売り子「艦娘 出撃 予想券、当たるかスレるか運試し!」
競馬のように、艦娘の出航順を当てるギャンブルする人たちのお話。
会話文のみです。
売り子「春のさくらに夏の稲」
売り子「白米棚田は冬の海」
売り子「女を買いたきゃ片山津」
売り子「女がみたけりゃ禄剛に」
「おら、書けたぞ。ハンコ押してくれや」
胴元「あいよ、当たるといいなあ」
「こっちもだ! 外したらカアちゃんに殺される。頼むぜ」
胴元「おいらに頼まれたってしようがねえ。提督さんに言っとくれ。ほら、観艦娘席はあちらだよ」
「やっぱ天龍だよなあ、これだと」
「いやあ、あン娘は龍田にめっぽう弱いから。今日の番付だとどうだろう、以外と山城もいいんじゃないか。山城、扶桑、龍田。三連単でいくぜ」
「馬も艦娘も単勝よ。おれぁ扶桑だ!」
「あんたいっつもそればかりじゃんか。当たった試しねえくせに」
売り子「外来米はどこにある」
売り子「家族を飢えさせる日本産」
売り子「挿したしゃもじが底をつく」
売り子「ついたところでモチも出ぬ」
「今日の番付ってどうなっとるんだい」
胴元「佐渡に向かうは第一遊撃部隊八人、扶桑、山城、天龍、龍田、吹雪、初雪、深雪、天津風。あっちの電光板に倍率と一緒に出ているよお。賭けるなら急ぎな」
「天龍が一、龍田が八! 頭尻だ!」
「天龍、龍田の頭尻、鉄板だなあ。鉄板は必ず当たるもんじゃない、健闘を祈るよ」
「天龍、龍田、山城の三連複。ハンコ」
「あんだそんなもん、賭けたってロクな金にならねえぞ」
「うるせえな、もう金がねえんだよ」
「金がねえのはみんな一緒さあ! 金がなけりゃ家を売れ。どうせ持ってたって壊されるだけなんだからよ。 胴元、深雪に単勝!」
胴元「穴ねらいはいいけども、せめて寝床は確保しな。あんたが生きてりゃ明日もあるんだ、ほらよ」
「今日はずいぶん人出があるねえ」
胴元「佐渡島に行く特別出撃があるからさ。賭けねえやつらも見にきてんだよなあ。あんた、賭けるのかい」
「おう、天龍、深雪、天津風で三連複。そっかあ、ようやく佐渡島に行ってくれんのか」
「ようやくってのはあんまりだろ。今までだって、あんなに頑張ってくれていたのに」
「いや、そういうつもりで言ったんじゃない。オレだって憶えているさ、赤城が帰ってこなかったときの事は。・・・・・・次の出撃が番狂わせだったのも」
「あんときの吹雪は、ガキながらに惚れるかと思ったなあ。ともかく、安全が一番だ」
「だけどよう、人の姿した奴が安全じゃねえってのはもう、さんざ分かってるだろ。賭けに来てるオレが言うのもなんだけど」
胴元「艦娘と深海棲艦を一緒にしてやるな。艦娘らはみんな、いい娘だ」
「胴元さんは艦娘らと話したことあんのか? オレたちはよお、遠目でしか知らんもんだから」
胴元「話したこたァねえけど、提督さんから聞いてるよ。見た目通りの娘だって」
「ふうん。深海棲艦も、話してみりゃ案外そうなのかもなあ」
「っざけんな、今更許せるもんかい。こんだけ世界を滅茶苦茶にしてくれやがって」
売り子「食欲性欲睡眠と」
売り子「お人の欲は底知れず」
売り子「どうせ底ないものならば」
売り子「底のしれない金が欲しい」
「おっ、艦娘隊の準備が完了したようですね」
胴元「このラッパで締め切りだ、無効券の払い戻しはできねえぜ」
「私は買ってませんので。反則になっちゃいます」
胴元「・・・・・・提督さまでしたかい。いいんですか、お高い椅子に座ってなくて」
提督「出撃する艦娘たちに出来ることなんて、見送るぐらいしかできませんし。なかなか盛況ですね」
胴元「あんたがビラ配ったからでしょ。『来る日曜日、艦娘隊は佐渡島へ』なんてさ」
提督「あ、効果ありました、やっぱり」
胴元「いつもの何倍、ってもんでさ。・・・・・・勝てるんですかい」
提督「勝つでしょうねえ」
胴元「自信がおありだ」
提督「島を攻略するなら勝てないでしょうけど、今回は漸減作戦なので。それなりにひっかき回して帰ってくるだけです」
胴元「おいらみたいな民間人に作戦をボヤいていいんですかい」
提督「誰にもバレやしませんって。それとも実は深海棲艦のスパイだったり?」
胴元「冗談」
提督「もう半年のつきあいでしょう。あなたはそれなりに信頼できるお人です。あ、出撃ラッパですよ」
売り子「底なしの金でなに買うか」
売り子「女を買っても腹は減る」
売り子「女を眺めて金になる」
売り子「艦娘出撃予想券」
売り子「海往く艦娘出航順」
売り子「当たるかスレるか運試し!」
