キリとスコーチ
この作品はタイタンフォール2に登場するスコーチという機体と東北きりたんの物語です、タイタンフォール2の元々のストーリー再現などではありません
公式設定に合わない事もありますご注意ください
また戦闘シーンなども苦手ではございますがあるので見たくない方はブラウザバックしてください
序章
第一幕
第二幕
第三幕←イマココ
キャラクターイメージはこちら
https://twitter.com/Ku_Twilight_SKY/status/869036379732234240
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「ふぅ…飲み水よし、食べ物よし、この森は当たりだね」
「…姉様方、無事だといいけど……」
人っ子一人いなさそうな森の中、歩いていくのは一人の少女。川のせせらぎ、小鳥の鳴き声、風のそよめき、太陽の木漏れ日
そんな美しい風景の中を彼女は進んで行く
「〜♪」テクテク
およそ14歳くらいだろうか、小豆色の髪を2つに結び小さな包丁のようなものがついた髪留めをして、服装は森を歩くには適してはいないであろう淡い桃色の着物を着ている。
「きりたんぽっぽ〜きりたんぽ〜♪」テコテコ
そんなどこか不思議で愉快な歌を歌いながら森を歩いていく少女
「お味噌を塗って〜………ん?何だろうあれ」ピタッ
そう言って立ち止まった彼女の視線の先には
自然豊かな森にはあまり似つかないであろう
大きな機械の塊だった
「…?ちょっと見てみよう」テクテク
近づいてくとそれは全長およそ6~7mくらいだろうか
ロボットであった
「タイタン…?でも何でこんな所に1機だけ…」
タイタン、そう少女は口にした
彼女はそれを知っていたのだ
「動作もしていない…パイロットは…あ」テクテクピタッ
そこにはフルフェイスのヘルメット、特殊なスーツのようなものが整頓されて置いてあった
「…そう、あなたの持ち主はそう選択したのね」スッ
そう言ってヘルメットを持ち上げる
その瞬間
「…………シス%×再起<.システ#再起動」シュウウウウゥゥゥ・・
「わわっ」ドサッ
驚いた拍子に腰を抜かす少女
「…バッテリーより供給確認、視覚システム音声識別システム及び各動作を確認」
「おはようございます、貴女が新規のパイロットですか?」
機械はそう尋ねる
「いえ…私はたまたま通りすがっただけ、あなたのパイロットは?」
「元パイロットでしたら私にここでスリープの指示を出しそれ以来です」
「そう……」
どこか悲しそうにヘルメットと機械を見つめる
機械の目のようなパーツも少女を見つめる
「はぁ…関わっちゃったら放って置けないじゃない、何してんの私」ボソッ
「…分かったわ、私が新規パイロットになります。…っとと、ヘルメットするのに髪飾りは邪魔ね」
そう言って手早く髪飾りを外し、慣れた手つきで別のヘアゴムでおさげにし、髪飾りを首のチョーカーへと付けヘルメットを被る
暗転、したのは束の間視界が取り戻されると同時に様々な情報が表示される
また慣れた手つきでスーツを身に纏う
「………ますか、聞こえますかパイロット」
「ええ、最近のパイロット用ヘルは便利ね」
「私はScorch型2714番重量級タイタンSC-2714、スコーチとでもお呼びください」
「私は…キリよ、呼び方はパイロットでいいわスコーチ」
スコーチ「了解しました、それでは搭乗を推奨しますパイロット、付近に敵性反応あり」
キリ「えー…早速戦うのかい…」タッタッヒョイッ
軽快なジャンプでスコーチの搭乗席に向かう
スコーチ「戦闘システム起動、AIオフライン、パイロットモードへ移行します」
キリ「私が戦えってね…あなた武装は?」
スコーチ「T-201テルミットランチャー、右にファイアーウォール、左にシールドが貼れますパイロット」
