2018-11-12 22:35:26 更新

概要

これは孤独に生きてきた1人の青年
いや、神人の物語────


前書き

初作品です。
かなり長編にするつもりなので、何卒よろしくお願いします!

この作品内ではオリジナルキャラしか出ませんが、他の作品では「孤独な神人○○編」として書くつもりなので、他のキャラも出す予定です。


神人────


それはある能力を持った人間の事。


数百年に1度、世界の何処かに数人産まれてくるそうだ。


能力と言っても小さい事から大きい事まで。


小さい事だと、足が早くなる、頭が良くなる


身体能力が向上し、学力も良くなる


大きい事だと、瞬間移動、テレポーテーション


いわゆる超能力と言うやつだ。


まぁ超能力より大きい能力がある典型もあるがな。







すべての始まり


今日もつまらない1日が始まるのか…


そう思い玄関の扉を開ける。


気だるそうにしている彼は「五十嵐勇翔」


高校3年生である。


彼が通う高校「命凰高等学校」


いわゆる名門校と言うやつだ。


学力良し、運動良し。


美男美女ばかり集う高校だ。


だが、五十嵐は学力が言い訳でも、運動が優れている訳でもない。


テキトーに近い高校を受験したら見事に合格したのだ。


何故入学出来たのかは定かではないが、幸運に恵まれたとしか本人は思っていない。


入学した彼は、普通に過ごせればいいと思っていた。


しかし、校内では彼の噂がたっていた。


彼は人間ではない、と


本人も気づいていたが敢えて反応しなかった。


相手にするだけ時間を無駄にするだけである。


時が経てば気づけば高校3年生。


2018年、平成最後の年となった。


が、五十嵐は気づいていた。


世界滅亡までの災厄が迫っている事に────







来るべき真実


高校3年生最後の夏休み。


五十嵐「あ〜、暇だなぁ…」


この時期は部活動にも気合いが入っている頃であろう。


最後の大会。


負けた者もいれば、勝ち進んで必死になって部活に励んでいるであろう。


五十嵐は部活に所属していない。


中学校の時代はサッカー部に所属していたが、

飽きてしまい高校では入らなかったのだ。


五十嵐「バイトでもするかなぁ」


五十嵐「…いや、今日も鍛錬するかなぁ」


五十嵐は暇な時は山に篭もり鍛錬をしている。


肉体面、精神面。


普通の人はする必要は無い。


だが、五十嵐はしなければならない。


五十嵐はいわゆる不良だ。


他の不良と抗争もする。


喧嘩売られた時と仲間が傷つけられた時しかしないが。


しかし、もう1つ目的がある。


地球の危機、いや全世界の滅亡が迫っている事に五十嵐は気づいている。


その時の為に彼は独自に鍛錬しているのだ。




・・・・・・・




五十嵐「今日はとりあえずこんなもんかな」


何処かの山で数時間にも及ぶ鍛錬が終了した。


山に移動する時は彼の能力で瞬間移動する。


五十嵐「さて、帰るかな」


五十嵐「でもその前に片付けとくか」


五十嵐「おい、俺になんか用か?」


???「流石神人、気配を消していたにもかかわらず気づかれるとは…」


五十嵐「ここは山頂に近いとこだぞ、山登りの格好には見えないが…あんた誰だ?」


???「申し遅れました。私は飛馬虎太郎(あすま こたろう)と申します。以後お見知りおきを」


五十嵐「で、その飛馬さんとやらが俺に用でもあんのか?」


飛馬「はい、私は世界各地の神人を集めて回っている者です」


五十嵐「しんじん?なんだそりゃ?」


五十嵐は今まで能力を使ってきたが、その能力を神人の能力とは知っていない。


飛馬「神の人と読み神人。数百年に1度、ある能力を持って産まれた子を神人と呼んでいます」


五十嵐「その神人とやらが俺って訳なの?」


飛馬「左様でございます」


五十嵐「ふーん。集めて回っているって何?宗教かなんかか?」


飛馬「いえ、我々は神人を集め、とある特殊部隊に入隊させる事が目的です」


五十嵐「特殊部隊?自衛隊とかそんなんか?」


飛馬「大体はそんな感じですが、どの部隊や特殊機関より隠密な部隊です」


五十嵐「で、なんで集めてんの?」


飛馬「実はこの2018年に大きな出来事が起こります」


五十嵐「…それって、世界滅亡とかか?」


飛馬「ほぉ、気づいてらっしゃいましたか」


五十嵐「まぁなんか空気が変な感じだからな」


飛馬「仰る通り、世界は滅亡へのカウントダウンは始まっています」


飛馬「神人はその世界滅亡の切札なのです」


飛馬「World(ワールド)

God (ゴッド)

Agent (エージェント)

