21世紀~ 舞鶴鎮守府の乱 ~Ⅰ
とある鎮守府の提督と艦娘の関係は――――
提督「......」
艦娘『チッ』
最早、修復不可能な程に最悪であった。
それは
底辺の存在の提督
また『底辺の教育を受けた艦娘』
2組の成す物語は何処へ辿り着く?
初SSで手探りで書きます。
訂正等は教えてくれると幸いです。
とある海辺に属する1つの大きな鎮守府
――――名は『舞鶴鎮守府』と言う。
そこには計100名は有に超えるであろう艦娘が滞在し、本日、4/1に新たな提督が着任しようとしていた。
金剛「Hey! 今日は新しい提督が着任する日デース!! ラーブ!!」
比叡「ひえ~!! やっと新しい司令官が来るんですね!! フンスッ!」
霧島「前提督(80齢のおじいちゃん)が退任されから約1ヵ月経ったので、やっと、と言う表現は正しいですね」
島風「提督おっそーい!」
赤城「ようやくご飯がまともに食べれそうね...補給物資が底を尽きかけてましたからね」
加賀「赤城さん、提督が居なくなった後に一番食べてたのは赤城さんなのだけれど......ココハユズレマセン」
時雨「僕達駆逐艦は少ないご飯で頑張った......気がする、かな?」
夕立「っぽい~......」
この舞鶴鎮守府では、約1ヵ月前に前提督が齢の為に退職し、その後はしばらく提督が着任していない状態であった。
その為、食料等の補給物資は滞り、既に限界に近付いており、食糧難一歩手前か!?と言う時に
『新提督着任!!』の速報が届いたのだ。
そりゃあ全員大喜び。
天龍「全く、出撃も演習も遠征も出れないとなると身体が訛って仕方がなかったぜ」
龍田「あら~、天龍ちゃんったらそんな事言って、駆逐艦の皆と時間が取れて嬉しそうだった癖に~」
天龍「ば、ばかっ!!/// それを言うんじゃねー!」
電「天龍さんが照れてるのです ア、アブナイノデス」
雷「何時もの事ね!! キャーッ!?」
響「хорошо」
暁「そんな事で照れるなんて、全くレディーじゃないわね! チョッ、モットユウガニヤリナサイヨ!!」
古鷹「提督が来るまでに飾り付け間に合うでしょうか...... ダイジョウブ?ミンナ」
加古「まぁ、もう少しで来るだろうからこのくらいにしとかない? ネミィー」
龍驤「キミィ、手抜きとかはしたらあかへんで?折角新しく来るんやし オオサカベントカワカラナイトカイウナ」
那珂「そうだよーっ!! 那珂ちゃんのLIVE会場作りしっかりねー! ナッカチャンダヨー!!」
神通「那珂ちゃんのLIVE設営ではないのですが...... アッ、ゲンカンニヒトガ?」
川内「新しい提督は夜戦好きかな!? やっぱり夜戦は良いよね~ オッ?キタ?」
時刻は15:00
昼刻を過ぎ、飾り付けも一段落した時、玄関に1人立っているのを見かける。
北上「ようやく来たね~ オオイッチアツグルシイヨ」
大井「北上さんの手を煩わせるなんて......全く、歓迎が成功しないと五連装酸素魚雷を放ちますよ? キタガミサァァンハァハァ」
球磨「そんな事言ってないで早く迎えに行くクマ イククマー!!」
多摩「皆で出迎えて歓迎ニャ ニャー!!」
木曽「ったく、慌てるなよ姉さん達 ッテカオイテカナイデクレヨ!?」
玄関に来た人と会う為に、我こそがと全員が部屋を飛び出して行った。
そして―――――――――――
??「.........こんにちは」
艦娘『............は?』
唖然とした。
先程までの、新提督を迎えるまでの、ウキウキとした心は何処へ?
一瞬で全員が冷めた目でその男を見ていた。
??「......本日付けで、ここ舞鶴鎮守府に着任する事になりました、薫提督です.........宜しくね」
艦娘『.........(声ちっさくて何て言ってるか分かんないんだけど) よ、宜しく御願いします』
以降 薫提督→薫
薫「......えっと、」
玄関で数秒の間、双方話さずに佇むと、流石に気まずくなったのか薫が恐る恐る話し掛けた。
薫「......とりあえず、中、案内してくれないかな......」
鳳翔「あ、ご、ごめんなさい。私が案内しますね。遅れましたが、名は鳳翔と言います」
薫「...あぁ、宜しくね」
鳳翔「宜しく御願いします」
艦娘『.........』
薫は鳳翔と名乗った、和服が良く似合うその人に連れられ廊下を歩いていく。
その間、艦娘達全員が提督の見定めをしていた。
翔鶴「......(何か暗い人ね)」
瑞鶴「......(髪が目に掛かってて良く見えないんじゃないかな?あれ)」
ビス「......(前のアドミラルの方がビシッとしてたわね)」
58「......(さっきから受け答えが適当でち)」
望月「......(まただるそうな人が来たなー、だる)」
卯月「......(悪戯しても反応薄そうな人だぴょん)」
と、ほぼ全員が初対面に『暗い』と言う印象を抱くぐらいに見た目は悪かった。
確かにそう思われてもおかしくはない。
薫提督の見た目は、身長は少し高めで太り気味、なのに黑髪の毛は目に被っていて、かつ帽子でそれに悪目立ちしているのだ。
誰でも初対面はそう思う。
―――その上
薫「うん.....」
薫「ふぅん......」
と、艦娘達の言う事に全ての応答が素っ気ないと来たらもう
艦娘s『......(この人が私達の新提督...?)』
その様に思うのも仕方が無い事である。
薫と艦娘達の静かなやり取りが続く事数分、大きなドアの前に案内された。
鳳翔「提督、ここが提督が主に働く場所となる執務室になります」
薫「......あぁ」
薫は鳳翔に案内されるとそのまま扉を開き中に入っていく。
薫「......へぇ」
そこで初めて薫は少し驚いた表情を見せた。
前提督がそこそこの報奨を得ていた為、執務室兼提督室はそこそこに豪華な部屋になっていたのだ。
そして、中央にある大きな机―――の前に立っていた1人の女性が薫に声を掛けてきた。
大淀「初めまして、提督。私は大淀と申します。本日から宜しく御願い致します」
薫「......あぁ、よろしくね」
大淀と言う女性がしっかりお辞儀をするに対し、薫はただ1言返し提督専用の席に着く。
艦娘s『.........(何か偉そうだなぁ......)』
最早やってる事一つ一つが-点に繋がっているが、薫はそれを気にも留めない。
薫「............」
席に着くと薫は何を発するでも動くでもなくただそこに座っている。
大淀「......?」
艦娘s『......?』
薫「.........」
その後、数分とも言える沈黙が続き、艦娘達が提督の言葉を待っていると
薫「.........君達、もう出てっいって良いよ?」
艦娘s『......は!? 』
艦娘達は提督が何を言ったか理解が出来なかった。それはそうだ。だって
大淀「い、いえ提督。そんな訳にはいきません」
薫「......何で?」
青葉「青葉です!司令官、私達はまだ司令官に自己紹介もしていませんし司令官の事も詳しく聞いていません!」
衣笠「それに、秘書官の設定や他にも小難しい事の説明が結構あるんですよ?」
千歳「提督業は1人では量が多くかなり大変でからね...」
千代田「と言うか、そのぐらい来る前に教えてこらなれなかった?」
と、言う様に提督には提督の最初の段取りがあるのだ。作業を円滑に進める為には(仕事をしっかりこなす)上司と部下の情報の共有、感情の共有が物を言う。特にこの提督界と言うのはそれが重要―――な筈なのだが
薫「......興味ない、秘書官はやりたい人が勝手に、別に後は書類を見る、以上」
艦娘s『.........はぁ?』
この提督......薫はそれを放棄すると言い出したのだ。
薫「......だから、もう下がって良いよ」
大淀「い、いえ!だからそんな訳には!」
薫「しつこい、興味ない」
大淀「なっ......」
それでも大淀が食い下がると、提督は本日初めてキッパリと言い放ったのだ。
これは所謂宣言であり『君達と必要以上に関わるつもりはない』との同意義だ。
那智「......そうか、貴様がそう言うなら良いだろう チッ...メンドウナノガキタナ」
足柄「そうね、ほら、皆行くわよ カンジワルイッタラアリャシナイワネ」
妙高「そうですね、皆さん行きますよ ......ハァ」
羽黒「はい、妙高姉さん コワイデス、シレイカンサン」
と、皆が口々に司令室から出て行く途中、1人の女の子が振り向き
吹雪「......新しく来ると言うから期待してたのに、残念です」
と言って来た。その瞳にはまだ何かの期待な眼差しが篭っていたが
薫「......歓迎とかわざわざやらなくて良いよ、早く戻って良いから」
吹雪「ッ!失礼しました!! ガチャン!!」
薫はただ一言そう言い放ち、関係を絶った。
何故か全てを遠ざける新人提督1日目
その出会いと歓迎は全て最悪なものとなったのであった。
Contained......
薫提督が着任してから早2週間が経とうとしていた。その2週間の間、提督と艦娘の仲は進展したか?
―――否、悪い方向に進展していた。
加賀「......提督、貴方がやるより私がやる方が早いです。貴方は何もしないで下さい」
薫「......でも」
加賀「でもも何もありません。そもそもこの書類等は、最初に此処に来た時にもっと早くに処理出来た筈です。何故まだあるのかしら?」
薫「............」
加賀「......またお得意の黙りですか。分かりましたので一切手を出さないで下さい......ハァツカエナイワネマッタク」
秘書官を誰かが務めればこの様なやり取りが毎回あり、提督へ怒声や罵声が飛ぶ。
間宮「......すいません、もうご飯は無いです」
薫「......でも」
間宮「すいません」
薫「.........(去ろうと)」
赤城「間宮さん、お替り下さい!!(薫をチラッと)」
間宮「はい、赤城さん。大盛りで宜しいですか?」
薫「.........(間宮さん達を一瞥)」
赤城「はい、宜しくお願いします!!」
間宮「はい、どうぞ赤城さん......あ、提督。そこにいられても他の人の邪魔になるので......」
鈴谷「そうだよ~、私達と話す気もないし馴れ合う気も無いし仕事も遅いんだからご飯食べなくても平気だよね~?(ニヤニヤ)」
熊野「そうですわ、早く提督室に戻られては如何かしら?」
薫「.........あぁ(食堂から出て行く)」
あつき丸「全く、提督殿がいては美味しいご飯も不味くなってしまうでありますな!」
まるゆ「そうですね~(もぐもぐ)」
と、食堂ではご飯はまともに出ず、更には艦娘からは暴言が吐かれる始末。
そして、薫提督は休憩時間中にカップ麺で束の間の休息を取るが
大淀「その様な物を食べている時間があるなら仕事をされては如何ですか?」
薫「......でも」
大淀「......(イラッ) でも!?またでもですか!?それ以外に話す脳が無いのですか!!貴方は!!」
薫「.........」
大淀「...またお決まりの黙りですか。えぇ、知ってましたよ。たった2週間でも貴方が全く使えない人だと言う事を」
薫「.........」
大淀「しかし、それでも貴方が判子を押さければならない書類もあるんです。たった判子を押すだけの仕事です。それぐらいはこなしてください」
薫「......(ずるる)」
大淀「......(がっ!!)」
薫「......あっ(地面に落ちたカップ麺を見ながら)」
大淀「......ふんっ」
薫「......(大淀を恨めしそうに見る)」
大淀「.........次、そんな目をしたら今度は身体に訴えますからね......マッタク(そう言うとその場を立ち去り)」
と、たった少し提督室を離れても大淀や秘書官に見つかれば一方的に責められる。
薫はたった2週間も経たない間にこの舞鶴鎮守府での居場所を無くしてしまったのだ。
金剛「Tea timeのお時間ネ~!!」
霧島「えぇ、この時間ならあの人もこの近くは通らない筈......美味しく頂けそうですね」
榛名「はい!榛名は提督がいても大丈夫じゃないです!」
金剛「Hey!!榛名......別に提督の事じゃナイかもしれないデスよ? フフフ」
霧島「そうですよ?榛名姉様......フフッ」
榛名「え!?違うんですか?」
金剛霧島『いや、そうだけどね』
榛名「ですよね~!!榛名は安心しました!!」
金剛霧島榛名『フフフッ♪』
比叡「.........」
利根「のぅ、筑摩」
筑摩「何ですか?利根姉さん」
利根「この2週間変な臭いがするとは思わないかの?」
筑摩「そうですね......恐らくあの男のせいではないかと」
利根「そうじゃのぉ......目障りの上に臭いまでとはのぉ......」
筑摩「......利根姉さんが言うなら私はすぐにでも(ユラァ)」
利根「待つのじゃ、筑摩(肩をガシッと)」
筑摩「......姉さん?」
利根「何も今消さなくてもその内......の?」
筑摩「......そうですね。辞めるかもしれませんしわざわざ今やらなくても良いかもしれませんね」
利根「そう言う事じゃあ......筑摩はあわてんぼうさんじゃなっ!!」
筑摩「そうかもしれませんね......ふふっ♪」
利根「はっはっはっは」
叢雲「臭い」
曙「クソ」
霞「クズ」
満潮「ゴミ」
瑞鶴「爆撃ね」
夕立「海にぽいっするぽい」
山城「不幸だわ......」
潮「ち、近寄らないで下さい」
浦風「何故いるんじゃろぉなぁ......ダカラワカンナイヨホウゲン」
漣「ktkr!」
朧「漣はどっちなの?」
最早地獄絵図である。
薫提督は何故か異臭を放っておりも見た目も接し方も×。艦娘達の待遇は前より厚く困らない様にはしているのだが、それは霞み既に提督は底辺状態。薫が何しようと
大井「近寄らないで下さい」
深雪「何だよ......」
大和「何ですか?仕事以外では一切話し掛けないで貰えませんか?」
卯月「ごめんなさい、無理です」
皐月「卯月が!?」
伊19「無理なの」
プリ「......(睨みつけてくる)」
瑞鳳「叉焼に蜂蜜塗って放置したの......食べりゅ?」
飛龍「多聞丸がいてくれたら......ブツブツ」
最早手遅れ状態一歩手前?まだ直接的な暴力が無いだけマシかもしれないが......
