2021-08-20 17:05:15 更新

概要

前回書いてたものの場繋ぎで書いていたものを、再投稿版と称して再投稿版の場繋ぎとして出したもの←何言ってんだこいつ()
正直n番煎じくらいだと思うけど書いた。


前書き

不知火!


とある日のこと



陽炎型の長女陽炎は



提督の部屋へ向かっていた。



陽炎「今日は新しいゲームが入ったから提督と一緒に遊ぼっと♪」



陽炎の手にあるのは"バイオハザード RE:2"である。



予め言っておくが



ここの提督はホラゲ苦手なのだ。



それを知ってか知らないでか



いつも陽炎は提督の部屋にホラゲを持参するのである。



まあ、きっと知らないだけなのだろう。



陽炎「あはは!今回はどれぐらいビビるのかな〜」



...訂正しよう。



完全に故意犯だった。



---数分後---



提督の部屋にたどりついたが



陽炎は部屋に入るかどうか迷っていた。



その理由なのだが...



部屋の中から言い争う声が聞こえてくるのだ。



「お前は...いつも....なんだよ!」



「なんですか!わた....ないんですか?......責任をとってください!」



こういう物語によくあるアレだ。



一部が聞き取れない現象だ。



普通の人ならここで



「責任をとる...まさか...///」



的な反応をするだろう。



しかし陽炎は驚くほど冷静だった。



理由は声の持ち主によるものだ。



陽炎「...またやってるのね」



本当はこういう時は、



何もなかったかのように立ち去るのが良いのだが、



せっかく貰った久しぶりの休暇なのだ。



そっとドアを開ける。



そこには2人の人影が。



一人はこの鎮守府の司令官



もう一人は、



彼女の妹の不知火だった。



司令官「あぁぁぁ!頼むからその変色した物体を退けてくれぇぇ!」



不知火「司令はサバの味噌煮が好きだと聞いたので。」



どうやらサバの味噌煮らしい...もっとも



司令官「はぁ!?それサバの味噌煮だったのかよ!?」



...サバの味噌煮には見えないが。



不知火「そうですが。不知火に落ち度でも?」



司令官「落ち度しかねぇよ!」



...少し言い過ぎではなかろうか?



不知火「そんなこと言わないで食べてください。頑張って司令のために作りましたから...」



不知火が少し萎れた声でそう言った。



司令官「...うぅっ」



「あなたのために」なんて言われたのだ



ここで食べないのは男として



...いや人間として失格だろう。



司令官「わかった!食うから!」



そう言ってサバの味噌煮()を食し始める。



素直な感想を言おう。



正直考えていたよりは美味しかった。



あくまでも「考えていたよりは」であるが。



...どこぞのシスコンのつくった紫色のカレーライスよりはいくらかマシだ。



「ヒェー!」



不知火「司令、どうでしょうか?」



感想ねぇ...



司令「そ、そうだな。(思っていたよりは)美味しかったぞ」



別に嘘は言ってない。



不知火「そうですか。それは何よりです。」



不知火が多少だが嬉しそうなので良しとしよう。



不知火「それでは失礼します。」



...本当ににサバの味噌煮食わしに来ただけだったんだな。



不知火が去ってから。



司令官「なんの用だ陽炎。」



陽炎「あちゃー、やっぱりバレてたか。」



司令官「盗み聞きしてたな?」



陽炎「盗み聞きもクソもないよ。部屋の外まで聞こえてるもん。」



司令官「...今度明石に防音仕様にしてもらおうかなぁ...」



陽炎「そうだ司令!不知火のサバの味噌煮、どうだった?」



司令官「...美味しかったよ。」



嘘であることは陽炎にも簡単にわかる。



陽炎「...なんで食べたの?食べたくないって断ればいいのに。」



司令官「大事な艦娘だから...それだけ。」



ふーん、そんなこと言うんだ...



ならば


陽炎「じゃあさ、前に私の焼きサバ食べてくれなかったのはなんで?」



司令官「うっ...それは。」



陽炎「へぇー、不知火のは食べれるのに私のは食べれないんだぁ...陽炎さん悲しいなぁ。」



司令官「...悪かったって。ゲームに付き合うから許してくれ。」



陽炎「良いよ、許してあげる。じゃあこのゲーム今日中に一緒にクリアしよ。」



陽炎は持ってきたバイオハザードをちらつかせながら楽しそうに笑う。



司令官「え?俺明日大事な会議が...てかそれホラゲじゃん!またかよ!」



陽炎「つべこべ言わないで!ほら、始まるよ。」



司令官「うっわ!雰囲気がやべぇ!...逃げてもいいですかね?」



陽炎「ダメ ♡」



...あかんやつだこれ。



司令官「...徹夜かなぁ。」



その後徹夜でバイオハザードをクリアし



睡眠時間が十分に取れなかった司令官は



会議に全く集中できなかったそうな。





うちの不知火の落ち度1 [料理ができない]











またとある日の事、



陽炎型駆逐艦4番艦親潮は、



司令官の部屋に向かっていた。



足取りは軽く、



その表情はとてもにこやかであった。



その表情は正に地上に舞い降りた天使。



大天使オヤシエル!



