2017-09-12 21:25:25 更新

概要

修正が完了しました
この作品は名無し(オリ)と永遠亭メンバーを使った作品です
主人公【名無し】は過去に頭に銃弾を撃ち込まれて記憶喪失になってしまい、鈴仙達と出会って記憶を取り戻していく物語です
ゆっくり見ていってね?


前書き

主人公 ?(名無し)
名前と過去を思い出せない外来人
生活面や剣術、武術は覚えているが他は覚えていない
鈴仙と共に永遠亭で働いて生活をしている


鈴仙・優曇華・イナバ

永遠亭で仕事をしてる兎
いつもてゐに悪戯されて溜息ばかりついている






















俺は、守れなかった…



あれだけ守るって言ったのに守れなかった…



だけど、もう遅い…守れなかったあいつはもう戻ってこない…ならせめて、せめて仇だけは…!






【とらないと!!】






















外の世界ーとある森の中



? 「はぁっはぁっ!!…」タッタッタッ!!…



イタゾ!!オエー!!


? 「はぁっはぁっ!…っくそ!まだ追いかけてきやがる!しつこい奴らだ!!」タッタッタッ!!…


? 「(こんなところで死んでたまるか!いや、死ぬわけにはいかない!!)」タッタッタッ!!…


? 「(あいつの仇を取るまで俺は絶対死ねない!!なんとかしてあいつらを撒かないと!!)」タッタッタッ!!…


ダーンッ!!



ドスゥッ!!!!


? 「…っえ?ごふぅっ!!」ガクッ 心臓部を撃たれて膝が地面につく


ヨシ、アタッタゾ!!デモマダシンデナイゾ!! キリコロセェ!!


? 「…嘘だろ?あいつの仇を取らないといけないのに…」ダラダラ…


? 「…死ぬのか?俺…また仇取ってないのに…」ドクドク…


? 「…いやっ!!」ギリッ!!


? 「まだだっ!!」ダッ!!


ナニ!?アイツウタレタノニウゴイテルゾ!?


? 「(まだ俺は死ねない!!まだ死ぬわけにはいかない!!)」タッタッタッ!!…


? 「(絶対、死ねない!)」タッタッタッ!!…



ダーン!!



バシュゥッ!!!!


? 「っ!!!!!!」銃弾が脳天にヒットする


ヨッシャ!アタマニアタッタゾ!! トッツカマエロ!!


? 「…く…そぉ…」フラ…フラ…


オイ!アッチノホウコウッテ…シマッタガケダ!!


? 「(が…け…?)」フラ…フラ… フラフラと崖の方へ無意識に歩いていく


? 「(…さい、あく…だ…な)」グラッ…


ヒュー… 体が崩れ落ちて崖に落ちる


? 「(…すま…ない…お前の、仇…)」


? 「とれそうに…ない…や?」ヒュー…


…ヒュインッ!!













迷いの竹林



鈴仙 「えっと…これで全部かな?」ヨイショッ 薬草集めをしてる


鈴仙 「師匠も酷いなぁ?量って物を考えてほしいよ?こんなに大量に集めてこいなんて一日じゃ無理だよ…今日はなんとか終わったけど?」ハァ…


鈴仙 「もうすぐで夜になっちゃうから早く帰らないと?」ヨイショット 出荷籠を持ち上げる



…ヒュインッ


鈴仙 「…っん?なんだろ…今の音?」 ヒュー…


ドサァッ!!


? 「」地面に叩きつけられて落ちてくる


鈴仙 「えっ!?上から人が振ってきた!?」


? 「」ダラダラ…


鈴仙 「しかも頭と心臓部から血が出てる!?だっ大丈夫ですか!?」タッタッタッ!!スッ


? 「」ダラダラ…


鈴仙 「意識がない…しかも出血がかなりひどい?急いで治療しないと!!」ドサッ ヨイショット!! 薬草の入った籠を置いて人間を背中に乗せる


? 「」ダラダラ…


鈴仙 「(軽い…血が抜け過ぎたのかな?だとしたら急がないと!!)」


鈴仙 「お願いですから私の背中の上で死なないでくださいね?生きててくださいよ!」タッタッタッ!!…


タッタッタッ!!…













永遠亭ー?の病室(二日後の朝)



? 「…」


? 「…っん?」スゥ…


鈴仙 「…あっ気がつきましたか?」


? 「…っ!!」ガバッ!!


鈴仙 「あっ!まだ動いちゃ!」


ズキィッ!!!!


? 「っ!!!!」ガタンッ!!ドサッ 頭に激痛が走って床に倒れ込む


鈴仙 「だっ大丈夫!?」カタッ!!タッタッタッ


? 「~っ!!俺を…どうする気だ!?」ハァ…ハァ…


鈴仙 「どうもしませんよ まだ怪我が治ってないんですから落ち着いてください!」


? 「…落ち着いてなんか、いられるか!!」ハァ…ハァ…


鈴仙 「傷が塞がりませんよ!それでもいいんですか!」


? 「くぅぅっ!!…」ズキズキ!!…


…パタンッ


鈴仙 「ちょっ!?大丈夫ですか!?」


? 「…」ハァ…ハァ…


鈴仙 「…気を失っただけ?凄く痛そうな顔をしてたけど…」


鈴仙 「…」


コンコンッ ガララ…


永琳 「入るわよ?」タッタッタッ…


鈴仙 「師匠!」


永琳 「どう?その子の様子は…てっなんで床下で寝てるのかしら?」


鈴仙 「それが…一度目を覚まして起き上がったんですけどまだ傷が治ってないので痛みに襲われベッドから落ちて…」


永琳 「…なるほど?そういうことね」


永琳 「それにしてもよくその子生きていられたわね?頭と心臓に銃弾が撃ち込まれてた上に出血多量…普通の人なら死んでるわよ?」


永琳 「しかもたった二日で意識を取り戻して…普通なら一週間くらいはかかるわよ?」


鈴仙 「…」


永琳 「…うどんげ?」


鈴仙 「えっ!?あっはい!なんでしょうか?」


永琳 「どうしたの?ぼーっとして?」


鈴仙 「…いえっなんでもありません」


永琳 「…?」


鈴仙 「…師匠 一つお聞きしたい事が?」


永琳 「なにかしら?」


鈴仙 「…この子が目を覚ました時、俺をどうする気だと言ってたんです」


鈴仙 「普通の方ならまず、ここがどこかを先に気にするはずです…でも、この子はどこかを聞いてこなかったんです」


鈴仙 「それにこの子の着ていた服…明らかに人里で見かけるような服ではありません この世界のどこを探しても同じような服を着ている人はいないと思われます」


永琳 「…なにが言いたいのかしら?」


鈴仙 「…この子を生かして置いて平気なのでしょうか?」


鈴仙 「この子は銃弾を撃ち込まれたという事はどこかで悪い事をして打たれたのではないでしょうか?もしくはなにか知ってはいけない事を知ってしまって撃たれたのかも…もしそうだとしたら私達も狙われる可能性も?」


永琳 「うどんげ 医者は怪我をしてる人を治す事が当たり前なのよ?どんな人だろうが妖怪だろうが関係ないわ あなたが取った行動は正しいのだから気にすることはないわ」


永琳 「仮にその子を追いかけてきた奴らが来たら返り討ちにさせればいいわ」


鈴仙 「…師匠…」


永琳 「だから今はその子の怪我を治す事を考えなさい!いいわね?」


鈴仙 「…はい!」


永琳 「それじゃ、私は次の患者の所へ行くからちゃんと見ててあげなさい?」タッタッタッ…


鈴仙 「はい!わかっています!」


永琳 「ふふふっ!」ガララ…


ピシャッ


鈴仙 「…さて、早速看病しないと!」ヨシッ!


鈴仙 「まずは傷口が開いてないかを確かめないと…その前にベッドに戻してあげないと?」ヨイショット








次の日の朝



? 「…んっ」スゥ…


鈴仙 「あっ気がつきましたか?」


? 「…あれ?ここは…」


鈴仙 「ここは永遠亭と言う病院ですよ」


? 「…病院?」


鈴仙 「(…あれ?さっきと違って落ち着いてる…?)」


? 「…」スクッ 身体を起こす


鈴仙 「あっまだ起き上がっては…」


? 「…俺、なんで病院にいるんだ?」


鈴仙 「あなたは頭と心臓に銃弾を打ち込まれていて迷いの竹林に倒れていたんですよ?」


? 「…銃弾?」


鈴仙 「覚えてないんですか?」


? 「…まったく覚えてない」


鈴仙 「…では、あなたの名前は?」


? 「名前?名前は…えっと?」


鈴仙 「…? どうしましたか?」


? 「…思い出せない」


鈴仙 「…っえ?」


? 「自分の名前だけじゃない 過去もなにが会ったかもわからない…」


? 「俺…名前なんだっけ?」


鈴仙 「…もしかして、記憶喪失?」


? 「多分…でも、それも一部だけかも知れない」


鈴仙 「一部?」


? 「自分の名前と過去に何が会ったかは思い出せないけど、生活面や今まで習ってきた事は思い出せる だけどそれ以外は全く覚えてない…」


鈴仙 「…あなた、昨日言った言葉覚えてる?」


? 「…昨日言った言葉?」


鈴仙 「昨日あなたが起きたら、俺をどうする気だって言ってたんですが?」


? 「…俺をどうする気だって?」


ズキッ!!



? 「っ!!!!」ガタッ!! 激痛が走って頭を抑える


鈴仙 「っ!! どっどうしたの!?」


? 「~頭がっ!!急に激痛が!!」ズキンッッ!!


鈴仙 「激痛!?頭の包帯取るよ!」スッ


? 「あぁ…っ!!!!」ズキッ!!


シュルシュル…


鈴仙 「…なにっこれ?」


?の後頭部を見ると銃弾が撃ち込まれた場所付近に謎の文字が浮かび上がっている


? 「どうした?…っ!!」ズキッ!!


鈴仙 「ちょ、ちょっと今師匠を呼んで来るので辛抱して下さい!」タッタッタッ!!…


? 「~っ!!!!」ズキズキズキズキッッ!!!!…








数分後ー永琳が来て診察中



永琳 「…」診察中


? 「…」 今は痛み引いて見てもらってる


鈴仙 「…」


永琳 「(…頭皮に小文字のd…なんでこんな文字が皮膚から?)」


永琳 「(いや、それ以前にもう傷口が塞がれるところまで来てる…明らかに早すぎるわ?一体どうなってるの?)」


永琳 「(見たことがない症状に早く治りすぎる身体…調べる必要があるわね?)」


? 「…先生?いつまで見てるんですか?」


永琳 「あら、ごめんなさい?あまりにも傷の治りが早かったからつい見てしまったわ?」スゥ… 見るのをやめる


? 「…はぁ?」


鈴仙 「それでこの子の症状はどうなんですか?師匠 平気なんですか?」


永琳 「…あなた、まだ頭が痛む?」


? 「いえ、今は痛くないです」


永琳 「そう…なら大丈夫よ?まだ入院は必要だけどこの調子でいけばすぐに治るわ?」


? 「…?」


永琳 「…ところで、あなた自分の名前が思い出せないってうどんげから聞いたのだけど本当なの?」


? 「はい…名前だけじゃなく過去になにが会ったかもわからないんです 生活関係などは覚えてるんですが?」


永琳 「…これがなにかわかるかしら?」スゥ 鉛筆を見せる


? 「…鉛筆」


永琳 「じゃあ…これは?」プニッ


優曇華 「っな!?」///胸をつつかれる


? 「…胸って言いたいんですか?」


永琳 「あら?恥じらいがないわね あなた男よね?」


? 「…女に見えますか?」


永琳 「案外見えるわよ?」


? 「(案外見えるって…)」


鈴仙 「師匠!いきなりなにをするんですか!?私の胸をつついて!」///


永琳 「なにって物の名前当てだけど?」


鈴仙 「なんで私の胸を使うんですか!?もっと別の物だってあったじゃないですか!」///


永琳 「ちょうど近くにあったからよ」


鈴仙 「私の胸は物ですか!?」


永琳 「物のたとえでやったのよ?」


鈴仙 「たとえになっていません!」


? 「…えっと?自分はまだ寝ていないといけないんですよね?」


永琳 「えぇ まだ脳の傷が塞がっていないから二日〜三日は入院したほうがいいわ?」シュルシュル… 包帯を巻きなおす


? 「わかりました」


永琳 「うどんげ」


鈴仙 「…はい なんでしょう?」グスッ 胸を使われて拗ねてる


永琳 「この子の看病、治るまであなたにお願いするわね?」


鈴仙 「…っえ?」


永琳 「っん?どうかしたのかしら?」


鈴仙 「この後、薬の材料集めがあるんですが…?」


永琳 「てゐにやらせるから安心しなさい?あなたはこっちを優先してちょうだい」


鈴仙 「わかりました」


永琳 「それじゃ、私は薬を作ってくるから頼むわよ?」カタッ


鈴仙 「はい わかりました」 タッタッタッ…


ガララ… ピシャッ


? 「…なんか、悪いことしましたね?えっと、うどんげさん?」


鈴仙 「うどんげは師匠の特権なので鈴仙と呼んで下さい?」


?「…鈴仙さん?」


鈴仙 「はい!あと敬語じゃなくても良いですよ?」


? 「…そうですか?」


鈴仙 「はい!それとあなたの名前ですが…」


? 「…俺は思い出せないから…」


鈴仙 「名無しさん!」


? 「…はい?」


鈴仙 「名前が思い出せないので名無しさんというのはどうでしょうか?」


? 「…ありきたりな名前だな?」


鈴仙 「あぅ…ありきたりな名前ですみません…」シュン…


? 「…でも、名前がないと呼びにくいから、今はその名前でも良いかな?」


鈴仙 「…ありきたりな名前ですよ?」


? 「ありきたりな名前だけど付けてくれた名前だ 本当の名前を思い出すまでその名前を使わせてもらうよ?」


鈴仙 「…はい!」


鈴仙 「では、改めましてよろしくお願いします 名無しさん!」


名無し 「あぁ よろしくな鈴仙!」



てゐ 「…」ジー… ドア越しから見てる


名無し 「…」


鈴仙 「…? どうかしましたか?」


名無し 「…誰か見てるけど…あれは?」


鈴仙 「っえ?」クルッ


てゐ 「おやおや?バレてしまいましたかお熱いこと~?」ニヤニヤ


鈴仙 「てってゐ!?あんた材料取りに行ったんじゃ!てか、別にそういう意味で言ったんじゃ…」///


てゐ 「これは師匠様に言わないとねぇ?」ニヤニヤ


鈴仙 「だからそういう関係じゃないって言ってるでしょ!?」///


てゐ 「善は急げ じゃ~ねぇ~ウサ?」タッタッタッ!!…


鈴仙 「待ちなさ~いっ!!」タッタッタッ!!…


名無し 「…」


名無し 「…大変だな?鈴仙…」


輝夜 「ほんとね?」ヌッ ベッドの下から出てくる


名無し 「うぉっ!?」ビクッ!!


