淀「…私は…A鎮守府の大淀です…」


時雨「A鎮守府…ね…」


大淀「…A提督は…戦艦リヴァイアサンを健造するために、持ってる艦隊全てを資材集めに使っていました…」


時雨「……(またリヴァイアサンか…)」


大淀「…そして…提督を補佐する役目の私まで動員していたのです…」


川内「……」


大淀「…しかし、必死の努力も全く成果を出さず…建造することは叶いませんでした…」


大淀「それでもA提督は諦めようとしませんでした…」


大淀「やがて、無理な艦隊運用により、疲労が溜まってしまって…それで…」


大淀「気を失い、気がついたらここに…」


川内「…なるほど…」


大淀「…戦艦リヴァイアサン…横須賀提督の妄言だとどれほど言っても聞き入れてもらえず…もうみんな知っていることなのに…」


時雨「……諦めが悪い奴なんだね…」


大淀「…はい……しかし、もし本当に存在するなら…一目会いたい…そう願う娘も中にはいましたね…」


大淀「疲労で沈んでしまいましたけど!」


川内「……」


時雨「…呼んできてくれる?」


川内「起きてたらね」シュッ


大淀「…?」



ガチャ


川内「だめだね…明日になりそう…」


時雨「そうかい…」


大淀「??」




執務室



タッタッタッタッタッタ

バン!

飛龍「提督!」


提督「ん?どうした?」サツキヲヒザマクラ


皐月「すー……」zzz


飛龍「羨まs…じゃなくて!敵襲です!」


提督「何!」


青葉「敵襲?」


飛龍「哨戒中の夜天改からの打電です!爆弾を抱えた艦娘が真っ直ぐ突っ込んでくるとのこと!」


ヴェールヌイ「…自爆するつもりかな…?」


提督「艦種は?」


飛龍「重巡洋艦、古鷹です!」


青葉「古鷹さん⁉︎」


蒼龍「一体どうして…」


提督「…命令されたのだろう…」


青葉「…酷い…」


飛龍「…どういたしましょう…」


提督「…要は自爆させなきゃいい話だ……気絶させられば…」


ヴェールヌイ「…うーん…」


ヴェールヌイ「あ!そうだ!」


提督「ヴェールヌイ?」


ヴェールヌイ「ここに強力な麻酔弾があります」


提督「…なるほど…」


ヴェールヌイ「時雨に頼もう!」


提督「じゃあ医療室だな」




医療室




ガチャ

提督「時雨ー起きてるかー?」


時雨「起きてるよ」


大淀「あ」


提督「ん?誰だ?」


川内「大淀さん。流れ着いてきたんだよ」


提督「そうか」


大淀「おおお大淀です!初めまして」


提督「楽にしてくれ。俺はここの提督だ。よろしく」


大淀「よ、よろしくお願いしますす」


時雨「…で?何の用?」


提督「ああ、実はな…」








時雨「……」狙ってる


大淀「…あれは…?」


飛龍「二百式対艦ライフルです。提督が三日かけて時雨ちゃんのために作ったものです」


大淀「…時雨さんのために…?」


時雨「……っ!」バン!



古鷹「……」


古鷹(ごめん…なさい…O提督……私は…ここまでのようです……)


古鷹(私のことを娘と呼んでくださったこと…嬉しかったです…)ポロポロ


古鷹(…天国で…会いたいです…)ポロポロ


古鷹「…?」


古鷹グサッ!「う!」


古鷹(な…何?)


古鷹(…あれ…なんだか眠く………)


古鷹(あ……あ……)








第八章 託されたもの、受け継がれていくもの







ザッザッザッザッ



古鷹「…ここか…」



O鎮守府



執務室



ガチャ

古鷹「失礼します!今日からここに配属になりました。重巡洋艦古鷹です!重巡洋艦のいい所、たくさん見せます!」


O提督「よく来たな!俺はO提督だ!よろしく」


古鷹「はい!よろしくお願いします!」


O提督「…さて、早速だが古鷹」


古鷹「なんでしょう?」


O提督「何か飯でも食べに行こう!」


古鷹「え!いいんですか!」


O提督「ああ、遠慮するな!」


古鷹「ありがとうございます!」



レストラン



古鷹「……」モグモグ


O提督「…」ジーー


古鷹「…なんですか?」


O提督「普通の人間みたいに食うんだなぁ…」


古鷹「?」



古鷹「先程はありがとうございました」


O提督「気にすんな。俺からの着任祝いだ」


古鷹「…あの…」


O提督「なんだ?」


古鷹「O鎮守府は今、艦娘は何人居るのでしょうか?」


O提督「お前だけだが」


古鷹「…え」


O提督「初期艦もいなければ建造だってしたことがねぇーな!がっはっはっは!」


古鷹「もう着任してから半年は経っているのにですか⁉︎」


O提督「ああ、いねぇ」


古鷹「…では…まずは建造をしてくd 「断る」…え?」


O提督「わざわざ建造に使うくらいだったら研究に使ったほうがマシだ」


古鷹「…え…?」


O提督「古鷹よ、俺は戦争になんて参加したくはねぇんだ」


古鷹「⁉︎そ、それはどういう…」


O提督「そのまんまだ。俺は内地でのんびり過ごしたかったんだ。だがよ…海軍の奴らが俺に軍役に入ることを強制してきやがった。理由は妖精が見えるからなんだと」


古鷹「……」


O提督「ひでぇ話だよな?しかも入ってから知ったんだが艦娘に対しての扱いが酷すぎねぇか?」


古鷹「……たしかに…酷いかもしれませんが…それは常識です」


O提督「ふざけた常識だ。お前もその常識に乗っかって死ぬのか?」


古鷹「……」


O提督「死にたいか?」


古鷹「…嫌です…」


O提督「だろ?お前らは兵士なんだからそれが当たり前だ」


古鷹「…いいえ…私達は兵器です…兵士とはまた違います…」


O提督「お前らが兵器?ブワァッハッハッハッハ!笑わせんなwお前らが兵士でなく兵器だっていう根拠がどこにある?」


古鷹「…私達は…元は資材から生まれてきているんです…」


O提督「何から生まれたかは関係ねぇ。お前らは生きてるんだからよ、人間と変わらねぇ」


古鷹「…人間とは…また…違うんです…」


O提督「確かに砲撃を喰らってもすぐには死なないというところは人間とは違うかもしれん。だけど、それ以外は人間だろ?」


古鷹「…どこがですか?」


O提督「感情があるじゃないか。それに性格もそれぞれで、自分の思ったことを表現できるのも人間と同じだ」


古鷹「……」


O提督「…勘違いするな。お前らは兵器ではなく兵士だ!よって人間である。それは忘れるなよ」


古鷹「…はい…」ポト…


O提督「ん?泣いているのか?大丈夫か?」


古鷹「…いえ…嬉しくて…つい…」


O提督「ほらな?感情があるだろ?」


古鷹「…はい!」




O鎮守府




古鷹「…提督…」


O提督「なんだ?」


古鷹「えっと…研究というのは…一体何を…?」


O提督「ああ、こっちだ」




研究室




ガチャ…


O提督「入れ」


古鷹「失礼します……わぁ……」


色々な機械が並んでいる


O提督「どうだ?」


古鷹「本格的に研究室って感じがします!」


O提督「研究室だからな」


古鷹「ここでいったいどんな研究をされているのですか?」


O提督「それはそれは夢のような薬品さ!」


古鷹「?」


O提督「戦いによって傷ついた艦娘達のために作っているんだ!」


古鷹「傷ついた艦娘達のため…?」


O提督「ああそうさ。多くの艦娘は傷を完全に癒すこともできないまま出撃させられる。そうなるとどんどんダメージが蓄積されていって最終的には沈むだろ?だけどこの薬品はそれを解決するものすごい薬品だ!」


O提督「どんな傷でも一瞬にして回復させ、艦娘の心の傷までも癒す。艦娘なら誰もがあったらいいなと思っているはずだ!それを作ってやるんだ!」


古鷹「…本当に…作れるのですか?そんなもの…」


O提督「作れるか作れないかじゃなくて、作り上げるんだよ!そうでなきゃ、研究している意味がねぇ!」


古鷹「…そうですか…分かりました!私も協力します!」


O提督「助かる。これからよろしくな」


古鷹「よろしくお願いします!」





O提督「ここをこうやって…こうして…」


古鷹「……わわ!」



O提督「うーむ…どうしたものか…」


古鷹「…ではここをこうやってみてはいかがでしょう?」


O提督「おお!古鷹良くやった!」



O提督「…古鷹」


古鷹「なんでしょうか?」


O提督「すまんが…あそこの棚の上にある薬品を取ってくれ。今手が離せなくてな…」


古鷹「分かりました」



O提督「…ふう…少し休憩せんか?」


古鷹「分かりました」



古鷹「スゥー」zzz


O提督「…お疲れさん」毛布を被せる



O提督「これでどうだ!」


ポチャ


ドカーーン!!


古鷹「……」


O提督「…また失敗だ…」



古鷹「今度こそ!」


ポチャ

シュワァ~


古鷹「おお!」


ドカーーン!!


古鷹「…うぅ…」


O提督「…よしよし…」ナデナデ



O提督「…どうだ…これで…」寝不足


古鷹「もう少し休んでください」


ボン!


O提督「また失敗だァァァァ!!!」



古鷹「うぅ…」


O提督「38℃…風邪だな…」


古鷹「…申し訳ございません…」


O提督「はぁ…つきっきりで看病してやるから早く治せよ」


古鷹「…ありがとうございます」



O提督「……」包帯巻き


古鷹「危なかったですね…危うく火だるまになって死ぬところでしたよ…」


O提督「…すまんな…」


古鷹「いえいえ、気にしないでください」



そんなこんなで色々ありながら一年…



O提督「古鷹!古鷹!来てくれ!」


古鷹「…!こっこれは…!」


O提督「ああ、そうだ!間違いない…」


O提督「これこそ!俺が研究を始めて以来、ずっと求めてきた反応だ!」


古鷹「やりましたね!」


O提督「ああ、やったぞーーーーーー!!!はっはっはっはっは!」


古鷹(良かった…後もう少しで…)


O提督「はっはっはっはっは!はっはっは…は……は………」


古鷹「? 提督?」


O提督「…ゴホッ!」吐血


古鷹「きゃあ!」


O提督「う……ふ…る……た…か……」バタン


古鷹「提督⁉︎提督⁉︎しっかりしてください!提督⁉︎」








医師「…死苦羅病だね…もう長くはありませんよ…」


古鷹「…そんな…」


O提督「……」


医師「…気休め程度ですが…この薬で症状は多少治るでしょう…」


O提督「…ありがとうございます…」




古鷹「…提督…」


O提督「…帰るぞ…研究の続きをするんだ」


古鷹「…!ダメです!休んでください!」


O提督「…休んだところで…死期が変わるわけでもない…だから生きているうちに…完成させなければ…」


古鷹「……」



O提督「……足りない…」


O提督「…クソ!ここに来て足りないものが出てくるなんて!」


古鷹「……」


O提督「後少しだってのに…」


古鷹「……」


O提督「…この素材さえあれば…」



海上



古鷹「……提督…こうなったらもう最後まで付き合います!」



古鷹「…違う…」



古鷹「これでもない…」



古鷹「これじゃない!」



古鷹「そうじゃない!」



古鷹「ゼェ…ゼェ……」


古鷹「……」


バシャーン!


古鷹「!」


古鷹「…あった!これ!」


ヒュ〜

バシャーン!

古鷹「⁉︎」


ル級「……」


古鷹「…持って帰るんだ…」


ドーンドーン


古鷹「…絶対に………ぐぅ!」ドカーーーン!!


