八幡「一色いろはの誕生日であり記念日」
今年のいろはすの誕生日に書いたSSです。pixivにも上げたのですがより多くの人に読んでいただきたいと思い投稿しました。
一色「おはよーございますせんぱーい!」
ドゴォッ
八幡「ぐぇっ!」
いきなりの衝撃に気持ち悪い声をあげてしまった。周りドン引きなんだけど…振り返ると予想通りというか当たり前のように一色が居た
八幡「いい加減タックルするのやめてくれない?このままだと注意深くなりすぎて索敵能力高まっちゃうんだけど」
そのうち目が見えなくても波動で見えるまである。それどこのルカ◯オだよ
一色「あれ?せんぱい今日って何日でしたっけ?」
暇つぶし機能付き目覚まし時計で確認しつつ答える
八幡「今日?あぁ16日だな」
一色「4月のですよね?」
八幡「大丈夫か?日にちは忘れても月はそうそう忘れるもんじゃねーだろ」
一色「とりあえず4月16日なんですよね?」チラッチラッ
八幡「だからそうだって、なんでチラチラ見てくるんだよ時間ねえからもう行くぞ」
一色「もーせんぱい酷いです」ブー
出たよ『あざといろは』小町程ではないが可愛いから困る
八幡「なんで親切に教えてやったのに怒られにゃならんのだ。乗せてやらねーぞ」
一色は当然の如く自転車の荷台に座っている
一色「降ろしたいならキスしてください」
ピシッ! イタイ!
八幡「そーゆことは軽々しく言うなよ男はすぐ勘違いする生き物だからな」
ほんとキスとか恥ずかしいからやめてほしいんだけど…昔の俺だったら即告って振られてたな
一色「はーい、でもこんなことせんぱいにしかしませんから!」
八幡「そうかよ」///
もうなんなんだよこいつは勘違い製造機かよ。世の健全な男子の敵だな
一色「せんぱい顔赤ーい」ケラケラ
ギュッ
一色「れっつごー!」
そう言うと一色は俺の腰に抱きついてくる抱きつき方が自然すぎるだろ!毎回思うがなんでこんなに柔らかいんだよ!そして安定のいい匂いぃぃぃ
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サヨーナラー ンジャキヲツケテカエレヨー
今日もよく寝たぜ。確か今日は生徒会の仕事はなかったな、久しぶりに部活出るか
ツカツカ
部室に向かうため廊下を歩いていると自分の足音だけが響いている
なんでこっちの校舎はこんなに静かなんだろうな。部活としてもぼっちとか俺マジ孤高の神に愛されてる
パタパタ
せわしない足音が聞こえてくる。奴が来る!
一色「せんぱーい!」タックル
ヒョイッ
俺はベストなタイミングで華麗に一色のタックルをかわした。つーかコイツのタックル結構痛いんだよなサッカーじゃなくラグビーのマネージャーやれよ…
一色「あれ!?」ズテーン
八幡「残念だったな一色。この静かな廊下では足音に気を付けなきゃな。バレずに近寄る方法をビックボスに学ぶんだな」
例えばダンボールとかね!
一色「なんですかそれ?まぁいいです今から遊びに行きますよ!」
八幡「いや、俺部活あるし」
こういう時に部活って便利だよねほんと奉仕部入っててよかった
一色「あーそれならもう雪ノ下先輩に断ってあるので大丈夫ですよー」
八幡「何勝手に断っちゃってんの?俺の主導権は君にあるの?」
後輩に主導権握られてるとか将来誰かの尻に敷かれる未来しかみえないな
一色「今日だけは特別だって言ってました!」
私用で部活休ませるなんて珍しいな
八幡「あいつなんか機嫌でもいいのかな?」
一色「多分今日が4月16日だからじゃないですかねー?」
なんでそんなに4月16日を推してくるんだよ
八幡「そんなの関係あんのか?とりあえず部活行かなくていいんなら暇だな」
まぁ部活行っても基本本読むだけだから暇なんですけどね!