―――しかし、これが1ヶ月経ち、そして2ヶ月、半年に突入しようとしていたある日
『事件は起きた』
Contained......
10月1日 薫提督が着任して半年が経ちそろそろ寒くなってくるこの時期......天候は雨。
そして、舞鶴鎮守府には嵐が吹き荒れていた。
薫「......もう1度、言って、くれないかな?」
睦月「聞こえるまで何回でも言うにゃしぃ」
如月「私達は貴方の命令では遠征や出撃はする気は無いです」
弥生「......これからは聞きません」
時刻は13:00
昼を終え、本日の秘書官である時雨と書類に取り掛かろうとした時にそれは起きた。
―――艦娘は提督の命令を聞かないと言い出したのだ。
薫「......それは」
三日月「何で、ですか?」
菊月「当たり前じゃないか」
長月「仕事もほぼ秘書官がやっていて、お前は特にする事と言えばご飯を食べて判子を押すだけ......」
陽炎「そんな人の命令で疲れる事はしたくない、分かる?」
薫「......それは」
不知火「それが1番腹が立つ、それが分かりませんか?」
薫「......」
時雨「ちょっと言い過ぎじゃ無いのかな?」
と、此処までは黙って艦娘達の提督への不満を聞いていた時雨だったが、初めて反発した。
だが
時津風「言い過ぎゃじゃないよ!だって」
黒潮「何か図星を付かれたらすぐに話さなくなる......都合ええとは思わん?時雨はん」
雪風「はい!駄目だと思います!」
時雨「うっ......確かにそうかもしれないけどそれでも」
薫「.........良いんだ、時雨さん」
時雨「て、提督......」
薫「......良いんだ」
それでも食い下がろうとする時雨に薫はストップを掛ける。何も皆が言ってる事は間違っていない、そう薫は分かっているからだ。
那珂「ふーん......まぁいっか!だから提督!私達は提督の言う事何か一切きっきませーん☆」
由良「そう言う事です...提督」
五十鈴「だから、私達軽巡洋艦と」
天津風「駆逐艦」
伊8「潜水艦は」
駆逐軽巡潜水『貴方(提督)の命令は聞きません』
薫「.........(皆を見ながら)」
龍田「あっ、その見てるか見てないか分からない目で見るのもやめて下さいね~......切り落としますよ~?」
曙「暗いって言ったらありゃあしないわ......」
霞「とにかく、クズの言う事は聞かないからそのつもりで!!」
と、霞が言い放つと全員が部屋から出て行き、部屋には提督と時雨の2人が残された。
時雨「......提督」
薫「......何?」
時雨「大丈夫、僕は提督の言う事聞くし、寄り添ってあげるから」
薫「......ありがとう」
時雨と薫の間には他の人達と違い嫌な空気が流れていなかった。
他の人達が忌み嫌う中、何故、2人は普通にやっていけてるのか。
薫も最初の『歓迎会や自己紹介拒否』後は、寄ってくる艦娘を必要以上に絡みもしないが拒みもしない。ただ、艦娘達は提督を最初の1件以来は全てを悪く見て嫌う
―――時雨を含む4人艦娘以外は
駆逐艦、軽巡洋艦、潜水艦ストライキプチ騒動(薫が大人しい為)があってから数時間後、今度は――――
薫「......今度は」
金剛「私達デース」
古鷹「......」
鳳翔「......」
龍驤「(ニヤニヤ)」
時雨「......」
今度は、戦艦・重巡・空母・軽母のそれぞれ代表者1人ずつがやってきた。
金剛「Hey提督......単刀直入に言いマース、私達せんか」
時雨「ねぇ、金剛さん。先読みして悪いけど......要するにほぼ全員が提督の言う言葉では動かない、そう言う事だね?」
金剛が皆を代表して、話し始めた瞬間、時雨は先の言葉を読み、そう断言した。
それに対し
龍驤「おっ、君ィ......話が分かって楽だねぇ」
古鷹「はい、そう言う事です」
金剛「Hey! そう言う事だからもう私達には構わないでくだサーイ!!」
薫「......でも」
金剛「......(イラッ)だから、デモもな」
時雨「―――ちょっと黙りなよ、金剛さん」
金剛「......何デース、時雨。その男の肩入れをするデースか?」
薫がまた暗い雰囲気でいつもの口調で返す事に対し金剛が言い返そうとすると、次は時雨が金剛の言葉を遮った。
時雨「別に?ただ、人の言葉を一刀両断で遮ろうとするその態度が気に入らなくてね」
金剛「別に遮ろうとはしてないデース、その男がボソボソと話すから良くないのネー」
時雨「でも、と言う事はその先に提督は言葉を用意していると言う事だよ?これぐらいも分からないらなんて脳味噌に紅茶の葉でも詰まっているんじゃないな?」
金剛「......喧嘩売ってるなら買いマースよ」
薫「......時雨、良」
時雨「提督、今は少し黙ってて。1日に2度もとなると流石に、ね」
説得失敗。途中で遮られてしまった。
本日2度目の提督への煽り、それも積もりに積もったのが爆発したのか時雨は......怖い。
金剛「2度でも何度も来てやりマース。もう1度聞きマスが喧嘩売ってるのデースか?」
時雨「......ふぅん?僕より練度低いのやるの?」→練度99
金剛「駆逐艦が戦艦に勝てる訳無いデース」→練度71
と、2人がバチバチと火花を散らしていると
鳳翔「やめなさい、2人共」
この中でも1番大人びている鳳翔(練度85)が仲裁に入ってくれた。
鳳翔「こんな所でやりあっても仕方ないでしょう。2人の言い分は分かりますが、私達はこんな人がいる部屋にずっといる必要もありませんよね?」
時雨「.........(さり気なくdisったな、この人)」
金剛「.........チッ。分かったデース。鳳翔の言う通りデース......とにかく私達戦艦一同」
古鷹「重巡洋艦一同」
鳳翔「空母一同」
龍驤「軽空母一同は」
金剛「テートクの言う事は聞かないからそのつもりでネー.......ついでに全員秘書官を外れるねー。では、失礼したネー」
古鷹「失礼しました」
鳳翔「失礼します」
龍驤「ほんなら、失礼したで」
薫・時雨『でも礼儀は正しいなぁ』
と、4人は一応申し訳程度だが挨拶をしてから出て行った。
それを少し、寂しそうな目で見送った後、薫は時雨の方を向き
薫「.........時雨さん」
時雨「......何?」
薫「......君は良いの?」
時雨「......んっ、今更じゃないか。提督」
薫「......そっか」
そんな小さなやり取りを交わした。
時雨は秘書官をやめるつもりは更々ない様だ。
そこからまた今度は1時間も経たない内に違う艦娘達が提督室を訪れた。
??「失礼します、司令。いますか?(ガチャン)」
薫「......あっ(時雨を押し倒し)」
時雨「......わぁ(押し倒され中)」
??「......えーと、失礼しました?(出て行こうと)」
薫「......違う」
時雨「違うんだ、これは誤解なんだ比叡さん」
比叡「......ひえ~」
訪れてきた艦娘の名は比叡。そして、見た光景は薫が時雨を押し倒している図。
時雨「提督がたった時によろけてしまってそのまま僕を押し倒しただけなんだこれは違うんだよ比叡しゃん」
比叡「落ち着いて、時雨さん。分かったから、そんなに顔を真っ赤にして早口で誤魔化さなくても私は分かったから落ち着いて?」
時雨は顔を真っ赤にしながら、比叡はそれを宥めるようにに話す。
その後、提督は一言謝罪の言葉を入れながら時雨の上から退いて、1度落ち着いてから比叡が2人に話し掛ける。
比叡「ところで、司令、時雨さん」
薫「......何?」
時雨「何だい?」
比叡「カレをーつくっ」
薫・時雨『さよなら』
比叡「あっ、待って、押さないで!?司令もこう言う時だけ行動的にならないで下さい!!」
と、提督と時雨が冗談半分本気半分で追い出そうとしているこの比叡。
彼女も1人の薫を嫌っていない人物だ。
比叡がカレーを初めて薫の所に持って行き、薫は最初こそは拒絶したが、食い下がるために仕方無しに食べ、そして倒れた。
その時に近くにいたのが比叡、そして秘書官であった時雨で、何故か2人共嫌ってはいなかったのだ。
2人に薫がそれとなく「何故?」と聞いてみた時には
時雨「......んー、野性的感覚?」
比叡「何となくです!!フンスッ」
理由って何だろうと言う気持ちになった。
とにかく2人は今でも薫に絡んでくれる大事な艦娘である事には違い無かった。
だが
比叡「何で追い出そうとするんですかー!!」
薫「......死にたくない」
比叡「何も大袈裟なぁ......」
時雨「あれは稀に見る殺人カレーだね。水じゃなくて王水で煮込んだんじゃないのかな?」
比叡「時雨さんまで!? ガーン」
比叡カレー、お前は駄目だ。
あのカレーのせいで薫は1度生死をさまよい掛けた。ある意味、殺意が無い分、悪口を直接投げ掛けてくる他の艦娘より質が悪いのだ。
比叡「むぅ......知らないですよ!? 今回のカレーが物凄く美味しくても!! 」
薫・時雨『それはない』
比叡「だからハッキリと言わないでぇー!!」
と、比叡が2人の言葉にK.Oされて膝から崩れ落ちると
薫「......ははっ」
時雨「あ、笑った」
比叡「笑いましたね」
薫が滅多に見せる事の無い、笑いを見せた。
薫「......駄目?」
時雨「ん、そんな事はないよ」
比叡「ただ、最近は皆さんの件で司令、かなり疲弊している様だったので」
時雨「安心しただけだよ」
薫「......ん」
時雨・比叡『(ニコニコ)』
と、3人で少し和やかな空間が流れていたのは数秒、また新たな艦娘が入ってきた。
??「失礼しまーす!! 司令官!! 聞きたい事がー!!」
??「同じく失礼します!!」
2人の艦娘が入ってくる。
この2人もまた提督No嫌い!!艦娘で
名を青葉、明石と言う。
2人共『良い人でしょ?』と言い、他の人に流されず提督を理解しようとしているのだ。
正直、出会いがあれでよい人と言うのも何か思うが、薫は拒みはしない。深入りもしない。
薫「......ん」
青葉「いやぁ......司令官。困りましたね」
明石「多分、提督も流石に分かっているとは思うんですけど...」
2人は入ってくると早々、青葉と明石が困り顔で薫を見ていて、薫もそれに対し頷く。これで
時雨「あー......まぁその問題点が直面するよね」
比叡「?」
時雨は理解し、比叡は全く理解しなかった。
全ての艦娘......時雨、比叡、青葉、明石を除く全員が提督の命令で動かないとどうなるか。
―――今1番の問題が直面していた。
Contained......
