2015-07-11 00:03:37 更新

概要

彼女たちのために、悩み苦しみ奮闘する3人の物語


前書き





本番前


海未「緊張してきました…」


ことり「大丈夫かな、穂乃果ちゃん…」


穂乃果「大丈夫だよ‼︎私も緊張しているけど、ほら、手を繋げば怖くないでしょ?」ギュ


私たちは、学校を救う


この日のために、練習をしてきたんだ


目を瞑る


幕があがる


「…」シーン


歓声が聞こえない


目を開けてみる


そこには厳しい現実が待っていた



望まぬ結果


1年前


廃校を阻止するためにことりちゃんと海未ちゃんと一緒に始めたスクールアイドルは、とても楽しかった。一緒に泣いたり笑ったりファーストライブに向けて頑張ってきたけれど、お客さんは1人も来なくて廃校になるのを阻止できなかった。そして、ショックで引きこもるようになってしまった、当然家族との関係もギクシャクしている。


できるものなら、もう一度やり直したい。たとえどんな結果が待っていようとも…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

コンコン


穂乃果母「穂乃果?ねぇ…もうそろそろ…」


ドンッ!


穂乃果「あっち行ってくれない?」


私は冷たく言い放った。こんな関係になってもう1年、正直やり直せるのは不可能だと思っている


穂乃果母「夜ご飯ここに置いておくわよ…」


雪穂「どうだった?」


穂乃果母「…」

穂乃果父「…」

雪穂「もう、1年だよ⁉︎私…私お姉ちゃんに言ってくる‼︎」ドタドタ



穂乃果母「ちょっと雪穂…」


ダンダン‼︎


雪穂「お姉ちゃん‼︎いつまでこんなことしているの⁉︎部屋にこもっても何も変わらないんだよ⁉︎」


穂乃果「…さい、…るさい、うるさい‼︎」


雪穂「そうやって、現実を受け入れない…もう音乃木坂は廃校になるんだよ‼︎」


穂乃果「っ‼︎私だって、必死に頑張ってきたのに…」


雪穂「お姉ちゃんなら、また元気に、ことりさんたちと生きていけるって信じてるから…」


もういやだ。全てが嫌だ、学校も、家族も、友達も、みんな、みんな嫌いだ。


やり直したい


ステージの上で




穂乃果「…?」


辺りは真っ暗だ。しばらくすると目が慣れてきて状況を理解した。

穂乃果「ここは、講堂?」パッ!

その時、ステージがライトアップされた。

?「やり直したい?」


ライトが眩しくて姿が見えない。シルエットがぼんやりと見えるだけだ。


穂乃果「え?あなたは?」


?「今は答えられない。でもあなた達をやり直させる力を持っているの。まぁ正確にいえば、《あなたたち》ではないわ。あなた達が別の世界のあなたたちを支えるのよ。どうかしら?」


やり直せる?そしたら、海未ちゃんとことりちゃんと一緒にまた学校を救えるかもしれない、でも…それは、別の穂乃果たち…


穂乃果「…やります。」


?「わかったわ。今からやり直すけど

後悔はないわね…?」


穂乃果「はい」

実際ためらっている自分がいたが、答えた


?「…『皆』で叶えなさいよ…」


穂乃果「…え?皆?」


すると辺り一面が真っ白な光に包まれた


そもそもこれは夢なのだろうか?