一色「そうそう!」
八幡「帰るか」
一色「おかしい!この流れでそれはおかしいですよせんぱい!」
八幡「なんだよ、部活がなくて暇だから帰る。これのどこがおかしいってんだ」
一色「可愛い後輩が遊びに行こうと言ってるのに暇だなんて言わせませんよ!」
誘われてるだけなら暇に入ると思うんですがねー
八幡「この辺て行ってないとこなんてあんま無いだろ」
一色「ただ買い物するだけでいいんですよ!せんぱいと居れば楽しいですもん♪」
この笑顔は反則です!なんでも許しちゃいそうだよ!
八幡「行くなら行くぞ」
一色「はぁーい!」
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俺達はいつもと同じようにショッピングセンターをぶらぶらしている
一色「あっ!」
一色が何かに気づいたように声をあげた
八幡「どうした、いきなりデカイ声出して」
一色「ちょっとこっちに来てください!」
そう言うと一色は俺の手を思いっきり引っ張った。すごい痛いんですけど…
八幡「だからどうしたんだよ!」
??「あんれぇー?いろはすとヒキタニ君じゃん!」
ん?聞き覚えのあるうるさい声だな
一色「戸部先輩こんにちはー」
やっぱり戸部だったか。しかしまぁ戸部なら大丈夫か?
戸部「なんで二人で一緒にいるん?」
戸部「……あっ!」
戸部「ふぅ~ん」
おい戸部、なに勝手に一人で納得してやがる
戸部「あ、そういやいろはす今日たんj…」
ゴスッ
殴った!?この子戸部のこと全力で殴ったよ!
一色「戸部先輩また明日♪」ニコニコ
一色の顔がこれ以上喋ったら殺すと言っている
戸部「じゃあな!いろはすとヒキタニ君!」ボロッ…
殴られた後によくもあんな元気が出るもんだ。修学旅行の時といい結構メンタル強いのか?
八幡「戸部のこといいのか?一応先輩だぞあいつ」
一色「大丈夫ですよ!戸部先輩ですし」
戸部の扱いが酷すぎるだろ…
一色「あの店行きますよ!」
一色が指をさした店はいかにもイケイケリアリアでアホな女子高生が好きそう(偏見)な店だった
八幡「え、あんな店入ったら俺気持ち悪がられて通報されるまであるんだけど」
一色「そんなこともあろうかと!」
そう言って一色はバッグから眼鏡を取り出した
八幡「お前眼鏡かけてたっけ?」
一色が眼鏡をかけているのは見たことがなかった
一色「何言ってるんですか!せんぱいがかけるんですよ」
八幡「いや俺別に目死んでるだけで視力
は悪くないぞ」
目が死んでるくせに無駄に視力いいから視力検査の時に先生に驚かれるんだぞ
一色「伊達ですよだーてー」
八幡「そんなもんかけさせて俺をおしゃれさん(笑)にするつもりか」
なんで眼鏡かけてるとオシャレだっていう風潮があるの?
一色「死んだ目を隠すためです!」
八幡「そんなもんで隠れるのかねぇ」
自慢じゃないが俺の目は相当やばいレベルで死んでいる
一色「いいからいいからっ」
そう言って一色は俺に無理やり眼鏡をかけさせた
一色「///」
八幡「かけさせといて何も反応無しかよ」
そんなに眼鏡似合わなかったの?ちょっとショックなんだけど
一色「しょ、正直似合いすぎてびっくりしてます///」
意外な言葉が返ってきた。気になったので暇つぶし機能付き目覚まし時計のカメラで確認する
八幡「おうふ…」
そこには紛れもないイケメンが映っていた。誰これ、ほんとに俺なの?あいにくホーム画面をイケメンの画像にする趣味はないので俺で間違いないようだ
一色「こんなの聞いてないですよー///」
一色はずっと顔を赤くして下を向いている。ちょっと可愛いんだけど
八幡「んで眼鏡かけたけど理由がわからないんだが」
一色「その見た目なら通報される心配はないですね!ただのカップルにしか見えません」
カップル!?