時雨「と、まぁこう言う事何だよ」
比叡「説明を良い様に省こうとしないで下さいよ......」
比叡が今1番の問題に気付いてない事を理解した4人。正直1から説明するのも面倒臭かった時雨が省こうとし、失敗した。
明石「はぁ......比叡さん、良く聞いて下さいね」
比叡「は、はい!!気合い!!入れて!!聞きます!!」
明石「いや、普通に聞いてくだ......もうそれで良いです」
時雨「(あ、明石さんが諦めた)」
ちゃんと説明しようと明石さんが先導を切ってくれたが、『純粋』『元気』の二拍子が揃う比叡さんへの説明は少し骨が折れそうだ。
明石「こほん......では、まず今の現状は理解していますか?」
比叡「えーと......もうすぐ夕食の時間と言う事ですか?」
明石「もうやめて良いですか?」
比叡「ごめんなさい」
まるでコントだった。
確かに時刻はもう1700に近いけどそうではない事なのは確かだ。
薫がまた吹きそうになっている中、やっと話がまともに進み出す。
比叡「えーと......司令官が滅茶苦茶全員から嫌われています」
時雨「そうだね」
青葉「はい」
明石「そうですね」
薫「............」
比叡「それは司令が暗く、何故か臭いを放っていてかつ最初に私達を拒絶したからでしたよね!!」
時雨「全く持ってその通りでね」
青葉「はい!!その通りです!!(薫の方を向きシャッターパシャリ)」
明石「(コクリ)」
比叡「そして数ヶ月経った今日、嫌になった皆が司令の命令は聞かない宣言をしました!!」
時雨青葉明石『簡潔な現状説明ありがとう(ございます)』
薫「............(天井を眺める)」
比叡「あ、しし司令!!私は司令の事嫌ってなんかいませんから!」
時雨「ぼ、僕も提督の事嫌っていないからね?」
青葉明石『私達もですよ!』
と、薫が今直面している現実に悲しんでいる様に見えた4人が必死にフォローを入れてくれる。
薫「……違うんだ」
が、予想に反して薫は否定の言葉を入れてきて、その後全員の方に顔を向ける。
比叡「え、えーと……違うんですか?」
青葉「別に、皆から嫌われていて悲しんでいる訳では、ないと?」
薫「(コクリ)」
どうやら悲しんでいた訳ではない。
では、どうして薫は会話の時に天井を眺めていたのか?と皆が疑問に思う中、時雨が一つの答えに辿り着いた。
時雨「もしかして、提督。未だに何で僕達が提督の事を嫌ってないか……を疑問に思ってたりしないよね?」
それは薫を皆が嫌いに思っている中、何故4人が嫌っていないかと言う事疑問なのだが、しかし
比叡「それは私は何となく悪い人だとは思わなかったからで」
青葉「若干無理をしている様にも見えたからです!」
明石「私は単純に良い人だなーと思ったからかな?」
時雨「僕はやせ」
薫「……時雨さんの言う通り、かな」
と、全員が時雨が出した疑問に答えている中、時雨が自答しようとした時、薫が遮った。
薫「……時雨さんの言う通り、何でかな、と思っていた」
時雨「だからそれは野性的感覚であって」
薫のその疑問に時雨は少し怒った様に言い返そうとするが
薫「でもそれは内面的感覚だよね?」
時雨「……」
薫が珍しくしっかり言い切った事により、時雨は言い返せなくなった。
薫「確かに、皆が言う野性的感覚、良い人と言うのは嫌いにならな理由の一つだとは思う」
青葉「じゃ、じゃあ何故そんな疑問を抱くんですか?」
薫「……さっき皆が言っていた事に理由は当てはまると思うよ?」
明石「……見た目の話ですか」
薫「……うん。そういう事」
ここまで話した所で、全員は一度黙り始めてしまった。
薫が言いたい事を簡潔に纏めると「性格が良く見えても外見が酷く臭いのに何故?」と言う事だ。
薫「……」
艦娘s『……』
沈黙の時間が続く。それはたった数秒、いや数分は経ったかもしれない。
と、その時だった。
比叡「え、司令は阿呆ですか?」
時雨「うん、阿呆だね」
青葉「いやぁ、阿呆ですね」
明石「間違いなく阿呆ですね」
薫「……え?」
ほぼ、全員が同時に薫に対して「阿呆」と言い放ったのだった。
薫「……な、何で…」
それに対して当然薫は疑問に思うわけだが
比叡「司令」
薫「……うん」
比叡「私は金剛お姉さまが大好きです」
薫「……う、うん」
何故か、いきなり艦娘の姉妹の愛情を言われた。
比叡「言っちゃえば性的にも愛しています」
薫「……えぇー」
違った、百合だった。
薫が少し引く中、比叡は続ける。
比叡「司令は金剛お姉さまの事どう思っていますか?」
薫「……別にどうも…」
比叡「見た目はどうですか?」
薫「……綺麗だとは、思う」
比叡「好きですか?」
薫「……それは……ごめん、良くわからない」
比叡「…分かりました……じゃあ私はどうですか?」
薫「……可愛いと思う」
比叡「……好きですか?」
薫「……嫌いではない、かな…」
比叡「……ひえ~っ///」
薫「……?」
会話の流れで比叡の事も思ったままに言った筈なのに何故か照れられた。
時雨「……若干ジゴロ?」
青葉「かもしれませんねぇ(比叡の方にシャッターパシャリ)」
明石「ですねぇ……コノヘヤアツイデスネ」
比叡「こ、こほん……えーと、司令。それは何故可愛いと思ったんですか?」
薫「……カレーを作って来て断られてもめげない、動物的感覚で動く、常に元気、明るい、笑顔が素敵、etc」
比叡「……こほん/// も、もういいです司令」
薫「……分かった」
比叡「それで司令」
薫「……ん?」
と、ここで少し比叡が間を開ける。
その間、艦娘達は何故か全員笑顔だった
そして
比叡「それって半分以上内面的な理由だとは思いませんか?」
薫「……あっ」
比叡が薫に対する答えを出してくれた。
比叡「良く知る私の事は嫌いではない、でも知らない金剛お姉さまは良く分からない」
薫「……」
比叡「それって見た目はともかく私の事をよく知ってるからこそ、じゃないんですか?」
薫「……比叡さん」
比叡「笑顔とかは外見かもしれません。でもカレーを作る、元気が良い、感覚で動いている等は相手を良く見ているからこそ出る意見……私はそう思いましたけど、違いますか?」
薫「……違わない、ね」
薫が比叡をしっかり見つめる。比叡は照れながらも話を続ける。
甘い雰囲気が本来なら流れるかもしれないが
比叡「司令。確かに司令の第一印象最初は最悪です。本当に最悪でした」
薫「……うん、まぁ…」
違った。いきなり叩き落とされた。まぁ仕方がない事だ。
その後も比叡だけではなく全員で続ける。
時雨「僕って少し他の人より鼻が効くから提督の臭いは正直キツかったかな?」
青葉「スクープにしようとしても悪い方面にしか書け無さそうでした!」
明石「正直、この人どうなのかな?とも思いました」
薫「……うん」
比叡「カレー持ってたのに拒絶されました」
薫「……あ、あれは」
比叡「拒絶されました」
4人『なので第一印象は最悪だったかもしれません』
薫「……」
と、ジト目で見られ言い返そうとした薫は何も言えなくなる。
が、直後に皆は笑顔で
比叡「でも最後は食べてくれました」
時雨「何だかんだで皆の事を心配に思っているのが書類で分かるよね。臭いは慣れてきたし」
青葉「そうですねぇ……他の人はそれが分からないぐらいに嫌っている様ですけど」
明石「どんなに秘書官に言われても、馬鹿にされても私達に関する書類は必ず自身でやり遂げますもんね。」
時雨「それを見ると、最初に拒絶したのも何かあったのかなーって思うしね、あ、わざわざ何かあったとしても今は言わなくて良いからね?」
薫「 .........っ」
薫は思わず全員を見渡した。
まさか此処まで見ているとは、と
薫の驚きの顔を見て満足したのか、そこで時雨・比叡・青葉・明石の4人は笑顔で顔を合わせ薫の方を向き
比叡「なので外見が駄目第一印象最悪でも」
時雨「僕達は一歩踏み出せた。臭いにもなれたしね」
青葉「もしかしたらその内大きいスクープになるかもしれませんしね!」
明石「まぁでももうちょっと書類に対する速さが上がったらなぁ…とは思う所もありますけど……まぁでも結論から言いますと!」
4人『私達はしっかり貴方の内面を見たので嫌いになりませんでした!』
これ以上に無い位での笑顔でそう断言しれくれた。眩しかった。
―――向日葵の様だ、と薫はこの時感じたと言う。
時雨「だから、これからは僕達で秘書官を回していく事にするよ」
比叡「書類!気合い!入れて!頑張ります!」
青葉「腕がなりますねぇ」
明石「開発とか少し贔屓して出来るかな?」
薫「………凄いなぁ、皆。うん、凄いよ」
それに対し、薫が少し照れながら帽子でただでさえ見えない目元をさらに隠しながら頬を掻いていると
時雨「あ、提督が照れた」
青葉「写真いただきます!(パシャリ)」
薫「……や、やめ」
青葉「駄目です!(パシャリ)」
薫「……oh」
比叡「あははっ!」
明石「ふふっ♪」
皆の中に暖かい雰囲気が流れていた。
薫提督が着任してから約2か月、早々に窮地に立たされている思ったのはどうやら早とちり。
嫌われ提督に咲くは笑顔、4輪の小さな花が支えてくれる事が薫には分かった。
10月1日、18:00
薫提督と時雨、比叡、青葉、明石はやっと初めてちゃんと一歩踏み出せた気がした。
―――そして、これからの4人の運命もここから全員とは大きく分かれる事になった。
時雨「そういえば、結局今1番の問題解決してないね」
4人『あっ』
Contained……
時雨「今一番の問題は、鎮守府の機能の問題だね」
暖かい雰囲気を目一杯堪能後、時雨は「こほん」と立て直したから問題点を挙げた。
比叡「あっ」
5人で唯一理解してなかった比叡も此処までストレートに言われると流石に理解した様だ。
青葉「やはりそうなりますよねぇ......」
明石「遠征は資源、出撃は報酬、演習では経験や他鎮守府との交流と......まぁこれらが出来ないとなると......」
比叡「うわぁ......」
薫「.........」
明石が言った通り、艦娘が主にこなす『出撃』『遠征』『演習』のこの3つは鎮守府にとっては生命線。此処を維持する為の生命線となるのだ。
時雨「でも、確か駆逐艦組は勝手に遠征する様な事言ってたね」
比叡「そう言えば戦艦の方々も出撃は自分の判断でって......」
青葉「あっ!重巡もです!」
明石「はー......じゃあ鎮守府が全く機能すると言う事は無い、のかな?」
時雨「報告だけは流石に何かしらの形でしてくるとは思うしね......」
薫「......演習は、何とかするね」
比叡「あれ?じゃあこの問題は意外と解決したりして?」
時雨青葉明石『無いです』
比叡「ひえ~......」
比叡が安直な結論を出すと、3人はそれを真っ向から否定した。
時雨「確かに、今すぐに!!的な意味では問題ないかもしれないけど......」
青葉「もし、もしですよ?比叡さん」
比叡「は、はい」
青葉「司令官の命令を無視して自身の意思で動き続ける艦娘がいる、何て話が大本営の耳に届いたらどうなると思いますか?」
比叡「えっ......そ、それって」
比叡はようやくこの状態が......未来が深刻な状況に成り得るかを理解した。
―――最初は恐らく思い付かない。でも誰かは思い付く。
『艦娘達がボイコットを起こし薫が鎮守府をまともに動かせてない事を大本営に伝えたら?』
この時代、艦娘が何か反乱等の不祥事を起こした場合、罰せられるのは総監督の提督本人。
『兵器である艦娘さえまともに従えさせる事が出来ない人物に興味ない』
5人『...............』
提督だけでなく、艦娘も普段の授業や座学にて教えられる事である。
が、艦娘は申し訳程度にしか教えられない事であり、時雨や青葉等がこれを覚えていたのは書類仕事をこなすからである。書類には時々注意事項として書かれている事だからだ。
だが、他の艦娘もいつこの事を思い出すか、それがある意味タイムミリットなのだ。
薫「......青葉が味方で、良かった......」
青葉「褒められてる様な遠まわしに貶されてる様な......まぁありがとうございます」
情報を皆に伝える専門の青葉、敵でなかった事に安堵する薫だが、何でもべらべら話す人だと思われてるのかな?と思い青葉少し複雑な気持ちになった。
明石「提督が代わってブラック鎮守府になる危険性がある限り、私としてはそれは避けたいですからね。気付かないで欲しいですけど...」
時雨「そうだね......まぁ僕個人としては提督自身にもやめて欲しくないけどね」
明石「それは同感です」
比叡「ですね」
青葉「はい!!」
薫「......時々照れさせるのやめよう?ね?」
4人『ニヤニヤ』
薫「......むぅ」
時々、束になって照れさせるこの4人。
適う気がしなかった。
時雨「まぁこればっかり祈るしか無いから少し置いといて、提督」
薫「......何?」
暖かな雰囲気が再び流れる前に時雨が早めに立て直した。
時雨「現時点での資源やその他高速修復剤などは足りてるのかな?」
薫「......え、えーと......」
時雨「ゆっくりで良いから見てみて?」
薫「......ありがとう..................えーと、各資源10万ずつで修復剤は......残り500は、ある 」
比叡「おー、結構まだありますねー」
明石「提督、仕事が遅いせいか資源を捻出する頻度でかなり遅いからね」
青葉「遅いが故に生み出した偶然の産物と言った物ですね、流石ですね司令官!!」
時雨「褒めてないよ、それ褒めてないよ」
薫「......とにかく、皆は無事でいれそうだね」
時雨「そうだね。とりあえず僕達の心配は......まぁ轟沈する様な無茶する人はいないだろうし」
青葉「問題はありませんね!!」
比叡「安心ですね~......(キュルルル) ハッ///」
艦娘達の心配はとりあえずなく、薫の事も今は急遽する事がない。そう思った比叡のお腹は可愛らしい音を立てた。
薫「......夜ご飯」
時雨「んっ......時刻は19:00だね」
青葉「食堂は......今日は良いですね!! 此処で皆で何か食べましょう!!」
明石「あっ、良いねそれ。確か部屋に簡易的な物があった筈だから取ってくるよ」
時雨「じゃあ僕もそうしようかな」
薫「......(ありがとう)」
薫は直接言うのも照れ臭いので心の中でお礼を言った。皆は薫に気を使ってくれたのだ。
間宮さんや鳳翔さんが営む所ではご飯を出して貰えない薫はいつも1人で食べる事が多い。
最近は時雨や比叡、青葉に明石が秘書官であった時は2人で食べていたが5人で食べるのは初めてであった。
―――実際問題、これからは提督と食べていると他の人に何を言われるかも分からない。もしかしたら今までも言われていたかもしれない。でも4人気にしている素振りは一切薫には見せた事がない。
これから何が起こるかも分からない中で、薫の事を気遣う4人
―――薫は純粋に『この鎮守府の誰よりも大人な人達』と思った。
......でも、それとこれは話が別であって
比叡「じゃあ!私のカレーを食べ」
4人『それはいらない!!』
比叡カレー、てめぇは駄目だ。
比叡「ひえっ~!!」
時雨「あはは♪」
青葉「いやぁ、それは無理です!!(時雨の笑顔をさり気なくパシャリ)」
明石「明日動けなくなってしまいすよ~」
比叡「だ、だから今回は大丈夫だって!!」
提督「......何回も裏切られたなぁ、却下」
比叡「oh......(がっくり)」
10月1日 本日の薫はこれからの秘書官4名と楽しく食事を楽しんだ。薫と秘書官が本当に大変なのはこれからであり。これが始まりだった。
もう少し未来に起きる、本当の崩壊まで後少し......まだ、誰も知らない未来がそこにある。
??「......いやぁ、3年ぶりに征服活動、何てやってみますかぁ......ねぇ深海棲艦とか言う人の形をした兵器さんらよ?」
深海棲艦『............』
Contained......