略して「WGA」それが我々の機関の名です」


五十嵐「…なんかダサくないか?」


飛馬「上の思いつきなので致し方ありません」


五十嵐「そこに俺が入ると?」


飛馬「左様でございます」


急な話だな。でもなんとなくわかってたしな。

…腹を括るか


五十嵐「わかった。入隊する」


飛馬「わかりました。誠にありがとうございます」


飛馬「では、早速ですが我々の機関に参りましょうか。入隊の手続きもありますので」


五十嵐「ホント急だよな」


飛馬「申し訳ございません。時間がありませんので」


五十嵐「まぁいいや、じゃ行こうか」


飛馬「わかりました」


そう言い、飛馬はどこからか出しだ手のひらサイズの機械を出した


五十嵐「ん?なんだそれ?」


飛馬「これは転移装置でございます。これがあればどこにでも瞬間移動する事が出来ます」


五十嵐「へぇ〜、時代は進んでんなぁ」


飛馬「いえ、我々の研究員達に作らせました。

ですが、やはりシステムは複雑な為、個数も少ないです」


五十嵐「ふーん、まぁいいや。じゃ行こうぜ」


飛馬「わかりました」


飛馬「転移システム起動」


そう言うと、青いベールに包まれその場所には跡形もなく何も無くなっていた…







出会い


気づけば見知らぬ建物の前にいた。


飛馬「さぁ着きましたよ」


五十嵐「その装置すげぇな。俺にもくれよ」


飛馬「何言ってるんですか。五十嵐様には自身の能力があるでしょう。この装置は個数が少ないんですから、他のエージェントに持たせるつもりなんですから」


五十嵐「ちぇ、ケチだなぁ。まぁいいや。行こう」


飛馬「全く困った神人ですね」


五十嵐「やかましい」


飛馬「失礼しました。では参りましょうか」




・・・・・・・




建物の中は近代的だった。

見た感じ、色んな施設がある。

なんか面白そうだな。


飛馬「さて、まずは上官に挨拶しましょうか。

そこで手続き済ませますので」


そう言い扉を開けた。


飛馬「失礼します。上官、連れて参りました」


???「おぉ、ご苦労。君が五十嵐君だね?」


五十嵐「あ、はい」


???「私は月島彰(つきしま あきら)だ。

ここの機関の最高上官を務めている」


五十嵐「あの、なんで俺の事知ってるんですかね?」


月島「我々はこの世界に存在する神人は粗方調べてある。勿論君の事も調べさせてもらった」


月島「君は高校3年生だそうだね?」


五十嵐「はい。と言ってもテキトーに入って3年経っただけですけどね」


月島「まぁそれはいい。大体の事は飛馬君から聞いているね?」


五十嵐「はい。自分も薄々気づいていましだが…」


月島「その通り。この世界は滅亡の危機が迫っている。それは災害なんかではないのだよ」


月島「少し昔話をしようか」


月島「神人とは何万年も前から存在していのだ。書物にそう書かれている。」


月島「何故神人は産まれたのか。人々は驚いていた。神や天使と崇める者、悪魔や化け物と言い殺そうとする者。様々な人が考えを持つ者がいた」


月島「だが、ある日大きいな出来事が起こった。それはまるで世界滅亡の瞬間。どこからか現れた化け物や悪魔、悪人が世界を襲った」


月島「人類は対抗したが為す術もなく死んでいった」


