岡部「この俺が提督?」〜Steins;Gate×艦これ 矛盾撞着のフルデプス〜
ダル「世界線の設定なら何でも有りだお!僕が提督で艦娘とイチャラブハーレム展開だってあり得る!」
岡部「いい加減にしろ!」ーーーこれは、あったかもしれない世界線の物語。
西暦2019年。2013年に突如現れた「深海棲艦」により、海上交通路、空路を寸断された日本は、既に国家として限界を迎えようとしていた。
そんなおかしな世界を変えるべく、岡部はバレル・タイターの遺した未完のタイムマシンを完成させる為、
SERNのあるスイスへと航路を辿るのであった。
ダル「くそう!」
岡部「ダルよ、一体何をしてるんだ?」
ダル「新規着任停止って…ちくしょぉぉぉぉ!」
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ラボ
ダル「ウェヘヘ、やっと登録出来たお…」
岡部「…またエロゲか?最近はソシャゲ形式なんだな。」
ダル「艦これはエロゲじゃないお!」
岡部「なんだ、それは?」
ダル「オカリン知らないん?」
岡部「二次元にはさして興味は無いからな」
ダル「オカリン、ロボアニメは見てたからな、オカリンも絶対ハマると思うぜ。艦これは美少女化した軍艦を集めるゲームだお」
岡部「軍艦…と言うと、戦艦大和とかそういうヤツか?」
ダル「そう。人気過ぎて登録するのにも一苦労だったぜ…」
岡部「そんなに人気なのか…艦これとやらは。」
ダル「うひょー!電たん可愛すぎ定期!初期艦は電たん一択しょ!」
岡部「ダルめ、完全に自分の世界に入ってるな…しかし軍艦、か…」
刹那、ぐらりと視界が歪み。
岡部「(何だ…!この感覚…世界線が、移動する…⁉︎)」
岡部「(まさか…ロシアのタイムマシン実験!?こんな時に…!)」
岡部「う…あ…ッ」
1.129848→*.******
Steins;Gate×艦これ 矛盾撞着のフルデプス
岡部「(ぐっ…やはり何度味わっても慣れないな…)」
岡部「(此処はどこだ?どうやらラボでは無いようだが…)」
まゆり「オカリン、ご飯出来たよ〜」
岡部「まゆりか…まだ、β世界線圏内なのだな」
まゆり「っ…オカリンオカリン」
岡部「ん…何だ?」
岡部「(やけにまゆりが大人っぽく見える。それに、この家は何だ?)」
まゆり「オカリンは、オカリンだよね?」
岡部「まゆり、何を…」
まゆり「オカリンは昔から、時々自分が自分じゃ無いような感じになるのです」
まゆり「そういう時はいつも決まって、まゆしぃ達にはよく分からない事を口にするよね」
岡部「(世界線移動に伴う俺以外の人間との記憶の齟齬…だが何故それを)」
岡部「お前、本当にまゆりなのか…?」
まゆり「まゆしぃは、まゆしぃだよ、オカリン。だからまゆしぃは、オカリンの力になってあげたいのです。」
岡部「ッ…」
その時のまゆりは、あのまゆりでは無かったように見えた。
いつも、どこか抜けていたあのまゆりが。
今は俺が世界線を移動してきた事さえも勘づいて。
まゆり「…もうすぐ、時間だね。ご飯、食べてから行ってね。」
岡部「何の事だ…?」
まゆり「あと、心配しないで。紅莉栖ちゃんも、ここでは生きているから…」
岡部「何⁉︎ 紅莉栖だと⁉︎」
まゆり「今のオカリンにとっては、分からない事だらけだと思う。でも、オカリンは一人じゃないよ。諦めるような人じゃないよ。だから…」
唐突に、玄関の戸が開く。
鈴羽「…オカリンおじさん。やっと会えた。」
岡部「その声…鈴羽か…!」
まゆり「スズさん、オカリンをよろしくお願いします。」
鈴羽「うん、分かってる。心配しないで。」
岡部「ま、待て!俺をどうする気だ!」
鈴羽「私と来て欲しいんだ。今のオカリンおじさんにしか、出来ない事だから。」
分からない。俺を置き去りにして得体の知れない「何か」が動いている。
理解できない。
気持ち悪い。
岡部「何なんだよ、一体!」
岡部「お前たちは何なんだ?」
まゆり「…ごめんね、オカリン。」
岡部「なんで謝るんだ!何ではぐらかそうとする!」
まゆり「…ごめんね。今のまゆしぃには、それだけしか出来ないから。」
岡部「ッ…すまん。」
鈴羽「オカリンおじさん、詳しい事は後で全部伝えるから。そういう作戦なんだ。」
岡部「…分かった。行こう。」
鈴羽「付いて来て。外にバイクがある。」
岡部「どこに行くんだ?」
鈴羽「中野から横須賀。」
岡部「ちょっ…どういうことだ⁉︎」
鈴羽「そのままだよ。ここは中野で、私達は横須賀に行く。」
岡部「待て、秋葉原はどうなったんだ?」
まゆり「オカリン、勘のいいガキは嫌いだよ、です。」
岡部「何…」
鈴羽「…悪いけど、そういう事。さあ、行くよ!」
岡部「(なんだ?この世界線は。秋葉原は…ラボはどうなったんだ?)」
鈴羽に促されるまま、俺は玄関先に停めてあったバイクの後席に跨った。
鈴羽からヒョイとヘルメットを渡された。ヘルメットというより、兵士が着けてそうな鉄兜だったが。
岡部「EON…?何だこの記号?は。」
鈴羽「ああ、ごめんね、官給品で。作りが粗いでしょ?それ。」
岡部「官給品?ガバメントとかいうヤツか?」
鈴羽「そそ。私、元軍人だから♪」
岡部「元?現役じゃないのか。…それより何で軍人なんだ?第三次世界大戦でも起きてるのか?」
鈴羽「一度なりかけたよ。アメリカと中国は核戦争でもう焦土。」
岡部「なっ…⁉︎」
それでは紅莉栖は、何処に?