舞鶴鎮守府
10月1日に時雨・比叡・青葉・明石を除く4人が薫提督に対してボイコット……命令放棄を起こし始めて早2か月。
時期は12月24日の冬。世の中はクリスマスムードの中、予期せぬ最悪の事態が起きた。
薫「……もう一度言ってよ、金剛さん」
金剛「聞こえませんでしたカ?私に提督が所有するする提督権限の全てを譲渡してくだサーイ」
武蔵「そういう事だ、提督」
薫「……」
金剛を筆頭とする艦娘達が、提督室に突如やって来たと思えばそんな事を言い出したのだ。
時雨「……それって、金剛さんがこの鎮守府の提督になるって事なのかな?」
金剛「そういう事デース。だけど、艦娘は提督には公式的にはなれまセーン。なので、提督があくまで提督としてここにいるとして、その権限は全て私に一任してもらう様にしマース」
薫「……(少し考える素振りを見せる)」
薫はこの間に色々な事を考えていた。
初参加するという大規模作戦がそろそろ控えていて、新しい艦娘を迎えるであろうこの時期……艦娘達もそろそろのあの最悪な事態について気付く人も出てきてもおかしくない。それこそ新しい艦娘に教える時に、など。
それを踏まえて今譲渡するタイミングとしてはどうなのかと少し考えていると
時雨「……断固お断りだね、そんな事」
ほぼ毎日近くにいる秘書官達が先にキッパリ断ってしまった。
五十鈴「え?今何て言ったのかしら?」
比叡「お断りします、って言ったんです」
飛龍「へぇ……言うね。貴女が大好きな金剛お姉さまの言う事なんだよ?」
比叡「それでも断固としてお断りします。それに、あの一件以来私の中では金剛お姉さまは既に死んでいます」
金剛「Hey……比叡、貴女も本当に言う様になったネー」
比叡「金剛お姉さまのおかげですよ」
金剛「……皮肉を言うのも上手くなったものネー」
衣笠「青葉、貴女もなの?」
青葉「そうですねぇ……私個人としてはそれもスクープとしては面白いかもとは思うんですが……」
古鷹「なら、そろそろ私達と……!」
青葉「先に拒絶をし出した人達に誘われて、私が靡くとでも?(ニコリ)」
加古「……チッ、面倒くさいなぁ」
夕張「明石、貴女もなの?」
明石「そうですね……あの一件さえなければ提督保全の為にはとも考えたかもしれませんが……少し遅いとは思いませんか?夕張」
夕張「……明石」
あの一件。
それは秘書官4人組と薫の仲が深まってから約1か月後の11月16日に起きた事件。
朝食時、全員が食堂にてご飯を食べていた所
時雨「どうしてあんな事したんだ!答えろ!」
―――時雨の怒声が食堂に木霊していた。机に手を叩きつき大声を出す時雨。それは心の底から何かに対して怒っている様だった。
夕立「うるさいっぽい、提督さんの犬がどうしたっぽい?」
吹雪「お帰りはあちらですよ」
電「ゆ、夕立ちゃんに吹雪ちゃん。そんな事言ったら時雨ちゃんに失礼なのですっ(クスクス)」
と、近くにいた駆逐艦達が時雨をからかう様にそう言ってきた。
あの日以来、秘書官4人に対しても薫が危惧していた様に皆の態度が変わってしまい、それこそご飯なども薫と同じ扱いになってしまったのだ。
それでも4人は『全く気にしてない』と言うからこれまた凄い。
時雨「……今はそう言う挑発、物凄く頭に来るなぁ……ねぇ夕立」
いつもならこんな小さな挑発は簡単に流す時雨だが、今日はそうもいかない。
夕立「何っぽい?別に夕立は時雨が頭に血が昇っている様だから場を和まそうと…」
時雨「そんな事は聞いてない!!!!僕は!どうして……どうして!提督を傷付けたかを聞いているんだ!」
時雨が怒っている理由―――そう、朝にいつも通り秘書官4人が提督室へ向かうとそこには
薫「……あぁ、おはよう(ぐったり)」
時雨「て、提督!」
比叡「司令!」
青葉「司令官!?」
明石「提督!」
傷だらけの提督が机の上でぐったりしているの見てしまった。
顔は赤く腫れ上がり、腕は……左腕が骨折しているかもしれない。
とにかく見ただけでも大怪我という事が良く分かった。
時雨「大丈夫……じゃないね。明石さん、保健室から」
明石「医療箱ですね、すぐに取ってきますね(ダッシュ)」
時雨が提督を椅子から起こし、明石はすぐに保健室に医療箱を取りに行った。
比叡はその間顔を真っ青にし、青葉は少し涙目の状態だった。
数分後、明石が医療箱を手に戻ってきて、手当てを始めながら事情を聴く。
時雨「……提督、何があったんだい」
薫「……分からない」
比叡「わ、分からないってそんな訳!」
薫「本当に分からないんだ……朝、寝ていたらいきなり視界を奪われて……」
青葉「……まさかその後誰かから暴力を……」
薫「……(コクリ)」
明石「そんな……」
どうやら、もう一つの恐れていた事が起きてしまったらしい。
それは艦娘の提督への肉体的暴力だ。
艦娘の力は人より数倍強い。そんな艦娘が提督を殴ったり蹴ったりすればどうなるか―――そんな事は分かり切っている事なのに。やったのだ。
何時までもここにいる薫が気に入らなくて、何故か4人もそんな提督に付いている事が気に入らなくて。
とうとう行動に出たのだ。あの仮面を被った悪魔達は!!
時雨「……比叡さん、青葉さん、明石さん……(ユラァ)」
比叡「何ですか、時雨ちゃん(パキコキ)」
青葉「ふふふ……青葉を怒らせたわね(パシャリ)」
明石「青葉さん、それは違う人……」
薫「……み、皆おちつ」
4人『提督(司令、司令官)絶対に止めないで(ね、下さい)』
薫「……あまり暴れないでね」
4人『はい!』
この時、薫は皆の後ろの鬼が見えたと後々語る。
そのぐらいに全員は怒っていた。
私達に対して差別する様になっただけでなく提督に暴力を振るった。
その事実だけが4人を突き動かした。
4人は提督室を出ると既に行動に出た。
青葉「さて、まずは誰がこれをやったかを特定する必要がありますねぇ」
時雨「あっ、それに関しては大体わかっているよ」
青葉「え、そうなんですか?」
時雨「うん、何人が加わって他に誰がやっていたかは分からないけど……1人は確実。だからまずはそいつに叩きつけてやるんだ」
比叡「分かりました。では私は後ろで控えておきますね」
明石「私は工廠に物を取りに行ってきます」
青葉「青葉も比叡さんと同じく最初は後ろで待機しておきます!」
時雨「うん、分かったよ。じゃあ皆……作戦開始だ」
3人『了解!』
この4人、常に提督の近くで仕事をやっているせいか色々な力が身に付いていたらしい。
食堂に向かうまでの2分もかからない時間で話がすべて纏まった。
こうして時雨が食堂に入っていき今に至る。
時雨が言う、提督を襲った1人の人物
―――それは
時雨「どうして提督を傷付けたかを聞いているんだ!夕立!」
夕立であった。
夕立「時雨は何を言ってるぽい~?別に何もしてないっぽい!」
時雨「嘘をつかないでくれないかな……夕立!」
夕立「……言い掛かりをつけないで欲しいっぽい!そんな夕立がやったなんて言う証拠何処に」
時雨「僕が何も確証を持たないで言ってる―――本当にそう思ってるのかな?」
そう言うと時雨は、先ほどまで机に叩きつけていた手をどける。
そこには、時雨が夕立がやったと言う確証を持った―――
夕立「.........へぇ」
ペンダントがあった。
時雨「......このペンダント、僕が夕立の初出撃にあげた物だからね、見間違える筈がない」
夕立「......(時雨を黙って見つめ)」
時雨「そして、これが提督室の机の下に落ちていたんだ......!! 提督の血がついた状態でね!!」
夕立「......ふーん............(目の前にあるペンダントを持ち)」
時雨「......ハァ、ハァ」
夕立「......それで?」
時雨「......え?」
夕立「提督さんを傷付けたのは夕立、じゃあそれが何だって言うの?(とても良い笑顔で)」
時雨「なっ......ゆ、夕立、君は何を言って......」
時雨はこの後、夕立がこんなにも良い笑顔を浮かべているのは久し振りに見た......そのぐらいに悪びれもしない笑顔だった。
夕立「だって、提督さんが悪いっぽい。いつまでも此処にいて」
時雨「夕立.......」
夕立「何時までも悪い所は改善しようとしないで、秘書官とかいう名目で時雨達に甘える提督さん、そろそろ本当にいらないっぽい」
時雨「.........」
夕立のあまりにも率直な意見に時雨が呆然としていると
榛名「榛名もそろそろ大丈夫じゃないです」
酒匂「ぴゃー、本当にいつまでいるのかな?」
潮「えぐっ......ぐす」
敷波「あー、ほら。泣かないで潮」
北上「まっ、そゆ事なんだよねー。時雨」
時雨「......(北上の方をに振り向き)」
北上「皆はそろそろ限界なんだよねー。で、とうとう夕立が今日行動に移して......まぁそれには此処にいる人達結構の数くわわってるけどねー」
時雨「......それって、全員なのかい?」
北上「いやぁ?川内や響......それに瑞鶴は加わらなかったよねー。確か」
川内「まっ、まぁねー」
響「хорошо」
瑞鶴「わ、私は......別に......」
時雨「そうかい.........分かったよ。皆」
北上「うん?何が分かったってい」
ドォン!!
