2016-04-16 20:27:56 更新

概要

うさみみを付けることを強いられる鎮守府


前書き

改めて読み返すと凄い恥ずかしい…

そんなss


漣「ついに来ちゃった…」


私はこの鎮守府の書記官として配属された、駆逐艦の漣です。今は鎮守府正面門にいます。


何が来てしまったかというと…


漣「はぁ…誰が来るんだろ」


今日は新人提督が着任する大切な日なのです。


漣「緊張するなぁ…どんなご主人様が来るんだろ…」


ブロロロロロ…という音と共に一台の車がやって来た。


漣「…きましたネ。」


後部座席から一人の老人が降りてくる。


新人提督にしては貫禄があるなぁ…


まぁいっか。


漣「はじめまして、ご主人様、綾波型駆逐艦の漣です。」


???「ん…ふぉっふぉっふぉ、残念じゃがわしゃ違うぞ」


漣「へ?し、失礼いたしました‼︎」


???「なに、気にするでない。それより紹介しよう、この鎮守府の新しい提督じゃ。」


そう言うと、運転手さんが何かを持って来た。


???「紹介しよう、この鎮守府の提督じゃ。」


漣「へ?…えっと…うさちゃん?」


新しい提督はうさちゃんでした。


…ん?


漣「あの…提督の上官様だと思いますが、その…こちらのうさち…こちらの方が漣のご主人なんですか?」


???「そうじゃよ。なかなか面白い奴でな…せっかくじゃから自己紹介してもらおうかの。おい」


運転手「はい、只今。」


そう言うと車の荷台からパソコンを持ってきて、うさちゃんの前に


うさちゃんが腕を必死に伸ばしてパシパシして…萌ポイントキター‼︎


と思ってると、パソコンから音がでた


『はじめまして』


流暢な日本語…ってそりゃパソコンだけど…ん?今パソコンいじってたのって確か…


聞くよりも早く、答えが返ってきた。


提督『きょうからお世話ぬいあるていちおくです』


漣「へ?ていちおく?」


なんだろう、聞きなれない…


???「やはり難しいか…ともかくじゃ、ここにおるウサギが、本日付で配属された提督じゃ。」


漣「こちらが…ご主人様?」


…間違いなくうさちゃんだ。


???「それじゃあワシは失礼するよ。何分忙しいものでな」


漣「は、はい。忙しい中ありがとうございました。」


???「なに、気にするでない。」


そう言い残して老人は行ってしまった。


うさちゃんを残して


漣「…ご主人様〜、とりあえず執務室に向かいましょ〜」


抱きかかえると柔らかい…ヤバい、癖になるかも…


〜〜〜


漣「ご主人様〜、ここがお部屋ですよ〜」


執務室の扉をあける。


中は建てられたばかりの家を彷彿とさせるほど片付いてる。…といえば聞こえはいいけど、翻訳すれば何も無い…


と思ったら段ボール箱が一つ


漣「あれ?これなんでしょう、ご主人様?」


段ボールを見つけるやいなやご主人様ことうさちゃんが体をバタバタさせている


漣「あ、ちょっと待ってくださいよ、ご主人様、今開けますから」


モフモフの柔らかい肌触りが名残惜しいと思いながら、少しの辛抱だと割り切ってご主人様をカーペットの上に下ろし、段ボールの開封を始める。


中には大量の新鮮な野菜と、5セットのウサ耳が入っていた。


漣「ウサ耳ktkr‼︎…なんで?」


よくわから無いけど付けてみよっと


漣「えっと…よしっと」


窓ガラスに映った自分を見てみる


漣「んー…なかなかステキ。でもちょっとはずかしいかな///」


「似合ってますよ、漣」


漣「へ?だれ?」


「こちらですよ、こちら」


漣「へ?」


声のする方を向くと…


漣「ご主人様?」


提督「はい。」


漣「…」ウサ耳を外してみる


うさぎ『ーーー』何かを伝えようと体をバタバタさせてる


漣「…」スチャッ←ウサ耳装着


提督「もう、やめて下さいよ、せっかくお話できるようになったのに」


漣「ご主人、本当にご主人様ですか?」


うさちゃんを持ち上げる


提督「えぇ、はじめまして。その…どうしてだきかかえるのですか?」


漣「…」


提督「え?」


漣「…恥ずかしいからきかないで///」


提督「えっと…わかりました。」


こうして私と提督?の鎮守府生活が始まった。


〜〜〜


漣「ご主人様〜、ご飯ですよ〜」


提督「もうそんな時間ですか…早いですね、時間が経つのは」


漣「そんな謙遜しないでください、立派に執務をこなすご主人様、可愛らしかったですよ、はい、あ〜ん」

(°⊿ °)⊇ー


ニンジン


提督の食事は大体が野菜スティックで、毎回私が用意させてもらってます。


提督「カワイイって…」もしゃもしゃ


漣「どうです?」


提督「うん、丁度いい大きさで食べやすいよ、漣」


漣「本当ですか⁉︎」


提督「嘘はつかないよ」


漣「ご主人様の褒め言葉キタコレ〜

\(>▽<)/」


提督「漣は素直だね、あ、もう一つもらえるかな?」


漣「ほいさっさ〜♪」


もう一本とって提督の口元へ


漣「ご主人様お口開けて」(°⊿ °)ъ—


提督「ん…漣はお昼ご飯たべたんですか?」


漣「へ?いえ、ご主人様が食べ終わってから頂こうかなって」


って言ってもいつも時間が無くて携帯食料なんかで済ませるけど…料理出来ない?ソンナコトナイヨー(-。-;