売り子「能登半島艦娘隊、出撃でーす!」
「んがあ! 天津風! なんで天津風ぇ!」
「初雪おらぁ! てめえいつになったらやる気出すんだよお!」
「あーあ、隊列組みなおすんならよお、ハナから天龍か龍田が頭で出てこいっつうの」
「扶桑かわいい・・・・・・」
「僕に手を振ってくれた。天使だ・・・・・・」
胴元「・・・・・・ま、一番人気が必ず当たるとも限らねえし」
提督「そうなんですか? ・・・・・・初雪が一番人気だったんですね。『百回目の出撃で記念品?』、なるほど」
胴元「おいらもまさか人気になるとは思わなかったがね」
提督「初雪ですからねえ。あの娘をやる気にさせる方法なんて、私が教えて欲しいぐらいです」
胴元「おい、売り子! いつまで下らねえ唄歌ってんだ、払い戻し手伝いに行け!」
提督「あの子は?」
胴元「拾ったんでさ。配当金出す奴が、人手が足んねえって泣くもんで」
提督「今日は大変そうですね。天津風って、万艦券ですか」
胴元「続けて吹雪、山城。単勝買いは一人もいねえから、いい儲けですわ」
提督「景気が良いようでなによりです」
胴元「提督さん」
提督「はい」
胴元「今日こそはこれ、受け取ってくれ」
提督「いらないと、再三お断りしています」
胴元「汚れた金じゃねえ。ちっとは艦娘さんの助けになるだろ。客もきっと、寄付のつもりだぜ」
提督「お心だけ。ここのにぎわい、出て行く娘らも楽しみにしているんです。それで十分」
胴元「金持ちになっても仕方のない世の中だ。かといって、ただお国に渡すのもむずがゆい。あんたらに受け取って欲しい」
提督「ありがとうございます。ですが、お心だけ。次回の出撃予定の艦娘、また届けに行かせますね」
胴元「あんたはおいらたちに、なにを望んでいるんだい。タダより高えものはねえ」
提督「次回はもっと大勢集めてみましょうか、うちからも人員出しますよ」
胴元「軍人さんが賭場の手伝い? はっ、世も末だ」
提督「世も末ですよ。本当に」
提督「じゃ、帰ります。ときどき遊びに来ますね」
胴元「お帰りはあちらでさ。お気をつけて」
胴元「・・・・・・」
売り子「おやっさん!」
胴元「あん? だから払い戻し手伝ってこいって」
売り子「『提督とグルなんじゃねえか』とか暴れる人が」
胴元「ギャンブラーとしての矜持が足りねえな」
売り子「何人か『余計な事書きやがって』って苦情も」
胴元「目の前の情報ばかり見て、艦娘を見ねえからそういうことになる」
売り子「うち、お客さんにそんなこと言えないよ」
胴元「・・・・・・」
売り子「おやっさん、手伝ってよお」
胴元「慣れだ慣れ。クマタカ眼のやつらはぶん殴ってやりゃいいんだよ」
売り子「金庫番の兄ちゃん、胸ぐら掴まれてんだよ。このままじゃまともに払い戻しができないっ」
胴元「わかった、わかった。金を預かって、払い戻すから賭けになる。それが出来ねえようじゃ、ここは賭場じゃなくなる」
胴元「ここは、おいらが仕切る賭場だ」
胴元「迷惑なやつぁ、客じゃねえ」
胴元「おい、一文の金にもならねえ紙っきれ買ったのはテメエらだろ! 腐った女みてえに文句言う暇あったら、次の出撃までに金溜めてきやがれ! 昼飯に犬のクソでも食って運付けてこい! お帰りはあちらだ、バッカヤロウ!」
◆
売り子「うひぃ、お疲れさま」
金庫番「お疲れえ。あぁ、おっかなかった」
売り子「まったくさあ。提督さまとツルんだって、出航順をどうこう出来ないって判らないもんかいね」
金庫番「明らかに艦娘さんらぁ、こっちのこと意識して出て行くもんな。どっかにマイクでも仕掛けられてないもんか」
売り子「なんの得になるってのさ。ありゃふざけているだけだよ」
金庫番「そういうもんかねえ」
売り子「そういうもんだよ」
?「終わったかい?」
金庫番「払い戻しは午後の哨戒まで有効・・・・・・なんだ、菊鮨さんか」
菊鮨「おうよ、今日もしっかり負けさしてもらったぞ」
売り子「そりゃ扶桑単勝しか買わないんだもん」
菊鮨「はっはぁ。こういったもんは単勝一本って決めてんだよ。ほら、昼飯だ」
売り子「うは、奮発してくれんじゃん! いくらは全部もーらった!」
金庫番「すごいね、今魚なんて高いだろうに」
菊鮨「店を開けられるほどの仕入れは出来ねえけど、まあ飯台一枚ぐらいならどうにかなるよ。値段はちっと高くなっちまうがね。これ、領収書だけど、あんたでいいのか」
金庫番「うん、こっちで。・・・・・・ちっとこれは高すぎだなあ」
菊鮨「それでもこっちの儲けは猫の額だぜ。勉強してもらうしかねえや」