北上「(ドサリ)」
大井「き、北上さん!?」
江風「あ、姉貴!何をするんだ!」
時雨は一度下を向き、何かを決心したように小さく笑うと、艤装を展開し北上に発砲した。
何も装備していない状態の北上は1発で大破状態になり、その場に倒れた。
時雨「......皆には一度罰をあげなくちゃならない様だね。そこに立ちなよ。反逆者共!!」
艤装を展開した時雨の目には怒りの炎で満ちていた。ここにいる食堂全員の艦娘とやりあうつもりらしい。
夕立「......へー、勝てると思ってるぽい?」
白露「そ、そうだよ、やめなよ時雨。何人いると思ってるの?」
時雨「何人だろうね、でも関係ない(ガチャリ)」
霧島「......一度痛い目見ないと分からない様ですね......ごめんなさい時雨!!(艤装を展開し構える)」
??「当たってー!!(ドォン!!)」
霧島「きゃあ!?(ドサリ)」
他の艦娘達が時雨に対して艤装を展開し構えた瞬間、扉の向こう側から新たな弾が飛んできて、霧島に直撃した。
比叡・青葉・明石の3人だ。
金剛「......Hey My sister。これはどういう事ネー、霧島に弾を当てるなんて」
金剛はその内の1人、姉妹である比叡に心底震えるようなトーンで話し掛けるが
比叡「それはこちらの台詞です、金剛お姉さま」
金剛「......whats?」
比叡は臆するどころか、愛しの金剛に反論してきたのだ。
比叡「先程の北上さんが言った感じだと、金剛お姉様も加わったんですよね?」
金剛「提督のフルボッコtimeにデスか?勿論デース!! そろそろ鬱陶しいかったから仕方ないネー」
比叡「......(涙目で砲先を金剛に向ける)」
金剛「......比叡、まさか私にそれを当てる気デスか?」
比叡「......覚悟して下さい、金剛お姉さま」
金剛「......やれやれ、躾のなってない妹ネー......仕方ないネー。皆、艤装を構えて下サーイ(ガチャン)」
衣笠「......青葉(ガチャン)」
青葉「ガッサー。私は怒っています。妹が間違えた事をしたならそれを正すのもまた姉の役目......覚悟して下さい」
明石「私は新装備を試していきますねー(ガチャン)」
加賀「頭に来たわ」
赤城「一航戦、赤城、行きます!」
大和「大和、行きます!」
艦娘s『(戦争勃発)』
............結果、この仲間内での争いは時雨達が制した。連携力の差であった。
その日、全員はドック入りとなり次の日、薫は資材と高速修復剤の減り方に倒れかけたと言うが、まぁ仕方がない。
と、この一件以来薫&秘書官4人と他の艦娘達の中は冷戦状態並に冷え切っていた。
その中での金剛の提督権限譲渡の意見。
再び、場に緊張が流れていた。
金剛「......まぁ、良いネー。時雨達はそう言うと思ってたけど、提督。貴方はどうネー」
薫「............」
金剛はこのまま秘書官達と話しても拉致が明かないと考えた為、直接薫に問い質した。
金剛「今、私達は貴方言う事は全く聞いてないデース」
翔鶴「それがもう数ヶ月も続いて......そろそろ面倒臭いとは思いませんか?」
葛城「私達はそろそろ面倒臭いのよ。本当に」
叢雲「だから、金剛さんに権限を渡してって言ってるの」
薫「............」
武蔵「で、ないとまた貴様に何か不幸が降りかかるかもしれないぞ?」
時雨「なっ......!!」
青葉「へぇ?」
比叡「またやると言うんですか?」
瑞鶴「いやいや、もし提督さんが拒んだらって言う時だから......ね?......提督さん、怪我したくなかったらわた」
武蔵「ほう?良いぞ。今回は前の様にはいかないぞ」
曙「ふんっ......今度は負けないわよ」
瑞鶴「......」
時雨比叡青葉明石『へぇ......また前の様に私達の前に沈みたいのか?(ゴゴゴ)』
最上「上等だね」
球磨「球磨の底力見せつけてやるクマ」
と、また一瞬で一触即発の空気が皆の間に流れ込んでくる―――が
薫「―――待つんだ、時雨」
時雨「......て、提督?」
薫が立ち上がった思うと、時雨に自分の被っていた帽子を被せたと思うと、金剛の前に立ちはだかった。
何か、少し違う雰囲気を醸し出す提督に金剛は少したじろいだが、すぐに取り戻しし提督に向かった。
金剛「......答えはでましたカ?」
提督「......(コクリ)」
金剛「では教えて下サーイ......どのみちYes以外の答えは受け付けませんけどネー」
提督「......あぁ良いだろう。僕の......いや、俺の答えは―――金剛型一番艦金剛、俺はお前に決闘を申し込む!!」
と、薫はそう大きく宣言した。
薫の初めてのその大きな声、その宣言に艦娘達が唖然としている中、何かがこの鎮守府で......止まっていた歯車が動き出した事を時雨は肌で感じた。
Contained......
時雨「いやぁ、提督がとうとう立ち上がった様だね」
青葉「いやぁ!その様ですね......私としては次の展開がどうなるか!スクープ撮りたい放題ですよ!」
比叡「まぁ作者さんはこの話、1から考えてるのでなく、即興で考えながら作ってるらしいですからね」
明石「矛盾点や何かおかしい点があった場合、コメントで教えて下さいね?」
時雨「作者は就活生だけど、基本暇人だから割と早めに修正入る筈だよ」
青葉「この話に作者が飽きなければですけどねぇ......」
比叡「勘弁して下さいよぉ......頑張って下さいね?司令」
薫「......はーい」
時雨青葉明石『作者って提督(司令官)!?』
Contained......
薫『―――金剛型一番艦金剛、俺はお前に決闘を申し込む!』
と、大きく討って出た日から次の日。
時間は9:00で3時間後に金剛との決闘を控えた今―――
薫「.........んー」
時雨「提督......」
ひたすらに虚空を見つめながら考え事をしていた。
とりあえず、全員が争いを起こさない様にと勢い余ったのは死亡フラグだった。
その後は一先ず全員がその場で解散し、決闘の日時は今日の12:00で内容はこちらで決めて良いとし、金剛からも「楽しみにしてるネ」と言われはしたが
秘書艦達からは
時雨「提督、君には失望したよ」
比叡「司令は馬鹿何ですか?」
青葉「いやぁ......ご愁傷様です」
明石「サイボークって興味ありますか?」
散々の言われ様だった。
身体を張った筈の薫は少し落ち込んだ。
でも、秘書官組が怒る事
それも当たり前の事だった。
理由は1つ、それは
時雨「提督、現実逃避も良いけど死なない様に心掛けてね」
薫「.........心掛ける」
青葉「と言っても、艦娘と人間の力の差何て......一目瞭然ですからねぇ」
力の圧倒的差だ。
薫は人間、相手は艦娘。それだけでもかなりの差があるのに、その上相手は戦艦金剛。
前回の内戦においても、金剛が1番最後まで粘った艦娘であり―――言えば、薫敵対チームのトップである。
それ故に、今回はトップ同士の闘いになる訳だが
時雨「本当に駄目だよ。死んだら僕何かするか分からないからね?」
青葉「記事一面......んー、それでも司令官。死んだら許さないですから」
比叡「死んだらカレー持って追い掛けます」
明石「サイボーグ実験......ブツブツ」
秘書官達の間では......恐らく全艦娘の間で、提督が負ける事が前提だった。
その中でも、秘書官組は提督が死なない様に願うのに必死であった。
薫「......頑張る」
4人『約束ですからね?』
薫「......あい」
若干ハイライトが消え気味の4人に対して、薫はただ頷くしかなかった。
そして
時雨「うん、ならば良し」
薫「......うん」
そんな薫も昨日のあの時以降は、いつもの薫に戻り、時雨があの時感じていた何かは、現時点では既に感じていなかった。
この後、提督が権限を無くした後の事や、万が一の最悪の事態に備えて秘書官達は一致団結していた。-方向ばっかりじゃない?ねぇ。
そして、これを見た薫は―――
薫「......(うん、やっぱりこの娘達は大丈夫......これなら自分も)」
何かを考えながら時間を潰していた。
―――時刻は11:00
決闘まで残り1時間を残す所となり、薫がそろそろ準備しようとしたその時だった。
??「(コンコン)」
時雨「......うん?」
青葉「......どちら様ですか?」
誰かがドアをノックしたのだ。
『珍しい』と皆が感じるのも無理はない。
基本的に、この部屋に入る時は秘書官組以外がノックをしたのは最初だけで、今は誰もする事なく入ってくるからだ。
その、正体は
??「し、失礼します」
薫「......瑞鶴」
提督をリンチにした時に、加わらなかった内の3人の内の1人の瑞鶴と
??「失礼するね」
明石「......川内さん?」
もう1人の川内だった。
瑞鶴「......提督さん」
時雨「待った、2人共」
そして、2人は入ると同時に提督の方に向かって行き―――秘書官4人が立ち塞がった。
川内「......何、時雨。時間が無いんだけど」
時雨「何と言われてもね、当たり前じゃないか」
比叡「どうやら2人は司令を虐めるのに加わりはしなかった様ですけど」
青葉「私達からしたら全員が敵にしか見えないんですよねぇ」
明石「そう言う事です、なので要件があるならそこで話して下さい」
そう言って、4人は頑としてそこを動かないと言う感じだが
瑞鶴「......そこをどいて、私達は提督さんとちゃんと目を見て話したいの」
川内「そう、別に私達いきなり提督を打ったりしないから......だから、お願い」
時雨「......瑞鶴さん、川内さん...」
薫「......」
2人も簡単には折れなく―――そして真っ直ぐな目をしていた。
何かこの2人も他の艦娘達と少し違う、秘書官組・薫はそう感じた。
薫「......時雨」
時雨「......良いんだね?信じるよ?提督」
薫「......うん」
少しの間、見つめあった後、薫が時雨に指示を出し秘書官達を下がらせる。
時雨「―――信じてるからね」
瑞鶴と川内にそう言い残して
瑞鶴「......えぇ」
川内「分かってるよ」
こうして、秘書官組が後ろに引き、薫と瑞鶴、川内は初めて顔をしっかり合わせた。
瑞鶴「......改めまして、瑞鶴と言います」
川内「川内です」
薫「......ん、宜しくね」
瑞鶴「(ペコリ) ......それで提督さん、早速本題に入るんだけど」
川内「今日の決闘についてなんだけど、無しにするつもりはない?」
薫「.........やっぱりそれかぁ」
瑞鶴と川内から出た言葉、それは今回の決闘を辞退しろと言う事だった。
何となく、部屋に入ってきて殺伐とした空気を放っていなかった時点で薫......いや、秘書官達も察していたが、少し驚きだった。
薫「......また、何で」
瑞鶴「そうね......まずはっきり言って私と川内に関しては提督を嫌ってないの」
時雨「うえっ!?」
瑞鶴がそんな事を言い出し、時雨が後ろで変な声を出していたが、正直薫も他の人達も同じ気分で驚いていた。
川内「そんなに驚く事かなぁ」
比叡「いやいやいやいや、だってそりょあ驚きますよ!!」
瑞鶴「何で?貴女達は嫌ってないのに?」
青葉「いや、これはしっかり普段を見てるからと言いますか何と言いますか......」
川内「そう、それだよ!青葉!!」
青葉「うぇ!?」
今度は青葉が変な声を出したが、正直何を言っているかすぐには理解出来なかったが
瑞鶴「だって、提督さんが着任してから待遇が悪くなった、大破進撃した、疲労が酷いなーんて話一切聞かないもん」
4人『あー、それかー』
すぐに理解した。
要するにこの2人も薫の行動を見て、悪い人では無いんじゃないか?と感じたらしく
川内「最初は少し嫌いだったけど、まぁやっていく内に不器用なのかなー?と思い始めて」
瑞鶴「それからは別に何とも思わかなったわ」
明石「そ、そうなのですか」
比叡「ひえ~っ......」
と、青葉・明石・比叡が納得しかけた中
時雨「......ちょっと待ってよ、2人共」
時雨だけは依然と......いや、何故か先程よりも不機嫌さを隠さず顕にしていた。
瑞鶴「な、何?」
時雨「いや、おかしいと思わないかい?2人共、さっいの話だと提督が着任してから割とすぐに嫌いとは思ってなかったんだよね?」
川内「まぁそうだね」
時雨「それで、今回はこのままだと提督が危ないから止めに来た、結論そう言う事だよね?」
瑞鶴「え、えぇ。だから今回提督さんには―――」
時雨「じゃあ、何で提督をリンチすると言う事をとめなかったのさ!!」
瑞鶴川内『っ.........』
比叡「た、確かに......」
明石「加わりはしなかった、とは言ってたけど......誘われてないはずは無い筈よね」