輝夜 「こんにちは 名無し?」ヨット 起き上がる


名無し 「あっあぁ こんにちは…(この人いつからこの下に居た!?)」ドキドキ…


輝夜 「私は蓬莱山輝夜 以後よろしくね?」


名無し 「あっあぁ よろしく…」


輝夜 「…」ジー 名無しを見つめる


名無し 「…なんですか?」


輝夜 「…あなた おもしろそうね?」


名無し 「…そうですか?」


輝夜 「ねぇ名無し 怪我が治ったらどこか行く宛あるの?」


名無し 「っえ?…そうですね?」ウーン…


輝夜 「もしどこも行く宛ないのならここで働かない?」


名無し 「…っえ?ここでですか?」


輝夜 「えぇ!あなたみたいな人なら私は歓迎よ?」


名無し 「いや、病院で働くって事は医師免許や薬剤師免許がないと駄目ですよね?俺なんも持ってないので…」


輝夜 「そんなの要らないわよ?永琳なんか何にも免許持ってないわよ?」


名無し 「…それはそれでまずくないですか?」


輝夜 「この世界にはそういうの関係ないから平気よ?」


名無し 「…この世界?」


輝夜 「そう言えば話してなかったわね?」


輝夜 「ここはあなたの居た世界とは違う世界よ」


名無し 「…っえ?」


輝夜 「幻想郷って言ってね?忘れ去られた者が辿り着く世界なの」


名無し 「…忘れ去られた者…」


輝夜 「でもあなたは違うと思うわ」


名無し 「…何故そう思うんですか?」


輝夜 「これよ」スッ 手に刀を持って見せる


名無し 「…それは俺の刀?」


輝夜 「観させてもらったけどあなたは忘れ去られてなんかいない…逆に忘れ去られる事はない存在だと思うわ?」


名無し 「…なんでわかるんですか?刀だけでそんなことわからないと思うんですが?」


輝夜 「それは思い出さない方が身の為よ?記憶を失ってるならのままの方がいいわ」


名無し 「…」


輝夜 「これは返しておくわ 勝手に見て悪かったわね?」スッ 刀を渡す


名無し 「いえ、構いませんよ」ガシッ 刀を受け取る


輝夜 「ところでさっきも言ったけど、どこも行く宛がないのならここで働かない?免許とか関係ないから安心して?」


名無し 「…そうですね?俺が知ってる世界じゃないみたいだし、むやみにそこら辺を歩きまわって野垂れ死ぬ可能性がありますからね?」


輝夜 「それじゃ…」


名無し 「それに」


輝夜 「? それに?」


名無し 「…死にかけた俺を救ってくれた先生や鈴仙に恩返しもしたいですからね?」


輝夜 「…そう、それじゃ早速永琳に新しい仕事人が増えたって知らせてくるわね?」


名無し 「いや、まだ怪我治ってないんですが…」


輝夜 「えいり~ん!」タッタッタッ…


名無し 「ちょっと!?まだ怪我が治ってないから治ってから伝えて…ってもう行っちゃったか?世話しない人だなぁ?」ハァ…


てゐ 「ほんとウサね?」チョコン 名無しの隣に立ってる


名無し 「…どこから入った?」


てゐ 「窓からウサ」


名無し 「…ここの看護婦はウサミミを付ける主義なのか?君も付いてるけど…」


てゐ 「ウサギは寂しいと死んでしまうウサ」


名無し 「いや、そんな事聞いてないよ」


てゐ 「ひどい!私を見捨てる気ウサね!?」


名無し 「なんでそうなるんだ!?おかしいだろ!」


てゐ 「あんなことまでしておいて捨てるなんて…あんまりウサ!」ポロポロ…


名無し 「今知り合ったのにどうやってあんなことをするんだよ?」


てゐ 「…突っ込むとこそこ?」


名無し 「当たり前だろ?今知り合ったばかりなのにどうやってあんなことをする時間があるんだよ?」


てゐ 「…目線が合ったから?」


名無し 「いやおかしいだろ!?目が合っただけであんなことされた扱いするって!?」


てゐ 「ウサギは寂しいと死んでしまう」


名無し 「振り出し!?」 タッタッタッ!!…


鈴仙 「居たー!!」


てゐ 「っげ!?見つかったウサ!」


鈴仙 「てゐ!あんたいい加減にしなさいよ!師匠から変な誤解を招くじゃない!」


てゐ 「まだ話してないウサ」


鈴仙 「まだじゃないわよ!まったくあんたと言う奴は~!!!!」ゴゴゴゴゴッッッ!!!!!!…


名無し 「鈴仙!?何をするかわからないけど止めて!?俺怪我してるから!」


てゐ 「無駄ウサよ 今の鈴仙はかなり怒ってるウサ」


鈴仙 「…」スゥ… 目を赤くさせる


名無し 「…っえ?」


名無し 「(目が…赤くなった?)」


てゐ 「あとはよろしくウサ!」タッタッタッ!!…


名無し 「っえ?」 タッタッタッ…


鈴仙 「にがさないわよ?」ギンッ!! てゐに向けて眼光を放つ


てゐ 「無駄ウサよ~?」タッタッタッ!!…


名無し 「うぇっ!!気持ち悪…っ!!」ウプッ 狂気の目をもろ喰らう


鈴仙 「あっ…」


てゐ 「さよーならウサー!」オホホホホッ!! タッタッタッ …


鈴仙 「…後で覚えときなさいよ?てゐ」ワナワナ…


名無し 「…あの、今もの凄く気持ち悪くなったんですが…」ウプッ


鈴仙 「あっごめんなさい!?今止めるわ!」スゥ… 目を元に戻す


名無し 「…あれ?ぐらつきが治った?」


鈴仙 「大丈夫ですか?もう気持ち悪かったりしませんか?」


名無し 「あっあぁ…でも今の一体何をしたんだ?急に頭がふらついたんだが?」


鈴仙 「それは私の能力で起きた現象です…」


名無し 「…能力?」


鈴仙 「はい 私は狂気を操る程度の能力を使い 今地震が起きたみたいに揺れを出したのは私の能力なんです」


名無し 「…さっきの揺れは君の能力で起きた現象なのか?」


鈴仙 「はい てゐを捕まえようとして地震が起きたような現象を見せたんですがあなたにもかかっちゃったみたいで…」


名無し 「…不思議な人もいるもんだな?」


鈴仙 「不思議でしょうか?」


名無し 「そうだろ?普通そんな能力が身に付いてる人なんかいないだろ?」


鈴仙 「いっぱい居ますけど?」


名無し 「…っえ?」


鈴仙 「私以外にもここにいる方達は皆付いていますよ?」


名無し 「…みんな?」


鈴仙 「はい」


名無し 「…それじゃ、ここの先生やてゐや輝夜さんも?」


鈴仙 「姫様に会ったんですか?」


名無し 「姫?」


鈴仙 「輝夜様のことです」


名無し 「…あの人姫様だったの?」


鈴仙 「ニート姫とも言われてます」


名無し 「…」


鈴仙 「…本人の前では言ってはいけませんよ?」


名無し 「さすがに言わないよ ニートにニートって言ったら失礼だろ?」


鈴仙 「当たり前です」


名無し 「まぁ、ニートはニートだけどな?」


鈴仙 「それ絶対言ってはいけませんよ!?絶対姫様怒りますからね!」


永琳 「私も怒るわよ」ガララ… 通路まで聞こえていた


鈴仙 「しっ師匠!?聞いてたんですか!?」


永琳 「偶然聞こえたわ?まったく、姫の悪口を言うのも大概にしなさいよ?」


名無し 「さすがに本人の前では言わないので大丈夫ですよ?」


永琳 「そう言う問題じゃないわよ」


鈴仙 「それでどうしたんですか?師匠 まだ回診の時間じゃないですよ?」


永琳 「さっき姫から新しい仕事人が増えたと聞いてここに来たのよ?」


鈴仙 「…なぜここに来たんですか?ここには私と名無ししかいませんよ?」


永琳 「そこにいる人が新しい仕事人だからよ」


鈴仙 「…っえ?」


名無し 「まだ怪我治ってないって言ったのに…」ハァ…


永琳 「今の治り具合なら二日〜三日である程度は治るわ あなたの生命力は半端じゃないからね?経った二日で目を覚ますんだもの、怪我だってすぐに治るわ」


名無し 「…はぁ?」


鈴仙 「名無し ここで働くの?」


名無し 「あぁ、ここの世界は俺の知ってる世界じゃないみたいだしな?そこら辺で野垂れ死になるのはいやだからここで働こうかなと思ってな?」


鈴仙 「…やっぱり名無しは外来人だったの?」


名無し 「輝夜さんから教えてもらわなければわからなかったよ?」


永琳 「…姫から教えてもらったの?」


名無し 「はい 俺は外から来た人間だって言ってました」


永琳 「…」


鈴仙 「なんで姫様は名無しが外来人だってわかったんだろう?服装だけじゃ断定はできないのに…」


名無し 「さぁ?そこまでは俺にもわからないけど…」


永琳 「…まぁどちらにせよ?怪我が治るのはまだ時間がかかるからここで働くにしても明後日か明明後日ね その時はお願いね?」


名無し 「はい こちらこそよろしくお願いします」


永琳 「それじゃ、私は回診に行くからうどんげもちゃんと名無しの看病するのよ?」


鈴仙 「はい!」


永琳 「(…なんで姫は名無しが外来人だとわかったのかしら?私でもさすがに服装だけじゃわからないのに…)」タッタッタッ…


名無し 「…?」永琳の表情が難しい顔をしているのに気づく


鈴仙 「さて、名無し?今痛みは…ってどうしましたか?上の空って感じしてますが?」


名無し 「…いや、なんでもない?気にしないでくれ」


鈴仙 「?」


名無し 「(…今、先生の顔が険しくなったような…?)」


名無し 「(…気のせいかな?)」













輝夜の部屋



輝夜 「~♪」カリカリ…


コンコン ヒメ、エイリンデス スコシオハナシガ


輝夜 「入っていいわよ」カリカリ…


シツレイシマス


スー…


輝夜 「どうしたの?今は病院のお仕事中なのに?」カリカリ…


永琳 「一昨日 うどんげが運んできた人間…名無しがなんで外来人とわかったのかを聞きに来ました」


輝夜 「」ピクッ


永琳 「確かに服装から見たら外来人かもしれませんが、それだけで外来人とお決めたとになられたとは思えないんです 服装以外になにでお決めになられたのですか?」


輝夜 「…名無しが持ってた刀は知ってるわね?」


永琳 「えぇ 腰にかかっていた刀ですよね?」


輝夜 「その刀を見たら…紅色に光っていたわ」


永琳 「…っえ?」


輝夜 「恐らくは…いえ、名無しは人を斬った事が何回もあるみたいね?はっきりとした確証はないけどほぼ確実にね」


輝夜 「こっちの世界で人を殺したりすれば色々な人達が探しに来たり情報が来るはず…でも、それがないという事は名無しは外来人だと思ったのよ」


永琳 「…何故そのような人をここで働かせようとしたんですか?」


輝夜 「そうね?ただ単におもしろそうだったからかしら?」


永琳 「…本当にそうなんですか?」


輝夜 「…相変わらず鋭いわね?永琳」


永琳 「当たり前です 姫がそんな理由でここに働かせようとするはずがありません」


輝夜 「わからないわよ?本当にそんな理由で働かせようとしてたかもしれないわよ?」


永琳 「…」


輝夜 「まぁ、本当の理由はそこら辺で野垂れ死ぬよりここで働かせた方が生きてられると思ったから誘ったのよ?」


永琳 「危ないとは思わないんですか?仮にも殺人鬼なんですから…」


輝夜 「今の彼は記憶がない…だから安全だと思うわ?」


永琳 「記憶を取り戻したらどうするのですか?」


輝夜 「その時はその時で考えるわ」


永琳 「…」


輝夜 「それに名無しは外来人だからこっちのお金なんか持ってるわけないでしょ?だとしたらここで働かせた方が良くないと思わない?入院代も払ってもらうためにもね?」


永琳 「…さすがに外来人からお金を取ろうとは思いませんでしたが?」


輝夜 「あら、そうだったの?私はてっきり取るかと思ったわ?」


永琳 「私を何だと思っているのですか…」


輝夜 「身包みを剥いでまで持っていく悪魔的存在の人かと思ったわ!」


永琳 「酷すぎます!」


輝夜 「まぁそれは冗談として?」


永琳 「本当に冗談ですか?冗談に聞こえないんですが…」


輝夜 「名無しの怪我が治ったらしっかり面倒を見てあげてね?」


永琳 「…わかりました」


永琳 「では、私は仕事に戻りますので失礼します」


輝夜 「お仕事頑張ってね?」


永琳 「わかっております」


スー…パタンッ













そんなこんなで三日後…



名無しの病室



鈴仙 「…」シュルシュル… 名無しの包帯を解いてる


名無し 「…」シュルシュル…


永琳 「…」


鈴仙 「…怪我は治っていますね?傷跡は残っていますがちゃんと塞がってます!」


永琳 「そうね?怪我の跡は残ってしまうかもしれないけど、そればかりはどうしようも出来ないわね?」


名無し 「跡なんて別に気にしませんよ?怪我が治っていればそれだけでいいです!」


永琳 「それならよかったわ?私も傷をなくす薬までは作れないからよかったわ」


鈴仙 「めまいや頭痛はしませんか?」


名無し 「平気だよ?二人のおかげで痛みもないよ!」


鈴仙 「それはよかったです!」


永琳 「それじゃ、退院手続きを…と言いたいけど、その必要はなさそうね?」


名無し 「っえ?なぜですか?」


永琳 「この後ここで働くのだから必要ないでしょ?」


名無し 「…そう言うものなんでしょうか?」


永琳 「私が決める事だから平気よ?現にめんどくさいしね?」


名無し 「…はぁ?」


鈴仙 「師匠 今日から名無しは働くんですよね?」


永琳 「えぇそうよ?傷も塞がってるからもう平気だと思うわ?」


鈴仙 「名無しのお仕事はなにをさせるんですか?」


永琳 「う~ん…そうね?なにをさせようかしら?」ウーン


名無し 「…薬作りとかは無理ですよ?」


永琳 「さすがにそれはさせないわ?素人に薬作りは不可能よ」


名無し 「それならよかったです」


永琳 「う~ん…そうだ!うどんげ」


鈴仙 「はい?」


永琳 「名無しはあなたの仕事と一緒にさせるわ?」


鈴仙 「…っえ?」


名無し 「鈴仙と一緒の仕事ですか?」


永琳 「えぇ うどんげ一人じゃ大変な事もあるから、あなたにはその手伝いをしてもらうわ?」


名無し 「鈴仙ってどういう仕事をしてるんですか?」


永琳 「【基本的には薬の材料採集と薬作りの助手】【患者の体調管理】【実験台】と言ったところね? 」


名無し 「実験台!?」


永琳 「えぇ さすがに作った薬をいきなり患者に飲ませる訳にはいかないもの?」


名無し 「でも実験台は酷過ぎますよね!?」


永琳 「うどんげは患者の為に身体を張ってるのよ?当たり前のことよ!」


鈴仙 「ほとんど無理矢理なんですが…」


名無し 「…」


永琳 「あなたの身体でも実験してみたいわね?…いいかしら?」ウフフ?


