21世紀~舞鶴鎮守府の乱~ 第1.9章
薫達に襲いかかる、深海棲艦と謎の敵。
被害にあった金剛に、燃え上がる火の手。
時雨達と薫はこの困難にどう立ち向かい、そして結末は何処に向かうのか......
いやぁ、頑張ります。
亀更新注意ですが疾走はしません(`・ω・´)キリッ
時雨「この作品は、前作を見てからの視聴をおススメするよ」
青葉「視聴では無いですけどねぇ」
薫「ただ見るだけだからな」
時雨「......うるさいなぁ///」
瑞鶴「とにかく!ゆっくり見ていってよね!!」
『21世紀~舞鶴鎮守府の乱~Ⅰ』
【登場人物 紹介文】
薫:
舞鶴鎮守府提督、見た目やら最初の出会いで艦娘の大半に嫌われ、現在修羅場中
時雨:
秘書官1 ボクっ娘可愛い。薫提督の秘密が気になる
青葉:
秘書官2 スクープ大好き可愛い。
明石:
秘書官3 お世話になります可愛い
比叡:
秘書官4 ひええええ可愛い
川内:
夜戦バカ可愛い。後悔していた事を打ち明け提督の仲間に
瑞鶴:
ツンデレツインテ可愛い。川内と同じ。
時雨達に今作戦―――名付けて『舞鶴鎮守府防衛戦』を発令した後、薫は今回の奇襲の黒幕を探していた。
先程、金剛を貫いた槍。遠距離からの攻撃に拘る深海棲艦......薫は今回の黒幕の人物は粗方特定していた。
そして、その人物は今、この鎮守府の2箇所―――屋上か執務室にいる事を確信していた。
バァァン!!
薫「......外したか」
薫はその内の1箇所、屋上のドアを蹴りながら開けるが、人がいる雰囲気は無かった。
薫「......くそっ、急がないと」
居ない事を確認すると、すぐにもう一つの候補の場所、執務室へと向かった。
薫「.........(時雨達は大丈夫だといいけど......上手くいってくれよ)」
向かう途中に時雨達の安否を祈りながらも全速力で.....今度は壁を伝いながら向かっていく。
そして
薫「......よう」
??「おっ?......きぃひっひっひっひっひ!!遅かったじゃないかァ、薫ゥ」
その人物は、薫の睨んだ通りに執務室で待っていた―――提督専用の椅子に座って。
その人物はマントを被っており、顔や身体の肉付きなどは一目では判断出来なかった。声だけで判断するのであれば男なのだが......
薫「あぁ、1度間違えた場所に行ってしまってな......にしても」
??「おォ?」
薫「久々だなぁ!!(ぶん!!)」
??「おっとォ!!(がしゃん!!)」
薫は久々の再開の挨拶(?)と共に拳を振り上げその座る人物へと振りかざした。
が、見事に躱され椅子に当たり、壁へとぶつかり大きな音を立てた。
??「おいおい......危ないじゃないかァ」
薫「そりゃそうだ。躱す何て真似しないでくれよ」
??「勘弁してくれよォ......まともに喰らうと死んでしまうよォ」
薫「はっ......良く言うわ......俺の攻撃ぐらい一発食らっても問題ないだろ?なぁ、No.3。マントぐらい脱げよ」
??「きぃひっひっひっひっひ......やっぱりマント何かじゃあ誤魔化せないかァ。君には......よいっしょっと!!」
No.3と薫に言われた人物がマントを脱ぐ。
そこには――――
薫「......あー、相変わらず外見だけは綺麗でムカつくな」
ピンクのロング、そして胸付きは恐らくビスマルクぐらいはあるだろう巨乳。スレンダー。
何だろう、初対面であった人は綺麗、可愛いと言った感想を抱く人物だった。
―――が、薫はそうはとてもでは無いが思えない。このNo3の内心を知っている薫には。
そして薫が皮肉の意味を込めながら褒めると
No3「いやァ......お褒めに預かり光栄かなァ......きぃひっひっひっひ!!」
少し頬を染めた感じで言う。全く皮肉になっていなかった。
薫「頬を染めるな染めるな!!」
No3「んぎゃォ!!」
スキを突かれたNo3は足払いを掛けられその場に倒れ―――ず、すぐに立ち上がる。
No3「っと、よっ!!......んもォ......危ないじゃないかァ」
薫「んな攻撃、食らう方が悪い」
No3「それもそうだねェ......きぃひっひっひっひっ!!」
と、No3が面白く笑っている所だが、薫はそれを他所に早速今回の真相を突く。
薫「なぁ、No3」
No3「んー、何だねェ?」
