2021-08-04 06:05:25 更新

概要

完全な気分転換

良かったら見てってね。


前書き

ケッコンと結婚とは




赤城「どうなされましたか?指揮官様」


指揮官「俺ってさ結構若いよね」


赤城「そうですね。なんせ18歳で母港を受け持ったのですからね」


指揮官「それにもう俺は20歳だし、巷ではこの歳で結婚する奴もいるそうじゃないか」


赤城「ま、まさか。指揮官様はこの赤城と結婚したいと!」


指揮官「そうは言ってない。大体、結婚じゃなくてケッコンだろ」


赤城「赤城はケッコンより結婚がしたいですわ〜」


指揮官「いやしないから、第一まだ戦時中だろ?」


赤城「ですが指揮官様。戦時中でも結婚は出来ますのよ?」


指揮官「マジか!初耳だなぁ」


赤城「そうと決まったらケッコンいや、結婚しましょう!今すぐに!」


指揮官「だからしないっての!」


赤城「赤城と結婚してくれないのですか?あ、わかりましたわ。害虫に唆されているのですね〜。フフフ…害虫はソウジしないと〜」


指揮官「やめんか!おーい!誰かこいつを止めろー!!」


加賀「呼んだか指揮官?」ガチャ


指揮官「おぉ!加賀か!いいところに来た!赤城を止めてくれないか?俺と結婚するって言って聞かなくてな…」


加賀「はぁ…またか。ほら姉様、指揮官から離れろ」グィ


赤城「嫌ー!指揮官様ぁー!!」


指揮官「ふぅ…やっと離れたか」


加賀「それにしても何故こんな事になったんだ?」


指揮官「ん?あー。俺が20歳になって結婚の事話してたら赤城が暴走した」


加賀「はぁ…結婚か」


指揮官「まぁでも戦時中だから俺はまだ考えてないけどね〜」


赤城「赤城は今すぐに指揮官様と結婚したいですわ」


指揮官「お前はちょっと黙れ」


加賀「ま、まぁ。結婚はまだしも、指揮官はケッコンはしないのか?」


指揮官「ケッコン?でもあれってお互いの絆が無いとダメなんだろ?俺の事好きな奴なんか居ないだろ」


赤城「赤城がいます」


指揮官「加賀、赤城の口を塞げ」


加賀「わかった」


赤城「そんな!指揮官様ぁ…」


指揮官「あーもう!わかったよ!加賀やっぱりいいよ。赤城少し大人しくするんだぞ?」


赤城「わかりましたわ〜」


加賀「はぁ…だが指揮官よ。1つ言いたい」


指揮官「あ?なんだ?」


加賀「お前はそんな事を言っているが母港の皆はお前の事好きだと思うぞ」


指揮官「え〜そうなの?加賀も?」


加賀「わ、私か!?そ、そうだな…まぁ、それなりに好きだぞ…」モジモジ


赤城「モジモジしちゃって、可愛いわねぇ〜」


加賀「ね、姉様!!」


指揮官「今のちょっとキュンとしたわ」


加賀「お、お前まで!」


指揮官「まぁその気持ちは尊敬の意として受け取っとくよ」


加賀「だがな指揮官」


指揮官「ん?なんだ?」


加賀「私達もいつまでも抑えがきくとは限らん。いつかお前を襲って食べてしまうかもな」


指揮官「そうかい。ま、そん時はそん時だ」


加賀「ふっ、まぁいいだろう。姉様行こう」


赤城「指揮官様。この赤城はいつまでも指揮官様を待っていますからね」


そう言い残し、赤城と加賀は執務室から退室した。


指揮官「ケッコンねぇ…」




・・・・・・・




コンコン


指揮官「どうぞ」


綾波「失礼するのです。委託任務完了したのです」


指揮官「おぉ、ご苦労さま。報告は後で聞くから、昼食食べてきな」


綾波「わかりました。でも指揮官、その前に」


指揮官「ん?どうした?」


綾波「あの、あ、頭を撫でて欲しい、です」


指揮官「あ〜、頭ね。分かったよ。こっちおいで」


指揮官「これでいいのか?」ナデナデ


綾波「ん、ふ。はい、これがいいのです」ナデラレ


指揮官「いつもありがとな」ナデナデ


綾波「いえ、当然の事、です」


指揮官「そうかいそうかい」


綾波「あの、もう大丈夫です」


指揮官「お、もういいのか?」


綾波「はい、満足した、です」


指揮官「そうか。じゃ、早く昼食食べに行きな」


綾波「はいです。失礼するのです」


ガチャ


指揮官「…綾波って可愛いな」


スタスタ…


ジャベリン「あ!綾波ちゃん、報告終わったの?」


綾波「いや、指揮官が後ででいいから昼食を食べて来いって言ってた、です」