古鷹「まだ…このくらいで…」中破


古鷹「諦めない!絶対に諦めない!」




O提督「…何か…代用できるものはないか?…うぐ!」


O提督(…不味いな……タイムリミットまであとわずかだ…)


O提督「…クソ!古鷹…どこにいったんだ…もう三日も姿を見ないぞ…」


O提督「……これは…ダメだ…」


O提督「…クソ!クソ!クソ!」


ガチャ…


O提督「…?古鷹か……!」


古鷹「…これ…使ってください…」大破


O提督「!それは!」


古鷹「…素材です…」


O提督「古鷹!よくやった!よくやった!」ダキツキボロボロ


古鷹「えへへ…」


O提督「う…う…」ボロボロ



O提督「…これで…どうだ!」


シュ~


O提督「!成功だ!うまくいったぞ!」


古鷹「やった…やった…」


O提督「はーはっはっはっは!はーはっはっはっは……ゴホッ」吐血バタン


古鷹「あ…提督…」


O提督「…すまんな…もう俺は…ここまでのようだ…」


古鷹「……」


O提督「…お前のその怪我…あいつで治るかな…」


古鷹「…きっと治ります」


O提督「…すまんな…最後の最後まで…お前に苦労をかけた…」ポタ…ポタ…


O提督「…これ…受け取ってくれ…」っメモリーカード


古鷹「…これは…」


O提督「今までの研究の成果をその中に残してある…それであれを作れる」


古鷹「……」


O提督「…誰に渡すかはお前が決めろ…お前の成果でもある…」


O提督「……すまない…話したいことがまだたくさんあるが…どうやら許してくれなさそうだ…」


古鷹「……」ポタ…ポタ…


O提督「…ここ一年間…俺のわがままに付き合ってくれて…ありがとうな……」


古鷹「…私は…提督にとってはどのような存在になれましたか…?」


O提督「…ああ…それはな…」


O提督「自分の娘みたいな感覚だったよ…」


古鷹「…!」


O提督「……お前は…俺の…自慢の娘だ。この先も…ずっと…」


O提督「…だから…生きてくれ…死ぬときは…俺みたいに苦しんで死ぬんじゃなくて…安らかに…死んでくれ…」


古鷹「…はい…!」ポタ…ポタ…


O提督「…ありがとう…本当にありがとう…」ポタ…ポタ…


O提督「………」


O提督「……」


O提督「…」


O提督「」


古鷹「ううぅぅ…ひっく…」ボロボロ




O鎮守府

ドック



古鷹「…これで…いいはず…」


修理ドックに試作品を入れた


古鷹「……」ポチャ


古鷹「…!」


傷が一瞬にして癒えていく


古鷹(……提督…見てください……)


古鷹(…実験は…成功です…)ポロ…




















古鷹「…うーん…」


時雨「あ!起きた?」


古鷹「…ここは…?」


時雨「医療室だよ」


古鷹「…助かったのですか…」


時雨「うん」


古鷹「…よ…」


古鷹「良かった…」


時雨「…にしても…何で爆弾抱えて突撃してきたんだい?」


古鷹「…それは…」


古鷹説明中


時雨「…最低だね…」


古鷹「…はい……でも、命があって良かったです。あんな人に今までの研究を台無しにされたくありませんから…」


時雨「研究?」


古鷹「…それはここの提督に会ってから話すかどうか決めます」


時雨「…分かった」




ガチャ


提督「失礼する」


古鷹「…あなたが…ここの…?」


提督「提督だ」


古鷹「重巡洋艦古鷹と申します」


提督「よろしく。早速だが…」





提督「…なるほど…」


古鷹「…これから私、どうすれば…」


提督「ここにいれば?」


古鷹「良いんですか?」


提督「別に良いぞ。ただ、ここのルールに従ってもらうがな」


古鷹「…何ですか?」


提督「好きなこと、自分のやりたいことを見つけて欲しい。ただそれだけだ」


古鷹「…好きなこと…ですか…」


提督「ああ、ここの艦娘はみんなそうしてもらっている」


古鷹「…そうですか…」


提督「ま、そういうわけで、これからよろしくな」


古鷹「はい!よろしくお願いします!」


時雨「…それで…研究とは…」


提督「研究?」


古鷹「…あなたなら…話しても良さそうですね」


提督「?」



古鷹、O提督について説明中



時雨「…それは…」ポロ…


提督「…良い話だな…」


古鷹「…はい…」


時雨「…どんな傷でも一瞬にして治す薬品か……」


古鷹「ですから、これを受け取ってください」っメモリーカード


提督「…ありがとう…」


古鷹「…ふふ…」


古鷹(O提督…この人ならきっと有効に使ってくれるはずです…ですから安心してください…)





翌日




リヴァイアサン「…はじめまして…」ペコリ


大淀「はじめまして…」ペコリ


大淀(駆逐艦かな…?)


リヴァイアサン「戦艦リヴァイアサンと申します」


大淀「…え…」


リヴァイアサン「戦艦リヴァイアサンです」


大淀「…嘘は…よくありませんよ…」


リヴァイアサン「…」ガシャン!


大淀「⁉︎」


リヴァイアサン「全砲門…斉射…」


ドーーン!!


大淀「あ…あ…あ………」アングリ


大淀(四連装の主砲が全部で五基………)


リヴァイアサン「……これでも嘘をついているとでも…?」


大淀「し!失礼しました!」


川内「というわけで…これから仲良くしてね」


大淀「あわわわわわ…」


リヴァイアサン「……そんなに怖い?私?」


クラーケン「…どうだろう…」



古鷹「…あれが戦艦リヴァイアサンか……」


古鷹「そしてその横にいるのが妹のクラーケンか…」


古鷹「あんなに重そうな艤装をいったいどうやって装備しているのかな…?」


妖精A「さあ…知らない…」




プリンター「ガガ!ガーガッガッガッガッガッガ…」


飛龍「あら…?」


飛龍「…………⁉︎」


飛龍「提督ーーー!」





第九章 大本営艦隊との演習






提督「……嘘だろ…」


縁羅「……」


吹雪「……」


ヴェールヌイ「…Это что…」


飛龍「…残念ながら本当です」


提督「……」


縁羅「…どうします…?」


提督「…要は演習するために大本営まで来い…と言うことだ…」


リヴァイアサン「……」


蒼龍「……」


時雨「…じゃあ…参加するの?」


提督「……」



安価を取ります。

突然来た演習の申し込み状

1.これに従い、参加する。

2.無視する。

3.条件付きで了承する。(その場合は条件も書いてください)



→1




提督「…仕方ない…参加するとしよう…」


飛龍「……」






演習当日





提督「……」


大将「逃げずにきたのは意外だな〜w」


提督「…」


大将「ま、せいぜいいい足掻きを見せてね〜」


提督「…」


ワーワー

ハヤクヤレー

カンタイヲミセテクレー


大将「ふっふっふっふ…この艦隊を見て震えるがいい!」



戦艦大和(旗艦)

戦艦武蔵

装甲空母大鳳

駆逐艦島風

航空母艦赤城

航空母艦加賀




オオー

サスガハダイホンエイカンタイダナ

ウラヤマシイ



提督(…大丈夫だろうか……いや…信じよう…)



安価を取ります


編成は誰がいいですか?



→川内、神通、ヴェールヌイ(旗艦)、暁、時雨、伊168




川内「…流石大本営艦隊…」


神通「戦艦と空母が中心ですか…」




大本営大和「…やはり水雷戦隊ですか…」


大本営武蔵「…予想はしていたが…」


大本営赤城「……」


大本営大鳳「……」




関東元帥「これより、大将と悪魔の演習を始める」


大将「どうやって負けるか見ものだw」


提督「……」




大本営加賀「捜索隊…発艦…」パシュ!


零戦五二型 ブーーン




ヴェールヌイ「一人一人ずつやっていこうか」


暁「…どうするの?」


ヴェールヌイ「まずは島風から叩こう。その方がイムヤが行動しやすいからね」


伊168「うんうん」


暁「誰がやるの?」


時雨「それは僕がやるよ」


ヴェールヌイ「分かった」


神通「私達は?」


ヴェールヌイ「夜戦まで待機していて欲しい。その方が楽しいと思う」


川内「やったー!」


神通「分かりました」


伊168「私は誰をやればいいかな?」


ヴェールヌイ「うーん…好きなのをどうぞ」


伊168「じゃあ赤城さんをやる」


ヴェールヌイ「分かった」


暁「じゃあ私は加賀さんをやるわ」


ヴェールヌイ「じゃあ私は大和だね」


川内「てことは…私はどっちなのかな…どっちがいい?神通」


神通「では大鳳さんを」


川内「じゃあ私は武蔵さんだね」


時雨「決まったね。じゃあ散開しよう。固まっていると、偵察機に発見されやすいからね」


ヴェールヌイ「それじゃあみんなの健闘を祈るよ」




数分後




大本営大鳳「…相手の艦隊は…いったいどのような気持ちでこの演習に参加しているのでしょうか…」


大本営島風「さぁ…?でも絶望しているのは間違いないんじゃない?」


大本営大和「まぁ…無理もありませんよ…」


大本営島風「今回は私の出番ないかもだし」


大本営加賀「…偵察機で発見した後は、攻撃隊を飛ばして壊滅させるだけです。恐らく、無いかと…」


大本営島風「…退屈だな〜…」



時雨(…ありがたいね…油断してくれると)


時雨(撃ちやすいんだよ!)バン!



大本営島風「…え?」


ドカーーン!!

大本営島風「キャアアアア!!」


大本営大和「⁉︎島風ちゃん⁉︎」


大本営加賀「⁉︎」


大本営赤城「⁉︎」


大本営大鳳「⁉︎」


大本営武蔵「⁉︎」


大本営島風「…うぅ…」大破


大本営大鳳「大破⁉︎」


大本営武蔵「…いったい…どこから…」


大本営武蔵「!」


時雨「…へへ…」b


大本営武蔵(まさか…あんな遠いところから命中させたと言うのか…?)


大本営赤城「!3時の方向!駆逐艦二人が突っ込んできます!」


大本営武蔵「何⁉︎」


大本営大和「砲撃開始!」


ドーン!ドーン!ドーン!




大将「…は……へ……は………」パクパク


関東元帥「…何が…おこったんだ…」


シマカゼガバクハツシタゾ?

ドウイウコトダ?


提督「……」




大本営大和「…当たらない…」


大本営武蔵「この弾幕をここまで掻い潜るとは…」


大本営加賀「攻撃隊!全機突撃!」


九九式艦爆 ブーーン



ヴェールヌイ「…無駄だね…」


暁「こっちは戦い慣れてるのよ!これくらいどうってことないわ!」


ヴェールヌイ「……」シャキ…


大本営大和「…!まさか…」


ヴェールヌイ「覚悟!」ザシュ!


大本営大和「がぁぁ!……」


大本営武蔵「大和姉さん!」


大本営大和「うぐぅぅ…」


ヴェールヌイ「とどめ」グサ!


大本営大和「あが!……」


大本営武蔵「大和姉さん!……よくも…」


ヴェールヌイ「逃げろー」ビュン!


大本営武蔵「待て!」ドーーン!ドーーン!


ヴェールヌイ「避けるのは得意だよ」ヒュンヒュン


大本営加賀「…嘘でしょ…大和さんが……!赤城さん!」


大本営赤城「!しま…」


伊168「遅い!」


ドカーーン!!


大本営赤城「キャアアアア!!」


大本営加賀「赤城さん!」


大本営赤城「うぐ…やられた…」大破


大本営加賀「…!潜水艦…」


伊168「にげろーw」


大本営加賀「!待ちなs」ガシ…


暁「よそ見してるんじゃないわよ!」ザシュ!


大本営加賀「あぐぅぅぅ……」


暁「よし!トンズラするわ」


大本営大鳳「逃がさないで!」


九九式艦爆 ブーーン

爆弾投下


暁「当たるわけないでしょ!」バシャーン!