薫「―――今回もまだ下らない事考えてるのか?」
No3「その通りだよ、薫」
薫が、No3が企んでる事を下らない事と一纏めにして聞くと、急に真顔になりながらもそれを肯定する。
薫「っ.........」
それに対し、薫が面倒臭そうな......はたまた、苦笑を浮かべていると
No3「下らない事、その通り......きぃひっひっひっひっ......でもね、薫」
薫「......何だ」
No3「その下らない事で、命を天秤に掛けられる世界中の人物、実に面白い事だとは思わないかァ!!?きぃひっひっひっひっ!!」
No3が再び大笑いをしながら両手を広げて薫に賛同を求めてきた。が
薫「......ふっ、そうだなぁ......面白くはあっても下らないな」
薫は率直にそう返した。
No3「きぃひっひっひっひっ......そう言うと思ったよ、薫ゥ......(槍を構え)」
真っ向からの反対意見を受けたNo3は、胸から槍を取り出した。どうやった、それ。
薫「自身の考えに賛同が得られないと分かると臨戦態勢、か。が、その前に1つ聞いて良いか?」
No3「んゥ?何だねェ?命乞いなら受け付けるよォ?」
薫が、一瞬ピリッとした空気にストップを掛けると、No3は不満そうな表情を浮かべながらもそれを聞き入れる。
薫「命乞い受け入れるんかい......まぁ、そうじゃない。No3、―――何でおまえはその槍を第三者にぶつけた」
薫はそう言うと、No3が持っている槍を指さす。―――その槍は先程金剛を貫いた槍と全く同じものであり、そして今回薫がNo3を特定武器その物である。
No3「んゥ?あァ、さっきの雌の事かァ......別に狙ったわけじゃないよォ」
薫「......やっぱそうか」
No3は聞かれたことに対し、普通の如く返し、薫も納得する。
No3「うんうん、恐らくは薫が思い浮かべてる事そのままじゃないかなァ......きぃひっひっひっひっ!!」
薫「......今回は俺が油断してた。正直、あのタイミングで来るなんて思わなかったしな。守れなかった俺も悪い......が、別に俺の事を狙っても良かったんだぞ?」
No3「勘弁してよォ......別に狙ったわけじゃかい。適当に投げたら当たっただけだしィ......まぁ誰かには当たってたけど、薫に来ると流石に躱すでしょォ?」
薫「......まっ、流石に、な」
そう、No3は適当に投げたのだ。その投げた槍がたまたま金剛に当たっただけ......ただそれだけの事、だが、それでも
薫「―――それでも、その代償は払ってもらうぞ、No3」
No3「きぃひっひっひっひっ!!......先程まで争っていた人物が傷つけらても怒るんだねえェ」
No3が煽る様に薫に言うと
薫「あぁ、それでも大切な............部下、だしな」
薫は一瞬だけ詰まったがそう答えた。
だが、その詰まった変な合間をNo3は見逃さない。
No3「合間が空いてるのは何故かァ......想像は付くけどどうでも良い事かァ!!今はそんな事よりやりましょォ!!やり合いましょォ!!きぃひっひっひっひっ!!(改めて槍を構え)」
薫「...あぁ、お前の今回の作戦一先ずは止めてやる、来い!!(構え)」
薫とNo3の闘い、この執務室で行われる闘い、どう転ぶかは誰にも分からない。
時雨達や金剛の運命や如何に?
Contained......
金剛「痛いデース......」
榛名「艦娘の強靭的な回復力だからこそ何とかなりましたね」
金剛「イエース......(横になりながら)」
霧島「それにしても、提督......何処かに行ってしまいましたね」
武蔵「ふんっ、恐らく金剛が倒れたのを見て怖気ついて何処かに逃げたんだろう」
山城「不幸だわ......決闘で勝負が決まらないなんて」
夕立「別に山城さんが闘ったわけじゃないっぽい」
吹雪「そうですよ」
山城「不幸だわ......」
とりあえず、金剛は一命を取り留めたと言うか......普通に回復に向かっていた。
時刻は14:30
外では時々大きな音が鳴り響く......
Contained......
時雨達は今が『現実』なのか『幻覚』なのかが分からなくなっていた。
薫に任された任務を無事にこなした後、薫の事を追い掛けていた時、グラウンドで大きな音がしてるのを確認した後に走って向かったのだが…...