売り子「んー? うわ、三万って!」
金庫番「おやっさんは知ってる?」
菊鮨「ったりめーよ、俺を無理くり市場に行かせたのは他でもねえ、あいつだ」
金庫番「そんならいいや、ぴったし三万ね」
菊鮨「あい毎度。最近予約もなかったからな、助かったよ」
金庫番「お互い様さ、おやっさんもすぐ帰ってくると思うけど」
菊鮨「いい、いい。夜も注文もらってっから、また来るよ」
売り子「夜もお寿司、やったねえ、お金持ちだねえ」
金庫番「お前、食うの早すぎだろう。あっ、ツブ貝に手を出すな、殺されるぞ」
売り子「一個ぐらいバレないってえ。番兄も早く食べちゃッ!! いっだーいっ!」
胴元「人の忠告はしっかり聞くもんだ」
菊鮨「鬼が帰ってきちまった。元ちゃん、毎度。夜は何時頃持ってくりゃいい」
胴元「哨戒組が十八時だからなあ。十九時でいいや、家に持ってきてくれ」
菊鮨「あいよう。んじゃ、また後でな」
胴元「また頼むよお」
売り子「くゥ~・・・・・・脳天しびれるゥ」
金庫番「おやっさん、なんでまた今日は鮨なんですか。しかもやったら高いのわかってて」
胴元「おいらが食いたかったからさ。いよいよ漁業もダメんなるし、今のうちだぜ」
金庫番「だからって三万は高過ぎでしょう。みて下さいよこのカツオの色、こんなに茶けて。こりゃそんなに良いネタでもないだろに」
胴元「どうせニンニク乗っけて食うんだからいいんだよ、ンなのは」
胴元「それからな、来年までに海岸線・・・・・・あー、距離は忘れたが、何キロかは立ち入れなくなるとよ」
売り子「ふがっ」
金庫番「え、仕事は」
胴元「したら、東京にでも行って別の商売しようや」
金庫番「あっちの方はひでえ事に成ってるって話ですよ。仕事も家もない浮浪者があふれてるってさ」
売り子「貯金するならこんな鮨食ってる場合じゃないじゃん」
胴元「ギャンブルっつうのはどんな状況でもつぎ込む奴がいるからな、いくらでも取り返せる」
売り子「むぅ」
胴元「仕事にあぶれた奴がいるってのは結構結構! そういった奴らは、缶詰一つでも懸命に働いてくれるぜ」
売り子「悪人だぁ、このファシスト!」
胴元「お、洒落た言葉覚えてきたじゃねえか。ふンッ」
売り子「あいだっ」
金庫番「別にアテら、ろくすっぽ結束もしてねえだろ。あんまあいつ等に感化されんなよ」
売り子「いでで・・・・・・あの人ら、金沢の方ですごいらしいじゃん。長芋には巻かれろでしょ」
胴元「うあっはっは、なんじゃそりゃ、全身がむず痒くなるなあ」
胴元「ああ、あと今日は高倉屋の支払いも頼むぞ」
金庫番「酒もちっとは控えていきましょうね」
胴元「うるせえ、酒がなくなったら日本も終わりさね。おら、食っちまえ食っちまえ、夜の出撃の準備しちまうぞ」
売り子「はーい、掃除はうちがやるよー」
金庫番「今日は誰が哨戒するんで」
胴元「第三水雷戦隊だとよ。ボードに書いといてくれ」
金庫番「あーと、長良、暁、雷、電、朧ですっけか」
胴元「あと曙な」
金庫番「承知しました。なにか情報はありますか」
胴元「いつも通り。暁が一番人気になりそうだ」
売り子「暁ちゃんかー。三水戦は愛想いいよねえ。今日は人出がおおくなりそう」
胴元「だな、だからちっとぐらい奮発したっていいもんだ。ま、三水戦の場合に増えるのは見物客だが」
金庫番「金に首輪をつけたいもんです」
売り子「確かに~。こぶ締めもーらいっ」
胴元「飛べねえ鷹と同じだ。そんな金に価値はねえよ」
売り子「ふへんほがはんか言ってる」
胴元「あ? 訳せ」
金庫番「守銭奴がなんか言ってる」
胴元「おもしれえ言葉覚えてきたじゃねえか。ふンッ」
売り子「あいでっ」
◆
売り子「日の暮れ夏暮れ年の暮れ」
売り子「浮世は暮れるものばかり」
売り子「朝日の昇る暁に」
売り子「お金をすこし呉れないか」
「なんだぁ、暁の調子がいいのか」
胴元「いつもどおりだよ。変わったこたぁなんもねえや」
「んじゃ、暁でいいや。いっつも飛び出してくし」
「あの唄はなんだい」
胴元「あんた初めて見る顔だな。賭けるのか」
「ん、おお、よくわからねえけど、競馬や競艇と似たようなもんか」
胴元「変わんないよ。強いて言うなら全部手書きでやってもらうってぐらいだ」
「そいつぁ仕方ねえ。こんなガレキだらけの場所でも娯楽を作ろうってのは大変だからな」
「お、初見とは。んじゃ、これはおいちゃんからの寸志」
「うはは、すまねえ。この紙に書きゃいいのか?」