青葉「確か、私達秘書官組以外の全員が対象だった筈ですしねぇ」
薫「.........」
確かにその通りだった。
2人は誘われていた。
断りはした、でも止めなかった。言いもしなかった。
瑞鶴「そ、それは......」
川内「もし止めると」
時雨「私達も提督や僕達と同じ様な扱いを受けると思ったから?」
瑞鶴川内『.........』
時雨「......図星か。まぁそうだよね。普通は怖いよね。他の人達から提督を庇ったが故に嫌われ、これからもそれが続いていく。普通ならそれが怖い。当たり前の事だとは思うよ」
瑞鶴「そ、そうだよね!そう思ってその時は」
時雨「―――卑怯者 」
瑞鶴「っ!!」
時雨が瑞鶴の言った事に対し、少し同情し―――叩き落とした。
まさに今の時雨には悪魔の翼が生えていたとはこの後に瑞鶴は語る。
川内「ひ、卑怯者って」
時雨「だって、そうじゃないか。前回は提督を庇うのは直接本人達が言うしかない。それか僕達の所に行き報告するのもありかもしれない」
青葉「あー、でもそれだと何となく察されてしまうかもしれませんねぇ」
明石「断った人達が、私達の所に来たらそりゃあそう思われてもおかしくありませんしね...」
時雨「そう、だから君達は自身の保全の為来なかった」
瑞鶴川内『......』
時雨「それは命令放棄もそう。命令放棄の時もまぁ同じ理由だと思う」
時雨はそこまで言うと、次は声を低くして核心をつく。
時雨「でも、今回は違う」
薫「......」
時雨「今回は僕達の所へ来ても、別にそちら側に損は無いし、害も無い」
比叡「た、確かに......」
青葉「その上、此処に来た理由をもし尋ねられても『挑発しに行ってた』と言えば良いだけですしね」
明石「痛くも痒くもない、と」
瑞鶴川内『.........ち、違う...』
時雨「何が違うって言うんだい?今更提督に対して媚を売っても」
瑞鶴川内『ち、違う.........!!』
青葉「いやぁ、流石に青葉でも思い付かない鬼の所業!!これはいっ」
瑞鶴川内『違う!!』
時雨「......」
2人は皆に散々に言われながらも真っ向から否定した。それは先程と同じく、嘘を付いていないと感じさせる目
時雨「......じゃあ、何で今回はこんな事を言いに来たのかな?理由があるんだよね?」
時雨は2人のその目を見て、少し言い過ぎたと冷静になり、落ち着いて話を聞き始めた。
瑞鶴「うん話すね。......でも、まず提督さんに謝る事が先だよね」
川内「......そうだね」
そう言うと2人は薫の方を向き、薫もしっかり視線を合わせる。
川内「提督、確かに、私達は今まで見て見ぬふりをしてきた......それは先程時雨の言った通りなんだ......己の為」
瑞鶴「それが凄く悪い!!と言う事だとははっきり言うと今でも思ってはいないけど......それでも提督さんを傷付けた事は事実......悪い事、だから、提督さん」
川内「提督」
瑞鶴川内『本当にごめんなさい』
そう言って2人は頭を下げてきた。
それを見た薫は
薫「......ん、許す」
瑞鶴「......提督さん!!」
川内「ありがとう...ありがとう!!」
あっさり許した。
この時の、秘書官組は『甘いなぁ』とも思ったけどそれもまた薫だと思い時雨達も許す事にした。
時雨「提督が許すならこれ以上は無いよ......でも今回は何で?」
瑞鶴「え、えーと何だけどね......」
川内「それが.........」
そこで時雨は今度、今回2人がこんな行動に踏み切った理由を聞いたら、2人は突如もじもじし始め、そして
瑞鶴「......(チョイチョイ)」
時雨青葉比叡明石『...ん?』
手招きされて瑞鶴の元へ行き
瑞鶴「......これ見てみて」
瑞鶴が自身の艦娘支給の携帯で何かを見せ始めたかと思うと
時雨「ぶはっ!(鼻血)」
時雨が鼻血を吹いた
比叡「うわぁ......司令ってこんな良い笑顔するんですね(ボソボソ)」
青葉「破壊力抜群です(ボソボソ)」
明石「髪の毛が良い感じに帽子で纏め上がっていますね......何かの帰りでしょうか?(ボソボソ)」
川内「でしょ?臭いとかいつもこうすれば良いのにとかは置いといてこんな笑顔出来る人は......ね?(ボソボソ)」
全員『間違いない』
何か秘書官組と川内、瑞鶴が結託し合っていた。笑顔と言う単語や司令と言う単語で気になった薫が近付くが
薫「......えーと、何?」
比叡「あ、司令は駄目です」
時雨「駄目だね」
明石「提督、ハウス!!」
薫「......えー」
拒否されてしまった。気になりはするが、それが2人の心を許した物なら良いとするかと思い、薫は素直に席に戻った。
そして、時雨が鼻にティッシュを詰めたかと思うと全員キラ付け状態で戻ってきて
時雨「......コホン、まぁとにかく納得したよ。それを見て良い人と確信して」
話が再開された。
瑞鶴「そう、今回は救いたくなったの」
川内「そう言う事かな......でもまだ一応私達は敵側として居るという形で良い?」
結託し、理解し合ったという事で、秘書官組に混ぜてもよかったかもしれないが、川内がそう言った事により
比叡「それが良いですね」
青葉「もし、こちら側についてくれるのならその方が都合は良いですからね!!」
そう言う事になった。
薫、置いてけぼり。
瑞鶴「...うん!ありがとう!......じゃあ、提督さん!!改めて宜しくね!」
川内「宜しく!!」
薫「......宜しくね」
時刻は11:45
何時もの秘書官組に加え、新たな仲間が加わった―――
瑞鶴「じゃあ、提督さん!!今回は辞退」
薫「......駄目」
瑞鶴「えぇっ!?」
それとこれは話が別であった。
この時から、薫の中ではある考えが纏まり、そして計画が始まろうとしていた。
??「大規模作戦開始まで後少し......きぃっひっひっひ」
Contained......
※この後は、第1章完まで味方が増える事はありません!!なので好きな艦娘等の崩壊があるかもしれませんが、悪しからず!!
第8部タイトルは『薫のけじめ』の予定です。
時雨「提督って猫が好きなんだね」
薫「......何で?」
時雨「いや、この写真がさ(そう言い携帯の中の写真を見せ)」
薫「......oh my god」
時雨「ふふっ♪まさか提督が猫に餌を上げながら満面の笑みを浮かべてるなんて......良い事だねっ♪」
薫「......はっずい」
Contained......
薫「......」
瑞鶴「な、何で......私達の話聞いてた?」
瑞鶴達は少し怒っていた。
先程の話を聞いていたなら、瑞鶴達が心配して止めに来たのは分かり切っている事、分かっているのにこの男は―――
薫「.....それでも、やめる気はないかな」
やめるつもりはないらしい。
時雨「......提督、意地張っても良い事はないと僕は思うよ」
薫「.........」
川内「そうだよ、提督......今回の決闘はあまりにも無茶が過ぎる......下手したら死ぬかもしれないんだよ?」
薫「......かもね」
比叡「か、かもねって......司令!!」
青葉「命が危険だってまさかさっき私達と言った事を破るんですか!?」
薫「......頑張る、って言った」
明石「いや確かに言いましたけど......!!」
時雨「やめようよ、僕達さっきは信じるって言ったけど......こうやって新しく仲間できた今、結果に急ぐ事は無いと思うんだ」
川内「そうだよ、提督!提督権限が無くなったと言えど、大本営とか上を通す物はどのみち提督が必要になる!! 金剛さん達は権限を持ってるから自由に出来て、これ以上よっぽど何か無い限り提督と関わる必要は無い!! 安全なんだよ!?」
薫「......かもね」
瑞鶴「でしょ!?だからこんな事で命を危険に晒す行為なんてや」
薫「―――でも、これがけじめなんだ」
そう薫が言うと、時雨達の中で意味が分からないと言う風に固まってしまった。
時雨「け、けじめ......? 提督は何を言ってるんだい?別にけじめなんて......」
その中で、時雨がすぐに正気に戻り、震えた声で薫に問い掛けた。
薫「......時雨、僕が嫌われている理由は臭い、仕事が遅い、最初に皆に冷たい態度を取ってしまった......この3つだよね?」
時雨「......うん、そうだね」
薫は時雨が頷いたのを見ると、そのまま続け始めた。
薫「......それで、その3つ何だけど、言えばこれは直せたり自分の態度1つで直せるものだった......それなのに......今まで直してこなくて、とうとう皆の内戦まで発展させてしまった。そう、僕のせいで」
時雨「.........そ、それは......」
青葉「......」
皆が薫の言う、その現実に黙ってしまった。
―――否定する事が、出来なかった
薫「―――だからこそ、今回はけじめなんだ」
時雨「......けじめ...」
薫「......渡す事になっても構わない、恐らく権限を渡せば、ほぼ自分達の天下になるから、上にも言わない。憲兵さんの見回りだけ上手く誤魔化せばいい......でも、僕に対する不満は一向に消えない」
青葉「......だから、こそのけじめですか」
瑞鶴「......そう言う事、ね」
全員が理解した。
別に薫は負ける事を前提にした訳ではないが、今の事態を招いた薫自身が、1度でも良いから白黒を付けない限り、何処かで歪がまた生じる......万が一薫が勝てば、今回の件は金剛側もとりあえず一端引いてくれるはず。金剛側が勝てば提督達に危険はしばらく及ばない筈。
そこまで考えての―――けじめ
薫「......別に、死ぬつもりはないから......安心して、ね?」
薫は皆が察してくれた事を理解したのか、そう優しく言い聞かせ......
時雨「......分かったよ、提督」
比叡「そこまで考えているなら......やっぱり司令を信じる事にします」
青葉「そうですねぇ......不安は残りますけど、もう時間もありませんし」
明石「信じます」
川内「信じてるから、提督」
薫「......ありがとう、皆」
瑞鶴は何か頭を斜めにし、考え事をしている様だったが、ほぼ全員が納得したのを薫は見て、時刻は11:55......決闘まで残り5分を残す所で
薫「......じゃあ、行こうか」
瑞鶴を除く全員『はい!』
と、グランドの方へ向かい始めた。
―――道中
もう既に他の皆は、外へ行ったのか館内は静かであり、その中を薫+6人の艦娘は歩きながらグランドに向かっていた。
その中で、時雨はついさっきから瑞鶴が何考え事をしているのに気付き、近付いて話し掛け始めた。
時雨「瑞鶴さん、さっきから何か考え事をしている様だけどどうしたんだい?(後ろの方に下がりコソコソと話し掛け」
瑞鶴「え?うーん......凄く、単純な疑問なんだけど......」
時雨「うん、何だい?」
瑞鶴「いや、提督さんってさ書類仕事物凄い遅いよね?」
時雨「そうだね、今でも僕達が半分以上賄っているね」
瑞鶴「それで、私達に対する待遇等はしっかり上げたり管理したり......真面目にやってるよね?」
時雨「まぁ、そうだね。他の人はそんな事とかは目に入ってない様だけど...(手をヤレヤレと)」
瑞鶴「あははっ......まぁそれで何だけど、そんなにやる事が遅い人が、良く今回こんなに頭が早く周り、事態解決の手に持っていこうとしたなぁ...って」
時雨「...............え?」
時雨は思わず、その時薫の方に視線を向けてしまった。
瑞鶴「いや、だってさ、普通ならまず決闘だ~!!何て言わないでしょ?艦娘相手なんかに」
時雨「ま、まぁ確かに......でも、たまたま思い付いて行動に移しただけかもしれないし......」
瑞鶴「いや、私も最初はそれは思ったんだけど......よく今考え直してみたんだけど、そう言えば提督さんって、行動は遅かったけど指示内容って完璧だったなーって思って」
時雨「............あっ(思わずその場に留まり)」
瑞鶴「(瑞鶴も立ち止まり )ね?......ねぇ時雨、秘書艦としてはどう思う?私達に指示していたあの2ヶ月......そして、秘書艦の立場としての考えは...」
時雨「......言われてみれば、その通りだ......ね」
時雨は今までの事を思い返してみた。
―――当たり前過ぎて気付かなかった。
薫は行動が遅い。やる事も遅かったし何をするのもにも遅い人だった。
でも、何かを指示する時―――ミスが無く完璧だった。
あんなに行動が遅い人が、書類に手こずっている人が何故あそこまでの考えを一瞬で......あの的確な指示を......