ラフィー「じゃ、早く食べよう」


Z23「今日は何を食べましょうか」


ラフィー「ラフィーはカレー」


ジャベリン「ラフィーちゃん。それこの前も食べてたよね?」ニガワライ


綾波「ん?あそこにいるのは?」


赤城「はぁぁぁぁ…指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい」ブツブツ…


綾波「加賀さん、赤城さん。こんにちは、です」


加賀「あぁ、綾波達か」


Z23「あの、赤城さんは一体どうなされたのですか?」


加賀「それがな、指揮官が結婚の話をしてな…」


ジャベリン「え!指揮官結婚するんですか!?」


加賀「いや指揮官はしないと言っていた。するとしても、ケッコンだろうな」


綾波「ケッコン…」


ラフィー「そもそも指揮官は、ケッコンの指輪を持ってるかわからない」


加賀「確かに、持っているか聞いていなかったな」


Z23「なら、後で聞きに行きましょうか」


綾波「それがいい、です」


ジャベリン「まぁそれは後にして。今はお昼食べに行こー!」


赤城「指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい指揮官様と結婚したい…」ブツブツ


ラフィー「まだ言ってる」


加賀「はぁ、ほら姉様。昼食を食べに行こう」


そんなワイワイしている中、道の曲がり角から1人の艦船が。


???「これは良い記事が書けそうだ!」




・・・・・・・




翌日────


指揮官「さて、今日の秘書艦はっと」


指揮官「ふむ、今日はネルソンか。こりゃ一段と気引き締めないとな」


コンコン


指揮官「どうぞ」


ネルソン「失礼するわ。指揮官、今日は私が秘書艦よ」


指揮官「あぁ、今日もよろしく頼むよ」


ネルソン「じゃ、朝食食べに行きましょ」


指揮官「わかった、じゃ行こうか」


食事は寮舎の他に食堂がある。


どちらでも食べる事は可能だが、食堂で食べる事の方が多い。


指揮官「今日はパンって気分だな…パンにコンポタージュとスクランブルエッグでいいか。ネルソンは何にするんだ?」


ネルソン「そうね、私も同じものでいいわ」


指揮官様「じゃ同じものを2つお願いします」


指揮官とネルソンは朝食の乗ったトレイを受け取り、席を探していく。


指揮官「さーて、空いてる席はっと」


ネルソン「相変わらず多いわね。特にこの時間帯は」


???「しきかーん!こっちおいでよー!」


声のする方を向くと、ホーネット、ヨークタウン、エンタープライズが座っていた。


指揮官「すまないな、邪魔するよ」


指揮官はホーネットの前に座り、ネルソンは指揮官の横に座る形となった。


指揮官の左にネルソン、右にエンタープライズ。


前にホーネット、右斜め前にヨークタウンという形だ。


ホーネット「いいのーいいのー。久々に指揮官と食べたかったから」


ヨークタウン「ごめんなさい、指揮官様。急にホーネットが指揮官様を呼ぶものですから…」


指揮官「いやいや全然いいよ。丁度空いてる席を探していたしね」


エンタープライズ「そういえば指揮官。指揮官は誰かとケッコンするのか?」


指揮官「は?」


その瞬間、食堂が静まり返った気がした。


俺の思い違いかもしれんが。


ネルソン「え!?あんたねぇ、ケッコンするなんて聞いてないわよ!」


指揮官「いや俺もそんな事言ってねぇよ!」


エンタープライズ「じゃこれはどう説明するんだ」


指揮官はエンタープライズからある紙を貰う。


指揮官「なに…指揮官ついにケッコン表明か?なんだこれっ!」


ホーネット「指揮官は誰とケッコンするの?」


指揮官「いやだからしないって!そもそもこんな事言ってないから!ったく誰だよこんなでっちあげ書いたの…」


指揮官様は記事の下の方に作成者が書いてあるのに気づいた。


作成者 青葉


指揮官「あんの野郎…」プルプル


青葉「やっほー指揮官。あ、私の記事みてくれてるんだね!で、どうなの?誰とケッコンするの?」


指揮官「青葉ぁ…今日という今日は許さねぇ…」プルプル


青葉「え?」


指揮官「歯食いしばれぇ!!」


デコピーン


青葉「ふぎゃ!」


