2017-05-30 00:23:16 更新

概要

いろは×八幡のいちゃラブSSです。
おまけに性的描写があります


前書き

一色厨になりました。
キャラのこれじゃない感が多いかもしれません。


本編

いつもの部室の時間。

俺が暖かな日差しが差し込む部室の窓を眺めていると怪訝に思ったのか雪ノ下が話しかけてきた。

「汚物谷くん、なにニヤニヤして窓の外を見ているの。あなたに見られたらすべてのものが腐ってしまうでしょ?少しは考えたら?」

訂正。貶してきたが正しい。

「いや・・・。春だなと思ってな」

「冬が終わったら春が来るものよ。そんなこともわからなくなってしまったのかしら?」

「そうかもな」

春になって多少は落ち着きを見せたのか、最近になっては部室に来ることがなくなったある後輩のことを考えていた。

「比企谷くん、あなた最近おかしいわよ?ぼーっとしていることも多くなったし、何より目が腐っているわ」

「目のことは言わなくてもいいんじゃないんですかねぇ・・・」

「それにしても、由比ヶ浜さん遅いわね」

俺はその雪ノ下の独りごちた言葉には耳を貸さず、またあの後輩のことを考え始めた。

ぺらり、ぺらりと雪ノ下の本をめくる音が聞こえる。

その音は小鳥が囀るかのように静かで、部室に俺と雪ノ下以外、誰一人としていないことを想像させるのは容易かった。

「比企谷くん」

「ん?」

「今日はもう終わりにしましょうか」

「そうか」

「ええ、だからさっさと出て行って欲しいのだけれど」

「断る。だいたい部室は部員が自由に使える空間だ、俺だって部員だし残りたいときだってある」

「・・・そう。久しぶりね、あなたがそんな風に私に意見を言うなんて」

雪ノ下は頭痛でもするかのごとくこめかみに手を当てると、やれやれといったように肩を大げさにすくめて見せた。

「鍵はちゃんと返しておいてね」

「わかった」

「じゃあ、また明日ね」

そう言うと、雪ノ下は艶めく黒髪を揺らしながら部屋をあとにした。

「一色・・・」

ぽつりと漏れた言葉に呼応するかのように、部室の扉がどんどんと、二回たたかれた。

俺が何かを言う前に扉をたたいた主はずんずんと、俺の前まで来た。

「久しぶりですねー。先輩」

「一色・・・」

「返事返しに来ました」

一色の返事―。それは約三ヶ月前にさかのぼる。


*三ヶ月前*

「先輩ー。頼まれごとしてください」

放課後、俺がマッ缶を買っていると一色が話しかけてきた。

「忙しいから無理だ」

「先輩に忙しい時なんてあるんですか?」

「ある、むしろいつも忙しいまである」

「へー、とりあえず生徒会室行きましょうか」

「一色さん人の話聞いてた?」

「聞いてましたよ?」

なにを言っても無駄なようだ。

「ところで、最近はどうだ?」

「なにそれ口説いているんですか?近況を聞いて私の行動を監視するつもりですか、ごめんなさいキモいです無理です」

この後輩は俺のことを性犯罪者かなんかだと思ってるの?