そう思いながら光に身を任せた



自分との決別



高坂 穂乃果

高校二年生再スタート


ヒデコ母「起きなさーい!遅刻するわよ〜」


ホノカ「…ん、はーいお母さん?ってヒデコママ⁉︎」


カレンダーを見てみると1年前の2014年だった。


ホノカ「本当に戻ってる⁉︎」

夢じゃなかったみたい



鏡を見てみると、「穂乃果」ではなく、中学校で別れたはずのヒデコだった。


なるほど…ヒデコの姿を借りてね…


ホノカ「よし!!絶対に私たちを後悔なんかさせない。」

心に固く決めた


ーーーーーーー


そのころ


ウミ「ハッ⁉︎ ここは…ミカの家?懐かしいですね、ってミカになってる!?」


5分後…

ウミ「なるほど…ミカになって学校を救うのですか…」


ミカ母「ブツブツ言ってないで、早く下おりてきなさーい!」


ウミ「わかりま…ハッ!わかったー」

なかなか、難しそうですね…

ですが、もう後悔させません。


園田 海未

高校二年生再スタート

ーーーーー

コトリ「うっ…ここは?」ムク


コトリ「フミコちゃんのお家?あぁフミコちゃんになって学校を救うのかぁ…」


…もう衣装は…作れないんだよね…

悩んでてもしょうがないし頑張ろ‼︎


南 ことり

高校2年生再スタート


ーーーーーーーーーーーーー

いつもの集合場所

ホノカ「ウミちゃんコトリちゃん!!」


ウミ「ホノカ!!」 コトリ「ホノカチャン!!」


2人ともミカとフミコの姿をしていた。


ホノカ「さぁ、もう一度始めよう!」


2人「うん!」


ーーーーー


希「…」


ペラッ


希「…救世主か」


絵里「ねぇ、聞いてる?しっかりしてよ希」


希「ハッ…!ごめんなえりち、ちょっとぼーとしてもうた」



にこ「…いってきます」ガチャン


ここあこころ「いってらしゃいませ!お姉さま!!」


真姫「それじゃあママいってくるわ」





花陽「凛ちゃんはやいよー」


凛「かよちん遅いニャー、今日は入学式なんだよ‼︎」


花陽「ちょっと速すぎ…もぅダレカタスケテー」



ーーーーーーー


穂乃果「寝坊したー‼︎」


雪穂「お姉ちゃん、今日って始業式なんじゃ…」


穂乃果「まずいよ雪穂…海未ちゃんに怒られる!」


雪穂「…」そっちかよ


穂乃果「行ってきまーす」ダッ


海未「遅いですよ、穂乃果!」


ことり「2人とも大変!もう時間が‼︎」タイヘン!


海未「こうなったのも、穂乃果のせいですからね‼︎急ぎますよ!」


穂乃果「ごめんなさいー〜」


9人の少女たちも、私達も、新たなる一年をスタートした。



注意


ここから先は、前の世界の穂乃果たちをカタカナ表記にします。ややこしく感じるかもしれませんが、すみません




ーーーーーー

教室


見慣れた風景、見慣れたクラスメイト。でもここは、1年前。私たちはまた1からやり直すのだ



ホノカ「本当に1年前だね…」


ウミ「そうですね、皆幼い顔をしています。……あっ私たちがきましたよ」


ドタドタと慌ただしい足音を立てて、『私達』が教室へと入ってきた



穂乃果「セーフ‼︎危なかった〜」



『私』を見てみると、息が荒い。どうやら寝坊したようだ、寝癖がしっかりついている。あぁ、そこ海未ちゃんの席だし…


海未「穂乃果そこ、私の席です」


穂乃果「あっ、ごめんごめん」


ホノカ「穂乃果ってば、あんなドジっ子だったの!?」


ウミ「今さらですか!?まったくホノカあなたはですね…」ブツブツ


コトリ「まぁまぁ落ち着いて…」


穂乃果「…どうしたの3人とも?」


海未「まるで、私たちの真似をしているかのような…」


3人「⁉︎」ギクッ


しまった。もう私たちは、「ここ」の世界では別の人間だった


ウミ「…あっばれちゃった?ちょっと真似してみたの」


ウミちゃんナイスフォロー!こんな時、とっさに答えられるウミちゃんはやっぱり頼りになる。


穂乃果「私はドジっ子じゃないよ〜ねぇ海未ちゃん!」


海未「何言っているんですか、学校初日に寝坊したのは誰でしたっけ…?」


穂乃果「うぅ…」ショボーン



私たちは、もういつものようには暮らしていけない、スクールアイドルも弓道部も衣装のデザインも。


コトリ「…じゃあ私たちトイレに行ってくるね、いこヒデコちゃんミカちゃん」


ホノウミ「う、うん」


コトリ「私たちは、もうフミコちゃんたちなんだから、極力こっちの世界の穂乃果ちゃんたちには関わらないようにしよう。…もしバレたりしたら、変に未来が狂っちゃう」


ウミ「そうですね…、口癖を直さないと変に怪しまれてしまいますし…」


ホノカ「なんだか難しそうだね、まぁ穂乃果なら簡単にできるけどね!2人ともファイトだよ‼︎」


2人「…」



毎日自分たちと喋るのは、やっぱり大変そうだなぁ…でもこれも、廃校阻止のため‼︎


ーーーーーーー

次の日

今日が、廃校になると張り紙が張り出される日だ


穂乃果「♬〜」スキップ



ザワザワ…


海未「なんだか騒がしいですね…」



穂乃果「どしたのみんな?」


デデドン!(絶望)