八幡「いや俺達付き合ってないだろ」
一色「店に入れるか入れないかが問題なのでそこは気にしないでください♪」
そう言われても一度想像しちゃったから恥ずかしさが半端ない
一色「さぁ行きましょう」
ギュッ
一色は俺の手をとって歩き出した
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八幡「はぁ…」
疲れた…なんでああいう店は疲れるんだろうな。派手な物ばっかで目がおかしくなりそうだ。よくリア充はあれに耐えれるもんだぜ。ちなみにもう眼鏡はとった
一色「デート中にため息はNGですよっ」
八幡「あぁすまんな、あんまりにも派手な店だったからよ」
一色「そんなんでこの先私とデートしていけませんよー」
この先もデート決まってるの!?勘違いするからそういう発言はやめてほしい。注意せねばな
八幡「あんま軽々しくそういう発言しないほうがいいz…」
注意をしている時にあるものが俺の視界に入った
八幡「と、と、と、戸塚!」
そう、我らが大天使戸塚が歩いていたのだ!かわいい!とつかわいい!
戸塚「あ!はちまーん!」
戸塚が笑顔でこちらに近づいてくる、かわいい。なんで走り方が女の子走りなんだよ、かわいい。
八幡「奇遇だな!戸塚!」
戸塚「僕も八幡に会えるなんて思わなかったよ!」
かわいい
八幡「これは運命だな!それ以外認めない」
戸塚「もう…冗談はダメだよ?///」
ドキューン!こんな効果音を現実で聞くことになるなんて…ありがとう神様
一色「せんぱーい、私はほったらかしですかー」ムスー
一色がいじけている。あざとい
戸塚「あ、一色さんと一緒だったんだね!邪魔しちゃってごめんね?僕も友達待たせてるかもう行くね!ばいばい八幡!」
そう言って戸塚は行ってしまった…俺の癒しが…
八幡「じゃあな」グスッ
一色「せんぱい、男の人にデレデレするなんて変ですよ!」
八幡「戸塚は男じゃない!戸塚だ!」
そうだ人間には男、女、戸塚がいるんだ
一色「意味わからないですよ…」
今日は結構知り合いに会うな、この流れは嫌な予感がするな
八幡「そろそろ移動するか」
なんだかここに居てはいけない気がする
一色「まだ行きたい店あるんですけどー」
八幡「また今度行けばいいだろうが、店は逃げねぇよ」
一色「わかりましたよー今日のところは我慢します」
よし、早く移動を…
??「あっれー?比企谷君だー!」
予感的中しちゃったよ!
陽乃「ひゃっはろー!」
なんでこの人はこんなタイミングで来るんだよ!常に監視でもしてるの?それとも予言者かなんかなの?
八幡「うす。ではこれで…」
ガシッ
陽乃「すーぐそうやって逃げようとしてーお姉さん寂しいなー」
一色「陽乃さんこんにちはー」
陽乃「いろはちゃんひゃっはろー!」
陽乃「あれー?この間も一緒に居たよねーいやー熱々だねっ!」
うぜぇ…
八幡「いやただの買い物ですよ」
陽乃「じゃあなんで手繋いでるのかな?」
やばい、店から繋いだままだった…最近は繋ぐのが普通だったから気にしてなかった
八幡「いや、これはですね迷子にならないように繋いでるだけであって…」
一色「じゃあ私すぐ迷子になっちゃうのでずっと繋いでてくださいね!」
こいつ!火に油を注ぎやがった!