八幡心が痛い。

一色は俺の顔を見てはてな、と首を可愛らしく、もといあざとく傾げて見せた。

最近少し伸びてきた亜麻色の髪が軽く揺れ仄かにシャンプーの芳香が香った。

軽くドキリとするが、自分に自分で錯覚だと言い聞かせる。

「せんぱーい早く行きましょー」

気がついたら1メートルほど先に進んでいた一色に呼ばれる。

頭をわしゃわしゃと掻きながら生徒会室への道を歩み始めた。


生徒会室に着くと一色は目の前の段ボール箱を指さしこういった。

「これを職員室まで運んでください」

「ったく、ほかの生徒会メンバーに手伝ってもらえよ・・・副会長とか」

そう言うと一色はおもむろに窓の外の生徒を指さした。

「副会長は書記ちゃんといちゃいちゃしてるんですよねー、呼び出したら怒りますよー」

私なら怒ります、と一色はつぶやいた。

俺はばつが悪くなり段ボールを持ち上げ、一色を促した。

「黄昏れてないで早く行くぞ」

「黄昏れてないですよー、もう・・・」

そう言いつつ一色は一回り小さい段ボールを持ち上げると、器用に扉を足で開けた。

「じゃあ、行きましょうか」

トテトテと歩く一色は守ってあげたい母性本能を擽る、。

流石いろはすあざとい。

だが、小さい割に箱が重いのか、時々地面において休憩している。

「一色、それ貸せ」

「ふぇ?」

そう言うと一色が持っていた箱を持ち上げると想像していたよりも重く、一瞬前に倒れそうになる。

「先輩の持ってたやつは私が持ちますねー」

そう言うと一色は俺が地面に置いていた箱をひょいと持ち上げた。

「先輩のやつめっちゃ軽いじゃないですかー、ずるいです」

ぶーたれている一色を横目にまた、職員室への道を進み始める。

箱が軽くなって足取りも軽快な一色が後ろから追いかけてきて、俺の下から顔をのぞき込ませた。

「先輩はこんな風なことはドキドキしますか?」

「そういうあざといことにドキドキするのは女性慣れしてない男子だけだ」

そう言うと、一色はニヤニヤと笑みを浮かべた。

その笑みは可愛らしいが、その中に黒い何かを孕んでいる気がした。

「先輩は女性慣れしてるんですか?男友達すらいないのに?」

「あくまで一般論の話だよ・・・。プロのぼっちは例外が多いんだよ」

「じゃあ、プロのぼっち(笑)の先輩に聞きますけど先輩はドキドキしますか?」

「(笑)ってなんだよ・・・」

「さあ?で、どうなんですか?」

「多少は・・・」

「ふーん」

全くこの対応である。質問に答えたのに酷い。

「先輩ストップです」

そう言うと一色は首で俺の目線を前に促せた。

「おや、比企谷に一色なにしているんだ?」

「平塚先生に頼まれていた書類を職員室に運んでいるんですよ?」

忘れましたか、と一色。

「それは、明日運んでもらう予定だっただろ?」

「あれ、そうでしたっけ」

「まあ、しっかり仕事をしているだけ偉いな、だが箱は明日の定例会で運ぶ予定だから、悪いが生徒会室に戻しておいてくれないか?」

今職員室に置く場所がないんだ、と平塚先生は付け加えた。

「ごめんなさい先輩、生徒会室に戻すのも手伝ってもらえますか?」

「ああ」

一色に促されて来た道を戻った。

「先輩、その辺においといてくださいー」

「はいよー」

そう言って一色が箱を置いた近くに俺も箱を置こうとする。

しかし、足下にあった箱に俺は躓いた。

しまったと考えるまもなく、前にいた一色を巻き込みつつ倒れてしまう。

「・・・・・・・・!?」

柔らかなナニかが俺の唇に触れていた。

恐る恐る目を開けてみると一色の瞳が目の前にあった。

その瞳は潤んでいて、少し涙がででいた。

一色とキスをしてしまった―。

その事実が頭の中を駆け巡った。

その事実しか駆け巡らなかったが正しいだろうか。

俺はすぐさま一色の上から飛び退いた。

「一色っ・・・すまん」

「せん・・・ぱい・・・私たち今なにしました・・・?」

答えるべきか迷いながら俺はその事実を口にした。