穂乃果「廃校?うそでしょ…」バタッ


ことり「ちょっと、穂乃果ちゃん⁉︎」


海未「…ハァ保健室に運びましょう。どうせ穂乃果の事です、私たちが卒業するまでは廃校にならないというのに…」


ホノカ「自分で言うのもなんだけど、すごい顔してるね…」


コトリ「白目剥いちゃってる…」


ウミ「まるで、この世の終わりを見たかのような…」


保健室


ことり「大丈夫そうだね…」


穂乃果「雪穂〜お茶〜zzz」ムニャムニャ


海未「まったく…起きてください穂乃果!勉強が追いつかなくなりますよ‼︎…ハァ廃校を阻止できましたよ」ボソッ


穂乃果「本当⁉︎」ガバッ


海未「嘘です。さて、授業に戻りますよ」スタスタ


穂乃果「えぇ⁉︎」


ことり「ほら、穂乃果ちゃんいこ!そんなうなだれてないで頑張ろうよぉ〜」


穂乃果「…」ショボーン


これからどうすればいいの?




ーーーーーー

帰り道


ウミ「明日です。」


ホノカ「え?」


ウミ「明日でから穂乃果がスクールアイドルを始めて、私たちも加入します。

そして一カ月後にファーストライブがあります。」


コトリ「あの時は、機材もチラシも全部私たちが準備したんだよね…」


会場の音響、ライト、チラシを私たちがすべて準備した。そのせいで、練習の時間が減っちゃって…それで…


ホノカ「この世界の私たちには、ライブに集中してほしい。…2人とも、私たちが全力でライブができるようにサポートしよう‼︎」


2人「うん!」




ホノカ「というわけで、ここはウミちゃんの奢りでクレープを…」


ウミ「なんでですか⁉︎」


ホノカ「いいじゃん!頑張っていこうの会をやろ‼︎」


コトリ「やろやろ‼︎」


ホノカ「お願いウミちゃん‼︎」


コトリ「ウミちゃんお願い‼︎」ウルウル


ウミ「うっ…しょうがないですね、今回だけですよ」


2人「やったぁ!」


ホノカ「バナナチョコスペシャルで」


ウミ「却下します。あれ一番高いんですから」


ホノカ「えー⁉︎」


たとえ姿が違っても、やっぱり私たちは、私たちだった。



ーーーーーーーー

つぎの日



コトリ「穂乃果ちゃんちょっといい?」


穂乃果「どうしたのフミコちゃんそれにミカちゃんにヒデコちゃん?」


コトリ「穂乃果ちゃんスクールアイドルやるんだよね?もしよかったら、一緒に『アイドル』はできないけどサポートさせてくれないかな?」


穂乃果「え…?」

穂乃果は、ポカンと口を開けていた


ホノカ「どうかな?」


お願い、私‼︎もうあなた達まで後悔させたくないの‼︎


穂乃果「…みんなありがどぉー」ウェーン


ウミ「フフッ泣かないでくだ…泣かないで穂乃果、それじゃあ、私たちに準備は任せてね!」


穂乃果「本当にありがとね!」


目の前で、大泣きしている自分を見るのは少し恥ずかしかった。なんだろう…嬉しいはずなのに、嬉しいはずなのに心に大きな穴でも空いたような感覚に襲われている。


ウミちゃんもコトリちゃんも何か違和感を感じたはず。いったいなんなんだろう?


