異変解決するのは推しのためです。3
釟の能力の代償。
霊夢救出編。
釟(痛い)
時間は夜となり、他は寝静まっている。
しかし釟は起きていた。まだ痛みを感じるのだ。声を出してしまってはこころなどを起こすかもしれないから我慢している。
そして痛いせいで全く寝れない。毛布に強く握って紛らわそうとするが全く意味をなさない。まるでくらった攻撃と同じようで切り裂かれるような痛みに襲われる。
その痛みにはピークというものがないのかずっと同じ痛さがある。
こころ「大丈夫?」
釟「ああ、こころ?なんでいるの?」
釟の目の前にこころの顔があった。つまりこころも寝る体制であることから他者から見たら添い寝のようにしか思えないだろう。
こころ「釟が痛そうにしているから」
釟「え」
釟は声と表情に出すのはやめようと我慢していたが表情には出ていたみたいだ。やっとこころに指摘され気付く。
こころ「なにか思うことがあるの?」
釟(きっと前の世界にいた思い出を思い出して辛くなったと思っているはず)
釟の読み通りなのだが釟が痛そうにしているのは人々の攻撃によるものなのでこころが考えている通りではない。
釟はそもそも前世に残してきたものは特にない。
釟「森の中で走ってるときに転んじゃって‥‥‥その時の痛みが今になってきているだけだよ」
こころ「ならいいけど」
こころはそう言ったが一向動こうとはしない。
釟「あのー、ずっとこのままでは困るんですけど」
しびれを切らした釟はこころに言う。
こころ「なんで?」
釟「男は獣です、なので俺だってこころのことを襲うかもしれないよ?」
実際、釟は推しであるこころい添い寝されている状態が嬉しいが、それよりもこころのことを心配する。
こころ「大丈夫、もし襲われたら返せる自信はある」
こころは自信満々に言っている。
そのとおりで釟がこころのことを襲っても力の差があるから問題はない。
釟「そういうことではないけどいっか」
釟はこころに背を向け寝ようとする。
釟(推しが添い寝‥‥‥ぐへぇへぇ)
釟は気持ち悪いニヤケ顔を見せないためこころに背を向けた。
こころ「釟、キモいよ」
釟「グァアア!!」
釟に会心の一撃!!
釟はバタバタと苦しみだした。
こころ「私の能力でわかる」
釟(そういえばこころの能力は感情を操る程度の能力だから他の感情が分かってもおかしくはない)
釟はもがきながらも考える。
こころ「そしてなぜ苦しんでいるんだ?」
釟「こころのせいです」
釟は苦しみながらも答える。
こころは仮面を福の神にしていたがこころと顔を会わせない釟にとっては気づかないことだ。
こころ「こころあたりはないのだが?」
釟「もういいや、寝よ」
釟はそう言い、寝だした。
こころ「霊夢、釟はもう寝たよ」
霊夢「釟が居た方が良かった気がするけどまあいいわ」
こころと霊夢は一室にいる。
霊夢は少し残念そうにする。
霊夢「あの爆発はどうして起きたの?」
こころ「えっと、人里まで釟を送ろうとしたら、私が小麦粉が入った袋に足を引っ掛けたら小麦粉が蔓延しちゃって‥‥‥」
霊夢「それで?」
こころ「コケないように踏ん張ろうとしたライターがあって、カチッて押してしまい、えー、爆発しました」
霊夢「わかったわ、なんてことをしてくれてたの、全く」
こころ「もしかしたらこれがキッカケでさらに人側の勢いが増す?」
霊夢「そうよ」
こころ「なら問題ない」
霊夢「なんで?」
こころ「追っかけられたけど釟がどうにかして崖に落としてくれた」
霊夢「崖?」
こころ「人里には森があるから、そこの」
霊夢「あー、思い出したわ、それで釟の能力のヒントは得た?」
こころ「うーん」
霊夢「なにか小さなことでもいいわ」
こころ「そういえば釟が追っかけてきた人達を崖に落としたさいに一回攻撃が釟に当たってた気がするんだけど‥‥‥」
霊夢「なるほど、回復系?でも疑問に思うことがあるの、なぜこころを見て妖怪、正確に言えば付喪神だけどなぜそうだと分かったのか、なんだよ」
こころ「分かる、でもそれについては能力ではない気がする」