提督「よかったら一緒に食べない?」


突然の提督からのお誘い


漣「うーん…えっと…」


提督「明日からどうかな?」


漣「あ、えっと…はい」


言っちゃった…


提督「明日からご飯楽しみにしてるね、漣」


漣「私もです、ご主人様…」


…(;>П<)言っちゃった


さて、明日までに何とかして料理を…


提督「さて、午後からも頑張るかな〜」


…ダメでした


〜〜〜


そして翌日の昼食


提督「…漣」


漣「なんでしょう、ご主人様」


提督「その…僕に合わせなくてもいいよ」


漣「いえいえ、そんなこと有りませんよ、ご主人様」


私が用意したのは、ドレッシング。

提督のご飯を一緒に食べようということです。


提督「まぁいいですけど」


漣「それじゃあ頂きましょうか」




数日後、大本営から間宮さんと鳳翔さんがやってきた。


〜〜〜


漣「こちらがご主じ…この鎮守府の提督です。」


鳳翔「えっと…漣ちゃん、こちらって…」


間宮「兎ですよね?可愛いですけど…」


漣「あ、そうだった…お二人とも、こちらをどうぞ」


鳳翔 間宮「へ?」


漣「ほらほら、早く」


鳳翔「いいですけど…」


鳳翔さんがうさみみを付ける


提督「やっと付けてくれたか、鳳翔」


鳳翔(うさみみ)「えっ⁉︎もしかして…うさぎさん?」


提督「うさぎさんって…まぁそうですけど…」


鳳翔「…少し失礼しますね」


鳳翔さんが提督を抱えてる


そして頭をなでてる


鳳翔「…はっ‼︎す、すみません、提督。つい…その…///」


提督「構いませんよ。これ位なら」


間宮「あの…漣さん、鳳翔さんがうさみみを付けてから独り言を…」


漣「間宮さんもどうぞ」


間宮「え?…えぇ、それじゃあ」



こうしてうさみみ同名が完成した。


〜〜〜



漣「ご主人様〜、これに確認印をおしてくれませんか?」


提督「構わないよ。漣、いつものをたのみます。」


漣「ほいさっさー」


このいつものっというのは私にとって至福の時間となってます。


漣「失礼しますね〜」


提督を抱きかかえてお膝の上に


ちょっとくらい抱きしめてもいいよね


提督「漣、抱きしめられると仕事が出来ません」


漣「あ、えっと…つい///」


おこられちゃいました、でもこれくらいでモフモフできちゃうんだから、関係ないや


漣「そ、それより、早く確認印を///」


提督「はい。えっと…朱肉は…」


漣「はい、ここで良いですか?」


提督「ありがとう、じゃあ始めようか」


ペンさえ持つ事に一苦労な提督がどうやって判子を押すか、それは一目瞭然


提督さんがその短いおみ足を朱肉の上に、それを書類におしていきます。


提督「さ、漣、ちゃんと支えて」プルプル


漣「支えてますよー」


この時、提督さんは私のお膝に後脚でたってるので、物凄いプルプル震えてます。


まぁそこが可愛いんですけどね


漣「ご主人様〜、ファイト〜p(^_^)q」


こうして私は束の間の裕福を楽しみます


提督「漣、めくってください。」


漣「はい、どうぞ、ご主人様」


〜〜〜


漣「建造…ですか?」


提督「はい、そろそろみんなに艦娘としてお仕事をしてもらおうと思いまして」


漣「わかりました、ご主人様。どの様な艦がいいですか?」


提督「そうですね…とりあえず、重巡洋艦の子と空母の子をおねがいします」


漣「わかりました。5時間程ですかね、それまで秘書官の代わりに鳳翔さんをお呼びしますね。」


提督「うん、お願いするよ」


〜〜5時間程経過〜〜


鳳翔「提督、あと少しでこの書類の山は終わりますから頑張りましょう」


提督「は、はい…」プルプル


鳳翔(提督のおみ足かプルプルして…癒されますね、やっぱり)


提督「ふぅ…鳳翔さん、これで一通り終わりましたか?」


鳳翔「はい。お疲れ様です、提督。汚れちゃった前足、お掃除させて頂きますね」


提督「ありがとう、鳳翔さん」


鳳翔「いえ。それでは楽にしてください」


提督「うん」


この時提督は、決まって私達にもたれかかるように座ってくれます。


内太ももからお腹の辺りにかけて、提督の温もりを感じながらの幸せな時間です。


時よりお腹を撫でるとくすぐったいかのように体をバタバタさせて、この仕草に何度も心を撃ち抜かれました。


鳳翔「それでは、失礼しますね」


提督「う、うん…」


そんな事よりも幸せな時間、それが、提督の汚れた足を拭き取るこの時間です。


軽く湿らしたタオルで提督の前足を拭くのですが…


提督「ん、んん…」ピクピク


提督は、決まって両耳をピクピク動かして…ちょっとイタズラしたくなります


そんな時は


鳳翔「ん…提督、肉球の隙間をお掃除しますね」


といって、ワザと肉球の隙間を念入りに掃除します。


その時の提督は、「ん…あぁ…ダメ、くすぐったい…」と、耳をピクピクさせるんですから…ますます苛めたくなっちゃいます。でも…


漣「ご主人様〜」トントン


漣さんが建造を終えて帰ってきました。


ささやかな幸せの時間はこれで終わりです。


提督「はい、どうぞ」


漣さん?…何か忘れてるような…


漣「新入りみたいよ、さぁ、二人とも、入って入って」


新しい子がこの鎮守府にやってきました。…え?