薫「おらぁぁぁあああ!!(ドゴォン!!)」
No3「きぃひっひっひっひっ!!(ひゅうっ!!)」
時雨達の目に映ったのは、執務室を大きく破壊した後に暴れている提督と謎の女がいた。むねがあるから多分女だろう。大きい。
薫「よいっしょっとうおらぁ!!(地面を殴り付けると地面が抉れNo3へと襲い掛かる)」
No3「きぃひっひっひっひっ!!そんな攻撃まだまだァ!!(槍を抉れた地面へと叩き付けると粉砕され無傷で薫へと槍を向ける)」
薫「白刃取りぃぃぃい!!(最早そのまま)」
時雨「......何だこれ」
瑞鶴「こ、これが人間同士の闘い......なの?」
青葉「す、スクープ......で良いんでしょうか?」
―――片や槍、片や格闘。砲撃を行っている訳でもないのに地面が抉れ、建物は(近くの木々)は破壊され......とにかく、時雨達が知る常識的な闘いの定義からは掛け離れていた。
危険と察知し、建物の影からその闘いを見守る事数秒......数分、すると
No3「きぃひっひっひっひっ......ふぅ。ねェ。そこの人達出てきなよォ!!(時雨達がいる方を見ながら)」
時雨達『!!』
急遽、女の方が闘いの手を休めたかと思うと、時雨達に気が付いてた様で声を掛けてきた。
薫「......大丈夫だ、俺が守るから。出てきなよ」
時雨達『......(建物の影から出てきて)』
一瞬、出る事を躊躇ったが薫に促され出る事にした。
No3「きぃひっひっひっひっ......いやァ、可愛らしい部下が出来たもんだねェ、薫ぅ」
薫「うるせぇよ」
出て行くと、女は時雨達を見定めるが如く視線を向けてきてきた。
時雨「......そんなに見ないでくれないかな、虫唾が走るよ」
比叡「比叡は大丈夫じゃないです」
川内「比叡さん、それ貴女な妹の台詞だよ...」
それに対し、時雨達が素直に嫌悪感を抱くのに対し
No3「きぃひっひっひっひっ......いやァ、どうやらあちら側の騒動は君達が止めたみたいだしねェ......少し気になって見ていたんだよォ!!」
女は興味津々な目で時雨達を見ていた。
薫「あぁ、やっぱり無事に成功したか。お疲れ様」
時雨「うん、結構危険な作戦だったけど何とか無事に、ね」
明石「火薬が結構無くなりましたねー」
No3「きぃひっひっひっひっ......どうやらァ指示者は薫かァ......でもしっかりこなせたその技術にあっぱれェ!!ってねぇ!!きぃひっひっひっひっ!!」
青葉「提督!!あの人五月蝿いです!!」
瑞鶴「全艦発射......したいけどやめとくね、危険だよね、提督さん」
薫「うん、普通に返り討ちに会うだけだからやめとけやめとけ」
青葉が背中に寒気が走ると瑞鶴は弓を構えるが、先程の2人の闘いを思い出し素直に弓を仕舞う事にした。
薫「さて......で、戦力が大幅減なそちらさんはまだ続けるのかな?」
薫が状況を把握し、あちら側の目的は既に果たされていること、これ以上は無駄な犠牲を生む事等を纏めてNo3に引き下がる事を薦めるが
No3「きぃひっひっひっひっ......確かに下がっても良いけど......簡単には引き下がれないねェ(槍を構えながら)」
どうやらそう簡単には終わらせる事は不可能な様だ。
薫「......お前もしつこいな(時雨達を後ろに庇いながら拳を構え)」
時雨「......提督」
青葉「......」
明石「......(スパナを構え)」
比叡「......ひぇぇ」
川内「......(クナイを構え)」
瑞鶴「......大丈夫?(夢を構え)」
2人の間に緊張感が漂うと、秘書官sも薫の後ろで構えるが
薫「大丈夫、絶対に手出しはさせない」
ナチュラルにそんな事を言うのだから、秘書官sの頬は少し赤くなっている。
No3「女たらしか、死ね」
薫「いや、待て、そうじゃないから急に普通な話し方するのやめてくれ」
それに対しNo3が冷えた目でそう言うと、薫は少し焦った感じで弁解する。
No3「きぃひっひっひっひっ......まぁそれはどうでも良い事かァ。別に闘おうと言う訳ではないからァ」
薫「何?」
No3「なーにィ......簡単な事だよォ。そこの娘達がどうやってあの子達を止めたのかァ......それを聞かせて貰えれば充分さァ」
薫「.........」
No3が言ってる事は至極単純だった。ただ、時雨達がやった事を話せば良いだけだがあまり作戦をペラペラ話すのもどうか―――一瞬、そんな考えも浮かんだが時雨達の不安そうな目を見てすぐに
薫「分かった、だが内容じゃなくて現場を話す......それで良いか?」
話す事を決断した。
No3「現場ァ?」
薫「あぁ.........皆、さっきの現場での流れ、説明出来るか?」
時雨「!! ......そっか、確かにそれが早いね、分かったよ提督」
青葉「青葉にお任せ下さい!!」
瑞鶴「任せて、提督さん!!」
薫はどうやら、生の現場での話を聞かせた方が早いと思いその結果時雨達に話させる事を選んだ様だ。それに対し時雨達も理解し、そして了承し
薫「ありがとう......じゃあ、No3。聞かせてやるが、念の為前に出るのは俺で、俺の後ろで話させる......それで良いか?」
No3「きぃひっひっひっひっ......構わないよォ」
薫は安全を確保する為に、時雨達は変わらず庇いながら話させる事にし、No3もそれを承諾した事により
時雨「じゃあ、話すね......まずあの時―――」
話が始まった。
時刻は15:10
時雨達が合流するまでのほんの数時間
何があったかは現場にいた人達にしか分からない。その真実の扉が開けられた。
Contained......
