やはり俺のクリスマスはまちがいではない。
クリスマスと言えばリア充どもが一年で最も騒がしくなる日だ。俺はもちろん小町と過ごすつもりだったのだが……
12月。12月と言えばそうクリスマスだ。本来の意味でとらえるならキリストを祝う儀式である。しかし今の現状をキリストが見たらどう思うだろうか。クリスマスが近いからという理由で彼氏彼女を作り神聖な夜にギャーギャー騒ぐだけになっている。キリストから見てもただ単にうるさいだけだろう。そんなキリストに変わって俺が一言ここに述べよう。
神聖な夜に騒ぐものたちよ爆発しろ。
そんなことを考えていたせいか由比ヶ浜が
由比ヶ浜「ちょっとヒッキー?大丈夫?急に目が濁り始めたけど!?」
雪ノ下「それは大変ね。今すぐ眼科にでも行ってきたらどうかしら?」
比企谷「うるせぇな。この状態がいつもの目だよ。」
今は放課後。この前テストも終わり授業も四時間しかなくなり無駄に長い時間を俺はいつも通りこの部室で過ごしている。
まぁ家に帰ってもやることないし遊ぶ友達もいないしな。そう俺は一匹狼なのだ。狼はカッコいいから俺もカッコいいということになる。
でも絶滅しちゃたんだよな…
ということは俺も滅危惧種なるので世の中の人は俺に優しくするべきだと思いました。
由比ヶ浜「あっそうだ。ねぇゆきのん。クリスマスって空いてる?」
雪ノ下「そうね。今のところはないわね。」
由比ヶ浜「やった!じゃあどこか遊びにいこうよ!」 ヒシッ
雪ノ下「暑いから離れてくれないかしら?」
もう俺帰っていいかなぁ?スゴい百合百合だよ~。そのうち本当に百合百合なルートに二人が入って行きそうで怖い。
由比ヶ浜「もちろんヒッキーも一緒にね!」
誘われてたのかよ。意外だな。いや由比ヶ浜はそういうやつだった。いつでも優しいやつだ。だがしかし
比企谷「フッ、残念だったな。俺はその日小町と家でクリスマスパーティーだ。」
由比ヶ浜「うわ~。でたシスコン。」
雪ノ下「シスガヤくん。急速に目が濁っていってるわよ」
比企谷「うっせ。まぁ、小町も一応受験生だしな。クリスマスぐらいは料理してやろうと思ってな」
由比ヶ浜「そっか、それじゃ仕方ないかな」
比企谷「それじゃ俺もう帰るわ。」
由比ヶ浜「あ、うんバイバイ」
雪ノ下「ええ、また明日」
比企谷「ただいま」
小町「お兄ちゃんお帰り~」
小町「先にご飯食べる?それともお風呂?」
こんなに気遣いできる女子はいないな。きっといい嫁さんになるのだろう。まぁ、俺と親父が許さんけどな!
比企谷「腹減って死にそうだから先メシで」
小町「ハイハイ、了解です」
やはり家は落ち着く。外は寒いし大人になって働くようになったら今より帰りが遅く寒くなるだろう。そう考えると暖かい家で仕事をする専業主夫がいいと思いました。
そうしているうちにいい匂いが漂ってきた。
小町「はい、お兄ちゃん小町特製愛情たっぷりご飯でーす。今の小町的にポイント高い!」
比企谷「ハイハイ、世界一可愛いよ」
小町「適当だな~。あっそうだ。お兄ちゃん」
比企谷「何だ?」
小町「クリスマスパーティーのことなんだけど家じゃなくて外に行かない?」
比企谷「えー、寒いからやだよ」
小町「お兄ちゃんには決定権はありません。どうせならパーっとカラオケなんかに行こうよ」
比企谷「はー。わかったよ」
小町「ありがとうお兄ちゃん!」
比企谷「そんじゃ、予約とかしないとな。」
小町「じゃあそういうことで。小町は一旦勉強に戻ります。」
比企谷「おう。頑張れよ」
外に出るのは嫌だが何より可愛い妹の頼みだ。それに一応小町も受験生だし時には息抜きも必要だろう。
~クリスマス当日~
いよいよクリスマスだ。可愛い妹とパーティーができるということだけでこの数日は頑張れた。
いや、さすがに気持ち悪いな。
時間ではそろそろ小町が来るはずだが
小町「お兄ちゃ~ん!」
お、いたいた俺のマイ エンジェル
小町「あれ?お兄ちゃんしかいないの?」
比企谷「何だよ。当たり前だろ。」
小町「先行っちゃってるのかな~?」
小町「まぁいっか、じゃお兄ちゃんレッツゴー!」
~カラオケ店内~
由比ヶ浜「あ、いたいた。小町ちゃん。 こっちこっち!」
小町「結衣さんお久しぶりです~。」
比企谷「おい。何でこいつらいるんだよ」
小町「えっ、だって小町が呼んだんだよ」
雪ノ下「あなたが小町さんと一緒に居たら何をしでかすかわからないもの」
比企谷「俺を何だと思ってるんだよ。」
雪ノ下「そうね。特殊性癖の持ち主かしら」ニコッ
いやそんないい笑顔で言われても嬉しくないから。むしろいい笑顔の分きつい。
小町「雪乃さんもお久しぶりです~。
じゃあ早速しましょうか。クリスマスパーティー!」
比企谷「んで、何すんの?」
小町「はぁ~。わかってないな~」
小町ちゃん?その人をバカにする態度はやめましょう。
お兄ちゃん傷つくからね?