「・・・キスした」

一色はそれを聞いたとたん俯き、先輩とキスと何度もつぶやいた。

「先輩・・・手伝ってもらって悪いんですけど、ちょっと外で待っててもらっていいですか?」

「あ、あぁ・・・」

俺は生徒会室の外に出て扉を閉めた。

その扉にもたれかかり、俺は自らの唇に手を当てた。

「・・・柔らかったな」

暫くすると扉がトントンと叩かれた。

「先輩、いますか?」

「ああ」

「・・・入ってきてください」

扉を開け、生徒会室に一歩踏み込む。

足を踏み入れたと同時に一色が俺のことを抱きしめた。

「一色!?」

「・・・少しこのままにさせてください」

そういう一色の声は震えていて、先ほどまで泣いていたように思えた。

俺はなすがままに一色に抱きつかれていた。

一分程した頃だろうか、一色はぽつりと言葉を漏らした。

「・・・せん・・・ぱい・・・責任とって・・・ください」

「あぁ」

「私・・・初めて・・・だったんですからね・・・」

「そうだったのか・・・悪かった」

その日はそうして、終わりを告げた。


次の日―。

俺がいつも通り学校に行き、教室に入ったとたんに由比ヶ浜が声をかけてきた。

「ヒッキー、いろはちゃん泣かしたってホント?」

「何でお前がそのこと知ってんだよ・・・」

由比ヶ浜はぎこちない表情を浮かべ、耳打ちをしてきた。

「いろはちゃんから聞いたの、ヒッキーに責任とってもらうって言ってた」

「そうか・・・」

「ヒッキー、私馬鹿だからよくわかんないけど、何かしたならちゃんと責任とらなきゃいけない、と思う」

「ああ・・・わかってるよ」

そうこうしてるうちにHRが始まり、由比ヶ浜は席に戻っていった。

「責任か・・・」

四限目が終わって昼休みになった。

外は曇っていて、今にでも雨が降り出しそうだった。

「せんぱーい、ちょっと付き合ってください」

一色が俺の席の隣で目線を送り続けていた。

「付き合うってどこへ・・・」

「ララポートです」

そう言うと一色は俺の手を握り、引っ張り始めた。

「あ、いろはちゃん!ヒッキーの手を握ってなにしてるの・・・?」

「あぁ、先輩にはこれから私とデートしてもらうので」

「えっ、それってどういう」

「ほら、先輩早く行きますよ」

由比ヶ浜と一色の話を横目に寝ようとしていたら、俺に話題が移ってキョドってしまう。

「え、いや、でも」

「先輩は責任もとれないんですか?」

それを言われると弱い。

「わかった、じゃあ行くか一色」

「・・・ダメです」

「は?」

「名前で呼んでくれなきゃダメです」

一色は少し恥ずかしそうにしながらそういった。

「ちょっと、待ってくれ・・・」

「先輩?せ・き・に・ん」

一色の笑顔がとても怖かった。

「わ、わかったよ・・・い、いろは」

「じゃあ、行きましょうか」

いろはは俺の手を握りながら歩き始めた。

廊下ですれ違う人が皆、俺といろはを注視している。

確かにいろはは、生徒会長をしているしとても目立つ容姿をしているからな。

「な、なぁ、一色」

「先輩、名前」

「いろは、手を繋ぐのはどうなんだ・・・」

「何でですかいいじゃないですか」

まず、先輩に拒否権ないですけどねー、といろはは言う。

確かにそうかもしれない。

いろはが許してくれるまでは、従った方が良さそうだった。

そうこうしてるうちに正門前までついた。

「じゃあ、先輩行きますよ」

そう言うといろはは、いきなり走り始めた。

「せんぱーい、早くしてくださいよー」

俺たちはそそくさとララポートまで逃げ切った。

別に何かから逃げているわけじゃないけどな。


「先輩、プリクラ撮りましょ!プリクラ!」

そう言われ、プリクラのおいてある方へ向かう。

平日の昼間だからだろうか人は少なく、待つことなくプリクラマシーンに入った。

流石にそういうことに慣れているのか、一色は背景などを手際よく決めていく。

「じゃあ、先輩撮りますよー」