時雨「ねぇ、名前ってNo3なの?」
No3「もし親がそんな名前を付けたとしたら私は一生恨むねェ......きぃひっひっひっひっ...」
青葉「本名は何ですか?」
No3「いやそれは簡単には言えなくてねェ」
瑞鶴「何でなの?」
No3「組織的な決まりでねェ......」
薫「まぁ、俺は知ってるがな」
No3「えっ、ちょっ」
薫「確か、『桜花』だっけ?」
No3「」
薫「その反応はあってるみたいだな」
川内「話し方の割に可愛らしい名前......くふふ」
No3「きぃひっひっひっひっ............何で知ってるんですか(白目)」
薫「普通な話し方するな、本編ではまだNo3で......少しだけ通すから」
No3「少しだけってちょっまっ」
薫「はい、本編行くよー」
艦娘『はーい』
No3(桜花)「」
Contained......
時雨「......提督も中々大胆な行動をするんだね」
比叡「ひええ......大掛かりと言うか派手と言うか」
青葉「普通ならスクープ何ですけどねぇ......」
明石「やるのが、『私達』となると話は変わってきますよね」
薫「その通り、恐らく今回の対処法は大胆且つこの後の保障は全くされていないと言っても良い」
旧秘書官sが薫が打ち出した作戦に一途な不安を抱いていると薫はあっさりそれを肯定した。
瑞鶴「ちょ、ちょっとそれって......」
薫「まぁ責任を追われる可能性は無きにしあらず......と、言うか問われるだろうな」
川内「えー......それってどうなの?」
と、それに対し新秘書官sが不満を素直にぶつける。当然な事だ。それは――――
薫「仕方ないだろう、艦娘達が出撃......抜錨する際に要になる2本の鉄塔を破壊すると言うんだから」
無茶苦茶にも程がある作戦だったからだ。
薫は、艦娘の生命......所謂仕事に必要な核を破壊して止めると言うのだ。鉄塔の長さはかなり高く東と西のを破壊し真ん中でクロスさせる......少なくとも海沖にいる深海棲艦の動きを一時的にでも麻痺させる事が可能だろうというのが考えだ。
時雨「でも提督、それってあまりにも非効率だとは思わないかい?」
時雨が言う疑問は至極当然な事。
鉄塔を破壊して得れる時間は正確な時間が計れない......上にもしかしたら動じないで向かってくる可能性だって限られる。その上こちらの損害は甚大。どう考えても非効率だ。
薫「あぁ、時雨の言う通りだな。完全に非効率と言うかリスクが大きい」
薫もあっさりそれを肯定する
瑞鶴「だ!だったら―――」
瑞鶴は更に食って掛かってくるが、薫はそれに対し、しっかりと濁りがない真実を語る眼で全員と対峙してはっきり言う。
薫「それでも!!......俺を信じてやって欲しい!!」
秘書官s『!!!!』
薫は真っ直ぐな目で全員を見渡しながらそう言った。時間が無く焦ってその案を出した――――そういうのでは無く薫は確信を持ってこの案を出した......そう思わせるかの様な瞳......