...え?



早く先に進めろって?



...さーせん。



彼女が嬉しそうなその理由は、



鎮守府に住み着いていた野良猫に、



子供が産まれたからであった。



猫に何かある度に、



司令官に報告していた彼女にとっては、



まさしく一大報告だったろう。



期待を胸に、



司令官の部屋にたどり着いた親潮だったが...



部屋内から言い争う声が聞こえてくる。



親潮「またやってるんですか...今度はなんでしょう。」



親潮がドアを開けるとそこには、



例の二人の姿が...



一人はこの鎮守府の司令官、



もう一人のピンク色の髪の少女は...



大天使オヤシエル...もとい親潮の姉、



陽炎型2番不知火であった。



司令官「だああぁああああああぁああ!だからそうじゃ無いって言ってんだろうがあああああぁあ!!」



不知火「そうは言われても、これ以上どうにもならないものはなりません。」



司令官「そこをなんとか...」



司令官の右手にはカメラが握られている。



どうやら写真の撮影をしているようだ。



司令官「このままだと間に合わないんだよ!」



数日前大本営から、



「地元の人々に自身の鎮守府案内をせよ!」



との電報を受け取っていた司令官は、



案内パンフレットの作成の最中なのだ。



青葉「取り敢えず艦娘全員の写真を撮って掲載しましょう!」



とのことで、



パンフレットに掲載する為の写真撮影中らしいのだが...



見たところ、



あまりうまくは行っていないらしい。



親潮「あの...司令?」



司令官「おお!親潮か!ちょうど良いところに。」



親潮「はい?」



司令官「ちょっとで良いから!笑顔を見せてくれ!」



親潮「は、はい!わかりました!」



親潮は笑顔を見せる。



司令官「見たか不知火!俺が求めているのはこれだよ!これなんだ!」



親潮「ひゃあ!?」



司令官は親潮を肩を掴んでそう言った。



不知火「そんな事を言っても無理なものは無理です。」



不知火は若干不機嫌そうに言った。



司令官「そうだ親潮。不知火にいい笑顔の作り方を教えてやってくれ!」



親潮「わ、私ですか?」



親潮は少し考えてから、



親潮「...わかりました!私にお任せください!」



そう言って親潮は不知火の元へ行き、



親潮「...姉さん。私が手伝いますから。もうすこし頑張ってみましょう?」



不知火「...親潮がそう言うならば仕方がありませんね。」



渋々ながらも了承を得た。



かくして、



親潮の笑顔指導が始まった。



のは良かったのがだ...





"ここからはダイジェストでお楽しみください"





親潮「姉さん。先ずは軽く笑ってみてください。」



親潮「ま、まあそんなものですよね。」



親潮「...では次は満面の笑みで。」



親潮「あの...姉さん、顔が怖いです」



親潮「え?それが笑顔...?」



親潮「こうもっと...肩の力を抜いて。リラックスです。」



親潮「むむむ...ならば表情筋のマッサージを...」



親潮「いや待って下さい。硬すぎません!?」



親潮「こうなったら無理矢理にでも表情を...」



親潮「...ダメですねこれは。」





こうして30分の死闘は終わった。



司令官「ダメそうか?親潮。」



親潮「私では力不足のようです...司令、申し訳ございません。」



司令官「そうかぁ...」



少し間をおいた後



司令官「不知火も親潮みたいに笑顔が可愛ければなぁ...」



不知火「...悪かったですね。」



司令官「全く...それにしても親潮の笑顔はなんて素晴らしいんだろうか...」



親潮「あの...褒めていただけるのは嬉しいのですが。」



不知火「...もういいです。"不知火などとは違って"、他の笑顔が素敵な方でも撮影していて下さい。」



そう言って、



不知火は部屋から出て行ってしまった。



司令官「...流石にちょっと言いすぎたか?」



親潮「ちょっとどころでは無いと思いますが。」



司令官「やっぱりかぁ...」



司令官は少し項垂れてしまった。



親潮「それにしても...どうして姉さんの撮影にこんなに時間をかけるのですか?いくつか写真を拝見しましたがまだマシな写真は沢山あったように思えるのですが...」



司令官「ああ...実はあいつを表紙に使おうと思っててな...」



あいつとは不知火のことである。




親潮「...でしたら。他の方を表紙にすれば良いのでは?笑顔が上手い方は沢山居られますよ?...私も...」



親潮がいい終わらぬうちに。



司令官「すまん。やっぱり俺はどうしてもあいつを表紙に使いたいんだ...本当にこれは俺の勝手なんだが...」



親潮は



親潮「そうですか...やはりそうですよね。」



司令官「あ、親潮...その...」



親潮「大丈夫ですよ。わかってますから。」



親潮は扉を開けて。



親潮「早く姉さんと仲直りしないと、写真間に合わなくなっちゃいますよ?」



司令官「...あ、あぁそうだな。親潮、手伝ってくれてありがとうな。」



親潮「いえ、またいつでもお手伝いいたしますので...では。」



そう言って親潮は部屋を出て行った。



一人部屋に残された司令官は



司令官「ごめんな。」



一人そう呟いた。





親潮は廊下を歩いていた。



司令官と不知火の関係は



彼女もわかっていた。



でも...