島風「駆逐艦島風です。スピードなら誰にも負けません!速きこと島風の如し、です!」


1人目は島風ちゃんという駆逐艦の子でした。


もう1人は…



加賀「航空母艦、加賀です。あなたが私の提督なの?それなりに期待して…鳳翔さん?」


加賀さんが着任してくれました。


ですが様子が少しおかしいですね。私の顔に何かついてるのでしょうか


島風「あ〜、鳳翔さんもお揃いだ〜」


お揃い?おそろい…服装は違いますし、私は軽空母ですし、何がお揃い…あ。


恐る恐る頭に手を乗せる


加賀「鳳翔さんも、そういう趣味が…」


鳳翔「え、えっと…///」


うさみみをすっかり忘れてました。


〜〜〜


加賀「そうですか。つまり提督と会話するにはそのうさみみが必要だと…」


鳳翔「はい。み、みんな付けてたので私もつけてるだけでべ、別に私の趣味じゃないですから」


加賀「…そういう事にしておきましょう。それで、その…この鎮守府の提督は…あのウサギという事なのですか?」


鳳翔「はい。その…そうです、そうなりますね」


その提督はと言うと、島風のおもちゃにされていた。


加賀「そ、その…提督と話をしてみたいので…ソレ、貸してもらえますか///」ソッポムク


鳳翔「え?…はい、どうぞ」うさみみを外す。


うさみみ鳳翔さんが鳳翔さんにランクダウンした


加賀「…これでいいのね」


加賀さんがうさみみ加賀さんにランクアップした。


加賀「提督、聞こえますか?」


提督「加賀さんですか、と、とりあえず助けてください」


加賀「え、ええ…島風、提督を離してもらえるかしら?」


島風「え、提督さん⁉︎どこ、どこにいるの⁉︎」


加賀「その…今持ち上げてる」


島風「え?…このうさぎさん?」


加賀「みたい…ですよね、漣?」


漣「はい。そうですよ。本当はもう少しご主人様の悲鳴を楽しもうと思っていたのですが…残念です」むーっ


加賀「…大丈夫ですか、提督?」


提督「はい…少し目が回ってしまいましたが」


島風「加賀さーん、誰と話してるのー?」


加賀「島風には聞こえないのですか?」


島風「えー、なんのことー?」


漣「あ…やっぱりダメでしたね。私の貸してあげますから、そのリボン外してください。」


島風「うん、いいよー」


漣「それじゃあこれをどうぞ」


漣と島風がそれぞれのうさみみを交換する


島風「これで提督とお話しできるの?」


提督「はい、そうですよ。」


島風「おぅっ‼︎え、提督、ほんとうにうさぎさんだったの⁉︎」


提督「えぇ。」


島風「そ、その…ごめんなさい、さっきあんなに提督で遊んじゃって」


提督「確かに少し目が回りましたが、問題ありませんよ。」


島風「本当に?」


提督「えぇ。それよりせっかくですしこの鎮守府を三人で回りましょう。」


加賀「あの、執務の方は大丈夫なのですか?」


提督「えぇ、加賀さん、鳳翔さんにこうお伝えください。あとの執務は全て漣にまかせます、と。終わったら間宮さんの所に集合しましょう。加賀さん、お願いできますか?」


加賀「はい、分かりました。鳳翔さん、ちょっといいかしら」


鳳翔「はい、提督さん、何か仰ってましつか?」


加賀「これから出かけるので執務は漣に任せると」


漣「え?」


加賀「あとですね…すこし失礼します」


膝を屈め、鳳翔さんの耳元で呟く


加賀「終わったら間宮で集合だそうです。」


鳳翔「本当ですか‼︎ってすみません、つい嬉しくって」


加賀「いえ。それでは監視のお仕事を頑張ってくださいね」


鳳翔「はい。漣さん、始めますよ」


漣「わー…オシゴトウレシイナー」


提督「それでは行きましょうか。」


島風「提督、だっこさせてー」


提督「え?…構いませんよ」


島風「わーい、やったー‼︎えへへ、やっぱりモフモフして気持ちい‼︎」


提督「ならよかったです。それじゃあ改めて行きましょうか」


〜〜〜


島風「あっま〜い‼︎」特性提督パフェを食べながら


加賀「えぇ、なかなか美味ですね。流石間宮さんです。」特性提督パフェを(ry


提督「…ちょっと悲しいです」


間宮「すみません、提督。でも、提督の事を考えいたらいてもたってもいられなくて…ぽっ」うさみみ付けながら


提督「間宮さん、ちょっと重いかなぁ」


間宮「冗談ですよ、新しく来た子に提督と親しんで欲しくて鳳翔さんと考えました。どうやら好評みたいでしたしね」


加賀「えぇ。提督さん、実に美味でしたよ」


島風「提督おいし〜‼︎」


提督「二人とも、その言い方は危ないですから…」


漣「あ、お二人ともなに食べてるんですか⁉︎」


提督「漣、お疲れ様です」


漣「それにご主人も、なにも言ってくれないし、私がどれだけ頑張ったと…」


島風「え?漣ちゃん聞こえなかったの?」


漣「え?なんの事ですか?」島風リボン装着しながら


島風「今漣ちゃんにお疲れ様って」


漣「え?でもちゃんとうさみみつけて…」


島風リボンを手に取る




もう一度付け直す


漣「駆逐艦漣です。スピードなら誰にも負けません。早きこと、漣の如し、です!」


鳳翔「漣さん…」


島風「ぜんぜんにてなーい」


漣「くっ…」


間宮「漣さん…いま、ご用意してきますので、その…ごめんなさいっ!」

厨房に駆ける


その瞳にはキラキラと輝く涙が


加賀「…漣」


漣「…ほっといてください」ぷいっ


提督「漣さん」


漣「ご主人さま、今の漣には何も聞こえませんよーだ」


提督「いいですよ、ここに居たいだけですから」


漣「…ふーんだ、別に感謝なんてしないですからね」ナデナデ


提督「それでいいんです。」


加賀「…とても優しい方なんですね、見た目によらず」


鳳翔「ええ。とても信頼できるお方です。」


間宮「提督パフェ、お2つ完成しました。」


鳳翔「漣さん、頂きましょう」


漣「…うん」


〜〜〜


島風、加賀着任してしばらくして


漣「ご主人さま、ついに、出来ました‼︎」


提督「本当ですか⁉︎よかった、これで…」


あれからと言うもの、うさみみの数には限りがあり、その争いは日に日に激しくなっていった。


〜〜


島風「きょーうーはーわーたーしーなーのー‼︎」


漣「何言ってるんですか、ご主人様の秘書官として、これは必要なーんーでーすー‼︎」