薫「時間がないのは確か…それでも、今はこれで一旦は凌ぐんだ。他にも作戦はあるが、色々と効率が良いんだ。責任は全て俺が受け持つ!」
薫の真っ直ぐのその言葉に、皆は
時雨「.........ははは、参ったな提督......そんな事言われたらやるしかないじゃないか」
比叡「司令!気合!入れて!行きます!」
青葉「青葉にお任せください!」
明石「資材を溶かすかもしれないですが許してくださいね?」
川内「夜はやっぱ良いよねぇ~……昼だけど」
瑞鶴「アウトレンジに決めたいわね!」
秘書官sはしっかりそれに応えてくれた。
時雨「勿論、無事に終わったらしっかり説明してくれるよね?」
薫「勿論」
しっかり釘は刺されたが。
薫「じゃあ最後にもう一度役割を全員確認!」
そして、薫が作戦に移る前にと最終確認を取る。
時雨「まず、僕が砲丸の変わりに煙玉を撃ち一時的に敵の目を眩ますんだよね」
明石「その煙玉は私が必要な道具を揃えて直ぐにでも作ります」
青葉「青葉と」
川内「私は手前側の鉄塔を破壊…」
比叡「私が奥のですね!」
薫「あぁ、頼むぞ…そして瑞鶴」
瑞鶴「う、うん…私が一番重要なタイムキーパー…」
薫「その通り」
瑞鶴は少し頭を悩ましていた。
この作戦の中核となる、『時間』
煙玉を焚いてから効果が切れる5秒前
『2分55秒』に鉄塔付近の人達に合図を送る。
そして、この『2分55秒』と言うのが重要であり
瑞鶴「あえて倒れるのを敵にしっかり見せる為の時間だもんね......」
瑞鶴の言う通り、遅れて早くても鉄塔が上手く機能しない可能性が高くなる。
今回の作戦は相手の追撃ではなく、あくまでも撤退させたり時間を稼ぐ事。
ボスは恐らくこの鎮守府に潜んでると読んでる薫は、異常事態を発生させる事が重要だと位置付けている。
その為、鉄塔が早く倒れて煙を巻いてしまったり、遅くて敵に猶予を与えるのは所謂死に手。
煙が晴れて相手が再び臨界体制に入ると同時のw鉄塔の道塞ぎが相手の心理を付くと言うのだ。
薫「かなり重要なポジになるかもしれないが......瑞鶴」
うーうーと頭を悩ませている瑞鶴に薫は目を見て
薫「空母として、正確な位置把握、攻撃がトップレベルに出来てる瑞鶴なら大丈夫だ、任せるぞ」
こう言った。これに対し
瑞鶴「......提督さん、私に任せて!!」
瑞鶴も不安を振り払い、しっかりと敵を見据えた。
薫「では、皆」
時雨「うん」
比叡「はい!!」
青葉「はい!」
明石「はい」
川内「うん!!」
瑞鶴「えぇ」
薫「作戦、『舞鶴背水の陣』発動だ!!」
薫「てな、感じだ」
No3「急な時間で良く出来たもんだきぃひっひっひっひ......で、無事に成功したって感じなのかなァ?」
秘書官s『まぁ、見事に』
No3「知能ないなァ......こっち」
と、No3が空を仰ぐ。既に赤みが掛かりつつある赤い空はNo3の闘神を燃やす......事も無く
No3「これは私達の負けだねェ、きぃひっひっひっひ!!」
薫達の勝利が確定した。
負けを期したNo3が次に取る行動は?
そして、薫の過去が明らかになっていく......
Contained......
時雨「提督は何処までの艦娘を知ってるの?」
薫「実はここ1年間の艦娘の情報はかなり少ないんだな、これが」
時雨「えっ、そうなの?」
薫「引退したからね、最近付けてみたら皐月改二にしてたな~ぐらいのレベル」
皐月「僕は嬉しいかな?」
薫「勿論、時雨や川内に比叡も改二にしてたよ」
時雨「///」
川内「神通や那珂ちゃんもだから割とやったんだよね」
瑞鶴「あれ、そう言えば私も――――」
薫「よーし、本編行くぞ!!」
瑞鶴以外『はい!!』
瑞鶴「え!?私は!?」
薫「レベル以外に何かが必要だった娘は......ね?」
瑞鶴「あんまりだァァアア!!」
Contained......
