2016-06-03 22:01:55 更新

概要

青葉色の光の中、目覚めた一人の艦娘。
少し違和感を感じながらも、繰り返して行く夢の世界。手を伸ばしても消える儚い彼と現実。

手の向こうにあるとの。それは、旅の目的地──


前書き

物凄く感動系が書きたかったので、勢いで書きました。反省はしていない。後悔はしている!


[chapter: ワレアオバ ]


カーテンの隙間から、若葉のように弱々しい光が注ぎ込む。その光は、カーテンの臼緑に染まり、青葉色となる。



どうやら朝のようだ。んんー…少し伸びをし、二段ベッドのはしごをおりる。



下で眠る可愛い妹は、うつ伏せに寝いて顔が見えない。可愛い寝顔を拝むのが、毎朝の楽しみで、折角カメラまで構えたのに残念だ…



カメラをしまいながら、「少し悪戯してやろっかなー?」なんて考えたが、あとが怖いので寸線で止めた。


カチャ バタン


静かにドアを開け、私は外に出る。



まだ起床時間じゃないためか、普段賑わう廊下には誰もいない。



たまにはこんな廊下も良いのかもしれない。廊下を独り占めしたみたいで、思わずスキップをした。



ツルッ ドスッ!


…いたた…くっ、艦娘なのに転けてしまった…



<…っ!?…誰…ですか…?



やばい、誰か起こしてしまったようだ…辺りを見渡すが隠れられるような場所はない。



タッタッタッタッ夕ッ夕ッ ガチャ



っ…とりあえず壁に貼り付いた…機会を伺って逃げないと…



「…誰も…いない?そうだよね………アハハ…幻聴か…かなり来てるのかな…?」


あ…古鷹さん…そういえばここは古鷹さんたちの部屋…


「…何で…の?ひど………ばの…か…」クルッ


あっ、やばっ!?


「…」サッ


え?


ガチャ バタン


古鷹さんは、こちらを見たのに、気にせず扉の向こうへ消えた。少なからず視界に入っていた筈なのに…?


…あれ?何で隠れたんだろう?


別に見つかったら、軽く謝ってそれで済むはずだ。それなのに何故…



…分からない…自分で自分が解らない。



少し考え耽っていた。が、答えは見つからない。諦めて考えるのをやめ、私は歩き出した。




さ…食堂に着いた。しかし灯りはついていない。いつも早起きな間宮さんと鳳翔さんがいないのは珍しい…ふふっ



--何やらスクープの予感!私、気になります!



溢れ出る探求心と記者魂!ポーチからカメラを取りだし御決まりのポーズと言葉を!


--青葉、出撃…いえ、取材しまーす!


さぁ、楽しい時間のはじまりだ!




…とはいったものの…この時間じゃ誰もいない…食堂も開いていないしどうしたものか…暗い食堂の中を見渡したが、やはり誰もいない。



仕方なく、部屋で時間を潰すことにした。部屋に戻ろうと振り向いたその時。


ガチャ カチッ


急に視界が眩んだ。どうやら灯りがついたようだ。何度か瞬きをし、やっと視界がはっきりとする。あはっ、



--ターゲット発見です♪とっつげーき!



静かに…大胆に…私は入り口で下を向いているあの人に近づく。


そろーり…そろーり…



--しれーいかん!青葉の取材を受けてください!






「…」スタスタ


…え?…あ…れ?…ちょっと…!司令官はこちらには見向きもせず、いつも二人で食事をしていた席に向かって、ふらふらと歩き出した。


「…」ピタッ


ほっ、やっと止まってくれた…急いで司令官の元に駆け寄る。


「…」ポロポロ



あ… れ?



司令官の瞳から、ダイヤモンドみたいに輝く光が落ちていた。


司令官の瞳から、輝いていた光が堕ちた。





司令官の瞳には、青葉はいますか?





--っ!?…はっ…はっ…


呼吸が乱れる。今私は何を考えていた?