デコピンの大きな音と共に青葉は倒れた。


指揮官「今回はこれで勘弁してやる」


エンタープライズ「お、おい!大丈夫なのか!?」


指揮官「大丈夫、一応加減してある。悪いが青葉医務室に連れてくわ。悪いが俺の分食ってもいいぞ。じゃあな」青葉背負い


ネルソン「あ!ちょっと!」


ヨークタウン「行ってしまいましたね」


ホーネット「にしても指揮官はホントにケッコンするのかなぁ?」


エンタープライズ「わからない。この記事が事実ならこの母港に居る誰かとケッコンするのだろうな」


ネルソン「なら私もチャンスはあるわね」ボソッ


エンタープライズ「ん?ネルソン、何か言ったか」


ネルソン「い、いや!別に何も言ってないわよ!ご馳走様!」


ネルソンは急いでトレイを片付け、食堂を出た。


ホーネット「今日は騒がしい日だね」


ヨークタウン「そうね。この記事があってから皆ソワソワしてるもの。仕方ないわ」


エンタープライズ「まぁそれは後にしよう、ひとまず朝食を食べよう」


ホーネット「待って」


エンタープライズ「どうした?ホーネット」


ホーネット「指揮官が残したこれどうする?」


「「「………」」」


ヨークタウン「いいわ、ここは私が食べるから」


エンタープライズ「いや大丈夫だ。ヨークタウン姉さん。ここは私が食べよう」


ホーネット「エンター姉こそ無理しなくていいよ。ここは末っ子の私が食べるから」


「「「………」」」


この後、長い時間指揮官の残飯、もとい一口もつけてない新品の料理で争うことになった…




・・・・・・・




医務室────


青葉「ぅん?ここは…?」


指揮官「よぉ、気がついたか。ここは医務室のベッドだよ」


青葉「なんで?…あ」


指揮官「全く、やたらにデマの記事を書くんじゃねぇぞ」


青葉「ごめんなさい…」


指揮官「まぁ、ちょいと痛い目にあったからな。今度はすんなよ?」


青葉「で、でも!私聞いたんだよ!」


指揮官「あ?何をだよ」


青葉「指揮官がケッコンするって話」


指揮官「それは一体誰から聞いたんだよ」


青葉「昨日ね、加賀さんとか綾波達が居てね。指揮官様がケッコンするって話をたまたま聞いちゃったの」


指揮官「あ〜あいつらか。青葉それはちょっと訳があってだな…」


青葉「何?どういう事なの?」


指揮官は昨日の一連の話をした。


青葉「そういう事だったのか」


指揮官「そう。だから俺はまだ結婚もケッコンもしない考えなの」


青葉「えーでも、ケッコンぐらいはしたら?」


指揮官「でも俺の事好いてる奴なんか居るのか?」


青葉「加賀さんにも言われたんでしょ?皆好きだよきっと」


指揮官「そんなもんなのか。まぁ前向きに考えてみるよ」


青葉「うん、それがいいよ」


青葉「私も頑張らなくちゃ」ボソッ


指揮官「なんか言ったか?」


青葉「い、いや!なにも!」


指揮官「そうか。じゃ俺は執務があるから戻るわ。体調良さそうだったら戻ってもいいからな」


青葉「わかった。じゃあね」


ガチャ


青葉「私も指揮官とケッコンしたいな…」




・・・・・・・




ガチャ


指揮官「悪い、今戻った」


ネルソン「遅かったわね。書類はたんまり溜まってるわよ」


指揮官「えぇ…執務なんかしないで遊ぼうぜ」


ネルソン「はぁ?あんた馬鹿じゃないの!」


指揮官「冗談だって。ジャパニーズジョーク」


ネルソン「なんでこんなのが指揮官なのよ…」


指揮官「こんなのとか酷くない!?俺結構頑張ってるよねぇ!?」


ネルソン「うるさい!早く執務するわよ」


指揮官「はいはいよ〜」


ネルソン「全く…」


指揮官は自身の椅子に座り執務を開始した。


ネルソン(あんな事言っといてちゃんと執務するのよねぇ)


ネルソン自身指揮官の仕事ぶりは認めていた。


艦隊の指揮も他の指揮官より優れている。


海軍の中ではトップクラスの実力があるとか噂もされている。


ネルソン(ケッコンかぁ…)


指揮官「どうした?さっきから俺の方見て」


ネルソン「い、いや!なんでもないわ!」


ネルソン(いけない!私しっかりするのよ!今は執務中なのよ。秘書艦なんだからちゃんと補佐しなきゃ)


指揮官(今日のネルソンなんか変だなぁ。朝変なもんでも食ったのか?)


