長門「提督は一体誰を選ぶのだろうか?」
長門「毎年、必ず提督がどこかへいくのだが……」http://sstokosokuho.com/ss/read/9584の続きです。
提督「……何? 秘書艦変えて欲しい?」
金剛「そうデース!! 長門とか加賀ばかりズルいデース」
加賀「ダメよ。まだ昔ならともかく、今、仕事の効率を下げるのは良くないわ」
金剛「加賀に聞いてないデス。この鎮守府が大きくなったからこそ、もしもの時に備えて経験させておくべきネ。勿論、私も含めてネ」
提督「まぁ……確かに一理あるな。そうだな、加賀、お前を含む秘書艦経験のある者を集めてくれ」
加賀「提督ッ!!?」
金剛「やったネッ!!」
提督「おいおい、まだ決定したわけでは無いぞ。話し合ってからだ。そうだな……この書類の量だ、昼には終わるだろう。それまでに頼むぞ」
加賀「わかり……ました」ギリッ
金剛「じゃあ、提督!! 待ってるネ! 二つの意味で!!」バタン
提督「相変わらずだな、金剛は……なんだ、不満か? 加賀?」
加賀「……アナタの事だから考えがあるんだろうけど……私、信じてますからね」
提督「…………」
加賀「昼飯に行ってきます」バタン
提督「……露骨だな」
~食堂~
加賀「……て、ことで三人に集まって貰ったの」
長門「なるほど……しかし、初期艦の叢雲は分かるが、まさか那智も秘書艦だったとはな」
那智「意外か? まあ、この艦隊で最初の重巡洋艦だったからな」
叢雲「秘書艦を集めるねぇ……なんとなく予想はつくけどね」
長門「そうなのか?」
叢雲「……ここじゃあ、話すのは止めておいた方がいいみたい」
ギクッ ナニモキイテナイヨ。
加賀「取り敢えず、提督もお食事は済ましてるだろうし、行きましょうか」
キニナルヨネ、バレナイヨウニコツソリト……。
~司令室~
加賀「加賀含む、秘書艦四名連れてきました」
提督「ああ、ご苦労。何となく加賀から聞いているだろうが、金剛から秘書艦について進言があった………まあ、簡単に言ってしまえば他の者にも秘書艦をさせろとの事だ」
叢雲「それなんだけど、なんで那智と私まで? 今の秘書艦て長門と加賀の二人でしょう? 私たちまで呼ぶ必要性が感じられないんだけど?」
提督「ああ、それについては簡単だ。金剛の提案を受けることにした」
加賀「なッ!? わ、私は反対ですッ!!」
提督「何故だ? 悪くないと思うが?」
加賀「そ、それは……い、今は大事な時期です。やっと軌道に乗ったこの艦隊に支障が出てしまってはダメなのでは?」
提督「加賀の言い分は分かる」
加賀「では……」
提督「そこで、だ。お前たち四人には交代で秘書艦とは何か教えてやって欲しい」
叢雲「ああ、だから私たちも呼んだのね。二人は主力だし、不在の時の穴を埋めれるのが私たちしか居ないわけね」
提督「そうだ、これなら上手く回せれるだろう」
那智「その件は別に構わないが……本当の狙いはなんだ?」
提督「……ふっ、やはり那智は鋭いな。正直言って、今回上から送られてきたケッコンカッコカリだが……決めかねている」
長門「提督が?」
提督「私とて万能では無い。だから、今回の金剛を気に練度が達した者を秘書艦として近くに置き、見極めようと思っている……嫌なら別にいいのだが」
那智「いいや、願ってもない事だ。要は他の者を蹴落としてお前に気に入られろと言うことだな?」
提督「……ん? いや、そう言うことでは」
加賀「なるほど、提督はそんな考えを……分かりました、証明して見せましょう」
提督「おい、少し待て」
長門「よし、なら明日から取り掛かろうじゃないか。ビック7の名は伊達では無いことを見せてやる」
提督「だから……」
加賀「では、提督。練度が達した者に声を掛けておきます。ちょうど四名ぐらいでしょうし」
提督「あ、ああ」
那智「では、これで失礼する。色々と準備しなければいけないからな」バタン
加賀「流石に気分が高揚します」バタン
長門「私も失礼するとしよう」バタン
提督「…………」
叢雲「大体、分かってでしょうに」
提督「……そうだな、でも叢雲がちゃんとしていてくれたら別に問題無いか」
叢雲「…………」
提督「………叢雲?」
叢雲「首でも洗って待ってなさい」バタン
提督「叢雲まで……」
~次の日~
加賀「まさか、アナタの担当になるとは……あの姉妹の言葉を借りるのなら、まさに不幸ね」
瑞鶴「はぁ!? そんなのこっちから願い下げだっての!!」
加賀「それよりか、アナタいつの間に練度を……」
瑞鶴「フフンッ、こんなこともあろうかと頑張った甲斐があったわ。ねっ、提督」ダキツキ
提督「おっと、何してる瑞鶴」
加賀「今すぐ代わり……退きなさい。はしたないわよ」イライラ
瑞鶴「はいはい、でも私こう言ったスキンシップも大事だと思うけどなぁ~」
加賀「ッ……瑞鶴、アナタッーー」
提督「ーーそこまでだ、二人とも何しにここにいるのか忘れるな。加賀も感情的になってどうする」
加賀「す、すみません」シュン
