雨音
気が向いたら載せるシリーズ第一弾
雨
雨が降っている
暗く悲しい雨
いつまでも降り止まない雨
そう思っていた
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「・・・・・・・・・・ん?きりたん?」
「んむぅ・・・・・・何ですか」
「もう放課後だよ?今日も一緒に帰ろ!」
「・・・そうですね、帰りましょう」
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冷たい雨
傘もささずに
ずっと一人
雨にうたれていた
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「・・・・・・でさー、隣のクラスの―――」
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陽の光など無く
つねに曇り空
明るいものから
遠ざかっていく
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「・・・るー?聞いてる?きりたんー」
「・・・えぇ、聞いてますよ」
「でさでさ!今度の日曜一緒にさ―――――」
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そんな日々は突然崩れ落ちた
光差し、太陽が顔を見せ
私を照らす
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「ねーねー、何読んでるの?」
「私はウナ!音街ウナ!」
「きりたん!よろしくねきりたん!」
「きりたーん、教科書見せてー?」
「ぐぬぉおおおお!次は負けないんだから!」
「楽しいか?きりたん!」
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「でさでさー」
「ウナちゃん」
「ん?どうしたきりたん」
「ありがとう」
「ふえ?」
「・・・」
いつも一緒にいてくれて
こうして並んで歩いてくれて
少し困らせてくれて
一緒に遊んでくれて
相談してくれて
「友達になってくれて、ありがとう」
「きりたん・・・」
「えへへっ、こちらこそ!」
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もう私の心の雨は
一人で寂しかった、苦しかった、涙した
あの雨は
一人の太陽が
虹に変えてくれた
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「これからもよろしくな!きりたん!」
「これからもよろしくね、ウナちゃん」
もう、ひとりじゃない
END
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