暁(…早く逃げないと…)




大将「貴様!どう言うことだ!説明しろ!」


提督「ですから、この演習の作戦は彼女達が自分達で立てると言っていましたから、知りませんよ…」


大将「ふざけるな…こんなことがあってもいいのか!」ワナワナ


関東元帥「…貴様の鎮守府の艦娘を全員こっちに譲歩しろ…」


提督「え?嫌ですよ。彼女達も嫌でしょうから」


関東元帥「命令だ」


提督「俺を見捨てた人間の言うことなんて聞きたくありません」


関東元帥「このクズ野郎が!」


提督「クズで結構」


関東元帥「貴様は人間ではないのだな!このワシの命令を聞けんと言うことは!」


提督「人間じゃなくて結構。俺はあいつらを守るだけだ」


関東元帥「グギギギギ…」


提督「…もう夜ですね」


提督「どうします?夜戦しますか?」


大将「当たり前だ!」




大本営武蔵「…大和姉さん…」


大本営大和「…水雷戦隊と甘く見ていたわ…」


大本営加賀「…夜戦は武蔵さんと大鳳さんで行くのですね…」


大本営大鳳「私は何もできませんけど…」


大本営島風「……」







大本営大鳳「…これ…勝てますか?」


大本営武蔵「…無理だろう…」


大将『おい!武蔵!』


大本営武蔵「なんですか?」


大将『もし夜戦で勝てなかったら…分かってるよな…?』


大本営武蔵「……」


大本営大鳳「……」


川内「大変だねぇ〜」


大本営武蔵「⁉︎」


川内「倒しにきたよ」


大本営武蔵「…お前達が負けを認めてくれたらこうはならないんだがな……」


川内「それは無理だよ。なんせ、私たちも提督を馬鹿にされて黙っているほど優しくはないよ」


大本営武蔵「…あの提督は…どんな人間なんだ…?」


川内「…それは…」


川内「うちに来たらわかることだよ」


大本営武蔵「……」


大本営大鳳「……」


神通「もう話すことはありません」


神通「…悪くは思わないでください」


大本営大鳳「……はい…」



ドカーーーーーーーン!!!!!












提督「みんな、お疲れさん」


川内「楽しかったよ」


ヴェールヌイ「うんうん」


暁「正直もう少し強いものかと思っていたけど、あまり大したことはなかったわ」


提督「そうか」


ガチャ

関東元帥「入るぞ」


大将「…こいつらが、今回演習に参加した奴らか?」


神通「おっと…関東元帥殿…」


時雨「そうだよ」


関東元帥「…貴様らの戦いっぷり、見事だった。それを見込んで、大本営への異動を命ずる」


伊168「……」


時雨「……」


川内「……」


神通「……」


暁「……」


ヴェールヌイ「……馬鹿にしてるの?」


関東元帥「…なんじゃと…?」


川内「聞こえなかった?馬鹿にしてるの?」


関東元帥「…は…」


ヴェールヌイ「…分からないようだからもう全員で言おう…せーの、」


艦娘達「お断りです!」


大将「……」


提督「だそうです」


関東元帥「…貴様らの意見など知らん…これは命令だ」


神通「あなたの命令なんて聞きたくありません」


関東元帥「なんだと……」ワナワナ


川内「帰りましょう提督」


提督「…分かった」


関東元帥「おい!待て!」


大将「この俺よりそのクズを選ぶのか!」


ヴェールヌイ「…」シャキ


大将「!……」カタナヲクビニアテラレ


ヴェールヌイ「…運がいいね。今ここにいるメンバーはまだ自制が効く。だけど、他のみんなだったら今の発言で君を殺すと思うよ」


大将「……」


ヴェールヌイ「私も今すぐその喉掻っ切ってやりたいけど、なんとか自制しているから。…口には気をつけてね」


大将「……」


ヴェールヌイ「返事は?」


大将「ひゃい…」


ヴェールヌイ「……」


暁(…今の響…怖かった…)




孤島鎮守府




縁羅「そうですか。はい…ではお気をつけて…」

ガチャン


飛龍「…どうでしたか?」


縁羅「勝ったそうです」


飛龍「良かった…」ホッ…


大淀「…本当に水雷戦隊で大本営艦隊を打ち破っちゃいましたよ…」アワワ


縁羅「しかも完全勝利らしいです」


名取「マジですか…」


蒼龍「…ま、ここは歴戦の猛者ばかりだからね…それに、艤装も改造されてるし…」


古鷹「……」


初霜「…大将達はどんな反応をしたのですか?」


縁羅「それは帰ってきてから聴きましょう」




その後、今回の勝利を祝って宴会が開かれたそうな。




数日後…




海上




加賀「…ふぅ…たまには散歩もいいですね……とは言っても周りは水平線まで広がる海ですけど…」


加賀「…暇ですね…何か面白いことが起きませんかね………ん?」


加賀「……向こうで戦闘が起きているようですね…行ってみましょう」



加賀「…どうやら終わったみたいですね…」


??「あ!あそこ見て!ドロップ艦じゃない?」


加賀「?どこでしょうか…」キョロキョロ


??「ちょっといいですか?」


加賀「え…あ…私?」


??「あなたの艦種は?」


加賀「…空母です…」


??「!もしかして、加賀さん⁉︎」


加賀「え…あ…はい…」


??→赤城「私です!同じ一航戦の赤城です!」


加賀「あ…赤城さん…」


赤城「会えて本当に嬉しいです!さあ、ついてきてください」グイグイ


加賀「い…いや…でも私…」


加賀(ん?でもついて行ったらついて行ったで面白そう。…ついて行ってみようかしら…)


??「つべこべ言わずについてきてください」


加賀「…はい…」




伊168「……何やってるの…あの硬い一航戦は…」


伊168「…はぁ…」







第十章 加賀の好奇心






提督「……へぇ…」


伊168『と言うわけで、様子を見るわ』


提督「頼んだ」

カチ…


提督「……」


飛龍「…ははは…」


提督「…まあ…イムヤに任せよう…」









赤城「こっちです」


加賀「……」




執務室




コンコン


??「入れ」


赤城「失礼します」


加賀「失礼します…」


??「そいつか?加賀っていうのは」


赤城「はい」


加賀「航空母艦加賀です」


C提督「C提督だ。お前は航空母艦なんだな?」


加賀「はい…」


C提督「なら、休む暇なんてないと思え」


C提督「早速だが、資材をみんなと一緒に取ってこい。少量だったら罰があるぞ」


加賀「…はい…」


赤城「…それじゃあ……行きましょうか…」


加賀「……」


加賀(…私達の提督がどれほど他のところより優しいか分かるわね…)




そして帰ってきて…




赤城「失礼します。今日の収穫でsC提督「馬鹿者!」


加賀「?」


C提督「どれだけ言ったらお前は理解できるんだ!同じ妖精なら、同じものだって作れるだろ!」


??「ですが、彼女は突然変異で…」


C提督「そんな言い訳通用するか!もうお前の抗議にはうんざりだ!明日!雷撃処分を実行する!」


??「!そんな!」


C提督「恨むんだったら、俺に刃向かうという愚かな行為をした自分を恨むんだな。憲兵、地下牢にぶち込んどけ!」


C憲兵A「は!」


??「やめてください!放してください!」


加賀「……」


赤城「……慣れてください…ここではあれが普通なのですよ…もっとも、明石さんは結構使えるので、抗議してきても許してはいたんですけど…堪忍袋の尾が切れてしまいましたか……」


加賀「……」


C提督「で?今日の収穫は?」


赤城「はい、今日は…………………」








加賀「…お願い」


伊168「分かったよ…」


加賀「ありがとうございます」


伊168「…なんであの時ついて行ったの?」


加賀「面白そうだったので」


伊168「……」アキレ




C鎮守府の自室




加賀「…赤城さん…」


赤城「なんでしょうか?」


加賀「…C提督は…何を欲しがっていたのですか?」


赤城「……」


加賀「……」


赤城「……もう存在しないって言われているものですよ…」


加賀「?なんですか?」


赤城「戦艦リヴァイアサンです…」


加賀「…!」


赤城「でも…無理はありません……なんせ、62cm砲を五基二十門を搭載していますから。誰もが夢を見る戦艦ですよ…」


加賀「……」


赤城「…いつになれば存在しないということを分かってくれるのでしょう…。それまで、この悪夢は続きますから…」


加賀「……」


赤城「…明日も早いです…。もう寝ましょう…」


加賀「…そうですね…」


赤城「おやすみなさい…」


加賀「おやすみなさい…」




翌日




明石「う…う………ひっく…」


C提督「泣いて詫びようとしても無駄だ。もうお前は沈む運命は変わらないからな」


C提督「お前ら、よく見ておけ。これが人間様に逆らった愚かな艦娘の末路だ!」


C提督「処刑しろ!」


駆逐艦娘「っ!……ごめんなさい!」シュッ


シャーーーーー


ドカーーーーーーーン!!!!!



明石(…ああ……ああ……これが…沈む感覚…)


明石(…寂しい……怖い………)ガシ…


明石(……え…)


伊168「もう少し辛抱して」


明石(………)


伊168「大丈夫、助けるから」





加賀「……うまくやってくれましたか…」


赤城「?何か言いましたか?加賀さん?」


加賀「いえ…何も…」


赤城「?」




C提督「さあ、今日も大型建造を命令する」


建造妖精達「…はい…」


C提督「今度こそ完成させろ!絶対にな?」


建造妖精達「ひぃ…」



カン!カン!カン!



扶桑「扶桑型戦艦一番艦の扶桑です。よろしくお願いします」


C提督「…おい…どういうことだ…?」


建造妖精達「ひぃぃぃ……」


C提督「あれほど言ったのになぜ言うことが聞けんのだ!」


建造妖精達「……」


扶桑「……」


加賀「……」


C提督「全く…」ツマミ


建造妖精「放してください!嫌です!ごめんなさい!」ジタバタジタバタ


C提督「これは見せしめだ!」


建造妖精「いやああああああああああああああ!!!!!!」


建造妖精「うぎゃああああああああああああああ!!!!!」


扶桑「あ…ああ……」ブルブル


加賀「……」


数分後


建造妖精「」死亡


C提督「…さあて……次こうなるのはだれかな〜…?はっはっはっはっはっは!」


建造妖精達「………」


扶桑「……」メヲツブッテブルブル


C提督「…おい、そこの不幸戦艦」


扶桑「…私…でしょうか…?」


C提督「お前以外に誰がいる!」


扶桑「ヒィ!すみません!すみません!」


C提督「俺の足を引っ張るなよ?引っ張ったら…」


扶桑「ひぃぃ……」ブルブル


C提督「…たく…なんでできないんだよ!」


加賀「……」




三日後




赤城「…それじゃあ…今日も行きましょうか…」


加賀「……」


赤城「……今日のメンバーは…」


夕立「……」ウツムキ


五十鈴「……」ウツムキ


巻雲「……」ウツムキ


夕張「…明石さん…明石さん…ブツブツ」


加賀(このメンバーで本当に大丈夫なのかしら……特に夕張さん…)


赤城「…では…行きましょうか…」


加賀「……」



数分後



赤城「どうですか?」


加賀「まあまあ…というところですね…」


夕立「…一応…何も言われない程度には取ったっぽい…」


巻雲「巻雲も…」


五十鈴「…私も多分…怒られはしないと思うわ。でも……」


夕張「……」ウツラウツラ…


赤城「…夕張さん…」


五十鈴「無理もありませんよ……夕張さんにとって明石さんは大親友だったもの…」


加賀「……」


巻雲「……!5時の方向に敵艦隊!」


赤城「え⁉︎」


夕立「しかも大艦隊っぽい!」


五十鈴「…どうしよう…」


C提督『おい、ちゃんと資源は集められたか?』


赤城「提督!はい…資源は集められましたが…敵の大艦隊と接敵してしまって…」


C提督『ふーん…持って帰れそうか?』


赤城「…いえ…資源があるので、追いつかれてしまいます…ここは捨てて帰ろうかと…」


C提督『馬鹿者!資源を持って帰らなかったら元も子もない。資源持って帰らないくらいなら沈め!』


赤城「!そんな!」


C提督『今をもって貴様らの指揮権を放棄する。あとは勝手にやれ!』


赤城「待ってください!提督!」


プツ!ザーー…


巻雲「……」


加賀「……」


五十鈴「……」


夕立「……」


夕張「……」


赤城「……」


巻雲「…どうするの…?」


赤城「……」


五十鈴「…もう…見捨てられたってことよね…?」


夕立「…このまま…あの大艦隊に沈められるっぽい…」


赤城「…ごめんなさい…私が至らないばかりに…」


五十鈴「赤城さんのせいではありませんよ…」


赤城「…う…う………」ポタ…ポタ…


加賀「……うちに来ます?」


赤城「…え…」


加賀「行き場所がないなら私の鎮守府に来ますか?少し遠いですけど…」


巻雲「…加賀さんの鎮守府…?」


加賀「はい」


赤城「…何を言っているのですか…?」


加賀「こっちです」


一同「?」




数分後




巻雲「…どこまでいけばいいの…?」


五十鈴「うう…疲れた…」ユウバリカカエ


加賀「こっちです………と……敵艦隊ですね」


赤城「…あ……」


ル級「……」ドーーン!