そういうと、いろははなんだか訳のわからないポーズを決めて見せた。

「いっし・・・いろは、そのポーズなんだ?」

「え、逆に先輩は何で突っ立てるんですか?プリクラですよ」

「あ、ああ」

俺は渋々いろはのポーズを真似していろはの隣に立つ。

「先輩、そのポーズ似合ってますね?」

「何で疑問系なんだよ・・・」

何でですかねーといろはは笑う。

「さ、先輩次が最後ですよ」

そう言っていろはは、俺の頬に唇を触れさせた。

「なっ・・・」

パシャ―。

「また、しちゃいましたね・・・?キス」

照れのせいだろうか顔が熱くなっていく。

そんな俺を尻目にいろははそそくさとマシーンの外に出た。

「せんぱーい、早く落書きしましょー」

そんないろはの声は少しばかり弾んでいて嬉しそうな気がする。

俺は外に出つつこう言った。

「いろは、この後まだ時間あるか?」

「なんですか先輩、もしかして私のこと口説いてます?そうだとしたらごめんなさい、私好きな人いるんです」

「いや、ないならいいんだ・・・」

「ごめんなさい、噓です、調子乗りました」

俺は、いろはの頭をぽんぽんと軽く叩く。

「ふぇ?」

「噓をつくならそれ相応の覚悟が必要だ。その噓で幸せになることもあれば、不幸になることだってある」

「・・・ごめんなさい先輩」

気まずい空気の中、俺たちはプリクラコーナーを後にした。


「ねえ、先輩」

プリクラコーナーを後にしてから、次にいろはが話しかけてきたのは、晩飯のために入ったサイゼだった。

「なんだ?」

「最後の責任取ってください」

俺はこれで最後かと思いつつ、いろはに先を促す視線を送った。

「後で言いますね、それよりも早く食べちゃいましょう」

「そうだな」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

静かにミラノ風ドリアを食べるいろははあざとさなどなく、単純に可愛く思えた。

「・・・どうしたんですか先輩、そんな風に見つめて」

素のいろはは可愛く、その姿を見れたことに何か特別なものを感じる。

「別に何でもねぇよ」

「あ、そうだ先輩!今日先輩のおごりですよね?」

「まぁ、今日は楽しかったし払ってやらんこともない」

「もー、素直に俺に払わせろ位言ってくださいよー、こんな可愛い後輩にお金を使えるんですよ?」

「はいはい可愛い可愛い」

「もう・・・」

「もう出るか?」

「そうですね・・・帰りますかぁ」

今日は楽しかったですよ、といろはは笑っていった。

「先輩、最後の責任です」

「ああ」

「私を名前呼びしないでください」

いろははそれだけ言うと足早に立ち去ろうとした。

「お、おい」

いろはは、汚物を見るような目で俺のことを見つめる。

先輩に用はないと語っているかのようだった。

俺はいろはの腕を握り帰すまいとした。

「ちょっと待ってくれ」

「せん・・・ぱい・・・?」

「勘違いでもいい。むしろ今の今まで勘違いだったらと願っていた。だけど、もう抑えきれない。お前が好きだいろは」

俺はそこで一呼吸置き、言葉を続けた。

「だから・・・だから俺と付き合って欲しいんだ」

「先輩・・・」

「返事はいつでもいい、待ってるから」

「・・・わかりました。今日は無理ですごめんなさい」

そう言うといろはは俺より数歩先に進んで、くるりと振り返った。

「先輩、もう名前で呼ばなくていいですよ」

次呼ぶのは私が先輩とつきあえたらにしてください。

一色は、素の笑顔で笑いかけてくれた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

一色の返事それは俺が待ちに望んだものだった。

「返事返しに来ました」

そう言うと一色は俺の前に跪いて見せた。

「一色・・・?」

「先輩、まだ私のこと好きですか?」

俯く一色の顔は見えないが声が震えている。

「この三ヶ月間、お前のことしか考えてなかった」

「そう・・・ですか」