キリ「ふーん…取り敢えず全武装ロック、敵性反応の正体探って」
スコーチ「…了解、敵性反応10時の方角よりおよそ2、現住生物だと」
ガサガサ
???「キシャー!」ザッ
キリ「穏便に済ます様子は…無さそうね」ガチャ
???「シャーッ!」ダッ
生物がスコーチに飛びかかる
キリ「うーん、30点」ガチャッ
と、同時にスコーチの左手が生物を捕らえる
???「シャ、シャー!」ジタバタ
???2「フシャーッ!」ザッ
もう1匹は警戒してかその場を動く様子はない
…徐々に捕らえた方の生物が大人しくなる
???「シュルル…」クタン
キリ「騒がせちゃってごめんね?でも君たちを襲う気は無いから…って言っても無駄か、ほらお帰り」カチャカチャ
そっと生物を地面に降ろすスコーチ
???「フシュルルル…」
???2「シャーッ!シャーッ!」
???「フシュー」タッタッタッ
???2「フシーッ!」タッタッタッ
キリ「ふう…何とかなったね」
スコーチ「いいのですか?」
キリ「何が」
スコーチ「彼らまた襲ってくるかもしれません」
キリ「その時はその時よ、それにあなたの武装はテルミット系でしょ?森が燃えたらどーすんのよ」
スコーチ「…」
キリ「はぁ…まあいいわ、取り敢えずこの森を抜けましょう」ガシャ プシュー…
キリ「よっと」タッ スタッ
キリ「ふぅー…やっぱ外の空気は美味しいわ」カポッテクテク
スコーチを降りヘルメットを外し、自分の荷物を持ち上げるキリ
キリ「さ、行くわよスコーチ、取り敢えず森を抜けましょう。プロトコルに関しては道すがら聞かせてもらうわ」テクテクテク
スコーチ「了解」ズンッズンッ
こうして1人の1機の旅は始まりを告げようとしていた
〜プロローグEND〜
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キリ「…それで?貴方の任務は?」
スコーチ「プロトコル2、ルビア中将との合流」
キリ「ルビア?その人とはどこで落ち合う予定だったの?」
スコーチ「この先の農場を超えた所にある運河です」
キリ「あー…ブラックウォーター運河か…」
キリ「取り敢えず農場まで行きましょう、そこで運河までのルートを考えるわ」
スコーチ「了解」
キリ(ブラックウォーター運河付近は現在戦時作戦中により封鎖されてた…つまり戦争中のどちらかって事か…面倒くさそうなのに顔突っ込んじゃったわね…)
キリ「はぁ…」
スコーチ「お疲れですか?パイロット」
キリ「違うわ、そういうあなたこそバッテリーは大丈夫?」
スコーチ「予備バッテリーを使用した為問題ありませんが予備はもうありません」
キリ「そう…バッテリーも補給しないとね」
────エリア 自作農場────
キリ「ふぅ…着いたはいいもののこれは酷い有様ね…」
キリ「まるで、戦場の後じゃない」
当初は黄金色が一面を覆い尽くし風にそよぐ穂が美しく観光に訪れた人もいるという自然豊かな農場であった
が、その影は跡形も無くただクレーターの様な大穴や銃撃の後、シンボルであった中央の塔や心地よく回っていた水車も、塔は斜めに倒れ水は干上がり水車は止まっていた
キリ「この辺りまで範囲が拡大してるなんて…」テクテク
キリ「傷痕は…まだ新しいわね、でもおかしい…何故機械兵の残骸がないの?」
???「それはタイタン同士で争ってたからだよお嬢ちゃん」
キリ「っ!?」バッ
???「おーおー、別に俺はあんたを襲いやしないよお嬢ちゃん」スッ
急な後方からの声に銃を突きつけるキリと手を上げて佇む声の主
???「その機体はうちのもんだろう?ならあんたと俺は敵じゃない、そうだろう?」
キリ「スコーチ、この人は」
???「あぁ知らなかったかい?そりゃ失礼」
バーカー「俺の名前はバーカーだ、お嬢ちゃんこんな所で何してんだ?」