赤城「!加賀さん!危ない!」


ドカーーン!!


赤城「あ……あ…………」


夕立「……そんな…」


赤城「加賀さん…?大丈夫ですか!」


煙が晴れていく


赤城「!」


加賀「無事ですよ」


赤城「加賀さん!」


巻雲「…ちょっと待って…」


赤城「?どうしたの?」


夕立「…今…戦艦の砲撃が直撃したよね?」


加賀「はい。しましたよ」


夕立「じゃあなんで…」


巻雲「無傷なの…?」


赤城「…!本当だ…」


五十鈴「…嘘…」


夕張「……」


加賀「…それはですね…」


ヒュ〜


加賀「!」アカギヲツキトバシ


赤城「きゃあ!」


ドカーーン!!ドカーーン!!


赤城「か、加賀さん⁉︎」


巻雲「…今度こそ本当にやられたんじゃ…」


加賀「そんなことはありません」


巻雲「⁉︎えええええぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」


五十鈴「嘘でしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」


夕立「ぽいいイィぃぃぃぃぃぃぃぃ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」


夕張「…また無傷…」


加賀「…おっと…あちらもすごく困惑しているようです」


赤城「…加賀さん…」


夕立「そりゃするっぽい!」


加賀「…まあ…敵艦載機も来たことですし…さっきの大艦隊も追いついて来ましたし…」


加賀「そろそろ移動しましょう」


巻雲「…何者なの…?」


加賀「艦娘です」


五十鈴「いやそうじゃなくて…」


加賀「来たらわかります」


夕立「えぇ…」




数時間後




加賀「あともう少しです」


赤城「そうですか」


巻雲「…あの大艦隊もしつこいね…」


夕立「…あの大艦隊…どこで撒くっぽい…」


敵艦載機 シューーーーーー


加賀「しつこいですね」パシュ!


桃華改 ゴオオオオオオオオ


赤城「…さっきから加賀さんが出している戦闘機…なんですか……?今まで見たことがないですよ…」


加賀「ジェット戦闘機、桃華改です」


赤城「一体どうやったらあんなに早く飛べるのですか…」


加賀「私もよくわかりません」


赤城「……」


五十鈴「…それよりもあの大艦隊…どうするの…」


加賀「安心してください。奴らはもうすぐ、」


加賀「地獄を体験しますから」


五十鈴「?地獄?」


加賀「そのうち分かります」


五十鈴「?」


ル級「クラエ…」ドーン!ドーン!


巻雲「キャ!」バシャーン


夕立「危ないっぽい!」バシャーン


赤城「加賀さん、あとどのくらいですか!」


加賀「あともう少しです」


夕張「……」


赤城「…もうそろそろ燃料も尽きて来ましたよ」


ギュウウウウウウン……


五十鈴「…嘘…」


加賀「どうしましたか?」


五十鈴「…燃料切れ…」


夕立「こんなところで⁉︎」


五十鈴「私は置いていって!みんなだけでも無事に…」ガシ…


加賀「そんなことできませんよ」


五十鈴「…加賀さん…」


加賀「夕立ちゃん…五十鈴さんを引っ張っていって」


夕立「…わかったぽい…」


ヒュー


ドカーーン!!ドカーーン!!


加賀「効きませんよ…そんな砲弾」


夕立「…大丈夫っぽい?」


加賀「平気です。痛くも痒くもありません」


巻雲「……」


ヒュー


ドカーーン!!ドカーーン!!


一同「⁉︎」


赤城「え…」


夕立「何が起きてるっぽい⁉︎」


巻雲「敵艦隊が薙ぎ払われていく…」


夕張「……」


五十鈴「…加賀さん…?」


加賀「…来てくれましたか…」


赤城「来てくれたって…誰が…?」


加賀「あそこです」ユビサシ


一同「?」


赤城「!味方です!」


巻雲「え!本当?」


夕立「間違い無いっぽい!助かったっぽい!」




リヴァイアサン「……」ドーーン!ドーーン!


クラーケン「…流石お姉ちゃん…」


リヴァイアサン「これくらいできるように頑張りなさい」


クラーケン「はい…」




孤島鎮守府




赤城「…まさか…孤島鎮守府の加賀さんだったなんて…」


巻雲「……」


リヴァイアサン「先に自己紹介をしましょう」


赤城「あ、先程助けてくれた…」


リヴァイアサン「私は戦艦リヴァイアサンです」


一同「・・・え?」


リヴァイアサン「戦艦リヴァイアサンです」


五十鈴「…証拠は…」


リヴァイアサン「この装備です」ガシャン


一同「⁉︎」


赤城「あ…四連装の砲塔が五基…」


リヴァイアサン「分かりました?」


一同「は、はい!」


加賀「…さて、ここの提督に会いに行きましょう」




執務室




ガチャ

加賀「失礼します」


提督「…やっと帰って来たか…」


加賀「ただいま帰りました」


飛龍「ほんとに何やってるんですか!」


加賀「好奇心には逆らえませんでした…」


飛龍「…はぁ…」アキレ


提督「…で?連れてきた娘っていうのは?」


赤城「あ、一航戦の航空母艦、赤城と言います」


夕立「白露型駆逐艦、四番艦の夕立っぽい」


夕張「軽巡夕張です…」


巻雲「夕雲型駆逐艦、巻雲です」


五十鈴「長良型軽巡洋艦、二番艦の五十鈴です」


提督「この何も無い孤島に島流しを喰らった提督少尉だ。よろしく」


飛龍「二航戦の飛龍です。よろしくお願いします」


赤城(悪魔のような人だと聞いていたけど…そうでもなさそう?)


提督「事情は加賀から聞いている。大変だったな…」


夕張「…あの…」


提督「どうした?」


夕張「…ここに居る、戦艦リヴァイアサン…彼女をどうやって手に入れたのですか…」


提督「妖精が勝手に行った大型建造だ」


夕張「…妖精が勝手に…?」


提督「ああ。そうだ」


赤城「あなたが指示したのではなく…?」


提督「そうだ。勝手にだ」


赤城「……」


巻雲「そういえば…」


巻雲「孤島鎮守府ってこの前、大本営艦隊を水雷戦隊で完全勝利したところだったような…」


飛龍「合ってます」


夕立「…一体どうやったの…?」


提督「作戦は全部あいつらに任せたから、あいつらにでも聞けば?」


五十鈴「……」


提督「…まぁ、ここに居るんだったらここの方針に従ってもらう」


提督「いいな?」


元C鎮守府艦娘達「はい」




廊下




五十鈴「…意外と…雰囲気は優しい人間だったわね…」


夕立「見たことないくらい優しかったっぽい」


赤城「そうですね…」


加賀「この先に行けば会議室です」


五十鈴「分かったわ」




会議室




吹雪「〜」弾き語りをしている


夕立「綺麗な音色っぽい〜…」


五十鈴「…ピアノ…か…」


長良「…五十鈴?」


五十鈴「…え…」


長良「五十鈴!」


五十鈴「長良⁉︎」


長良「やっと会えた!」


五十鈴「ど…どうしてここに…」


長良「いや〜いろいろあってね…」


赤城「…そういえば、姉妹艦でしたね…」


夕立「良かったっぽい」


時雨「僕も会えて嬉しいよ。夕立」


夕立「ふぇ⁉︎時雨⁉︎」


夕張(…いいな…姉妹っていうのは………)


夕張(…明石さん…)


夕張(…!?)メヲカクサレ


??「だーれだ?」


夕張「…え…」


夕張「明石…さん…?」


明石「正解」


夕張「えっと…ここの…?」


明石「元C鎮守府のよ」


夕張「え……てことは…」


明石「いや〜…ほんとにあの時死ぬかと思いましたよ…」


明石「イムヤさんがいなかったらここにはいませんよ…」


夕張「…そうだったのですか……良かった……」ポロポロ


明石「うん。私もまた会えて嬉しいよ」


巻雲「…みんな幸せそう…良かった…」




砂浜




青葉「…?あれは……」


零戦五二型 ブーーーーーン


青葉「?何か落としていった…」


青葉「…なにこれ?筒?」


青葉「中に何か入ってる…」


青葉「…これは…手紙?」






第十一章 助けられた者、報われない者






少将「今日という今日こそ、この海域を攻略し、中将に昇格してやる!」


少将「お前ら、攻略が終わるまでは戻ってくるなよ」


艦娘「あの…」


少将「いつ喋ってもいいと言った?」


艦娘「ひっ!すみません!」


少将「…まぁいい…遺言がてらに聞いておくか」


艦娘「…ありがとうございます…」


艦娘「…もし…全滅しそうになったら…どうすれば…」


少将「敵に突撃なりなんなりして死ねば良い。そんな当たり前のことを聞くために質問したのか?」


艦娘「…はい…」


少将「…お前のせいで時間を無駄にした。お前は真っ先に死なせてやる」


艦娘「そんな…」


少将「お前らみたいな兵器相手に、慈悲なんて言う贅沢な言葉は存在しない。分かったな?」


艦娘「……」


翔鶴「……」





海上




バシャーン!バシャーン!



艦娘A「無理!撤退しないと!」


艦娘B「何言ってるの!撤退しても、脱走兵って言われて殺されるだけよ!」


艦娘A「でも…このまま死にたくない…」


ヒュ〜


艦娘B「!危ない!避けて!」


艦娘A「え…」


ドカーーン!!


艦娘B「あ……ああ………」


艦娘A「あが…」


艦娘B「大丈夫!?」


艦娘A「…ああ……沈む…」


艦娘B「!だめ!沈まないで!」ポロポロ


艦娘A「…やだ……やだ……」



艦娘C「……」


艦娘D「…私はもうだめだ…逃げろ」大破


艦娘C「……」ホウトウヲジブンニムケル


艦娘D「!馬鹿!やめr」

ドカーーン!!


艦娘D「…そんな………」


ヒュ〜


艦娘D「」ドカーーン!!




翔鶴「……」


少将「なーにやってるんだあの役立たずどもは!」


翔鶴「……」




艦娘E「…あ…」


艦娘F「」


艦娘E「…もうやだ…こんな地獄…」


少将『おい』


艦娘E「!提督!」


少将『お前、爆薬はあるか?』


艦娘E「はい」


少将『じゃあそのまま突撃して自爆しろ』


艦娘E「え…」


少将「聞こえなかったか?突撃して自爆しろ。できるよな?」


艦娘E「え……い…嫌です…」


少将「なんだと?」


艦娘E「…死にたくありません!」


少将「テメェ!この俺の命令を聞けないって言うのか!」


艦娘E「ひっ!」


翔鶴(…もう…見てられない…)


翔鶴「……」ワインビンヲテニトリ…


少将「貴様の代わりはいくらでもいる!とっとと突っ込まんか!」


艦娘E「で…でも…」


翔鶴「……」ユックリトチカヅキ…


少将「つべこべ言わずにさっさと!」


艦娘E「嫌です!怖いです!」


翔鶴「……」振り上げて…


少将「…じゃあ帰って来たときに戦場で殺されるよりももっと苦しい殺し方をさせてやる…?」


翔鶴「…!」振り下ろす


少将「ぎゃあああ!!」パリーン!