胴元「その紙が一枚300円。あっちで売ってるから、また買うときはそっちでな。単勝複勝三連単複、いろいろ上に書いてあるだろ、○しといてくれ。で、その下に艦娘らの名前を書くだけ。書けたら持って来い、おいらのハンコがなきゃ無効券だぜ」
「画数が多いやつばっかだなあ」
「よし、こっちこい。艦娘たって得体のしれねえ化けモンじゃねえ、馬みてえに個性があるもんだ。教えてやる」
売り子「能登の守りの要たる」
売り子「今夜の主役は三水戦」
売り子「あんたらいないとこの賭場も」
売り子「あっというまにガレキ山」
金庫番「おやっさん、釣りがもうありません」
胴元「マジかよ。・・・・・・ん、いたいた。おーい、予想屋!」
予想屋「なんだい元さん。別に悪さしちゃいねえって」
胴元「してたら先に足を出さあ。悪ぃが両替してやってくれ」
予想屋「あんま持ってねえぞ。三水戦は大体出航順決まってるからな」
金庫番「1万分でいいんだ、頼むよ、銀行まで行ってらんないんだよ」
予想屋「昼の分と合わせりゃあるかもな。いいや、どうせ暇だしあんたの横にいてやる」
金庫番「助かるっ」
「電ってやつにするわ。うち電気屋だし」
「やめとけやめとけ、そいつは引っ込み思案なのか知らんが、滅多に先行しねえ大穴だぜ」
「いいんだよ、こういったもんは縁起担ぐもんだろ。うちは最近儲かってっから」
胴元「なんだ、あんた井岡電気店の倅かい」
「バレちまったか。とにかく、電な」
胴元「あいよお。当たるといいなあ」
売り子「山伏山から暁が」
売り子「昇らぬ夜は曙に」
売り子「雷電雲の朧月」
売り子「長らく見えないおてんとさん」
「あんな子いたっけか」
胴元「お、久しぶりだな。先月拾ってきたんでさ」
「曙と暁に複勝頼むよ。拾ってきたって、犬猫じゃねえんだからさ」
胴元「大谷がやられたろ。そん時にな。あんたんとこの娘夫婦、たしかそっちじゃなかったか」
「不幸中の幸いだぁ。金沢のほうに買い物に行ってたんだよ」
胴元「そいつぁよかった」
「じゃああの子も孤児か。かわいそうな身の上だなあ」
胴元「見てみろよ、あんなにバカみてえな唄歌ってやがる。かわいそうなのはもう終わったよ」
「・・・・・・ありゃなんだ、時分で作ってんのかい」
胴元「適当に口を回らしてるだけだとよ。あの節回し、気持ち悪いったらありゃしねえ」
「ははっ、いいじゃねえか、こういうとこにゃあんな賑々しい子が必要だ」
「賑々しいってのと騒々しいってのは別もんだぜ。女の身上で言葉が汚すぎるんだよ」
「そりゃ元さんの影響じゃねえかね」
「ふざけんな、平安貴族よりも美しい言葉遣いだって褒められるぜ」
「よくいうよまったく。・・・・・・ん、ラッパだな」
売り子「日の出ずる國というけれど」
売り子「日だっていつかは暮れるもの」
売り子「暮れたら明けなきゃ道理じゃない」
売り子「出ずるは金が我が身から」
売り子「金を呉れ呉れ日の暮れに」
売り子「夜の艦娘出撃予想券」
売り子「当たるかスレるか運試しっ」
売り子「能登半島艦娘隊、出撃でーす!」
「っしゃあ! 曙単勝!」
「ありゃあどっちだあ? んん、雷か」
「なるほど、出撃予想券ねえ。最後に出てきたのが電ってやつか。あの雷ってのと同じ服着てんのはなんでだい」
「姉妹なんだとよ。暁もな。前はもう一人、響ってのがいたんだけど」
「けど?」
「先月、でっけえ空襲があっただろ。そんときにな、いなくなっちまった。赤城って美人さんと一緒に」
「・・・・・・そっかあ」
「頑張ってくれてんだよ、艦娘の姉ちゃんらも」
「深海棲艦みてえなもんだと思ってたが、ちげえのな。おーいっ、頼んだぞおっ! ・・・・・・うははっ、みろ、雷が手ぇ振り返してくれたぞ」
「あん娘はいつだってそうだよ。電が振り返してくれたら明日は勝てるって話」
「滅多にねえけどな」
「はっはっは、だから滅多に勝てねえのさあ」
胴元「今日の出撃は以上。払い戻しは18時半まで、金庫番の旗へどうぞ。くれぐれもお忘れ無く。明日は7時に通常哨戒、警備に向かうは1水戦。受付は6時からでございます。本日もどうもありがとうございました。払い戻しは18時半まで、明日は6時から・・・・・・」
金庫番「払い戻しはこっちだよ。並んだ並んだ」
売り子「忘れたらただの紙切れだい。一文にもならないよー、ほんとにタダになっちゃうよー」
胴元「じゃ、あと頼んだぞ」
金庫番「あいさ、お疲れさんでした」
胴元「掃除終わらしたらうちに来いよ。今日も鮨だ」
売り子「引きずってでも連れて帰るよー、おお、おめでとー! はいこれ、4200円ね。確認してから帰ってねー、また明日っ」