No3「負けたねェ......きぃひっひっひっひっひ!!」
薫「......あぁ、一先ずはお前の負けだ」
No3が空を仰ぐ。
負けたのに何かスッキリしてるのが薫的には気になった。
時雨「......勝った、で良いのかな?」
薫がNo3が何かしない様に睨んでいると、隣に立っていた時雨が恐る恐る聞いてきた。
他の秘書官sも同じ感じなのを見ると、どうも勝ちを認識できていないようだ。
No3「きぃひっひっひっひ......その通りだよォ、君達の勝ちだァ......」
比叡「ひえええ......何かピンと来ないというか......」
青葉「これだ!と言う決め手が無かったですね......」
薫「おい......」
秘書官sはどうも不満がある様だ。
思わず薫がそれに対して不満を言おうとしたその時
No3「じゃあ私が2つ御褒美を上げようじゃないかァ......きぃひっひっひっひ!!」
No3が急に顔をこちらに向けて来たかと思うとその様な事を言ってきた。
薫「御褒美......だ?」
No3「ご褒美だよォ......」
明石「な、何ですかご褒美って」
瑞鶴「変なものだったら承知しないわよ」
川内「夜に引きずり回すからね」
薫「何それ怖い」
No3「きぃひっひっひっひっ......勘弁して欲しいなァ」
秘書官sがご褒美と言う言葉に少し釣られていた。薫としては警戒心がMAXだが、秘書官sも警戒しながらなので
薫「......変な物だったらすぐに斬るぞ」
渋々とは言った感じだが受け取る事にした。
No3「きぃひっひっひ......安心して良いよォ。そして変わりにここから少し会話だけにするから変な文章は入れないからァ」
薫「メタい!!」
No3「じゃないと色々とねェ......まぁそれは置いといてェ......一つ目のご褒美は私の名前、私は桜花って呼んでくれれば良いよォ」
薫「1つ目がお前の名前って......まぉ良いか、ようやく名前出したか。No3と毎回書くの面倒くさかったんだよ。可愛らしい名前なんだからさっさと出せば良いのに」
No3→桜花「君もかなりメタいねェ、てか照れるやめて(少し頬を染めながら)」
時雨「......(変な話し方の割に可愛らしい名前だね)」
比叡「......(ひえええ、可愛らし名前です)」
青葉「......(青葉!!スクープです!!)」
明石「......(可愛いなァ)」
瑞鶴「......(可愛いわね)」
川内「......(可愛いね)」
桜花「やめて、考えてる事分かるからやめてェ......」
薫「変に照れるのやめぃ」
桜花「と、まァ少し照れた所で」
薫「わざとかよ」
桜花「実際は少し照れてたけど......まァもう一つの方に行こうか、これが本題......きぃひっひっひっひっ」
時雨「本題?」
桜花「そう、本題。恐らく私達がこれから繰り広げるであろうストーリーに大きく影響する核......まさに神秘の塊と言おうかねェ!!きぃひっひっひっひっ!!」
薫「.........お前、まさか」
桜花「そうそのまさかァ......文は此処から元に戻りまた進む......二つ目の御褒美、それは」
桜花がメタい事をまた言うが、時雨達はそれ所ではない、ストーリーの核?何かに巻き込まれているのか?どう言う事だ?と様々な思念が秘書官sの中を渦巻いていた。
それもたった数秒――――――薫が恨めしそうに睨む中、桜花は本日一番の笑顔で言う。
桜花「薫の過去、そして現在までの経緯さァァァ!!」
秘書官s『っ!!』
薫「......」
桜花から放たれた言葉、それは1つの呪い。
何故、薫はいきなり豹変したのか?こんなに強いのに......指揮能力があるのに隠していたのか?この力を最初から発揮していれば何事も問題が無かったのでは無いか?
その全ての薫と言う一人の人間―――呪いから解き放つ核心を突いた物だった。
時雨「......そ、それは......」
瑞鶴「今......」
青葉「聞いても良いものなのですか......ね」
ただ、その核心はまた秘書官sを悩ました。
薫と浅いなり深いなり繋がりがしっかりある秘書官s。薫が隠して来た事は恐らく重要であり、そんなに気軽に聞いて良いものではない。
今、此処で聞いて良い物なのかと自身の良と悪が葛藤していた。
桜花「いやァ......驚き、息を呑んでいるのが良く分かるねェ、良いよォ?その顔」
薫「......お前、さっきの復讐か?」
桜花「んん~?何の事かなァ?私はただ悔しそうなでも少し嬉しそうな顔を見れた事が嬉しいだけだよォ?」
薫「お前......性格悪いぞ」
桜花が薫の微妙な表情を見て嬉しそうにしているのを見て、また薫が微妙な感じになる。
これ正に負のスパイラル。
時雨「......ねぇ、提督」
と、そんな秘書官sが葛藤から中々帰ってこない中、時雨が一番に帰ってきて薫に話し掛け―――
時雨「良い?」
ただ、そう一言聞いてきた。
それに対し、薫は
薫「俺も補足するからな、桜花」
時雨の頭を撫でながら、桜花に言った。
これは肯定の意だ。
桜花「きぃひっひっひっひっ......良いねェ。潔いねェ......他の人達も準備は出来ているのかなァ?」
桜花が他の中々帰ってこなかった秘書官sにそう問い掛けると皆は
比叡「......はい、気合い、入れて、聞きます」
青葉「準備は出来ています」
明石「はい」
川内「問題無いかな」
瑞鶴「大丈夫よ」
それぞれ反応が帰ってきた。
それを見て桜花は口を開き始める。
桜花「きぃひっひっひっひっ......じゃあ、話を始めるかねェ......まずは昔話からだァ......