霊夢「ああ、そうか、事前にこころのことを知っていたということね」
こころ「そう」
霊夢「もう日付が変わりそうね、遅くに呼びだしてごめんね」
こころ「ここに居候しているから別に構わない」
二人も寝ることにした。
こころ「おはよう、釟」
釟「ああ、おはよう、霊夢は?」
朝起きてきた釟は霊夢がいないことに疑問に思う。
こころ「霊夢なら人側の話に行ったよ、まあ霊夢は一応中間だから戦いが起きたら戦えないから平和的に済ませるように頑張っているんだけどね」
釟「そうなんだ」
??「今夜、魔法の森を支配する」
霊夢「了解、私はもう帰るわ、朝ご飯食べてないから」
??「博霊の巫女様、こんな朝早くからすみませんね」
霊夢「はぁ」
人側の会議に霊夢は出ていた。
だからなのか一人、霊夢に害をなそうとした人に気づかなかった。
??「すまねぇな、博霊の巫女様、妖怪側に伝えられて困るんで」
??「身の安全は確保しますので、今日はもう寝てください」
霊夢「なに‥‥‥」
霊夢はやってしまったというなんとも言えない表情をしていた。
こころ「霊夢、遅いね」
釟「ああ」
こころ「もしかして人側に入ってしまったから、私を倒そうとして準備をしているのか?」
釟「ありえなくもないけど、霊夢はそんな簡単に人側に入るとは思えないし、俺は霊夢は人側に捕まっていると思う」
こころ「霊夢だぞ、千人いても霊夢が勝つぞ」
釟「すげぇな、でも不意な攻撃なら」
こころ「ありえるかもしれないな」
釟「そうでしょ?」
こころ「ああ」
二人とも霊夢が捕まっているとは気づいていない。
そしてただ時間だけが過ぎていく。
こころ「霊夢、遅い」
釟「確かに、もう夕暮れだもんな」
こころ「一度人里に行くか」
釟「俺とこころはもう警戒されているんじゃない?」
こころ「あー、確かにあんな派手にしてしまったからな」
釟「だからこころはここに居て」
こころ「釟も行っては駄目、私たちと違って強くない」
釟「そうだよ‥‥‥確かにそうだよ‥‥‥でもなぁこころと一緒に行って、こころが引きつけている間にいくのもありだが、それではこころへの負担は大きいからしたくない」
こころ「つまり釟は私が負担がかかるから釟一人で行くの?」
釟「ああ」
話しているせいで近づいてきている足跡に気づかなかった。
こころ「ということで増援を呼んできました」
こころがそう言った瞬間ふすまが開かれる。
二人入ってきた。二人は髪色も瞳の色が全く違うのに姉妹ように思えたのはなぜ?
??「こんにちは、古明地さとりと申します、こっちが」
??「古明地こいしだよ、よろしくね釟さん、こころちゃんから釟さんのことは聞いてるから」
こころ「そういうことで人里にレッラゴー」
釟(これなら大丈夫か、だって古明地姉妹が来てくれたから)
少し調子が良さそうなこころが三人を引き連れるように先頭を歩いていく。
さとり(どういうこと?なんで安心できるの?)
さとりは釟の心を読んで疑問に思いながらも人里に向かう。
さとり「着きましたね、ここからどうするんですか」
四人は人里に入ろうとしている。しかしさとりはどういう作戦で霊夢を探すのかわからなかった。
こころ「簡単、私達が暴れるの」
こいし「そういうことだよ!お姉ちゃん」
釟「妖怪が人里に入れば人は倒しにくる、そして‥‥‥」
さとり「その間に釟さんが霊夢さんを探すということですか?でも釟さん一人で霊夢さんを見つけられるんですか?」
釟「確かに人里は広くなっているが最初に人里があった場所に重要な機関があるとは思わないか?」
釟(例えば牢屋とか)
さとり「!!」
さとり「なるほど、そういうことですか」
こころ「ということで私達は暴れるの」
こいし「ということで行く」
さとり「わかりました、釟さんはくれぐれも無茶はしないでください」
釟「ああ、もちろん」
そうして四人は散らばっていった。
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