金庫番「今日も予定があるんでさあ。酒屋に金も払いにいかなきゃならんし。ん、曙単勝だね、おめでとう。はい、確認よろしく」
胴元「どうせ女んトコだろうが。うちにも女がいるぜ、うっせえけど」
売り子「顔が良けりゃあとは些細なことさ」
金庫番「まさかおやっさん、こんな音の出るおもちゃ食ってんですか。悪食にもいっでえ!」
売り子「だーれーがーおもちゃだこのやろうっ」
胴元「こいつを食うなら餓死した方がマシだ。一生勃たなくなりそうで怖えなあ」
売り子「バカにしやがってえ。おやっさんみたいなオジサンが、こんな若いお姉ちゃんと一つ屋根の下だよ? 嬉しいだろ?」
胴元「金庫番」
金庫番「へい」
胴元「どっか住処探しといてくれ。天井と壁はいらねえから」
金庫番「へい」
売り子「ああ、ごめんなさいっ」
◆
売り子「うおお、ただいまあ」
胴元「おうよお帰り。金庫番はどうした」
売り子「帰るってさ。鮨ぐらいさあ、食ってけばいいのにね」
胴元「まあしょうがねえよ。女に流れるのは男の常だ」
売り子「あたしじゃダメかねえ。そんなに小汚いわけじゃないと思うけど」
胴元「言葉遣いが絶望的に汚ねえからな。アイツの追っかけている女はすんげえいいとこ育ちだから勝ち目なんかねえぞ」
売り子「知ってるの? いただきまーす」
胴元「光物全部食ってくれ。そりゃ知ってるさ、紹介したのおいらだし」
売り子「なんとまあ」
胴元「ヤクザの親分の一人娘」
売り子「なんとまあ」
胴元「栄斗會の。知ってんだろ」
売り子「ああ、あのお姉さんかあ。勝ち目ないね、確かに。このしめ鯖締めすぎだよお。ギコギコするう」
胴元「鯖はどうしようもねえな。足がはええし」
売り子「ガリおいひい」
胴元「・・・・・・ちっ。わりい、焼酎取ってきてくれ」
売り子「ええ。自分で動かないと太っちゃうよおやっさっ、ごめんなさい、ちょっと待っててください」
胴元「いちいちワンクッション挟まねえとならねえ病気かい、おめえは」
売り子「あたしなりにさあ、慣れようと頑張ってんのにさあ、そんぐらいわかってよ。はい、茜霧島しかもうないよ」
胴元「ウソだろ、これ苦手なんだよなあ。あ、ついでに氷もくれ。・・・・・・おめえは十分うまくやってるじゃねえか。生娘のくせに」
売り子「いや、むっちゃ経験豊富だからね。毎日毎日男とっかえひっかえだぜ」
胴元「今すぐ出て行け性病女。鼻が落ちる前に病院行ってこい」
売り子「すみません、そんなにありません。綺麗な身の上ではありませんけれど」
胴元「おお、生娘じゃあなかったのか」
売り子「うるさいなあ!」
胴元「どんなやつだったんだ? どうせもうくたばってんだろ」
売り子「・・・・・・アタシ、おやっさんには感謝してるけどさあ。そんな無神経なところはだいっきらい」
胴元「いいからいいから。酒にゃアテが必要なんだよ」
売り子「うるさいなあ! お寿司があるじゃん、しめ鯖食わせるぞ!」
胴元「いや、それは勘弁。そんなくっせえモン食えねえ」
売り子「ふん」
胴元「で、どんな男だったんだ? 同級生か、後輩か、先輩か」
売り子「しつこい! ・・・・・・しつ、こい」
胴元「ん? どっちだ?」
売り子「うるさいうるさい! も、やだ。ほんとにやめてください。知ってるじゃん、アタシの町のことさ」
胴元「生き残りはほとんどなし。おめえの学校はがれき山。家族全滅」
売り子「し、ってる、じゃあん」
胴元「同級生全滅、学校の生き残りは6人、町全体で18人だっけか」
売り子「は、いはい、よく知って、ます、ねえ!」
胴元「レイプ寸前のてめえを助けたのはおいらだぜ。お、もしかしてそんときに花散らし」
売り子「違うっ!!」
胴元「近所迷惑だ。またドヤされんぞ」
売り子「うぐ、ひっぐ。も、お寿司いんない。寝る」
胴元「待てよ、もうちっとつき合えって。んじゃなにかい、幸せな処女喪失だったんかね」
売り子「言う訳ないじゃん! 頭おかし、いんじゃない、のお。もういい、お風呂はいる!」
胴元「てめえを助けて生かしてんのは誰だい」
売り子「・・・・・・もう、今日は話しかけないで。アタシがいなくなったら困るくせに」
胴元「はっはっはあ。てめえにしか出来ねえ仕事なんて、この世にひとつもありゃしねえ」
売り子「さいってい。ほんと頭おかしいよ、おやっさん」
胴元「おめえはおいらから離れらんねえけどな」
売り子「いつか殺してやる。もういい」
胴元「死者をタブーにするな」
売り子「・・・・・・」