月島「しかし、そこに現れたのが神人だった。

神人達は自身の能力を使い敵を倒していった」


月島「そして、人類は勝利する事が出来た」


五十嵐「…まるでおとぎ話ですね」


月島「そうだろう?だが、古代の書物にはそう書かれている」


五十嵐「それがまた起きると言いたいんですか?」


月島「そうだ」


五十嵐「俺も戦うんですか?」


月島「入隊する以上戦わざるを得ない」


五十嵐「…まぁいいです。この時の為に鍛錬してきましたから」


月島「そう言ってくれると助かる。それでだな、少し君の説明をしたいんだ」


五十嵐「何ですか?」


月島「ズバリ、君の能力はなんだね?」


五十嵐「俺の、能力ですか?」


月島「そうだ」


五十嵐「…そうですね。瞬間移動、透視、浮遊。発火能力にテレキネス、と言った感じですかね?他にも色々試しましたが」


月島「…やはりな」


五十嵐「どういう事です?」


月島「神人と言うのはだな、基本1つの能力しか持てんのだよ。だが君は幾つも能力がある。

これは異例なんだよ」


五十嵐「そうなんですか。てっきり他の神人も幾つもあるのかと思いました」


月島「君の能力は恐らく」


月島「全てなのかもしれん」


五十嵐「全て?」


月島「そうだ。君はやりたい事を全てやってきたのだろう?」


五十嵐「はい。慣れると飽きますけどね」


月島「だと全ての能力を扱えると考えた方が妥当だろうな」


五十嵐「俺ってそんなに凄かったんですね」


月島「そうだな。よし大体説明もこの辺でいいだろう。」


月島「君を現時点をもって、WGAの入隊及び、国家最重要人物とする!」




・・・・・・・




飛馬「五十嵐様もこれで晴れてWGAのエージェントですね」


五十嵐「あ、待って。俺学校どうすんの?」


飛馬「普段通り通って頂いて構いません」


五十嵐「良かったぁ」


飛馬「ですが、注意点が幾つかあります」


五十嵐「何?」


飛馬「五十嵐様が神人やWGAの機関のエージェントと知られない事。WGAはとても秘密な機関なので、知っている者もとても少ないんです。

それこそ、総理大臣や警視庁の本部長等、国のトップの様な方しか知らないんですから。

他の国でもその様な感じでございます」


五十嵐「色々と面倒くさそうだな」


飛馬「そしてもう1つ、学校に通える回数が前よりすくなるかもしれません。任務がある以上、それが第1優先となりますので」


五十嵐「あ〜、まぁそれはいいわ」


飛馬「わかりました」


飛馬「それでは施設の案内をしますので行きましょうか」




・・・・・・・




飛馬「ここはエージェント達の訓練所となっています。日々自身の能力を鍛えています」


五十嵐「神人って割と居るんだね」


飛馬「確認されているだけでざっと50人は世界に存在します」


五十嵐「へぇ〜」


そう思っていると、訓練所から1人の少女が目にうっつた。


腰の辺りまで髪が伸びているが、髪留めで髪を止めている。


身長は俺より低い。170cmぐらいだろうか?


歳も俺と近そうだ。


そして1番目につくもの。


剣だ


剣術?だろうか。訓練用と思われる剣を匠に使っていた。


飛馬「彼女は夢咲 凛(ゆめさき りん)