名無し 「…まぁ?死なない程度にお願いします」


優曇華 「受け入れるの!?」


名無し 「鈴仙もしてるなら俺もするしかないだろ?」


永琳 「あらあら?良かったわねうどんげ あなたで試す実験回数が減るのだから?」クスクス


鈴仙 「喜べません…」


名無し 「ははは…」


永琳 「それじゃ、早速だけど今日も薬草を取ってきてもらおうかしら?」


鈴仙 「唐突ですね」


名無し 「ほんとだな?」


永琳 「いいじゃない唐突でも?」


鈴仙 「今日はどのくらい取ってくるんですか?」


永琳 「うーん…今日から名無しが加わるから?」ウーン…


永琳 「…いつもの三倍お願いするわ」


鈴仙 「三倍!?」


名無し 「いつもはどのくらい取るんだ?」


鈴仙 「いつもは出荷カゴ大を一つ分です…」


名無し 「…それを三倍?」


永琳 「えぇそうよ」


名無し 「…」


鈴仙 「師匠…二人しかいないのにどうやって3つも持つのですか?」


永琳 「そこは任せるわ 何とかしてね?」ニコッ


名無し 「…」


鈴仙 「…」


永琳 「…早く行ってきて欲しいのだけど?」


鈴仙 「…帰り遅くなりそうですね?」


名無し 「確かに…」


永琳 「名無しの着替えはそこに置いてあるからそれに着替えてちょうだい」スッ ベッドの隣に置いてある引き出しの上に名無しの着替えが置いてある


名無し 「わかりました」


永琳 「それじゃ、私は仕事に戻るからよろしくね?」タッタッタッ…


ガララ…パタンッ


鈴仙 「…はぁ?今日の仕事は大変だなぁ…」


名無し 「出来るだけ早めに終わらせるとするから頑張ろう?」


鈴仙 「はい…」ハァ…


名無し 「…それとさ」


鈴仙 「?」


名無し 「…着替えたいんだけどいいかな?」


鈴仙 「…あっすみません!今すぐ出ていきます!」タッタッタッ…


ガララ…パタンッ


名無し 「…」


名無し 「早めに終わらせないとな?鈴仙の為にも」シュルシュル…








通路ー名無しの病室前



鈴仙 「…」


鈴仙 「(…今思えば、なんで姫様は名無しを雇ったんだろう?)」


鈴仙 「(人手は足りてるはずなのになにかあるのかな?師匠も特に何も言ってなかったけど…)」 ガララ…


名無し 「待たせたな?鈴仙」タッタッタッ パタンッ


鈴仙 「(また姫様の悪ふざけかな?でも、 師匠も了承得てたし違うのかな)」ウーン


名無し 「…鈴仙?」


鈴仙 「あっ着替え終わりましたか?」


名無し 「あぁ 終わったけど…なにか考え事か?」


鈴仙 「いえ、何でもないので気にしないで下さい?」


名無し 「…そうか?」


鈴仙 「はい!では行きましょう」タッタッタッ…


名無し 「…?」タッタッタッ…













迷いの竹林



ザッザッザッ…


鈴仙 「ここの辺りに薬草が生えているんですけどわかりますか?」ザッザッザッ…


名無し 「薬草の形は知ってるから大丈夫だ」ザッザッザッ…


鈴仙 「では、試しに取ってみてくれませんか?」


名無し 「わかった」タッタッタッ…スッ


プチッ 一つの葉を手に取る


名無し 「これだろ?」スッ 薬草を鈴仙に見せる


鈴仙 「はい!正解です」


名無し 「これを出荷カゴ大三個分か…」


鈴仙 「終わるの真夜中になりそうですね…」ハァ…


名無し 「…出来るだけ早く終わらせよう?」


鈴仙 「そうですね 頑張りましょう!」


名無し 「よし!それじゃ 俺は向こうの方の薬草を取ってくるから鈴仙はここら辺を頼む」タッタッタッ…


鈴仙 「わかりました!気をつけて下さいね」 ザッザッザッ…


鈴仙 「…刀持ってたから万が一の時、平気だよね?」


鈴仙 「…あまり強い相手じゃなければいいんだけど…」













数時間後ーお昼近く



鈴仙 「…」プチップチッ…


鈴仙 「…ふぅ まだ半分かぁ…本当に大変だなぁ?」ハァ…


ググゥ~…


鈴仙 「っ!?」///


鈴仙 「…」キョロキョロ


優曇華 「…誰も聞いていないよね?」



…ガサッ


鈴仙 「っ!? だれ!?」


名無し 「…」木に隠れてる…がバレバレ


鈴仙 「なっ名無し!?もっもしかして…今の聞いてた?」///カァァ…


名無し 「…まぁ、自然現象だから仕方ないよ?聞こえてたけど…」


鈴仙 「〜〜〜っ!!!!!!」///カァァッ!!


名無し 「…もう昼ぐらいだけど、一旦戻る?」


鈴仙 「…はっはい…そうします」///


名無し 「わかった」ヨット 出荷かごを2つ持ち上げる


鈴仙 「…名無し?かご2つから薬草が見えるけど…もう満タンなの!?」


名無し 「あぁ 2つとも満タンだよ?こんなに薬草が生えてるとは思わなかったよ」


鈴仙 「ちょっと見せて!?」


名無し 「わかった 今降ろすよ?」ヨット…ドスンッ!!


鈴仙 「…」



カゴの中 「満タンです!」


カゴの中2 「イッパイデース!」


鈴仙 「(すごい…あんな短時間で2かごも満タンにするなんて…)」


名無し 「全部薬草だよな?」


鈴仙 「はい…全部薬草みたいですけど、どうやって集めたんですか?」


名無し 「えっ?普通に一枚一枚手で取ったが…」


鈴仙 「…」


名無し 「…鈴仙?」


鈴仙 「気にしたら駄目ですね!早く帰りましょう!」タッタッタッ…


名無し 「えっ?ちょ、待ってくれ!?」ヨイショッ 出荷かごを持ち上げる


タッタッタッ…













永遠亭ー調理場



鈴仙 「ただいま戻りましたー!」タッタッタッ…


永琳 「あら?ちょうど良いタイミングに来たわね 今からお昼よ」


鈴仙 「師匠の手作りですか!?」


永琳 「そうよ だから早く手を洗ってきなさい?」


鈴仙 「はーい!」タッタッタッ…


永琳 「…ところで名無しは?見かけないけど…」


鈴仙 「あっ…」 タッタッタッ…


名無し 「やっと着いた~…」ハァッハァッ…


永琳 「…ちょうど帰ってきたわね?」


名無し 「鈴仙先に帰らないでくれよ?こっちは荷物が多いのに…」ハァッハァッ…


鈴仙 「ごめんね?名無し すっかり忘れてた…」アハハ…


永琳 「…あら?もう二籠も取ってきたの?」


鈴仙 「はい 午前中で名無しが二籠満タンにして私はまだ半分くらいです…」


永琳 「(…午前中だけで二籠も?うどんげでも半分程度が限界なのにどうやって集めたのかしら?)」


名無し 「先生 これはどこに置けば良いんですか?」


永琳 「冷蔵庫に入れといてもらえるかしら」


名無し 「わかりました」


永琳 「うどんげ 名無しを冷蔵庫まで案内してあげてちょうだい」


鈴仙 「わかりました 名無し付いてきて」


名無し 「わかった」


タッタッタッ…


永琳 「…」


永琳 「午前中だけで二籠もどうやって集めたのかしら?普通ならありえないわね」


永琳 「…どういう身体をしてるのかしら?もしかしたら超人的な身体をしているのかしら?」


永琳 「さっそく実験台にしてみようかしら?うふふ!」(^言^)













冷蔵庫



ガチャッギィィ…


鈴仙 「ここが冷蔵庫です ここにさっき取ってきた薬草を入れて保存させるんです」


名無し 「…」


鈴仙 「…名無し?」


名無し 「これ…ほんとに冷蔵庫?」


鈴仙 「はい 冷蔵庫です」


名無し 「…ただ蔵にでっかい氷を入れただけのように見れるのは俺だけ?」


蔵の中にはでっかい氷が入っているだけで冷蔵庫と呼べる物かは不明な倉庫


鈴仙 「仕方ないですよ 幻想郷には電気も家電製品もありませんから」


名無し 「ないの!?」


鈴仙 「はい ありません」


名無し 「…不便だなぁ?」


鈴仙 「慣れれば平気ですよ!」


名無し 「なれるまで大変だな…」ハァ…


鈴仙 「名無し 早く荷物を置いてお昼を食べに行きましょう!」


名無し 「そうだな?早く行くか」ヨット ドスンッ!! 薬草の入った籠を置く


名無し 「ここで良いのか?」


鈴仙 「はい!では行きましょう!」タッタッタッ…


鈴仙 「(師匠の手料理〜♪早く食べたいな〜♪)」タッタッタッ…


名無し 「だから置いてかないでくれよ!?」タッタッタッ…













茶の間(昼食スキップ)



全員 「「ごちそうさま(ウサ)でした」」


鈴仙 「やっぱり師匠の手料理は最高です!また食べたいです!!」


永琳 「あら?嬉しいこと言ってくれるじゃない それならまた作れる時に作ってあげるわ?」


鈴仙 「わーい!」


輝夜 「鈴仙の料理より美味しいから良かったわ」


鈴仙 「ひどいです姫様!?」


永琳 「うふふ?」


名無し 「…」優曇華と輝夜を見てる


永琳 「…どうかしたの?名無し 二人の事を見て?」


名無し 「…なんか、懐かしい感じがしたんです」


永琳 「懐かしい感じ?」


名無し 「はい …とは言っても思い出せないんですけどね?そんな気がしただけです」


永琳 「…そう わかったわ」


永琳 「うどんげ 次の仕事はなにかしら?」


鈴仙 「私はまだ籠半分しか取ってないので薬草を取りに行きます」


永琳 「名無しを借りても良いかしら?」


鈴仙 「…なんで私に許可をとるのですか?」


永琳 「あなたが連れてきた人じゃない 所有権はうどんげにあるでしょ?」


名無し 「俺物扱い!?」


鈴仙 「名無しが良いと言えば良いですけど…?」


永琳 「そう?なら貸してもらうわ」


名無し 「まだ良いとも言ってないのに!?…まぁ別に良いですけど」


永琳 「それじゃ貸してもらうわね?」


鈴仙 「はい わかりました」


永琳 「名無し すぐ来てもらえるかしら?」カタッ


名無し 「構いませんが?」カタッ


永琳 「それじゃ行くわよ?うどんげ 皿洗いよろしくね?」タッタッタッ…


鈴仙 「わかりました」 タッタッタッ…


輝夜 「…なにをするのかしら?永琳」


鈴仙 「さぁ…?」


てゐ 「また良からぬ事をするに違いないウサ」


鈴仙 「あんたがそれ言う?」








実験室



永琳 「着いたわ」ガチャ


名無し 「…ここは?」


周りには固定具や注射器、フラスコなどが並べられてる


永琳 「そんな事気にしないで椅子に座っててちょうだい」ガチャガチャ…


名無し 「はい…?」タッタッタッ…


名無し 「よっと?」トスン 椅子に座る


永琳 「」ニヤッ


カチッ


ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンッッッ!!!!!!


名無し 「っ!?」手足首を固定される


永琳 「無警戒で座ってくれてありがとう?名無し」ニヤニヤ


名無し 「…なにをする気ですか?手足固定して」


永琳 「あら?意外にも平常心でいられるの?」


名無し 「なんで平常心でいられるかはわかりませんが良いことじゃないって事はわかります」


永琳 「…確かに良いことじゃないって事はあってるわ でも別に死ぬ訳じゃないわよ」


名無し 「…安心出来る言葉じゃないですよ?」


永琳 「まぁまぁそんな事は置いといて?」


名無し 「置いとかないでください」


永琳 「まずあなたにはこれを飲んでもらうわ!」スッ フラスコの中に紫色の液体が入った物を名無しに見せつける


名無し 「…なんか凄い色してるんですが?」


永琳 「大丈夫よ 死にはしないはずよ?」


名無し 「疑問系ですか!?」


永琳 「さぁ名無し 飲んでみて?」


名無し 「…せめて固定具外してくれませんか?自分の手で飲みますから」


永琳 「あら?自分から進んで飲んでくれるの?」


名無し 「逃げてもどうせ捕まるだけですからね だったらさっさと飲んで終わらせた方がいいです」


永琳 「話しが早くて助かるわ それじゃ外してあげるわ」カチッ


カシャカシャカシャカシャカシャッ ロックが解除される


名無し 「…ふぅ」


永琳 「はい これ?」スッ 名無しに謎の液体が入ったフラスコを渡す


名無し 「…」スッ… 何かの薬が入ったフラスコを受け取る


名無し 「(…ほんとに凄い色だな?飲む気失せるな…)」


名無し 「ちなみにこの薬はどういう薬なんですか?」ゴクッ


永琳 「媚薬よ」


名無し 「」ブー!!