島風「ぐぬぬ」


漣「ぐぬぬ」


加賀「…頭に来ました。ここは譲りません」


島風・漣「「あっ⁉︎」」


加賀「やりました」


鳳翔「加賀さんったら…間宮さん、今日も貸していただけますか?」


間宮「はい。提督のお声が聞こえなくなるのは寂しいですが…」


鳳翔「ありがとう、今度美味しいお料理を教えますので。」


間宮「楽しみにしてますよ」


鳳翔「ねぇ、二人とも…」


島風「なに、鳳翔さん、今忙しいんだけど」


漣「そうです。邪魔を…しない…鳳翔さん、その手のものは⁉︎」


鳳翔「はい。お二人にお貸しします。もうケンカはいけませんからね」


二人「はーい」


鳳翔「はぁ、もう少し数があれはいいのですが」


漣「あ…」


〜〜


漣「やっとみんな仲良くご主人様とお話しできます。」


提督「大本営ってなんなんだろう…」


大本営から大量のうさみみが届いた。


漣「へー、ご主人さま、大体50は入ってるらしいですよ」


提督「そんなに使い切れるかな…というより50個にしては箱大きすぎない?」


漣「はい。大きいと言いますか中身もかなり…人1人や二人くらいは入れそう?」


提督「そんな、まさかですよね…漣、早く開けてください‼︎」


漣「はい、ご主人さま‼︎」


提督「あぁ、何もなければ良いですが…」


漣「よし…島風ちゃん直伝」


ダンボールに向かって距離をとる


そのまま助走をつけ…


漣「超絶のぉぉぉ、ファーストブリットーー‼︎」


ダンボールに向かって飛び蹴りをする


しかし、ガッ、と言う音と漣が足を痛める結果だけが残った


漣「ーーーーっ!硬った‼︎なんですかこれ⁉︎」


提督「大丈夫ですか⁉︎それにしても頑丈な…ん?」


モゾモゾとダンボール箱が動いている


提督「さ、漣、は、箱が動いて…」


漣「ご主人さま、何をいっ…え?」


ダンボールが激しく前後に揺れ、こちらに倒れてきた。


そしてその中から小柄な少女二人が…


???「いたた…大丈夫?」


???「私は大丈夫っぽい…でも着いたのかな?」


漣「…艦娘?」


???「あー、漣ちゃんだ‼︎」


???「ちゃんとうさみみもしてるし…ついに到着したみたいだね。夕立」


夕立「もぅ、だから言ったでしょ、これが一番速いっぽいって」


提督「えっと、この子たちはたし… 夕立「あ〜、ウサギさんだ〜、可愛いっぽい」…漣、助けて」パタパタ



漣「えっと…少々お待ちくださいね、ご主人さま」


少女説明中


漣「つまり、えっと…この鎮守府に来る為に忍び込んだ、と」


夕立「そうだよ〜、ね、時雨」提督カカエナガラ


時雨「あぁ。お陰で提督にバレずにここまで来ることが出来た。」


夕立「それに、こんなにうさみみを頼む提督さんってどんな人なんだろうな〜って気になったし。うちの提督もいいけどこっちの提督も面白そう。」ナデナデしながら


時雨「そうだね。ところで、この鎮守府の提督は何処へ?もしかして会議にでも出ているのかい?」


漣「その…ですね、お二人共、特に夕立は落ち着いて聞いてくださいね」


夕立「ぽい?どうしたの、漣?」


漣「その…そちらにおられるうさぎがご主人様。つまるところ…うちの提督です。」


夕立「…え?」


時雨「ゆ、ゆううううだち、お、おおおおちつこう、いまならまだ雷撃処分で私たちの無礼は終わるから⁉︎」ガクブル


夕立「ら、雷撃処分⁉︎て、提督さん、ごめんなさいっ⁉︎夕立、し、知らなくて、でも、し、処分するなら私だけ、時雨は関係ないから」ナミダメ


提督「ふ、二人ともおちついて‼︎」


漣「そ、そうですよ、提督さんもこう言ってるし」


時雨「あぁ、もうだめだ…僕が雷撃処分を…」


夕立「だめっぽい、私が雷撃処分を…」


漣「二人とも、いいから落ち着きなさいっ‼︎」


時雨夕立「はいっ‼︎「ぽいっ‼︎」」


漣「あーもう、いいからこれ付けて」


夕立「これって…うさみみっぽい?」


時雨「うん…分かったけど…」


提督「さて…聞こえるかな?」


夕立「うわっ⁉︎喋ったっぽい⁉︎」


時雨「ほんとだ…この人が提督…」


提督「こんにちわ。」


〜〜〜


夕立「そっか…雷撃処分しないっぽい?」


時雨「そうなんだ…」はぁ


提督「(ため息?)その…どこの鎮守府から来たの?」


夕立「柴ワン鎮守府だよ〜」


漣「許せませんね、ご主人様」


提督「え?えっと…」


漣「さっそく皆んなに話してきます。演習の準備をおねがいしますね、失礼します‼︎」


提督「漣⁉︎待って‼︎あぁ…いってしまった」


夕立「提督、どうしたの?」


提督「いえ…まぁ丁度いい機会ですかね」


〜〜〜


漣「というわけです。」


加賀「そんな理由で雷撃処分を、しかも自分から言ってくるなんて、二人はそこまで追い詰められていたのね」


島風「許せないかも」


漣「さっきご主人様に頼んで演習を組み込んでもらいました。」


加賀「漣、感謝します。…腕がなりますね」


漣「あとは出来る限り練度を上げるだけ…」


一方


提督「やっぱり、そういうことだよね」


夕立「うん、あなたもうちの提督さんと同じ様にしてくれると思ったんだけどな〜」


提督「ダメですよ。皆んなが私みたいな事を言うわけではないのですから。」


時雨「そうだね。僕たちも悪かったと思ってる。皆んなに話してくるね」


提督「それなんだけど、もう少し待ってくれないかな」


時雨「え?どうして?」


提督「ここの子たちが、頑張ろうとしてるから、提督として応援してあげようかなって」


時雨「構わないよね、夕立」


夕立「大丈夫だよ〜」


提督「ありがとう。今から演習が楽しみだ」


〜数日後〜


漣「ご主人様、準備は出来ましたよ」


提督「漣、その…怖いけど…」


漣「ご主人様、大丈夫ですよ。すぐに終わりますから」


提督「か、加賀さん、どうしよ…加賀さん?」


加賀「問題ないわ。」ゴゴゴゴゴ…


提督「し、しまかz」


島風「目標をセンターに入れ…提督さん、どうかしましたか?」ニコッ


提督「な、なんでもないよ…」


鳳翔「提督さん、今日の秘書官は私なので、向こうの鎮守府までは私が責任を持ってお連れしますね」


提督「えぇ。お願いします」


夕立「ここの提督さん、なんだか大変そうだね」