執務室



青葉「と言うわけで、提督に届けに来ました」


提督「手紙か…誰からだろう…」


提督「……」



一樹様へ



お久しぶりです。少将鎮守府の翔鶴です。




翔鶴「……」


憲兵「歩け!」ドガッ!


翔鶴「っ…」




私は今、そちらに電話をすることができないので、手紙と言う形で知らせさせてもらいます。




憲兵「入れ」


翔鶴「……」


憲兵「その牢屋で、死が来るのを持っておけ」

ガシャン


翔鶴「……」




青葉さん達は元気にしていますか?元気にしていることを願っています。




翔鶴「……」


囚人艦娘A「…よろしく…」


囚人艦娘B「同じく…」


翔鶴「…よろしくお願いします…」




私にとってこの地獄のような人生は時期に終わります。




憲兵「お前の判決書だ。一週間後に公開処刑される」


翔鶴「……」




私は反逆罪で処刑されることになりました。


何も悔いはありません。




一週間後



憲兵「出ろ」


翔鶴「……」




あなた方にはより良い運命があることを祈ります。




翔鶴「……」カチャ…カチャ…カチャ…




私の人生は苦しく短くても、その中に小さな喜びがありました。


たくさんの出会いもありました。


今は、自分に与えられた幸運にただただ感謝しています。




翔鶴「……」カチャ…カチャ…カチャ…




可愛い妹もあなた様のおかげで生かすことができました。


感謝で頭が上がりません。




群衆 ザワザワザワ



翔鶴「…あ…」カチャ…


瑞鶴「……」ウツムク


翔鶴「……」


憲兵「さっさと歩け」


翔鶴「……」カチャ…カチャ…カチャ…




きっとあの娘は、自分を責めるでしょう。でも、きっと立ち直って前を向いてくれると信じています。




翔鶴「……」カチャ…カチャ…カチャ…




青葉さん達にどう伝えるかはお任せします。


最後の最後までわがままを言う私を許してください。




翔鶴「……」カチャ…カチャ…カチャ…


憲兵「ここに立て」


翔鶴「……」




これが最後になります。


今まで本当にありがとうございました。



                  少将鎮守府の翔鶴より




執行人「ーーー!」








提督「……」


青葉「そんな…」


飛龍「……」


青葉「…まだ…お礼もできてないのに…」ポロポロ


提督「……」


飛龍「…提督…」


提督「…今は…そっとしておいてやろう…」


飛龍「……」





瑞鶴「……う……うぅ………ひっ……」ポロポロ


瑞鶴「おねぇちゃん…」ポロポロ


瑞鶴「助けられなかった…」ポロポロ


瑞鶴「ごめんなさい…ごめんなさい…」ポロポロ


瑞鶴「うわぁぁぁ……」ポロポロ




良野鎮守府




健四郎「……」


艦娘E「ひっく…ひっく…ごめんなさい…ごめんなさい…」ポロポロ


五月雨「…大丈夫です。あなたの所為ではありません」


白雪「……」


健四郎「…一樹さんへ連絡を取るか……」








翌日







提督「来たか…」


健四郎「急にお伺いするなんて言って申し訳ございません…」


提督「良いんだよ。…で、そこの娘について相談があるんだな?」


健四郎「はい…」


提督「名前は?」


艦娘E「私は…」


安価を取ります

艦娘Eは誰が良いですか?



→伊19



伊19「伊19って言います…」


提督「伊19か」


青葉「はじめまして」


提督「どんな相談だ?」


伊19「…その…翔鶴さんについて…」


青葉「……」


伊19「…ごめんなさい」アタマヲサゲル


青葉「…?」


伊19「翔鶴さんが処刑されたのは、私のせいなのです」


青葉「…どう言うことですか…?」


伊19「実は…」


説明中


提督「…そうか…」


青葉「……」


伊19「ほ、本当にごめんなさい!」ポロポロ


青葉「…顔を上げてください…あなたの所為ではありません」


伊19「…でも…」


青葉「あの少将が非常識なんですよ。部下に盛大に自爆しろって言う奴がおかしいんです」


伊19「…うう…」


提督「……」


健四郎「一樹さん…」


提督「…あのクソ野郎どもが…」


健四郎「……」








瑞鶴「……」


同僚A「大丈夫?」


瑞鶴「あ、うん。平気」


同僚B「もし何かあるんだったら相談してよ?」


瑞鶴「大丈夫だって心配しないで」


同僚A「そう」


上司「おい、白山。サボってないで仕事しろ」


瑞鶴「あ、はい!すみません」


瑞鶴「……」






健四郎「あ、そういえば、伝え忘れていたことがありました」


提督「なんだ?」


健四郎「あの少将、結構軽く済んだみたいですよ。すぐに退院できるそうです」


提督「…ふーん…」


青葉「……」




健四郎達が帰った後…




衣笠「話があるって何?青葉」


青葉「……」


川内「もしかして少将の事?」


青葉「…はい…」


川内「やっぱり……」


雷「ま、このメンバーだと、それ以外ないわね」


神通「…それで…話とは?」


青葉「…これを読んでください」っ手紙


暁「手紙?」







川内「…嘘…」


神通「あ…あ…」


衣笠「ちょっと!青葉、これ本当なの⁉︎」


青葉「…残念ながら…」


衣笠「そんな…」


青葉「…昨日、翔鶴さんの艦載機が届けに来てくれたんです…」


暁「……」


雷「まだ…お礼もできてないのに…」


青葉「……」




執務室




青葉「…と言うわけで……」


提督「…しばらくお前らは休んだ方がいい…」


青葉「……」


提督「…気持ちはわかる…。俺も同じだ。だから、今は休め」


青葉「…はい…」


提督「他の奴らにも言っといてくれ」


青葉「分かりました…」



ガチャン


提督「……」


飛龍「……提督…」


提督「…はぁ…久々だ。こんな気分は…」


飛龍「……」









第十二章 暁型による救出作戦








三日後

海上




ヴェールヌイ「翔鶴さんが亡くなったのか…悲しいな…」


暁「…うん…」


雷「せめて、何か形でお礼がしたかった…」


ヴェールヌイ「…でも、いつまでも下を向いてたってもう戻ってこないのだから、前を向いて行かなくちゃ。翔鶴さんだって、そう思ってると思うし」


電「そうなのです。翔鶴さんの分まで、生きなくちゃダメなのです!」


雷「…そうね…」


暁「私もそう思ってるわ」


ヴェールヌイ「…でも、今日本当に来て大丈夫なの?やっぱり休んでいた方がいいんじゃ…」


雷「大丈夫よ」


暁「もう色々と気持ちの整理もできたわ」


ヴェールヌイ「そう…」


電「…うん?」


雷「どうしたの?」


電「あそこを見るのです」双眼鏡


一同「…?」



ル級「サッサトススメ」


艦娘「……」



ヴェールヌイ「…あれは…」


暁「…捕虜…かしら…」


電「…捕虜…」


雷「…捕虜…か……たまにいるって聞いたわ」


暁「確か、捕虜になった艦娘は情報を全て吐かされた後、処刑される…とか、深海棲艦に変えられる…とか…」


電「色々な噂があったはずなのです」


ヴェールヌイ「私も聞いたことある…」


雷「とにかく、助けた方がいいわね」


電「どうするのです?」


ヴェールヌイ「うーん…そうだ、」


暁「響?」


ヴェールヌイ「このままこっそりついて行って、隙を見て救い出そう」


雷「?今救い出してもいいんじゃない?」


ヴェールヌイ「よく考えてよ。捕虜の周りには少なくとも十隻以上の敵がいる。もしここで襲い掛かれば、捕虜は殺されてしまうかもしれない」


電「…確かに…敵が多いのです」


ヴェールヌイ「だから、こっそりついて行こう」


暁「分かったわ」


雷「納得したわ」


ヴェールヌイ「よし、じゃあ行こう」




数時間後




ヴェールヌイ「……」


暁「迷彩服って案外役に立つものね」


電「役に立たなかったら意味ないのです…」


ヴェールヌイ「…お?」


暁「響?」


ヴェールヌイ「あそこ、島が見える」ユビサシ


電「…ほんとなのです」


雷「敵もあの島を目指しているみたいね」


暁「と言うことは…」


ヴェールヌイ「あそこが拠点みたいだね」


雷「…それで…どうするのよ…」


ヴェールヌイ「どうって?」


雷「いつ助けるのよ!あの中に入られたらもう助け出せないわよ!」


ヴェールヌイ「大丈夫。ちゃんと助け出せるから」


雷「…どうやって…」


ヴェールヌイ「まあまずは、夜になるのを待とう」


暁「…夜襲ってことね…」


ヴェールヌイ「そう言うこと」




深海棲艦拠点




??「…吐く気になったか?忌々しい艦娘よ…」


艦娘「…もう許してください…」


??「お前が情報を吐いてくれれば、すぐに楽にしてやれるんだがな…」


艦娘「本当に知らないんです!スパイのことなんて!」


??「惚けるな。スパイを送ってきているのは分かっている。今すぐそのスパイの情報を吐くんだ!」


艦娘「ですから、知らないんです!」


??「…チッ…始めろ」


深海兵「ハ!」


艦娘「何?何をする気?嫌!助けて!嫌ーーーーーー!」




その夜




ヴェールヌイ「…静かに…音を立てずに…」


暁「…大丈夫かしら…艤装、見つからないかしら…」


電「大丈夫なのです。あそこに隠しておけば問題ないのです」


雷「!あそこに誰かいるわ」


ヴェールヌイ「…兵士みたいだね…」


深海兵「オイ、キョウオクラレテキタカンムスノヨウスハドウダ?」


深海兵「ダメダナ。ハキソウニモナイ…」


深海兵「…ソウカ…」


深海兵「…ヒマダナ…」


深海兵「ソウダナ…」


ヴェールヌイ「じゃあ2人仲良く冥土に行ってらっしゃい」


深海兵コンビ「ハ?」


ヴェールヌイ「…」グサッ


深海兵コンビ「グァァァ…」バタン


深海兵「?ナンダ?」


ヴェールヌイ「はっ!」ザシュ!


深海兵「ギャァァ…」バタン


深海兵「オイ!テキシュウダ!」


雷「何やってるのよ!」ザシュ!


ヴェールヌイ「どうせバレる」


暁「だからと言ってもう少し数を減らしてからにしたらどうなの!」


ヴェールヌイ「そんな姑息なことやっていたら、捕虜が殺されるよ」ザシュ!


電「はわわ!」ザシュ!




??「…?なんの騒ぎだ?」


深海兵「ヴォン級サマ!タイヘンデス!カンムスヨニンガアバレテオリマス!」


??→ヴォン級「何⁉︎どこから入ってきたというのだ!」


深海兵「ワカリマセン!」


ヴォン級「…クソ!捕虜を連れて来い。奴らの狙いは捕虜だ!」


深海兵「ハ!」




ヴェールヌイ「捕虜はどこだ!」


深海兵「ヒッ!アチラノタテモノニアルチカロウデス!」


ヴェールヌイ「なるほど…」グサッ


深海兵「ガァァ…」


暁「建物ってあれね?」


ヴェールヌイ「じゃあ電、雷、捕虜の救出を頼む」


電「分かったのです!」


雷「任せなさい!」


ヴェールヌイ「私と暁はここで敵を止めるよ」


暁「分かったわ」


雷「じゃあ任せたわ」タッ!


電「御武運を。なのです」タッ!