永琳 「ちょっと?吐かないでよ 汚いわね」


名無し 「…なに飲ませんですか?そんなもの飲ませないで下さいよ」ダバー…


永琳 「だってうどんげに飲ませようとすると嫌がるんだもん?」


名無し 「それは当たり前ですよ 媚薬だと分かっていたら誰も飲みませんよ」


永琳 「ちなみその薬 本当は媚薬じゃないわよ?特殊な風邪薬よ」


名無し 「特殊?」


永琳 「風邪引いてその薬を飲んだら三日間寝ない疲れないと言う優れものの効果が発達するの」


名無し 「…四日目以降は?」


永琳 「寝込むわ」


名無し 「副作用最悪じゃないですか!!」


永琳 「そんなことないわよ?一日だけしか寝込まないもの …まぁその一日は苦しみながら過ごす事になるけどね?」


名無し 「風邪引いてた方がよっぽどマシですよ!?てかそれはもう風邪薬じゃないです!ドーピングです!」


永琳 「ドーピングじゃないわ!強化薬よ!」


名無し 「誰も飲みませんよ!」


永琳 「なんでよ!素敵な薬じゃない!」


名無し 「そんな副作用の強い薬誰も飲みませんよ!」


永琳 「副作用の事を話さなければいいわ!」


名無し 「最低です!!てかそれ医者が言っていいセリフじゃないですよ!?」


ギャーギャーッ!!



輝夜 「…騒いでるわね?」ドアに小さい隙間を開けて見てる


鈴仙 「ほんとですね?」


てゐ 「あんな永琳初めて見たウサ」


輝夜 「私もあまりないわね?あんなに取り乱した永琳」


鈴仙 「姫様もあまりないんですか?」


輝夜 「えぇ 永琳は常にちゃんとしてるからね?」チラッ てゐを見る


てゐ 「こっち見るなウサ」


輝夜 「ふふっ?それと、あなた達に伝えて置くことがあるんだけどいいかしら?」


鈴仙 「なんでしょうか?」


てゐ 「どうせくだらない事ウサよ」


輝夜 「耳引っこ抜くわよ?」


てゐ 「ヒィッ!?」ビクッ!!


輝夜 「…まぁ、それは置いといて」


てゐ 「置かないで捨てろウサ!」


輝夜 「【名無しから過去の話しを聞こうとはしないでね?】」


鈴仙&てゐ 「「…っえ?」」


輝夜 「絶対聞いては駄目よ 良いわね?」


鈴仙 「…どうしてですか?そもそも名無しは記憶がないのですから聞こうにも聞けないはず…」


てゐ 「て言うか、聞いたとしても別に平気じゃね?」


輝夜 「…」


鈴仙 「…姫様?」


輝夜 「…絶対聞いては駄目よ?」


鈴仙 「(…念押し?そこまでして聞いてはいけない事なの?)」


てゐ 「聞くとどうなるウサ?」


輝夜 「兎の焼き肉にされるわよ?」


てゐ 「聞いただけで!?ひどすぎるウサ!!」


輝夜 「だから聞いては駄目よ?」


てゐ 「…てか、それ姫様がするよね?絶対」


輝夜 「さぁ?それはどうかしら?」


鈴仙 「いくつか気になる点はありますけどわかりました」


てゐ 「わかってやるウサ」


輝夜 「ありがとね?二人とも」













数時間後…



永遠亭ー通路



名無し 「…」タッタッタッ…


名無し 「不思議…か?」






数十分前ー実験室



永琳 「うーん…」ジー


名無し 「…」


永琳 「…なんで効果が現れないのかしら?おかしいわね」ウーン…


名無し 「…失敗したとかじゃないんですか?」


永琳 「それはないわ ミスがないか何回も確かめたし量も的確に入れたから失敗はありえないはずよ」


名無し 「…てか、風邪薬なのに風邪引いてなくては意味がないのでは?」


永琳 「だとしてもドーピングの効果が現れないのはおかしいわ」


名無し 「今ドーピングって言いましたよね?強化薬じゃなくドーピングって言いましたよね?」


永琳 「気のせいよ」


名無し 「いや絶対気のせいじゃないです!」


永琳 「そんな事はどうでもいいとして?」


名無し 「しないでください!?」


永琳 「身体に変化は?」


名無し 「…特にないです」


永琳 「う~ん…?」ジー


名無し 「…」








名無し 「(結局今も効果が現れてないけど失敗したんじゃないのかな?でも何回も確かめたからそれはないって言ってたし…)」


名無し 「うーん…」タッタッタッ…


タッタッタッ…


鈴仙 「なーなし!」ポンッ 後ろから肩を軽く叩く


名無し 「…鈴仙」


優曇華 「どうしたの?なんか元気がないように見えるけど?」


名無し 「…元気ないわけじゃないけど気になることがあってな?」


鈴仙 「気になること?」


名無し 「うん でもそこまで気にする事じゃないから平気だよ」


鈴仙 「…そう?」


名無し 「あぁ 心配させて悪かったな?」


鈴仙 「いえ 私が勝手に心配したまでですから?それに、なにしろ師匠の初実験台でしたので…」ポリポリ…


名無し 「…なるほど よけい心配させてたみたいだな?」


鈴仙 「でも無事みたいで良かったです!」


名無し 「それは同感だな?俺も実験されて死にたくないからな…」


鈴仙 「私もです…」ハハハ…


名無し 「…そういえば薬草取りは終わったのか?」


鈴仙 「はい!意外にも早く終わったので良かったです!」


名無し 「今日の仕事は他にあるのか?」


鈴仙 「う~ん…今日はないと思います?」


名無し 「今日薬草取りだけ?」


鈴仙 「はい 本来なら真夜中に終わるはずだった仕事が早く終わったので今日は薬草取りだけです」


名無し 「…今何時?」


鈴仙 「えっと…約3時(15時)ぐらいですね?」


名無し 「3時(15時)か…」ウ-ン…


鈴仙 「?」


名無し 「…竹林の外ってどうなってるんだ?」


鈴仙 「竹林の外には人里や博麗神社、魔法の森などがありますよ?」


名無し 「人里あるの?」


鈴仙 「はい!とは言っても私が知ってる人里は一つしかありませんが…」


名無し 「人里ってそんなにないのか?」


鈴仙 「…そうですね?この近くには一つしかありませんね?」


名無し 「…寂しいな?」


鈴仙 「幻想郷ですから仕方ありませんよ」


名無し 「…そう言う問題なのか?」


鈴仙 「はい!そう言う問題です!」


名無し 「…そうか」


鈴仙 「…行ってみたいんですか?」


名無し 「行ってみたいけど…行っていいのか?」


鈴仙 「空いてる時間帯でしたら大丈夫ですよ?」


名無し 「でも一人で行くのは…」


鈴仙 「私も付いて行きますよ」


名無し 「いいのか?」


鈴仙 「構いませんよ 人里にはよく行ってるので詳しく教えられますよ?」


名無し 「…それじゃお願いしようかな?」


鈴仙 「はい!それでは早速行きましょう!」タッタッタッ…


名無し 「おう!」タッタッタッ…













人里…ではなく診療所



永淋 「…」カリカリ… 書類整理中



コンコン シショーイマナカニハイッテモヨロシイデショウカ?


永淋 「良いわよ 中に入って」カリカリ…


スゥー…


鈴仙 「失礼します」ペコッ


名無し 「失礼します」ペコッ


永淋 「どうしたの?2人揃って私の所に来て」


鈴仙 「今から人里に行くのでその知らせをしに来ました」


永淋 「あら?今日は薬を売りに行く日じゃないわよね?」


鈴仙 「今回は名無しを人里に案内するので行きます」


永淋 「なるほど?わかったわ でもあまり遅くならないようにしなさい?名無しは人間なのだから何かあった時危ないから」


鈴仙 「師匠!私の心配は!?」


永淋 「あなたは平気でしょ?」


鈴仙 「ししょー…」(´・ω・)


名無し 「…俺は刀持ってるから平気ですよ」


永淋 「夜道は危険なのよ なにかあったらうどんげを盾にしなさい?」


鈴仙 「酷いです師匠!!」Σ(゚□゚;)


名無し 「鈴仙を盾にするくらいなら自分が盾になって鈴仙を助ける事を優先します」


鈴仙 「…っえ?」


永淋 「あらあら?カッコいいこと言うわね?」ウフフ


名無し 「女性を守るのは男の役目ですからね?女性を盾になんか絶対しませんよ!」


永淋 「私でも?」


名無し 「当たり前です!自分より年上でも女性に変わりはありません!」


永淋 「」ピクッ


鈴仙 「…」


名無し 「…あれ?(今…先生の眉が動いたような…)」


永淋 「…あなた 私を何歳とおもってる?」


名無し 「っえ?…二十代前半だと見えますけど?」


永淋 「あら?そう!?」パァァッ!!


鈴仙 「(ナイス名無し!)」


名無し 「…?」


鈴仙 「では私達は人里に行ってきます 名無し行くよ!」グイッ


名無し 「っえ?あっあぁ…?」タッタッタッ…


鈴仙 「(余計な事を言われたらめんどくさい事になるから早く行こう!)」タッタッタッ…


パタンッ…


永淋 「…」


永淋 「二十代前半かぁ?うふふ!」ニコニコッ!!


てゐ 「…ババァが何言ってるウサ?」クスクスッ 物陰に隠れてる


永淋 「あぁんっ?」ギロッ


てゐ 「ひぃっ!!!?」ビクッ!!













迷いの竹林



タッタッタッ…


鈴仙 「名無し ここは迷いの竹林と言われている事は知っていますか?」タッタッタッ…


名無し 「迷いの竹林?」タッタッタッ…


鈴仙 「はい この竹林は慣れてない人が入ると必ず迷ってしまうんです」タッタッタッ…


名無し 「…確かにこの辺りの景色はどこも一緒に見えるから道に迷ってもおかしくないな?覚えるのめんどいな」タッタッタッ…


鈴仙 「仕方ありませんよ?そのように出来てしまったんですから」タッタッタッ…


名無し 「なんでそんなところに病院を建てたんだ?」タッタッタッ…


鈴仙 「さぁ?私もそこまでは…」タッタッタッ…


名無し 「…そうか」タッタッタッ…


鈴仙 「…あっ出口が見えてきました!」タッタッタッ…












人里



鈴仙 「ここが人里です」タッタッタッ…


名無し 「…結構人いるな?」タッタッタッ…


鈴仙 「それは居ますよ?人里なんですから」タッタッタッ…


名無し 「…まぁそうだけど」タッタッタッ…


人里の住民 「…おや?薬売りのお嬢さんじゃねぇか?珍しいね こんな時間に来るなんて?」


鈴仙 「はい 今日は同僚を人里に案内しているんです!」


人里に住民 「同僚って…」チラッ


名無し 「…?」


人里の住民 「これかい?」ピンッ 小指を立てる


鈴仙 「なっ!?ちっ違いますよ!同じ所で働いているだけですよ!」///


人里の住民 「そうかい?俺にはお嬢さんの彼氏にしか見えないけどな?」(・∀・)


鈴仙 「ちっ違います!私と名無しはそう言う関係じゃありません!!」///


人里の住民 「…名無し?」


鈴仙 「はい 名無しは自分の名前や一部の記憶がないんです なので名無しと言う名前で呼んでいるんです」


人里の住民 「…随分とありきたりな名前だな?」


鈴仙 「はうっ!!」グサッ!!


名無し 「ぷっ…」


人里の住民 「…あれ?俺なんか言っちゃいけないこと言った?」


名無し 「確実に言いました 名無しって名前を付けてくれたのは鈴仙だから」


人里の住民 「…っえ?」


鈴仙 「」ズーン… うずくまってる


人里の住民 「…そいつは悪いことをした」


名無し 「時間が経てば治るよ?今は放って置こう」


人里の住民 「…意外と冷たい奴だな?」


名無し 「慰めるやり方ってよくわかんないだ?」


人里の住民 「…あんた人里を案内してもらいにきたって言ってたよな?」


名無し 「言ってたのは鈴仙だけどなんでだ?」


人里の住民 「普通は皆人里の事を知ってるはずなんだが…あんた外来人か?それともそこの記憶がなくなっているのか?」


名無し 「いや、外来人であってる よくわかったな?ここの人達は皆能力使えるのか?」


人里の住民 「いや能力じゃないよ?ただ単に予想して言っただけだ」


名無し 「…よくわかんないな?」


人里の住民 「まぁそれは良いとしてだ?」


人里の住民 「ここにはいろんな店があるから長い時間かけて見て行くと良いよ!」


名無し 「そうさせてもらうよ?どういう店があるのか気になるからな」


人里の住民 「おう!…っと?俺もそろそろ行かないとな!それじゃ、お嬢さんの事を頼むな?」タッタッタッ…


名無し 「わかってるよ?それじゃ」 タッタッタッ…


名無し 「…鈴仙?」


鈴仙 「…どうせありきたりな名前ですよ」ブツブツ…


名無し 「…鈴仙」


鈴仙 「なんですか?今私は凄く傷ついています…」ムスッ


名無し 「(…まいったな?こういう時ってどうやって機嫌を直させればいいんだ?)」


名無し 「(…よく分からないけど適当にはやらないけど言葉を並べてみよう?)」


名無し 「なぁ鈴仙」


鈴仙 「なんですか?」ムスッ


名無し 「(かなり機嫌悪くしてるな?でも言わないと!)」


名無し 「俺はありきたりな名前でも嬉しいぞ?名前を付けてもらったんだからな」


鈴仙 「ありきたりな名前ですけどね?」ムスッ


名無し 「ありきたりな名前だろうが関係ないよ?鈴仙が付けてくれたんだから」


鈴仙 「…」


名無し 「だからあまり気を落とさないでくれ?そんな鈴仙見たくない」


鈴仙 「…っえ?」


名無し 「鈴仙は元気が一番だよ!だから元気出してくれ?」


鈴仙 「…」


名無し 「(…やっぱり言葉並べるだけじゃだめかな?他にもなにか言った方が良いのかな?)」


名無し 「(うーん…なんて言えば良いんだろう?)」ウーン


鈴仙 「…ふふっ!」クスッ


名無し 「? どうした?」


鈴仙 「いえ、名無しが本気で私のことを慰めようとしていると思ったらつい!」


名無し 「…?」


鈴仙 「そうですね 私には元気が一番ですね?」ヨット


鈴仙 「慰めてくれてありがとうございます!名無し」


名無し 「俺は当たり前な事をしただけだよ?だから礼はいらないよ」


鈴仙 「ふふっ!名無しは優しいですね?」


名無し 「…そうか?」


鈴仙 「はい!かなり優しいです」


名無し 「(優しいのかな?俺…)」ウーン


鈴仙 「それではそろそろ人里観光に戻りますけど良いですか?」


名無し 「あぁ!頼む」


タッタッタッ…



てゐ 「…良い展開だウサね?」ジー… 鈴仙達から少し離れた場所から隠れて覗いてる


文 「本当ですね?」ジー… 同じく鈴仙達から少し離れた場所から覗いてる


てゐ 「永淋から見張りをしてくるよう頼まれたけどこれはこれで面白いウサ」


文 「と言うかあの殿方は一体誰ですか?あのうさぎの彼氏ですか?」


てゐ 「それに近い存在だウサ」ククク…


文 「なんと!?人間が妖怪と好意を向けるなんてこれはなかなかないスクープですよ!!(一部除いて)」カリカリ!!…


文 「明日の新聞は人間と妖怪が付き合うに決定ですね!」


てゐ 「(私はなんも間違った事は言ってないウサ)」ククク…


文 「それでは、私は早速新聞作りに取りかかるのでこの辺で失礼します!」


てゐ 「出来たら私にも一部くれウサ」


文 「もちろん!それでは!」バサッ!!