執務の時間もあっという間に経ち昼食の時間になった。


指揮官「今日の執務はもう少しで終わりそうだからネルソンは昼食食べてきなよ」


ネルソン「いや、私も手伝うわ」


指揮官「いやいいよ。書類終わった後も委託に行った奴ら迎えに行かなきゃいけないからさ」


ネルソン「そう、わかったわ」


指揮官「あぁ、今日もご苦労さま。午後は自由にしてくれて構わないからな」


ネルソン「わかった。じゃ失礼するわ」


ガチャ


指揮官「さて、委託の奴らは後もう少しで着くだろう。それまでに終わらせるか」


・・・・・・・




指揮官「皆おかえり〜」


長良「指揮官ただいま〜。今回も報酬はたっぷりだよ」


指揮官「ありがとな〜、いつも助かってるよ」ナデナデ


長良「えへへ〜指揮官に撫でられるの気持ちいい〜」


指揮官「腹減ったろ?報告は後で聞くから昼食食べてきな」


長良「指揮官は食べたの?」


指揮官「いや、まだだけど…」


長良「なら、あてと一緒に食べよ?」


指揮官「わかった。じゃ早速行こうか」


長良「うん!」




・・・・・・・




指揮官「朝は結局食べられなかったからな…腹が減って死にそうだ」


長良「ダメだよ?ちゃんと食べないと」


指揮官「悪いな、ちょっとパパラッチを懲らしめてたもんでな」


長良「え?もしかして青葉の事?」


指揮官「そうそう、俺がケッコンするってでっちあげてな。デコピンしてやったよ」


長良「あはは、そうなのか…」


指揮官「まぁいい。長良は何食べる?」


長良「そうだなぁ、秋刀魚定食かな」


指揮官「じゃ俺もそれにするわ」


2人はトレイを受け取り席を探す。


指揮官「朝もそうだけど昼のこの時間帯は結構人がいるな」


???「あら指揮官?どうしたの?」


指揮官「ん?あぁ、プリンツか」


プリンツ「空いてる席探してるんでしょ?隣空いてるから座っていいわよ」


指揮官「すまんな。お邪魔するよ」


指揮官はプリンツの隣に座り長良も指揮官の隣に座った。


指揮官「まだ席が空いてるみたいだけど、誰か来るのか?」


プリンツ「えぇ、もう時期来ると思うけど…」


???「ごめん、遅くなったわ」


どうやら、空いてる席を座るのは3人の鉄血。


アドミラル・ヒッパーとティルピッツとグラーフ・ツェッペリンだった。


ティルピッツ「ん?指揮官も一緒に食べるのか?」


プリンツ「空いてる席を探していたらしくてね。ここに座らせたわ」


ツェッペリン「もう1人は長良か…」


長良「ごめんね。ご一緒させてもらうね」


ツェッペリン「構わない」


そう言い、3人は席に着き食事を始めた。


指揮官「やっと食事が出来るぜ。死ぬとこだった」


ヒッパー「あんたちゃんと朝食べたの?」


指揮官「いや朝は色々あってな、食べてないんだ」


ヒッパー「そう、ちゃんと食べなさいよね」


指揮官「そうだな。昼まで結構きつかったからな」


ツェッペリン「そう言えば卿よ」


指揮官「あ?どうした?」


ツェッペリン「ケッコンするという話は本当か?」


指揮官「」


ツェッペリン「本当ならば誰とケッコンするのだ?」


指揮官「あ、あのな?ツェッペリン。その話はデマなんだよ」


ツェッペリン「嘘ならばいつケッコンするのだ?」


指揮官「えぇ…」


ティルピッツ「ツェッペリン。指揮官が困っているわ」


プリンツ「でもケッコンはいつするの?」


指揮官「今のところは考えてないんだよね…」


プリンツ「ふぅん、指揮官はヘタレなの?」


指揮官「やかましいわ」


ティルピッツ「でも本当にそろそろケッコンした方がいいだろう。ケッコンは戦力の向上になる。この先の海域にもケッコンは必要になるだろうな」


指揮官「でもなぁ、俺としたい奴なんて居るのかなぁ。嫌々ケッコンしても仕方ねぇしよ…」


長良「それは勘違いだと思うよ」


指揮官「なんでだ?」


長良「皆指揮官の事が好きだもん。指揮官の為ならなんでも出来る。指揮官の為に戦ってるもの」


指揮官「俺の為ねぇ…」


ツェッペリン「そうだ。だから我と…」


指揮官「確かに俺の為に戦ってくれるのはありがたい。だけどな、俺のために戦ってもらっちゃ困るんだよ。お前らは世界の為に戦うんだ。俺の為に戦ってもなんにもならん。所詮、上司と部下の関係なんだからよ」