揺れ動く心




帰り道


ホノカ「これで、穂乃果達をサポートできるね‼︎」


コトリ「よ〜しコトリ頑張っちゃうよ〜!」

コトリちゃん…


ウミ「そうですね!ファーストライブに向けて頑張りましょう!」

ウミちゃん…


ホノカ「2人とも大丈夫?」

絶対におかしい2人とも何か悩んでいる



コトウミ「…」


しばらく沈黙が続いた後に、コトリちゃんが、胸の内を明かそうとした。


コトリ「ねぇ、2人とも…コトリたちってもうスクールアイド…」


ウミ「それは…出来ません。」


ウミちゃんは、一応否定はしているがやりたいという気持ちを隠しきれていなかった。目が潤んでいる



コトリ「ごめん、ウミちゃん…私まだ諦めきれてなかったみたい」


ウミ「…私も…私もやりたいですよ‼︎またコトリ、ホノカと一緒にできるものなら‼︎ですが、今の私たちは、もう違います。」


ホノカ「…」


やっぱり、私もスクールアイドルがしたかった。でもそれよりも…


ホノカ「ねぇ2人とも…この世界の『私たち』にも、こんな経験させたい?私たちが、サポートしなかったらこの世界の私たちもあの運命をたどるんだよ⁉︎」


コトウミ「⁉︎…」


ホノカ「私は、後悔させたくないの。穂乃果も、海未ちゃんもことりちゃんも。

だから私は、今できることを全力であの子達のためにやるよ。どんなことでも」




コトリ「ごめんね、ホノカちゃん私、諦めきれてなかった。もう誰も悲しませない。私たちも、音乃木坂の皆も、」


ウミ「そうですね…よし‼︎私、機材の勉強をしてきます‼︎」ダッ


ホノカ「ちょっと⁉︎ウミちゃんどこ行くの⁉︎」


コトリ「ウミちゃんは、一度決めたことは変えないからね!コトリも、チラシ作っちゃお〜」


ホノカ「ホノカは⁉︎ホノカ何すればいいの⁉︎」


あっ、あの子に曲を作ってもらおう。


もしかしたら未来が変わるかもしれない


3人の少女たちは、ライブに向けて動き出した


一つのきっかけ


音楽室


♩〜♬〜


このピアノの音…

いた!西木野さんだ‼︎

私たちのときには、曲を作ってもらえずしょうがなくアイドルのカバー曲だったんだよね…


ガララッ


ホノカ「あなた、西木野さんだよね?」


真姫「…そうですけど、何か用ですか?」


ホノカ「あのね、この学校が廃校になるかもしれないってことは知ってるよね?