親潮「ちょっとくらい...期待したっていいじゃないですか...」



親潮「あ...報告するの忘れた...」



親潮「また今度にしましょうか...」



そう言って、



親潮は自室へ入って行った。





不知火「親潮のようにはできないです。」



不知火は一人



海辺で体育座りをしていた。



不知火「できる事ならば...不知火だって...」



一人そう呟いた



日が完全に沈んだ頃...



不知火は思い出した。



不知火「そういえば、明日までに作らねばならない資料があったんでした...」



そう言って



不知火は鎮守府への道を戻っていった。





鎮守府に着いて、



不知火は司令官の部屋へと向かう。



この鎮守府は、



司令官の部屋と執務室は兼用スペースなので、



作業途中の資料はそこにおいてあるのだった。



不知火「あまり入りたくはありませんが...仕方がありません。」



失礼します。



そう言って不知火は部屋のドアを開けたが、



部屋内には誰も居なかった。



不知火「ちょうど良かったです。」



不知火は資料を探し始めたのだが...



不知火「困りましたね。資料が見当たりません。」



もしかして司令の机の中にしまったとか...



机の棚を開けて確認するが、



一番下の棚が、



なかなか開かない。



不知火「なかなか開かないですね。」



かなりの力をかけて開けたところ。



棚は変な音を立てながら開いた。



中を見ていた不知火だったが、



どうやら中にはなかったらしく、



不知火「ここでもないですか。」



そう言って棚を閉めようとした時だった。



ふと不知火は、



アルバムを見つけた。



次の瞬間には、



不知火はアルバムを開いていた。



不知火が中を開くとそこには。



沢山の艦娘と、提督との写真が入っていた。



不知火「こんなに沢山。」



不知火「皆さん笑顔がとても素敵ですね。」



そう言って最後のページを開き、



大事そうにしまってあった写真を見た時、



不知火は少し驚いた表情を見せた。



その瞬間、



ドアが開いた。



司令官「不知火!ここに居たのか!」



不知火「...」



司令官「不知火、スマン!さっきはお前の気持ちを考えずに勝手な事を言ってしまった。許してくれ!」



数秒間の沈黙が流れた後、



不知火「...謝っただけで許してもらえるとでも?」



司令官「いや...そう言う訳ではなくて...」



また数秒の後



不知火「......お出かけ」



司令官「え?」



不知火「今の不知火は機嫌が良いので。近々どこかへお出かけに連れて行ってください。そうしたら許します。」



司令官は驚いた表情をしたが、



司令官「お、おう!勿論だとも!今度な、今度!」



不知火「でしたら許します。」



ここで司令官は、



妙なことに気がついた。



不知火は顔を後ろに向けているので



表情は見えないのだが、



司令官「...不知火お前...今笑ってないか?」



不知火「...まさか。」



司令官「いや、だって口角上がってるじゃん。ここからでも若干見えるぞ。」



不知火「...そんな訳」



司令官「ちょっと見せてみt」



そう言って近づいた途端。



不知火が空いていた窓から逃げたした。



突然の出来事に司令官は困惑した様子で、



司令官「なんだよ...てかあいつなんで笑って...」



そうして、



不知火がさっきまで居たところを確認した司令官は、



一番下の棚が若干開いているのを見つけた。



そして、



司令官「そういう事か...」



そう言って、



少しの苦笑いの後、



司令官「まああいつの機嫌がなおったんならそれでいいかな...」



そう言って棚を閉じた。



これで物語はハッピーエンド、



と思われたのだが...



草むらに、



潜む影が一つ、



「いやー。不知火さんってあんなに良い笑顔もできるんですね〜。」



「パンフレットの写真も彼女だけまだだったので、丁度いいですね。これを使いましょう!」



その声の持ち主とは...



皆さんももうお気づきであろうが...



青葉「青葉、見ちゃいました。」



広報誌作成を担当していた。



巡洋艦"青葉"だった...



その後パンフレットは無事に、



地元住民の元へ届けられ、



パンフレット制作は成功に終わった。



しかしながら、



勝手に不知火の写真を撮影し、



パンフレット掲載した青葉はというと...



後は読者に皆様の、



ご想像にお任せするとしよう...








うちの不知火の落ち度2 [笑顔を作るのがへたっぴ]




後書き

続いた!しかし想像よりもかなり長くなってしまいました…。

Q.不知火はアルバムで何を見たのでしょう?

A.恐らく一番最初に会った時に、二人で写真撮影した時の写真でも見たんでしょう。

最終回っぽいですが、まだ続きは存在します。書けるかどうかは別としてですが…

黒潮「司令は〜ん、うちの出番は〜?」

投稿者は関西弁が使えないので当分はないかと…

黒潮「…」


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2021-07-21 09:52:28

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