彼女の能力は炎を扱う事です。

自身の剣術と能力を掛け合わせて戦うのが彼女の戦闘スタイルです」


五十嵐「ふーん」


そう言った矢先、彼女と目が合った。


彼女はこちらに歩んできた。


夢咲「あなた見ない顔ね。もしかして軍人の方?」


飛馬「違いますよ夢咲様。彼は神人、本日よりWGAに入隊した新エージェントです」


夢咲「へぇ、あなたも神人なんだ。私は夢咲 凛(ゆめさき りん)。炎の使い手よ。よろしくね」


五十嵐「俺は五十嵐 勇翔。能力は全部?らしい。よろしく」


そう言うと彼女は驚いたような顔をしたが、すぐに笑った。


夢咲「フフ、面白いこと言うのねあなた。

でも神人は1つしか能力を持てないのよ」


五十嵐「いや、ホントだけど」


夢咲「冗談はそう何度も通用しないわよ?」


飛馬「夢咲様、五十嵐の言っていることは本当でございます。彼は全ての能力を使う事が出来ます」


夢咲「え、ホントに?」


五十嵐「さっきからそう言っているだろ」


夢咲「ごめんなさい。冗談だと思っていたわ。でも、ホントに全部使えるなんて、にわかに信じ難いわね」


飛馬「なら、夢咲様と五十嵐様、1度手合わせすればよろしいのでは?」


五十嵐「そりゃいい考えだな」


飛馬「夢咲様は機関の中でもかなりの剣術の使い手。負けた事はありません」


五十嵐「へぇ、そいつはおもしれぇ」


夢咲「私は構わないけど、怪我しても知らないわよ?」


五十嵐「悪いけど、俺は負けないよ」


夢咲「まぁいいわ、じゃこっちよ」




・・・・・・・




飛馬「では夢咲様、五十嵐様。準備の方はよろしいでしょうか?」


五十嵐「大丈夫だ」


夢咲「いいわよ」


五十嵐「本気で来いよ。こっちもそっちと同じ剣と炎で相手してやる」


夢咲「後悔しても知らないわよ」


飛馬「ルールはどちらが降参した方が負けとなります。尚、使用するのは訓練用の剣なので大怪我にはならないので思う存分戦ってください」


飛馬「それでは」


飛馬「始めっ!」


飛馬の合図と共に夢咲は駆け出した。


夢咲「先手必勝っ!」


対する五十嵐は落ち着いていた。


五十嵐は剣を使った事は殆ど無い。


あったとしても能力で剣を発動し、適当に振り回していただけである。


勿論、剣術すら知らない。


夢咲は五十嵐に大きく剣を振りかぶる。


が、


五十嵐は当然の様に攻撃をかわした。


夢咲は次々と攻撃を仕掛ける。


だが、どれもかわされてしまう。


夢咲「避けてばっかりじゃ、私を倒せないわよ!」


五十嵐は無言だ。


攻撃を仕掛ける様子もなく、ただ避けるのみ。


夢咲「じゃ、この攻撃はどうかしら?」


そう言うと、夢咲の剣に炎が纏った。


夢咲「私の能力よ。ただの炎に見えて色んな技が出せるのよ?例えば…」


と言うと、彼女の手から炎の弾が飛んできた。


流石の五十嵐も防衛体制にはいる。


剣で一振し、炎の弾を真っ二つに斬り裂いた。


夢咲「ふぅん、この程度じゃ倒れないか」


夢咲「なら、この炎の剣で倒してあげる」


夢咲は走り出し、ぐっと五十嵐との距離を縮める。


夢咲「ふん!はぁ!」


先程よりも速く重い攻撃になっている。


加え、灼熱とも呼べるであろう炎がダメージを与えている。


と思えた。


夢咲は攻撃をやめ、ぜぇぜぇと息をしている。


それもそうだ。


始まってから、全ての攻撃をかわされているのだから。


夢咲「はぁ…はぁ…しぶといわね」


五十嵐はただ夢咲を見つめていた。


攻撃を仕掛けようともしない。


夢咲「もういいわ。これで終わりにするわ」


そう言うと、先程よりも熱く大きく剣に炎がを纏った。


もはや、炎そのものが剣にされたと言った感じだろう。


夢咲は大きく剣を掲げ、五十嵐に振りおろした。


夢咲「秘技、紅蓮燼滅斬っ!」


振りおろされた剣は五十嵐目掛け斬られた。


大きな衝撃、灼熱の炎と共に辺りは炎に包まれた。


夢咲「はぁ…はぁ…、やったかしら…」


だが、夢咲は目を開き驚いた。


確かに攻撃をくらったはずだ。


かなり強力な攻撃なのに何故。


何故五十嵐は立っているのだ!?