暁「…さぁて…敵は…」


ヴェールヌイ「あそこだよ」


深海兵「ミツケタゾ!」


深海兵「ユミヲカマエロ!」


ヴェールヌイ「矢が来るよ!」


暁「分かってるわよ!」


ヒュンヒュン


ヴェールヌイ「遅いよ」カキン!


暁「弓矢なんて弾けばいいのよ!」カキン!


深海兵「クソ!」


深海兵「キンセツセンデショウブスルゾ!」




電「えい!」ドン!


ドア「解せぬ…」


深海兵「ギャアア!!ドアヲケヤブッテキターー!!」


雷「うるさーい!」ザシュ!


深海兵「ギャアアアアア!!」


深海兵「コノ!」


電「っ!」カキーン!


深海兵「ウオオオオオオオオ!」


電「…えい!」雷電一閃


深海兵「グァァァ…」


深海兵「ハ…ハヤイ…」


雷「…電…今のは…」


電「雷電一閃なのです」


雷「どこでそんな技覚えたの…」


電「それよりも、地下牢に行くのです!」


深海兵「ユダンシタナ!ウシロガガラアキダ!」


雷「え?」回転斬り


深海兵「」クビオトサレ


電「はわわ…首が落ちたのです…」


雷「これくらいどうってことないわ。さ、進みましょう」


電「はいなのです」




暁「…」ザシュ!


深海兵「ギャアア!!」バタン


暁「はぁ…はぁ…多すぎ…」


ヴェールヌイ「キリがないね…」


ヴェールヌイ「…?」


ヴォン級「……」ザッザッザッザ


ヴェールヌイ「…強そうなのがっ!ザシュ!深海兵「ギャァァ…」きたね…」


ヴォン級「…愚かな侵入者ども…我と戦え!」


深海兵「ヴォン級サマダ!」


深海兵「ヤッタ!コレデシシャハモウデナイ!」


ヴェールヌイ(…ふーん…あれがここのверхнийか…)


暁「どうするの?」


ヴェールヌイ「…私が相手をするよ」


暁「大丈夫なの?」


ヴェールヌイ「多分…」



ヴォン級「…ふん、たかが駆逐艦…お前らはこんなチビにも勝てねぇのか?」


ヴェールヌイ「随分と言ってくれるね」


ヴォン級「事実だろ」


ヴェールヌイ「それはどうかな?」


ヴォン級「フン!」ブン!


ヴェールヌイ「おっと!」サッ!


ヴォン級「避けたか」


ヴェールヌイ「これくらいどうってことないよ」


ヴォン級「…さて、余興はこれぐらいにして…始めようか」


ヴェールヌイ「Давай!」


ヴェールヌイ(…とは言ったものの…盾が厄介だな…)


ヴォン級「フン!」ブン!


ヴェールヌイ「…!」シュ!


ヴェールヌイ(盾で殴ってくるのか…)


ヴォン級「我の名はヴォン級。この島に立ち入るものに天罰を下す者…」ブン!


ヴェールヌイ「ご丁寧に自己紹介どうも」ヒョイ


ヴェールヌイ「Ура!」カキン!


ヴォン級「ほう…」


ヴェールヌイ「…!…!…!」カキン!カキン!カキン!


ヴォン級「うぉら!」カキーン!


ヴェールヌイ「…⁉︎」体制が崩れた


ヴォン級「そこだ!」ブン!


ヴェールヌイ「おっと!」ヒョイ


ヴォン級「チッ…」


ヴェールヌイ(あ…危なかった…今の食らってたらやられるとこだった……どうやら、腕はいいみたいだ…)




地下牢




電「…」ザシュ!


深海兵「アアァァ…」


雷「これで全員よ」


電「さぁ、捕虜を探すのです」



艦娘「う…う…」


電「…!居たのです!」


雷「えっと…鍵は…これね!」


カチャカチャカチャ…ガチャン!

ギィィィ…


雷「大丈夫?」


艦娘「…誰ですか…?」


雷「私は駆逐艦雷よ」


電「電なのです」


艦娘「…艦娘…?」


電「そうなのです」


艦娘「…」バタン


雷「え…え?ちょっと?」


艦娘「スゥ…」zzz


電「安心して眠っちゃったのです」


雷「…全く…しょうがないわね…電、そっち支えて」


電「分かったのです」


雷「行くわよ?せーの」


電「よいしょ!」


雷「さあ、このまま地上に上がるわよ」


電「分かったのです」




暁side




暁「ちょっと!数多すぎよ!」


深海兵「シルカ!ゼンインカカレ!」


深海兵達「ウオオオオオオ!!」


暁「ちょ!待って!これ…やばい…」カキン!カキン!カキン!


暁(これじゃあ武が悪いわね…何か方法は…)


深海兵「ソコダ!」キリキリパシュ!


暁「うっ⁉︎」矢が刺さる


深海兵「イマダ!コロセ!」


暁「しまっt」


暁「キャアアアア!!」ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!




キャアアアア!!


ヴェールヌイ「⁉︎暁⁉︎」


ヴォン級「ん?」


深海兵「シンニュウシャヲヒトリシトメマシタ」


深海兵「タイリョウニシュッケツシテイルノデ、ジキニシヌカト」


ヴェールヌイ「なんだって⁉︎」


ヴォン級「そうか」


ヴォン級「ではここに運んで来い」


深海兵「ハ!」


深海兵「カセイシマショウカ?」


ヴォン級「必要ない。一切手出しするな」


深海兵「ハ!」


ヴェールヌイ「そんな…暁…」


ヴォン級「なんだ?仲間を失って戦意がなくなったか?」


ヴェールヌイ「…ヨクモ…」


ヴォン級「何か言ったか?」


ヴェールヌイ「よくも暁を!」カキーン!


ヴォン級「…怒り…か…」


ヴェールヌイ「やぁぁぁぁ!」


ヴォン級「……」カキーン!


ヴォン級「ふん、面白くない…なぜ怒る?怒ったらその剣の動きなんぞ簡単に読めるわ」キリキリキリキリ


ヴェールヌイ「うるさい!」キーン!


ヴォン級「フン!」ブン!


ヴェールヌイ「な!」ドガッ


ヴェールヌイ「うわあぁ!がっ!」ドサッ!


ヴォン級「怒りで周りが見えなくなっておるぞ?」


ヴェールヌイ「くぅぅ…痛い…」


ヴォン級「我の盾は硬いからな」


ヴェールヌイ「……」ヨロ…


深海兵「無様だな。ヨロついてやがるw」


ヴェールヌイ「…ぐぅ…」バタン


ヴェールヌイ(だめだ…力が入らない…)


ヴォン級「…その様子だと、右腕が折れたようだな」


ヴェールヌイ「……」カタナヲヒロウ


ヴォン級「ほう…右腕が折れてもなお我に立ち向かうとは…褒美に苦しませずに殺してやる」


ヴェールヌイ「…余計なお世話だ!」


ヴォン級「…まぁいい…さっさと楽にしてやる」





う……あ……


やられた…


ああ……すごい血が出てる……もう…死ぬのかな…


……響…電…雷…ごめんね…


…ん…?


あ…あれ…


響が…推されてる…?


!あのままだと響が殺される!


助けないと!


動いて!私の体!


動いて!




暁「…」ピク…


暁「……」ユックリタチアガル


深海兵「サスガハヴォンキュウサマ!」


深海兵「ヤッパリオツヨイ!」


暁「……」ユックリチカヅキ


ヴォン級「さぁ、遺言を言え」


ヴェールヌイ「……」


ヴォン級「…黙る…ということは、無いと言うことだな?」


ヴェールヌイ「……」


ヴォン級「…じゃあな。なかなか楽しかったぞ」


ヴェールヌイ「……」メヲツムル


深海兵「ギャアア!!」


ヴォン級「?」


ヴェールヌイ「…?」


深海兵「ナンダ?」


深海兵「イッ…d」


暁「……」ブン!


深海兵「」クビオトサレ


深海兵「⁉︎」


深海兵「マダウゴケルノカ⁉︎」


深海兵「コノ!」


暁「はぁ!」ブォーン…


深海兵「⁉︎」


ヴォン級「⁉︎」


ヴォン級(な…なんだ?空気が変わった…)


ヴェールヌイ「…暁…」


深海兵「ナ…ナンダ?コノホネニシミルヨウナキョウフハ…?」


暁「覚悟しなさい!」シュ!


深海兵「ハヤイ!」


ヴォン級「うお!」カキーン!


暁「まだよ!」カキン!


ヴォン級「…早い…」


暁「はぁぁぁぁ!」


カキン!カキン!カキン!カキン!


ヴォン級「…っ!」


暁「そこよ!」ケリ


ヴォン級「ぐぅ…」ドゴッ!


暁「はぁ!」ザシュ!


ヴォン級「グォぉ…」ダウン


深海兵「オニカ…?」


深海兵「ホンモノノオニカ…?」


ヴォン級「…ぐぅぅ…」


暁「……」


ヴォン級「…クソ…ワレモココマデカ…」


暁「……」ザシュ!


ヴォン級「」クビオトサレ


ヴェールヌイ「…すごい…」


暁「……」ギロ…


深海兵「ヒィ…」


深海兵「ニ…ニゲロ!オニダ!」


深海兵「コロサレル!」


ヴェールヌイ「……」


暁「…一人として…逃すわけないでしょ!」タッ!


ヴェールヌイ「……」


電「響お姉ちゃん!」


ヴェールヌイ「ん?雷と電か」


雷「大丈夫?すごい怪我してるように見えるけど…」


ヴェールヌイ「ああ…右腕が折れただけだよ」


電「はわわ…」


ヴェールヌイ「…すまないけど、運んでくれるかな?なぜか体に力が入らなくて…」


雷「わ…分かったわ…」




暁「逃がさないわよ!」ザシュ!


深海兵「ギャアアァァ…」


深海兵「クソ!ゼンインウミニトビコメ!」


暁「はぁ、はぁ…」


深海兵「ウオオオオオオオオ!」バシャーン


暁「……」


暁「…」


暁「」バタン



















暁「う…」


暁「うーん……」


時雨「お、起きたかな?」


暁「…ここは…医務室…?」


時雨「そうだよ」


暁「…どれくらい眠ってたの…?」


時雨「約三日かな?」


暁「三日⁉︎」


時雨「うん」


暁「……」


時雨「話は全部ヴェールヌイから聞いたよ。すごいね」


暁「あ…ありがとう…」


暁「…そうだ!あの捕虜にされてた娘は?」


時雨「ああ、連れてこようか?」


暁「お願い」


時雨「分かった。ちょっと待ってて」




時雨「連れてきたよ」



安価を取ります。

捕虜にされていた艦娘は誰がいいですか?