ティルピッツ「本気でそう思っているのか?」


指揮官「あ?」


ティルピッツ「私達はずっとあなたの為に戦ってきた。私達は兵器だ。セイレーンを倒し、世界に平和をもたらさなければならない。だけど、私達はあなたに救われた。駆使された私達を救う者は居なかった」


ティルピッツがそう言い、食堂は静かになった。


元々ここの母港は荒れていた。


前任による苦な出撃や委託。食事愚か娯楽も禁止。出撃は無い時は寮舎に籠るしかなかった。


常に死と隣り合わせ。


駆逐艦や軽巡は囮か捨て駒。


戦力のある者は力を使い果たすまで戦わなければならなかった。


そんな地獄の日々の中、現れたのが今の指揮官だった。


指揮官は前任の悪行を探るべく来日した新米の指揮官だった。


前任の悪行は指揮官により発見され、前任は指揮官の称号を失った。


その指揮官は後にこの母港に着任してくれたのだ。


このような母港はここだけでは無い。


他の母港にも前任の様な指揮官が存在する。


指揮官は時々他の母港から艦船を引き取ってきたりする。


本当にお人好しで優しい。


だからこそ母港の皆に好かれる理由でもある。


ティルピッツ「あなただけが私達を救ってくれた。あなたが助けてくれなかったら皆今頃沈んでいたかもしれんな。私達はその時から誓った。あなたの為に戦い、あなたと共に生きると」