キリ「…貴方こそ元IMCの人がこんな所で何してるのよ?」
依然として銃を構えるキリ
バーカー「おー怖い怖い、最近の若者は血気盛んだねぇ。それに俺は今はミリシア側だよ」
キリ「急に背後に現れた人の言うことを信用できるとでも?」
バーカー「パイロットスーツ身に付けたやつに丸腰で勝てるわけねぇだろ?それにここは俺の農場だ」
キリ「あなたの農場…つまり噂通りか」スッ
銃を降ろすキリ
キリ「スコーチ、あなたミリシア側なのね」
スコーチ「前パイロットはミリシアの元ライフルマンでした」
バーカー「まぁまぁお嬢ちゃんの事情はさておきそいつに乗ってるってことはミリシアに敵対する訳でもないだろう?」
キリ「…そうね、そもそも私は戦争に関わる気が無かったんだけども」
バーカー「それでも乗ってるとはとんだお人好しだねぇ」
キリ「…で?貴方は何をしていたの?バーカーさん」
バーカー「タイタンの後処理さ、こんな所に放り出して置くわけにもいかんしな」
キリ「なるほどね…まぁ丁度いいわ、この後ミリシアのルビア中将とやらと落ち合うそうだし、連絡の一つでも取れないかしら?」
バーカー「ルビアかぁ…なるほどな…どちらにせよ運河にシップが来る手筈だから行けばいいと思うぜ」
キリ「あの辺はまだ戦争中では?」
バーカー「あいつが全部制圧したよ」
キリ「…はぁ………」
バーカー「まぁそんな顔するなって、根はいい奴だぜ?」ケラケラ
キリ「…取り敢えず行ってみるわ、先程は銃突きつけてごめんなさいバーカーさん、それと情報ありがとうございます」
バーカー「気にすんな、こんな世の中だ仕方ないさ。気を付けろよ〜」スタスタ
キリ「行くわよスコーチどうやらこの辺に電池は無さそうだし」テクテク
スコーチ「了解」
バーカー「…こちらバーカーだ、あぁそっちにSC2714が向かったぜ、シップ乗せたれ。…………いや、パイロットは違う、あいつじゃない。………大丈夫だって、そんな奴なら今頃俺の頭は穴だらけだぜ?……あぁ、頼んだ」ピッ
バーカー「…死んだとは考えにくいなぁ、お前は今どこで何をしてる?」
バーカー「なぁ、ウナ嬢よ」
〜第一幕 END〜
スコーチ「パイロット、間もなく運河ですので搭乗を推奨します」
キリ「えぇ、見えてるわ。これは………取り敢えず乗せて」
スコーチ「了解」
スコーチ「搭乗を確認、パイロットモードへ移行します」
キリ「あー待って、取り敢えずあなたのAIに任せるわ、敵か味方か私じゃ分からないし」
スコーチ「了解です」
────運河にて
???「…やっと来おったか」
???「待ちくたびれたぞ!現SC2714のパイロットよ!」
キリ「機体名知ってるって事はあなたがルビア中将ね、ここは紛争地帯だったはずだけど!」
ルビア「あぁ、奴らなら既にウチが片付けたわ、ここにはもう敵はおらん、シップまで時間あるし機体から降りて話さんか?」
キリ「…スコーチ、ガードモードにて待機、行ってくるわ」
スコーチ「ガードモード起動、センサーで探知を続けます」
キリ「…さぁてルビア中将とやらはどんなおすが……た…………」スタスタスタ…ピタッ
ルビア「よう…やっぱり東北のだったか、久しぶりやなきりちゃん」
キリ「茜ちゃん…茜ちゃん!」タッタッタッギュッ
ルビア「おうよしよし、辛かったろうずっと1人で」ナデナデ
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ルビア改め茜「そんで?もう乗らんと決めてたんとちゃうか?なんでうちらの方の機体乗っとるん?」
キリ「森に放置されてたの、周りに誰もいないしスーツは置きっぱなし、近づいたら再起動したし」
茜「…あいつの元パイロットを知ってた訳ではないんやな」
茜「きりちゃん、ヘルメット貸してみ」
キリ「え?ヘルメットを?…はい」
茜「……ふっ!」ブンッ!