―――そう、これは7年前の5月5日―――」
Contained......
薫「就職先決まった、就活終わった」
桜花「きぃひっひっひっひっ!!おめでとォ!!」
薫「ありがとよ」
時雨「やったね、提督」
薫「正確には内定は結構前に貰ってたけどね」
青葉「結局何本貰ったんですか?」
薫「4本」
比叡「ヒエ〜ッwwwwwwwww」
薫「何故笑う」
明石「それでこの駄文ですか」
薫「いや関係ない」
川内「GDや小論文は?」
薫「オールオッケー」
瑞鶴「え、まさか提督さん、うらぐ」
薫「待って、違うから」
Contained......
―――7年前、これは薫が14歳の時
人類は突如と危機に晒される事に。
深海棲艦が現れたからか?否、まだこの時には海で暴れているのは魚や漁船ぐらいだった。
では、暴れているのは何なのか?
それは地球上で好き勝手に動き、作り、壊し、また作り壊しを作る醜い人物―――人
5月5日、世界中のTVがジャックされた。
日本もアメリカも中国も関係ない、全てが一つの放送に統一された。
内容は至極簡単
「我々はこの地球をテロする事に決めた」
テレビに映し出された1人の仮面を被った男らしき人がそう宣言した。後ろにも数人立っていたがその人達は仮面を被ってはいなかったが、当時そのテレビを見ていた人のほとんどは同じ感想を抱かされた。
『―――怖い』
テレビを通してでも感じる溢れる殺気。
一目でその人達全員が生半可な人達では無い強者だと言う事が分からされた。
そして、その自称テロリストはこう続ける。
「私達の名前は......【達人】......己を磨き上げ来る敵全てを......この世の改革を狙う為に全ての国を制圧し、人を捉える者」
―――達人。
拳、剣、弓、槍等と様々な分野にて何かを特化したプロ中のプロ。
玄人と達人ではまた遥かに差がある......が
恐らくこの人達が言う達人とはまた遥かに違う達人なのだろう。だって
「我等は、己の身体で全人類を敵とし追い込む事にしよう......負ける気は更々無い」
そう言いながら、仮面を被った男は剣を取り出した―――と思った次の瞬間、目の前にあった机、花瓶が粉と化した。砕けたのでは無い、粉と化したのだ。
実力は一目瞭然。
テレビで今まで見た格闘家や、オリンピック選手とは恐らく比べ物にならない強さ......何かの信念、この世界を支配しようとする信念が此処まで強くしたのか?
そんな圧倒的な力を見せつけた達人......だが、彼等はその後こう続けた。
「全ての世界を支配するまで凡そ3年......人数がこちらもまだ少ない上に、出来た道具や殺気が不安定でな。そのぐらいは掛かる」
どうやら、すぐには支配出来ないらしい。
そして、それはテロに対する一筋の希望
「だから、お前らも作るのだ。今から半年間、まずは猶予をやる。私達が仲間集めをする中、お前らも我らに対応する―――【達人対応部隊】......それを各国で作るのだ」
......唖然とした。
テレビを見てる全員が唖然とした。このテロリスト......達人達は何を言っているのかを理解するまでに一瞬時間が掛かった。
そして、理解した。
この人達はこう言っているのだ。
『テロリストを殲滅する、強力な自衛隊を半年間で育成しろ』と
それを理解したと判断した達人一行は『短き人生を楽しく生きよ』とだけ最後に言い、そのテレビから姿を消した。
薫「............」
薫はこの数分間の内容に何の深い意味を感じずただ一つ『潰せば良い話』とだけ、それだけを思い浮かべた。
薫の当時の取り巻く環境は既に14歳の心境にはとても重く、違う意味で大人にしていた結果がこれだ。その原因はまた後程語るとしよう。
薫「......強く、か」
決断は早かった。
強くならなければ死ぬ。
地球が良く分からない人達に好き勝手されてしまう――――そんな事、許されない。
変な正義感を振り翳す訳でも無い、元々その様な信念に満ち溢れてた訳でも無い。
『殺らなければ殺られる』
そのぐらいなら――――
薫「当時の心境はこうだったな」
桜花「きぃっひっひっひっひ!!そこからだねェ、数年後に薫が私達と闘う時が来たのはァ」