食堂は静まり返っていたが、皆は指揮官をじっと見つめていた。


指揮官「そーかい。まぁ、ただの気まぐれだよ」


ツェッペリン「だったら卿は本当に愚かな人間だな」


プリンツ「私達はそうは思わないけどね。普通の人間はそこまでしないもの」


指揮官「俺は俺の仕事をしただけ。今もこれかもな」


プリンツ「今はそれでいいわ。いずれ振り向かせてみせるわ。勿論私にね」


ヒッパー「は、はぁ!?自分が何言ってるかわかってるの!?」


プリンツ「あら、どこかのツンデレさんとは違って私はちゃんと想いは伝えるわ」


ヒッパー「う、うっさい!ツンデレじゃない!」


指揮官「まぁ考えておくよ。ご馳走様」


指揮官はトレイを片付け食堂をあとにした。




・・・・・・・




指揮官「ケッコン、ねぇ…」


指揮官「確かにいつかしなきゃならないのはわかる。だけど誰かとケッコンしたらあいつらは…」


コンコン


???「ベルファストです。ご主人様いらっしゃいますか?」


指揮官「ベルファストか。いいぞ入ってくれ」


ベルファスト「失礼します」


指揮官「どうした?執務ならネルソンと一緒に午前中に終わらしたが」


ベルファスト「いえ、陛下より午後のお茶会のお誘いへと参りました。如何なさいますか?」


指揮官「そうだな。特にやる事も無いしお邪魔させてもらうよ」


ベルファスト「わかりました。では参りましょうか」


エディンバラ級二番艦ベルファスト。


ロイヤル陣営のメイドであり、メイド隊のメイド長でもある。


彼女のおかげで進めなかった海域も攻略する事が出来、この母港のかけがえのない存在である。


ベルファスト「さぁ、着きました」


ガチャ


エリザベス「遅いじゃない!もう五分も経っているわよ!」


ベルファスト「申し訳ありません」


エリザベス「ふん!まぁいいわ。じゃ、早速始めましょ」


指揮官「いや〜エリザベス達とお茶なんて久々だな」


エリザベス「そうよ!今まで散々誘ったのよ!」


指揮官「悪いな、仕事が多くてね。これからはなるべく出れるようにするよ」


エリザベス「まぁいいわ。今回は出てくれたし許してあげるわ」


指揮官「お!そいつは有難いね〜」


フッド「陛下はいつも断られて悲しそうにしてましたからね」


エリザベス「ちょ、ちょっと!フッド!それは言わないでよ!」


フッド「あら、これは失礼しました」


指揮官「そうだったのか。なんだか悪いな。なんか頼み事とかあるか?叶えられる限り聞くけど」


エリザベス「ほ、ほんとに!?」


指揮官「あ、あぁ。でも叶えられる範囲だぞ」


エリザベス「そうね〜。なら…」


エリザベス「ケッコン指輪が欲しいわ」


その瞬間、空気がピシッと凍えた気がした。


指揮官「…は?」


エリザベス「なによ。聞こえなかったわけ?じゃ、もう一度言うわ。ケッコン指輪が欲しいわ」


指揮官「い、いやな?エリザベス。実はケッコン指輪はちょっと…」


エリザベス「もしかして、この私と出来ないと言うんじゃないでしょうね」


指揮官「いや、そういう事じゃなくてだな」


ウォースパイト「へ、陛下!指揮官が困っていますから何もケッコン指輪じゃなくても…」


エリザベス「嫌よ。聞いたとこによると、あなた。ケッコンとか結婚とか考えてるらしいじゃない」


指揮官「いやそれはだな…」


エリザベス「私は結婚でも構わないわよ!まさか、この女王陛下である私の願いが聞けないって言うんじゃないでしょうね!」


イラストリアス「陛下!どうか落ち着いてください!」


エリザベス「私は落ち着いているわよ!この下僕が願いを叶えられないとか言うから…」


指揮官「…エリザベス」


エリザベス「なによ。もしかして渡す気になったかしら?」


指揮官「俺はな、ケッコンも結婚も考えていない」


エリザベス「やっぱりこの私の願いを聞けないって言うのね!」


指揮官「そうじゃない!そうじゃないんだ」


エリザベス「じゃなによ!」


指揮官「いいか。俺らはな今は戦争中なんだぞ。確かにケッコンは戦力強化になるがそもそもお互いの絆がなければ意味が無いんだぞ」


指揮官「でも俺だってケッコンしてやりたいよ。でもな仮に誰かとケッコンしてみろ。他に悲しむ奴が出てくるんだよ。俺は一人を愛する事なんて出来ない。俺は皆の事を家族のように思っているから…」


ベルファスト「ご主人様…」


指揮官「だから俺はケッコンは出来ない。すまない…」


エリザベス「ふん!まぁわかったわ」


指揮官「いいのか?」


エリザベス「でもやはり欲しいわね」


イラストリアス「重婚なんてどうでしょう?」


指揮官「重婚?」


フッド「なるほど、一人がダメなら皆にっと言うことですね」


指揮官「つまり、全員にケッコン指輪を渡せと?」


エリザベス「まぁ仕方ないからそれでも構わないわ」


指揮官「マジかよ」


エリザベス「そうよ、出来ないの?」


指揮官「そうだなぁ、上層部と話してみないとわからんな」


エリザベス「そう、まぁいいわ。まぁいい知らせを期待してるわ」


指揮官「なんとかしてみるよ。じゃ早速上層部と話すから俺はこれでお暇するよ」


フッド「あら、もう行ってしまいますの?」


指揮官「また誘ってくれ。その時はまた来るよ。じゃあな」


ウォースパイト「行ってしまったわね…」


イラストリアス「それにしても急に陛下はケッコン指輪が欲しいだなんて言い出すので驚きました」


エリザベス「なによ。私だってケッコン指輪ぐらい欲しいと思うわよ」


フッド「私も指揮官様の指輪が欲しいですわ」


ウォースパイト「は?」


エリザベス「ちょっと!指輪を貰うのはこの私よ!」


フッド「流石に陛下の願いであってもこれは譲る事は出来ませんわ」


エリザベス「〜〜〜〜っ!!」


ベルファスト「まぁご主人様の知らせを待ちましょう」


エリザベス「ふん!絶対に渡さないんだから!」


ベルファスト(私もご主人様と…)