てゐ 「…確か明日は薬売りの日ウサね?丁度いいウサ」


てゐ 「…面白くなりそうだウサ?」ククク…













夕方ー永遠亭



鈴仙 「只今戻りました!」タッタッタッ…


名無し 「今戻りました」タッタッタッ…


永淋 「お帰り 早速だけどご飯の用意をお願い出来るかしら?」


優曇華 「わかりました!」


名無し 「それじゃ俺も手伝う…」


永淋 「あなたはちょっと来てもらうわ」


名無し 「…っえ?」


永琳 「うどんげ ちょっと名無しを借りていくわよ?」


鈴仙 「…はい 構いませんが?」


永淋 「それじゃついて来て?」タッタッタッ…


名無し 「?」タッタッタッ…


鈴仙 「…なんで連れてったんだろ?」








実験室



永琳 「着いたわ」ガチャッ


名無し 「…またここですか」タッタッタッ…


永琳 「今度は実験じゃないから安心なさい」パタンッ


ガチャッ


名無し 「…なんで鍵閉めたんですか?」


永琳 「ここから先は覗かれたくも聞かれたくもないのよ」


名無し 「っえ?それってどういう…」


永琳 「単刀直入に聞くわ!」


永琳 「あなた うどんげに手を出したってほんと?」


名無し 「…はい?」


永琳 「さっき人里に言ってたわよね?その時てゐに偵察するよう行ってもらったの そしたらうどんげがあなたに襲われてるって聞いたのよ!」


名無し 「(あいつは何を言ってんだ!)」ワナワナ


永琳 「あなた本当に襲ったのかしら!?」


名無し 「んなわけないでしょ!?いくら鈴仙が可愛いからって襲うわけないでしょ!!」


永琳 「…本当かしら?」


名無し 「命を懸けて言いますよ!俺は普通に鈴仙と人里を歩ってただけです!」


永琳 「…」ジー 疑うような目


名無し 「…信じてほしいんですが?本当に襲ってませんよ?」


永琳 「…そう わかったわ?その言葉信じるわ」


名無し 「信じてもらえてなによりです…」ハァ…


永琳 「そんなに怖かったかしら?私の睨みつけ」


名無し 「恐ろしく怖かったです…」


永琳 「うどんげは私の大事な弟子だもの もしなにかあった時は私が面倒見ないといけないのは当たり前のことよ?」


名無し 「まぁそれはわかりますけど…」


永琳 「それとあなた うどんげの事可愛いって言ってたけどあれは本音かしら?」ニヤニヤ


名無し 「っえ!?そっそれは…」///


永琳 「うふふ!焦ってる焦ってる?」クスクス


名無し 「~っ!! 茶化さないでください!」///


永琳 「でも本当なのでしょ?うどんげのことを可愛いと思ってること?」


名無し 「~~っ!!!!!!」///カァァ!!


永琳 「うふふ!」


名無し 「…でも」


永琳 「?」


名無し 「…可愛いとは思ってるけど、思っていてもまったく意味なんてないのに…なんで思うんだろう?」


永琳 「…っえ?」


名無し 「思っていても信じてもらえるわけでもないのになんで思うんだろう?自分にはわからない…」


永琳 「…名無し?」


名無し 「どんなに思っても伝わらない どんなに思っても信じてもらえない…そんなことわかっているのになんで思うんだろう?思えば思うほど後に来る罪悪感が多く乗ってくる事をわかっているのに…」


永琳 「名無し!」


名無し 「っ!?」ハッ!!


永琳 「…大丈夫?」


名無し 「…あれ?俺…一体何を?」


永琳 「それはこっちの台詞よ 一体どうしたの?」


名無し 「…」


永琳 「…まさか 記憶が戻ったの?」


名無し 「…少しだけ思い出したような気がします」


永琳 「聞かせてくれないかしら?思い出した記憶のこと」


名無し 「…」


名無し 「昔…いろんな人に虐められていたんです はっきりとは覚えてませんが…」


永琳 「…虐められていた?」


名無し 「小さい時、いろんな人から虐められていたんです…なんで虐められていたかはわかりませんが皆からは殴られ蹴られ、大人からも見放されていた…そんな記憶を思い出しました」


永琳 「…そう これはかなり酷いわね?辛い過去を話させて悪いわね」


名無し 「いえ、構いません 教えないとわからないことですから仕方ありません 気にしないでください」


永琳 「…」


名無し 「…それに」


名無し? 「思い出さないといけない事を思い出したんだからなぁ?」ニタァ


永琳 「…っえ?」


名無し? 「俺は自分でやり遂げないといけない事を思い出した だから…」ス-… 刀を鞘から抜き取る


名無し? 「死ねっ!!」シュンッ!! 刀を振りかざす


永琳 「なっ!?」シュンッ!! 後ろ下がって避ける


名無し? 「っち!外しちまったか」スチャッ


永琳 「名無し!?いきなりなにするの!」


名無し? 「まず手始めにお前を殺ろうとしただけだが?」ニヤッ


永琳 「…なにを言っているの?あなたは今自分で言った事理解して言っているの?」


名無し? 「もちろん お前を殺すって意味だよ?それがなにか?」


永琳 「名無しはそういう性格じゃないでしょ?女性を守ろうとする優しい人でしょ!」


名無し? 「女を守る?はっ!誰がそんな事するかよ 女は殺される為に居るんだよ!」


永琳 「…っえ?」


名無し? 「この世に居る女は殺される為に居る!男は奴隷にするために居る それが世の中だ!」


永琳 「(…明らかにおかしいわ さっきまでの名無しとは全然違う性格だわ…一体何が起きたの?)」


名無し? 「さて、お喋りはここまでにして」スゥ… 刀を振り上げる


名無し? 「さっさと死ね!!」シュンッ!!


永琳 「くっ!(仕方ない 手荒だけど…!)」スッ… 拳を構えて名無しの腹に狙いを…



…ズキンッ!!


名無し? 「っ!?」


…ガシャンッ!! 刀を落とす


永琳 「…っえ?」


名無し? 「あっあぁぁ…!!!!」ズキズキズキズキッッッ!!!!!! 急激な頭痛に襲われる


名無し? 「あぁああぁぁあぁぁぁッッッ!!!!!!」ズキズキズキズキッッッ!!!!!!


永琳 「…名無し?」


名無し? 「あぁぁっっ!!!!あぁぁぁ…」ズキズキズキズキッッッ!!!!!!


ズキンッ!!!!


名無し? 「があぁっ!!!!!!」


フラァ…


永琳 「名無し!?」ガバッ


ポスッ


名無し 「」永琳に支えられる


永琳 「名無し!名無し!?」


名無し 「…」


永琳 「…気を失ってるだけ?」


永琳 「…いきなりの事で動揺してたけどこれは明らかに異常ね」


永琳 「頭を抑えてたみたいだけど…傷が開いたのかしら?」スッ 名無しの頭を調べる


名無しの後頭部を調べると英語のEが浮かび上がっている


永琳 「(…また文字が浮かび上がってる?傷は開いてないけどなんで文字が浮かび上がってるの?)」


永琳 「(英語のE…最初の文字を合わせるとデになるわね?でも一体どういう意味かしら まったくわからないわ)」ウーン


永琳 「(…調べる必要があるわね?)」



コンコン シショー?


永琳 「っ!?」ビクッ!!


ナンカスゴイオトガキコエマシタケド、ドウカシタンデスカ?


永琳 「なっ何でもないわ?それより夕飯の支度は出来てるかしら?」


ハイ ジュンビデキテイマス!アトハナナシトシショウガクルダケデス


永琳 「先に食べててちょうだい 私と名無しは後で食べるわ」


? ワカリマシタ デハサキニユウハンヲタベテイマスノデサメナイウチニオネガイシマス


永琳 「わかったわ 出来るだけ早く食べるわ」


オネガイシマス


タッタッタッ…



永琳 「…」


名無し 「…んっ」スゥ…


永琳 「っ!?」スッ


名無 「…あれ?俺、なんで寝て…」


永琳 「…」名無しに拳を向けている


名無し 「…えと、どういう状況ですか?先生」


永琳 「…名無し?」


名無し 「はい 名無しですけど…と言うかどういう状況ですか?」


永琳 「…あなた さっきの事を覚えているかしら?」


名無し 「っえ?さっきの事って鈴仙を襲ったか襲ってないかのことですか?」


永琳 「それ以外は?」


名無し 「っえ?…鈴仙が可愛いとの話しですか?」


永琳 「(…覚えてない?さっき言ったこと覚えてないの?)」


永琳 「(今の名無しが嘘言ってるようには見えないし…本当に覚えてないのかしら?)」ウーン…


名無し 「…あの、先生?」


永琳 「名無し 昔何が会ったかを話してみてちょうだい」


名無し 「っえ?…いや、だから記憶がなくてわからないんですけど?」


永琳 「…」ギロッ!!


名無し 「…先生?俺は本気で言ってますよ だからそんな目をしないで下さい 凄く恐いです…」


永琳 「(…本当に覚えてないの?それにさっきの性格と明らかに違うし…一体私が見た名無しはなんだったのかしら?)」


名無し 「…先生?自分なにかしましたか?」


永琳 「…覚えてないならいいわ 起きた瞬間に拳を構えて悪かったわね?」スゥ… 拳を構えるのをやめる


名無し 「いえ、構いませんが…」


永琳 「もう夕飯が出来てるらしいから行くわよ?」


名無し 「はい…」


名無し 「(一体、何だったんだろう…)」


タッタッタッ…













夜ー永琳の部屋(夕食スキップ)



永琳 「…」カリカリ… 仕事中


コンコン シショーイマイイデスカ?


永琳 「良いわよ」カリカリ…


スー…


鈴仙 「失礼します」ペコッ


永琳 「なにかようかしら?」カリカリ…


鈴仙 「名無しの姿が見えないんですけど、どこに居るのか知っていますか?」


永琳 「名無しなら庭で剣の素振りをするって言ってたわよ?」カリカリ…


鈴仙 「そうですか!ありがとうございます では早速行ってみます」


永琳 「名無しに何かようなの?」


鈴仙 「次のお風呂は名無しなのでそのことを知らせに行くんです」


永琳 「…へぇ?なるほど」ニヤッ


鈴仙 「…師匠?」


永琳 「うどんげ あなたはもう入ったの?」


鈴仙 「っえ?いえ、まだですが?」


永琳 「私が名無しに言っておくから先に入ってきなさい?」


鈴仙 「…なんでですか?」


永琳 「あなただって早くお風呂に入りたいでしょ?」


鈴仙 「…まぁ、それはそうですけど?」


永琳 「名無しは男だから後で入っても良いと思うわよ?」


鈴仙 「…はぁ?わかりました では私は先に入りますのでお願いします」


永琳 「わかったわ」


鈴仙 「失礼します」


パタンッ タッタッタッ…


永琳 「…」


永琳「てゐ?」


てゐ 「なんだウサ?」ニヤニヤ ヒョコッ 何処からともなく現れる


永琳 「…分かってるわよね?」


てゐ 「名無しに今入るよう言えば良いウサね?」ニヤニヤ


永琳 「えぇ 頼むわよ?」ニヤッ


てゐ 「任せろウサ」ニヤッ


タッタッタッ…


永琳 「…」


永琳 「たまには私からの悪遊しても良いわよね?」ウフフ













中庭



てゐ 「えっと?ここら辺に居るはず…」タッタッタッ…


てゐ 「…いたウサ!」タッタッタッ…



名無し 「…」目の前に丸太を立て、目をつぶって刀に手をかけて構えてる


てゐ 「おーい!」タッタッタッ…


名無し 「…」


てゐ 「名無しー!」


名無し 「…」


てゐ 「…無視?」


名無し 「…」スッ…


てゐ 「おー…」


名無し 「っは!!」サンッ!!


ザンッ!!!!…ドサッ 前に置いてあった丸太が切られて落ちる


てゐ 「っ!?」


名無し 「…ふぅ?一応通るけど結構キツいな」スチャンッ 刀を鞘に収める


てゐ 「…」呆然


名無し 「…っん?どうしたてゐ そんなところで突っ立って?」


てゐ 「…いや、名無しがそんな事出来るんだなと思ってウサ」


名無し 「習い事は覚えてるから鈍らないようにやってるだけだよ?別にそこまで凄くないだろ」


てゐ 「丸太を一瞬で切ることはなかなかだと思うウサ」


名無し 「…そうか?」


てゐ 「多分」


名無し 「…」


てゐ 「それより永琳が風呂入るよう言ってたウサ」


てゐ 「【早急にだとウサ】」


名無し 「…今すぐ?」


てゐ 「そうだウサ」


名無し 「なんで今すぐなんだろ?…まぁいいか」


名無し 「わかった 今すぐ着替え…っあ!」


てゐ 「着替えは私が用意しとくウサ」


名無し 「…サイズわかるの?」


てゐ 「名無しのサイズは中くらいウサ」


名無し 「…まぁMって言った方が早いが?」


てゐ 「着替えは後で私が用意しとくから早く入ってくるといいウサ」


名無し 「そうだな?剣の素振りして汗だくだから早く風呂に入ってくるとするかな」


てゐ 「風呂は医療棟の逆にある部屋の方にあるウサ」


名無し 「医療棟の逆側だな?わかった」


名無し 「それじゃ、着替え頼むな?」タッタッタッ…


てゐ 「任せろウサ」


てゐ 「…面白くなりそうウサ」ニヤッ













風呂場(露天風呂)



ジョロジョロ… お湯が流れてる


鈴仙 「…ふぅ?やっぱりお風呂は気持ち良いです」ハー…


鈴仙 「今日の疲れが取れていく…」ヌクヌク…


鈴仙 「…それにしても、師匠が名無しに伝えてくれるって言ってたけどなんでかなぁ?いつもならそんなことしてくれないのに」


鈴仙 「うーん…」


ガララ…


鈴仙 「っん?誰か入ってきた 師匠達はもう入ったはず…」


名無し 「…」タオルを巻いた状態で鈴仙と目が合う


鈴仙 「…」


名無し 「…れっ鈴仙?」


鈴仙 「…っ!!!!!?」///カァァッ!!