一色の耳は真っ赤で照れているのだろう。

大きく深呼吸をした後、一色は顔を上げこう言った。

「先輩もしかして私のこと口説いてるんですか?私先輩のこと大好きです、よろしくお願いします?」

「何で疑問系なんだよ、いっし・・・いろは」

「覚えてたんですね」

「責任・・・だろ?」

いろはの手を取り抱きしめた後、俺たちはキスをした。

「私は高いですからね?覚悟してくださいよ?」

そういういろははあざとさのない、素の可愛らしい笑顔だった。


―完―


おまけ的な後日譚的なナニか

「先輩・・・んちゅ・・・っぱ・・・んぅ・・・」

いろはと付き合いだして一ヶ月ほど経った。

毎日のようにいろはに呼ばれては、生徒会室で舌を交わらせていた。

交錯する舌と舌。

柔らかな舌が俺の舌に触れ、ねっとり絡みつく。

「いろ・・・はっ・・・」

「っん・・・せんぱぃ・・・しましょうよぉ・・・私我慢でき・・・っません」

いろはの誘いは日に日に多くなり、俺もその誘惑に負けていろはと一つになりたいのは山々だ。

だけど俺はいろはとの行為にまだ踏み出せていない。

「まだだめだ・・・」

俺から唇を離したいろはは、頬を膨らませて呟いた。

「先輩のケチ・・・」

「ま、まぁいつかな・・・?」

「これだから先輩はへたれなんですよ」

いろはは、ぎゅーっと俺の胸に顔を埋めた。

「なあ、明後日の日曜日うち来ねぇか?」

「え!?」

「やっぱり急だからダメか・・・?」

「いえ!!行かせてください!!」

「そうか、ならよかった」

「でもどうして、いきなり」

「お、お前と居たいからだよ・・・」

いろはは耳まで真っ赤になりながら、少し俯いた。

それでもすぐに顔を上げるとキラキラした目で見つめた。

「先輩もう一回言ってください!もう一回」

俺は今になって恥ずかしさを感じた。

「言わねぇよ」

「もう、先輩は捻デレさんなんですからぁ」

いろはずあざとい、さすがいろはす。

「さ、先輩奉仕部行きましょ」

奉仕部―。

三年になった今、正直小町が居ないと楽しくない。

いろはと付き合ってることは二人に話しては居ないがきっとバレている。

毎日いろはと一緒に部室に行くし、何なら二人の前でいろはと名前を呼ぶ。

付き合い始めたときは由比ヶ浜も雪ノ下も驚いていたが、すぐに察したのか余計な詮索はしてこなかった。

それか、小町から伝えられてたのかもしれない。

「先輩・・・もっとキスしたいです・・・」

「部活終わるまで我慢しろ」

そういいいろはのおでこをコツンと叩いた。

いろはは、えへへと笑いながら叩かれたところを撫でている。

なにこの子怖い。ふぇぇ、いろはすこわいょぅ。

「・・・やっぱり今日帰らねぇ?」

「何でそうナチュラルに帰ろうとするんですか!」

「家が好きだから」

「はぁ・・・先輩キスしてくれたら帰ってもいいですよ?」

「よし、部活行くぞ」

「流石に傷つきますよ、私」

しょんぼりとするいろは

「・・・冗談だって」

俺はいろはを軽く抱きしめると、おでこに唇を触れさせる。

「・・・っ!先輩の馬鹿!」

「つーことで、帰るか」

「結局帰るんですか・・・」

いろははむすーとするとぷいっとした。

「あれ?ヒッキーにいろはちゃんなにしてるの?」

「・・・先輩帰るんですって―」

未だにぶーたれてるいろはが部室から顔を覗かせた由比ヶ浜に説明する。

「―それで、先輩がおでこにキスしてくれてー」

「うわーヒッキーキモいねそれ」

「ですよねー、私も嫌がったんですけどー」

「おい」

いろはのおでこをぺしぺしと叩く。

「じゃあ、帰るから」

「あ、先輩待ってください・・・」

俺はいろはを待ち手を握った。

いろはを引っ張りながら帰途につく。

「先輩!明後日楽しみですね?」

「ああ」

もう泊まっちゃいましょうか、といろはは笑う。

「それでもいいぞ?」

「え・・・マジですか」

冗談で言うつもりはないので本気と言うことにしておこう。