・・・・・・・




指揮官「重婚か…」


聞くところによると他の母港でも重婚している所はあるらしい。


指揮官「それって倫理に触れてないか?」


やはり指輪だけであって1人に渡すもんだと思っていたが、重婚なんて皆が許すかなぁ…


それに仮にも戦時中だし、戦力強化なら分かるが、好意がつくとなるとまたこれがな…


指揮官「ちくしょう、どうしたもんかな…」


???「あら、指揮官様?」


指揮官「ん?おぉ天城か。こんにちは」


天城「1人でどうなされましたか?」


指揮官「ちょっと考え事をな…」


天城「そうですか。ゲホッ!ゲホッ!」


指揮官「お、おい!大丈夫か?部屋に戻った方がいいんじゃないか?」


天城「だ、大丈夫です。いつもすいません」


指揮官「いいんだ気にするな」


天城「指揮官様これから用事ありますか?」


指揮官「いや特には」


天城「なら私と散歩に行きませんか?」


指揮官「俺は大丈夫だが、天城は大丈夫なのか?体調とか」


天城「はい、今は落ち着いていますので。それに指揮官様と2人でお話もしたいですし」


指揮官「そ、そうか。なら早速行こうか」


天城「そうですね」




・・・・・・・




指揮官「今日は天気も晴れてて気持ちいいな」


天城「そうですね、こんなに晴れているとお昼寝したくなりますね」


指揮官「ははは、そうだな。小さい頃は日差しの暖かい時はよく寝ていたもんだよ」


天城「あら、指揮官は意外とアウトドア派ですか?」


指揮官「普段は執務で部屋に篭ってるからな。海軍に入る前は地元の奴らと良くやんちゃしたもんさ」


天城「元気なのはいい事ですわ。ゴホッゴホッ!」


指揮官「おい!大丈夫か!やっぱりダメそうだな…部屋に戻ろう」


天城「い、いえこれぐらい大丈夫です」


指揮官「いやダメだ。天城の体調が優先だ。散歩はまた今度な」


天城「分かりました。申し訳ございません…」


指揮官「いいんだ、気にするな」




・・・・・・・




天城の部屋


指揮官「ゆっくり休むんだぞ」


天城「申し訳ございません。手を煩わせてしまって…」


指揮官「いいって気にするな。それに赤城や加賀が心配するだろ?」


天城「そうですね、気をつけます」


指揮官「じゃ、俺は行くからな。お大事にな」ガチャ


天城「はい、ありがとうございます」


天城「……」


天城「指揮官様はこんな私でも添い遂げてくれるのでしょうか…」


天城「いいえ天城、その為には体調を良くしないと」


天城「指揮官様、待っていてくださいね」




・・・・・・・




指揮官「さてさて、今日の仕事は終わっちまったし、、何すっかなー」


パコーンパコーン


指揮官「ん?何の音だ?」


ボルチモア「ナイスショット!クーパー今の上手かったじゃないか」


クーパー「でしょでしょ!今のは自分でもしっくりきたね」


指揮官「おーい!」シノ


ブレマートン「ん?あ、指揮官!」


指揮官「皆何してんだ?」


ボルチモア「部活のテニスさ、今練習中なんだ」


指揮官「また助っ人なのか?」


ボルチモア「そうだ、でも身体を動かす事は悪くないし、テニスは面白いしね」


指揮官「ふーん。ん?」


ボルチモア「どうした?指揮官」


指揮官「お前…何の許可無しでタトゥー入れてんだ!」


ボルチモア「あぁ、これか。これはブレマートンから貰ったタトゥーのシールなんだ」


指揮官「え。そ、そうなの?」


ブレマートン「今の時代は貼って洗うだけで片付くから楽だよね〜」


指揮官「全然知らんかった」


ブレマートン「どう?指揮官もやってみる?」


指揮官「いや、いいよ。駆逐艦達に怖がられそうだし。第一お前らはタトゥーの本当の怖さを知らんのさ…」


ボルチモア「どうした?指揮官」


指揮官「いやなんでもない。それにボルチモアもオシャレとか気遣うんだな」


ボルチモア「最近、色々やってみたくてな。服とか色々こだわってるんだ」


指揮官「へーいいじゃん。好きな人でも出来たんか?」


ボルチモア「えっ!そ、それは、その…」


指揮官「まぁ言いたくないならいいよ。にしても好きな人出来たなんて良かったじゃないか。ここは男は俺しか居ないけど、外の世界なら腐るほど男は居るからな!」


バッチ「も〜、指揮官ってホントにバカだね〜」


指揮官「はぁ?なんでだよ」


バッチ「教えな〜い!」


指揮官「なんなんだよ…」


ボルチモア「そ、それよりもさ!指揮官も一緒にテニスやらないか?」


指揮官「あーそうだな。暇だしやるか」


ボルチモア「そうか。良かった。じゃラケット持ってくるから待っててくれ!」


指揮官「おーう」


ブレマートン「指揮官ってホントに鈍感よね〜」


指揮官「うるせぇ」


クーパー「指揮官はいつ決断するの?ケッコンとか!」


指揮官「今はケッコンの話はやめてくれ。考えたくないんだよ」


クーパー「なんだよ〜」


指揮官「じゃ俺も運動着に着替えてくるわ」




・・・・・・・




指揮官「さて着替えたし、やるか。にしても体を動かすのは久しぶりだな〜」


ボルチモア「お?来たみたいだな。いつでも出来るぞ」


指揮官「まぁ得意じゃないけどお手柔らかにお願いするよ」


とはにかみながら言ってみる指揮官


ホントにテニスは得意じゃないんだよな