陽乃「いやーこれ以上邪魔するほどお姉さん非常識じゃないからもう行くね!ばいばーい!比企谷君!いろはちゃん!」
八幡「さ、さようなら」
一色「さようならー」
ほんとあの人苦手です…
一色「せんぱいどうします?」
そう言われふと時間を確認する。19時27分か…結構時間経ってたんだな
八幡「結構時間経ってるしそろそろ帰るか?」
一色「もうですかー!?うーんでも思ったより時間経ってますね」
一色「じゃあ帰りましょうか」
一色の表情はどこか寂しげだった
八幡「家まで送る」
一色「いやー申し訳ないですよ」
こいつが遠慮するなんて珍しいな
八幡「いいから行くぞ」
無理やり手を取って俺は歩き出した
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いつものように一色の家の近くまで送っていた。
一色「この辺でいいですよー」
しかし今日はいつもとは違う。俺は覚悟を決めた
一色「せんぱい?」
八幡「なぁ一色、お前今日誕生日だったよな?」
一色「え!?あ、はい!覚えててくれたんですね!」
事前にあんなに誕生日の話されたら嫌でも覚えてるっての
八幡「しかしながら俺は気の利いたプレゼントなんて思いつかなくてな」
一色「そうなんですか…せんぱいらしいですけど」
八幡「その代わりって言っちゃなんだが」
自分の鼓動が速くなるのがわかった。心臓が破裂しそうだ
八幡「この前の告白の返事。させてもらってもいいか?」
一色「えっ」
途端に一色の表情が曇った
一色「なんで…今日なんですか?」
八幡「お前の誕生日だからだ」
一色「少し待ってください」
そう言って一色は俺から少し離れた。1分くらい経ったところで一色が戻ってきた
一色「…心の準備してきました」
一色は今までになく真剣な顔をしている
八幡「俺はお前に告白されてから断る言い訳をずっと考えていた」
一色「…」
八幡「でも結局それは思いつかなかった。お前と話したり買い物に行ったりとにかく一緒に過ごしている時間がすごく心地よかった。こういうのが本当の幸せなんだと初めて感じた。」
一色「っ!?」
八幡「この先もずっとこの幸せを感じていたい。一色、俺と付き合って欲しい」
一色「返事じゃなくて告白じゃないですか、こちらこそよろしくお願いしますせんぱい…うっ…グスッ」
八幡「な、なんで泣いてるんだ?」
一色「だって…ひぐっ…絶対に断られると思ってたから…うっ」
一色も怖かったのだ。告白することによって返事次第では関係が崩れてしまうことを
八幡「大丈夫だ。俺はお前の事が好きだ」
一色「うぇぇぇ…よがっだよぉぉぉ」
八幡「あんま泣くなよ一色」
一色「違います…『いろは』ですよせんぱい!」
八幡「俺の呼び方は変わんねぇのかよ」
恥ずかしいの俺だけじゃん!
一色「せんぱいはせんぱいだからいいんですー」
一色はいつも通りの悪戯するような表情をした
八幡「んじゃ家まで送るぞ、いろは」
一色は「はい!せんぱい!」
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しばらく歩くと一色が止まった
一色「ここですよー、親に挨拶していきます?」クスクス
八幡「しねぇよ!」
一色「それじゃあまた明日!せんぱい」
一色「今日は今までで一番幸せな誕生日でした!」
そう言った一色は最高の笑顔を見せてくれた。あいつの誕生日なのにもったいないくらいの物返されちまったな
八幡「あた明日学校でな、いろは」
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冬は過ぎたが夜風はまだ肌寒い。だが今の火照った顔には心地いい。今日、一色いろはが生まれた日に俺達は特別な関係になった。この関係は間違いなく本物だと断言できる。俺はだいぶ変わったと思う、もちろん一色だけでなく雪ノ下や由比ヶ浜、戸塚や材木座、平塚先生達のおかげだ。でも一番俺を変えてくれたのは一色だ。時には俺をからかったり、あざとくしたり、素に戻ったり。一緒に過ごしていて苛立ちはするものの苦痛は一切感じなかった。改めて一色いろはという存在の凄さに気づかされた。
八幡「ありがとう、そしてこれからもよろしく『いろは』」
完
いろはすと同じ誕生日なのでついつい筆が進みましたwここまで読んでくださった方々本当にありがとうございます!
僕も同じ4月16日誕生日で
いろは好きです
1≫そうなんですか!やっぱり誕生日同じだと親近感湧いて好きになることありますよね(*^^*)