→神風




神風「目を覚ましたの?良かった!」


暁「…えっと…」


神風「あ!神風型駆逐艦、神風よ。よろしくね!」


暁「暁型駆逐艦、暁よ」


神風「よろしく」


暁「どうかしら?ここは?」


神風「前居た鎮守府とは天と地の差ですよ!」


暁「それは良かったわ」


神風「この世にはまだ、あんな優しい司令官が居たなんて…」


暁「その様子だと、楽しそうね」


神風「はい!」


時雨「…ま、ゆっくりなれるといいよ。ここには」


暁「…ところで…」


時雨「何?」


暁「響は大丈夫なの…?」


時雨「あー…響ね…」


時雨「右腕骨折と、脊髄に損傷が見られてね…今は、あまり動かないように言ってある」


暁「そう…」


時雨「ま、帰ってきた時に提督に説教されてたからね…」


暁「え?」


時雨「ああ言うところに行く時は、必ず連絡するようにって言われてたよ…」


暁「確かにね…」


時雨「提督、結構心配してたからね…」


暁「そうだったの…」


神風「いい司令官ね…」


時雨「うん」




執務室




提督「…飛龍…」


飛龍「……」


提督「…何これ…」


飛龍「私も言いたいです」


提督「……お前の持つ駆逐艦のみの編成で俺の主力艦隊と勝負しろ!俺が勝ったら戦艦リヴァイアサンを貰う。受けて立て!少将より……」


飛龍「…この前の大本営艦隊との演習の結果を知らないのでしょうか…」


提督「…さぁな…」









第十三章 少将鎮守府主力艦隊VS孤島鎮守府駆逐艦隊










霧島「…はぁ…」


リヴァイアサン「どうされたのですか?」


霧島「…お姉様方に会いたいなって…」


リヴァイアサン「姉がいるのですか?」


霧島「はい。三人…」


リヴァイアサン「…そうですか」


霧島「……」


クラーケン「お姉ちゃーん!」


リヴァイアサン「ん?」


クラーケン「探したよ…」ゼェゼェ…


リヴァイアサン「どうしたの?」


クラーケン「…少将が…」


霧島「少将?」


リヴァイアサン「…また来ると言うのですか…」


クラーケン「えっと…うん」


リヴァイアサン「懲りないですね…」


霧島「…あなたも苦労なさってますね…」


リヴァイアサン「…はぁ…」




蒼龍「忘れた頃にやってくるね…」


ヴェールヌイ「演習の内容がここの駆逐艦隊と向こうの主力艦隊でやって、勝った方が戦艦リヴァイアサンを貰うと…」


飛龍「…うん…」


暁「……」


雷「……」


電「…それで…メンバーは…」


飛龍「提督曰く、響ちゃんと暁ちゃんはまだ傷が癒えていないから出せないと言っています」


ヴェールヌイ「…まぁ…そうだよね…」←右腕骨折+脊髄損傷=寝たきり


暁「…悔しいけど…しょうがないわね…」←まだ傷が癒えてない


雷「じゃあ私が暁お姉ちゃんの分もやってあげるわ!」


電「電も頑張るのです!」


蒼龍「…まぁ…この二人は主力枠だからね…」


飛龍「必然的にそうでしょうね…」




縁羅「…だそうです…」


時雨「また来るのか…」


皐月「またってことは…前回も来たの?」


時雨「うん…」


千代田「……」


吹雪「しかも…こちらから出ていいのは駆逐艦のみ…」


千代田「…大人気ない…」


大淀「……」








その頃

少将鎮守府では






少将憲兵A「えぇ…」


少将憲兵B「マジすか…」


少将「仕方ねぇだろ!こうでもしねーとかてねぇんだから!」


少将憲兵C「こんなクズがいるようなど底辺な鎮守府、重巡もいないと思いますよ…」


少将憲兵D「まず演習するメリットは…」


少将「お前らは最近来たばかりだから教えてやろう。実はな、あの鎮守府には…」


少将憲兵達「?」


少将「戦艦リヴァイアサンが居るんだよ」


憲兵A「…はぁ?」


憲兵B「少将…そんな妄言信じてるんすか…」


少将「実在するんだよ!俺はこの目で見たんだ!」


憲兵D「…見間違いでしょう…」


憲兵C「よりにもよって、そんなハイスペックな戦艦、あんなチンケな鎮守府が持ってるわけないじゃないですか…」


少将「…じゃあ、こんな情報がある」


憲兵C「なんですか…」


少将「あの鎮守府にはな…三香山縁羅が居るんだよ」


憲兵B「…はぁ?」


憲兵C「そんなわけないじゃないですか…」


憲兵A「証拠はありますか?」


少将「来たらわかる。とりあえず、来い」


憲兵達「はぁ…」





青葉と衣笠の部屋





青葉「……」カタカタカタカタ


衣笠「…どう?」


青葉「うーん…もう少しかかりそう…」


衣笠「そう…」


川内「うーん……」


神通「あの少将の弱みとなる証拠があればいいんですけど…」


川内「……」


青葉「!入れた!」


神通「本当!」


川内「よし!」


衣笠「喜ぶのはまだ早いわよ。何があるか探さなくちゃ!」


青葉「分かってる」


川内「うーん…まずどこから探そうか…」


神通「とりあえず、手分けして探しましょう」



しばらくして…



衣笠「…うん…?」


神通「どうかしましたか?」


衣笠「…ここ…明らかにおかしいのよ…」


神通「?」


衣笠「ここ、艦娘を一人解体したって言う記録が残っているわよね?」


神通「…はい…」


衣笠「だけど、資源の数字が変わっていないのよ。ここ見て」


神通「…本当ですね…記録は残るはずなのに…」


神通「解体した分の資源はどこに行ったのでしょう…」


青葉「うえええええ⁉︎⁉︎」


衣笠「?」


川内「どうしたの?」


青葉「こ!これ!見てください!」


神通「?」


神通・川内・衣笠「え⁉︎」


青葉が見せてくれた画面には…



画面を埋め尽くさん限りの上司や元帥、総元帥などへの不満が書かれていた。


さらに、極め付けに…


衣笠「こ…これって…」



関東元帥、総元帥暗殺の計画が書かれていた。



青葉「…他にも…R団との繋がりが書かれていて、なぜか写真まで出てきた…」


武装したR団と共に、少将が写っている


川内「うわぁ…」


神通「これは…」


青葉「…とんでもないものを見つけてしまいました…」


衣笠「…どうするの…これ…」


青葉「……送ろう…大本営に」




翌日




提督「…来やがったか…」


縁羅「…はい…」


プルルルル、プルルルルガチャ

提督「はいもしもし」


少将『俺だ。今日という今日はリヴァイアさんを頂く。覚悟しとけ!』ガチャン


提督「……」


飛龍「……」


縁羅「……」


提督「…大丈夫だ。あいつらなら必ずやってくれる」


飛龍「…そうですね」


縁羅「はい」


提督カチャ「準備はいいか?」


時雨「大丈夫だよ」


電「いつでもどうぞ。なのです!」


雷「私たちの力、見せつけてあげるわ!」


皐月「僕も大丈夫」


初霜「OKです!」


夕立「頑張るっぽい!」


提督『よし、それじゃあ頼んだぞ!』


皆「はい!」




一方少将艦隊は…




少将「いいか!絶対に勝てよ!負けたら…分かってるだろうな?」


少将榛名「…はい…」ウツムキ


少将比叡「……」


少将雪風「うぅ…」ブルブル


少将最上「……」


少将瑞鶴「……」


少将翔鶴「…はい…」


少将「じゃあとっとと行け!」




海上




少将翔鶴「…前の私は本当にすごい方だったんですね…私には無理です…」


少将瑞鶴「…うん…本当に…」


少将雪風「……」


少将榛名「私も…あの人には何度も救われました…なのに…お礼も言えないまま…」ポタ…ポタ…


少将最上「…僕もだよ…」ポロポロ


少将比叡「……」


少将榛名「…比叡姉様…」


少将比叡「……」


少将瑞鶴「金剛さんを失ってからずっとこんな調子ね…」


少将翔鶴「比叡さん…金剛さんをとても慕っていましたからね…」


少将雪風「…うん…」


少将翔鶴「…さて…やりますか…」キリキリキリ


少将瑞鶴「相手は駆逐艦のみ…さっさと終わらせましょ」パシュ


零戦五十二型 ブーーーーーン




時雨「…やれやれ…全然気づいて無いね」


電「全ミサイルいつでも発射可能なのです」


雷「私も」


時雨「そう。そっちはどう?」


初霜『大丈夫です』


皐月『いつでもいいよ』


夕立『暴れる準備はいいっぽい!』


時雨「よし。じゃあ…」


電「対空ミサイル発射なのです!」シュゴー


雷「行けーー!!」シュゴー


時雨「ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!…煙が…」


電「あ…ごめんなさいなのです」


時雨「いいよ。さーて…雪風…はやめといて、榛名にしよう」


時雨「狙って…っ!」ドン!



少将榛名「……ん?」


カン!


少将榛名「…え?」

ドカーーーーーーーン!!!!!

少将榛名「キャアアアア!!」


少将艦娘達「⁉︎」


少将瑞鶴「は、榛名さん⁉︎」


少将榛名「ううぅぅ…」大破


少将最上「いったい…何が…」


少将翔鶴「え⁉︎」


少将瑞鶴「嘘でしょ⁉︎」


少将榛名「どうされたのですか?」


少将翔鶴「…艦載機が…全機撃ち墜とされました…」


少将雪風「えぇ⁉︎」


少将瑞鶴「え、援軍を…」キリキリキリ


少将最上「!何か飛んでくる!」


少将瑞鶴・翔鶴「え?」


対艦ミサイル「ゼンキトツゲキィーーーーー」


少将瑞鶴「ちょ、なにこr」ドカーーン!!


少将翔鶴「追いかけてくr」ドカーーン!!


少将最上「ふ…二人とも!」


しゅぅぅぅぅ…


少将翔鶴「…やられた…」大破


少将瑞鶴「何これ…こんなのありなの…?」大破


少将雪風「そんな…」


少将比叡「…西から駆逐艦三隻…突っ込んでくる…」


少将雪風「え⁉︎」


少将比叡「…みんなは逃げて…」


少将瑞鶴「…何言ってるの…?」


少将比叡「もうこの戦いは勝てない…だから、私が時間を稼ぐから…」


少将雪風「そんなこと、出来ません!」


少将比叡「いいからいう通りにやって!」


皆「⁉︎」ピクっ!


少将比叡「…もうこれ以上、誰かが沈んでいくのを見たくないの…お願い…」


皆「……」


少将榛名「…比叡姉様「早く行って!」……はい…」


少将翔鶴「…行きましょう…」


少将雪風「…ごめんなしゃい…」ポロポロ


少将瑞鶴「……」


少将最上「…ごめん…」






時雨「うーん…?提督」


提督『どうした?』


時雨「一人、保護できそうな艦娘がいるから保護してもいい?」


提督『任せた』


時雨「ありがとう」





少将比叡(…ここで沈むのも…悪くはないわね…)


少将比叡(…お姉様…今…そちらに行きます…)





ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ

カチャ少将「はい、少将です」


総元帥『わしだ』


少将「おっと、総元帥殿。何か御用で?」


総元帥『今すぐ、大本営に出頭しろ。いいな?』


少将「は!了解です!」

ガチャン


少将「…チッ…今いいとこだってんのに…」


少将「…仕方ねぇ…今回は諦めるか…」


少将「全員に通達、帰るぞ!」


少将憲兵達「分かりました!」






少将翔鶴「…撤退命令が出ました…」


少将榛名「……」


少将雪風「……」


少将最上「…比叡さん…」


少将瑞鶴(……大丈夫よ…あの提督さんなら…)






ガチャン

翔鶴『ふぅ…』


少将瑞鶴『誰と電話してたの?』


翔鶴『あら、瑞鶴。居たのね』


少将瑞鶴『居たも何もここ私の部屋でもあるんだし…』


翔鶴『そうだったわね』


少将瑞鶴『…それで、誰と話してたの?』


翔鶴『…ふふ、あなたにも話しておこうかしら』


少将瑞鶴『?何を?』


翔鶴『孤島鎮守府のこと』






少将瑞鶴(…先代の翔鶴姉が、信頼している人だったんだから)






飛龍「…退いていきます…」


提督「どうしたんだ?」


飛龍「さあ…」


提督「…?」








医療室





比叡「は!」ガバッ


霧島「⁉︎」ビクッ


比叡「う……ここは…?」


霧島「医療室ですよ。比叡姉様」


比叡「…霧島…?」


霧島「はい!」


比叡「…どうして…」


霧島「この鎮守府に所属していますから」


比叡「…ここは…?」


霧島「孤島鎮守府です」


比叡「孤島……鹵獲されたのね…」


霧島「…悪く言えば…」


比叡「…はぁ…これからどうなるの…私…」


霧島「ここで暮らすしかありませんね」


比叡「…ここってどんなところなの…?」


霧島「どんなところ…と言われましても…」


比叡「出撃は?」


霧島「基本的に自由です。命令されることもありますが、強制ではないです」


比叡「…どういうこと?」


霧島「自由に海に出て構いません。出撃命令も緊急でない限り、断ることも出来ます」


比叡「……」


霧島「…まぁ、今はゆっくり体を休めてください」


比叡「…分かった…」




大本営




少将「はぁ…ったく、なんだよ急に呼び出しやがって…」


少将「これだからここの連中は…」ブツブツ



ガチャン



少将「お呼びでしょうか?総元帥殿」


総元帥「待っていたぞ。水谷少将」


関東元帥「……」


東北元帥「……」


中国元帥「……」


四国元帥「……」


九州元帥(現在)「……」


北海道元帥「……」


関西元帥「……」


中部元帥「……」


少将(え⁉︎)