時雨「きっと…僕達のせいだと思うんだけどな…まぁおかげでこれがもらえたんだけどね」うさみみ


夕立「時雨、ちょー似合ってるっぽい」


時雨「夕立こそ」


提督「夕立、時雨、行きますよ」


夕立「はーい。」


〜〜〜


鳳翔「あの、提督さん」コソコソ


提督「鳳翔さん。その…後ろの皆さんの事ですよね」


鳳翔「はい…先日、食堂でお仕事をしている時に皆さんが集まってて…それからあの様に…」


提督「実は…」


提督説明中


鳳翔「なる程。それは…仕方無いですね」


提督「ですが、丁度いい機会ですから、皆さんに鍛錬をして貰おうと…思っていたらその、予想以上に…というより少し怖いですし」


鳳翔「仕方無いですよ、提督は皆さんの事を思っていたのですから」


提督「鳳翔さん…ありがとう。元気でました」


鳳翔「ふふ、お役に立てたのなら嬉しいです。提督、そろそろ到着しますよ」


提督「ありがとう。ここからは気を引き締めて行くよ」


鳳翔「はい。お任せください。」


〜〜〜


夕立「ついたっぽい〜」


提督「へぇ…ここは大本営からの荷物の中継地点なんですか」


時雨「うん。そうだよ。この辺は、付近の鎮守府の丁度真ん中辺りにあるからね、もしここがやられると一大事だよ」


提督「つまり相当な実力者が揃ってるってことかな?」


時雨「そうだね。僕たちもあと少しで二回目の改装だし…っと、憲兵さーん」


正面警備をしている駐屯兵がこちらに気づく


駐屯兵「これは時雨さんに夕立さん。それに…本日演習に来られた皆様ですね。あの…提督殿はどちらにおられるのですか?」


鳳翔「あの…こちらに」


駐屯兵「え?…その、鳳翔どの、そのカチューシャはお似合いですし、そちらのペットも可愛らしいですが…もしかして貴官等の提督も…」


鳳翔「お似合いだなんて///」


駐屯兵「いえ、その…すみません、つい口に出てしまいました///」


鳳翔「え、ついって///」ウツムク


駐屯兵「あ、その…///」ウツムク


提督「鳳翔さん?」


鳳翔「あ、すみません、提督。憲兵さん、こちらが私たちの鎮守府の提督です。」


駐屯兵「やっぱり…申し訳ありません、先程は失礼な発言を‼︎」ケイレイッ!


提督「いえ、お気になさらず…って聞こえませんよね、鳳翔さん、通訳をお願いします。」


鳳翔「はい。申し訳ありません、憲兵さん。ご覧の通りこちらの提督は一般の方との意思の疎通が難しいので、私が通訳として仲介させていただきます。」


駐屯兵「了解しました。提督殿はなんと申しておりましたか。」ピシッ


鳳翔「はい、楽にしてくださいと、それと提督は上下関係にあまり厳しくありませんので、もう少し方の力を抜いてください。」


駐屯兵「お気遣いありがとうございます。」


提督「本日は新任提督としてご挨拶と、艦隊の練度向上のための演習を取り決めて頂いたのでこちらまで来させて頂きました。」


鳳翔「本日は先日連絡させて頂きました通り、着任の挨拶と、練度向上の演習をさせて頂くために参りました。」


駐屯兵「はい、分かりました。…その、私個人の疑問と言いますか、後ろにおられるお三方はどうされたのですか?」


加賀、漣、島風「…」


鳳翔「あ、えっと…お気になさらないで下さい。」


駐屯兵「あはは…それではお連れしますね。」


夕立「それじゃあ私たちもこれで… 駐屯兵「お二人にも提督さんからお話があるそうですよ」…ぽい〜」


駐屯兵「それでは行きましょうか。こちらの鎮守府は敷地が広いですので、車で移動します。ついてきてください。」


〜移動中〜


鳳翔「憲兵さんはいつもあそこでお仕事を?」提督抱えながら


駐屯兵「いえ。実は勤務場所は四箇所ありまして、一週間置きに持ち場を交代するようになっているんですよ」


鳳翔「へ?どうしてですか?」


駐屯兵「実は私、提督見習いとしてこの鎮守府に派遣されてまして、現場の事を理解するにはこうするのが一番速いとここの提督に言われまして」


鳳翔「あら、そうだったんですか。ではここが終わったら他の鎮守府に栄転されるのですか?」


駐屯兵「栄転なんてそんな、でも、あなたみたいな方が居てくれたら安心しますね、なんて、これじゃあなんだか告白みたいですね」


鳳翔「そ、そうですよ///」


他の乗員(居辛い(っぽい)…)


駐屯兵「あ、そろそろ到着しますよ。」


提督「鳳翔さん、こちらの提督について伺いたい事があるのですが」


鳳翔「はい。…憲兵さん、提督から質問があるそうで、大丈夫ですか?」


駐屯兵「はい。何でしょうか?」


提督「ここの鎮守府には遊具がたくさん有りますが、これは艦娘の為に用意されたものなんですか?」


鳳翔「そういえば…こちらにある遊具は艦娘の皆様が使う為のものなのですか?」


駐屯兵「基本的にはそうですね。でも、憲兵達も使いますよ、身体能力を鍛える為に、この巨大な遊具を駆け抜けたりもしますし」


鳳翔「これですか…大きいですね」

※巨大滑り台のついた巨大アスレチックを想像して下さい


駐屯兵「また今度来られた時にお見せしますよ」


鳳翔「それは楽しみです。」


駐屯兵「期待してくださいね…っと、皆様、着きました。」


夕立「やっとついたー」


時雨「それがここの特徴だからね」


提督「一提督として羨ましいです。ん…誰か待ってくれてますね。」


鳳翔「本当ですね、憲兵さん、あちらの方は?」


駐屯兵「はい、これからの説明はあちらの方にお願いします。可愛らしいですけどこの鎮守府の主力なんですよ」


時雨「そうだね…なんて言われるのかな、私たち」


夕立「多分大丈夫っぽい?」


みんなで車を降りる


???「ようこそ、柴ワン鎮守府へ…ってあれ〜、夕立に時雨じゃんか〜、しれぇ〜、夕立と時雨が帰ってきたよ〜」


夕立「え、提督さん来てるっぽい⁉︎」


時雨「夕立…諦めよう」


???「それじゃあしれぇ、雷撃はっじめ〜」


その掛け声とともに何かが夕立と時雨に襲いかかる‼︎


夕立「きゃ、ちょっと、やめ、くすぐったいから、やめるっぽい〜」


時雨「て、提督、はやく…」モゾモゾ


漣「…へ?」


加賀「…漣、どういうこと」


漣「と言われましても…」


島風「…カワイイ」


鳳翔「あれは…」


夕立「あはは、くすぐったいっぽい‼︎や、やめて〜」


夕立の顔をペロペロと舐める…柴犬?


