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絵里の部屋

絵里「...」ｼﾞ-ｯ

絵里「（今日、花陽と遊んで買った熊の人形...）」

絵里「（かわいい...）」

絵里「...」ﾊｯ

絵里「（落ち着きなさいエリーチカ。常に賢く、そして可愛いことを忘れてはいけないわよ？）」

絵里「（熊の人形程度に気を取られていたら賢くないわね。）」

絵里「...」

絵里「（熊の人形...）」

絵里「（なんて名前をつけようかしら）」

絵里「（...単純にジュリエッタとか？）」

絵里「...」ﾊｯ

絵里「（熊の人形に名前を付けるという可愛さの中にも名前の賢さが表れてるわね）」

絵里「（でも、よく考えると...もしこの熊の人形が男なら、ジュリエッタはちょっと違う気がするわ）」

絵里「（ここはスタンダードかつ、男でも女でも違和感のない名前にするべきね）」

絵里「...」

絵里「（今日からあなたの名前は『熊さん』よ！！！）」ﾄﾞﾔｱ

絵里「（ふふふ...これてもし熊さんが男だろうが女だろうが名前でいじられることは無いわね）」

絵里「（...熊さんの好物とかも決めておかないとね）」

絵里「（もし小さい子供に『熊さんの好きな食べ物はなんですか？』と聞かれた時に対応できるようにね！）」

絵里「（様々なシチュエーションを考え、あらかじめ対策する...賢い人間の鏡だわ）」

絵里「（...好物か...好物）」

絵里「（普通に考えて魚ね）」

絵里「（でも『熊だから魚』っていうのは面白くないわね。）」

絵里「（そもそも、熊さんの好物は魚だよって小さい子に伝えた時...）」

絵里「（小さい子供の夢が潰れてしまうわ。）」

絵里「（電気を発するネズミも、夢の国のネズミも好物はチーズでは無いはずよ）」

絵里「（...よし！今日から熊さんの好物はチョコレートよ！！）」

絵里「（チョコレートは子供も大好きなはずよ。きっと親近感が湧くに違いないわ）」ﾌﾌﾝ

絵里「（ほら、私が食べてる途中の板チョコを熊さんの体に置いてみなさい）」ﾊﾟｻｯ

絵里「...」

絵里「（か、かわいい...本当に熊さんはチョコレートが好きなのね）」

絵里「（でも、チョコレートを食べる熊って...）」

ガチャッ

亜里沙「...おねえちゃーん...ご飯出来たよ。って」

亜里沙「（部屋の中で熊の人形と見つめあってる...）」

絵里「...熊さん。ふふっ」ﾀﾞｷｯ

亜里沙「（く、熊の人形を抱き始めた）」

絵里「（...はぁぁ...今日、花陽と遊んで本当に正解だったわ...って）」

絵里「あ、亜里沙！！」

亜里沙「ば、ばれた...」

絵里「...」ｼﾞ-ｯ

絵里「いつ頃から見てたの？」

亜里沙「えっ、え〜と...」

亜里沙「ご、ご飯出来たから、早く食べようね〜♪」ｽﾀｽﾀ

絵里「ま、待ちなさい！！これは誤解なの！！！」

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絵里「くまさん人形」完

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絵里「...後輩に嫌われてる気がするわ」