胴元「笑い話でもなんでもいい、一生語り継げ。てめえは生きてんだろ」
売り子「・・・・・・」
胴元「死者は体に溜まる。どんどん悪いものになっていく。綺麗なものにしておきたいなら、どんどん話せ」
売り子「うぐっ、ひっく」
胴元「死者をタブーにするんじゃない」
売り子「・・・・・・」
売り子「おふろ。のぞいたらしめ鯖」
胴元「おいらは男でいたい」
売り子「どういう意味だ」
胴元「勃起障害はまだ勘弁」
売り子「てめえ、このやろうっ」
胴元「うお、やめろバカ。アブねえ、グラス、こぼれるってえの! あっ、こいつ、貝は食うな! 晩飯がなくな」
売り子「んむ、んむうっ」
胴元「誰が酒飲めっつった! あぁあぁ」
売り子「・・・・・・っ、んはぁ。今時の女子高生が酒飲めないとでも思ったか」
胴元「何人風俗に沈めたと思ってんだよ。混ぜ物もあるぞ」
売り子「こっわ」
胴元「おいらに拾われたのが運の尽きさ、はっはあ」
売り子「・・・・・・二月前までは普通に女子高生やってたハズなんだけどなあ」
胴元「いまやアブねえじじいの家に住む、違法賭博の売り子ちゃんだ。世の中わかんねえなあ」
売り子「そりゃアタシの台詞」
胴元「まあ、おめえは沈めても客がつかねえから安心しな。見込みのねえ女は、沈めても金が余計にかかるだけだし」
売り子「一日で指名ナンバーワンでしょ。アタシの魅力なめんなよ」
胴元「客全員インポにしてどうすんだよ。商売あがったりだ」
売り子「ほんっとさいてい。今度こそおふろ」
胴元「あいあい。・・・・・・悪かった」
売り子「ズルい人だね、おやっさん」
胴元「女はちっといじめた方が惚れやすいんだ。勉強になったな」
売り子「勉強になったよ」
売り子「・・・・・・」
売り子「あたしの彼氏、同じ部活の先輩だったんだあ」
胴元「そうか」
売り子「ちゃっちゃと上がるから。寝ちゃダメだからね。お風呂入ってから寝な。んじゃ」
胴元「あいよ」
胴元「あ、シャンプー詰め替えといてくれ」
売り子『あいよー』
胴元「ふゥー。食うモンがねえな」
胴元「・・・・・・」
胴元「・・・・・・」
胴元「くっせえ」
◆
売り子「お日様背中に背負いまして」
売り子「お帰りなさった遊撃隊」
売り子「お役所仕事の攻略戦」
売り子「一度で済まさぬおなじみさん」
「おはよう。負けたのかい?」
胴元「おはようさん。もともとそういう作戦なんだよ。漸減作戦とか」
「はぁ、よくわかんねえ。攻略作戦ってのは攻略するから攻略作戦っつうんじゃねえのか」
「ゆうべはうるせえったらないぜ。あんな近くでドンぱちやんのは久々だよな」
胴元「そうだ、今日は臨時出撃があるぜ。出航は十五時、受付は三十分前」
「一時間前じゃないんだねえ」
胴元「まあいろいろ準備があんだよ。今回はでけえ部隊が出るし」
「そうかい。多いなら当たりそうにねえな。孫連れて見にくっか」
「あんたは仕事せえやい。うちは崩れちまったが、大工は稼ぎ時じゃないか」
「金のねえやつら相手に小屋みてえな家こさえるのが稼ぎになるとでも」
「小屋なんてとんでもない。あんたのおかげでうちは大助かりだよ」
「あんな家は家とは言わねえ。申し訳なくってな、大工は廃業した。・・・・・・ホントは材料費だけでももらうのはしのびねえんだ。かといってもらわねえわけにもいかねえし」
「しょうがねえよ。慈善事業でメシが食えりゃこの世に悪人はいねえ。お国がよお、旗振ってやってくれりゃあいらねえ悩みだろうが。やってんくんねんだからしょうがねえ」
「ほんとだよ。役所に行ったら勝手にしてくれって言われたの、俺ぁ一生忘れねえぜ」
「だけどあんた、金どうしてんだ。それなりに現金で持ってんだろ」
「・・・・・・だからンなに持ってねえって」
「警戒しなさんな、恩人からとりゃしねえ。大金持ってたって、しまうとこがねえよなって話」
「銀行がアテにならんだろ。全額引き出して土ん中に埋めてるよ」
「それはそれでおっかない気がするな。元ちゃんはどうしてんだい」
胴元「おいらは銀行につっこんでるよ。地銀はともかく、東京に大本があるとこならなんとかなるんじゃねえかな。そも、おっかなくて家においとけねえや」
「あんなガレキみてえな建物でよくやるよな、銀行もよ」
胴元「おめえらがみんなひきだしっちまうせいで金庫はからっぽだよ。両替だって近頃は渋られる。ったく、小銭あったらおいらんトコ持ってきな」
「お、じゃああとで家来てくれや。木箱にぎっちり詰まってんだ」
胴元「お、じゃあ昼メシ食ったら金庫番を寄越すぜ。いくらぐらいある」