夕立「提督、ごめんなさい〜、もうしないから〜」


柴犬?「ワンッ、ワンワンッ‼︎」


時津風「しれぇ?うん、わかったー、次は時雨だって〜」


時雨「え、えっと…困るな…」


時津風「しれぇ、いっちゃえー」


柴犬?「ワンっ‼︎」


時雨「や、ちょ、提督⁉︎くすぐったいよ‼︎」


時津風「よーし、それじゃあ他の人は付いてきて〜」


加賀「…では、行きましょう」


提督「はい。そうですね」


〜〜〜


加賀「さて…漣」


漣「…はい。」


加賀「何かありますか?」


漣「えっと…その…」


鳳翔「ねぇ、加賀さん」


加賀「…なにかしら?」


鳳翔「漣ちゃんはあの二人を思って私たちを動かしてくれたんですよ」


加賀「あ、えっと…」


島風「加賀さんこっわーい」


加賀「な…」


提督「ふたりとも、加賀さんが困ってますよ。それに鳳翔さん、イジワルしないであげてください。」


鳳翔「あら、なんの事でしょう」


加賀「わ、私は…別に怒ってなんか…」


漣「え?」


加賀「その…尊敬しました。」


漣「へ?」


加賀「…先日は感情のままに頷きましたが、改めて考えてみると、私たちみたいな鎮守府がこれほど大きな鎮守府に挑むなんて、普通考えませんからね。」


漣「その…時雨ちゃんと夕立ちゃんが心配で、いてもたってもいられなくて…」


加賀「…その純粋な気持ちが羨ましいです。」漣の頭を優しく撫でる


漣「あ、えっと…くすぐったいです///」


加賀「いいじゃない、これくらい」


漣「あぅぅ…」


加賀「それより、提督」


提督「ん、何かな?」


加賀「このこと、知ってたんですか?」


提督「まぁね。本当の意味だったら危ないし、一応聞いてみたけど」


加賀「はぁ…まぁ、いいですが」


そんな会話をしていると、扉から二度、ノックの音が聞こえる


???「失礼します。」


扉が開けられる


???「お待たせしました。ここからは時津風に代わり、私、不知火がご案内します。」


不知火という女の子が入ってきた。


時津風の代わり、という事は、この鎮守府の娘だろう


不知火「演習の準備ができました。」


鳳翔「あら…もうそんな時間ですか?」


不知火「ええ。…あれ、ウサギ?」


鳳翔「ええ、こちらは…」


不知火「やっと見つけた…すみません、実は飼育小屋から一羽逃げ出してて」


提督を抱きかかえる


不知火「すぐ戻ってまいりますので少々お待ちを…失礼します」


不知火が出て行く


漣「…あれ?」


〜〜〜


不知火「…」


提督「…」モゾモゾ


不知火「動かないでください…もぅ、ダメだよ、みんな心配してたんだから…」


時津風「しらぬい〜、みんなは〜?」


不知火「と、時津風⁉︎…すみません、抜け出したこの子を捕まえたので」


時津風「あれ…その子…しらぬい〜、どうしてしれぇといるの?」


不知火「はい?」


時津風「そだよー、今日の演習相手の」


不知火「…」


提督「…」コクコク


不知火「…時津風、他の皆様をお連れしてください。私は先に提督をお連れします。」


時津風「おーけぃ、それじゃあ先に行っててね」


不知火「…スミマセン」ボソッ


提督「…」ブンブン


不知火「お気遣い感謝します。少し予定は変わりましたが、お連れします。」


そういうと、不知火はくるりと綺麗なターンをして別の方へ向かった


不知火「一応、一応お願いなのですが、先程の事は誰にも言わないでくださいね、私にも一応面目というものがありますし、勘違いとはいえ、提督殿をうさぎと間違えた上、勝手に連れ回したり…ですが、あなたもあなたですよ、あの子に似た姿をして私を油断させるなんて」


提督(あれ、なんで僕が悪いみたいな言い方に…)


不知火「不知火に落ち度はありません。ありませんが、誤解が生まれませんよう、この事は他言無用でおねがいします。絶対、絶対ですよ…それでは今度こそ…」


???「あ、やっとみっけたー、おーい、ぬいっち〜」


後ろの方から声がする


不知火「この呼び方…やめて下さいと言ったはずですよ、鈴谷さん」


振り返ると、綺麗な翡翠色の髪を持つ少女がいた。どうやらバスケットを持っているらしい、布の掛かったカゴを手に下げている


鈴谷「えー、別にいいっしょ、それよりさ、これ、なんだと思う」


不知火「なんでも良いですよ、今は仕事中ですからね」


鈴谷「ふ〜ん、そうなんだ〜、へ〜」


不知火「…すみません、もう少し時間がかかりそうです」


鈴谷「お、やっと諦めてくれ…あれ、ぬいっち、逃げ出したうさちゃん…じゃないよね」


不知火「ええ。こちらは別の方ですから。それよりどうして…もしかして」


鈴谷「いや〜、ちょっと頑張ればこのくらいね…ほら」

バスケットにかけられた布を外すと中から大きなうさぎと、数匹の小さな子うさぎが


鈴谷「散歩してたら茂みのなかで見つけてさ…そっちの仕事、やっとくからこっちの事、任せていい?」


不知火「…鈴谷、感謝します。」


不知火の方を見てみると、必死に涙をこらえているようだった。


鈴谷「ほらほら、泣かない泣かない。ほら、カゴもって、そっちの子を貸して」


不知火「は、はい…」


籠と入れ替わる様に鈴谷の手に


鈴谷「わかってると思うけど、今は警戒心強いから、無理に手を出したらダメだよ」


不知火「わ、わかってます‼︎別に少しくらいならとか思っていませんから」


鈴谷「はいはい、分かってる分かってる。」


不知火「それでは、失礼します。」

うさぎのはいった籠を抱きかかえ早歩きで歩いて行った。


提督(はぁ…また迷子になるのか)


そう思っていたのだが…


鈴谷「ごめんね、あっちの提督さん。あの子が迷惑かけちゃって」


どうやら僕が誰なのか分かるらしい


鈴谷「いやー、話盗み聞きしちゃってさ、だからわかったんだよね〜、まぁ歩きながらでいっか、ちょっと独り言に付き合ってよ」


そういうと鈴谷は歩き出した。


鈴谷「知ってると思うけど、ぬいっちって、あんな感じで、動物が結構好きなんだよね〜、なんていうかな、姉妹に迷惑かけたくないからかもしれないんだけどね、全部抱え込んじゃってさ。だからさっきみたいに、動物にいろいろ相談してたりするんだよね〜。それに、お世話するのも好きだから、必然手当にお世話係になったゃうんだけど…ちょっと前にさっきの子が抜け出してからあんまり元気なくってさ〜…でもさっき、久々にぬいっちの元気な声が聞けて安心した。ありがとね。」