あれはまゆりの嘘だったのか?
鈴羽「さぁ、舌噛まないでね?飛ばすよっ!」
岡部「ちょ、鈴羽、ま、待t…」
重いエンジンの排気音を響かせ、ロケットのように思い切り走り出した。口の中で血が滲んでいるのが分かった。
鈴羽「ほら噛んだー。気をつけといてって言ったじゃん。」
岡部「し、舌は切れてないか…」
岡部「それより、アメリカと中国が焦土…というのはどういう事だ?」
鈴羽「そのままだよ。両国が核戦争して、そうなった。」
岡部「米ロ間でやりあった訳では無いんだな…その方が被害が拡大しそうだが。」
鈴羽「ソ連はあのオッサンが嫁に夢中だからね〜」
岡部「オッサン?プーチンか?」
鈴羽「違う違う、スターリン。」
岡部「なっ…どういう事だ!というか今はいつだ!西暦何年!」
鈴羽「ちょっ、大声出さないでよ…」
岡部「す、すまん…」
鈴羽「今は2019年、なんで100年越えて生きてるんだろうねぇ。」
岡部「どういう事だ…?この世界線に移動してくる前は2013年だったぞ…?」
鈴羽「それ本当⁉︎よかった!父さんは間違ってなかったんだ!」
岡部「父さん…ああ、ダルか。という事は今でもダルは存命か。」
鈴羽「うん。今何処にいるかはわからないんだけどね。どこかで死んでたら私も消えてるよ。」
岡部「奴は己の脂肪で水があれば僅かな食料でも生き延びる事が可能な高いサバイビリティを持つ能力者でもあるからな。」
鈴羽「あはは、オカリンおじさんはそっちのテンションの方が似合ってるよ。」
鈴羽「やっぱり牧瀬紅莉栖の生死でここまで変わるんだな…」
岡部「そうだ、紅莉栖はどこで何をやってるんだ?」
鈴羽「SERNだよ、SERNでタイムマシン開発をしてた筈。」
岡部「それ不味いんじゃないのか…?」
鈴羽「やっぱり『そっち』の世界線はSERNってヤバい組織なの?」
岡部「まぁ…そうだな。」
鈴羽「父さん凄いな〜、そんなとこまで予測してたんだ。でも大丈夫だよ、『こっち』ではSERNは只の研究機関。LHC、っていうのも完成してない筈だよ。」
岡部「何⁉︎」
鈴羽「連絡したければ普通に連絡出来るよ?でも電気は使い過ぎないでね。今は国で電力使用制限かかってるからさ。」
岡部「一体日本に何があったんだ?」
鈴羽「…簡単に言うと、海路と空路が潰されてる。」
岡部「そんなの…長く持つ訳が無いだろうに。」
鈴羽「そう。少し前までは東南アジア方面へのルートは無事だったんだけどね。それもこれも皆ヤツらのせい。」
岡部「『ヤツら』…ヤツらとは何だ?」
鈴羽「『深海棲艦』。」
岡部「深海…棲艦…」
明石「そうそう聞きました?新しい提督が着任するって話。」
初月「初耳だな。前任者はどうなったんだ?姿どころか所在も掴めないって…」
明石「何があったんでしょうね。いなくなる数ヶ月前から態度もおかしかったですし。」
初月「…僕はあの方が好きだな。」
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