五十嵐「ふむ、こんなものか」


夢咲「嘘よ。あれは神人ですら重症を負う技なのよ!?なのに、なんで無傷なのよ!!」


五十嵐「そんな攻撃じゃ俺は倒せない。言っただろ」


五十嵐「俺は負けないって」


その瞬間、夢咲は感じた。


五十嵐は私より強い。


私に勝ち目はない、と。


五十嵐「一瞬で終わらせてやる」


その瞬間、五十嵐は一気に夢咲と間合いを詰め剣を振り下ろした。


夢咲は覚悟し、目をつぶった。


が、いつまで経っても斬られない。


目をゆっくり開けると、剣は自分の顔の前まで振りおろされていた。


夢咲「ひっ…!」


五十嵐の目はとても冷徹で夢咲を見下ろしていた。


夢咲「私の、負けよ…」




・・・・・・・




飛馬「五十嵐様も夢咲様も両者とても良い勝負でしたね」


夢咲「いや、私の完全の負けよ。勇翔の方が強いわ、圧倒的に。傷ひとつ付けられないなんてね。もっと訓練しなきゃね」


五十嵐「いや凛も中々できたと思うよ。俺には剣術はさっぱりだし。どうしたらいいか、わからなかったよ。今度、剣術について教えて貰ってもいいかな?」


夢咲「えぇ勿論。いつでも教えてあげる」


飛馬「では五十嵐様、そろそろ今後の事でもお話しましょうか。では、夢咲様。私達はこれで失礼致します」


夢咲「えぇ、相手してくれてありがとね」


五十嵐「こちらこそ、じゃまたな」


五十嵐と夢咲は互いに握手をし、五十嵐達はその場を後にした。




・・・・・・・




飛馬「では、五十嵐様。先程も言った通り任務の際はご連絡しますので、それまでは普段の生活をしていて構いませんので。だれにも気付かれずに過ごしてくださいね。勿論、ご家族の方にも」