今3人の子が、スクールアイドルをして学校を救おうとしているの、…もしよかったら曲を作ってくれない?」


真姫「⁉︎…オコトワリシマス」


ホノカ「そこをなんとか!あなたの力が必要なの‼︎」」


真姫「無理なものは無理です、それでは」

ガララッ


でも、私が明日聴きに来るはず…

今の行動で西木野さんの心が動けばいいんだけど…


真姫「あなたの力が必要か…」




ーーーーーー


穂乃果「やったよ2人とも‼︎これ見て‼︎」


ことり「CD?」海未「一体これは?」


穂乃果「一年生の真姫ちゃんっていう子が、作ってくれたんだよ‼︎」


海未「これで、曲は決まりましたね」



穂乃果「あとは、衣装だね…」


ことり「衣装なんだけどね」ガサ


ことり「ジャジャーン、ことりの自信作でーす。どうかな?」


穂乃果「かわい〜、ことりちゃんさすがだね‼︎」


海未「ス、スカートは、膝下までです‼︎」



やった‼︎衣装も、曲もゲットした、これで行けるはず


ホノカ「やったね、2人とも‼︎」


コトリ「あとは、ライブに向けてラストスパートかけていこうね!」


ウミ「もう私たちを後悔させません」


あとは、ライブだけ…


ーーーーーーー

そしてライブ当日


ライブ会場


ウミ「よし…会場のセットは、これでバッチリです!」ドャァ


コトリ「さすが、ウミちゃん‼︎わたしもチラシ作ってきたよ‼︎」


ホノカ「これならいけるよ‼︎」

あとは、チラシを配ってライブを待つだけだ。


ホノカ「ライブやりまーす、ぜひ見に来てくだーい!」


ウミ「ぜひどうぞ」


花陽「ライブかぁ…」


凛「ほら、かよちん行くよ!」


花陽「う、うん」



何もかも順調なはずだった。



ホノカ「ライブやりまーす、良かったら見に来てくださーい!」


にこ「…」

ーーーーーーーーーー

ライブ本番


ホノカ「あれ人が来ない…おかしいな?」


ウミ「なぜ…なぜ来ないんですか!あれだけ、『私たち』を後悔させないためにやってきたのに…」


コトリ「こんなのって…」


なぜなの⁉︎

もうわからない。ライブの機材も、チラシも、後悔しないためにコツコツやってきたのに、穂乃果たちも練習に集中して踊りも歌も完璧なのに…


ホノカ「あっあぁ…」

もう見たくない



私たちは、もう知っている。この後どのようなことになるのかは…


悪夢の再来



ステージ上


海未「緊張してきました…」


ことり「大丈夫かな、穂乃果ちゃん …」


穂乃果「大丈夫だよ‼︎私も緊張しているけど、ほら、手を繋げば怖くないでしょ?」ギュ


海未「本当ですね、自然と緊張が解けてゆきます」


ことり「私も怖くないよ‼︎」


穂乃果「さぁ行こう‼︎」

ブーー

開演のブザーが鳴り響いた

幕があげられる。


またあの光景だ。


ライトは、ホノカたちに現実を見せるために3人を照らしているようなものだった。


3人を待っていたのは、ホノカたちだけだった。


手の震えが止まらない


穂乃果「え?」



ホノカ「…さい、…めんなさい、本当にごめんなさい」ポロポロ


ウミ「くっ…」


コトリ「ごめんね、穂乃果ちゃん…

必死に人を集めようとしたんだけど…」


ことり「穂乃果ちゃん…」


穂乃果「…しょうがないよ、世の中そんなに甘くない…うっ…」ウルウル


ホノカ「ごめんなさい‼︎私たちが力になれなくて‼︎」また、この結末をたどるのか…


海未「…いえ、いいんです。これも私たちが力不足でした。別にあなたたちが悪いということではありません。」



私たちが、サポートしてもダメだなんて…それなら、結局私たちがいてもいなくても変わらなかった?今までのは何のために?


やっぱりだめな…「ここで終わってもいいんですか⁉︎あれだけ必死にやってきて、ここで終わらせていいんですか⁉︎…あなたたちは、どんなときでも諦めずにやってきたじゃ、ありませんか⁉︎お願いです‼︎もう、後悔しないで…グスッ…ください…」ポロポロ