そう考えれば考える程、時雨は考えずにはいられなくなった。
瑞鶴「やっぱり?だから、まぁ今回の事もあり、もしかしたら提督としての素質的な物は何かあるのかなーって思ったりしてね......って皆が見えなくなった!! や、やばいわよ時雨!!急ぐわよ!!」
時雨「............」
瑞鶴「......時雨?」
時雨「......」
瑞鶴「ねぇ!しーぐーれー!置いてくわよ!」
時雨「...はっ!? ご、ごめん瑞鶴さん......行こうか」
瑞鶴「そうよ......その件はまた後にしときましょう?ただ何となく疑問だったし」
時雨「そうだね......そうしようか」
何かを考えている時雨に瑞鶴は顔を前にやり話し掛け、ようやく時雨は戻ったきた。
瑞鶴「えぇ!じゃあ行きましょう......ちょっと待って~!!皆~!!(ダッシュ)」
時雨「.........(瑞鶴についていきながら)」
2人で走りながら、薫達を追いかけていく中で、時雨だけが薫に対する何かの疑念を振り払う事は出来なかった。
時雨「......(提督、君は、僕達にまだ何か大事な事を隠していたり...しないよね?)」
決闘のその日。
どうやら時雨がこの時抱いた疑念がこの後に、とんでもない形で発覚する事になるのだが―――艦娘達はまだ誰も知らない。
訪れる過酷な運命を。
??「そうだっ!大規模作戦前までに1度奇襲を掛けるとしよう......場所は、舞鶴鎮守府!!ここに決まりだァ!!きぃっひっひっひっひ!」
Contained......
長門「私が出ていない気がするな」
陸奥「火遊びは厳禁……私の出番はまだかしら?」
愛宕「ぱんぱかぱーん……」
高雄「馬鹿め……と言って差し上げますわ」
大鳳「私も出番欲しいなぁ…」
神通「少し悲しいですね」
那珂「ナッカチャンだよー…」
艦娘達『アニメ出演艦娘達にもっと出番を!』
薫「少なくとも1章完までは新しい人達の輝かしい出番はないよ」
時雨「だって、2章まで待ってね」
艦娘達『そんな~!!』
Contained……
金剛「遅れてくるとは良い度胸ネ」
薫「……ごめん」
薫達は、結局待ち合わせ時間に間に合わなかった。
既に現場には他の艦娘達が到着しており、現場に遅れてきた薫に異様なプレッシャーを感じさせていた。
金剛も薫を睨みながら冷えた目線を向けるが
金剛「まぁ、良いネ。来た事だけでも褒めてあげるネー」
薫「……助かる」
それはたった数秒続いただけで、金剛はこれからの時間の事を考え、嫌な笑みを浮かべている。
金剛「それで、どうするネー?秘書艦組と何か作戦でも立てたネー?」
時雨「……」
比叡「……お姉さま(睨み付け)」
もう既に到着している現秘書艦(瑞鶴、川内は先程の作戦通り皆に合流した)にも小馬鹿にしながら目線を向けてくるが
薫「……作戦はない。自分で全て考えた」
金剛「……ふんっ」
それを薫が真っ向から否定した事により、気に入らない表情を浮かべながらもそれをやめた。
―――そして、2人の間に12月の寒い風が流れながら、事は進み始める。
金剛「さて、提督。内容はどうするネー?貴方が1人で考えてきたって事は他の人は知らないのデショ?」
薫「……あぁ、秘書艦にもまだ誰にも言ってないね」
金剛「じゃあ、その内容とやらを教えるネー。まぁどんな内容でも私が勝つし……あまり変な内容だと始まる前にリンチtimeネー」
そう金剛がいうと薫の雰囲気が再び、鋭い物に変わった。
薫「―――あぁ、今回の決闘内容を言わせてもらおう。大丈夫。決して変な内容ではないし金剛、お前にとってはこれ以上ない面白いし、有利な内容な事間違いない」
時雨「っ!(ガタッ)」
瑞鶴「……(提督さん)」
金剛が煽る様に言うと、再び薫の雰囲気が変わった。今まで見たいなゆっくりな話し方ではない……あの時見せた、薫の違う顔。
それに対して時雨は思わず立ち上がり、瑞鶴は心の中で一途の不安を感じ
金剛「……さっさと教えるね」
薫「あぁ……今回の決闘内容。それは―――4分」
金剛「……? 4分?」
艦娘s『???』
時雨「て、提督!」
青葉「まさか…!」
薫が言った内容『4分』
それに対して、金剛や他の艦娘達は意図を理解できなかった様だが
時雨や青葉と言った秘書官組は察した。
時雨「や、やめるんだ!提督!そんな無茶な―――」
時雨が慌ててそう言いながら止めに入ろうとするが、少し落ち着いた雰囲気にまた変わった提督に
薫「信じてくれるんだよね?時雨さん」
時雨「………恨むよ、提督」
薫自身にそう言われた事により、薫の言葉に少し涙目になりながらも元いた場所に戻っていった。
金剛「……それで、時雨や青葉、それに比叡も理解している様だけど、4分ってどういう意味ネ。」
薫「あぁ、しっかり説明しよう。……金剛、俺が着任したのはいつか覚えているか?」
金剛「非常に不本意だけど覚えてるネー……4月1日ね」
本当に不愉快だと言わんばかりに対応だが、それでも金剛はしっかり答えてくれる。
薫「あぁ、その通りだよ。で、今が12月25日で……約8か月経過した、と言う事になる」
金剛「……それが何ネー」
薫「まぁまぁ、もう分かるから少し待ってくれ。それで、8か月は日数換算にすると約240日だよな」
金剛「だからそれが!」
薫「―――秒数換算にして240秒。約4分。その時間が金剛、お前が俺に対してやれるリンチの時間」
金剛「っんな!?」
艦娘s『(ザワザワ)』
明石「……提督」
川内「(……提督)」
薫が告げた内容。それはとてもではないが常識から外れていた内容だった。
金剛は最初、薫が言う内容はせいぜい2つの種類だと感じていた。
1つは純粋な決闘。薫自身にもかなり危ない試合だが、金剛と直にやりあうだけ万が一の可能性はまだ残っている。
2つ目は、純粋に薫が有利な試合。例えば、薫がこの鎮守府内を30分逃げ切る、と言う内容だったらどうだろうか。
この広い敷地内で、金剛が1人の人間を見つけ出すのは中々難しいと言えるだろう。と、この様な感じの内容を提案する事も出来たのだ。
―――その中でのこの内容。全員が唖然とするのも無理は無かった。
金剛「……正気ネ?」
薫「あぁ」
金剛「また何でそんな」
薫「ん?何?心配してくれるのか?金剛さん」
金剛「全く違うネ。提督の頭がおかしくなったかと思ったからだヨ、元々おかしいけど」
薫「手厳しいなぁ……まぁ、そんあ内容にしたのは単純。お前らのこの8か月分のパンチをまずは受け止める為何だ」
金剛「whatS?」
薫「だから、お前達が俺に抱いている不満、その8か月分を一度受け止めてやるって言うんだよ」
金剛「……」
艦娘s『……』
再び唖然とした。
まさか薫の口からこんな言葉が出るとは思わなかったからだ。
だが、それでも止まらない。例え、薫からこんな言葉が出ようとも
金剛「……分かったね。例え死にかけても、手は止めないネ」
薫「あぁ、構わない」
金剛「これが終わっても許す気なんかさらさら無いネ」
薫「あぁ、分かってるよ」
金剛「……良い度胸ネ」
薫「あぁ……だろ?」
金剛は薫に対して、その内容で良いのかと思わず確認してしまったが、薫はそれを再度承認する。
本当にその内容でやるつもりだ。
北上「いやぁ……私達に前にリンチあってネジでも外れたのかね」
大井「そうですね、北上さん……馬鹿としか思えないわ」
雷「く、狂ってるわ」
三日月「頭で強く打ちつけたんでしょうか…」
望月「まっ、金剛さんが有利な試合だってんなら別に文句はないけどねー」
睦月「にゃしぃ」
卯月「頑張るぴょん!金剛さん!」
霧島「頑張ってください!金剛お姉さま!」
那珂「なっかちゃんだよー☆」
他の見学の艦娘達もその内容に対して、驚きの方が強い様だったが、次第に金剛に対して応援の声が強くなってきた。
金剛「……私のwinは4分リンチで貴方はどうするネ」
薫「簡単だよ、4分立って俺が立っていたら俺の勝ちと言う事」
金剛「……面白い内容ネ」
秘書艦組+瑞鶴、川内『提督(司令、司令官、提督さん)……』
秘書艦組の心配はよそに時刻は12:30
とうとう
薫「さぁ、準備は出来たよ!何処からでも来いよ!」
金剛「では!早速始めるネーーーー!!!(拳を振りかぶり)」
薫「(構える)」
瑞鶴「(提督さん・・・!)」
決闘のゴングが鳴った。
ただ、誰も気付かない。
悪夢はもう目の前に迫っていた。
これから始まる悪夢―――
??「おぉ、近いなぁ……こんな時間で着くんだなぁ。舞鶴鎮守府……きぃっひっひっひっひ!」
深海棲艦『……』
Contained
薫「もしも、俺が金剛と戯れる系のを提案したらどうするつもりだった?」
曙「そうね......所でクソ提督。知ってる?」
薫「ん?何を?」
曙「砲撃って、深海棲艦もだけど人間相手にも勿論聞くのよ?」
薫「いやまぁ......ねぇ?暴力振ってきた中にはそんなのもいたしね」
曙「でしょ?で、それを配慮すると自ずと答えは出てくるわよ」
薫「.........あー生きてるってすばらしいなー(棒読み)」
長波「棒読み感半端なくないか?」
鳳翔「完全に現実逃避ですね......」
伊8「まぁ、だからと言ってこの先の展開も撃たれないとはかぎ」
薫「待って、フラグ建てないで。死んじゃう」
Contained......