名無し 「わっ悪い!?今すぐ出る!」///ガッ!!


名無し 「…っえ?」


鈴仙 「なっなにやってるんですか!?早くでてください!!」///


名無し 「…ドアが開かない」ガッ…


鈴仙 「…っえ?」


名無し 「ここの扉って…鍵あるの?」


鈴仙 「いえ、ないはずですけど?」


鈴仙 「私が開けてみます」ザバー…


名無し 「わー!?出てくるな!!いくらタオル巻いてるからってお湯で張り付いて透けてると思うから出てくるな!!」///


鈴仙 「…名無しが後ろ向いてれば良い話しです」///


名無し 「気になって見ちゃうよ!?」///


鈴仙 「…と言うか、なんで入って来たんですか?今は私が入ってると聞いてるはずですよね?」///


名無し 「っえ?俺は今すぐ入れって言われたから入りに来たんだけど…」


鈴仙 「…っえ?師匠からですか?」


名無し 「いや、てゐから聞いた 先生からの伝言で至急風呂に入って来いって?」


鈴仙 「あのいたずらうさぎ…」ワナワナ


名無し 「…とっとにかく俺は早く出ないと?」ガッ 扉を開けようとするが開かない


鈴仙 「別に良いですよ?一緒に入っても」


名無し 「…っえ?」


鈴仙 「イヤらしい目で見てこなければ…一緒に入っても良いです」///


名無し 「…」///


名無し 「でっ出来るだけ努力する…」///タッタッタッ…








鈴仙と入浴中…(洗いスキップ)



ジョロジョロ…


鈴仙 「…」


名無し 「…」目をつぶってる


鈴仙 「…ねぇ、名無し?」


名無し 「なんだ?」


鈴仙 「確かに私はイヤらしい目で見なければ良いって言ったけど…目をつぶれとは言ってないよ?」


名無し 「イヤらしい目で見られてると思われるとやだから目をつぶってるんだ」


鈴仙 「…まぁ名無しがそれでいいなら構わないけど?」


名無し 「…」


鈴仙 「…ねぇ名無し?」


名無し 「なんだ?」


鈴仙 「…記憶がなくなるのって、どんな気持ち?」


名無し 「…どんな気持ちって言われても自分でもよくわからないよ?」


鈴仙 「…私ね?消したい記憶があるの」


名無し 「…っえ?」


鈴仙 「どんなに忘れようとしても忘れられない…自分が情けなくて辛い事から逃げてきた…そんな記憶が多くあるの」


鈴仙 「名無しが羨ましいよ?過去に何が会ったかを忘れる事が出来て…私も頭に傷を負えば消えるかな?」


名無し 「馬鹿なこと言ってんじゃない 俺だって好きでなったわけじゃないんだぞ?」


鈴仙 「わかってる わかってるんだけど…それでも、名無しが羨ましいの」


名無し 「…」


名無し 「毎日が良いことづくしだったら、俺はつまらないと思うな?」


鈴仙 「…そうかな?私は良いことづくしで良いと思うな」


名無し 「良いことづくしばかりだと必ず飽きが来ると思うぞ?だからたまに良い事が会って、悪い事があった方が良いと思う」


名無し 「それに、今鈴仙の記憶がなくなったら俺と会ったことまでなくなっちゃうから俺は悲しいな?」


鈴仙 「…っえ?」


名無し 「…」


鈴仙 「…名無し それ、どういう意味?」


名無し 「さぁね?それは鈴仙の考えに任せるよ」


鈴仙 「…」



永琳 「…意外とつまらないわね?」屋根の上から覗いてる


てゐ 「ほんとウサね」


永琳 「もっとイチャイチャするかと思ったのだけど…っち!」


てゐ 「そう簡単にうまくいかないウサ」


永琳 「残念ねぇ?」ハァ…








通路(風呂上がって移動中)



タッタッタッ…


名無し 「えーっと…俺の部屋はここか?」タッタッタッ


スー…


輝夜 「いらっしゃーい!」


名無し 「…っえ?」


輝夜 「っん?どうしたの?」


名無し 「…ここ、俺の部屋ですよね?」


輝夜 「そうよ ここは名無しの部屋よ?」


名無し 「なんで姫様が居るんですか?」


輝夜 「暇だったから!」


名無し 「…」


輝夜 「それより、あのうさぎと一緒のお風呂はどうだったかしら?」ニヤニヤ


名無し 「…姫様がやったのですか?」


輝夜 「やったのは永琳とてゐよ」


名無し 「あの二人は…」ハァ…


輝夜 「あのうさぎの胸はどうだったかしら?」ニヤニヤ


名無し 「目をつぶってたのでわかりません」キッパリ


輝夜 「大きかったかしら?」ニヤニヤ


名無し 「目をつぶってたのでわかりません」


輝夜 「…本当に目をつぶってたの?」


名無し 「目をつぶってました」


輝夜 「…つまんないわね?」ブー


名無し 「つまらなくていいです」


輝夜 「それより名無し 暇だから何かして遊びましょ?」


名無し 「もう夜なので遊びません 速やかにお眠り下さい」


輝夜 「まだ七時半過ぎだから大丈夫!」


名無し 「…はぁ、わかりました 自分でよろしければ寝る時間までお相手いたします」


輝夜 「わーい!」


名無し 「遊びは考えていられるのですか?」


輝夜 「今から考えるわ!」


名無し 「…」


輝夜 「うーん…名無しと一緒に遊べる遊びとなると?」


輝夜 「…そうだ!名無しのスペルカード作りをするのがいいわ!」


名無し 「スペルカード?」


輝夜 「えぇ!この世界はスペルカードを使った遊び…と言うか決まり事があるの?」


名無し 「決まりごと?」


輝夜 「弾幕ごっこと言ってね?スペルカードを使って相手を倒す決まり事があるの!」


名無し 「…よくわかりませんがこの世界にはスペルカードを使った遊びが決まり事として存在すると言うことですね?」


輝夜 「そう言うことよ!話しが早くて助かるわ!」


名無し 「でも、それは遊びではないと思うのですが…」


輝夜 「スペルカードを作るのを考えるのって結構楽しいわよ?」


名無し 「…そうなんですか?」


輝夜 「えぇ!それじゃさっそく考えるわよ!」バッ!!


名無し 「今どこから紙を出しましたか!?」


輝夜 「服の中からよ!」ドヤッ


名無し 「…まぁ紙ぐらいなら入りますか?」


輝夜 「あと名無し」


名無し 「はい?なんでしょうか」


輝夜 「敬語は控えてほしいわ」


名無し 「…っえ?」


輝夜 「鈴仙やてゐなら話しは別だけど、名無しは普通に接してほしいの」


名無し 「…普通にですか?」


輝夜 「えぇ お願い出来るかしら?」


名無し 「…」


名無し 「わかった 普通に接するよ?輝夜様」


輝夜 「様も禁止」


名無し 「…輝夜?」


輝夜 「うん!それでいいわ やっぱり普通に接した方が話しやすいわ!」


名無し 「(目上の人にタメ口ってヤバいよな…?)」


輝夜 「それじゃ、名無しのスペルカード作るわよ!」


名無し 「どんなカードを作って遊ぶんだ?」


輝夜 「…っえ?」


名無し 「っえ?」


輝夜 「…あぁ!具体的に話してなかったわね」


輝夜 「弾幕ごっこはスペルカードを使って戦うのだけどカードだけ使う遊びじゃないわよ?」


名無し 「っえ?違うのか?」


輝夜 「弾幕ごっこって言うのはそれぞれスペルカードを持って相手が出してくる弾幕を避けて当てる遊びよ」


名無し 「…戦闘系?」


輝夜 「そうよ!」


名無し 「…それって俺不利じゃないか?」


輝夜 「なんで?」


名無し 「俺能力使えない…」


輝夜 「…」


輝夜 「あなたなら平気よ!」


名無し 「間が怖いです!」


輝夜 「でも本当に能力使えないのかしら?案外気付いてないだけで使えるかしれないわよ?」


名無し 「そう言われてもなぁ?仮に使えたとしてもどうやって出せばいいのかわからないよ」


輝夜 「とりあえず弾幕が出せるか試してみれば?」


名無し 「どうやって?」


輝夜 「そうね?とりあえず弾幕出ろー!!って頭の中で考えてみればどうかな?」


名無し 「適当だな…まぁやってみるけど?」


名無し 「弾幕出ろー!!」Σ\(゚Д゚;)ビシッ


輝夜 「いや、声は出す必要ないと思うのだけど?」


…シーン


名無し 「…」


輝夜 「…」


名無し 「…やっぱり出せないみたい」


輝夜 「…もう一度やってみれば?」


名無し 「同じ結果になると思うんだけど…」


名無し 「…」スゥ…


輝夜 「(あっ次は声出さないんだ…)」



…ヒュン!! 弾幕が現れる


輝夜 「っ!」


名無し 「…」ヒュー… 目の前に弾幕が現れてその場で停止している


輝夜 「弾幕出てる しかも弾幕をその場で停止させてる?」


名無し 「…」ヒュー!!… 弾幕が段々と大きくなっていく


輝夜 「しかも大きくなってる!?」


名無し 「…発射」ビュンッ!!!!


ズドォォォンッッッ!!!!!!



輝夜 「っ!!!!!?」(○□○)


名無し 「…っあ」


ポッカリ… 壁にでっかい穴が開く


輝夜 「…」(゚Д゚)


名無し 「…ヤバい」 タッタッタッ!!…


スパーン!!


永琳 「なに今の音っ!!!?」


輝夜 「…」(゚Д゚)


名無し 「…先生」


永琳 「…えっと、これはどういう状況かしら?壁に穴が空いてるのも気になるけど…」


名無し 「えっと…話せば少し長いですが?」


永琳 「話してちょうだい」


名無し 「わかりました」


名無し説明中…


永琳 「…なるほど?姫様が名無しは弾幕が出せるかを聞いて試してみたらこうなったと?」


名無し 「はい…」


輝夜 「でも驚いたわ?名無しが弾幕出せるなんて」


名無し 「自分でも驚いています なぜ弾幕が出せたのかわかりません」


永琳 「元から使えたとか?」


名無し 「だとしたら自分の記憶に残ってる武術や剣道は習ってないと思います」


永琳 「…それもそうね?」


輝夜 「でも これで名無しも弾幕勝負が出来るから良かったわ!」


名無し 「まだやったことないから上手く出来るかわからないけど…」


輝夜 「なら今すぐしましょう!」


名無し 「…っえ?」


輝夜 「善は急げよ!行くわよ!」グイッ 名無しの服を掴んで引っ張る


名無し 「ちょっ!今夜だぞ!?もうすぐで寝る時間だから…」


輝夜 「まだ時間あるわ!行くわよ!」タッタッタッ…


名無し 「わかった!わかったから引っ張るな!?」タッタッタッ…


永琳 「…元気ねぇ?」 タッタッタッ…


? 「本当ね?」スー… 隙間を作って永琳の背後から現れる


永琳 「…なんのようかしら?隙間妖怪」


紫 「ちょっと報告したい事があってね?」


永琳 「報告?」


紫 「名無しの事で…っね?」


永琳 「…名無しの事を知ってるのかしら?」


紫 「もちろん知ってるわよ?名無しの名前や過去に何が会ったこともね」


永琳 「…」


紫 「…でも、そんな事を言いに来たんじゃないけどね」


永琳 「重要なことかしら?」


紫 「かなり重要よ 場合によっては霊夢だけじゃなく」


紫 「【神々全員揃って動くわよ!】」


永琳 「…っえ?」


紫 「今は平気だけどあの子かなり危険よ あなたより桁違いにね」


永琳 「…どういうことかしら?なぜ名無しが危険なのか なぜ神々までもが動くのかしら?」


紫 「今は知る必要ないわ いずれわかることなのだから」


永琳 「…それを阻止する方法は?」


紫 「ないわ」


永琳 「…」


紫 「まっ少しの間、めんどうをお願いするわ 名無しがおかしくなるまでね?」クスッ


永琳 「…」ギロッ!!


紫 「そんな顔しないで?もうどうしようも出来ない状況なのだから」


永琳 「…ならなおさらよ」


紫 「あら怖い?それじゃ、私はさっさと退散するわ それじゃあねぇ?」スゥ…


シュンッ 隙間が閉じて消える


永琳 「…」













永遠亭ー家近くの竹林



輝夜 「行くわよ名無し!」


名無し 「手加減してくれよ?」


輝夜 「わかってるわよ」


名無し 「(本当かなぁ…?)」


輝夜 「いくわよ!」スッ スペルカードを取り出す


輝夜 「【神宝 ブリリアントドラゴンバレッタ】」ビュンッ!! 弾幕が名無しに向かって飛んでいく


ヒュヒュヒュヒュッッッ!!!!!!…


名無し 「…っえ?」


ズドォォォンッッッ!!!!!!


輝夜 「…っあ!?いけない!つい紅妹とやる時と同じぐらいの強さでやっちゃったわ!?」


モクモク… 砂煙が舞って名無しの姿が見えない


輝夜 「名無しー!生きてる!?」


シーン…


輝夜 「…まさか、死んじゃった?」タラー…


? 「そんなわけないですよ?お姫様」背後から話しかける


輝夜 「っえ!?なっ名無し!?あなたいつの間に後ろに居たの!?」


名無し 「もとから居ましたよ?あなたの後ろに」


輝夜 「全然気がつかなかったわ…」


名無し? 「…それにしても」グイッ


輝夜 「…っえ?」腕を掴まれる


名無し? 「いきなり大技を出して攻撃してくるなんて、万が一当たったらどうするんだい?」


輝夜 「っえ?ちょっ名無し!?」


名無し? 「反省の色が見えないなぁ?そういう子には」ズイッ 顔を近づける


輝夜 「ちょっ名無し!?顔近いっ!!」


名無し? 「当たり前でしょ?顔を近づけてるんだから」


輝夜 「なっ名無し!さっきの弾幕の事は謝るわ!だから離れて!?」


名無し? 「んー?反省の色が見えないからだーめ」スッ


クイッ


輝夜 「っ!!!?」///顎クイされる


名無し? 「そんなに顔を赤くしてなにを想像しているのかな?」ニヤニヤ


輝夜 「っえ!?なっなんにも考えてないわよ!!」///


名無し? 「ふーん?それじゃ、自分の好きなようにさせてもらいますね?」スッ… 顔を近づける


輝夜 「っえ!?ちょっ名無し!!やだっ!?」///


名無し? 「輝夜さん…」スゥ… 唇を近づける


輝夜 「~~~っ!!!!!!」///






一方名無しの部屋では…



永琳 「…なんで私が壁修理してるのかしら?」シュゥゥ… 名無しが開けた壁を修理してる


永琳 「それにしても、弾幕ごっこやってるのなら音が聞こえてもいいと思うのだけど?一回しか聞こえなかったわね」シュゥゥ…


永琳 「…まさか、姫様は弾幕ごっこと言いながら名無しと接吻を!?」


永琳 「…それはないわね 姫様が人間相手に好意を向けるとは思えないわ」シュゥゥ…



キャアァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!