ほのうみこと「⁉︎」



ウミちゃん…そうだった。ウミちゃんは私たちが泣いているときは、慰めてくれて1人ステージに残ってこっそり泣いていたんだった。ウミちゃんは、私たちよりも…


ガチャ‼︎


回り出す運命




花陽「あれ⁉︎モウオワッチャッタノォ⁉︎」ハァハァ


本来なら来ないはずの、小泉さんが来てくれた。


‼︎あの時チラシを配ったから…


ここで、運命の歯車は3人の少女たちによって回り出した。


穂乃果「…やろう‼︎」


海未「⁉︎正気ですか⁉︎」


穂乃果「当たり前だよ‼︎お客さんが来てくれたんだから‼︎」


ことり「私もやりたい‼︎私たちの練習の成果を見てもらいたい‼︎」


海未「…そうですね、すみません。諦めてしまっていました…さぁやりましょうか!」


穂乃果「いつか、このステージを満員にしよう‼︎」


2人「うん!」


穂乃果「聞いてください、…STARTDASH‼︎」


花陽「わぁ…かっこいい…」


真姫ちゃんの作ってくれた曲、STARTDASH この曲を聴いたとき少女たちは思った。私たちなら、学校を救えると


この、ガラリとした講堂で3人の少女たちの歌によって、12人で紡ぐ物語が始まったのである。


ホノカ「やった‼︎ライブにお客さんが来たよ‼︎」ウェーン


ウミ「泣かないでくださいよ…わたしまで、ないてしまいます…グスッ」


コトリ「見ててね、お母さん…絶対に学校を救ってみせるから」



ほのことうみ「ありがとうごさいました!」


花陽「すごいカッコよかったです‼︎」パチパチ



ーーーーーー

その後


穂乃果たちは、順調にメンバーを増やしていった。


アイドルへの思いは誰にも負けない

小泉 花陽ちゃん



運動神経抜群で「にゃ」が口癖の

星空 凛ちゃん


歌でもピアノでもばっちこいの

西木野 真姫ちゃん


アイドル研究部 部長の

矢澤 にこ先輩


スピリチュアルで少し不思議な

東條 希先輩


一番驚いたのはあの、生徒会長の

綾瀬 絵里先輩‼︎

まさか入るとは…


「私たち」も順調に廃校のために戦ってくれている。


でも、なんで希先輩に「ありがとうな、救世主さん」なんて言われたんだろう…


スピリチュアルやね



数日後


希「ちょっと、君たちいい?」


ホノカ「なんですか?希先輩?」


希「先輩なんかつけなくてええよ、穂乃果ちゃん‼︎」


え?なんで知ってるの⁉︎姿は、ヒデコちゃんのはずなのに…


ウミ「何言ってるんですか?、私たちは穂乃果でも海未でもありません」


希「バレバレや、海未ちゃんに、ことりちゃん…」ニヤニヤ


ホノカ「なんで…わかるの?」


希「このカードがウチにそう告げたんや‼︎近々、3人の救世主が現れるってな…んで、今日夢の中で君たちが穂乃果ちゃん達だってわかったんよ」


でもどこか、希ちゃんの目は一瞬だけ悲しそうな目をしていた


希「運命を変えてくれた救世主さんたちには、はいどうぞ。この手紙には、ウチのスピリチュアルパワーがたーっぷり入っているんや‼︎あっこれ開けたらスピリチュアルなパワーがなくなるから注意してな、もし開けたら…」


ホノカ「もし開けたら…?」


希「ワシワシしてまうでー‼︎」ガバッ


3人「ヒッ!」ガクブル


希「冗談やって!まぁとにかくありがとうな、そんじゃ」


なんだろうこの手紙?


ホノカ「あ、ありがとうございます」ペコ



ーーーーーー

中休み


ウミ「どう?弓道部の方は?」


海未「はい、あなたたちがサポートしてくれるおかげで、両立できています」


ウミ「…良かったです、」


海未「何か言いました?」


ウミ「なっ何でもないよ!」


コトリ「ことりちゃん、衣装作るの上手だね〜」


ことり「ありがとう!これも、フミコちゃん達がサポートしてくれてるおかげだよ‼︎」


コトリ「なんだか照れちゃうな〜」




ホノカ「ミューズか…いい名前だね!」


穂乃果「でしょでしょ!希ちゃんが考えてくれたんだ‼︎」


どうやらミューズとは、9人の天使のようで、それぞれ違う才能を持っているらしい。希ちゃんが、考えたみたいだけど何で9人になるなんてわかってたのかな?これもスピリチュアルなパワーのおかげで?


