2017-07-14 23:47:32 更新

概要

ある日、鳳翔のもとを瑞鳳が訪れ、どうしたら提督が女らしい扱いをしてくれるのかを相談をした。いったい鳳翔は「鎮守府のお母さん」としてどんな返答をするのだろうか?そんなお話。


前書き

 鳳翔のもとを瑞鳳がある相談のため訪れる。鳳翔は「鎮守府のお母さん」として、いったいどんな解答を瑞鳳に提示するのだろうか…



「こんにちは、航空母艦の鳳翔です。鎮守府では「お母さん」って呼ばれたりしてます。


 …え、知ってる?まあそうでしょうね、毎日一緒に暮らしてるんですから。…じゃあ何で言ったのか、ですって?うーん、何ででしょう?まあいいです。で、どうしたんですか?瑞鳳ちゃん?


 うん、うん、う~ん、提督が女扱いしてくれない…。ふふふ、瑞鳳ちゃん、提督のことが好きなのね。え、違う?ふふ、隠さなくても良いのよ。


 でもね、瑞鳳ちゃん、提督に女扱いしてもらおうとしても無駄だと思うわ。


 …あのね、別に悪意があって言ってる訳じゃないのよ。


 …え、理由?仕方ないわね、ちょっと長くなるけど大丈夫?…そう、わかったわ。


 んっ、んん、あのね、えーと…恥ずかしい話だけど、昔は私も提督のことをお慕いしていたの。…え?今は嫌いなのかって?違うわ。まあお聞きなさいな。


 えーと、それで彼をお慕いするようになった理由なのだけど…。何、なのかしらね?改めて考えてみるとよくわからないわ…。でも強いて言えば、彼の優しさと彼の男らしさと彼の器の大きさに、いつの間にか惚れていってしまったのかしらね。


 まあ、好きになってからは彼のことしか考えられなくなっててね、お陰でお店で注文間違えたりとか普段しないようなポンコツなミスばっかりしてるときがあったわ…。ん?あ、そうそうその時その時。


 でもね、私は瑞鳳ちゃんみたいに勇気が無くてね、自分からアプローチとか全く出来ないでいたの…。


 …え、そお?そんなに意外かしら…。まあこう見えて凄い内気なの、私。だからホントに金剛ちゃんとかが羨ましかったわ。


 でもね、何度も私なりに挑戦したりしたのよ。提督がお店に来たら、ちょっと良いお酒とちょっと良いオツマミを彼だけに出したり、みたいなことをね。…え、地味?そう、地味かしら…。


 まあとにかく、私の好意は一切気づかれることなくそのまま時は過ぎていったの…。


 


 だけどね、やっぱり転機ってあるのね。ある日、私が秘書艦のときに、そう私が秘書艦の時によ!結婚カッコカリの書類が届いたの。チャンス!って思ったわ。そう、チャンスって思ったの…。


 …ん?どうなったのか?…聞きたいの?…うん、そう、そうよね…。ハァー、他の子に先こされちゃった。「いくぞ!言ってやるぞ!」って思いながらずっとウジウジしてたらもう後の祭り、彼の周りはlove 勢でガッチガチに固められてたわ…。


 仕方ないから、ずっと群れが無くなるのを待ってたんだけど、ね。いつまで経ってもいなくならないのよ、彼女たち。わかるでしょ?瑞鳳ちゃんもその場にいたんだし…。…え、ちょっと怒ってる?私が?いいえ、別に怒って無いでわよ。過ぎた事だし…。


 とにかくチャンスは潰してしまったの。いや、潰されてしまったの。…え?やっぱ怒ってる?…怒って無いわよ。過ぎた事だし。


 でもね、さすが提督。私が寂しそうにしてたことに気づいてくれたみたいなの。執務が終わってから「何か話したいことでもあるのか?」何て聞いてくれちゃって…。


 だから私、決めたの。ちゃんと言おうって。


 提督の前まで行って、顔を赤くしながら行って、「い、以前からお慕いしてました。私と、私と、けっ、結婚して下さいませんか…」ってね。こんな感じで告白したの。


 告白、したの…。


 結果?そんなのこれ見ればわかるでしょ?この左手の薬指…。


 提督はね「…ごめんな」って言ったの…。


「お前たちは見た目こそ二十歳前後だが、…まあ、精神年齢もそんな感じか、とにかくそうやって外見だけは年食ってるように見せてるが実際は生まれて一年とそこらだ。経験が足りなすぎる。男を外を知らなすぎる。」


「まあ要するにだ、俺から見てお前らはまだ子供なんだ。指輪をしてされてっていう関係には多分、なりえないよ」


 って言うの…。


「それでも」って食い下がったら食い下がったで、


「君がそういった関係になり得る存在になる頃には、おそらく俺は大分年いってるだろうなぁ。…俺はあれだ、お前に介護される気は無い」


 って言うの…。


 


 ごめんね。何か暗くしちゃって…。まあそうね、簡単に言うとフラれちゃった。ふふふ…。




 …何の話だったかしら?あっ、そうね、提督が女として見てくれないだったわね。


 …うん、こんな感じであの人は私たちを子供としか見てないの。言われたときは意外だったわ。一応此処ではお母さんキャラで通してたから…。」


「鳳翔ーーー!!」


「鳳翔ーーー!!」


「あら提督が、いいえ、お父さんが呼んでるわね。まあ、そういうことだから頑張って。それじゃあね。お父さーーん!!今行くよーー!!」


「…」


 瑞鳳は、走り去る鳳翔の目に涙が光るのを見た気がした…。 


 提督と艦娘の距離は近いようで遠い、瑞鳳はそう思った…。


 


後書き

 読んで下さってありがとうございます。以前投稿した物の手直しは何度もして良いものなのでしょうか?教えて下さるとありがたいです。これからもよろしくお願いします。


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