五十嵐「わかった」


飛馬「では今日はこれでお帰りになって構いません。何かわからない事等かあった場合はご連絡してください」


五十嵐「りょーかい。じゃ、またな」


五十嵐は自宅へと瞬間移動した…




・・・・・・・




五十嵐宅────


五十嵐「誰にも気付かれずに、か」


学校にはバレないにしろ、家族にもか。


そりゃそうだ、こんなのバレたら辞めさせるだろうな。


五十嵐「まぁ、なんとかなるっしょ」


そう考え、五十嵐は床についた…




・・・・・・・




あれから2週間が経った。


国家機密の機関「WGA」


国のお偉いさんしか知らないなんて、民間人に知られたらどうなるのやら…


そう考えていると。


ブーブー


携帯が鳴っていた。


相手は飛馬だ。


五十嵐「はい、もしもし」


飛馬『 もしもし、五十嵐様。2週間ぶりですね。今日お電話したのは、任務のお仕事についてです』


五十嵐「お、ついに初任務か」


五十嵐は任務と聞きどんなものか楽しみで仕方なかった。


飛馬『今から20分後、本部の司令室でお待ちしています。そこで上官から任務の説明がごさいますので』


五十嵐「わかった。今から準備して行くよ」


飛馬『わかりました。ではお待ちしています』


ブツ


初任務、五十嵐はウキウキしていた。


五十嵐「っしゃ!行くか!」







初任務


司令室前


コンコン


五十嵐「五十嵐です。入ってもよろしいでしょうか」


中から男の声が聞こえた。


月島「入りたまえ」


ガチャ


五十嵐「失礼致します」


司令室の中には飛馬と月島が居た。


月島「おぉ、来たか。早速で悪いが五十嵐君には初の任務に行ってもらうよ」


五十嵐「一体どんな任務なんですか?」


月島「今回の任務、と言うより君の任務は特殊だ」


五十嵐「と言うと?」


月島「君は他の神人より特殊だからね。かなり変わった任務をして貰うよ」


五十嵐「どのようなものでしょうか?」


月島「君には他の世界に行き、その世界の調査をして貰いたい。この任務は君にしか出来ないことなんだ」


五十嵐「何故他の世界に行くのでしょうか?」


月島「実はな、ここ最近この世界に別世界の生命体が確認されるようになったのだ。この事から、別世界にも異変があるのではないかと考えたのだ」


五十嵐「それで他の世界に調査に行くと…」


月島「そうだ。主にこなす任務は4つだ」

・現地の調査をする事。

・現地の軍事もしくは世界存亡に協力できる人物と接触する事。

・全世界の滅亡が迫っている事を知らせる事

・世界存亡に敵対する者を殲滅する事


月島「この4つの任務をこなしてもらう事になる。五十嵐君にはこれから、このようなの任務をやってもらう」


五十嵐「案外大変そうですね」


月島「我々人類は他の世界に訪れた事は当然無い。未知数なのだ。だからとても危険な任務だと思うが、引き受けてくれるか?」


五十嵐「機関に入ったらからにはどんな任務もこなしてみせますよ」


月島「そうかそうか。そいつは助かる。早速だが、直ぐにでも行ってもらいたい。いいかね?」


五十嵐「わかりました。ですが上官。俺はどの世界に行けば良いのでしょうか」


月島「すまんが、私もどのような世界があるかわからんのだよ。それについては君に任せるよ。無責任ですまないね」


五十嵐「は、はぁ。まぁわかりました。では行って参ります」


月島「うむ、では頼んだぞ」




・・・・・・・




とは言ったものの何処に行けばいいのやら…


別世界なんて行ったことも無いし、ましてや別世界なんてどのくらい存在するのだろうか。


五十嵐「考えても仕方ない。こういう時はテキトーに、だよな」


五十嵐「でも瞬間移動はした事はあるにしても、別世界に行く方法なんてよくわからんな…

時空を超えればいいのか?」


五十嵐は思いつきでやってみることにした。


精神を落ち着かせ、時空を開ける感覚を想像した。


すると、


ホワァ…


五十嵐「意外といけるもんだな。流石神人の力ってやつか」


飛馬「五十嵐様」


五十嵐「おぉ、虎太郎か。どうした?」


飛馬「任務に行く際にはこれをお持ちくださいませ」


五十嵐「なんだこれ、拳銃か?」


飛馬「それはWGAが独自に開発した拳銃です。威力は絶大、五十嵐に合わせて調整してありますので存分にお使いください」


五十嵐「気が利くな、ありがとよ」


飛馬「それともう1つ、別世界に行っても五十嵐様が神人である事を悟られないでください。

五十嵐様は国家機密の存在。なるべくどの人間にも気付かれずに任務を遂行してください。特に敵にはお気をつけください」


五十嵐「ん、わかった」


飛馬「では五十嵐様、行ってらっしゃいませ」


五十嵐「おう、行ってくる」


飛馬と別れを告げ、五十嵐は時空の隙間に消えていった…




・・・・・・・




これはとある神人のお話。


彼には数々の出会い、別れ、喜び、悲しみ、戦いが待っている。


それも全て世界を救う為。


だが彼にとっての成長の物語。


生と死、世界の真理がわかった時、彼は本当の意味での平和を知ることになるだろう────









後書き

ご愛読ありがとうございました。
次の作品はオリジナルかもしれないし、他作品とのクロスオーバーかもしれません。
そこは気分で決めます。
何かコメントで書いてくれれば工夫、もしくは採用、他作品の採用をするかもしれません。

では、次の作品で会いましょう。


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