「・・・・・・こんなもん。助かるよ、紙の方がかさばんねえし、軽い」
胴元「のはずなんだがね、紙出して釣り貰いたがる奴が多いんだよなあ」
「紙は燃えちまうからだろ」
胴元「なるほどねえ」
売り子「毎日毎日見たはずの」
売り子「馴染んだあさ日に黒いシミ」
売り子「見聞き慣れたる風切り音」
売り子「派手な目覚まし陸花火」
胴元「金庫番」
金庫番「ん、おやっさん。なんでしょう」
胴元「昼メシ食ったら宮田頭領ンと行ってくんねえかな。両替してくれるってから、札持って。こんだけあるっつうから、半分ぐらい替えてやれ」
金庫番「ありがたいですね。朝の払い戻しで多分ギリギリだったんですわ」
胴元「判子かい。・・・・・・ほれ。札で今いくらある」
金庫番「昨晩で四十二ありました。半分なら足りますわ」
胴元「んじゃ、あまりは全部銀行に入れといてくれ」
金庫番「あんま言いたくないですが。銀行に入れたって、返ってくる見込みがねえですよ。町場の話きいてりゃわかるでしょう。みんな出すばっかで入りがない。破綻も目前って話です」
胴元「いいんだよ、通帳はあるかい。・・・・・・ん。一年でだいぶ稼げたな」
金庫番「ただの印字された数字にならなけりゃいいですけど」
胴元「焼け石に水ってのはわかってんだけどよ。一日でもしのげりゃいいんだ。恩は売っとくもんだぜ、なんせ銀行サマだ。現代社会の頂点だ」
金庫番「その現代社会が破綻寸前なワケですって」
胴元「なんだい、今日はやけに噛みつくじゃねえか」
金庫番「はぁ。朝っぱらから売り子にマシンガンで愚痴られりゃスレますよ。あんま苛めてやらねえでください」
胴元「はっはぁ。ガキは苛められて大人になんだ。いじられているうちが花だぜ」
金庫番「おやっさん、あん娘は拾ってきたばっかでしょ。無菌室でぬくぬく育ってんだろうし、手加減しなきゃ」
胴元「うるっせえな。昨日ちろっと身の上を聞いただけだよお」
金庫番「無理矢理聞き出したんでしょう。アテにすら話してくれなんだ、あんま詰めて壊しちまうのだけは勘弁ですよ」
胴元「なんとびっくり、生娘じゃねえ」
金庫番「まさか、本当に食ったんイでぇ!」
胴元「あいよ、判子な。バカ言うな。先輩が彼氏だとさ、ありきたりでつまんねえ」
金庫番「同じ学校の?」
胴元「ああ」
金庫番「んじゃとっくにくたばってるんでしょうね」
胴元「死人をため込もうとしてたからな。吐き出せってつったら泣きやがった。ついでにおいらの晩飯たいらげて」
金庫番「そりゃ十七のガキにゃ、おやっさんの当たりは刺激が強すぎるでしょう。なるほど、先輩ねえ。やっぱり女は年上に惹かれるもんなんですか」
胴元「年上は無条件でカッコ良く見えるモンだぜ、年下クン」
金庫番「はぁ。紹介してくれたんならちっとは手伝ってくださいよ。あんな身持ち固い女は初めてでどうしたらいいか」
胴元「親父たぁうまく行ってんだろ? そのうち落ちるって」
金庫番「ありゃ『そのうち』なんてもんじゃない。顔にゃ自信はあるんですが」
胴元「その台詞、売り子と同じだぜ」
金庫番「一生の不覚です」
胴元「はっはぁ。おめえの場合算段が顔に出んだよ。そのすれっからしのわりい顔がな。もっと年下らしく振る舞ってみろ」
金庫番「今更どうせいと・・・・・・。ありゃ、券が少ないな。後で刷ってきますわ」
胴元「午後にゃ間に合わせろよ」
金庫番「任せてくださいって。あい、準備ラッパだよ。締め切り締め切り!」
売り子「屋根も無ければ壁も無い」
売り子「お隣さんとは膝あわせ」
売り子「客を呼ばずに客と寝る」
売り子「屋根壁玄関ある家欲しや」
売り子「家をたてるのにお金が欲しや」
売り子「朝の艦娘出撃予想券」
売り子「当たるかスレるか運試しぃ」
売り子「能登半島艦娘隊、出撃でーすよー」
「島風だなあ、やっぱり」
「寒くないのかねえ。ガキのクセに肌出しすぎだい、ありゃあ」
「ヘンな気分にゃならねえで心配しちまうってのは、年を食ったからか」
「次が出てこねえな。・・・・・・ん、来た来た。ありゃあ北上か?」
「ちげえよ、大井の方だ。後ろの髪結ってんのが北上」
「はっは、雪風のヤロウまたコケやがった」
「元ちゃんよ、午後のは誰が出るんだ」
胴元「ちっとまちい。第二艦隊のやつらだ、多いぞ。武蔵、陸奥、雲龍、天城、祥鳳、瑞鳳、妙高、那智、利根、筑摩、由良、鬼怒、白露、村雨、春雨、海風・・・・・・」
「ああ、いい、いい。早めに張り出しといてくれ」
金庫番「このあとすぐやっときますよ。それだけは準備出来てるんで」