鈴谷は、満面の笑みでそう教えてくれた


鈴谷「それにしても、本当世界は残酷だよね〜…まぁ、覚悟しといてね」


なんの事だろうと思っているとある部屋の前へついた。


鈴谷「こっから、演習専用の施設になるから、一応いっとくけど写真とかNGだから、それじゃあ行こっか」


そう言って鈴谷が部屋を開ける


部屋の中にはこの鎮守府の提督がいた。


鈴谷「てーとくー、連れてきたよー」


柴犬?「わん!」


鈴谷「ん…ちょっとまってて、提督。えっと…たしかこの辺に…あったあった」


どこからともなくイヌ耳を取り出した


鈴谷「そうちゃくーっと、てーとくー、なになに」


柴犬?「わん、わんわん」


鈴谷「ふーん…えっとねー、今日はわざわざお越しいただいてありがとうございます。」


柴犬?「わんわんわん」


鈴谷「へ?…まぁいいや、本気で行くらしいから、頑張ってね〜、うさぎのてーとく」


提督(…本気、か。まぁいい経験になるか)


〜一方〜


時津風「みんな〜、ついたよ〜」

時津風につれて来られた場所、それは…


漣「これ…ボートレースの会場じゃないですか」


時津風「そだよ〜、どう〜、狭いでしょー」


加賀「まさかとは思いますが、ここで演習を行う、なんて言いませんよね」


時津風「そのまさか、なんだよね〜。普段は滅多に使わないけど、ここで演習するって決まった時はいっつもここ使うんだよね〜、元々は新人育成の練習場所の一環だったんだけどね〜」

そう言って会場を案内し始める


時津風「ここは見ての通り客席だよ〜、私たちはあそこから抜錨するんだ〜」

と言ってボートの発着エリアを指差す


時津風「いや〜、狭い狭い、まったく、こんな所で満足に戦えないったらありゃしないよ」


鳳翔「あの、少しよろしいでしょうか?」


時津風「ん〜、なに〜?言っとくけど、しょうもない質問なら答えないからね〜」くるっとこちらを向く


鳳翔「その…どうしてこんな所で、いや、こんな所と言うのも失礼なのですが」


時津風「あー…実は…その昔、夜戦がしたくてたまらないニンジャがいたんだけどね〜、あまりに出撃させてくれないから、夜ここで遊ぶようになったの。まー、そこから夜遊びする人の数が増えてきてさー、鬼ごっことかしだすわけさ。んで、ある時、ある駆逐艦を見て言い出したのさ。『ん〜、手榴弾は投げたらいけないしな〜…あ、そうじゃん』

そこから水風船が流行りだして〜、投げつけられて怒った挙句艤装を展開するバカが出てきてさ〜…いつの間にか、演習するのは当たり前の場所になっちゃったんだよね〜、ほんと笑えないよ」


島風「うわぁ…」


時津風「そんなわけで〜、ここは演習場になったわけさ。ボートレース自体は滅多にやらないかな〜、さてと」

時津風が振り返る


時津風「空母のお二人さ〜ん、何か言いたいこと、あるよね?」


鳳翔「そうですね…」


加賀「ええ。いくら私達の体のサイズが人と同じといえ、ここは艦載機の発着には些か狭すぎるのでは?」


時津風「ん〜、まぁ、そうだよね〜、でもさ」

声色が変わる


時津風「…これくらい出来ないと、あなた達、何も守れないよ」


四人「っ‼︎」

刹那、時津風がその一言を放った瞬間、何かが変わるのを肌で感じた。


時津風「あそこ、あなた達の提督がいるの、見える?」

時津風が指をさす方向、そこには一面ガラス張りのVIP席が設けられていた。


時津風「あなた達の提督さん、ここから数十メートルも無いところにいるよね。この距離ってさ、ここの端から端までと大体一緒なんだよね。もしさ、たった今、あそこに不審者が入って来たらあなた達は自分たちの提督を守れるの?」

そこまで言い切ると、時津風の雰囲気が元に戻る


時津風「まぁ〜、そんな訳で〜、お二人さんは、我慢してね〜」


加賀「は、はい‼︎」


時津風「んじゃこっちのメンバー呼ぶから、ここで待ってて〜」


そう言い残して時津風は行く


加賀「…彼女は本当に駆逐艦なのでしょうか」


鳳翔「私達とは乗り越えてきた戦場の数が圧倒的に違う、それだけですよ」


島風「何も守れない…」


漣「島風ちゃん、加賀さん、鳳翔さん…一緒に頑張ろうね」


〜再び戻って〜


柴犬「わんっ、わんわん‼︎」


提督(あれ…もしかして、話出来ない?)