薫「だな、本当に必死だったわ」
桜花「誰かを守る、と言うのは当時は無く自身を守るのに必死だったからねェ......きぃっひっひっひっひ!!」
薫「あぁ、正にその通りだったな....別にまだ両親とか友人を守るとかも考えてなかった頃だったよ.......それがあの事態を招いた」
時雨「……あの事態?」
重苦しい空気が流れる。
そこは、薫の地雷と言える部分なのか―――
薫「......まぁ、そこは置いとくがとにかく毎日が地獄だったよ。生半可な修行じゃ適わねぇと感じてたからな......血反吐を吐いた回数数えるのは無理、てか思い出しくない」
秘書艦一同『......』
と、ここで話は終わりだ言わんばかりに区切る薫の軽い昔話は約20分。
現在までの経緯をを秘書艦一同は聞き終えた。
薫「まっ、そんな感じ......えぇ?」
桜花「きぃっひっひっひっひ......えェ?」
話し終えた2人が改まって皆を見ると
時雨「うぐっ......て、提督......ぐすっ」
泣いていた。
比叡「ひぇぇぇぇ......」
泣いていた。
青葉「スグーブでずぅぅ......」
めっちゃ泣いていた。
川内「......夜戦、する?」
涙目で誘われた(意味深)
明石「......ぐすっ」
無言で泣いていた。
瑞鶴「提督さん......(だきっ)」
誰だ、彼女の胸を小さいと言ったのは、って
薫「い、いや、ちょっ待ってくれ」
瑞鶴「頑張ってきたんだね......」
だからそんなに抱き着かれると......ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!
薫「いや、頑張ってきたんだけどちょ」
と、こんな感じにいきなりシリアス空気がラブコメ風に変わると桜花が
桜花「......きぃっひっひっひっひ!!じゃあこの続きは又後日ゥ!!私は去るとしましょうかァ!」
空気を読んで立ち去った!!
薫「あっ、おま!!まっ」
秘書艦s『提督(司令官)(さん)〜!!』
追いかけようとする薫!!阻む秘書艦s!!
薫「だぁ!!落ち着け!!しっかりとそこら辺の感想を聞いてやるから落ち着けぇええ!!」
この後、薫は秘書艦sは薫に慰められ泣き止むまでに少々時間を費やす事になる。
慰められる中、時雨は先程の『あの事態』が脳裏に残っていた。
が、また話してくれるだろうと思い今回はそのまま慰められる事に―――戦の大きな種ともなると誰も知る由もなく......
他の秘書艦sがこれから始まる薫との長い闘いをまだ認識していない中、薫だけが『第2次』の闘いが起こる事を確信していた。
薫、秘書艦一同、舞鶴鎮守府艦娘一同、桜花、達人......闘いの火蓋はまだ切られたばかり......
Contained......
こんばんわ。
急展開でとりあえず、この章を一区切りしました。修正は加えました!!
番外編はこの鎮守府の艦娘が何々をしたら〜で作ります。案があれば全て採用します!!
追記
最近、荒らしやら批評コメでやめる作者を見ますが、やめません。
するならどうぞ。受け止めます。
文章の書き方が変わったり、シリアスやらコメディがあやふやなのもありますが、これがこの作品の売りです。
それを不快に思う方は回れ右をして下さい。
的確なアドバイスは全て勉強させて頂きます。
2018/6/20 帰ってきた☆
オススメ、2件ありがとうございます。
正直言うと、闘い編は予想以上に長くなりそうです。
理由は......恐らく1月以内に分かれば良いなぁ......(亀更新)
今まで通りで大丈夫ですよ!
書きやすい方で大丈夫です。
更新たのしみにしていますよ。
続き楽しみにしてます!
朝潮型を希望するゾ
ミズーリ「とりあえず提督に敵対する艦娘は主砲をプレゼントするか」
続き待ってましたよ!
体に気おつけてください!更新待ってます!
好きなSSなので更新待ってますよ!
続きはまだですか? 早く見たいです!
気付いたらPV5000突破してました!!ありがとうございます!!
コメお待ちしています!!
更新待ってました!
次回も楽しみにしてます
荒らしに負けるな!
頑張って下さい(^^)
面白いです!更新頑張って下さい!