そうきっとこれは本気。

俺の本心だ。

「先輩のお誘いは嬉しいですけど、お断りしときます」

「そうか」

ここでいいですよ、といろはは繋いでいた手をふりほどいてたたたっと駆けていった。

「じゃあ、日曜日お家行かせてもらいますねー」

「ああ」


*日曜日*

「せんぱーーーーーーーーーーーーーーーーーーい」

俺が心地良く寝ていたら隣で爆音が聞こえてきた。

「うっせぇ・・・」

「何ですか―先輩の愛しの後輩が起こしてあげてるんですよ?少しは喜んだらどうなんですか?」

「はいはい可愛い可愛い」

「むぅ・・・小町ちゃん、先輩なんか冷たくない?」

「あー、ごみいちゃん寝起きは小町に対してもこんなんですよ?」

「シスコンの先輩でも寝起きはそうなんだ・・・」

ふふっといろはは笑った。

なんともまぁ、可愛らしい笑顔で一瞬で目が覚めた。

なんなら俺のアレまでが起きた気がする。

「とりあえず、まぁいろは。誕生日おめでとう」

「お兄ちゃん、明日一色先輩の誕生日だからって昨日遅くまで色々準備してたんですよー」

小町がニヤニヤと笑って言った。

「それは言わない約束じゃないの小町ちゃん」

「先輩が私の誕生日を・・・」

「まあバレたからにはしょうがない・・・」

俺はそう言い、近くにあった包みをいろはに渡す。

「これ、プレゼントですか・・・?」

「そうだ」

嬉しそうに包みを開けるいろは。

「先輩、これ・・・私が欲しいって言ってた財布じゃないですか!?」

「まあな?」

正直学生には高い値段だ。

だが、いろはにならあげたい。

「先輩、ありがとうございます、大好きです」

いろはは泣きながら俺を抱きしめた。

小町はいつの間にか部屋を去っていた。

「先輩・・・キスしましょ?」

「ああ、言われなくてもするつもりだ」

「んふっ・・・ちゅ・・・んぅ・・・ぱっ・・・」

「いろは・・・もっと・・・」

俺といろははお互いを求め合った。

舌は交錯し、俺の右手はいろはの胸に触れていた。

「先輩、やっとその気になってくれたんですか?」

「元々その気だったぞ?」

「そうですか、ふふ」

柔らかな胸をゆっくり揉みしだく。

「んくぅ・・・先輩ぃ・・・そこ・・・もっとぉ・・・」

「んちゅ・・・ん・・・いろは・・・」

俺は服の中に手を入れ、直接胸を触る。

「・・・あっ・・・やぁ・・・ダメで・・・それはらめ・・・」

柔らかないろはの胸は小さすぎず、大きすぎずちょうどいい具合に自己主張をしている。

「先輩・・・胸小さくてごめんなさい・・・」

「そんなことないぞ、俺はこれくらいが好きだ」

「もぅ・・・先輩好き好き大好き」

「俺もだよ」

いろはは俺の躰を撫でながらアレに触れた。

「お、おい、いろは・・・」

「するんですよね?えっち・・・」

いろはは心底恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに笑った。

「先輩、私今すごく幸せです・・・」

「俺もだよ」

「先輩がデレるなんて・・・」

いろはは信じられないものを見たかのように、俺の顔をマジマジと見た。

「本当に先輩ですか?」

「あのなぁ・・・」

「わかってますってば」

いろはは俺のモノをじっと見つめた。

「うわぁ・・・グロテスク・・・」

嫌なら見るなよとは口が裂けても言えなかった。

いろはは俺のためにがんばってくれているのだ。

「んぷっ・・・んっはぁ・・・先輩の・・・おちんぽ・・・」

いろはは俺の股間に顔を埋め、根元までしっかり咥えながら、変な顔をしている。

「れぇ・・・ひぇんぱい・・・ほひいれふ・・・」

もじもじと太ももを捻らせながら俺のを欲しがった。

俺はいろはの服を脱がせた。

しっとりとした汗がいろはの躰を妖艶に見せた。

いろはを抱きしめブラに手をかける。

「いろは・・・外すぞ?」

「恥ずかしいから、あんまり見ないでくださいね?」

「あ、あぁ」

頷いてから、いろはのブラのホックを外した。