永琳 「っ!? 姫様の叫び声!?」


永琳 「何かあったのかしら?すぐに行かないと!」タッタッタッ!!…










名無し? 「…凄い声出すね?耳に響いたよ」キーン


輝夜 「~~~っ!!!!!!」///ピクピク… あまりにも恥ずかし過ぎて放心状態


名無し? 「そんなに嫌なら引っ込みますよ?って聞いてないか」


輝夜 「~~~っ!!!!!!」///ピクピク…


名無し? 「それでは またお会い出来たら良いですね?輝夜さん」 タッタッタッ!!…


永琳 「姫!どうかしましたか!?」タッタッタッ!!…


名無し? 「おっと?主様のお見えですか」


永琳 「…主?」


名無し? 「あなたは一度自分を見ていますよね?」


名無し? 「【裏の自分をね】」


永琳 「裏?…っ!!」ハッ


名無し? 「思い出しましたか?」


永琳 「…あなた、あの時の?」


名無し? 「今日の実験室で見た自分は裏の自分です そして今の自分は表の自分です」


永琳 「表?」


表の名無し 「はい わかりやすく言うと三重人格です」


永琳 「ほんとにわかりやすいわね?」


表の名無し 「わかりやすく言いましたからね」


永琳 「姫には何をしたの?姫が叫び声をあげるなんてよっぽどの事よ?」


表の名無し 「特になにもしてませんよ?ただ輝夜さんに顔を近づけたら急に叫んだんですよ」


永琳 「原因それよね?明らかにそれよね」


表の名無し 「自分にはわかりません?」


永琳 「…まぁいいわ それより、いつまで名無しの身体を使ってる気かしら?早く返してあげなさい」


表の名無し 「もう返しますよ 戻ろうとした時にあなた様が見えたので長居させてもらっただけです」


表の名無し 「では、自分はそろそろ戻りますけど本人には言わないで下さいね?まっ信じるかはわかりませんが?」


永琳 「…話したらどうなるのかしら?」


表の名無し 「今はどうにもなりません もう少し時間が経ちましたら大変な事になりますけどね?」


永琳 「っ! あなた知ってるの?」


永琳 「知っているのなら教えてちょうだい!名無しは一体どうなるの?」


表の名無し 「…すみませんがお答えできません」


永琳 「なぜ!あなたは名無しの身体を使って出て来ているのよね?だとしたら名無しの身体が万が一なくなればあなただって出て来れなくなるのよ!それでも言えないの!」


表の名無し 「…はい」


永琳 「…ひどいわね 自分の身体を見捨てるような物よ?」


表の名無し 「それが定めですから それを変えることは出来ません」


永琳 「定め?それが本当に定めなのかしら?」


表の名無し 「これ以上の話しはしないとしましょう そろそろ自分も疲れてきたのでね?」


永琳 「…都合の悪いときだけ逃げるのね?」


表の名無し 「なんとでも言ってください」


永琳 「ち【自己規制】ちっちゃいの?」ボソッ


表の名無し 「…それ、自分に言っても意味ありませんよ?」


永琳 「っち!」


表の名無し 「…それじゃ、一つだけ教えときます」


表の名無し 「名無しは2つの能力を持っています それだけは教えておきます」


永琳 「…2つ?」


表の名無し 「能力は表と裏を操る程度の能力 一つだけ教えときます それでは」ヒュンッ


永琳 「待ちなさい!」


名無し 「…あれ?俺は一体…」


永琳 「…戻ってしまったのね」ハァ…


名無し 「っえ?なにがですか?」


永琳 「なんでもないわ 気にしないで」


名無し 「…はぁ?」


輝夜 「~っ…」///プシュー…


名無し 「…輝夜はなんでこうなってるんですか?」


永琳 「…なにも知らないって罪ね?」ハァ…


名無し 「…っえ?」


永琳 「なんでもないわ それと、後は私が姫を運んどくから名無しは先に休んでなさい」タッタッタッ…


名無し 「…大丈夫ですか?」スッ 輝夜を渡す


永琳 「えぇ 明日だって朝早いのだから寝不足は身体に毒よ?」ヨイショット


名無し 「…わかりました では、先に休ませてもらいます」


名無し 「おやすみなさい」タッタッタッ…


永琳 「えぇ おやすみなさい」 タッタッタッ…


永琳 「…姫 お気づきになられていますか?」


輝夜 「すぅ…すぅ…」


永琳 「…心配して損したわ?」ハァ…













次の日の朝 永遠亭ー名無しの部屋



名無し 「すぅ…すぅ…」


タッタッタッ…


スー…


鈴仙 「名無しー 朝だよ?」タッタッタッ…


名無し 「すぅ…すぅ…」


鈴仙 「名無し朝だよ?起きて」ユサユサッ


名無し 「んん…っん?」スゥ…


鈴仙 「やっと起きた 早く起きないと寝坊しちゃうよ?」


名無し 「…」ボー…


鈴仙 「…名無し?起きてる?」スッ 名無しに近づいて起きてるかを確かめる


名無し 「…」スッ…


ガバッ


鈴仙 「っ!!!?」///急名無しに抱きつかれる


名無し 「…っあ、ごめん」スゥ…


鈴仙 「いっいきなりどうしたの!?急に抱きついてきて!」///


名無し 「いやー?鈴仙があまりにも可愛かったからつい!」


鈴仙 「っえ!!!?」///カァァ!!


名無し 「さて、起きるか?」スッ


鈴仙 「…からかわないで下さい?」


名無し 「からかった覚えはないよ 俺は本気で言ったんだから」


鈴仙 「…っえ?」


名無し 「…着替えたいんだけどいいかな?」


鈴仙 「っえ?あっごめんなさい!」タッタッタッ!!…


パタンッ


名無し 「…」


名無し 「こうでもしないと可愛いなんて言えないからな?おふざけ半分じゃないと言えないなんて男として恥ずかしいな」


名無し 「…さて、着替えよう」スクッ


タッタッタッ…








通路



鈴仙 「…」///名無しの部屋の横で待ってる


鈴仙 「(名無し…私の事本気で可愛いって言ってたけど本当なのかな?)」///ドキドキ…


鈴仙 「(お世辞でも嬉しいけど…名無しがお世辞で言ってるようには見えなかったし)」///ドキドキ…


鈴仙 「(…なんで私こんなにドキドキしてるの?何かの病気?)」ドキドキ…


鈴仙 「(…いや、病気なんかじゃない なんだろう…この気持ち?)」///ドキドキ…


スー…


名無し 「おはよう鈴仙 待たせたな」


鈴仙 「あっおはよう名無し!全然待ってないよ」 パタンッ


名無し 「朝は朝食作りだよな?」


鈴仙 「うん 師匠や姫様の分を作って私達の分も作るの!」


名無し 「てゐの分は?」


鈴仙 「…あまり作りたくないけど作らないと後々めんどうだから渋々作るしかない」ハァ…


名無し 「…確かに 作らなかったら作らなかったでいろいろいたずらしてきそうだからな?」


鈴仙 「それがあるからいやなのよ…」ハァ…


名無し 「…まぁ仕方ない」


鈴仙 「それじゃ、早く作りに行こう?」


名無し 「おう!」


タッタッタッ…








永遠亭ー厨房



名無し 「今日はなに作るんだ?」


鈴仙 「うーん…今日は竹の子ご飯にしようかな?」


名無し 「竹の子ご飯とおかずは?」


鈴仙 「おかずは肉じゃが、人参のお新香、玉子焼き、茸の味噌汁でいいかな?」


名無し 「…人参のお新香?」


鈴仙 「あっ人参のお新香はもう漬けてあるから大丈夫だよ 名無しは料理ってどのくらいできる?」


名無し 「今言ったメニューなら全部作れるよ(人参のお新香ってなんだろう?)」


鈴仙 「それじゃ名無しは肉じゃがと玉子焼きをお願いできる?私は竹の子ご飯と茸の味噌汁と人参のお新香をやるから」


名無し 「わかった!」


鈴仙 「材料は昨日の倉庫にしまってあるから行くよ?」


名無し 「おう!」


タッタッタッ…








冷蔵庫



カチャッギィィ…


ヒュゥゥ… 冷気が漂う


名無し 「…相変わらず寒いな?」


鈴仙 「仕方ないよ?冷蔵庫ですから」


名無し 「てか、今日使う素材ってどこにあるんだ?」周りにはいろんな素材が置いてある


鈴仙 「名無しはそっちに置いてある竹の子と茸、卵を運んで?私は鶏肉とジャガイモと味噌と人参のお新香を持って行くから」


名無し 「そんなに持てるのか?」


鈴仙 「大丈夫です!いつもやっている事なので慣れています!」


名無し 「あまり無理するなよ?」


鈴仙 「わかってます!名無しこそ気をつけてくださいね?」


名無し 「わかってるよ」タッタッタッ…


鈴仙 「よし!まずはジャガイモを運ぼう!」ガシッ 土袋に入ってるジャガイモを掴む


鈴仙 「よいしょっと!」ンンー!!


鈴仙 「…重い」


鈴仙 「うーん…開けて取った方が早いけどいくつ使うかわからないからなぁ?」


鈴仙 「…」スゥ…


鈴仙 「根性ー!!!!!!」グググッ!!!!!! 力任せにジャガイモの入った袋を持ち上げる


ズルッ


鈴仙 「っあ」足を滑らせて後ろに倒れる


名無し 「鈴仙!?」ダッ!!



ズテーンッ!!!! グシャッ←ジャガイモが粉砕する音


鈴仙 「うーん…ってあれ?痛くない…?」


名無し 「当たり前だろ?俺が受け止めたんだから」


鈴仙 「…っえ?」


後ろから抱きつかれて名無しがクッションになっている


鈴仙 「…っ!!!?」///カァァッ!!


名無し 「まったく、気をつけるよう言ってた本人が危ない目に会ってどうするんだよ?」


鈴仙 「すっすみません…」///


名無し 「まっ怪我してないみたいだから良かったよ 次から気をつけてくれよ?」


鈴仙 「はい…」///


名無し 「…? どうした?どこか痛めたか?」


鈴仙 「あっいえ、その…」///


名無し 「?」


鈴仙 「…いつまで抱きついているのかなぁと思いまして?」///


名無し 「…っあ!?」///バッ すぐさま鈴仙から離れる


鈴仙 「…」///


名無し 「ごっごめん いつまでも抱きついて…」///


鈴仙 「あっいや!?そこまで気にしてたわけじゃないよ!?私を受け止める為に抱きついたのだから…」///


名無し 「…」///


鈴仙 「…」///


名無し 「…朝ご飯、早く作ろうか?」///


鈴仙 「そっそうですね?早く作りましょう…」///



? 「…」ニヤニヤ













調理場



名無し 「…」ジュー… 玉子焼を作ってる


鈴仙 「…」グツグツ… 茸の味噌汁を作ってる


名無し 「ふーっ!ふーっ!」ヒュー!!…ヒュー!!…


ボォォォォォッ!!!!…


鈴仙 「…」パタパタパ… うちわを使ってる


特にイベントなしなのでスキップ













リビング



スー…


永琳 「おはよう」タッタッタッ…


鈴仙 「あっおはようございます!師匠」


名無し 「おはようございます」


永琳 「あら?名無しも朝ご飯作ってるの?」


名無し 「はい 作ってますが…なにか?」


永琳 「料理出来るの?」


名無し 「簡単な物でしたら出来ます」


永琳 「…へぇ?男の手料理なんて食べたことないから楽しみね 期待してるわよ?」


鈴仙 「師匠!私の料理は!?」


永琳 「あなたの料理はいつも食べてるから別に期待してもねぇ?」


鈴仙 「そんな~…」(´pωq`)


名無し 「…俺は楽しみだぞ?鈴仙の手料理はまだ一回しか食べてないからもう一度食べたいな」


鈴仙 「…本当ですか?」


名無し 「あぁ!昨日食べたご飯もおいしかったからな 毎日でも食べたいよ?鈴仙の手料理!」


鈴仙 「…っえ?」


永琳 「毎日でも食べたいの?うどんげの手料理」


名無し 「はい!いつでも食べたいです!」


永琳 「…ふーん?」ニヤニヤ


名無し 「…? どうしましたか?先生」


永琳 「いいえ 別になんでもないわ?」ニヤニヤ


名無し 「?」


鈴仙 「…」///


永琳 「…あなた達って相性合いそうね?見てて思うけど?」


名無し 「っえ!?」///ドキッ


鈴仙 「…」///


永琳 「あらあら?二人とも顔を赤くしてどうしたのかしら?」クスクス


名無し 「せっ先生が茶化すからですよ!?いちいちそう言う茶化しはいりませんから!」///


永琳 「あら?私は相性合いそうねと言っただけよ?誰も恋愛として合いそうなんて言ってないわよ?」ニヤニヤ


名無し 「~~~っ!!!!!!」///カァァッ!!


鈴仙 「…」///カァァ…


永琳 「うふふ!さらに顔を赤くしておもしろいわね?」


名無し…? 「…そうですね?おもしろいですよね」


鈴仙&永琳 「「…っえ?」」


名無し…? 「…」


鈴仙 「…名無し?」


永琳 「…まさか!」ガシッ!!


名無し 「っ!?」永琳に肩を掴まれる


永琳 「」ギンッ!! 名無しに睨みつける


名無し 「っ!!!?」ビクッ!!


