2019-03-14 23:41:52 更新

振り返った、楽とレオンが見たのは、

例のハートの形の角(ツノ)をした千棘と万里花だった


千棘 「楽〜〜!、私とこの子に乗りなさい〜〜!」


万里花 「いーえ!楽様は私(わたくし)とこの鹿さんに乗るんですわ〜〜!」


タタタッ


楽 「わわっ!千棘と橘?

お前ら2人とも、こんなに早くハートの角の鹿を見つけたのか?」


レオン 「さては、シルフとレムが他の鹿と話して、千棘姉(ねえ)と万里花姉(ねえ)をハートの角の鹿のところに案内したね。」


楽 「えっ?星獣って、動物と会話出来るのか?」


千棘 「ちょっと万里花!私と楽は恋人同士なんだから、楽は私と乗るに決まってるでしょ!?」


万里花 「こちらのセリフですわ、桐崎さん!楽様は私(わたくし)と乗るんですわ!」


楽 「ちょっと、お前ら落ち着けって!

ケンカすんなよな………」


千棘 「あんたは黙ってなさい!」


万里花 「楽様、これは私(わたくし)と桐崎さんの問題ですわ!」


楽 「………はい。」


レオン 「………それなら、千棘ねえと万里花ねえで、勝負して決めたらどう?」


千棘&万里花 「えっ?」


レオン 「2人で鹿(シカ)を使った騎馬戦をやるんだよ。

ルールは、相手にケガをさせたらダメだけど。

乗っている自分の鹿が転ぶか、鹿から落ちたら負け。

ケガをさせない限りなら、契約星獣も星札も使ってよし。」


楽 「レオン………お前、いくらなんでもそんな案………」


万里花 「それですわ!」


千棘 「それよ!ナイスよレオ君!」


楽 「やるのかよ!?」


ザッ ザッ


千棘と万里花はお互い鹿(シカ)に乗ったまま、向かい合って構えた。


千棘 「三日月銀兎(みかづきぎんと) シルフ」


万里花 「愛羊天皇(あいようてんのう) レム



シュンッ


シュンッ


千棘と万里花は、お互いの星匣(ほしはこ)からそれぞれシルフとレムを召喚した。


千棘 「行くわよ、シルフ!」


万里花 「頼みますわよ、レム!」


楽 「あーもう、またおかしな事に………」


スッ


カシャンッ


千棘の星匣 「籠手の札(コテノフダ)」


ヒュンッ


千棘の両手には兎の手の様な籠手が装備された


千棘 「先手必勝!格闘戦なら、私の十八番(オハコ)よ!」


ボウッ


千棘 「たあっ!」


ヒュンッ


千棘は星体技(せいたいぎ)で月の光を右手の籠手の札(コテノフダ)に集めて、万里花に拳を放った。


万里花 「おっと!」


ヒュンッ


万里花は鹿に手綱(たづな)を打って躱(かわ)した。


万里花 「あーら、単調な攻撃ですわね。

力技(ちからわざ)しか能の無いゴリラさん♪」


千棘 「何ですって!?」


万里花 「用は、鹿の背中から相手を落とせばいい訳ですから。

頭を使うべきですわ。

こうやって。」


スッ


カシャンッ


万里花の星匣 「音の札(オトノフダ)」


レム 「メェ〜〜〜!」


レムは大声で鳴いた。


クラァッ


千棘 「!?何コレ?頭が………」


千棘は突然、強烈な眠気に襲われた。


万里花 「オーホッホッホッ!

レムの音の札(オトノフダ)は、催眠音波ですわ!

聞いた者は、強烈な眠気に襲われますわ!

そのまま地面に落ちて、私(わたくし)と楽様が鹿にラブラブ二人乗りするのを、

薄れゆく意識の中で眺めていなさい!」


千棘 「……………」


スッ


カシャンッ


千棘の星匣 「剣の札(ツルギノフダ)」


ヒュンッ


カシャンッ


千棘 「えっ!?」


楽 「なっ!」


千棘は三日月型の銀色の剣の札(ツルギノフダ)を召喚して、自分の鹿(シカ)の角(ツノ)に引っ掛けて、自(みずか)らが落ちるのを防いだ。


千棘 「ふーう、何とか踏みとどまったわね〜〜。」


ギュウウッ


千棘は自分の掌(てのひら)をつねって、眠気を覚ました。


千棘 「次はこっちの番よ!」


スッ


カシャンッ


千棘の星匣 「光の札(ヒカリノフダ)」


ピカッ


シルフは銀色に眩しく発光した


万里花 「キャッ!」


レム 「うーん………眩し………」


万里花とレムは、光を受けて動きが止まった。


千棘 「てやっ!」


トンッ


万里花 「あっ!」


ドサッ


その隙(すき)に千棘は、万里花の近くに移動して万里花を押して、万里花を鹿(シカ)から降ろした。


千棘 「やったーー!私が勝ったー!」


万里花 「ムッキィ〜〜!、悔しいですわ〜〜!」


楽 「やれやれ………」


第1巻 第148話 完


このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください