2021-09-08 06:42:07 更新

概要

姉ヶ崎寧々さんと彼氏の話
吹奏楽ネタあり


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高校生になった。その日は部活決めで適当にしていた時、ふいに高い音が聞こえた。それは言葉にできないほど良くて、けれど時々音が消えていく感覚があった。その場所は音楽室で中では一人の女の子がフルートを演奏していた。時々咳き込みながら曲の最後まで吹き切った、瞬間、大きな咳き込みが起きた後、肩を上下させながらこちらを向いた。「あなたは一年の〇〇君?」「私は姉ヶ崎寧々、同じ一年で吹奏楽部に入ってるの」彼女の声を聴いた時、思わず入部を考えてしまった。

翌日、入部届を出して楽器の担当オーディションでパーカスに加わった。姉ヶ崎さんは元々フルートの経験はあったが、部活の経験は無いようだった。彼女の担当は最終的に大きな楽器のTubaになってしまった。「大丈夫、私平気なので」けれど彼女には問題があって、それはTubaを長い時間吹くことが出来なかった。原因はぜんそく?の症状があって咳き込むとなかなか再開出来ないことにあった。姉ヶ崎さんとはすぐに仲良しになり同時に吸入係になった。そのうちパレードの日がやってきて彼女の担当は白いスーザフォンになってしまった。「実は本当は吹くたびに顔が赤くなるし頬も大きくなるから好きじゃない」僕に初めて見せた表情は暗かった。けれど彼女の演奏を後ろから支えた時、小声で応援した。寧々さんは振り返って笑顔を見せた後、低音を響かせて行進した。「〇〇君の応援がなかったら吹けなかった」彼女はそうやって僕にベルを押し付けて少し小さめに吹いた。


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