「ひひひ、倍率上がりそうだねえ」
胴元「当たんなきゃ意味がねえぜ」
「まちがいねえ」
「今度はどこへ行くんだい?」
胴元「佐渡島以外に行くところなんかねえさ」
「今朝帰ってきたばっかりだろうに。大変だねえ」
「ま、でも休んで元気になられちゃ困らあな。上手くいってんならいいけどよ」
胴元「一応成功だって提督サマがおっしゃってたぜ」
「昨晩あんなドンぱちやっててか?」
胴元「ありゃ追撃部隊を迎え撃ってたんだと。迷惑かけてすみませんって、菓子折り持って謝ってきやがった。そういや皆さんにも代わりにお伝えくださいって言われてたわ」
「うはは、元さんビビられてんじゃねえか。この辺の顔だもんなあ」
胴元「おいらはちっぽけな小市民さあ。ほら、払い戻しあるやつぁさっさと換えておうちに帰りな。午後は一般観覧もあっから、はやめに場所取りしとけよ」
「もともと仕切りなんかねえくせに」
胴元「だから場所取りしとけって言ってんだよ。おいらたちのやぐらは貸さねえぞ」
「そういや上がってる売り子よお、なんか元気なくねえかい」
金庫番「おやっさんが苛めたんですよ」
胴元「人聞きの悪い事言うんじゃねえや。親代わりに教育してんだっつうの」
「元さんが親代わりってか。こりゃとんでもねえ娘っこになるな」
「あん娘が風呂落ちしたら教えてくれな、俺一番風呂もらうから」
売り子「誰が風呂落ちするか!」
「ゲッ、聞こえてんのかよ」
胴元「おいらが親代わりっつったろ。娘を風俗に沈める親がいてどうすんだ」
「おうおう、そりゃ金のあるヤツが言うことだぜ。しってるか、三津屋んとこの娘さんな・・・・・・」
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金庫番「ほら並んだ並んだ。喧嘩は列から外れてやってくださいね」
金庫番「おうい、手伝ってくれよう」
売り子「いーやーだー。アタシ大井ちゃん好きなの。陣形作るまでまってて」
金庫番「お客さんは待っちゃくれないって。あ、おめでとう。はいこれ、は? いや、島風はそんなに倍率高くねえでしょうよ」
売り子「あーあれなんだっけ。ねえ番兄、二列になる陣形て名前なんていったっけー」
金庫番「知るか! いやね、ゴネられても仕方ないってお兄さん。ちょっとおやっさん、島風って1.2で合ってましたよね」
胴元「メモもとってねえのかバカ野郎。間違いねえよ、自信のねえやつだな」
胴元「んで、どこの店だい。場所に寄っちゃおいらの顔が利くから・・・・・・」
金庫番「つうわけですわ。あとがつっかえてんでお帰りください。次どうぞ。売り子、頼むよう」
売り子「あたし低血圧なんですー。朝はお仕事できませーん」
金庫番「じゃあ昼飯抜きだな。はいおめでとう、え、ああ、いいんですよ。まだまだガキなんですから。ちっとぐらい食わなくたって死にゃしねえですから」
売り子「いいですよーだ」
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売り子「何が親代わりだ、くそじじい」
売り子「あたしの親はお父さんとお母さんだけだい」
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更新りれき
10/06 更新
9/24 更新
9/23 更新
9/9 ちょっと更新
9/6 投稿開始
とても素晴らしい作品だと思いました。
情景を目に浮かばせる、生活感がある凄く良い作品です。
これからも応援しています。
ありがとーありがとーう。
ありえそうな会話のみで情景を表現するよう気をつけて書いております。
分かり難いところがあるかもしれんですが、そしたら教えて下さい。
ごひいきに!
ライブドアニュース(9月8日(土))
海上自衛隊、護衛艦『かが』に中国海軍フリゲート艦2隻が接近
加賀『流石に気分が高揚します。』
NHKニュース(10月5日(金)1510)
日本🇯🇵🎌🗾政府
💀韓◆国💀『済州島』で開催される『国際観艦式』
海上自衛隊護衛艦は不参加の方針
妥当な結論
但し『問題の先送り』であり、いずれまた、火を吹く。
北方棲姫
屠.畜用の巨大なハンマー🔨(先に針が装着されている。)で頭蓋骨を叩き潰してやりたい。
港湾棲姫
肉屋の巨大な肉切り包丁🔪で首を切り落としてやりたい。
平成30年『防衛白書』
💀韓◆国💀
19年連続で『軍拡』実施
極めて危険な『兆候』
特に『海軍・空軍』の『軍拡』が顕著である。
かが『流石に気分が高揚します。』