提督「……まぁ、そういった所がお前らしいと言えば、らしいがな
加賀「ッ……////」カァァ
瑞鶴「………」チッ
提督「じゃあ、二人とも今日は頼むぞ」
~~~~~
提督「もう昼だな、二人とも食べてきたらどうだ?」
瑞鶴「やっとお昼……疲れた」
提督「そうか、最初はそんなもんだろう。少し長めの休憩を取ろう」
瑞鶴「ホントッ!? やった!!」
加賀「私はこの書類を終わらせてから行きますから」
瑞鶴「ふーん……じゃあ、提督行ってきます」
提督「ああ……加賀お茶でも淹れよう」
加賀「あっ、ありがとうございます」
提督「なに、いつもの礼だ」
加賀「……提督、瑞鶴はどうでしたか?」
提督「そうだな、中々物分かり良くていいな。初めてで疲れはしたが、明日にでもなれば直ぐになれるだろう」
加賀「……私もそう思います」
提督「……お前が瑞鶴を褒めるとは珍しい」
加賀「褒めたわけではありません……ただ、瑞鶴は何事も飲み込みが早い。私たちが教えたことを直ぐにやってのける……正直、あの才能が羨ましいです」
提督「そうか……でも、加賀、それはお前の教え方が上手いって事もあるだろう。瑞鶴も何だかんだ言ってお前の話をちゃんと聞いてたしたな」
加賀「提督……ありがとうございます。では、私も食べてきますね」
提督「ああ、加賀も長めに休んでいいからな」
加賀「そう言うわけにはいきません。別に疲れてもないので。失礼します」ガチャ
提督「……ふぅ、相変わらず真面目だな」
~食堂~
翔鶴「瑞鶴、どう? 秘書艦やってみて?」
瑞鶴「うーん、まあ、大変としか言いようがないかな? ただ……」
翔鶴「ただ?」
瑞鶴「……悔しいけど、やっぱり先輩って凄いなって思った」
翔鶴「…………」
瑞鶴「あの量の書類を捌きながら私に教えてくれて、尚且つ、提督への気配りも出来て……言動はムカつけど、やっぱり凄い人なんだって改めて感じた」
翔鶴「……そう、なら追いかける?」
瑞鶴「……ううん、追い越すに決まってるじゃん?」
翔鶴「ふふ、そうね。追い越して行かないとね」
瑞鶴「翔鶴姉、私頑張るね。じゃあ、行ってきます」
翔鶴「頑張ってね……私も頑張らなくちゃ」
~司令室~
瑞鶴「ただいま、戻りました」
提督「ん? なんだ、早かったな。もういいのか?」
加賀「まだ、全然、休んでいていいのよ? 無理してはダメよ?」
瑞鶴「ちょ、何? 先輩ちょっと気持ち悪い」
加賀「……人聞きの悪い言い方しないでくれる? 私は単に心配したから言ってるのよ」
瑞鶴「今まで、そんなこと口に……ああ、そう言うことか、提督とね……」
提督「……? なんだ、もういいか?」
瑞鶴「あ、うん。で、これから何するの?」
提督「あぁ、これからは指揮になる。既に編成してあるから準備が整え次第、出撃だ」
加賀「これよ」
瑞鶴「……未海域の調査? うわ、数字がいっぱい」
提督「測位や気温、気圧なんかも書いているが、基本的には燃料等の計算なんかだな。別に気にする必要はない」
瑞鶴「……こんな事、いつもやってるの?」
提督「そんな大したものじゃないさ、お前たちに比べたらな」
瑞鶴「(凄い人って事は分かってたけど、こうして近くで見て改めて思う……提督ってやっぱり凄いなぁ……)」
加賀「提督、どうやら準備が整ったようです」
提督「そうか、繋げてくれ」
夕立『第一艦隊旗艦夕立、準備が出来たっぽい!』
提督「今回は調査だけだ。出来る限り戦闘行為は避けるように、では幸運を祈る」
夕立『了解しました!! 頑張ります!!』
提督「どうだ? 見守る側になってみて」
瑞鶴「……うーん、まあ、心配になるけど、何となく大丈夫なんじゃないかなって思う」
提督「そうか、信頼してるな」
加賀「提督、さっさと残った仕事を終わらせましょう」
提督「そうだな……加賀、瑞鶴頼むぞ」
加賀「了解しました」
瑞鶴「了解です」
~~~~~
瑞鶴「はぁ~……終わったぁ」
提督「お疲れ様、どうだった1日秘書艦をやってみて?」
瑞鶴「大変だって事が分かった」
加賀「提督はそれ以上に大変って事も分かったかしら?」
瑞鶴「そんなこと百も承知だっての」
提督「まあ、日頃なにやっているか分かっただけでも十分成長に繋がるだろう」
瑞鶴「………提督、私って……いや、やっぱりいいや。あんまり期待して無いけど楽しみにしてるね、それじゃあ、お疲れ様でした」
提督「あ、おい、瑞鶴………行ってしまったか」
加賀「はぁ、これだから五航戦は……提督、私はやはり今回の件は反対です。アナタに負担が掛かりすぎている」
提督「そこまで負担になってないさ、普段より少し疲れがあるだけだろう」
加賀「それがッ……いえ、もう何も言いません。ただ……私はアナタを支えていける自信があります。では、これで」ガチャ
提督「……最後まで露骨にアピールしてきたな」
ええ、はい。都合により分けて書かせて頂きます。
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