なんせ中高では遠くに飛んでいく程下手だったしな


もう開き直ってどこまで飛ばせるか友達と競い合ったものだ…


そうやって昔の思い出をしみじみと感じる指揮官である


ブレマートン「何やってんの指揮官?もう始めちゃうよ?」


指揮官「悪い悪い、じゃ始めようか!」




・・・・・・・




指揮官「ハァ…ハァ…死ぬぅぅ…」


そう息を切らしながら倒れ込む


そりゃそうか。タバコ吸ってりゃ体力も無くなる


運動部に所属していたってそれは高校までの話


バッチ「ちょっと〜大丈夫なの〜?だらしないわねぇ」


クーパー「ほら指揮官、水とタオルだよ。使って」


指揮官「わ、悪い…久しぶりに運動したもんだからちょっと体力がな…」


バッチ「なーに年寄りじみた事言ってるのよ。ちゃんと体動かさないと不健康になるわよ?」


いやいや、タバコ吸ってるから健康もクソもあるかってんだ


ブレマートン「無理はダメだよ?今日はこの辺にしておこうか」


指揮官「悪いな…あんま楽しめたかわからんけど」


ボルチモア「そんな事ないさ。指揮官とやれたんだ、良い1日だったよ」


指揮官「そうか、なら良かったよ」


クーパー「じゃ、終わりにしてシャワー浴びに行こ〜」


ブレマートン「そうね〜もう汗でベタベタ…」


そう言ってブレマートンは服をパタパタと扇ぐ


ブレマートン「ん?どうしたの指揮官。まじまじ見ちゃって」


え!?俺見てたの!?無意識に!?


ブレマートン「指揮官ダメだよ?エッチなんだから♪」


指揮官「う、うっせぇ!別に見とらんわ!男の前でよくそんな事出来るな…」


ブレマートン「べ、別に指揮官なら…イインダケドナ…」


と語尾は小さく呟くように言うブレマートン


指揮官「まぁいい。俺も戻るからな。風邪引かないようにちゃんと体暖めろよ〜?」


ボルチモア「気遣いありがとう指揮官。また機会があったらテニスしよう。まぁ私は他のスポーツでも構わないけどさ」


指揮官「まぁうん…考えとく…」


ボルチモア「そ、そうか…まぁ仕方ないか」


と少し落ち込んでしまうボルチモア


指揮官「むぐぐ…ま、まぁ近いうちまたしよう」


ボルチモア「ホ、ホントか指揮官!約束だぞ!」


指揮官「わかったわかった。じゃまたな」


ボルチモア「あぁ。楽しみにしておくよ」


指揮官「あいよ〜」




・・・・・・・




指揮官「くぁ〜!シャワーは気持ちいいねぇ〜!」


指揮官(スポーツの後はやっぱりシャワー!これに限る!)


指揮官「……」


指揮官(この母港もだいぶ大きくなったな…色んな陣営もいるし…上手くやってるみたいだし)


指揮官(正直ケッコンは何回も考えた…でもやっぱり…)


指揮官「いやよそう。頭を痛くするだけだ」


指揮官「さてと、汗も流したし、出ますかね」ガチャ


制服をきっちり着こなし…


指揮官「さて…執務執務っと…」




・・・・・・・

























後書き

ご愛読ありがとうございました。

令和2年目どころか、3年目…オリンピックも真っ只中…更新遅れてすいません…
頑張りますのでお慈悲を!

ssを書くにはガチで書こうと決めているので、キャラの話し方や構成等かなり考えています。
場合によっては読者の皆様からの要望を元に書くこともあるかもしれません。
頻繁にはとはいきませんが、少しでも書けるようにします!

一応「孤独な神人」も更新しますね。
そちらの方も是非読んでみてくださいね。

そういえば先日初のケッコン艦として綾波とケッコンしました。初期艦とし思い出深かったんで…

孤独な神人でもアズールレーン編を書こうと思うのでお楽しみに。




ネタ切れなの…
誰かネタとかコメントしてくれ…


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1: SS好きの名無しさん 2019-03-02 00:37:35 ID: S:QxzwDi

応援してるから、続きはよ!

2: SS好きの名無しさん 2019-03-30 23:24:01 ID: S:tRm-iG

エスカレートして
誰か夜中に襲いに来るとかどうっすか?
ギリギリT操は守ったが、散々ネタに挙げられ、
青葉と指揮官は悲鳴をあげた。

更新求む

3: ペーパーマン 2019-05-23 02:22:08 ID: S:C8g7Ud

1番様

長らくお待たせして申し訳ございません!
更新頑張ります!


2番様

それは中々面白そうですね。
シリアス方面で行くかコメディで行くか悩みものですね。
参考にします!更新も頑張ります!

4: SS好きの名無しさん 2020-02-24 13:51:20 ID: S:SGDIjS

もう一年経つのか…(´・ω・`)

5: ペーパーマン 2020-08-06 04:14:05 ID: S:yPSu-Z

4番さんコメントありがとうございます!

すいません…本業の方が忙しくこちらが疎かになってしまいまして…

8月は更新を頻繁にして行こうと思います!

6: SS好きの名無しさん 2020-08-10 00:19:04 ID: S:vbaTOj

更新キターーーー┗(°∀° )⊃)3°)バキーーー!!


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