突然キリのヘルメットにナイフを振り下ろす茜
キリ「えっ!ちょっと!?何してんの!?」
茜「なーんや、やっぱ気づいとらんかったんか、ほれ」ポイッ
キリ「気づいてないって何が…」パシッ
茜「どう見たって他のヘルより分厚い。多分急ぎで塗装を重ねたんやろうな、そこを少し割っただけや」
キリ「あ……」
そこには音符と龍で構成されたマークが刻まれていた
キリ「これ………ウナちゃんの………」
茜「せや、SC-2714の元パイロットはアスタロイド大尉…つまりウナ嬢が乗ってたんや」
キリ「そんな………」
キリ「そんな!だってウナちゃんは…ウナちゃんは絶対戦場には出ないって!」ガタンッ
茜「きりちゃん落ち着き、確かにウナ嬢は戦場には出ておらん、彼女はバックアップと支援専門だったんよ、でもある日突然このオンボロを改造し始めてな…」
キリ「…」
茜「んである日突然1機のタイタンが出撃したとの報告と共におらんくなったんや、んで今に至ると」
キリ「…彼女の安否確認は」
茜「出来とらん、でも少なくとも死んではないやろう、敵に見つかったとしてもせいぜいそのまま捕虜として医療班に着かされるだけや」
茜「…それにきりちゃん、あんたももうタイタンには乗らんとちゃうかったんか?なんなら今からでも遅くはないで?こいつはうちで預かるし」
キリ「………」
茜「……ま、ええわ、取り敢えずシップもちょうど来たし乗ってき、気持ちの整理つくまで居たらええわ」
キリ「…ありがとう」
〜第二幕 END〜
ドロップシップ内部───
キリ「…」
キリ(ウナちゃん…)
歩兵A「あのルビア中将、こちらの方は…」
茜「ん?あぁ、昔の知り合いや何も心配せんでええ」
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ジェームズマクアラン内部────
茜「ふぃ〜、やっぱここが落ち着くなぁ」
キリ「…」
作業員「お疲れ様ですルビア中将、機体メンテナンス入ります。2機ありましたが両方よろしいですか?」
茜「ん、きりちゃん、スコーチメンテしてもええか?」
キリ「えっ、あぁ…お願いします」ペコリ
作業員「了解しました!お任せ下さい!」
???「おーねーえーちゃーん!!」タッタッタッ
茜「あー……その呼び方ここではやめろゆーたやんけ」
???「えーいいじゃん、みんなも気にしてないって言ってたし、ね?」
歩兵A「お2人が仲良し姉妹なのはここじゃもう有名ですよー、いいんじゃないですか?中将」
歩兵B「少将も計算能力や指揮能力は折り紙付きですもんねー、誰も文句なんて言いませんよ!」
茜「あーもー、そういことやなくてなぁ葵…」ポリポリ
葵「あ、そうそう、もう1人反応あったんだけど誰な……の………」
葵「きりちゃん!」タッタッタッギュゥ
キリ「わっぷ、お久しぶりです葵ちゃん」ギュゥ
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葵「…なるほど……大変だったね、きりちゃん」ナデナデ
キリ「はい、あの…もう子供じゃないですし降ろしてもらっても…」
葵「だーめ!今日はうんときりちゃんに甘えてもらうの!」ギュゥウウウナデクリナデクリ
キリ「むぎゅう」
茜「あっははははは!なんやこうして見てると昔のまんまやなぁ」
キリ「茜ちゃんも葵ちゃんもなんか変わってなくて少し安心しました」
葵「きりちゃんは大きくなったねー」ナデリコナデリコ
葵「それで?どうしてミリシアに?」
茜「あー、それがやなぁ…」
カクカクシカジカ
葵「なるほどね…ウナちゃんが乗ってた機体か…」
茜「そんできりちゃんはこの後どうするん?特に決まってないならここに居るとええよ」
葵「うんうん!きりちゃんなら大歓迎だよ!」
茜「普通に民間人も暮らしとるしな」
キリ「…私は」スクッ
キリ「私はまずずん姉様とイタコ姉様の無事を確認するまで旅はやめません、それにウナちゃんも」
キリ「そして厚かましいようですがウナちゃんが乗ってたスコーチ、あの機体を私にください。お願いします」
茜「…そうか、分かった。そういう事なら話が早い」
キリ「え?」
茜「あんな、落ち着いて聞いてほしいんやけど…ずん子さんとイタコさんはな、IMCにおんねん」
キリ「!?それってどういう!?」ガタッ
茜「まーまー落ち着きーて、うちらミリシア側からささら姉が潜入しとるんやけど、一応捕虜扱いの2人を見たらしい」
キリ「…」
葵「あっでも2人共何かされたりとかはされてないよ?ただ元パイロットだったから色々聞かれたり協力させられたりしてるみたい」
茜「…そんでここからが本番なんやけど、ウチらミリシアは5日後IMCの本拠地へと強襲をかける。恐らく全面戦争になるやろう。そんできりちゃん、アンタ2人を助けに行くとか思ってるやろ?」
キリ「当たり前です、無事なのは何よりですが」
茜「だからウチらも協力したいし、力を借りたい。一緒に戦ってくれへんか?」
キリ「…そういう事なら、私としても是非」
茜「あんがとな、そう言ってくれると思うてたわ」ニコッ
茜「よっしゃ!なら今日は話はもう終わりや!疲れたやろ?今日はもう休み」
葵「あ、じゃあ部屋とか案内するね!行こうきりちゃん!」
キリ「茜ちゃん、葵ちゃん…お2人共、ありがとうございます!」
〜第三幕 END〜
のんびり更新していきます故忘れて待っていてください
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