とにかく、このままいけば廃校を阻止できそうで良かった。


もし、学校を救うことができたら私たちは元の世界に戻ってしまうのだろうか




ーーーーーーー

放課後

ホノカ「私たち楽しそうで良かったよ〜」


ウミ「そうですね、弓道部も両立できているようですし…」


コトリ「衣装作りも、順調だったよ!」


ウミ「廃校を阻止できるかは、まだわかりませんがひと段落ですね」


ホノカ「と言うことは‼︎ウミちゃん、クレープありがとうございます‼︎」


ウミ「またですか⁉︎ここは、トランプで勝負です‼︎」


ホノカ「…いいよ」自ら地雷を踏んでいくのか…


コトリ「こっちかな〜」


ウミ「わぁ」ニッコリ


コトリ「こっち‼︎」


ウミ「ヴェァァァァ⁉︎」


ホノカ「ウミちゃんどこからそんな声出るの⁉︎」


コトリ「とにかく、ごちそうさまで〜す」


ウミ「くっ…なんでいつも…」


私の代わりに




数ヶ月後


ことり母「すこしお話があります。」


9人「…」


ミューズの9人が、理事長に呼ばれている間私たちは、報告を待っていた。


ホノカ「理事長から話があるって言ってたけど、大丈夫かな?」オドオド


ウミ「だっ大丈夫ですよ、」


コトリ「もしかして、ウミちゃん緊張してる?」


ウミ「ギクッ!」


コトリ「大丈夫だよ、2人とも。コトリわかるもん、きっといいことだよ」


ガチャ


ウミ「穂乃果‼︎どうだった⁉︎」


穂乃果「やったよ、私たち!廃校を阻止できたんだよ‼︎」


その瞬間、三人の視界は真っ暗になった



ーーーーーーー

?「よくやってくれたわ」


あなたは…にこ先輩⁉︎


ニコ「えぇ、私はあなたたちが元の世界にいた時の矢澤にこよ。私も、元の世界でスクールアイドルをしていたの。始めた当初は、メンバーもいてね順調に進んでたんだけど、まぁあなたたちが入学した時には、もう私だけでライブもできない状態だったんだけどね」


ウミ「つまり、にこ先輩は、私たちが入学する前まではスクールアイドルをしていたと…ですがなぜ、あなたがこんな力を…」


ニコ「私、幽霊なのよ...つまりもう死んじゃったの、ちょうどあなたたちが、音乃木坂学院へ入学する前にね、おかげでもうその時は、ダメかと思ったわ。でもある人がね、不思議な力をくれたの。」


ウミ「一体誰が...」


ニコ「まあ、私のかわりにあなたたちは、みんなで学校を救ってくれた。ありがとう…あぁ、もう時間みたいね」


見ると、にこ先輩は体が消えかかっていた。


にこ「フフッ、あなたたちとスクールアイドルやってみたかったわ…」


ホノカ「ニコせんぱ…」


辺りが真っ白になる。意識が消える前にうっすらと、にこ先輩が笑っているのが見えた。



桜の季節



ホノカ「ん?ここは?」

自分の部屋だ…ということは、元の世界に戻ってきてしまったようだ。


また、この生活か…あれもう桜が咲いている。もう3年生に…


机に手紙が置いてあった。これって…


「 高坂 穂乃果さん

これを読むときには、もう元の世界に帰


っているでしょう。まず初めに、廃校を


阻止してくれてありがとう。あなたたち


のおかげでミューズが生まれました。そ


のお礼にウチが少し魔法をかけときまし


た。辛いことも悲しいこともみんなと一


緒に乗り越えてください。


次は、あなたたちが輝く番です。


最後に、にこっちをよろしゅうな


東條 希」


カレンダーは、2014年…もう一度できる。これからできる。


穂乃果「…よし‼︎お母さん行ってきまーす‼︎」ダッ


穂乃果「まっててね、みんな‼︎」



桜が咲き誇るこの季節


少女たちは、再び歩きだした


end







?「あなたも、もう一度輝いて…」


にこ「⁉︎…夢?なんだったの?」


夢にしては長かったような…


ってヤバッ!遅刻しそう!


にこ「いってくるわ!」


ここあ、こころ「いってらしゃいませ!お姉さま‼︎」



ーーーーーーー

半年後


穂乃果「あれって夢だったのかな?」


海未「そんなわけないじゃないですか」


にこ「あんたたちなに話してんのよ?」


穂乃果「そしたら、にこちゃん死んじゃてたよ」


海未「あぁそうでしたね」


にこ「なに物騒なこと言ってんのよ‼︎」ベシッ


にこ「…夢じゃなかったんだ。ありがとね希」ボソッ


うみほの「?」


ーーーーーーー

穂乃果「あ‼︎海未ちゃん‼︎」


海未「なんですか急に」


穂乃果「穂乃果達って、廃校を阻止した時に帰ってきたよね?」


海未「それがどうかしたのですか?」


穂乃果「その先ってどうなったのかな…」


海未「フフッそんな心配していたんですか?大丈夫ですよ。いつだって穂乃果、あなたが皆を引っ張ってくれるんですから」


穂乃果「海未ちゃん照れちゃうよ〜」


その後私はあっちの世界がどうなったのかはわからない。でも、一つだけわかることがある。それは、私たちが道を切り開いているということだ。


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