おかしい…おかしい。何かがおかしい。



「……どこだよ?…戻ってこいよ…キーーン」



耳鳴りがするっ…頭が…痛む…



「…隠れるなよ…俺の前に…いてくれよ…あキーーン」



やめて…何も言わないで!耳鳴りがひどくなる。司令官が何を言っているのか、気になる。でも、痛い。頭も、心も。




「そうか…本当に…俺はお前を殺したんだな…愛していたのに…」



キイィィィィィィン



「…なぁ?青葉」







耳鳴りが止まった。


私の心臓の音は聞こえない。


体は動かない。


頭は痛い。


視界は眩む。


time up


頭の中に、そんな言葉を見た。







気が付いたら、そこは部屋の二段ベッドの上だった。


光に当てられ青葉色に染まる天井。見慣れた天井が、視界に広がっていた。



何だ…夢か。



ほっとする。あんなひどい夢、もうごめんだ。


カーテンから漏れる光を、カーテンを閉め遮る。


私は少し怠い体を起こし、顔だけ、下に覗かせた。


可愛い妹は、顔をうつ伏せにして眠っていた。


私は特別気にもせずそのままはしごを


下りた。

外へ出た。

誰もいない。

転んだ。

隠れた。

古鷹さんがきた。

考えた。

歩いた。

着いた。

始めた。

来た。

いた。

見た。

痛い。

痛い。



消えた。






逃げるな。


思い出せ。


あの日。


私は。




--眩しい。


体を起こさず呟こうとした。いや、呟いたつもりだった。



でも、私の喉から声は出ていなかった。



頭が痛い。体も怠い。


夢を見る度に気持ちが悪くなる。




…くだらないことを考えた。


あれは本当に夢なのか、なんて考えた。


…逃げるな。思い出せ。あの日。私は。


この言葉が頭から離れない。


私の声だった。


ベッドの下を覗く。


やはりうつ伏せに寝ていた。


気にはした。でも、だからと言って何も変えなかった。



やはり結果は同じなんだね。



逃げるな。


思い出せ。


あの日。


私は。


何をした。


何をされた。


次、何を───






…また向かえた。青葉色の光が視界を眩ます。



頭が痛い。体が怠い。寒気がする。目眩がする。視界がぼやける。



これが最後だ──



自然とそう思えた。…そう思うしかなかった。



ぎゅっと握りしめた手を開き、青葉色の光に翳す。


私の手は、目一杯青葉色に染まる。



その光を放さないように、閉じ込めるように。


再び握りしめ心に当てる。



私が次…すべきことは…











「待てぇぇぇえ!?青葉ぁ!」シュパー



待てっていわれて待つ馬鹿はいませんよー


心の中であかんべーをしながら私は走った。



確実に島風ちゃんより速かったね。


今度はダブルピースです!



「ちっくしょぉ…逃げられた」


天龍さんは、私を逃したことに舌打ちをし、どしどしと可愛い歩き方をして戻っていきました。


私がすぐ後ろにいると気付かずに♪



「むふふ、後ろにも目をつけないとですね~♪」



龍田「それは貴方も言えないわねぇ♪」



「あば!?…た、たたた龍田さん…べ、別に天龍さんのコスプレ写真とか」



龍田「…撮ったのねぇ…自白よ…」ヤレヤレ



しまった…とっさに口を覆い、ミドリムシ程の舌打ちをする。



龍田さんは手強い。天龍さんへの愛が大きすぎる。


少し、許してもらう策を考えたがどれも彼女には通用しないだろう…こうなったら仕方がない。


唇を噛み締め私は一番効果的で嫌な方法を使うことにした。



大切なカメラを取りだし、あの台詞を!



「最高の一枚でどうでs「のるわぁ」キラキラ



血の涙を(恐らく)流しながら、データの確認をする。


この中での最高の一枚は、木曾さん改二の衣装を着てポーズをとっているのか…ウエディングドレスですかねー。



改めて見てみると、双方とも凄く手が凝っていて、まるで本物のようだ。


後書き

評価が良かったらおまけ足しますね


このSSへの評価

2件評価されています


SS好きの名無しさんから
2016-06-04 08:24:38

マツさんから
2016-06-03 22:06:23

このSSへの応援

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マツさんから
2016-06-03 22:06:24

このSSへのコメント

2件コメントされています

1: マツ 2016-06-03 22:08:14 ID: ZrTepK_D

のんさん

お疲れさま

最初は青葉がいない感じだったけど
最後の方は居る感じだね

新作を楽しみしてるよ❗

2: のんび~り 2016-06-04 20:16:37 ID: ZZ4UnOy7

ありがとうです!

さぁ、彼女はどうなっているのでしょうね?

ちなみに題名はワレアオバです。ここ重要です?


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