μ'sと2人の少年 〜4-1〜 過去と出会い
End∞Lessというグループで活動をしていた高倉翔と武田勇樹。その2人と終斗と呼ばれる人物の関係とは…
ごめんなさい。予想以上に長かったので前編後編に分けます。
前編は2人と終斗の過去についてです。
End∞Less
高倉翔ー当時は高田翔平
武田勇樹ー当時は武岡勇太
そして2人より一つ下の音羽終斗
3人に共通しているのは大企業の社長や財閥の息子。すなわちおぼっちゃんということだった。
しかし、3人は甘やかされなかった。歌にダンスに武道に学業にピアノにスポーツ…とにかく習い事という習い事はほとんどやっていた。
翔と勇樹は小学校から同じでコンクールなどで一緒になることが多く、仲良くなるのに時間はかからなかった。勇樹のピアノだけは次元が別で同じコンクールということは無かったが…
そんなきつい毎日でも嬉しいことはあった。学校に行くと「かっこいい」「天才」「憧れる」普通の学生が言われれば嬉しくもなる言葉だ。
2人も最初は嬉しかった。しかし、それも小学校まで。中学に入ってからは嫌味に聞こえていた。
仲のいい3人の女子には迷惑をかけまいと学校では平気なふりをしていた。
そしてコンクールの会場で2人で愚痴をこぼしながら笑っていた。
そこに1人の少年がやってきて、
「ちょっと話…いいかな?」と言ってきた。
聞くとその少年も自分たちと同じ境遇にあるらしく、不満が溜まっていた。
すっかり意気投合した3人はコンクール会場やプライベートでも仲良くなっていった。
終斗には穂乃果たちのことは言ったが穂乃果たちには終斗のことは言ってない。唯一自分たちを特別な人間として見ていない部類だったからだ。
そしてある日ー
翔:スカウト?
終斗:うん!なんでもスクールアイドルのスカウトらしくて、
勇樹:でも俺と翔は学校同じやけど終斗はちゃうやん。行けるん?
終斗:うん‼︎プロデューサーの人が僕たちなら絶対いいグループになれるって言ってきたらしくてね、東京代表のスクールアイドルだから学校が違うくても問題無いって。
翔:と、東京代表ねぇ…
勇樹:えらいでかいな、ハハハ…
終斗:で、どうするの?
翔:んー?別に終斗がやりたいならいいけど。
勇樹:俺もー。大体はできるから苦労はあんまりしないだろうしな。
終斗:じゃあOKだしとくね!
勇樹&翔:あーい。
そうして3人はこの楽しい時間が永遠に終わらないように。という意味で
End∞Lessというグループで活動した。
その人気はぐんぐんと伸び、高校で活動しているA-RISEとほぼ互角の人気だった。
まだ義務教育ということもあり、勉強に支障がでてはいけないので偽名を使った。終斗は別に集まってきてもいい。との理由で本名を出した。
3人にとっては至福のひとときだった。が、学生はいつか必ず卒業する。終斗よりも一つ上の翔と勇樹は卒業してしまった。プロデューサーと3人で話し合い、さすがに高校生と中学生ではスケジュールも合わない。ということで一時解散となった…
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翔:復活か…
終斗:うん。僕も高校に入ったし、場所も近いから全然大丈夫だよ。
勇樹:まぁ、そうやけど…
終斗:あの3人、だよね。確かに僕たちがまた再開したら音ノ木坂は廃校確定だ。A-RISEとEnd∞Lessを倒せる実力を今から、そして彼女たちだけでつけれるとは思えない。
翔:でも!
勇樹は何か言いたそうな顔だが何も言い出せずにいた。
終斗:分かってる。幼なじみの願いはできるだけ叶えてあげたい。だろ?
翔:分かってるならなんで!
勇樹:A-RISEとEnd∞Less、そしてあいつらとの…
終斗:そ、協定。みたいな?