鈴仙 「…?」


永琳 「…」


名無し 「…あのっ先生?どうかしましたか?」


永琳 「…」


鈴仙 「…師匠?」


永琳 「…名無し なにか昔の事思い出した?」


名無し 「っえ?いえ…なにも?」


永琳 「本当に?」


名無し 「はっはい…」


永琳 「…」


鈴仙 「師匠 どうしたんですか?いきなり名無しの肩を掴んで…っ! まさか!?」


鈴仙 「師匠駄目ですよ!名無しとキっキスしようとしては!?」///


永琳&名無し 「「…っえ?」」


鈴仙 「わっ私知ってるんですよ!殿方の肩を掴んだ時はキっキスする意味だと!?」///


名無し 「っえ!?」///


永琳 「…。」


鈴仙 「そうですよね師匠!」///


永琳 「…私はいつからショタコンになったのかしら?」


鈴仙 「…っえ?違うんですか?」


永琳 「違うに決まってるでしょ!あなたは私をなんだと思ってるの!」


鈴仙 「…名医だと思ってますが?」


永琳 「…まぁそれでいいわ ショタよりマシだわ」


鈴仙 「?」


名無し 「…あの、俺はいつまで肩を掴まれているのでしょうか?」


永琳 「あぁごめんなさい?私の勘違いみたいだわ 気にしないで?」スッ


名無し 「…はぁ?」


永琳 「さっ二人とも?もうすぐで姫様が起きてくるわ だから早く朝ご飯の支度をお願いするわ?」


鈴仙 「…わかりました?」タッタッタッ…


名無し 「はい…?」タッタッタッ…


永琳 「…本当に気のせいかしら?」








人里の近くー薬売りに行く途中



鈴仙 「名無し もうすぐで人里だよ?」タッタッタッ…


名無し 「わかってるよ?昨日行ったんだから知ってるよ」タッタッタッ…


鈴仙 「いやー?もう忘れてるかと思って?」


名無し 「さすがに忘れないよ…今後行くことになるかもしれないんだから覚えておかないと?」


鈴仙 「私と一緒にじゃないと行けないけどね?」クスッ


名無し 「怒るぞ?」ムスッ


鈴仙 「ふふ!ごめんね?なんか名無しと居るとおもしろくて」


名無し 「まったく…」


鈴仙 「~♪…ってあれ?」


名無し 「っん どうした?」


鈴仙 「いや…なんか人里が騒がしいなぁと思って?」


名無し 「っえ?…確かに、なんか人が結構外に出てるな?」


鈴仙 「なにかあったのかな?」


名無し 「でも悪い方の騒ぎじゃなさそうだな?誰も人里から出ようとしてないし」


鈴仙 「まぁ行ってみればわかることだね」


名無し 「そうだな?行ってみよう」


タッタッタッ…


 …











人里



ガヤガヤッ!!…


鈴仙 「…」タッタッタッ…


名無し 「…」タッタッタッ…


ガヤガヤッ!!!!… 周りの人々は鈴仙達を見てなにかを話してる


鈴仙 「…なんかさっきから視線が痛いような?」タッタッタッ…


名無し 「俺も視線が痛い…なんで?」タッタッタッ…


タッタッタッ!!…


人里の住民A 「よう!また会ったな!」


名無し 「昨日の…どうかしたのか?なんかみんなの視線が痛いんだけど?」


人里の視住民A 「なに言ってんだよ?主役がよぉ!」


鈴仙&名無し 「「…っえ?」」


人里の住民A 「昨日はあんな事言ってたけど やっぱり2人はそう言う関係だったんだな!お熱いねぇ?」


鈴仙 「…なんの事ですか?」


名無し 「熱い関係って…俺達は付き合ってないぞ?」


人里の住民A 「なに言ってんだよ!今日の新聞見なかったのかい?」


名無し 「新聞?」


人里の住民A 「これだよ!」スッ 新聞を見せる


名無し&鈴仙 「「…」」



文々新聞 今日の特報!!


永遠亭の薬売りのウサギ「鈴仙・優曇華・イナバ」が人間の男と付き合っていることが判明!!

その男の名前は「名無し」記憶喪失で自分が誰か、過去に何が会ったかを思い出せない人間に鈴仙は名前を付けてあげた名付け親!!

その男は外来人らしく、詳しい事は不明だが付き合っていると言う話しを聞いて判明しました!!



証人:ある兎のTさん

Tさんの一言


【あの二人は熱い関係で同じ職場でもイチャイチャラブラブしているウサ まったくいい迷惑だウサ】


更に!!今日の朝方に取材しに行った時に二人の共同作業を目撃しました!!

その姿を見ていたら…なんと!?見てはいけない光景を見てしまいました!!

それがこちらです!!


 ○○○○○○○○○○○○○○

 ○○○○○○○○○○○○○○

 ○○○○○○○○○○○○○○ ←写真と思

 ○○○○○○○○○○○○○○  い下さい

 ○○○○○○○○○○○○○○

 ○○○○○○○○○○○○○○

 ○○○○○○○○○○○○○○

 ○○○○○○○○○○○○○○

 ○○○○○○○○○○○○○○


以上今回の特報でした!!



鈴仙 「こっこの写真って…」///


名無し 「朝鈴仙がジャガイモの入った袋を運ぼうとしたときの…」


人里の住民A 「いやー?妖怪と人間が恋に落ちるなんてなかなかない話だから皆盛り上がってるよ!」


名無し 「ま、待ってくれ!?俺と鈴仙は本当に付き合ってないしイチャイチャもしてない!?」///


人里の住民A 「恥ずかしがるなよ?この色男!」


名無し 「いや!?本当に付き合ってないんだって!?」///


鈴仙 「…名無しは私とじゃ何か不満なんですか?」シュン…


名無し 「いや、不満なんて一つもないよ!?てか余計に勘違いされるからそう言うこと言わないで!?」


人里の住民A 「いやー?いい光景だねぇ!」


名無し 「~っ!! 鈴仙!早く薬売りに行こう!」///タッタッタッ…


鈴仙 「っえ?ちょっと場所もわかってないのに先行かないでよ!」タッタッタッ…


人里の住民A 「いやー!愉快愉快!!」













人里ー薬売り場所



名無し 「…」 ガヤガヤ…


鈴仙 「ありがとうございます!」薬販売中


人里の住民B 「お二人さん幸せにね?」


鈴仙 「いえ、本当に付き合ってないんです…」


名無し 「…」 ガヤガヤ…


鈴仙 「はい 風邪薬です!ありがとうございます!」


人里の住民C 「結婚式には呼んでくださいね!私絶対参加するんで!」


鈴仙 「結婚するどころか付き合ってもないのです!本当に誤解なんです!」


名無し 「…」 ガヤガヤ…


鈴仙 「…名無し?さっきから黙りっぱなしだけど、どうしたの?」


名無し 「…いや、別に」ハァ…


鈴仙 「…」


…バサッ!!


文 「あやや?なんか怪しい雰囲気ですね」スタッ 名無し達の目の前に現れる


鈴仙 「誰のせいでこうなったと思っているの?文」


文 「いや~!妖怪と人間が好意を向けるなんてなかなかない話しでしたので勝手に書いてしまって申し訳ありません!」


名無し 「…だれ?」


鈴仙 「鴨天狗の文 新聞屋をやってる今回の犯人…」ハァ…


名無し 「…こいつのせいか?」ハァ…


文 「あなたの事は聞いていますよ?記憶喪失の名無しさん」


名無し 「…一体誰から聞いたんだ?」


文 「とある兎さんからです!」


鈴仙 「てゐね」


名無し 「しかいないな?はぁ…」


文 「まぁ誰かは言いませんが最高の特ダネありがとうございます!」


名無し 「…鈴仙 もう帰ろう?」


鈴仙 「っえ?あっうん…別に良いけど?」


文 「あやや?もう帰られるのですか?」


名無し 「あんたが居るからもう帰りたい」


文 「ひどいですね?私はあなたといつまでもいたいのに…」ウルルン…


鈴仙 「…っえ?」


名無し 「どうせ取材する意味でずっと居たいんだろ?」


文 「バレましたか?」エヘヘ


名無し 「バレバレだよ 取材をする人は皆そう言って相手を間違わせるからな?」


文 「でも、約一名勘違いしてるみたいですよ?」チラッ


名無し 「…っえ?」チラッ


鈴仙 「…なっなに?」


文 「鈴仙さん 今私が名無しさんとずっと一緒に居たいと言った瞬間戸惑いましたよね?」


鈴仙 「っえ!?」///


名無し 「…あんたまで鈴仙を茶化すな?」


文 「あんたもって事は私以外にも言ってる方が居るのですか?」


名無し 「(しまった 余計な事言っちゃったよ…)」


文 「それに他の方もそう言うという事は二人はそう言う関係に見えると言う事ではないのですか?」ニヤニヤ


名無し 「…鈴仙 もう帰ろう」


鈴仙 「うっうん…」///カチャカチャ…スッ 荷物を片付けて背中で背負う


タッタッタッ…


文 「あやや…怒らせてしまいましたかね?」


文 「…でも、あの二人なら相性合いそうなんですけどねぇ?」


文 「…まだ調査する必要がありそうです!」バサッ!!













迷いの竹林



鈴仙 「…」タッタッタッ…


名無し 「…」タッタッタッ…


鈴仙 「…」タッタッタッ…


名無し 「…」タッタッタッ…


鈴仙 「(…気まずい ここに入ってからずっと喋ってないからすごく気まずい)」


鈴仙 「(なにか話した方が良いのかな?…でも、今名無し機嫌悪いみたいだし…)」ウーン…


名無し 「…」タッタッタッ…


鈴仙 「…ねぇ 名無し?」タッタッタッ…


名無し 「…なに?」


鈴仙 「その…今怒ってる?」


名無し 「…別に、怒ってないよ?」


鈴仙 「…ほんと?」


名無し 「鈴仙に怒ってもしょうがないだろ?鈴仙に当たったりなんかしないよ」


鈴仙 「…そう?それならよかった」ホッ…


名無し 「…」


鈴仙 「…ねぇ名無し ちょっと聞いても良いかな?」


名無し 「なに?」タッタッタッ…


鈴仙 「…私と付き合うの、そんなに嫌?」タッタッタッ…


名無し 「…」


鈴仙 「…」


名無し 「…嫌だったら一緒にいないよ」


鈴仙 「…ほんとに?」


名無し 「こんな事で嘘なんかつかないよ」


鈴仙 「…そう それならよかった」ホッ


名無し 「…それに、【むしろ好きだから一緒に居るんだよ】」ボソッ


鈴仙 「…っえ?」


名無し 「…」


鈴仙 「…名無し 今なんて?」


名無し 「二度は言わないよ」タッタッタッ…


鈴仙 「…」タッタッタッ…



文 「…ついて来て正解でしたね?やっぱりあの二人は相性が良いです!」鈴仙達から少し離れて尾行してる


文 「もっと凄い特ダネが撮れそうですね?もっと観察しなければ!」 スゥ…


紫 「それ以上はやめなさい」文の後ろに隙間を作って現れる


文 「おや?隙間妖怪の紫さんではないですか なぜこのようなところに?」


紫 「これ以上名無しの情報を集めるのを止めるよう言いにきたのよ」


文 「なぜでしょうか?名無しの情報を集めるとなにか起きるのですか?」


紫 「今はまだ起きないわ でも、もう少し日にちが絶てば…」


文 「…絶てばどうなるのでしょうか?」


紫 「話してあげるけど これを新聞や誰かに話したら」


紫 「【あなたを消させてもらうわよ】」


文 「またまたご冗談を?…と言いたいですが、あなた様がそのようなことで嘘を付くとは思えませんね」


紫 「今回ばかりは洒落にならないのよ 霊夢だけじゃなく戦える者は全員動くわ」


文 「…では、それを皆に伝えた方が良いのではないでしょうか?その方が動く時にすぐ動けるので?」


紫 「今その話しを聞いたらすぐ行動に移す者が出てくるはずよ?」


文 「起きる前に止めれば良いのではないのでしょうか?」


紫 「出来たらやってるわ」


文 「…と、言いますと?」


紫 「事前に止める事は不可能ってことよ」


文 「…なら、なぜ今の内に処理しないのですか?事前に止める事が出来ないのなら今仕留めれば良いのではないでしょうか?」


紫 「本来ならそうしたいわ?でも、今名無しを殺したらまた誰か死ぬことになるわ」


文 「なぜですか?なぜ名無しさんを殺したら別の方も亡くなられるのですか?」


紫 「…」


文 「…紫さん?」


紫 「ここから先は話してはいけない事だけど、あなたも協力してくれるのなら話してあげるわ …どうする?」


文 「…具体的に何をすれば良いのですか?それによっては受け入れます」


紫 「簡単なことよ?名無しが大変な事になった時、皆に応援要請を速急に伝えてくれればいいわ」


文 「みんなといいますと?」


紫 「霊夢には私が言うわ あなたは吸血鬼や地底の住民、天人、守矢神社、命連寺、人里の教師、閻魔大王、死神、人形使い、魔界の住民、無名の丘に居る住民、太陽の畑の住民、白玉楼の住民、妖怪の山の長やいろいろなところに回って名無しの事を話して手伝うよう言えばいいわ 簡単でしょ?」


文 「…かける言葉によっては難しいかもしれません なんと言えばよろしいのでしょうか?」


紫 「こう言えば皆手伝うはずよ?」


紫 「【西行寺幽々子と同じ能力を操る者がいる その者は裏と表を操る者でもある】」


文 「っ!!!?」


紫 「あなたでもわかるわよね?射命丸文」


文 「…」


紫 「驚き過ぎて言葉もでないかしら?でも本当よ 今私が言った事はね」


文 「…本当なんですか?西行寺幽々子さんと同じ能力がついてる上に裏と表を操るなんて…」


紫 「何度も言わせないで頂戴?本当のことよ」


文 「それなら直ぐに始末した方が良いのでは?」


紫 「さっきも言ったけどそれは無理 今殺したら他の誰かを殺すことになるって言ったわよね?と言っても、ちゃんと説明していなかったからわかるわけないわよね 一回しか言わないから良く聞きなさい?」


紫 「今名無しを殺したらその能力が別の何かに遺伝するの 本人の意思関係なくね?」


文 「遺伝?」


紫 「名無しの能力は二つ 一つ目は【裏と表を操る程度の能力】そして二つ目は幽々子と一緒の能力」


紫 「一つ目は誰かに移る事はないと思うけど、二つ目は絶対に移るの だから今すぐ殺す事は出来ないの?」


文 「なるほど それで直ぐに殺せないのですか?」


紫 「その能力を他の誰かに行かないようにするには名無しが完全に覚醒した時に封印をしなくてはいけない 今の状態だとまだ表に出てきてないから封印出来ないのよ」


文 「…覚醒した名無しさんを封印したら、名無しさんはどうなるんですか?」


紫 「…」


文 「…」


紫 「…まっその事は置いといて」


紫 「その時になったらよろしくね?文」


文 「…はい わかりました」


紫 「それじゃ、私は帰らせてもらうけど…ちゃんとお願いね?」スゥ…


シュゥゥ… 隙間の中に入って閉じる


文 「…」


文 「今回の異変は…本当にやばいですね」


文 「…かわいそうですね 名無しさん」








この作品の続きは【悲しみから消える涙 続】になります

4万5千字以上辺りで書けなくなってしまうので新しくお書きします

今後とも悲しみから消える涙を宜しくお願いします


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