そう思っていると再び扉が開いた。


時津風「しれぇ、連れてったよ〜」


柴犬?「わんわんっ」


時津風「ふーん…そだね、準備するよー」


そう言うと、奥から何かを持ってきた。どうやらマイクみたいだ


時津風「これで指示を出してーって、どうせ私達は聞き取れないし。それじゃあ私いくねー」

そう言って再び出て行く。


なんとも忙しい子だ。


そんなことより集中しないと


〜〜〜


時津風「おっまたせ〜」


時津風が何人かの艦娘を連れてやってくる


時津風「んじゃ、改めて自己紹介しよーかなー。陽炎型十番艦、時津風だよー。一応秘書官やってまーす。んじゃーつぎー」


不知火「陽炎型二番艦、不知火です。先程は失礼しました。…さて、つぎの方、と言ってもご存知でしょうが」


夕立「ちょっとー、そんな言い方無いっpoi〜‼︎」


時雨「夕立…はぁ、白露型駆逐艦二番艦時雨」


夕立「同じく四番艦、夕立だよ〜。よろしくね〜」


鈴谷「っと、私の番か、最上型重巡洋艦、鈴谷だよ〜。っても、今は航空巡洋艦だけどね〜。テキトーによろしく〜」


鹿島「もぅ、みんな、不知火ちゃんを見習ってよ…私は香取型練習巡洋艦二番艦の鹿島です。みんな、よろしくね」


時津風「こっちの相手はこの6人だよ〜」


漣「6人…いや、たとえ相手の方が人数が多いとしても、頑張らないと」


時津風「大丈夫大丈夫、そんなことだろうと思ってそっちのチームには助っ人用意しておいたから。」


島風「え、誰々?」


時津風「そろそろくるはずだよ〜っと、噂をすれば」


???「すみません、遅くなりました。」


四人が振り返るとそこには、とても大きな艤装を背負う二人の乙女の姿が


大和「大和型戦艦一番艦、大和。装備の準備の為遅れました。」


武蔵「同じく二番艦の武蔵だ。大和がどうしてもというのでな…すまない」


加賀「な…この二人が我々の手助けを」


時津風「そうだよー。まぁ人数足りない時は基本この二人が入ってくれてるからね〜、いっつも面白い戦い方見せてくれるから飽きもこないんだよね〜」


鳳翔「大和さん、武蔵さん。本日はよろしくお願いしますね。」


大和「はい。こちらこそ。今日こそあの6人に勝ちたいですからね」


武蔵「そうだな…今日こそ…」


漣「超弩級戦艦の二人にここまで言わせるなんて…」


時津風「まぁそんなわけで、10分くらいしたら始めるからさ、準備しててね〜」


そう言い残して6人は艤装を展開し、コース内に入る


漣「…みんな、せっかくご主人様が用意してくれたチャンス、無駄にしないようにね。大和さん、武蔵さんも、お願いします。」


武蔵「当然だ。やるからには勝つ。それを目標に頑張ろう」


漣「はい。それでは少しですが作戦会議でもしましょう。」


〜〜〜


後書き

戦艦大和、武蔵はどの様に戦うのか。また、時津風率いる柴ワン鎮守府の実力は如何に…
そんな訳で出したい艦娘がいたら募集します。
よろしければドシドシコメント欄にお書き込みください。(出来るとは言ってない)


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駄犬さんから
2016-02-06 12:15:29

matuさんから
2016-02-06 02:31:36

よっこーさんから
2016-02-06 00:44:06

SS好きの名無しさんから
2016-02-05 14:55:49

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駄犬さんから
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matuさんから
2016-02-06 02:31:37

よっこーさんから
2016-02-06 00:44:07

このSSへのコメント

23件コメントされています

1: よっこー 2016-02-06 00:44:03 ID: gl_LJe4a

うさみみ艦娘の鎮守府…楽園かな?←

2: みっけ 2016-02-06 01:22:45 ID: yk-m6gZ4

Yes!Yes!Yes!

よっこー様、コメントありがとうございます。

この楽園を頑張って築き上げます‼︎

3: matu 2016-02-06 02:33:49 ID: VptloYYL

ウサギが提督だと

ウサミミつけたい艦娘を募集したらどうですかー

更新がんば

4: みっけ 2016-02-06 09:34:37 ID: lqJ9fI9b

matu様、コメントありがとうございます。

艦娘募集かぁ〜

せっかくですし、そういう形をとってみようと思いますね

5: 駄犬 2016-02-06 12:15:16 ID: aqiZiaZ8

うさみみ……GJです!
ライバル鎮守府に犬提督とかいそうですね……w

6: よっこー 2016-02-06 13:06:28 ID: gl_LJe4a

ここの提督…可愛いな…(ハッ!

今思ったんだが島風にうさみみつけたらリボン+ウサ耳でゲシュタルト崩壊しそう
リボン外すのかね?いや…それって島風なのか…(困惑

7: みっけ 2016-02-06 13:30:35 ID: lqJ9fI9b

ライバルは犬か…ほかに猫鎮守府や猫鎮守府。
いや…珍獣府か
面白そうですね
駄犬様、アイデアありがとうございます。

島風にうさみみ…考えてなかった⁉︎
…あれですよ、うさみみの次はバニースーツでも
でもぜかましにバニースーツってありなのか?

よっこー様、その答えはそのうち出るかもしれません、ってかきっと出します。
少々かかりますが、楽しみにお待ちください。

8: matu 2016-02-07 11:01:26 ID: 2FEJdCtP

ゆうしぐでもいいかな?

↑リクエストぽい?

更新がんば

9: みっけ 2016-02-07 14:14:16 ID: qcdsHSLF

matu様、リクエストありがとうございます。

了解しました。

頑張ってみます。

10: よっこー 2016-02-08 11:37:39 ID: IE5YfJ4l

そのうち島風の常時リボンが常時うさ耳になりそうだな…(ゲス顔

注文か…頑張れよ(決して注文がたまる恐ろしさは苦ではないけど

11: みっけ 2016-02-08 12:55:26 ID: HYIwN3Tz

常時うさみみ…

ヤバイ、そんな気がして仕方ない


よっこー様の苦労はまぁ…

あれ程凄くならないように頑張りますね

12: matu 2016-02-09 13:26:38 ID: 3D4VSMp2

ゆうしぐのうさみみ姿・・・想像しただけでやばい

13: matu 2016-02-09 16:03:46 ID: 3D4VSMp2

え ダンボールの中から夕立が出てきた だと

14: matu 2016-02-09 16:04:20 ID: 3D4VSMp2

え ダンボールの中からゆうしぐが出てきた だと

その箱ください

15: みっけ 2016-02-09 18:35:05 ID: MbuIm_Yo

残念ながらですね、この箱(?)を買う(飼う)には…

matu様、連投ありがとうございます。

続きはもう少しお待ちください

16: SS好きの名無しさん 2016-02-09 21:18:24 ID: oKNyY_Nq

面白いです!!の一言に限る!お堅い不知火さんをお願いしたく思う。

17: みっけ 2016-02-09 23:40:56 ID: PMymzkKF

お堅い不知火…
わざわざお堅いと付けるあたりなにかこだわりを感じる…

16>さん、了解しました。
提督業で多少忙しくなり、更新が遅くなるかもしれませんが、頑張って更新させて頂きます。

18: みっけ 2016-02-10 15:54:00 ID: 7w3tzzz7

うーちゃんにバレンタインイラストキター‼︎

うーちゃん、きっと出してあげるから…もう少しまっててね(涙)

19: 覇竜 2016-03-07 22:17:04 ID: eumrOeVU

面白いです。
鈴谷お願いします

20: みっけ 2016-03-11 14:27:14 ID: 2Fl0M-_k

覇竜さん、コメント有難うございます。
鈴谷ですね、了解です。
ただ、亀更新なんで、気長にお待ちください。

21: よっこー 2016-03-18 03:10:49 ID: jjmo1DSb

やっぱぬいぬい可愛いな…動物には心簡単に開いてくれそう…

そうか、俺は可愛い動物になって艦これの世界に転生すればいいんd!!←

…そんな強欲じゃなくてもせめて憲兵に…ry

22: みっけ 2016-03-18 18:45:39 ID: SItF6e7G

よっこー様、いつもありがとうございます。

ぬいぬいのリクエスト受けてから、ぬいぬいについて調べた結果こうなってしまった…お堅いぬいぬいとは一体…

私は憲兵や動物よりも蒼龍の九九艦爆になりたいですね〜

一体どこからハミ出てるのやら…

23: よっこー 2016-03-22 10:22:04 ID: kBhZfaWK

…!鈴谷とぬいぬいの百合…!(おっとR18ネタが


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