翔:協定っておまぇ…
終斗:僕はA-RISEに入りながら、そして2人は彼女たちのグループに入りながら、End∞Lessとして活動する。
勇樹:お前そんなこと許されると…
終斗:大丈夫だよ。End∞Lessでは前と同じようにプロの作った衣装にでかめのサングラス。バレないって。ま、A-RISEのほうは了承してるからいいけど、そっちはどうかなぁ?
勇樹:それより、たとえ俺たちが穂乃果たちのグループに入ってもA-RISEとEnd∞Lessの優勝と準優勝争いは…
終斗:それなんだけど〜
終斗はさっきから何かを企んでいるのか、はたまた単純に復活したいのか、どちらか分からない顔をしていた。
終斗:彼女たちは伝説の2強に健闘したグループとして世間に出すことにするよ。もしかしたら3強になるかもしれないし。
翔:でも、それじゃあ!
終斗:それじゃあ何?スクールアイドルのトップであるA-RISEとEnd∞Lessに並ぶんだよ?彼女たちも人気でるよ。
翔:くっ、お前…
少し終斗に怒る俺を勇樹が抑える。
勇樹:翔。落ち着け。
終斗:じゃ、僕は仕事あるから、2人も頑張ってねぇ〜。
そういうと終斗は近くに止めていた黒い車に乗って消えていった。
勇樹:分かってるだろ。翔。あいつに逆らったら音ノ木坂は穂乃果たちの結果に関わらず廃校になるって。
翔:あぁ。で、勇樹。お前今日どうすんの?
勇樹:今日は渋谷のビルだ。お前は?
翔:俺は自宅で作詞・作曲・ダンスのアドバイス、で、ドラムとギターとベースとか弾いて5曲ぐらい試しを作る。
勇樹:そっか、頑張れよ。お前の仕事範囲には俺のマンションいくつかあるから泊まってもいいぞ。
翔:あぁ…さんきゅーな。
勇樹:じゃ、また明日な。
翔:おぅ、お前も無理すんな。
海未:(どうしたのでしょう。2人とも…なんか元気が無いような…)
穂乃果:どうしたの?海未ちゃん。
海未:い、いえ、別になんでも…
ことり:それより、海未ちゃん……
海未が心配そうに見ているのを知らずに俺たちは別れた。2人とも何も考えられる状態では無かった。
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各自部屋にて
翔:ん?穂乃果からメール?
俺が仕事をしていると穂乃果からメールが入った。
To 翔
あのね!今日見たA-RISEとか、他のグループとか見たんだけどね、5人っていうのはイマイチかな〜って思ったんだ。翔は、どう思う?
From 穂乃果
俺は終斗に会ったせいか、業界基準で考えてしまい、
To 穂乃果
確かに5人は少ない。メインは女子が多いから穂乃果たちとして、その3人での個性が強すぎて少ない。A-RISEはそれぞれがそれほど強くない個性をリーダーである綺羅ツバサがうまくまとめているからな。だから穂乃果の案には賛成だ。何しろスクールアイドルだしな、多い方が目立つかも。
From 翔
一瞬綺羅ツバサではなくツバサと打とうとした自分に疲れていると感じる。
翔:でもま、仕事だしやるか!
勇樹side
渋谷のビルに着いた俺は軽くシャワーを浴び、仕事部屋を通り、作曲スペースへと入った。ビルと言っても俺の仕事専用マンションみたいなものだ。
勇樹:このグループは?
秘書:えぇと、ミュータントガールズというグループです。
勇樹:で、これが。
秘書:はい。勇樹様に依頼のあった曲の編曲です。
秘書は淡々と答える。
勇樹:にしてもなんでこんなに溜めてんだ?
秘書:お金が無かったらしく、最近まで自分たちでしか行動できなかったようです。
へぇ、じゃあ最近は若干人気がでてきてるんか。
勇樹:マイク貸して。
俺はそういって秘書の前に置かれているマイクを奪った。
勇樹:俺は君たちの曲の編曲を担当することになった武岡勇太だ。今から編曲を始めるがいつ来てもいいように喉をあっためといて。
ミュータントガールズ:はい!
そういって俺は仕事部屋のパソコン3台の前に座った。
勇樹:さあて、今日は寝れへんかな?
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後編こそいよいよ…
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