小町「カラオケ来たらもちろん歌うに決まってるでしょ!」
比企谷「前にもやったよなカラオケ」
雪ノ下「ええ、由比ヶ浜さんの誕生日にね」
由比ヶ浜「二人とも覚えてくれてたんだ…」
雪ノ下「あ、当たり前でしょう。そのと、友達なのだから」///
由比ヶ浜「ゆきのん!」ダキッ
雪ノ下「由比ヶ浜さん。暑いわ」
何度も思うけどこれ俺いる意味ある?
~数時間後~
由比ヶ浜「いや~。たくさん歌ったね!」
雪ノ下「喉がおかしくなると思ったわ」ゲッソリ
小町「まぁ、楽しかったらよかったじゃないですか」
雪ノ下「まぁ、否定はしないわ」
由比ヶ浜「前も思ったけどヒッキーって歌うまいよね~」
比企谷「当たり前だ。何せ毎晩風呂で歌ってるからな」
由比ヶ浜「へ、へぇ~。そうなんだ」
雪ノ下「あなたには恥じらいがないの?」
小町「その歌がご近所に聞こえていて、スゴい恥ずかしいんですよ…」
あれー?みんなは風呂で歌ったりしないの?風呂っていい感じに音が反響するから歌っていて気持ちいいんだよな。
小町「小町は少し寄るところがあるのでお先です。」
由比ヶ浜「うん!今日は誘ってくれてありがとうね!」
雪ノ下「また今度遊びましょう。気をつけて。」
雪ノ下「私はこっちだからここで失礼するわ」
由比ヶ浜「わかった!じゃあねゆきのん!」
比企谷「おう。お疲れ」
由比ヶ浜「ねぇ。ヒッキー。今日楽しかったね。」
比企谷「まぁまぁだな」
由比ヶ浜「そんなこと言って本当は楽しかったくせに。」
由比ヶ浜「ヒッキーはあの夏祭りの帰りのこと覚えてる?」
比企谷「陽乃さんにあったやつか」
由比ヶ浜「うん。あの帰り道でヒッキーが送ってくれたでしょ?そのときに言えなかったことを言おうと、思って」
そういった由比ヶ浜の顔は暑い訳でもないのに赤くなっていた。
由比ヶ浜「あ、あのね。ヒッキー。あたしね。」
由比ヶ浜「ヒッキーのことが好きです」
比企谷「あれか罰ゲームか」
由比ヶ浜「そんなわけないし!」
そんなプンスカ怒んなくてもいいじゃねぇかよ。
俺は由比ヶ浜が下らない嘘をつかないことを知っている。だがいくらその言葉が真実だとしても俺は信じることができない。何か裏があるんじゃないのか?そう思ってしまう。
だが今度は少しは信じてはいいんじゃないかと思い始めてる。
比企谷「俺はお前のその言葉を信じることができない。」
由比ヶ浜「ヒッキー…」
比企谷「でも少しは信じてもいいんじゃないかと思っている。」
比企谷「こんなめんどくさい俺だがもしよかったら付き合ってくれ」
由比ヶ浜「…喜んで!」
こうして俺と由比ヶ浜は付き合い始めた。何せお互いに誰かと付き合うということは始めてなので手を繋いだだけでお互い顔が真っ赤になる。
一応雪ノ下に報告したら
雪ノ下『私の大切な友達を泣かせたら後悔させるわよ』ニコッ
と恐ろしいお言葉をいただいた。
まぁ、結局あんだけ敵視していたリア充どもの仲間入りをはたしたが相変わらず俺はぼっちのままだ。
でも俺の青春も案外棄てたもんじゃない
最後にやはり俺のクリスマスはまちがいではない。
終
いかがだったでしょうか?
楽しんでいただけたら幸いです。
次回は時間があったら氷菓×俺ガイルを書いてみたいと思います。
最後までありがとうございました!
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