2017-07-11 22:07:56 更新

概要

面白半分で秋月にお酒を飲ませてみたら・・・


「はい、秋月さん飲んで。」


村雨がグラスにワインを注ぐ。


「・・・い、いただきます。」


・・・・・・


「甘くて濃厚で・・・苦みがありますね。」


「うんうん、はいもう一杯。」


・・・・・・


「何と言うんですか・・・頭がぼ~っとしてきました。」


「ふふ・・・ワインって言うのはそういうものですよ。」


村雨がまた注ぎ・・・秋月は飲むの繰り返し・・・



・・・・・・


「う~ん・・・」


秋月は頭を抱える。


「あらあら、飲ませ過ぎたかしら・・・大丈夫ですか、秋月さん?」


村雨が声を掛けると・・・


「何で・・・何でよ。」


「? 秋月さん?」


「何で皆はそんなに贅沢なんですか!!」


秋月が叫ぶ。


「お昼はおにぎり3つあれば十分贅沢じゃないですかぁ~ 村雨さん、そう思いませんか?」


「・・・・・・」


「それを皆ときたら・・・カレーとか挙句にお肉ですって? ・・・何様のつもりですか!」


「え・・・え~っと。」


「村雨さん! 聞いてますか!」


「はい・・・聞いてます。」


「うぃ~・・・ひっく・・・」


「・・・・・・」



完全に酔ってる・・・日ごろの不満を漏らしているのね・・・



「村雨さん! どこに行くんです?」


「!? え~っと・・・ちょっと用事が・・・」


「まだ話し終わってませんよ・・・早く座って!」


「・・・はい(焦)」


「・・・ですから~何で皆はそんなに・・・」


・・・・・・

・・・



「はぁ~・・・」


秋月の話に散々つき合わされてうんざりしていた。


もっとも・・・秋月をこんな状態にしたのは村雨本人なので、責任は感じており、ここに留まっている・・・


「村雨さんは司令から指輪をもらいましたよね?」


いきなり話題を変えられて、


「・・・うん、貰ったけど・・・」


「初夜はどうしました?」


「初夜? いいえ、別に特に何も。」


「初夜は何もなかった・・・私もですよ! 普通ならやりません? 夜戦!」


「・・・・・・」



うわぁ~・・・完全に性格が真逆に・・・    ←こいつのせい



「せっかくのムードが台無しですよ! 初夜だったし私もそれなりの覚悟はしていたのに・・・」


「・・・・・・(恥)」


「司令の言った言葉は「おやすみ」ですって! 夜戦はしないんですか! ですよね?」


「ま、まぁ・・・そうですね(焦)」


「司令は本当は私たちの事を愛していないんじゃないですか?」


「・・・・・・」


「愛していたらそこは「今日は一緒に」ってなりません?」


「・・・まぁ、そうですね。」


「でしょ! それなのに司令は・・・」


「・・・・・・」



まぁ、提督は何て言うのかしら・・・奥手と言うか興味が無いと言うのか・・・



「あ~! 体が熱くなってきました! 秋月! 今から服! 脱ぎます!」


「!? ちょ、ちょっと待って! 秋月さん!」


「何ですか! 私は脱ぐと言っているんです! 邪魔しないでください!」


「そうじゃなくて! ここは食堂ですよ! こんな場所で脱いだらまずいですって!」


「いいじゃないですか! 減るもんじゃないですし!」



もう私の手に負えない・・・誰でもいいから、助けて・・・



「何だ? さっきから叫び声がするが?」


「あ、提督! いいところに!」


「・・・秋月? 何やってるんだ?」


提督が見た光景・・・今にも下着を脱ぎかけ、村雨が止めに入っている光景・・・


「見ればわかるでしょ? 服を脱ぐんです!」


「いや、それはわかるが・・・酔ってるのか?」


「酔ってません! ひっく・・・秋月は・・・うぃ・・・正常です!」


「・・・・・・」


提督が村雨を見つめる。


「ご、ごめんなさい。 秋月さんの反応を見たくてつい・・・」


「・・・はぁ~」


納得した提督は秋月に近づき・・・


「さぁさぁ、今日はもう部屋に戻って、早く寝なさい。」


「・・・ひっく・・・何言ってるんですか! 司令は私と付き合ってくださいよ!」


「? オレが・・・何に?」


「決まっているでしょ? 夜戦ですよ、や・せ・ん!」


「・・・・・・」


「さぁ早く! 私は今服を脱いでますから・・・私はいつでも準備オッケーですよ!」


「・・・・・・」


「何じっと見てるんですか? もしかして・・・私の身体がそんなに魅力的ですか? 照れるじゃないですか(惚)」


「・・・はぁ~」


「さぁ、私はいつでも来て構いませんよ・・・さぁ・・・カモーン!」


「・・・わかった・・・じゃあ目を閉じて。」


「・・・(閉)」



トンッ!  (首に手刀)



秋月は気を失う。


「さてと・・・気を失ってくれたことだし、部屋に連れて行くか。」


「・・・・・・」


「あ、村雨・・・来月の給料半額にしとくから。」


「え!? なぜです!?」


「何を飲ませたのか知らんが・・・相当濃度が高いワインでも飲ませたんだろう?」


「・・・・・・」


「そのワインだけでもお前の給料の数倍の値段はするぞ? 半額で済むならいい方だろ。」


「・・・・・・」


「じゃあ、おやすみ。」



バタンッ!!  (扉を閉める音)



「はぁ~・・・」




給料が半分なんて・・・まじショック。





翌日、


秋月は二日酔いで休日を取ったそうな・・・


当然のことながら、本人は昨日豹変したことは覚えておらず、提督に言われて驚いていた。


食堂で半裸だったことを聞かされた時は顔が真っ赤になって大泣きしていたそうだ。


ちなみに・・・秋月が飲んだワインは超高級品だったため、給料が半年間半額と言い渡された時は、


さすがの村雨も号泣したのであった・・・







「執務室での事件5」 終








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