薫vs金剛の一方的なリンチな決闘は、そこにいる艦娘達全員がすぐに決まるものだと考えていた。が、薫は全員の予想に反してかなり粘っていた。
金剛「......ハァ、ハァ、ハァ......どんだけ頑丈な身体作りしてるネー」
薫「そうか?かなり応えてるよ、これでも(唇が裂け血が少し出ている)」
金剛「チッ......その余裕な感じ、さっきから少し出てるけど何なのネ。物凄い感にくるネ」
薫「ハッ......さっきから1人の人間も倒せてない奴が良く言うよね。腹を立てる前にさっさと倒してくれたらどうですか?こ・ん・ご・う・さん?」
金剛「――――死ねぇ!!!!(襲い掛かり)」
時雨「(提督、お願いたら無茶をしないで......)」
艦娘達は一部始終を見ているが、現在は2分経過している段階。
金剛が薫を殴り、薫はそれを耐え挑発し、金剛が再び殴る。と言う行為が数回繰り返されているが、薫は一切倒れる素振りを見せない。
そして、そんなやり取りを全員が見守る中、4分まで後少し......金剛が最後のラッシュを掛けようとした次の瞬間、事態は急展開を遂げることになった。
望月「がんばれー、金剛さーん」
吹雪「いっけー!そこだー!金剛さん!」
足柄「そこよ!金剛!畳み掛けるのよ!!」
暁「レディらしくスマートに決めるのよ!」
伊19「行くのね!!」
翔鶴「⊂( ˆoˆ )⊃ヴーン」
加賀「!?」
榛名「金剛姉様!!頑張って下さい!!」
金剛を応援していた艦娘達は一瞬で
『―――――――――』
その突如目の前で起きた何かの出来事にを全員が時を止めた。
金剛「―――かっ......は......(ドサリ)」
薫「.....金...剛?」
薫の目の前で起きた出来事。
それは先程まで拳を振りかぶっていた金剛の腹に、突如と何処からさ槍が飛んできて......腹を突き刺し、大量の血を吐き出しながら金剛はその場に倒れ伏せた。
榛名「...い、イヤぁぁぁぁぁ!!金剛姉様ぁぁぁぁぁ!!」
霧島「だ、誰か金剛姉様をドックに!」
不知火「な、何!?何処から......!!」
と、少し間隔が空き全員が現状を理解し始めた者から悲鳴を上げたり、金剛を助け上げたり、冷静に槍の所在を確認しようとする中
薫はただ1人――――
薫「っ! あの槍はまさか......!! 時雨!青葉!明石!後、悪いが比叡も付いて来てくれ!!」
時雨「わ、分かったよ!」
青葉「了解です!」
明石「はい!」
比叡「は、はい......金剛姉様......」
冷静に金剛を突き刺した槍を見る事数秒、何かの結論に辿り着いたのか、秘書艦達(川内と瑞鶴は手で合図を出し)を呼び何処かに向かおうとするが
武蔵「―――待て」
薫「......何だよ、武蔵。急いでるんけど」
艤装を構えた武蔵に行く手を阻まれた。
明らかに殺意を持っている目だ。
武蔵「あぁ、何かを思い付いた......風な感じで秘書艦達と何処かに行こうとしてからな」
薫「はぁ?風とは何だよ風とは.」
武蔵「だってはそうだろ?元々おかしいとは思っていたんだ」
薫「何がだよ、と言うか早くしないと手遅れになるからそこをどいてくれ」
武蔵「誰が行かせるか......!! あんな自身に不利な条件を付けておいてると思えば、最後にはあの様な手段を用意してるとはな......!!」
薫「はぁ!?違う!!それは違う!!あの槍は違う人のなんだよ!!」
武蔵の言葉で全員の殺意の目線が薫に向けられるが、薫は真っ向からそれを否定する。
武蔵「何が違うと言うのだ!!お前が投げさせたのだろう!!(薫の胸ぐらを掴み)」
薫「だから違うって言ってるよな!?あの槍は第3者の槍!!しかもあの槍があるという事はかなりやば――――」
ドォォォォォォォンン!!
と、薫と武蔵が言い争っていると
鎮守府の真逆側......防波堤の方で大きな音、爆破音的なのが鳴り響いた。
武蔵「なっ......」
薫「チッ!!こんな事してる場合じゃないんだよ!(武蔵の手を振り払い)」
武蔵「あっ、ま、待て!!」
薫「今はお前と話してる暇は無いんだ!行くぞ!!」
秘書艦組『はい!』
川内瑞鶴「(こっそりついていく)」
武蔵が呆気に取られている間に、薫は颯爽とその場から立ち去っていた。
武蔵「くっ......早すぎる!」
榛名「武蔵さん!とりあえずあんな人を追うより金剛姉様を運ぶのを手伝って下さい!!」
武蔵「っ......わ、分かった!!」
それを追おうとした武蔵だったが、榛名に呼び止められ意識がない金剛をドックに運ぶ事にした。
一方、防波堤に向かう薫&秘書艦一同は......
時雨「ねぇ、提督」
薫「ん、何?」
防波堤に向かって全員で走っていると、薫の横に時雨がピタッと付いて聞いてきた。
時雨「聞きたい事があるんだけど......良いかな?」
薫「手短にね」
時雨「ありがとう。......提督、どっちが本当の君何だい?」
薫「どっち、がとは?」
時雨「それは」
瑞鶴「静かで仕事が上手にこなせない提督さん」
明石「と、思えば指揮等は問題なくこなせていた提督」
川内「そして、今の全く違う提督......」
青葉「沢山いますねぇ......」
比叡「ひえ~...」
時雨「......と、言う事だよ、提督。答えてくれるかい?」
と、時雨が真剣な表情で聞いてくる。そレに対し薫は
薫「......とりあえず、これが片付いたら秘書艦sには説明するよ。今は厄介事を片付けよう(時雨の頭に手を置き)」
時雨「......うん、分かったよ提督(少し頬を染めながら)」
若干、ジゴロ風に躱した。リア充は滅びろ。
瑞鶴「......(羨ましいなぁ、時雨)」
青葉「......(スクープです!とは言えませんねぇ......)」
と、他の秘書官sが不穏な空気を醸し出している中、一同は防波堤前にへと向かって行った。
――――12:40
舞鶴鎮守府 防波堤前
薫「......で、あの軍団はあれか。馬鹿の軍団か」
時雨「……凄いね。地平線に見えるのってあれ全部」
瑞鶴「深海棲艦よね……何なのよあの数」
薫達が防波堤前に着いてみると、遠くから砲撃をしている戦艦や空母、他にも駆逐艦なども多数―――深海棲艦がいた。
今、薫達は建物の陰に隠れていて砲撃をやり過ごしているが、無差別に放たれている砲撃は徐々に複数の建物の外見を削っていく。
もはや時間の問題なのは誰もが分かっていた。
薫「…………あの数、凄いけど随分と遠くにいるな」
時雨「ん?どうしたの提督」
時雨は薫が敵の方を見て何か考え込んでいるの見て、話しかける。
薫「いや少し気になる事がな……なぁ青葉」
青葉「はい?何でしょうか司令官」
薫「駆逐艦や軽巡洋艦の攻撃ってあんな離れてても届くものなのか?撃っている様には見えるんだけど」
青葉「うーん……あの距離だと戦艦や空母、軽空母が限界かもしれませんね」
明石「多分、重巡でもあの距離は届かない可能性がありますね。届いても建物にそこまでのダメージは入らないです」
薫「……やっぱりか。やっぱりそう言う事なのか」
薫は、防波堤から遥か遠くにいる、何故か戦艦クラス以外の攻撃が届かないその状況―――そして先程の槍を見て何かを確信したかの様に1人で頷いていた。
時雨「……何か分かったのかい、提督」
薫「あぁ。分かった。もやもやはしっかり取れた……と、言う事で皆。早速今から作戦を言うぞ」
比叡「え!?そんな急に!?」
時雨「随分急だね」
川内「夜戦!?」
薫「違う!……夜戦ではないが、中々大変な作戦になる。ほぼ全員の団結が必要になる事だ……出来るか?」
時雨達が急な作戦と言う事で、当初は困惑したが薫のその言葉にすぐ立て直し
時雨「……分かったよ、提督。でも終わった後説明してくれるんだよね?」
薫「あぁ。ちゃんと説明する。たから今は目の前の事に集中しよう」
時雨「分かった。僕に任せて」
明石「任せてください!」
比叡「気合!いれて!行きます!」
青葉「いやぁ……スクープのお時間です!」
瑞鶴「任せて提督さん!」
川内「やっせんー!」
薫「良し!いい返事だ……じゃあ作戦を言うぞ、一度しか言わないから良く聞けよ?」
秘書官『はい!』
薫「それは―――」
時刻は13:00
時雨達は深海棲艦を止める役目
薫は今回の事件の黒幕を探しに再び鎮守府内へ
それぞれの役目を果たしに向かって行く。
遠くにわざわざ距離をおき戦艦や空母だけでの攻撃
先程の槍……2つの答えが合わせる黒幕とは……?
Contained......
時雨「この鎮守府って無駄に施設多いよね」
青葉「そうですねぇ......医務室に座禅室、茶室に艦娘達が遊べる施設もボチボチありますよね」
川内「ねぇ、提督。夜戦室は?」
薫「ん?何それ」
川内「ベッドとティッ」
瑞鶴「待って、それは駄目」
明石「一応この話は後半からは軽い場面はあってもそんな場面ありませから!!」
比叡「ひえ~っ......何か残念です」
全員『ヴエッ?』
Contained......
コメントありがとうございます。
結論か言いますと
第1.9部として新しいSSを作成しますので、これからもお付き合い宜しくお願い致します!!
次作
『21世紀~舞鶴鎮守府の乱~第1.9章』
わーい、皆さん。
応援ありがとうございます。
評価ありがとうございます。
何かこうした方が良いや言葉の訂正等があれば教えて下さると嬉しいです!!
作者:かおるん
なかなか面白そうだと思った、次の更新楽しみにしてます。
TdQg5Q_o さん
ありがとうございます!!
少しずつの更新なのでお付き合い頂ければ幸いです!!
わーい。
まさか1日経たずしてPV1000超えるとは(歓喜)
皆さんがこれからも見てくれる様に頑張ります(`・ω・´)ふんすっ!
このマイナスからスタートする話ってのは面白い題材だね。とっても面白いです!
次回更新を期待して待っておりますね!
とても面白いです!!
次の更新待ってます!!
2つのコメントありがとうございます!!
面白い、その言葉は創作意欲にとても繋がります!!
現時点では-です。
そこからの話はほぼ即興なので
矛盾点や文脈の違い等があれば教えて下さい!!
薫「……綺麗だとは、思う」
比叡「好きですか?」
金剛「……良くわからない」
!?
あ!間違えた!訂正します
エンタープライズ「また私に沈められたいようだな?この負け犬共が」
(明石、時雨、比叡、青葉以外の艦娘へ)
(;´・ω・)σ なにそれ・・・やだかっこいい(❁´ω`❁)
何処かで使えないか考えます!!
読み始めると最初は少し違和感を覚えたが読んでいけばいつの間にか違和感なく読んでた
続きが気になるので更新待ってます
エンタープライズ「これが東郷の子孫?まるでクソを下水で煮込んだ奴等ばかりだな ただそこの四隻の艦娘は別だ」
ミズーリ「貴方達は神の前によって結ばれる....この主砲とね!!」
めっちゃ恰好いい!!
採用決定( *˙ω˙*)و グッ!
面白い!
続きが気になって寝れませんw
これは良作の予感…!
なんでこんな面白いものを作ったんだよ!楽しみ過ぎて仕事が進まねぇよ!……これからも頑張ってください
アオバワレお前長女だろ
もう少し後にこSS知ればよかった…続きが気になって10時間しか寝れなかった訴訟
青葉かなぁ~
瑞鶴
川内
瑞鶴で
青葉に1票
瑞鶴!君に決めた!
瑞鶴
瑞鶴強いな。だが俺は比叡だ。
んんwwww比叡以外ありえませんぞwwwwww
夜川内好き
楽しんで読ませてもらってます。
あと比叡に一票で。
時雨。
青葉ちゃん!
比叡以外考えられん
川内ちゃん
可哀想だから明石で
同点だと両腕かな?
やっぱり瑞鶴が片腕なのが見たいかなぁ
龍驤は俺の嫁
異論が有るなら艦載機を捨ててかかってこい
面白いです!就活も忙しい時期だと思いますので無理しないでくださいね!
時雨と明石以外に嫁艦がいない自分にはこの二人を推さないなんてありえない…!
嫁は勿論、川内
嫁は鳳翔さん
安定感抜群の有能秘書艦ですよー
大変楽しく読ませてもらってます。
嫁は伊19です。
伊8
伊13
続きが気になりますねぇ
更新待ってます!
続き待ってます
金剛はボコボコにされて欲しいな
評価とか気にしないでこのまま続けてほしいですね。
個人的に読み物として面白く読ませていただいてるので、続きを期待してます。
面白く読ませていただいてます。
評価気にしないで頑張ってください。
きちんと終わらせる事が一番重要ですぞ。
完結まで頑張って。
アンチなんていない方がおかしいんだから気にしないで!
続き期待してます!
いきなり提督がまともに喋り出して草
面白い!!
楽しませてもらってます!
続き待ってます
好きな作品なので完結させて下さい!
執筆お疲れ様です。
個人的は意見としては、新しいSSの立ち上げに賛成です。
理由としては、一つが戦場を提督と時雨達との同時進行にするのか、どちらか片方に限定するのかで文章量に大きな差が出ること。
もう一つが、登場させるのを時雨達以外、つまり鎮守府に在籍している他の大勢の艦娘達にもスポットを当てると、またも膨大な文章量を必要とする為。
上記二つに加えて戦闘をどこまで詳しく行うかによっても文章量が変動するので、もし、長めに書くのであれば新しく移行するのが良いと思います。
長々と偉そうに書いてしまいましたが、参考になれば幸いです。
続き待ってました!
この作品の続きが見れるのなら新しいSSの立ち上げにも賛成です(^^)