少将(一体どう言う事だ⁉︎地方の元帥全員が何故ここに…)


少将「あわわわ」


総元帥「何故ここに呼ばれたか…分かるか?」


少将「ななななななんでしょううううう」


総元帥「水谷…お前には心底失望した」


少将「え…」


総元帥「これを見よ!」


モニターに件の証拠が映し出される


少将「あ…あれ…」


総元帥「これはどう言うつもりだ?水谷」


少将「ごごご誤解です!」


関東元帥「誤解?じゃあこれが誤解というのを証明してみろ」


少将「えっと…その…………」


東北元帥「証明できないようだな?」


少将「あ…えっと…」


総元帥「もう良い。こいつが何言おうが証明はできん。憲兵!」


憲兵達「は!」


総元帥「こいつを牢にぶち込んどけ」


憲兵「は!」


少将「待ってください!お願いします!」


少将「必ず誤解であることを証明して見せます!ですから少し待ってください!」


憲兵A「ほら、来い」


少将「待ってください!放せ!お願いです!待ってください!本当に私ではありません!総元帥殿!総元帥殿!」




数日後…




コンコン


提督「いいぞ」


ガチャ

青葉「失礼します」


提督「青葉か。何かあったのか?」


青葉「これを見て下さい!」っ新聞紙


提督「新聞紙?」


青葉「少し特殊な経路を使って入手しました」


提督「ほう…どれどれ…」


提督「……は?」


提督「…マジで…?」


青葉「はい!」


提督「…そうか…そうか…」


青葉「…提督?」


提督「…スゥ〜…」


提督「ざまアアア!!見やがれ!あのすっとこどっこい!!!」


青葉「……」


提督「おっとすまん。長い間積もってたものが晴れた気分だ」


青葉「いえ。青葉も見た時は大声出して喜びました!」


提督「そうかそうか。それは大層スッキリしたもんだろう」


青葉「いや〜私と衣笠と川内さんと神通さんで頑張った甲斐がありましたよ」


提督「あ、この匿名ってお前らのことか」


青葉「はい!」


提督「そうかそうか。よくやった」


青葉「ありがとうございます!」





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新聞




水谷少将、総元帥の怒りを買う。


三日前、大本営の元に水谷少将が書いたとされる海軍上層部へのたくさんの恨みの文章が書かれたファイルが送られてきた。

これにより、総元帥を含む海軍上層部は大激怒。軍法会議を開くまでになった。

水谷少将は容疑を否定。しかし、証拠は十分に揃っていることから水谷少将を処罰することが決定された。

処罰の内容はこうだ。

二等水兵にまで降格、半年の懲役、内地への左遷

以上である

これにより、水谷二等水兵は、戦線に来ることは永遠にできなくなった



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




これは、少将にとっては死よりも屈辱的なものだった。






何処かの小さな港町



ピンポーン


??「今出ます」


ガチャ


??「久しぶりじゃな」


??「おっと、これはこれは」


??「よせ。今じゃ、ただの漁師じゃよ」


??「しかし、元は海軍の総元帥だったことには変わりありません」


元総元帥「…お前は昔から変わっとらんのう」


??「……ささ、中へどうぞ」


??「邪魔するぞ。関東元帥」


元関東元帥「元、ですよ」




元関東元帥「……」


元総元帥「…やはり、気にかけておるのか…」


元関東元帥「…はい…」


元総元帥「……」


元関東元帥「……」




今から17年前…





元関東元帥「英忠!おい!英忠!」


英忠「」


元関東元帥「なあ?頼む!返事をしてくれ!おい!」


英忠「」


元関東元帥「…クソ!クソ!クソ!」


元関東元帥「英忠ーー!!」ボロボロ




征爾『えーこの犯罪者の子供を引き取った理由ですが、先ず、私の親戚がーー』


元関東元帥「……このクズが…」




現在




元関東元帥「……」


元総元帥「…はぁ…今、海軍内がどうなっているのかもわからんから、ちゃんとできておるかが心配なんじゃな?」


元関東元帥「…はい…」


元総元帥「…でも、一樹は大丈夫じゃと思うぞ」


元関東元帥「…?」


元総元帥「今まで儂はたくさんの人間を見てきたが、一樹は見てきた中でも一番行動力があり、優しさがある」


元総元帥「きっとあやつなら、部下たちに支えられながら今も元気にやっとるだろう」



提督「……」


飛龍「……」



元総元帥「それに、一樹だけじゃ無い」


元総元帥「あやつ以外にも、艦娘たちに優しく接している者が、きっと居るじゃろう」



健四郎「……」


五月雨「……」



元総元帥「なんにせよ、一つ、言えることは」


元総元帥「きっと一樹たちはいつか、海軍を…」


元総元帥「この戦争を…」


元総元帥「変えてくれるじゃろう」




どこかの海上



??「…楽しみだなぁ♩」ニヤリ











元総元帥「それが良い方向にか、悪い方向にかは、分からんがな」








第三期へ続く






パタン


??「…ふぅ…」


??「おっと、またお会いしましたね♩」


??「お久しぶりです」


??「捨てられた提督の生活録 第二期。如何でしたか?」


??「感想などを聞かせてくれると嬉しいです」


??「…さて、私は次の物語を読むとします」


??「…あ、そうそう。私が誰なのか、気になっていますか?」


??「もしそうなのであれば、一つ、ヒントを言いましょう」


??「私はもうすでに亡くなっています」


??「…ふふ、分かりましたか?」


??「答え合わせは……また別の機会にします♩」


??「それでは皆さん、またどこかで」



後書き

尚、この物語に出てくる団体や集団、人物は全てフィクションです。実際のものとは一切関係ありません
応援や評価もよろしくお願いします


このSSへの評価

12件評価されています


SS好きの名無しさんから
2023-09-02 23:09:58

SS好きの名無しさんから
2021-06-11 18:31:36

SS好きの名無しさんから
2020-10-29 06:36:33

バリィさんさんから
2020-10-24 19:15:26

のんたおさんから
2020-10-22 13:24:37

SS好きの名無しさんから
2020-10-22 08:16:21

SS好きの名無しさんから
2020-11-05 20:22:46

SS好きの名無しさんから
2020-10-16 19:40:02

多聞丸さんから
2020-10-11 01:13:44

SS好きの名無しさんから
2020-10-24 22:24:39

ヒメ巫女♂さんから
2020-09-30 21:00:22

SS好きの名無しさんから
2020-09-30 13:45:09

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2023-09-02 23:09:59

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2020-10-11 01:13:45

SS好きの名無しさんから
2020-10-04 05:43:52

このSSへのコメント

23件コメントされています

1: ジェラルジョン 2020-09-28 20:07:47 ID: S:RHyYIK

《良野(よしの)鎮守府》なんてどうでしょう?
野心の無い、良いがテイトクとして着任した鎮守府のようなので。

2: ジェラルジョン 2020-09-28 20:09:25 ID: S:xWHSMt

良い(人)と書きたかった(汗)

3: ヒメ巫女♂ 2020-09-30 21:14:42 ID: S:3Hhx0K

鳳翔さんでお願いします

4: SS好きの名無しさん 2020-10-04 05:43:31 ID: S:n8--c4

時雨響飛龍加賀神通リヴァイアサンわどうでしょうかリヴァイアサンわ無理なら別に出さなくても大丈夫です





5: ジョーズ 2020-10-04 08:13:13 ID: S:GzKgYv

では、リヴァイアサンを蒼龍に変えさせて頂きます

6: ジョーズ 2020-10-04 08:13:59 ID: S:JFEqBN

コメントありがとうございます

7: SS好きの名無しさん 2020-10-15 19:49:25 ID: S:SQwFZc

大淀はどうでしょうか?

8: SS好きの名無しさん 2020-10-22 07:41:57 ID: S:78w38c

個人的には参加&一方的に打ちのめす位の圧勝だと非常にスカッとします。

9: のんたお 2020-10-22 13:23:13 ID: S:qxmO8R

参加がいい!

10: ヒメ巫女♂ 2020-10-23 01:30:12 ID: S:dUlmj-

相手が低練度ならですが、川内 神通 暁 ヴェールヌイ 時雨 イムヤ でどうでしょうか?島風さえ封じ込めてしまえば後はイムヤの独壇場でしょう。

11: SS好きの名無しさん 2020-10-23 22:17:00 ID: S:Pus8xo

ンッン~~♪
実に!スガスガしい気分だッ!歌でもひとつ歌いたいようなイイ気分だ~~
フフフフハハハハ
一〇〇件以上の艦これssを読んできたが……
これほどまでにッ!絶好調のハレバレとした気分はなかったなァ…
フッフッフッフッフッ ジョーズ氏のssのおかげだ
本当によく出来ているッ!
最高に「ハイ!」ってやつだアアアアア
アハハハハハハハハハハーッ

12: ジョーズ 2020-10-23 22:28:39 ID: S:6lG1SZ

コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで何よりです。これからも頑張ります。

13: ジョーズ 2020-10-24 12:34:47 ID: S:5iKrNR

しおり数300突破!!ありがとうございます!これはいつも見てくださっている皆様のおかげです!今後とも、皆様が面白いと思える作品を作るよう努めていきますので、応援よろしくお願いします!

14: SS好きの名無しさん 2020-10-29 07:44:29 ID: S:sWTtuy

いつも楽しく読ませていただいてます!
あれ?翔鶴に救いは無いのかな~?
救われるといいな…

15: SS好きの名無しさん 2020-10-30 13:36:24 ID: S:9tY1gj

正直なところ、日々ブラウザ版やってると妖精さんはC提督みたいくぬっ頃したくなる気持ちに時にはなる…
もう何百何千何万も建造と開発してんだからせめて通常建造の艦娘やコモン装備くらい狙ったの造れよ…と。ノウハウ蓄積されてないの?と、思う訳で

16: SS好きの名無しさん 2020-10-30 22:28:51 ID: S:PA3xOa

伊19はどうですかあと艦娘Eなのに
艦娘Cになっていますよ

17: ジョーズ 2020-10-30 22:32:38 ID: S:vFzwon

ご指摘ありがとうございます。直しておきます。

18: SS好きの名無しさん 2020-11-02 22:31:13 ID: S:yHk0T8

霧島が最近出で居ないのでだしてください








19: ジョーズ 2020-11-02 22:52:30 ID: S:bHStsV

分かりました。

20: SS好きの名無しさん 2020-11-04 21:11:20 ID: S:NMXry8

捕虜の艦娘は神風でお願いします
この世界観だと艦娘は使い捨てで雑に扱われてるけどその中の駆逐艦で更に旧式の神風型とか深海側に拿捕されても、
オリ主提督や一部の良識人以外の大部分は一切気にも留めないだろうから

21: ジョーズ 2020-11-05 18:28:40 ID: S:HRnuzV

コメントありがとうございます。では、神風にします。

22: ジョーズ 2020-11-06 00:21:42 ID: S:WLPv8G

PV数10000回突破!ありがとうございます!これはいつも見てくださっている皆様のおかげです!これからも頑張って参りますので、応援よろしくお願いします!

23: SS好きの名無しさん 2020-12-08 08:16:10 ID: S:MTH90o

早く第三期書くんだよ!
あくしろよ!


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