ブラと同じ淡いピンク色の突起が見えた。

俺はなぜか恥ずかしくなりそっぽを向いた。

「先輩・・・私だけを見てください」

誰にも渡したくないんです、といろはは言う。

「んくっ・・・ぅう・・・せんぱひ・・・わらひっおかしく・・・」

「胸触っただけでこの反応・・・お前って感じやすいの?」

「先輩って前から思ってましたけどデリカシーっんちゅ・・・んぱ・・・」

いろはのショーツの中に手を入れる。

しっとり湿るいろはの秘部に指を少し入れてみる。

「んっ!んふー・・・んぁ・・・やっ・・・」

「いろは・・・んっ・・・愛してる・・・」

「先輩ください・・・」

そういういろはのショーツを脱がせ、秘部にモノをあてがう。

「ん・・・っう・・・」

「痛むか?いろは」

「はい・・・でも大丈夫です・・・うごいてくらはい・・・」

本当に大丈夫かと思いながら少し腰を動かす。

「んぐぅううぅあああぁあぁ」

「本当に大丈夫か・・・?」

涙を流すいろはに問いかける。

「・・・先輩と一つになれたことが嬉しくて・・・」

「いろは・・・」

「ねえ、先輩ちゅーしてください・・・」

「あぁ・・・んちゅ・・・んくぅ・・・」

「ぁん・・・ぁっあ・・・先輩・・・しゅごいでしゅぅ・・・」

「俺も・・・ぅあ・・・すげ・・・」

俺たちはねっとりと舌を絡ませて、抱きしめ合うような形で交わっていた。

「っあ・・・先輩の私の中でっ・・・奥で暴れてるっ・・・」

嬉しそうに言葉を漏らすいろは。

「あっ・・・あん・・・やっ・・・」

いろはの中は締め付けがよくとても気持ちいい。

「ぅあ・・・いろは、俺もうやばい・・・かも」

「わらひもっ・・・でふ・・・」

「外に・・・」

俺が外に出そうと抜こうとすると、いろはは抜かないでという顔をしてぶんぶんと顔を横に振った。

いろはの締め付けのせいで結局いろはの中で果ててしまった。

「あ、いろは・・・その、すまん」

「これで赤ちゃん出来たらどうするんですかぁ?」

「責任取るよ」

ぎゅーっと俺のことを抱きしめるいろは。

「おめでただといいですねー?」

「まだ責任とれない年齢なのでごめんなさい許してください調子乗りました」

「もう・・・先輩」

「ん?」

ありがとうございます、と言っていろはは笑う。

素で笑ういろは、とても可愛い。

「大好きです」

『本物』は簡単に見つからない。

俺が歩んできた人生で今まで見当たらなかったものだ。

今過ごしているこの日々も『本物』ではないのだろう。

だが、俺は今のこの時間を楽しんでいるし、心地良く感じている。

『本物』を見つける旅は終わらない。

だから、いろはと探すのだ。


―完―


後書き

ここまで読んでいただきありがとうございます。
後書きには多少のネタバレ要素を含みます。
まず、ゆきのんが八幡に「意見」されたことを喜ぶシーンがありますが、これといった意図はありません。
原作を読んでる方ならわかるとは思いますが、ゆきのんは八幡に対して多少なりとも好意を抱いています。
その気持ちがそういう言葉を口にさせたのかもしれませんね。

おまけというか後日談的なのを後日書かせていただきます。
ただ性的描写が含まれるので苦手な方はご遠慮ください。


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1: SS好きの名無しさん 2016-09-11 22:51:43 ID: YQTqikku

すごくお勧めです

2: SS好きの名無しさん 2016-09-15 00:09:56 ID: b31Ua7fQ

八幡はここまでチョロくない。ヒロインよりも攻略が難しいのが面白いのに。

3: SS好きの名無しさん 2017-05-31 17:10:44 ID: KiZ50_G4

良かった


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